ボクシング

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ボクシング
プロボクシングの試合(EBU、2007年)
プロボクシングの試合しあいEBU、2007ねん
別名べつめい 拳闘けんとう
競技きょうぎ形式けいしき 正方形せいほうけいのリングを使用しよう。ラウンドせい
発生はっせいこく 古代こだいギリシア
発生はっせいねん 不明ふめい
創始そうししゃ 不明ふめい
主要しゅよう技術ぎじゅつ こぶし(ナックル)による打撃だげき
オリンピック競技きょうぎ
公式こうしきサイト 国際こくさいボクシング協会きょうかい (AIBA)
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2016ねんリオデジャネイロオリンピックにおけるアマチュアボクシングの試合しあい

ボクシングえい: boxing)は、こぶしにグローブを着用ちゃくようしパンチのみを使つかい、相手あいて上半身じょうはんしん前面ぜんめん側面そくめんのみを攻撃こうげき対象たいしょうとする格闘かくとうスポーツ拳闘けんとう(けんとう)ともいう。ボクシングに競技きょうぎフランスサバット(ボックス・フランセーズ)のほか、タイムエタイおよびムエタイをベースにした日本にっぽんキックボクシングシュートボクシングひとしがあり、それらと区別くべつするための俗称ぞくしょうとして国際こくさいしきボクシングばれることもある。オリンピック歴史れきしにおいてもふるくから正式せいしき種目しゅもくであったことでもられる[1]

歴史れきし[編集へんしゅう]

古代こだいボクシング[編集へんしゅう]

サントリーニとう発見はっけんされた少年しょうねんがボクシングをしているフレスコ

紀元前きげんぜん4000ねんごろの古代こだいエジプト象形しょうけい文字もじから軍隊ぐんたい使つかわれていたことが判読はんどくされており、クレタとう紀元前きげんぜん3000ねんごろのエーゲ文明ぶんめい遺跡いせきからも、ボクシングのかれたつぼ発見はっけんされている[2]

古代こだいギリシアかたりではにぎりしめたこぶしをPUGMEといい、それからPUXOS(はこ)となった。古代こだいオリンピックではだい23かい大会たいかいから正式せいしき種目しゅもくとなり、オノマストスが月桂冠げっけいかんをうけた。この時代じだい全裸ぜんらオリーブ・オイルり、こぶしにはびょうかわバンデージのようなものつつんだグローブのようなもの着用ちゃくよううでひじでも攻撃こうげきできたようだ。この当時とうじはラウンドはく、どちらかが戦闘せんとう不能ふのう、またはギブアップ(右手みぎて人差ひとさゆびてんげるとギブアップになったらしい)で勝負しょうぶがつく。この競技きょうぎだい38かい大会たいかいまでつづけられた。この競技きょうぎからパンクラチオンまれた。

ローマ時代じだいはいってギリシアから: PUGILATUSこぶしでのたたかい)、: PUGILISM(「ピュージリズム」)の言葉ことばまれている。奴隷どれい同士どうしてつびょうんだ武器ぶきのカエストゥスをこぶしけて、コロッセウムなどでものとしておこなわれるようになり、観客かんきゃくよろこばせるためにどちらかがぬまでたたかわせた。ときにはゆかえがかれたえんなかたたかわせることもあったが、これが現在げんざいのリングの語源ごげんとなっている。しかし西暦せいれき393ねん残忍ざんにんすぎたため禁止きんしとなり、476ねん西にしマ帝国まていこくほろびるととも姿すがたした。

ローマでふたたびボクシングがさかんになるのは17世紀せいき後半こうはんになってからである。

中世ちゅうせいボクシング[編集へんしゅう]

正式せいしき名称めいしょうではないが、ここではかりに「中世ちゅうせいボクシング」とぶ。

イタリアイギリスオランダなどヨーロッパ中心ちゅうしんに、護身ごしんとして、レクリエーションとして細々こまごまおこなわれていたようだが、けんによる護身ごしん一般いっぱんてきであったため定着ていちゃくしなかった。13世紀せいきごろのイタリアまたはイギリスの神父しんぷが「ボクシング」と名付なづけ、近所きんじょ若者わかものおしえたことが「ボクシング」の名称めいしょうはじまりとするせつもある。

近代きんだいボクシング[編集へんしゅう]

刀剣とうけん携帯けいたい一般いっぱんてきでなくなりだした16世紀せいき前半ぜんはんごろから、賞金しょうきんをかけたベアナックル・ボクシングかたち徐々じょじょイギリス浮上ふじょうきざしをはじめる。

現在げんざいのボクシングの始祖しそといわれるのは、1695ねんにイギリスのオックスフォードシアしゅうテームむらまれたジェームズ・フィグ (James Figg) である。かれは、レスリングフェンシング棍棒こんぼうじゅつ得意とくいとしており、1718ねんにロンドンで「ボクシング・アカデミー」を設立せつりつしてボクシングをおしはじめた。かれおこなった当時とうじの「ボクシング」とはグローブめないベアナックル(素手すで)でおこな一方いっぽうで、こぶしだけでなくわざわざき、つぶしも許容きょようされた総合そうごう格闘かくとうじゅつ様相ようそうていし、さらにはフェンシングや棍棒こんぼうじゅつといった武器ぶきじゅつふくまれたものだった。フィグ自身じしんおしえるかたわみずから「プライズ・ファイター」(つかまれないように頭髪とうはつっていた)としてうで自慢じまんたちたおして賞金しょうきんかせぎ、護身ごしんじゅつとしてもすぐれているとみとめられたボクシングとともに名声めいせいてイギリスはつのチャンピオンとなった。1730ねんに36さい引退いんたいし、1734ねんに39さい死去しきょした。

フィグの後継こうけいしゃであったジャック・ブロートン英語えいごばん (Jack Broughton) が、みずか保持ほじするタイトルの防衛ぼうえいせんとき相手あいてころしてしまったために、「ボクシングを普及ふきゅうさせるのはこのような危険きけんはいさねばならない」とかんがえ、1743ねん近代きんだいボクシングはつとなる7しょうのルールブック「ブロートン・コード」(Broughton's Rule) を発表はっぴょうした。その内容ないようはベルト以下いかへの打撃だげき禁止きんしこしよりした抱込かかえこみの禁止きんしたおれた相手あいてへの攻撃こうげき禁止きんし、ダウン30びょう以内いないつことができなければけ、リング直径ちょっけい25フィートの円形えんけいかたうえ)などである。練習れんしゅうエキシビション試合しあい怪我けが防止ぼうしようにマフラーののパッドりグローブを開発かいはつした。

