ハエ

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かんぬいたんかくぐん Cyclorrhapha
ハエ下目しため Muscomorpha
生息せいそく年代ねんだい: 245–0 Ma
ニクバエ一種いっしゅ Sarcophaga carnaria
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 節足動物せっそくどうぶつもん Arthropoda
つな : 昆虫こんちゅうつな Insecta
: ハエそう翅目) Diptera
: ハエたんかくBrachycera
階級かいきゅうなし : かんぬいたんかくぐん Cyclorrhapha
下目しため : ハエ下目しため Muscomorpha
ふし

ハエはえはえ)は、ハエそう翅目)にぞくする昆虫こんちゅうのうち、ハエたんかくたまきぬいたんかくぐん(かんぽうたんかくぐん)ハエ下目しためMuscomorpha)にぞくするたね総称そうしょうである。日本にっぽんだけで、60ほどのと、そこにぞくする3,000しゅちかたね存在そんざいする。

成虫せいちゅう一般いっぱんちいさな胴体どうたい、よく発達はったつした前翅ぜんし後翅こうし変化へんかした平均へいきんつ。飛翔ひしょう能力のうりょく昆虫こんちゅうるいなかでも非常ひじょうたか部類ぶるいで、空間くうかん完全かんぜん固定こていされたかのようなホバリングや、高速こうそくでの急激きゅうげき方向ほうこう転換てんかんなど、複雑ふくざつ敏捷びんしょう飛翔ひしょうをこなせるものがおおい。「たんかく」というとお触角しょっかく通常つうじょうみじかい。

羽化うかさいにはさなぎ背中せなかたてれずに環状かんじょうひらく。このためさなぎの環状かんじょうになっているとので「かんぬいたんかくぐん」、あるいはたんに「かんぬいぐん」「かんぬいるい」ともばれる。アブ通常つうじょうハエとはべつちょくぬいたんかくぐん呼称こしょうだが、「アブ」とのつくもののうちハナアブアタマアブなどはハエの仲間なかまであり、ぎゃくに「ハエ」とのつくもののうち、アシナガバエオドリバエなどはアブの仲間なかまである。

ハエの幼虫ようちゅうについては「うじ」で詳述しょうじゅつする。

人間にんげんとのかかわり[編集へんしゅう]

ものかぶせられたはえちょう
典型てんけいてきハエはた
伝統でんとうてきハエばら英語えいごばん。アフリカからアジアまでひろ利用りようされ、かみとうとしてももちいられている。
フライボトル(はえびん

害虫がいちゅう[編集へんしゅう]

日本にっぽん全国ぜんこく世界せかい各国かっこくのどこにいてもきわめて一般いっぱんてきられる昆虫こんちゅうではあるが、衛生えいせい害虫がいちゅう農業のうぎょう害虫がいちゅう双方そうほう側面そくめん害虫がいちゅうとみなされることがおおい。

イエバエクロバエニクバエなどの一部いちぶたねひと居住きょじゅう環境かんきょうむことで、衛生えいせい害虫がいちゅうしている。衛生えいせい害虫がいちゅうとしてのハエのがいは、おおきく3つに大別たいべつされる。

