デ・ハビランド・カナダ

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De Havilland Aircraft of Canada Limited
種類しゅるい
子会社こがいしゃ
業種ぎょうしゅ 宇宙うちゅう航空こうくう産業さんぎょう
設立せつりつ 1928
本社ほんしゃ

カナダの旗 カナダ

ファイル:Flag of Calgary.svg カルガリー
主要しゅよう人物じんぶつ
Brian Chafe (CEO)[1]
製品せいひん
従業じゅうぎょう員数いんずう
1,200[2]
親会社おやがいしゃ Longview Aviation Capital[3]
子会社こがいしゃ Viking Air
ウェブサイト dehavilland.com/en

デ・ハビランド・カナダDe Havilland Canada)はカナダトロント存在そんざいする航空機こうくうき製造せいぞう会社かいしゃ。1928ねんにイギリスのデ・ハビランド・エアクラフトがカナダの飛行ひこう訓練くんれんようのモス製造せいぞうするために設立せつりつし、だい世界せかい大戦たいせんのちには独自どくじ機体きたい設計せっけい製造せいぞうした。

だい世界せかい大戦たいせんまえ[編集へんしゅう]

タイガー・モスは、ジプシー・モス改良かいりょうした機体きたいで、1931ねん10月26にちはつ飛行ひこうした。当初とうしょは120馬力ばりきのジプシーIIエンジンを搭載とうさいしていたが、1939ねんには145馬力ばりきのジプシー・メジャーエンジンを搭載とうさいしたDH.82Aがたへと改良かいりょうされた。イギリス本国ほんごくでは、1,000えるタイガー・モスが大戦たいせんまえ生産せいさんされ、つづいて4,005生産せいさんされ世界中せかいじゅうおくられた。デ・ハビランド・カナダでは1,747生産せいさん、その大半たいはんはコクピット、ブレーキ、おおわれた82Cがたであった。

だい世界せかい大戦たいせん[編集へんしゅう]

タイガー・モスはだい世界せかい大戦たいせんにおけるイギリス連邦れんぽう飛行ひこう訓練くんれん計画けいかくBritish Commonwealth Air Training PlanBCATP)における基礎きそ訓練くんれんであった。イギリス連邦れんぽう飛行ひこう訓練くんれんせい大半たいはんはカナダで飛行ひこう訓練くんれんけた。デ・ハビランド・カナダはイギリスのデ・ハビランドのいち部門ぶもんであり、だい世界せかい大戦たいせんちゅうにカナダ政府せいふ営利えいり企業きぎょうとされた。

モスキート生産せいさんったことは、デハビランド・カナダがおこなったもっとおおきな戦争せんそうへの貢献こうけんとなった。モスキートはだい世界せかい大戦たいせんにおけるもっと優秀ゆうしゅう双発そうはつふく戦闘せんとううちひとつであったが、もっとおおきな特徴とくちょう機体きたい材質ざいしつにあった。戦時せんじ金属きんぞく資源しげん節約せつやくのために木材もくざい多用たようされ、防御ぼうぎょ武装ぶそうはぶわりに軽量けいりょう高速こうそくでそれをおぎない、はつ飛行ひこうから1944ねんまで、高度こうど30,000フィート(9,144 m)における425 mphやく684 km/h)はレシプロ軍用ぐんよう世界せかい最高さいこうであった。当初とうしょばくげきとして開発かいはつされたが、各地かくちでの侵攻しんこう作戦さくせんまえにおける偵察ていさつ写真しゃしん撮影さつえいでその能力のうりょく証明しょうめいすることとなった。

デ・ハビランド・カナダは、総計そうけい7,000以上いじょうつくられたモスキートのうち、1,134生産せいさんした。いくらかは大西洋たいせいよう横断おうだん輸送ゆそうちゅううしなわれたが、終戦しゅうせんまでに500えい本国ほんごくおくられた。

だい世界せかい大戦たいせん[編集へんしゅう]

戦後せんご前記ぜんきタイガー・モスのコンポーネントを流用りゅうよう開発かいはつされたけい旅客機りょかくきフォックス・モス生産せいさんおこなう。同機どうきは1932ねんにイギリスで設計せっけいされたものだが、デ・ハビランド・カナダでは、1946ねんより、胴体どうたい強化きょうかしスライドしきクーペ・トップをそなえたDH.83Cを52生産せいさんした。