しかし、実際じっさい試合しあいにはグローブをもちいることはなく相変あいかわらず素手すでちかかたちおこなわれ、1754ねんには死者ししゃおおいためイギリスでボクシングが禁止きんしされた。このため、ボクシングの試合しあいはフランスやベルギーなどでおこなわれたが、貴族きぞく富裕ふゆうそう支持しじ根強ねづよ1790ねんにはイギリスでボクシングが再開さいかいされ、1811ねんのイギリスじんチャンピオン、トム・クリブたいアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくトム・モリノーの再戦さいせんには2まん5せんにんもの観衆かんしゅうおとずれるほどとなった。

ロンドン・プライズリング・ルールズの制定せいてい[編集へんしゅう]

1814ねんもとチャンピオンのジョン・ジャクソンが英国えいこくピュジリスト保護ほご協会きょうかい設立せつりつし、1838ねんに29じょうからなる「ロンドン・プライズリング・ルールズ」を発表はっぴょうした。その内容ないようは、ベアナックルでおこない、わざ禁止きんしあたまとっ禁止きんし目玉めだまえぐりの禁止きんし、ダウンしゃに30びょう休憩きゅうけいくわ所定しょてい位置いちもどるまでに8秒間びょうかん猶予ゆうよあたえるなどであった。

このころのボクシングはダウンごとに1ラウンドとし50ラウンドにもおよ場合ばあいがあり、序盤じょばんこぶし手首てくびいためないように用心ようじんしながら、徐々じょじょった。

1856ねん、フランスで八百長やおちょう疑惑ぎわくによりボクシングなどの興行こうぎょうがパリで全面ぜんめん禁止きんしされた。

クインズベリー・ルールの制定せいてい[編集へんしゅう]

1867ねんにロンドン・アマチュア・アスレチック・クラブのジョン・グラハム・チャンバースはルール保証人ほしょうにんだい9だいクインズベリー侯爵こうしゃくジョン・ショルト・ダグラスかんした、12じょうからなる「クインズベリー・ルール」(Marquess of Queensberry Rule) を発表はっぴょうした。これにより、わざ禁止きんしされたほか、3ふん1ラウンドとしラウンドあいだに1分間ふんかん休憩きゅうけいをとるラウンドせい、グローブの着用ちゃくよう、ダウンしたものが10びょう以内いないがれない場合ばあいはKOけとすることなどがさだめられ、現在げんざいつうじるボクシングルールが確立かくりつした。定着ていちゃくおく以前いぜんの「ロンドン・プライズリング・ルールズ」についても1889ねん7がつにジョン・ローレンス・サリバンがジェイク・ロドリゲスとおこなった防衛ぼうえいせんまでつづいた。

クインズベリー・ルールによりおこなわれた最初さいしょ公認こうにん世界せかいヘビーきゅうタイトルマッチは、1892ねん9月7にち、ジョン・ローレンス・サリバン(ジョン・L・サリバン)たいジェームス・J・コーベットせんである。コーベットは当時とうじのスタイル「スタンド・アンド・ファイト」ではなく、相手あいてから距離きょりをとってパンチをかわし、ひだりかるジャブつづけて相手あいてよわらせる「卑怯ひきょうしゃ戦法せんぽう」といわれたスタイルでサリバンを21かいにKOし勝利しょうりをおさめた。

現在げんざいのように世界せかいタイトルマッチのラウンドすう規定きていはなく、プロモーターや現地げんちのコミッションてき組織そしき対戦たいせん選手せんしゅ陣営じんえい同士どうし合意ごういなどで初期しょきはその都度つどわっており、初期しょきめい選手せんしゅ黒人こくじんはつのヘビーきゅうチャンピオンのジャック・ジョンソン1915ねん4がつ5にち防衛ぼうえいせんではぜん45ラウンドせい(※結果けっか挑戦ちょうせんしゃの26かいKO)だった一方いっぽう、その2かいまえ1913ねん12月19にち防衛ぼうえいせんでは、ぜん10ラウンドせい(※結果けっかは10ラウンドPTSドロー)でバラバラであったが、自身じしん防衛ぼうえいせんすべぜん10ラウンドせいおこなったジーン・タニー引退いんたい1930ねん6月12にちおこなわれた空位くうい世界せかいヘビー決定けっていせん以降いこうは、世界せかいタイトルマッチは一部いちぶ例外れいがいのぞきほぼぜん15ラウンドせいおこなわれるようになったため、1930年代ねんだいなかまえには慣例かんれいとして『世界せかいタイトルマッチ15回戦かいせんせい』が事実じじつじょう成立せいりつした。しかし1982ねん11月13にち以降いこうすうねんにわたって一連いちれんリング事件じけん発生はっせいしたことをけて、世界せかいせんをはじめ主要しゅようなビッグマッチにおいても最大さいだい12ラウンドまでに短縮たんしゅくされるうごきがひろまり、現在げんざいいたっている。

ボクシングの試合しあいスパーリングいどんだり、実際じっさい対戦たいせんしても「スポーツ格闘技かくとうぎである以上いじょう」は、それが違法いほうせい阻却事由じゆうとなり決闘けっとうざい成立せいりつない。(「決闘けっとうざいせきスルけん」を参照さんしょう

関連かんれん書籍しょせき[編集へんしゅう]

試合しあい形式けいしき[編集へんしゅう]

アマチュア[編集へんしゅう]

アマチュアボクシングでは、シニア(18さい以上いじょう)では1ラウンドを3分間ふんかん、ジュニア(高校生こうこうせい)では1ラウンドを2ふんとし、ラウンドあいだに1ぶんのインターバルをおく。

ラウンドすうは、日本にっぽん国内こくないでは3ラウンドでおこなわれる形式けいしき一般いっぱんてきであるが、国際こくさい試合しあいでは1990年代ねんだい後半こうはんから2000年代ねんだい前半ぜんはんにかけて、1ラウンドを2分間ふんかん短縮たんしゅくして5ラウンドせいまたは4ラウンドせいおこなわれるなどした。日本にっぽん国内こくないでも、全日本ぜんにほん選手権せんしゅけんとそのブロック予選よせんでは2ふん4ラウンド形式けいしき試合しあいがおこなわれた時期じきがある。しかし、国際こくさいアマチュアボクシング連盟れんめいでは2009ねん1がつより3ふん3ラウンドせい統一とういつされ、これにしたがって国内こくないでも3ふん3ラウンドせい統一とういつされた。

プロ[編集へんしゅう]