(1)汚物おぶつ散布さんぷ, (2)病原びょうげんたい間接かんせつてき媒介ばいかい
ハエの成虫せいちゅうおおくはエネルギーげんとしてはなみつ果物くだものアブラムシ排泄はいせつぶつ甘露かんろ)などから糖分とうぶん摂取せっしゅするが、卵巣らんそう精巣せいそう成熟せいじゅくのための蛋白たんぱくげんとしてたねによって様々さまざま食物しょくもつ摂取せっしゅする。蛋白たんぱくげんとなる食物しょくもつヒト家畜かちく体液たいえきなみだ唾液だえき傷口きずぐちからの浸出液しんしゅつえきなど)、にく動物どうぶつくそ腐敗ふはい植物しょくぶつしつといった動植物どうしょくぶつ死骸しがい花粉かふんなどである。
衛生えいせい害虫がいちゅうとしてのハエのがいの1つもくと2つはこのハエの摂食せっしょく習性しゅうせい起因きいんする。まず、動植物どうしょくぶつ死骸しがいからこのんで蛋白質たんぱくしつ摂取せっしゅするハエの場合ばあい人間にんげん糞便ふんべんなどの汚物おぶつまたは死骸しがいと、にくさかななど食物しょくもつ双方そうほう摂食せっしょくおこな場合ばあいがあり、このときに病原びょうげんせいのある細菌さいきんウイルス寄生虫きせいちゅうたまごなどをからだ表面ひょうめんつうじて、または食品しょくひんじょう消化しょうかかん内容ないようぶつ吐出はきだしたり糞便ふんべん排泄はいせつしたりすることによって媒介ばいかいすることとなる。ヒトの居住きょじゅう空間くうかん進出しんしゅつしているハエの一部いちぶには、イエバエのように積極せっきょくてき人家じんか侵入しんにゅうする性質せいしつったものがあり、こうしたハエはとく食物しょくもつ病原びょうげんたいによる汚染おせんこす可能かのうせいたかい。
ふるくから、ポリオウイルス赤痢せきりきんサルモネラ赤痢せきりアメーバ回虫かいちゅうたまごむちちゅうたまごなどがハエによって媒介ばいかいされることがられ、警戒けいかいされていたが、公衆こうしゅう衛生えいせい向上こうじょうによってこれらの病原びょうげんたいすくなくなった日本にっぽんではあまり危険きけんされなくなっていた。しかし、1990年代ねんだい後半こうはん以降いこう病原びょうげんせい大腸菌だいちょうきん(O157など)やトリインフルエンザウイルスといった感染かんせんしょう病原びょうげんたいがハエによって媒介ばいかいされていることをつよ示唆しさする研究けんきゅう結果けっか公表こうひょうされ、ふたたびハエによる病原びょうげんたい媒介ばいかい着目ちゃくもくされつつある。
(3)直接的ちょくせつてき病原びょうげんたい媒介ばいかい
上記じょうき病原びょうげんたい媒介ばいかい食物しょくもつつうじた間接かんせつてきなものであるが、ハエのしょくせいによっては動物どうぶつやヒトの個体こたいあいだで、病原びょうげんたい直接ちょくせつ媒介ばいかいすることがられている。たとえば、ヒトをふくめた動物どうぶつなみだから蛋白質たんぱくしつ摂取せっしゅする小型こがたのハエをメマトイとぶが、こうしたしょくせいのハエはから直接ちょくせつ寄生虫きせいちゅうなどの病原びょうげんたいはこぶこともられている。日本にっぽんではせんちゅう一種いっしゅ東洋とうようちゅうが、ゆうがこの性質せいしつしめショウジョウバエのマダラメマトイによって媒介ばいかいされることがられている。また、ハエのなかには吸血きゅうけつせいち、健全けんぜん皮膚ひふから血液けつえき直接ちょくせつ摂取せっしゅして蛋白たんぱくげんとするものがあり、これも寄生虫きせいちゅうなどを媒介ばいかいすることがある。日本にっぽんにもいるイエバエサシバエるいによる病原びょうげんたい媒介ばいかいは、日本にっぽんではられていないが、アフリカツェツェバエるいによって媒介ばいかいされるトリパノソーマは、アフリカ諸国しょこくでは深刻しんこく問題もんだいとなっている。
(4)寄生きせい
こうした2とおりの病原びょうげんたい媒介ばいかい以外いがい衛生えいせいがくじょう医学いがくじょう重要じゅうようなハエによるがいとして、はえうじしょう(ようそしょう)あるいはハエしょうぶものがある。これはクロバエニクバエといった肉食にくしょくせいのハエの幼虫ようちゅう人体じんたい寄生きせいこす疾患しっかんである。これは、にく糞便ふんべんでも発生はっせいする種類しゅるいのハエによる偶発ぐうはつせいはえうじしょうと、脊椎動物せきついどうぶつ専門せんもん寄生きせいせいのハエによる真性しんせいはえうじしょうふたつにけられる。
偶発ぐうはつせいはえうじしょうには、幼虫ようちゅう傷口きずぐち皮膚ひふ潰瘍かいよう寄生きせいする皮膚ひふハエしょうみみどう寄生きせいするみみハエしょう幼虫ようちゅう食物しょくもつとともにあやまいん、あるいは肛門こうもんから幼虫ようちゅうはいむことによって消化しょうかかん粘膜ねんまく刺激しげきされて腹痛はらいたこす消化しょうかハエしょうけられる。
ヒトに真性しんせいはえうじしょうこすハエは、どれも皮膚ひふ寄生きせいするしゅである。アフリカのヒトクイバエローダインコブバエ中南米ちゅうなんべいヒトヒフバエラセンウジバエといった熱帯ねったいせいのものが知名度ちめいどたかいが、寒冷かんれい温帯おんたいにもユーラシア大陸たいりく内陸ないりくひろ分布ぶんぷするヒフヤドリニクバエるいWohlfahrtia magnificaひがしアジアみなみアジア亜熱帯あねったいねつ帯域たいいきにはトウヨウラセンウジバエなどがおり、注意ちゅういようする。ただし、ヒツジ鼻腔びこう寄生きせいし、吸血きゅうけつしてそだ真性しんせい寄生きせいしゅのヒツジバエが、偶発ぐうはつてきにヒトに産卵さんらんして一時いちじ寄生きせいすることがられている。
(5)不快ふかいかん
また、こうした深刻しんこく健康けんこう被害ひがいをもたらさなくとも、ヒト親和しんわせいたかいハエは人体じんたい食物しょくもつおおきな羽音はおときまとい、不快ふかい害虫がいちゅうとしてもおおきな地位ちいめる。日本にっぽんでもごみ処理しょりじょうだい発生はっせいするイエバエや、鶏舎けいしゃれをヒメイエバエ社会しゃかい問題もんだいになることもあり、熱帯ねったい亜熱帯あねったい地域ちいきでは、ヒトの糞便ふんべんおも発生はっせいげんとし、せい成熟せいじゅく必要ひつよう蛋白質たんぱくしつしゅとしてヒトのなみだ唾液だえきから摂取せっしゅするフタスジイエバエが、人体じんたいくち大挙たいきょしてむらがり、れないものには非常ひじょう不快ふかいかんもよおさせる。
(6)農業のうぎょう被害ひがい
農業のうぎょう害虫がいちゅうとしてはハナバエタマネギバエタネバエミバエウリミバエチチュウカイミバエなどが栽培さいばい植物しょくぶつ果実かじつ種子しゅし球根きゅうこんなどに寄生きせいし、腐敗ふはいさせつつ食害しょくがいするため、農業のうぎょう深刻しんこく被害ひがいおよぼす。