ほか、同社どうしゃはイギリスのデ・ハビランドのいくつかの機体きたい継続けいぞくして生産せいさんし、そのアメリカで設計せっけいされたグラマン S2F トラッカーのライセンス生産せいさんおこなった。1962ねんアブロ・カナダ生産せいさん設備せつび親会社おやがいしゃホーカー・シドレーによりデハビランド・カナダに移管いかんされた。さらには、カナダの気候きこうてきしたオリジナルの機体きたい設計せっけい開始かいしした。

一旦いったん終焉しゅうえん[編集へんしゅう]

1980年代ねんだいにカナダ政府せいふはデ・ハビランド・カナダを民営みんえいしたのちボーイング売却ばいきゃくした。ボーイングの子会社こがいしゃとなったデハビランド・カナダであったが、その1992ねんボンバルディア・エアロスペース買収ばいしゅうされた。デ・ハビランド・カナダが最後さいご開発かいはつした機種きしゅである DHC-8 についてはボンバルディアによりQ400 として生産せいさん継続けいぞくされた。

2006ねん2がつ24にち、ボンバルディア・エアロスペースはデハビランド・カナダのもと社員しゃいん創業そうぎょうしたビクトリア本拠ほんきょバイキング・エア以下いか機種きしゅ生産せいさん権利けんり売却ばいきゃくした。

デ・ハビランド・カナダの復活ふっかつ[編集へんしゅう]

2018ねん11月、バイキング・エアしゃ親会社おやがいしゃであるロングビュー・アビエーション・キャピタルが、ボンバルディアしゃからDHC-8 のプログラムおよびデ・ハビランド・カナダの商標しょうひょう購入こうにゅうし、子会社こがいしゃとしてDe Havilland Aircraft of Canda Limited[4]設立せつりつした。これにより、DHCのもとにDHC-1からDHC-8までの機体きたい生産せいさんけんふたたあつまった。[5]

2020ねんになり、新型しんがたコロナウイルス(COVID-19)の流行りゅうこうもあり、工場こうじょうリース期限きげんが2021ねんまでとなっていたこともあり、工場こうじょう一時いちじ閉鎖へいさ製造せいぞう休止きゅうし[6]流行りゅうこう収束しゅうそくともな需要じゅよう回復かいふく環境かんきょう対応たいおうしたハイブリッドなどしん技術ぎじゅつ開発かいはつ検討けんとう[7]、カナダ・カルガリーしん工場こうじょうを2023ねん着工ちゃっこう、2025ねんから「デ・ハビランド・フィールド」として一部いちぶ稼働かどうさせ、DHC-515(CL-415後継こうけい消防しょうぼう両用りょうよう飛行ひこうてい製造せいぞう既存きそん製造せいぞう再開さいかいするとしている[8]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Canada, De Havilland Aircraft of. "Longview Aviation Capital Announces Consolidation of Companies under De Havilland Aircraft of Canada Limited and Appoints Brian Chafe Chief Executive Officer". www.newswire.ca. 2023ねん6がつ9にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2023ねん6がつ9にち閲覧えつらん
  2. ^ “De Havilland brand preps for takeoff after Bombardier's Dash 8 sale to Longview | The Star” (英語えいご). The Star. The Canadian Press. (2019ねん6がつ3にち). https://www.thestar.com/business/2019/06/03/de-havilland-brand-preps-for-takeoff-after-bombardiers-dash-8-sale-to-longview.html 
  3. ^ Hemmerdinger, Jon (2019ねん6がつ3にち). “Longview completes Dash 8 buy and forms De Havilland Aircraft”. Flightglobal.com. https://www.flightglobal.com/news/articles/longview-completes-dash-8-buy-and-forms-de-havilland-458670/ 
  4. ^ De Havilland Aircraft of Canda Limited
  5. ^ Hemmerdinger2019-06-03T18:38:24+01:00, Jon. “Longview completes Dash 8 buy and forms De Havilland Aircraft” (英語えいご). Flight Global. 2020ねん4がつ10日とおか閲覧えつらん
  6. ^ “デハビランド・カナダ、ダッシュ8製造せいぞう一時いちじ停止ていし ダウンズビュー閉鎖へいさ. https://flyteam.jp/news/article/131135 
  7. ^ “プラット&ホイットニー・カナダ、ハイブリッド電気でんき推進すいしん技術ぎじゅつ開発かいはつ加速かそく. https://flyteam.jp/news/article/133556 
  8. ^ “デ・ハビランド・カナダ、カルガリーにしん工場こうじょう建設けんせつへ 2025ねん稼働かどう. https://flyteam.jp/news/article/137682 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]