男子だんしのラウンドは3分間ふんかんで、かくラウンドのあいだに1分間ふんかんのインターバルがはいる。公式こうしきせんのラウンドすうは、4、6、8、10、12の5種類しゅるいがあり、たとえば4ラウンドの試合しあいは4回戦かいせんぶ。選手せんしゅ技量ぎりょう戦績せんせきおうじて6回戦かいせん、8回戦かいせん、10回戦かいせんがっていき、日本にっぽんタイトルマッチは10回戦かいせん世界せかいタイトルマッチ(WBA、WBC、IBF、WBO)などは12回戦かいせんおこなわれる[3]

一方いっぽうあたらしく公認こうにんとなった女子じょしボクシングは、1ラウンド2ふん、インターバル1ふんで、公式こうしきせんのラウンドすうは、4、6、8、10の4種類しゅるい日本にっぽんタイトルマッチは8回戦かいせん世界せかいタイトルマッチは10回戦かいせんとなっている[4]

リングは正方形せいほうけいで、原則げんそくとして1へん(ロープの内側うちがわ)が18フィート(5.47メートル)以上いじょう24フィート(7.31メートル)以内いないとされている[4]

選手せんしゅ服装ふくそう[編集へんしゅう]

アマチュア[編集へんしゅう]

2021ねん東京とうきょう五輪ごりんにおけるアマチュア・ボクシング

アマチュアボクシングでは、選手せんしゅはトランクス、ランニングシャツ(女子じょしTてぃーシャツまたはノースリーブシャツ)、シューズ、グローブ着用ちゃくようする。男性だんせいシニアの場合ばあい、ヘッドギアの着用ちゃくようは2013ねんより禁止きんしされており[5]、プロボクシング同様どうよう選手せんしゅ頭部とうぶ露出ろしゅつした状態じょうたい試合しあいおこなう。グローブのおもさはシニア(18さい以上いじょう)の選手せんしゅぜん階級かいきゅうつうじて10オンス、ジュニア(高校生こうこうせい)はライトウェルターきゅうまでの選手せんしゅは10オンス、ウェルターきゅう以上いじょう選手せんしゅは12オンスである。負傷ふしょう防止ぼうしのためマウスピースとファウルカップを着用ちゃくようする。

プロ[編集へんしゅう]

男子だんしのプロボクサーは原則げんそくてき上半身じょうはんしんはだか対戦たいせんし、ランニングシャツの着用ちゃくようみとめられていない。

技術ぎじゅつ[編集へんしゅう]

階級かいきゅう[編集へんしゅう]

近代きんだいボクシングが発祥はっしょうしたイギリスはヤード・ポンドほうもちいることからボクシングの階級かいきゅうもポンドによるため、キログラムでは中途半端ちゅうとはんぱ数字すうじだが、アマチュアの階級かいきゅうはキログラムを単位たんいとして区分くぶんされている。

本体ほんたいきゅうよりややかるきゅうに「ライト」、ややおもきゅうに「スーパー」がえられてばれるものもある。

アマチュア[編集へんしゅう]

国際こくさいボクシング連盟れんめいさだめる階級かいきゅう以下いかとおり(AIBA Technical and Competition rules(PDF))。なお、エリート部門ぶもんは2010ねんよりあらためられ、男子だんしはフェザーきゅう廃止はいしされ、それよりしたの3かいきゅう上限じょうげん変更へんこう男女だんじょとも10かいきゅうとなった。

 年齢ねんれい:Elite(19さい以上いじょう40さい以下いか

    Youth(17さいおよび18さい

    Junior(15さいおよび16さい

 体重たいじゅう

階級かいきゅう名称めいしょう 男子だんしElite

Youth

女子じょしElite

Youth

男女だんじょJunior
スーパーヘビーきゅう 91kgちょう --- ---
ヘビーきゅう 81kgちょう 91kgまで 81kgちょう 80kgちょう
ライトヘビーきゅう 75kgちょう 81kgまで 75kgちょう 81kgまで 75kgちょう 80kgまで
ミドルきゅう 69kgちょう 75kgまで 69kgちょう 75kgまで 70kgちょう 75kgまで
ライトミドルきゅう --- --- 66kgちょう 70kgまで
ウェルターきゅう 64kgちょう 69kgまで 64kgちょう 69kgまで 63kgちょう 66kgまで
ライトウェルターきゅう 60kgちょう 64kgまで 60kgちょう 64kgまで 60kgちょう 63kgまで
ライトきゅう 56kgちょう 60kgまで 57kgちょう 60kgまで 57kgちょう 60kgまで
フェザーきゅう --- 54kgちょう 57kgまで 54kgちょう 57kgまで
バンタムきゅう 52kgちょう 56kgまで 51kgちょう 54kgまで 52kgちょう 54kgまで
ライトバンタムきゅう --- --- 50kgちょう 52kgまで
フライきゅう 49kgちょう 52kgまで 48kgちょう 51kgまで 48kgちょう 50kgまで
ライトフライきゅう 49kgまで 48kgまで 46kgまで
  • 参考さんこう国内こくない大会たいかいでの階級かいきゅう
階級かいきゅう名称めいしょう 体重たいじゅう男子だんし 体重たいじゅう女子じょし 備考びこう
スーパーヘビーきゅう 91kgちょう 設定せっていなし)
ヘビーきゅう 81kgちょう 91kgまで 80kgちょう 86kgまで
ライトヘビーきゅう 75kgちょう 81kgまで 75kgちょう 80kgまで
ミドルきゅう 69kgちょう 75kgまで 70kgちょう 75kgまで
ライトミドルきゅう 設定せっていなし) 66kgちょう 70kgまで
ウェルターきゅう 64kgちょう 69kgまで 64kgちょう 66kgまで
ライトウェルターきゅう 60kgちょう 64kgまで 60kgちょう 63kgまで
ライトきゅう 57kgちょう 60kgまで
フェザーきゅう 設定せっていなし) 54kgちょう 57kgまで
バンタムきゅう 52kgちょう 56kgまで 52kgちょう 54kgまで
フライきゅう 49kgちょう 52kgまで
ライトフライきゅう 46kgちょう 49kgまで
ピンきゅう 42kgちょう 46kgまで ジュニア(高校生こうこうせい)のみ

プロ[編集へんしゅう]