益虫えきちゅう[編集へんしゅう]

駆除くじょ[編集へんしゅう]

大正たいしょう昭和しょうわにかけて製造せいぞうされたとおもわれる「村瀬むらせしきはえうつわ」(三好みよし日出ひので一氏かずうじ所有しょゆう
粘着ねんちゃくせいのある薬品やくひん塗布とふしたかみでハエをらえる駆除くじょ用品ようひん[3]
ハエ駆除くじょ用品ようひん
ガラスせいで、きタイプと管状かんじょうタイプがある[3]
大正たいしょう時代じだいにはゼンマイしき自動じどうはえうつわ尾張おわり時計とけいげん尾張精機おわりせいき)によって開発かいはつされた[3]回転かいてんするつつ網状もうじょう部分ぶぶんにハエをめる。
めんつゆやワインでおびきせ、揮発きはつする洗剤せんざい窒息ちっそくさせる[4]
ショウジョウバエとうのハエがひかり誘導ゆうどうされるはしひかりせい利用りようして駆除くじょする装置そうち[6][7]電撃でんげき吸引きゅういんしき粘着ねんちゃく捕虫ほちゅうがある。ただ、電気でんきしき場合ばあいは、駆除くじょしたむし小片しょうへんり、周囲しゅうい雰囲気ふんいき浮遊ふゆう粒子りゅうし増加ぞうかさせる報告ほうこくもなされている[8][9]
特定とくてい条件じょうけんたす種類しゅるいはえ根絶こんぜつするための国家こっかてきプロジェクトの一種いっしゅ放射線ほうしゃせん遺伝子いでんしえにより生殖せいしょく能力のうりょく異常いじょうとなる個体こたい意図いとてきして散布さんぷすることにより、その地域ちいきはえなどを根絶こんぜつさせることを目的もくてきとする。なお、プロジェクトの最終さいしゅう段階だんかいとしておこなうものであり、ぜん段階だんかい粗方あらかた個体こたいすう減少げんしょうさせておかなくてはならない。
東京とうきょうのゴミ最終さいしゅう処分しょぶんじょうであったゆめしまでは、1960年代ねんだいにハエの発生はっせい深刻しんこく焦土しょうど作戦さくせんとして、堆積たいせきぶつふかさ1.5mにわたりハエの幼虫ようちゅうごとはら手法しゅほうられた[10]

生活せいかつ[編集へんしゅう]

のハエ昆虫こんちゅうおなじく、たまご - 幼虫ようちゅううじ) - さなぎ - 成虫せいちゅうという成長せいちょう段階だんかい完全かんぜん変態へんたい昆虫こんちゅうである。

たまご[編集へんしゅう]

おおくは卵生らんせいで、成虫せいちゅう幼虫ようちゅう生息せいそく場所ばしょとなる環境かんきょうたまご直接ちょくせつみつける。ただし、ニクバエすべてやクロバエイエバエ一部いちぶなどはめす体内たいないはい発育はついくし、幼虫ようちゅう直接ちょくせつけるたまご胎生たいせいである。

幼虫ようちゅう寄生きせい生活せいかつをするヤドリバエ一部いちぶでは、直接ちょくせつ幼虫ようちゅうそだ宿主しゅくしゅ産卵さんらんせず、植物しょくぶつじょう産卵さんらんし、孵化ふかした幼虫ようちゅう宿主しゅくしゅ接近せっきんつものもいる。

幼虫ようちゅう[編集へんしゅう]

1よわい孵化ふかし、3よわいおわりよわいである。いわゆるうじ(ウジ)であり、あしでかつ頭蓋とうがい(とうがい)など頭部とうぶ器官きかんはほとんど退化たいかしている。そのわりに複雑ふくざつ強固きょうこ咽頭いんとう骨格こっかく発達はったつしている。咽頭いんとう骨格こっかく先端せんたんにはくちかぎ(こうこう)というかぎじょう発達はったつし、底部ていぶにはろ器官きかんpharyngeal filter)がられる。

ハエの幼虫ようちゅうおおくは腐敗ふはい、あるいは発酵はっこうした動植物どうしょくぶつしつ生息せいそくし、液状えきじょうしたものを吸引きゅういんし、そこに浮遊ふゆうする細菌さいきん酵母こうぼといった微生物びせいぶつ有機物ゆうきぶつ砕片さいへんといった粒状りゅうじょうぶつpharyngeal filter によってろして摂食せっしょくする。さらに一部いちぶのものは寄生きせい捕食ほしょくによって、あるいは動物どうぶつ新鮮しんせん死体したいから動植物どうしょくぶつ組織そしき体外たいがい消化しょうかして直接ちょくせつ吸引きゅういん、あるいは体液たいえき吸収きゅうしゅうする。

