バーナム効果こうか

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バーナム効果こうか(バーナムこうか、えい: Barnum effect)とは、星座せいざうらないなど個人こじん性格せいかく診断しんだんするかのような準備じゅんび行動こうどうともなうことで、だれにでも該当がいとうするような曖昧あいまい一般いっぱんてき性格せいかくをあらわす記述きじゅつを、自分じぶん、もしくは自分じぶんぞくする特定とくてい特徴とくちょうをもつ集団しゅうだんだけにてはまる性格せいかくだととらえてしまう心理しんりがく現象げんしょう

概要がいよう[編集へんしゅう]

1956ねんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく心理しんり学者がくしゃポール・ミール英語えいごばんが、興行こうぎょう P・T・バーナムの "we've got something for everyone"(だれにでもてはまる要点ようてんというものがある)という言葉ことばちなんで名付なづけた。アメリカの心理しんり学者がくしゃバートラム・フォア英語えいごばんをとってフォアラー効果こうか(Forer effect)ともいう[1]被験者ひけんしゃなんらかの心理しんり検査けんさ実施じっしし、その検査けんさ結果けっか無視むしして事前じぜん被験者ひけんしゃとは無関係むかんけい用意よういした「あなたはロマンチストめんっています」「あなたは快活かいかつ振舞ふるまっていてもしんなか不安ふあんかかえていることがあります」といった診断しんだん被験者ひけんしゃあたえた場合ばあい被験者ひけんしゃおおくが自分じぶん診断しんだん適切てきせつなものだとかんじてしまうが、この現象げんしょうを「バーナム効果こうか」とんでいる。

フォアの実験じっけん[編集へんしゅう]

1948ねん、フォアは学生がくせいたちに性格せいかくについて心理しんり検査けんさ実施じっしし、その検査けんさ結果けっかもとづく分析ぶんせきしょうして下記かきぶんあたえた。

  • あなたは他人たにんからかれたい、賞賛しょうさんしてほしいとおもっており、それにかかわらず自己じこ批判ひはんする傾向けいこうにあります。
  • また、あなたはよわみをっているときでも、それを普段ふだん克服こくふくすることができます。
  • あなたは使つかわれずかしきれていない才能さいのうをかなりっています。
  • 外見がいけんてきには規律きりつただしく自制じせいてきですが、内心ないしんではくよくよしたり不安ふあんになる傾向けいこうがあります。
  • ただしい判断はんだんただしい行動こうどうをしたのかどうか真剣しんけん疑問ぎもんつときがあります。
  • あなたはある程度ていど変化へんか多様たようせいこのみ、制約せいやく限界げんかい直面ちょくめんしたときには不満ふまんいだきます。
  • そのうえ、あなたは独自どくじかんがえをっていることをほこりにおもい、十分じゅうぶん根拠こんきょもない他人たにん意見いけんをききいれることはありません。
  • しかし、あなたは他人たにん自分じぶんのことをさらけしすぎるのも賢明けんめいでないことにも気付きづいています。
  • あなたは外向がいこうてき社交しゃこうてき愛想あいそがよいときもありますが、その一方いっぽう内向ないこうてき用心深ようじんぶか遠慮えんりょがちなときもあります。
  • あなたの願望がんぼうにはやや現実げんじつてき傾向けいこうのものもあります。

フォアはこの文章ぶんしょう星座せいざうらな文章ぶんしょうわせて作文さくぶんしたのであった[2]。フォアは学生がくせいたちに分析ぶんせきがどれだけ自分じぶんにあてはまっているかを0(まったくことなる)から5(非常ひじょう正確せいかく)の段階だんかいでそれぞれに評価ひょうかさせた。このときの平均へいきんてんは4.26であった。その、フォアはどの学生がくせいにも上記じょうきのようなまったくおな分析ぶんせきあたえていたと種明たねあかしをした。

効果こうか影響えいきょう変化へんか[編集へんしゅう]

つぎのような条件じょうけんたすとき被験者ひけんしゃはテストの正確せいかくさによりたか評価ひょうかあたえることこう研究けんきゅうでわかっている。

  • 被験者ひけんしゃがその分析ぶんせき自分じぶんにだけに適合てきごうするとしんじている
  • 被験者ひけんしゃ評価ひょうかしゃ権威けんいしんじている
  • 分析ぶんせき前向まえむきな内容ないようばかりである

くわしくは、下記かき文献ぶんけんリストにあるディクソンとケリーによる1985ねん論文ろんぶん参照さんしょう[注釈ちゅうしゃく 1]

文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Forer, B. R.(1949). The fallacy of personal validation: A classroom demonstration of gullibility. Journal of Abnormal and Social Psychology, 44, 118-123.
  • Ulrich, R.E., Stachnik, T.J., & Stainton, S.R.(1963). Student acceptance of generalized personality interpretations. Psychological Reports, 13, 831-834.
  • Dickson, D. H. and Kelly, I. W.(1985). The 'Barnum Effect' in Personality Assessment: A Review of the Literature. Psychological Reports, 57, 367-382.

関連かんれん書籍しょせき[編集へんしゅう]

  • 村上むらかみせんひろし『「心理しんりテスト」はウソでした。』日経にっけいBPしゃ、2005ねんISBN 9784822244460 

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 松岡まつおかけいゆう公式こうしきサイトには、かつてバーナム効果こうか利用りようした血液けつえきがた性格せいかく判断はんだんサイト「究極きゅうきょく血液けつえきがた心理しんり検査けんさ」のページがあった(2013ねん2がつ現在げんざい当該とうがいページなし)。このページは松岡まつおか読者どくしゃよりも、検索けんさくサイト経由けいゆなどでうらな目的もくてきにやってくる一般いっぱん人々ひとびとおお利用りようされていて、最後さいごに「たっているとおもう」「たっていないとおもう」の2アンケートがおこなわれ、常時じょうじ8〜9わり人々ひとびとが「たっているとおもう」と回答かいとうしている。じつはここで表示ひょうじされる性格せいかく判断はんだん結果けっかは、血液けつえきがたとは無関係むかんけいなランダム表示ひょうじであり(おなじパソコンで2以上いじょうこころみるとおな結果けっかしか表示ひょうじされなくなる)、いかにおおくの人々ひとびとがバーナム効果こうかにだまされやすいかを測定そくてい実証じっしょうしている。このこころみは小説しょうせつ「ブラッドタイプ」のなかえがかれる実証じっしょう方法ほうほうをほぼそのまま再現さいげんしたもの。なお、当該とうがいのページにはちいさくThis system depends on Barnum effect(このシステムはバーナム効果こうか依存いぞんしている)としるされている。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 大人おとならない?ふしぎ現象げんしょう事典じてん』2021ねん マイクロマガジンしゃ 54ぺーじ
  2. ^ 石井いしい裕之ひろゆき『コールドリーディング』2008ねん、フォレスト出版しゅっぱんISBN 978-4-89451-309-9。40ぺーじ

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]