プロボクシングにおける階級かいきゅうは、以下いかとおり。以前いぜんは、日本にっぽんボクシングコミッションでは「ジュニア○○○きゅう」の呼称こしょう採用さいようしていたが、1998ねん5月1にち世界せかいボクシング協会きょうかい(WBA)と世界せかいボクシング評議ひょうぎかい(WBC)とでルールが統合とうごうされ、りょう団体だんたいことなっていた呼称こしょうも「スーパー○○○きゅう」に一本いっぽんされたため、同時どうじ日本にっぽんボクシングコミッションでも「スーパー○○○きゅう」に呼称こしょう変更へんこうされた。それにより、ジュニアミドルきゅうはスーパーウェルターきゅうへ、ジュニアウェルターきゅうはスーパーライトきゅうへ、ジュニアライトきゅうはスーパーフェザーきゅうへ、ジュニアフライきゅうはライトフライきゅう変更へんこうされた。

WBAやWBC以外いがい団体だんたいではジュニアの名称めいしょういまでも使つかわれており、団体だんたいによって名称めいしょう差異さいはあれどおなじウエイトである。男子だんしぜん17かいきゅう女子じょし団体だんたいによってことなり、ミニフライきゅう(ミニマムきゅう)のしたにアトムきゅう(ライトミニマムきゅう)がもうけられたり、スーパーミドルきゅうよりうえ階級かいきゅう一部いちぶまたは全部ぜんぶけていることもある。

階級かいきゅう名称めいしょう 体重たいじゅう
(キログラム/kg)
体重たいじゅう
(ポンド/lb)
備考びこう
ヘビーきゅう 90.719kgちょう 200lbちょう
ブリッジャーきゅう/スーパークルーザーきゅう 101.604kgkg以下いか 224lb以下いか WBC男子だんしとWBA男子だんしのみ[6][7][8]
クルーザーきゅう/ジュニアヘビーきゅう 90.719kg以下いか 200lb以下いか 女子じょしはWBOのみ
ライトヘビーきゅう 79.379kg以下いか 175lb以下いか WBC女子じょしはなし
スーパーミドルきゅう 76.204kg以下いか 168lb以下いか
ミドルきゅう 72.575kg以下いか 160lb以下いか
スーパーウェルターきゅう/ジュニアミドルきゅう/ライトミドルきゅう 69.853kg以下いか 154lb以下いか
ウェルターきゅう 66.678kg以下いか 147lb以下いか
スーパーライトきゅう/ジュニアウェルターきゅう/ライトウェルターきゅう 63.503kg以下いか 140lb以下いか
ライトきゅう 61.235kg以下いか 135lb以下いか
スーパーフェザーきゅう/ジュニアライトきゅう 58.967kg以下いか 130lb以下いか
フェザーきゅう 57.153kg以下いか 126lb以下いか
スーパーバンタムきゅう/ジュニアフェザーきゅう/ライトフェザーきゅう 55.338kg以下いか 122lb以下いか
バンタムきゅう 53.524kg以下いか 118lb以下いか
スーパーフライきゅう/ジュニアバンタムきゅう/ライトバンタムきゅう 52.163kg以下いか 115lb以下いか
フライきゅう 50.802kg以下いか 112lb以下いか
ライトフライきゅう/ジュニアフライきゅう 48.988kg以下いか 108lb以下いか
ミニマムきゅう/ストローきゅう/ミニフライきゅう 47.627kg以下いか 105lb以下いか
アトムきゅう/ライトミニマムきゅう/ミニマムきゅう/ストローきゅう/ミニきゅう 46.266kg以下いか 102lb以下いか 女子じょしのみ

勝敗しょうはい[編集へんしゅう]

アマチュア[編集へんしゅう]

日本にっぽんボクシング連盟れんめいさだめるアマチュアボクシングの勝敗しょうはいけっかた以下いかとおり。[1]

  • KO (KnockOut):競技きょうぎしゃがダウン10 びょう以内いない競技きょうぎができない場合ばあい、あるいはレフリーがダウンした選手せんしゅ異常いじょうかんじカウントを省略しょうりゃくしてリングドクターをれた場合ばあい。ダブルノックアウトの場合ばあいは「両者りょうしゃKOけ」となるが、トーナメントの決勝けっしょうせん場合ばあいはそれまでの採点さいてん結果けっか判定はんていする。
  • RSC (RefereeStopContest):プロボクシングのTKOに相当そうとうする。片方かたがた競技きょうぎしゃ決定的けっていてきがついている場合ばあい劣勢れっせい競技きょうぎしゃ過度かど打撃だげきけていると レフリーが判断はんだんした場合ばあいや、ダウン競技きょうぎつづけられないとレフリーが判断はんだんした場合ばあい競技きょうぎちゅう負傷ふしょうでリングドクターからの試合しあい中止ちゅうし勧告かんこくされた場合ばあいなどが該当がいとうする。RSCのバリエーションとして、競技きょうぎちゅう偶発ぐうはつてき負傷ふしょうによって競技きょうぎ続行ぞっこう不可能ふかのう判断はんだんされる場合ばあい採用さいようされるRSC-I (I=injury) がある。
  • 棄権きけん (ABanDon):競技きょうぎしゃ負傷ふしょうとうにより自発じはつてき棄権きけんした場合ばあいや、セカンドがリングないにタオルをれるかエプロンにがり棄権きけんもう場合ばあい。また、コンタクトレンズ装着そうちゃくしゃ試合しあいちゅうにレンズをうしな試合しあい続行ぞっこう不可能ふかのうとなった場合ばあいもこの裁定さいていとなる。
  • 失格しっかく (DiSQualified):重大じゅうだい反則はんそくや、意図いとてき反則はんそくによって対戦たいせん相手あいて試合しあい続行ぞっこう不可能ふかのうんだ場合ばあい。また、1試合しあいで3かい警告けいこく(=減点げんてん)をけた場合ばあい自動的じどうてき失格しっかくとなる。「両者りょうしゃ失格しっかくけ」の判定はんていくだされる場合ばあいがあり、トーナメントの決勝けっしょうせん両者りょうしゃ失格しっかくとなった場合ばあい優勝ゆうしょうしゃじゅん優勝ゆうしょうしゃのメダルが授与じゅよされなくなる。
  • 判定はんてい (WP):ラウンドごとのかくジャッジがあたえた得点とくてんにより勝者しょうしゃ決定けっていする(採点さいてん基準きじゅん後述こうじゅつ)。競技きょうぎしゃ片方かたがたあるいは両方りょうほう故意こいでないファウルで負傷ふしょうがあり競技きょうぎがストップした場合ばあい、1ラウンド終了しゅうりょうのち不慮ふりょのアクシデントにより試合しあい続行ぞっこう不可能ふかのうになった場合ばあいは、それまでの採点さいてん結果けっかにより勝敗しょうはいけっせられる。
  • 不戦勝ふせんしょう (WalkOver):一方いっぽう競技きょうぎしゃがリングない登場とうじょうして相手あいて競技きょうぎしゃがアナウンス、1ふんってもリングないあらわれない場合ばあい不戦勝ふせんしょうとなる。また、事前じぜん計量けいりょう事前じぜん検診けんしん対戦たいせん相手あいて失格しっかくした場合ばあい同様どうようあつかう。
  • 特別とくべつさい試合しあい:1ラウンド終了しゅうりょうまえ不慮ふりょのアクシデントにより試合しあい続行ぞっこう不可能ふかのうになった場合ばあいは、レフリーの判断はんだん試合しあい一旦いったん中止ちゅうしし、可能かのうかぎ当日とうじつちゅうさい試合しあいおこなう。