微生物びせいぶつによって分解ぶんかいされつつある生物せいぶつ組織そしき摂食せっしょくする腐食ふしょくせいから捕食ほしょく寄生きせいといったきている生物せいぶつ組織そしき直接ちょくせつ摂食せっしょくする生食なましょくせい移行いこうしたたねでは、pharyngeal filterうしな傾向けいこうにある。くちかぎだいあご起源きげんし、もとぶつけることで歩行ほこう腐敗ふはい有機物ゆうきぶつの攪拌、動植物どうしょくぶつ組織そしき破壊はかい獲物えもの宿主しゅくしゅ皮膚ひふ穿孔せんこうなどにもちいられる。

さなぎ(さなぎ)[編集へんしゅう]

老熟ろうじゅくしたおわりよわい幼虫ようちゅう幼虫ようちゅう時代じだいごした摂食せっしょく場所ばしょはなれ、おおくは土中どちゅうもぐさなぎとなる。ハエるいさなぎ形成けいせいさいは、おわりよわい幼虫ようちゅう脱皮だっぴせずに、幼虫ようちゅうからだ短縮たんしゅくしてコメのようかたちになり、そのまま幼虫ようちゅう外皮がいひ硬化こうかするのが特徴とくちょうである。硬化こうかした外皮がいひ内側うちがわで、しんのさなぎがさらにいちまわちいさく収縮しゅうしゅくして形成けいせいされる。こうしたじゅう構造こうぞうさなぎかこえさなぎ(いよう)とぶ。

羽化うかさいしては硬化こうかした幼虫ようちゅう皮膚ひふぜん方体ほうたいぶし環状かんじょう分離ぶんりし、ぶたのようにはずれることで成虫せいちゅう脱出だっしゅつする。これがかんぬいたんかくぐん名前なまえ由来ゆらいである。

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

おおくのうえがあり、このうちどう系統けいとううえをまとめる2つの「ふし」にかれる。

分類ぶんるい体系たいけいは『日本にっぽん動物どうぶつだい百科ひゃっか9昆虫こんちゅうII』(平凡社へいぼんしゃ、1997ねん)に準拠じゅんきょ

系統けいとうじゅ[編集へんしゅう]

形態けいたい情報じょうほうもとづくもの[編集へんしゅう]

系統けいとうじゅ以下いか準拠じゅんきょ

  • McAlpine , J.F., "Phylogeny and Classification of The Muscomorpha," Manual of Nearctic Diptera, J. F. McAlpine and D. M. Wood (eds.), Vol. 3, Ottawa: Canadian Government Publishing Center, 1989 pp. 1397-1518 ISBN 0-660-12961-2

分類ぶんるいぐん和名わみょう以下いか準拠じゅんきょ

  • 三枝さえぐさ豊平とよへい「ハエそう翅目)DIPTERA 概説がいせつ」『しんてい 原色げんしょく昆虫こんちゅうだい圖鑑ずかん平嶋ひらしま義宏よしひろ 森本もりもとかつら (監修かんしゅう), Vol.III, 東京とうきょう: きたたかしかん, 2008ねん pp. 255-283 ISBN 978-4-8326-0827-6
かんぬいたんかくぐん Cyclorrhapha
がく嚢節 Aschiza
ヒラタアシバエうえ Platypezoidea

