バウンティハンター

バウンティハンター（Bounty hunter）とは、日本語にほんごでは通称つうしょう「賞金しょうきん稼かせぎ」と呼よばれている職業しょくぎょうである。賞金しょうきん稼かせぎは、法律ほうりつに従したがって犯罪はんざい者しゃや逃亡とうぼう者しゃを逮捕たいほすることで報酬ほうしゅうを得えている。

転てんじて、賞金しょうきん目当めあてで試合しあいを行おこなっている者ものを指さしていうこともある。このように評ひょうされるのはクイズの回答かいとう者しゃ、脆弱ぜいじゃく性せいを探さがすホワイトハッカーなどで、プロスポーツ選手せんしゅがこのように呼よばれることはほとんどない。

アメリカのバウンティハンター[編集へんしゅう]

現代げんだいのアメリカにおけるバウンティハンターとは、保釈ほしゃく保証ほしょう業者ぎょうしゃ（Bail bondsman）からの逃亡とうぼう者しゃを捕つかまえて賞金しょうきんを受うけ取とる業者ぎょうしゃである。根拠こんきょとなる法律ほうりつは州しゅうによって異ことなり、免許めんきょを必要ひつようとする州しゅうもあれば不要ふようの州しゅうも一部いちぶには存在そんざいする。しかし、荒あらくれハンターによる被害ひがいが各地かくちで問題もんだい化かしており、現在げんざいは専用せんよう身分みぶん証しょう、身分みぶん章あきら（バッジ）などの携帯けいたい義務ぎむを課かせられていることが多おおい。連邦れんぽう保安ほあん官かんとは違ちがい、私立しりつ探偵たんてい同様どうように、あくまで州しゅう法務省ほうむしょう・公安こうあん部ぶの許可きょかを受うけた民間みんかん業者ぎょうしゃである。

アメリカでは、被疑ひぎ者しゃ・被告人ひこくにんの保釈ほしゃく金きんを立たて替かえる行為こういが一般いっぱん化かしているが、この保釈ほしゃく金きんは高額こうがくなため踏ふみ倒たおそうとする者ものが後こうを絶たたない。この逃亡とうぼう者しゃを捕つかまえ、没収ぼっしゅうされた保証ほしょう金きんを取とり立たてるべく保釈ほしゃく保証ほしょう業者ぎょうしゃに引ひき渡わたすのがバウンティハンターの主しゅ業務ぎょうむである。ベイルジャンパー（保釈ほしゃく金きん踏倒ふみたおし逃亡とうぼう者しゃ）のほかに、各地かくちの市し警察けいさつ、連邦れんぽう保安ほあん官かん、連邦れんぽう捜査そうさ局きょくなどが広域こういき手配てはいしている犯罪はんざい者しゃを捕縛ほばくして引ひき渡わたすことで手数料てすうりょうを得えることもできる。それらの職務しょくむをも含ふくむ意味いみで、FUGITIVE RECOVERY AGENT（逃亡とうぼう犯はん回収かいしゅう業者ぎょうしゃ）とも呼よばれている。

報酬ほうしゅうは完全かんぜん成果せいか主義しゅぎである。期限きげんまでに犯人はんにんを引ひき渡わたすと報酬ほうしゅうが得えられるが、そうでなければ報酬ほうしゅうは一切いっさいない。デーブ・スペクターによれば、バウンティハンターになるのは、現職げんしょくや退職たいしょくした私立しりつ探偵たんてい、元もと・警察官けいさつかんである。成功せいこう報酬ほうしゅうのおおよその相場そうばは保釈ほしゃく金きんの5 ～ 10％程度ていどといわれる。

なお西部せいぶ開拓かいたく時代じだいは、賞金しょうきん首くびが遺体いたいであっても引ひき渡わたせば賞金しょうきんが支払しはらわれたため、その場ばで銃撃じゅうげき戦せんとなり、結果けっか射殺しゃさつすることが多おおかった。現代げんだいでは生いきたまま捕縛ほばくしなければ報酬ほうしゅうは得えられず逆ぎゃくに犯罪はんざいとなってしまう。

日本にっぽんのバウンティハンター[編集へんしゅう]

保釈ほしゃく保証ほしょう業ぎょうに関かんするバウンティハンター[編集へんしゅう]

現代げんだいの日本にっぽんではアメリカのような制度せいどは認みとめられておらず、個人こじんが賞金しょうきんをかけた場合ばあいは警察けいさつから中止ちゅうし要請ようせいが入はいる^[1]。

日本にっぽんにも保釈ほしゃく保証ほしょう業者ぎょうしゃは存在そんざいするが、保釈ほしゃく金きんを立たて替かえた被告人ひこくにん^{[注釈ちゅうしゃく 1]}が保釈ほしゃく条件じょうけんに違反いはんしても、懸賞けんしょう金きんをかけることはしていない。

警察けいさつでは指名しめい手配てはい犯はんに懸賞けんしょう金きんをかけることがあるが、主おもに捜査そうさ段階だんかいに利用りようされる制度せいどであり、保釈ほしゃく制度せいどとは直接ちょくせつの関係かんけいはない。

「捜査そうさ特別とくべつ報奨ほうしょう金きん制度せいど」も参照さんしょう

eスポーツに関かんするバウンティハンター[編集へんしゅう]

「eスポーツ」も参照さんしょう

海外かいがいのeスポーツ大会たいかいにおいては高額こうがく賞金しょうきんが出だされることもあり、日本人にっぽんじんeスポーツ選手せんしゅが1億おく円えん以上いじょうの賞金しょうきんを手てにしたとの報道ほうどうもある。しかし、プロ選手せんしゅとして成果せいかを上あげるには一定いっていの固定こてい費ひも必要ひつようであり、賞金しょうきんだけで生活せいかつすることは未いまだ困難こんなんである^[2]。

また、国内こくないの大会たいかいで高額こうがく賞金しょうきんを出だすと風営法ふうえいほう、景けい表ひょう法ほう、刑法けいほうの賭博とばく罪ざいなどの問題もんだいが生しょうじうると指摘してきされており^[3]、国内こくないにおいてeスポーツで賞金しょうきん稼かせぎを行おこなうことは一層いっそう困難こんなんである。

フィクションにおけるバウンティハンター[編集へんしゅう]

しばしば西部せいぶ劇げきにおいて保安ほあん官かんに次ついで主人公しゅじんこうとなることが多おおい。賞金しょうきん首くびを求もとめて街まちから街まちへ渡わたり歩あるく流ながれ者もののガンマンとして描えがかれる。

その他たフィクション作品さくひんにおいても、各地かくちを転々てんてんとしつつ悪人あくにんを探さがし退治たいじするという勧善懲悪かんぜんちょうあく物語ものがたりを作つくりやすいこともあってか、スペースオペラやファンタジー作品さくひんでも多数たすう登場とうじょうする。この場合ばあい、賞金しょうきん首くびは人間にんげんだけに留とまらずモンスターなどが含ふくまれることがある。