プロ[編集へんしゅう]

勝敗しょうはいけっかたは、以下いかとおり。

  • KO (KnockOut):正当せいとう攻撃こうげきによってダウンしたのち、10カウント以内いないがれなかった場合ばあい(このさいの「がる」とは、ただつだけでなくレフェリーに試合しあい続行ぞっこうできると判断はんだんされることをす)。スリー・ノックダウンせい採用さいようされた試合しあいにおいては、どういちラウンドで3かいのダウンをきっした場合ばあいもこれにじゅんじる。りょう選手せんしゅ相打あいうちのかたち同時どうじにダウンした場合ばあい(ダブルノックダウン)は、片方かたがた選手せんしゅが10カウント以内いないがればった選手せんしゅのKOちとなり、両者りょうしゃともがれなかった場合ばあいけとなる(ダブルノックアウト)。
  • TKO (Technical KnockOut):一方いっぽうてき試合しあい展開てんかいとなって勝敗しょうはい帰趨きすう明白めいはくとなった場合ばあい片方かたがた選手せんしゅ一方いっぽうてきにパンチをまれ、ダウンはしていないものの試合しあい続行ぞっこう不可能ふかのう状態じょうたいになったとレフェリーがみとめたケースなどが該当がいとうする。
  • レフェリーストップ:パンチをけて発生はっせいした負傷ふしょうれ、ぎゃく攻撃こうげきしたさい発生はっせいしたこぶし骨折こっせつかた脱臼だっきゅう、あるいはダウン・スリップダウンのさい発生はっせいしたあし負傷ふしょうなど、反則はんそくによらない試合しあいちゅう事象じしょうがもとで「これ以上いじょう試合しあい続行ぞっこうさせると危険きけんである」とレフェリーが判断はんだんした場合ばあい記録きろくじょうはTKO。
  • ギブアップ:選手せんしゅ本人ほんにん、もしくはセコンドがこれ以上いじょう試合しあいつづけることができないと判断はんだんした場合ばあい日本にっぽんにおいては、試合しあいちゅう意思いし表示ひょうじはセコンドがタオルをリングにむことでおこなうため、「タオルをげる」はけをみとめることのたとえにももちいられる。記録きろくじょうはTKO。
  • 失格しっかく:「故意こいにパンチ以外いがい手段しゅだん攻撃こうげき負傷ふしょうさせる」、「ラウンド終了しゅうりょうのゴングやレフェリーの制止せいしって攻撃こうげきつづけ、無抵抗むていこう状態じょうたい対戦たいせん相手あいてをノックアウトしてしまう」とう重大じゅうだい反則はんそくおかした場合ばあいや、もしくは反則はんそくによる減点げんてんかえけても態度たいどあらたまらないとレフェリーがみとめた場合ばあい
  • 判定はんてい最終さいしゅうラウンドがわっても勝負しょうぶけっしなかった場合ばあい、3にん審判しんぱん(レフェリー・ジャッジ)がラウンドごとった採点さいてんもとづき試合しあい結果けっか決定けっていする(採点さいてん方法ほうほう詳細しょうさいについては後述こうじゅつ
  • 負傷ふしょう判定はんてい試合しあいなか偶然ぐうぜん不可抗力ふかこうりょくしょうじたバッティングひとし反則はんそく事象じしょうにより選手せんしゅ負傷ふしょうし、レフェリーが試合しあい続行ぞっこう不可能ふかのう判断はんだんした場合ばあい規定きていのラウンドにたっしていればそれまでの採点さいてん勝敗しょうはいけっする。規定きていのラウンド終了しゅうりょう以前いぜん試合しあいめられた場合ばあいは、それまでの優勢ゆうせい劣勢れっせい採点さいてん結果けっかかかわらず「負傷ふしょうけ」となる。
  • リングアウト試合しあいちゅうのアクシデントによりリングから転落てんらくした選手せんしゅが20カウント以内いないにリングにもどれなかった場合ばあい日本にっぽん公式こうしき試合しあい発生はっせいすることはきわめてまれであるが、海外かいがいでは重量じゅうりょうきゅう試合しあい体格たいかくおおきい選手せんしゅいきおあまってロープをえてしまうケースが見受みうけられる。
  • ノーコンテスト(無効むこう試合しあい):試合しあい続行ぞっこう不可能ふかのうとなる重大じゅうだいなアクシデントが発生はっせいした場合ばあいや、一旦いったん試合しあい結果けっか確定かくていしたのち勝敗しょうはい判定はんてい試合しあい運営上うんえいじょう重大じゅうだいなミスがあったとコミッションがみとめた場合ばあい日本にっぽんにおいては「タイムキーパーの計測けいそくミスにより規定きていより1ふんはやくラウンドを終了しゅうりょうさせてしまったことが試合しあいのVTR検証けんしょう発覚はっかくした」などの事例じれいがある。

採点さいてん方法ほうほう[編集へんしゅう]

アマチュア[編集へんしゅう]

アマチュアボクシングの採点さいてん方式ほうしき時代じだいとともにおおきく変遷へんせんしている。以前いぜんは20てん満点まんてん減点げんてん方式ほうしきによるペーパー採点さいてんや、ジャッジが有効ゆうこうみとめたパンチを手元てもとのボタンでカウントし、それをコンピューターで集計しゅうけいして「3にん以上いじょうのジャッジが同時どうじ有効ゆうこうみとめたパンチ」の合計ごうけいすうきそ採点さいてん方式ほうしきられていたが、2013ねんにAIBA(国際こくさいボクシング協会きょうかい)が競技きょうぎ規則きそく抜本ばっぽんてき改革かいかくおこなったなか採点さいてん方式ほうしきおおきくあらためられた。

以下いか採点さいてん基準きじゅんは、日本にっぽんボクシング連盟れんめいが2021ねん現在げんざい公表こうひょうしているものにしたがう。[2]