ヒラタアシバエ Platypezidae

ヤリバエ Lonchopterida

Ironomyiidae

ムカシノミバエ Sciadoceridae

ノミバエ Phoridae

ハナアブうえ Syrphoidea

ハナアブ(アブバエ, ショクガバエSyrphidae

アタマアブ(アタマバエPipunculidae

がく嚢節 Schizophora
べん翅亜ぶし Acalyptera
アシナガヤセバエうえ Nerioidea

マルズヤセバエ(チビヒゲアシナガヤセバエMicropezidae

アシナガヤセバエ(ナガズヤセバエNeriidae

バナナバエ Cypselosmatid

シュモクバエうえ Diopsoidea

Tanypezidae

ハネオレホソバエ Strongylopthalmyidae

Somatidae

ハネオレバエ Psilidae

Nothybidae

モモブトホソバエ(フトモモホソバエ, モモブトバエMegamerinidae

Syringogastridae

シュモクバエ(トビメバエDiopsidae

メバエうえ Conopidea

メバエ Conopidae

ミバエうえ Tephritoidea

クロツヤバエ Lonchaeidae

マダラバエ(ニセハネフリバエOtitidae

ヒロクチバエ Platystomatidae

ミバエ Tephritidae

デガシラバエ Pyrgotidae

Tachiniscidae

Richardiidae

ニセミバエ(ハネフリバエPallopteridae

チーズバエ Piophilidae

シマバエうえ Lauxanioidea

シマバエ Lauxaniidae

Eurychoromyiidae

ヨロイバエ Celyphidae

アブラコバエ Chamaemyiidae

ヤチバエうえ sciomyzoidea

ハマベバエ Coelopidae

ベッコウバエ Dryomyzidae

Helosciomyzidae

ヤチバエ Sciomyzidae

Ropalomeridae

ツヤホソバエ Sepsidae

ヒメコバエうえ Opomyzoidea
クチキバエぐん Clusioinea

クチキバエ Clusiidae

acartopthalmidae

ハモグリバエぐん Agromyzoinea

トゲアシモグリバエ Odiniidae

ハモグリバエ Agromyzidae

Fergusoninidae

ヒメコバエぐん Opomyzoinea

ヒメコバエ Opomyzidae

ハナホソバエ Anthomyzidae

ヒメホソバエぐん Asteionea

ナガショウジョウバエ Aulacigastridae

ケシショウジョウバエ Periscelididae

Neurochaetidae

シダコバエ Teratomyzidae

ニセヒメホソバエ Xenasteiidae

ヒメホソバエ Asteiidae

チスイコバエうえ Carnoidea

Australimyzidae

ミツバチシラミバエ Braulidae

チスイコバエ(チビコバエCarnidae

ハマベホソバエ(イソベバエTethnidae

ニセミギワバエ(イソバエCanacidae

シロガネコバエ(コガネコバエ, コガネバエMilichiidae

Risidae

ヒゲブトコバエ Cryptochetidae

キモグリバエ Chloropidae

フンコバエうえ Sphaeroceroidea

トゲハネバエ Heleomyzidae

Trixocelids

Rhinotorids

Mormotomyiidae

キイロコバエ Chyromyidae

フンコバエ(ハヤトビバエSphaeroceridae

ミギワバエうえ Ephydroidea

セダカショウジョウバエ Curitonotidae

Camillidae

ショウジョウバエ Dorosophilidae

ホソショウジョウバエ Diastatidae

ミギワバエ Ephydridae

ゆうべん翅亜ぶし Calyptera
シラミバエうえ Hippoboscoidea

ツェツェバエ Glossinidae

シラミバエ Hippoboscidae

コウモリバエ Streblidae

クモバエ Nycteribiidae

イエバエうえ Muscoidea

フンバエ Scathophagidae

ハナバエ Anthomyiidae

ヒメイエバエ Fanniidae

イエバエ Muscidae

ヒツジバエうえ Oestroidea

クロバエ Calliphoridae

Mystacinobiidae

ニクバエ Sarcophagidae

ワラジムシヤドリバエ(タンカクヤドリバエRhinophoridae

ヤドリバエ Tachinidae

ヒツジバエ Oestridae

がく嚢節 Aschiza[編集へんしゅう]

成虫せいちゅうかこえさなぎ(いよう)や土中どちゅうから脱出だっしゅつするのに使つかわれる嚢状器官きかんであるがく嚢(後述こうじゅつ)をき、そのてん原始げんしてき形質けいしつ保持ほじしているとされる。

ヤリバエうえ Lonchopteroidea
代表だいひょうてきなものにノミバエ Phoridae があり、様々さまざま環境かんきょう生活せいかつがた進出しんしゅつして繁栄はんえいしている。ノミバエ幼虫ようちゅう腐敗ふはいした動物どうぶつしち下水道げすいどう浄化槽じょうかそう汚泥おでい発生はっせいしてしばしば衛生えいせい害虫がいちゅうになるもの、キノコべるもの、かりはち寄生きせいするものなどがられている。サトイモテンナンショウるいおくこなしゃとしても重要じゅうよう。また、ノミバエ成虫せいちゅう特定とくてい生物せいぶつ一種いっしゅであるヒアリなどの天敵てんてきとしても有名ゆうめい
ハナアブうえ Syrphoidea
ここにぞくするハナアブ Syrphidaeゆうべん翅亜ぶしならんで大型おおがたしゅおおい。またたね多様たようせいたか美麗びれいしゅおおいので、日本にっぽんでもプロの研究けんきゅうしゃのみならず、これに注目ちゅうもくして調査ちょうさ研究けんきゅうすすめているアマチュア研究けんきゅう増加ぞうかしつつある。
幼虫ようちゅう生活せいかつがた多様たようで、有機物ゆうきぶつんだ汚水おすい生活せいかつするもの、ほらまったみずなか長期間ちょうきかんかけて成長せいちょうするもの、ちゅうそだつもの、多年生たねんせい草本そうほん地下ちか穿孔せんこう腐敗ふはいさせて摂食せっしょくするもの、植物しょくぶつじょうアブラムシなどを捕食ほしょくするもの、アリ寄生きせいするものなどがられる。
成虫せいちゅう大半たいはんはなあつまり、はなみつ花粉かふん摂取せっしゅする。虫媒花ちゅうばいかおくこなしゃとして重要じゅうようで、シマハナアブ Eristalis cerealis (Fabricius,1805)では農作物のうさくもつおくこなしゃとして人工じんこう増殖ぞうしょくほう開発かいはつされている。
ハナアブうえにはアタマアブ Pipunculidae がよくられ、農業のうぎょう害虫がいちゅうであるウンカヨコバイるい寄生きせいしゃとして重要じゅうようである。
シリアカニクバエの羽化うか直後ちょくご成虫せいちゅう頭部とうぶ反転はんてんしたがく

がく嚢節 Schizophora[編集へんしゅう]

成虫せいちゅう触角しょっかく上方かみがたがくぎゃくVじょうみがあり、羽化うか直後ちょくごからだやわらかいときにのみこれがひらき、体液たいえきふくらむ風船ふうせんじょう器官きかんがく嚢が反転はんてん突出とっしゅつする。羽化うかさいしてこのグループにぞくすハエはがく嚢を断続だんぞくてき突出とっしゅつさせてかこえさなぎぶたひらけ、また土中どちゅうからの脱出だっしゅつのためにしのける。地上ちじょう脱出だっしゅつがく嚢は頭部とうぶ格納かくのうされ、そと骨格こっかく硬化こうかともな反転はんてん突出とっしゅつすることはなくなる。

べん翅亜ぶし Acalyptratae[編集へんしゅう]

大型おおがたしゅもいるが5mm未満みまん小型こがたたねおおく、ショウジョウバエなど日常にちじょう生活せいかつで「コバエ」とばれているのはこの仲間なかまおおい。

アシナガヤセバエうえ Nerioidea
頭部とうぶシュモクザメ同様どうようほそ左右さゆうび、その先端せんたんがつく奇異きい形態けいたいシュモクバエ Diopsidae有名ゆうめいである。最近さいきん日本にっぽんでも、八重山諸島やえやましょとうヒメシュモクバエ Sphyracephala detrahens (Walker, 1860)の生息せいそく確認かくにんされた。
メバエうえ Conopoidea
メバエConopidaeは寄生きせいせいのグループで、ほとんどのたねハチゆうけんるい成虫せいちゅうびかかって体内たいない産卵さんらんする。果樹かじゅえん受粉じゅふんよう飼育しいくしている単独たんどくせいハナバチるいだいがいあたえることがある。
ミバエうえ Tephritoidea
このうえ代表だいひょうするミバエ Tephritidae植物しょくぶつ寄生きせいせいであり、農作物のうさくもつ果実かじつ腐敗ふはいさせつつ食害しょくがいするウリミバエ Zeugodacus cucurbitae (Coquillett,1899)のようなだい害虫がいちゅう著名ちょめいである。むしえいをつくったりくぐるなど、様々さまざま寄生きせいのスタイルがられている。幼虫ようちゅうコガネムシなどに寄生きせいし、成虫せいちゅうがハチそっくりなデガシラバエ Pyrgotidaeや、幼虫ようちゅうがチーズや塩蔵えんぞうせいかわなどに発生はっせいするチーズバエ Piophilidae などがられる。
ヒラヤマシマバエ(シマバエ)5mmほど。日本にっぽん全土ぜんどもりはるあきまで比較的ひかくてきよくられる
シマバエうえ Lauxanioidea
シマバエ Lauxaniidae腐敗ふはい植物しょくぶつしつとり汚物おぶつ繁殖はんしょくするほかきた植物しょくぶつ寄生きせいするものもられる。
ヤチバエうえ Sciomyzoidea
ヤチバエ Sciomyzidae幼虫ようちゅう淡水たんすいさんおよくがさん軟体動物なんたいどうぶつ捕食ほしょくしゃとして多様たようしたである。
ヒメコバエうえ Opomyzoidea
ハモグリバエ Agromyzidae幼虫ようちゅうきた植物しょくぶつ穿孔せんこうする。せんしょくこんが「エカキムシ(絵描えかちゅう)」としてられる。
キモグリバエうえ Carnoidea
キモグリバエ Chloropidaeヨシノメバエるい幼虫ようちゅうヨシわか成長せいちょうてん侵入しんにゅうし、一部いちぶたねでは葉巻はまきがた顕著けんちょむしえい形成けいせいする。成虫せいちゅうはヨシのくきじょう振動しんどうによって雌雄しゆうのコミュニケーションをおこなう。
ハヤトビバエうえ Sphaeroceroidea
トゲハネバエチャバネトゲハネバエ Tephrochlamys japonica Okadome,1967は便所べんじょなどの生活せいかつともな汚物おぶつ発生はっせいするので人家じんか付近ふきん普通ふつうられる。また、本科ほんかにはキノコに幼虫ようちゅう発生はっせいするものもおおい。
キイロショウジョウバエのオス
アサザにいるワタナベトゲミギワバエ(ミギワバエ
ミギワバエうえ Ephydroidea
ショウジョウバエ Drosophilidae にはおおくの種類しゅるいがあるが、モデル生物せいぶつとして生物せいぶつがくとく遺伝いでんがく多大ただい貢献こうけんをしたキイロショウジョウバエ Drosophila (Sophophora) melanogaster Meigen,1830がもっと知名度ちめいどたかい。生物せいぶつがくにおいては、「ハエ」とえばショウジョウバエ、とくにこのたね場合ばあいおおい。
ミギワバエ Ephydridae はそののとおり湖沼こしょう河川かせん水際みずぎわれてられるものがおおく、幼虫ようちゅう生態せいたいきわめて多様たようしていることがられている。捕食ほしょくせいカマバエぞく Ochthera成虫せいちゅうぜんあしカマキリそっくりの捕獲ほかくあし変形へんけいしており、昆虫こんちゅうらえてべる。トゲミギワバエぞく Notiphila幼虫ようちゅういけなどにみ、さなぎ(ようか)のさい抽水植物しょくぶつ組織そしきない空隙くうげき呼吸こきゅうかんして空気くうきる。このぞくのイミズトゲミギワバエ N. sekiyai幼虫ようちゅうイネ食害しょくがいする害虫がいちゅうだが、発生はっせいりょうすくない。

べん翅亜ぶし Calyptratae[編集へんしゅう]