現在げんざい採点さいてん方式ほうしきはプロ同様どうようの10ポイント・マストシステムによる10てん満点まんてん減点げんてん方式ほうしきで、また限定げんていてきに10-10の採点さいてん容認ようにんされているプロとはことなり、かならずラウンドごとに優劣ゆうれつをつける「ラウンド・マスト」で採点さいてんおこなう。優劣ゆうれつ接近せっきんしたラウンドは10たい9、有効ゆうこう打数だすうやカウント(プロにおけるダウンおよびスタンディングダウン)の回数かいすう優劣ゆうれつがはっきりしているラウンドは10たい8、有効ゆうこう打数だすうやカウントすうなどすべての要素ようそにおいてがついているラウンドは10たい7となる。かくラウンドの点数てんすう合計ごうけいし、減点げんてんがある場合ばあいはそのぶんいて判定はんていする。ジャッジは5にんせいで(規模きぼちいさい大会たいかいなどでは3にんせい場合ばあいもある)、かくジャッジの合計ごうけいてんによる多数決たすうけつ勝敗しょうはいをつける。そのさい合計ごうけいてん同点どうてんであったジャッジは、最終さいしゅうラウンドの採点さいてんあわ試合しあい全体ぜんたいつうじてどちらの選手せんしゅ優勢ゆうせいであったか明記めいきする義務ぎむがあるため、プロとはことなり「ドロー(引分ひきわけ)」の裁定さいてい存在そんざいしない。なお、ラウンドごとの優劣ゆうれつ判断はんだんする基準きじゅん以下いかのようにさだめられている。

 1.ターゲットエリアへのしつたか打撃だげきかず (「ナックルパートでおもみをともな有効ゆうこう」のかずしつ総合そうごうてき上回うわまわったかどうか)

 2.技術ぎじゅつ戦術せんじゅつ優勢ゆうせいともなって競技きょうぎ支配しはいしていること(戦術せんじゅつてき攻撃こうげき防御ぼうぎょ効果こうかてきわせているかどうか)

 3.積極せっきょくせい競技きょうぎちゅう継続けいぞくして勝利しょうり目指めざ姿勢しせいられるかどうか)

ノックダウンの有無うむ採点さいてんおおきくかかわるプロとはことなり、形勢けいせい大差たいさがつけばカウントがくても10-8となったり、ぎゃくにカウントにまれてもクリーンヒットすうやダメージの蓄積ちくせき接近せっきんしていれば10-9にまる可能かのうせい充分じゅうぶんかんがえられる。

プロ[編集へんしゅう]

10てん満点まんてん減点げんてん方式ほうしき。JBCルールによると、互角ごかく場合ばあいは10たい10、一方いっぽうまさ場合ばあいは10たい9、1のダウンやそれにちか状態じょうたいのときは10たい8、2のダウンの場合ばあい、あるいは3のダウンがあったがダメージがそれほど深刻しんこくではない場合ばあいは10たい7、3のダウンがあった場合ばあいや2のダウンでも10たい7相当そうとうよりも一方いっぽう圧倒的あっとうてき優勢ゆうせいであるときは10たい6となり、10たい5以上いじょう大差たいさみとめられた場合ばあいはTKOとなる。(きゅうJBCルールではそれ以上いじょうひらいた場合ばあいや3度目どめのダウンがこったさいは、レフェリーが試合しあいめるため10たい6の採点さいてんかったが、2016ねんよりフリーノックダウンせいとなったため基準きじゅん変更へんこうされた)。

現在げんざい世界せかいてき採用さいようされている「10ポイント・マスト・システム」は、「かなら片方かたがた選手せんしゅ満点まんてんの10てんをつけること」をさだめたもので、かならずしも「10たい10」の採点さいてんみとめないことではない。たとえば、双方そうほう選手せんしゅに1ずつダウンがあっても「8たい8」にはならず、ダウン以外いがい要素ようそ総合そうごうてき判断はんだんして「10たいX」の採点さいてんおこなう、という意味いみである。反則はんそく減点げんてん合計ごうけいてんからあつかいになるため、減点げんてんされた選手せんしゅ反則はんそくがあったラウンドで10てん獲得かくとくすることもる(新聞しんぶん専門せんもんとう採点さいてんひょうでは「10(-1)たい9」などと表記ひょうきされる)。なお、近年きんねん世界せかいタイトルマッチでは極力きょくりょく「10たい10」をらない「ラウンド・マスト」とばれる採点さいてん方法ほうほう主流しゅりゅうとなっており、これが「10ポイント・マスト・システム」と混同こんどうされているケースがテレビの世界せかいせん中継ちゅうけいなどでも散見さんけんされる。「ラウンド・マスト」の弊害へいがいとしてほろのラウンドをせいしてた1てん明確めいかく優勢ゆうせいによってた1てん価値かち同等どうとうになるてん指摘してきされており、かつて存在そんざいしたPABA(パンアジアボクシング協会きょうかい)では弊害へいがい緩和かんわのために「ハーフポイント」とばれる0.5ポイントきざみ(10たい9.5など)の判定はんていおこなっていた。

おも採点さいてん基準きじゅんとしてつぎの4項目こうもくがある。

  1. どちらが有効ゆうこうでダメージをあたえたか。(クリーンヒット)
  2. どちらがより攻撃こうげきてきだったか。(アグレッシブ)
  3. どちらがより相手あいて攻撃こうげきふせいだか。(ディフェンス)
  4. どちらの試合しあい態度たいど堂々どうどうとし、戦術せんじゅつけ、主導しゅどうけんにぎったか(リング・ジェネラルシップ)。

かく要素ようそ優先ゆうせん順位じゅんいおおむね「クリーンヒット>アグレッシブ>ディフェンス>リング・ジェネラルシップ」であるとされるが、たとえば「片方かたがた選手せんしゅかるいパンチの『クリーンヒット』を数多かずおおかさねたが、もう片方かたがた大半たいはん時間じかんで『アグレッシブ』にめ、『リング・ジェネラルシップ』をにぎった」場合ばあいなど、容易ようい形勢けいせい判断はんだんがつかないさいは、どちらの選手せんしゅ優位ゆういとするかはジャッジの主観しゅかんゆだねられることとなり、これが採点さいてん結果けっかれる理由りゆうになる。 採点さいてんは3にんのジャッジがそれぞれラウンドごとにおこない、2人ふたり以上いじょうのジャッジが支持しじした選手せんしゅ勝者しょうしゃとする。ジャッジが3にんとも一方いっぽう選手せんしゅ支持しじした場合ばあいをユナニマス・デシジョン(Unanimous Decision, UD)、2人ふたり支持しじし、もう1人ひとりけであった場合ばあいをマジョリティ・デシジョン(Majority Decision, MD)、1人ひとりのジャッジがもう一方いっぽう選手せんしゅ支持しじした場合ばあいをスプリット・デシジョン(Split Decision, SD)とぶ。トーナメントなどでけとなった場合ばあいは、けをつけたジャッジが最終さいしゅう判断はんだんくだして決着けっちゃくけることになるが、大会たいかいによっては延長えんちょうせんおこな場合ばあいもある。