大型おおがたのいわゆるハエらしいハエで、日常にちじょう生活せいかつで「ハエ」として認識にんしきされているのはたいていこの仲間なかまである。

シラミバエうえ Hippoboscoidea
成虫せいちゅう鳥類ちょうるい哺乳類ほにゅうるいといった恒温動物こうおんどうぶつ寄生きせいしゃとして特殊とくしゅしたグループで、体外たいがい寄生きせいして吸血きゅうけつする。さなぎ生類しょうるい(ようせいるい)ともばれ、幼虫ようちゅうめす成虫せいちゅう体内たいないたまごから孵化ふかすると体内たいない分泌ぶんぴつされる栄養えいよう物質ぶっしつ摂取せっしゅして成長せいちょうし、さなぎ(ようか)寸前すんぜんとされ、ただちにさなぎになる。
宿主しゅくしゅ到達とうたつした成虫せいちゅう終生しゅうせいそこにまるシラミバエ Hippoboscidaeコウモリバエ Streblidaeクモバエ Nycteribiidaeほかに、アフリカのみからられ、短時間たんじかん吸血きゅうけつ以外いがい自由じゆう生活せいかつをするツェツェバエ Glossinidaeられる。ツェツェバエは「睡眠すいみんびょう」または「ねむびょう」ともばれるアフリカ・トリパノソーマしょう病原びょうげんたい媒介ばいかいすることでられる。
モモエグリイエバエ Hydrotaea dentipes (イエバエ)のオス
イエバエうえ Muscoidea
大型おおがたのハエらしいハエのなかで、しゅとして腐敗ふはい植物しょくぶつしつ草食そうしょく雑食ざっしょくせい動物どうぶつ排泄はいせつぶつしゅたる発生はっせいげんとするものがおおいグループ。
  • フンバエ Scatophagidaeヒメフンバエ Scatophaga stercoraria のような幼虫ようちゅうしょくくそせいたねがよくられるが、幼虫ようちゅうきた植物しょくぶつなどに穿孔せんこうするたねおおい。成虫せいちゅうしょう昆虫こんちゅう捕食ほしょくするたねおおい。
  • ハナバエ Anthomyiidae にもきた植物しょくぶつ幼虫ようちゅう穿孔せんこうして成長せいちょうするたねおおいが、キノコや動物どうぶつくそ成長せいちょうするたねすくなくない。農作物のうさくもつ顕著けんちょ害虫がいちゅうとしてられるダイコンバエタマネギバエタネバエ幼虫ようちゅう宿主しゅくしゅ植物しょくぶつ腐敗ふはいさせつつ食害しょくがいするが、その一方いっぽう施肥せひされた油粕あぶらかすなどの腐敗ふはい有機物ゆうきぶつにも産卵さんらんおこなわれ、幼虫ようちゅう成長せいちょうすることがられている。ハナバエ一部いちぶたね成虫せいちゅうしょう昆虫こんちゅう捕食ほしょくする。
  • ヒメイエバエ Fanniidae幼虫ようちゅう動物どうぶつくそなどで発生はっせいするが、褐色かっしょく比較的ひかくてきかた外皮がいひ多数たすう突起とっきゆうする毛虫けむしじょう外観がいかんゆうし、一見いっけんハエの幼虫ようちゅうえない。ゆう成虫せいちゅうはしばしば集団しゅうだんぐんする。
  • イエバエ Muscidae には幼虫ようちゅう動物どうぶつくそ腐敗ふはい有機物ゆうきぶつ発生はっせいするものがおおいが、キノコなど様々さまざま場所ばしょ幼虫ようちゅう成育せいいくするたねようする。幼虫ようちゅう捕食ほしょくせいたねもある。ひろし世界せかいてき屋内おくない害虫がいちゅうであるイエバエ Musca domesticaきんえんしゅにはクロイエバエ Musca bezzi など成虫せいちゅう大型おおがた草食そうしょくじゅうからだひょうなみだ傷口きずぐちからの滲出しんしゅつ体液たいえき摂取せっしゅし、宿主しゅくしゅ排泄はいせつしたくそ産卵さんらんして幼虫ようちゅうがそこで成長せいちょうするたねおおい。イエバエはアフリカでそうした生活せいかつおくっていたたね人家じんかない進入しんにゅうし、ひと生活せいかつともな廃棄はいきぶつ依存いぞんして生活せいかつするように分化ぶんかして世界中せかいじゅうひろがったものとかんがえられる。今日きょうでも畜舎ちくしゃ牛糞ぎゅうふんなどからよく発生はっせいするなど大型おおがた草食そうしょくじゅうとの親和しんわせいたかさを維持いじしており、ウシちょううちにしばしばつねざいする病原びょうげんせい大腸菌だいちょうきんO157媒介ばいかいしゅとしても注目ちゅうもくされている。
ヒツジバエうえ Oestroidea
大型おおがたのハエらしいハエのなかで、しゅとして腐敗ふはい動物どうぶつしつ肉食にくしょく雑食ざっしょくせい動物どうぶつ排泄はいせつぶつしゅたる発生はっせいげんとし、寄生きせいせいたねおおいグループ。
  • クロバエ Calliphoridae幼虫ようちゅう動物どうぶつくそ腐敗ふはいぶつなどで繁殖はんしょくする。そのため病気びょうき媒介ばいかいしゃともなる。一部いちぶ寄生きせいせいのものもあり、カエルミミズカタツムリなどへの捕食ほしょく寄生きせいおこなうものもられる。
  • MystacinobiidaeMystacinobia zelandica 1ぞく1しゅのみがぞくする。ニュージーランド固有こゆうで、コウモリ一種いっしゅツギホコウモリ Mystacina tuberculataほらちゅう寄生きせいし、翅でクモのような姿すがたをしている。ただし吸血きゅうけつせいはなく成虫せいちゅう幼虫ようちゅうともくそしょくで、新天地しんてんちへの移動いどうのために成虫せいちゅうはコウモリのからだひょうにしがみつく。かつてはショウジョウバエにきんえんともされたが、分子ぶんし系統けいとうなどからはクロバエ比較的ひかくてきちかいとされ、クロバエ Mystacinobiinae ともされる。
  • ヒツジバエ Oestridae幼虫ようちゅう哺乳類ほにゅうるい寄生きせいする。
  • ワラジムシヤドリバエ Rhinophoridae幼虫ようちゅうワラジムシカタツムリなど、陸生りくせい節足動物せっそくどうぶつ軟体動物なんたいどうぶつ寄生きせいするとされる。
  • ニクバエ Sarcophagidae幼虫ようちゅうにくえるが、寄生きせいせいのものもおおい。
クロツヤナガハリバエ Zophomyia temula (ヤドリバエ)。北海道ほっかいどうふくきゅうきたひろ分布ぶんぷよせぬし不明ふめい
  • ヤドリバエ Tachinidae幼虫ようちゅうのほとんどは昆虫こんちゅうるい寄生きせいし、一部いちぶクモムカデなどの陸生りくせい節足動物せっそくどうぶつなどに寄生きせいする。種類しゅるい非常ひじょうおおく、ふくまれるかずをそれぞれ独立どくりつとしてあつか場合ばあいもある。
  • Axiniidaeは D.H.Colless という研究けんきゅうしゃが1994ねん提唱ていしょうした[11]あたらしいで、オーストラリアとニューギニアに分布ぶんぷするが、独立どくりつとせず、ワラジムシヤドリバエふくめるかんがえがある。幼虫ようちゅうなに寄生きせいするかは未知みちである。