反則はんそく[編集へんしゅう]

試合しあいちゅう以下いか行為こういおこなった場合ばあい反則はんそくとなり、レフェリーに注意ちゅういける。注意ちゅういかさなった場合ばあい、プロボクシングでは減点げんてん対象たいしょうとなり、悪質あくしつ場合ばあい失格しっかくけとなる。

  • バッティングあたまひじなどで攻撃こうげきする。
  • ホールディング(ホールド)。うでやグローブで相手あいて身体しんたいうでさえつける。
  • ローブロー相手あいてのベルトラインよりした攻撃こうげきする。いわゆる金的きんてきもこれに該当がいとうする。
  • オープンブロー。グローブのナックル・パート以外いがい部分ぶぶん攻撃こうげきする。
  • チョップブロー。空手からてチョップのように攻撃こうげきする。
  • ラビットパンチ。相手あいて後頭部こうとうぶ攻撃こうげきする。
  • キドニーブロー。腎臓じんぞう攻撃こうげきする。背中せなかがわへの攻撃こうげき全面ぜんめんてき禁止きんし
  • わざタックルなどのレスリング行為こうい
  • レフェリーがブレイクをめいじたのち、「ボックス」と試合しあい再開さいかいうながまえ攻撃こうげきする。
  • ラウンド終了しゅうりょうのゴングがったのち攻撃こうげきする。
  • サミング。グローブの親指おやゆび相手あいて攻撃こうげき

なお、アマチュアボクシングでは、プロボクシングよりも反則はんそく規定きてい厳格げんかくである。国際こくさいボクシング協会きょうかい(AIBA)のルールブックにしめされる反則はんそく行為こうい以下いかの17項目こうもくである。

  • ベルトラインよりしたつこと、ホールディング(ホールド)行為こういあしっかけること、ること。
  • あたまかた前腕ぜんわんひじつこと、対戦たいせん相手あいてめる行為こういうでひじ対戦たいせん相手あいてかお圧迫あっぱくすること、対戦たいせん相手あいてあたまをロープの外側そとがわすこと。
  • オープンブロー(にぎらない状態じょうたいつこと)・インサイドブロー(グローブの内側うちがわつこと)、手首てくびやグローブの側面そくめんつこと。
  • 対戦たいせん相手あいて背面はいめんつこと。とく対戦たいせん相手あいてくびとう後部こうぶへの打撃だげき、キドニーブロー。
  • ピボットブロー(旋回せんかいしきうらけん)。一回いっかいころがしてつこと。
  • ロープをにぎった状態じょうたい攻撃こうげきすること。そのロープを利用りようしたあらゆるアンフェアな行為こうい
  • ころぶこと、クリンチからのレスリング行為こういわざ
  • ダウンした、あるいはダウンからがろうとする相手あいて攻撃こうげきすること。
  • ホールディング。ホールディングのままつこと、対戦たいせん相手あいてりながらつこと。対戦たいせん相手あいてうであたまかかむこと、または対戦たいせん相手あいてうでしたさえつけること。
  • 危険きけん状態じょうたい対戦たいせん相手あいてのベルトラインよりひくいダッキングをおこなうこと。
  • 故意こい反則はんそくをし、まわるなどして攻撃こうげきけようとし、完全かんぜん防御ぼうぎょおこなうこと。
  • 不適切ふてきせつ攻撃こうげきてき姿勢しせいをみせること。
  • レフェリーがブレイクをめいじたときに、きちんと後退こうたいしないこと。
  • レフェリーがブレイクをめいじ、後退こうたいしたのち間髪かんぱつれずに打撃だげきこころみようとすること。
  • レフェリーにたいして攻撃こうげきてき態度たいどをとること。
  • マウスピースを故意こい行為こうい
  • 対戦たいせん相手あいて視界しかいさまたげるようにうでばしつづけること。

タイトル[編集へんしゅう]

プロ・アマ関係かんけいなく、基本きほんてきにボクサーはこれを獲得かくとくするために試合しあいのぞむ。十分じゅうぶん地位ちい名誉めいよたプロボクサーで、自身じしんのプライドや金銭きんせんてき理由りゆうから、保持ほじするタイトルを返上へんじょうしてもほかの強豪きょうごう選手せんしゅとの試合しあい優先ゆうせんするものもいる。

アマチュア[編集へんしゅう]

アマチュアボクシングでは、地区ちく国内こくない国際こくさい世界せかいオリンピックじゅん価値かち上昇じょうしょうする。年齢ねんれいごとにジュニア・カデット・シニアのカテゴリーにけられる。アマはプロとちがトーナメントせい採用さいようしているためいち敗北はいぼくゆるされず、プロよりも王座おうざ獲得かくとくむずかしいといわれる。プロ選手せんしゅのアマチュア大会たいかい参加さんか現在げんざいみとめられていない。

国際こくさいボクシング協会きょうかい(AIBA) 日本にっぽんボクシング連盟れんめい(JABF)

プロ[編集へんしゅう]

プロボクシングでは、タイトルの価値かちは、地区ちく(ローカル)・国内こくない(ナショナル)・地域ちいき国際こくさい(インターナショナル)もしくは大陸たいりくあいだ(インターコンチネンタル)・世界せかい統一とういつもしくはスーパー王座おうざじゅん価値かち上昇じょうしょうし、団体だんたいによってはユース王座おうざジュニア王座おうざもうけられている。日本にっぽんでは日本にっぽんボクシングコミッション(JBC)が日本にっぽん王座おうざ認定にんていし、知名度ちめいどひくいが日本にっぽん地区ちくタイトルも存在そんざいする。国内こくない王座おうざより上位じょうい位置いちする地域ちいき王座おうざ地域ちいき連盟れんめい世界せかい団体だんたい下部かぶ組織そしき認定にんていし、国際こくさい(インターナショナル)王座おうざ大陸たいりくあいだ王座おうざ(インターコンチネンタル)、世界せかい王座おうざやスーパー王座おうざとう世界せかい団体だんたい直接ちょくせつ認定にんていしている。

プロボクシングで4だい団体だんたいしょうされる主要しゅよう世界せかいタイトル認定にんてい団体だんたい以下いかげる。WBAやWBCふくむその団体だんたいはサッカーのFIFAのような組織そしきではなく王座おうざ認定にんてい組織そしきで、“団体だんたいaのありかた運営うんえいのされかた不満ふまんった人達ひとたちが、団体だんたいbと、bが認定にんていするべつ世界せかいタイトルをげ”て分派ぶんぱした団体だんたいもあるため、プロボクシングを統括とうかつしているわけではない。

つぎに、プロボクシングにおけるその世界せかいタイトル認定にんてい団体だんたい以下いかげる。歴史れきしあさいこれらのタイトルは4だい団体だんたいのものよりも価値かちひくいとなされ、獲得かくとくしても世界せかい王座おうざとは認識にんしきされないことがおおい。

以下いかげるプロボクシングにおける国際こくさい王座おうざ大陸たいりくあいだ王座おうざは、世界せかい団体だんたい直接ちょくせつ統括とうかつしている。王座おうざとしての価値かち世界せかい王座おうざよりもひくく、世界せかい王座おうざ挑戦ちょうせんまえ試金石しきんせきはくけのために利用りようされる。JBCはこれらについてみとめていない。

  • WBA
    • インターナショナル王座おうざ
    • インターコンチネンタル王座おうざ
  • WBC
    • インターナショナル王座おうざ
    • インターコンチネンタル王座おうざ
  • IBF
    • インターナショナル王座おうざ
    • インターコンチネンタル王座おうざ
  • WBO
    • インターナショナル王座おうざ
    • インターコンチネンタル王座おうざ

プロボクシングにおける地域ちいき王座おうざは、世界せかい団体だんたいとは独立どくりつした組織そしきである地域ちいき団体だんたい世界せかい団体だんたい下部かぶ組織そしき、もしくは世界せかい団体だんたい直接ちょくせつ認定にんていしている。JBCはWBC傘下さんかのOPBF王座おうざとWBOアジアパシフィック王座おうざしかみとめていない。

テレビ中継ちゅうけい番組ばんぐみ[編集へんしゅう]

ボクシング中継ちゅうけい参照さんしょう

ボクシングをテーマにした作品さくひん[編集へんしゅう]

映画えいが
テレビドラマ
漫画まんが
テレビアニメ
  • あしたのジョー(1970ねん - 1971ねん
    • あしたのジョー2(1980ねん - 1981ねん
  • がんばれ元気げんき(1980ねん - 1981ねん
  • はじめのいち(2000ねん - 2002ねん
    • はじめのいち Champion Road(2003ねん
    • はじめのいち New Challenger(2009ねん
    • はじめのいち Rising(2013ねん - 2014ねん
OVA
小説しょうせつ
ゲーム

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ ボクシングのオリンピック日本人にっぽんじんメダリスト一覧いちらん注目ちゅうもくの3選手せんしゅ紹介しょうかい”. 【SPAIA】スパイア (2020ねん4がつ27にち). 2020ねん11月16にち閲覧えつらん
  2. ^ ボクシングのはじまりは紀元前きげんぜん世界せかいひろまったボクシングの歴史れきし
  3. ^ https://jbc.or.jp/basic/
  4. ^ a b 一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん日本にっぽんボクシングコミッションルール
  5. ^ 男性だんせいアマチュアボクシングの試合しあいでヘッドギアの着用ちゃくよう禁止きんし
  6. ^ ブリッジャーきゅうはWBCでの呼称こしょう。WBAではどう階級かいきゅうはスーパークルーザーきゅう呼称こしょうされている
  7. ^ 2020ねん11月9にち、WBCは「ブリッジャーきゅう」の新設しんせつ発表はっぴょう同年どうねん12がつ、WBCは公式こうしきサイトブリッジャーきゅうのランキングページ追加ついかした。
  8. ^ 契約けいやく体重たいじゅうは90.719kgから101.604kg(200lbから224lb)ヘビーきゅうとクルーザーきゅうあいだ階級かいきゅう
  9. ^ Charlie Chaplin's "The Knockout", (1914), https://archive.org/details/CC_1914_06_11_TheKnockout 2023ねん3がつ13にち閲覧えつらん 
  10. ^ (英語えいご) The Knockout (Short 1914) - IMDb, https://www.imdb.com/title/tt0004194/ 2023ねん3がつ13にち閲覧えつらん 
  11. ^ Charlie Chaplin's "The Champion" (1915), https://archive.org/details/TheChampion 2023ねん3がつ13にち閲覧えつらん 
  12. ^ (英語えいご) The Champion (Short 1915) - IMDb, https://www.imdb.com/title/tt0005074/ 2023ねん3がつ13にち閲覧えつらん 
  13. ^ Buster Keaton (1926), Battling Butler (1926) HD with score, https://archive.org/details/buster-keaton-battling-butler-1926-1 2023ねん3がつ13にち閲覧えつらん 
  14. ^ Keaton, Buster (1926-09-19), Battling Butler, Buster Keaton Productions, https://www.imdb.com/title/tt0016630/ 2023ねん3がつ13にち閲覧えつらん 
  15. ^ Metro-Goldwyn-Mayer (1931-11-09), The Champ (1931) - original theatrical print recreation, https://archive.org/details/thechamp1931originaltheatricalprintrecreation 2023ねん3がつ13にち閲覧えつらん 
  16. ^ (英語えいご) The Champ (1931) - IMDb, https://www.imdb.com/title/tt0021730/ 2023ねん3がつ13にち閲覧えつらん 
  17. ^ E Lloyd Root (and Adolph Zukor uncredited), THE MILKY WAY video quality upgrade, Paramount Pictures, http://archive.org/details/TheMilkyWayVideoQualityUpgrade 2023ねん6がつ18にち閲覧えつらん 
  18. ^ しのはらつとむ 少年しょうねんマガジン連載れんさいはなデンプシー」”. jp.mercari.com. 2023ねん3がつ12にち閲覧えつらん
  19. ^ allcinema『オリジナルビデオアニメ 1ポンドの福音ふくいん (1988)について 映画えいがデータベース - allcinemahttps://www.allcinema.net/cinema/887302023ねん3がつ13にち閲覧えつらん 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

プロボクシング関連かんれん[編集へんしゅう]

4だいボクシング世界せかいタイトル認定にんてい団体だんたい[編集へんしゅう]

そののボクシング世界せかいタイトル認定にんてい団体だんたい[編集へんしゅう]

ボクシング地域ちいきタイトル認定にんてい団体だんたい[編集へんしゅう]

ボクシング日本にっぽん国内こくない団体だんたい[編集へんしゅう]