ハエにかんする文化ぶんか[編集へんしゅう]

ハエはとにかく人間にんげんまわりにまとわりつくようにまわるうるさい存在そんざいである。ふるくからまわりの衛生えいせいまもることは、ハエを対象たいしょうとしてきた。たとえばまわりの虫除むしよけは往々おうおうにしてハエのつ。蠅叩はえたたはえはえいらずなどのれいがある。ただし、具体ぐたいてきかたちでヒトをがいするものではないためか、どこかユーモラスな印象いんしょうもある。

ハエにかんする作品さくひん[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 【ドキュメント日本にっぽん】「はたらきバエ」農家のうかすくう/ハチのわりに受粉じゅふん あつさむも/イメージ払拭ふっしょく課題かだい日本経済新聞にほんけいざいしんぶん朝刊ちょうかん2020ねん8がつ11にち社会しゃかいめん)2020ねん9がつ23にち閲覧えつらん
  2. ^ 【Disruption 断絶だんぜつさきに】だい10 地球ちきゅうつづける(3)タンパク質たんぱくしつ危機きき ハエがすくう?日本経済新聞にほんけいざいしんぶん朝刊ちょうかん2020ねん1がつ22にち(ディスラプションめん)2020ねん9がつ23にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c はえとりの道具どうぐ 岡崎おかざき 2020ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  4. ^ 一生いっしょうモノの知恵袋ちえぶくろ』(主婦しゅふ友社ともしゃ)p78
  5. ^ 改訂かいてい食品しょくひん衛生えいせい責任せきにんしゃガイドブック』(日本にっぽん食品しょくひん衛生えいせい協会きょうかい 2003ねん6がつ1にち発行はっこう)「ハエの駆除くじょ」p43
  6. ^ 田中たなかあつしひろし『ビルメンテナンスが一番いちばんわかる』(2015ねん1がつ25にち)p74
  7. ^ Jason Drew、Justine Josep『The Story of the Fly: ..and How It Could Save the World』ISBN 0980274281「Fly zappers」のこう
  8. ^ 平尾ひらお 素一そいちはしひかりせい昆虫こんちゅうによる異物いぶつ混入こんにゅうとその対策たいさく」『たまきどうこん』2002ねん 13かん 3ごう p.163-171, doi:10.11257/jjeez.13.163
  9. ^ Gopal P. Ananth , David C. Bronson & Jeffrey K. Brown Generation of airborne fly body particles by four electrocution fly traps and an electronic fly trap International Journal of Environmental Health Research Volume 2, 1992 - Issue 2 Published online: 20 Sep 2008 pp.106-113
  10. ^ 焦土しょうど作戦さくせん成功せいこう ハエの幼虫ようちゅうはほぼ死滅しめつ」『日本経済新聞にほんけいざいしんぶん昭和しょうわ40ねん7がつ16にち15めん
  11. ^ D H Colless, A New Name for a Genus in Axiniidae (Diptera), Australian Journal of Entomology 33: 380-380 (1994)

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

天敵てんてき

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]