ちち

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人間にんげん母乳ぼにゅうをサンプルとした、はつちちみぎ)と後期こうきちちひだり)の比較ひかく
パスチャライゼーション処理しょりされた牛乳ぎゅうにゅう

乳汁にゅうじゅう(にゅうじゅう、ちしる、ちちしる)とは、ちち(ちち、にゅう)、ミルクえい: milk)ともわれる、動物どうぶつのうち哺乳類ほにゅうるい乳幼児にゅうようじ栄養えいようあたえてそだてるために母体ぼたいつくりだす分泌ぶんぴつえきである。とく母乳ぼにゅう(ぼにゅう)と場合ばあいは、ヒト女性じょせい乳汁にゅうじゅうすのが慣例かんれいである。誕生たんじょう哺乳類ほにゅうるい食物しょくもつ摂取せっしゅできるようになるまでのあいだ子供こども成長せいちょう見合みあった栄養えいよう獲得かくとくできる最初さいしょみなもととなる[1]

概要がいよう[編集へんしゅう]

母親ははおやからのちち人間にんげん乳児にゅうじ
ヤギ母乳ぼにゅう様子ようす
ホルスタイン今日きょう工業こうぎょうされた酪農らくのうぎょうにおいてひろ飼育しいくされるたね

一般いっぱん食物しょくもつは、本来ほんらい生体せいたい組織そしき種子しゅしなどである。それにたいしミルクは食糧しょくりょうとしてつくられる唯一ゆいいつ天然てんねんぶつである[2]

ミルクは、分泌ぶんぴつ作用さようそと分泌ぶんぴつせん一種いっしゅである乳腺にゅうせんからされている[3]。このことから、授乳じゅにゅう機構きこうとは、原始げんしてきにはたまご湿度しつど維持いじする役目やくめ発達はったつしたものとかんがえられる。この仮説かせつは、カモノハシ卵生らんせい哺乳類ほにゅうるい)の生態せいたい根拠こんきょてられた[3][4][5]授乳じゅにゅう根本こんぽん目的もくてきは、栄養えいよう摂取せっしゅ[6]もしくは免疫めんえきによる防御ぼうぎょ[7][8]であったというかんがえがれられている。そしてこの分泌ぶんぴつぶつは、進化しんかげる時間じかんなかで、そのりょうやし、複雑ふくざつ栄養素えいようそふくむようになった[3]

最初さいしょ授乳じゅにゅうされるミルク(はつちち)には、母体ぼたいからあかぼうあたえられる抗体こうたいふくまれ、以後いごのさまざまな病気びょうきにかかる危険きけんせいひくめる効果こうかがある[9]。また、ウサギ母乳ぼにゅうから、子供こども乳首ちくびいつけさせるフェロモン (2-methylbut-2-enal, 2MB2) が発見はっけんされた報告ほうこくもある[10]生乳せいにゅうふくんでいる栄養えいよう成分せいぶん動物どうぶつたねによって差異さいがあるが、おも飽和ほうわ脂肪酸しぼうさんタンパク質たんぱくしつカルシウムそしてビタミンCふくむ。牛乳ぎゅうにゅう水素すいそイオン指数しすう (pH) 6.4 - 6.8 をしめ弱酸じゃくさんせいである[11][12]

ウシたね提供ていきょうするミルクは、おおくの栄養素えいようそふく重要じゅうよう食品しょくひんである[1]。2011ねん世界中せかいじゅうでは、1おく3189まんとう乳牛にゅうぎゅう飼育しいくされ、4おく4467まんトンの牛乳ぎゅうにゅう生産せいさんされた[13]くにべつではインド生産せいさんおよび消費しょうひのいずれも1であり、ミルクの輸出入ゆしゅつにゅうおこなわれていない。ニュージーランドEU加盟かめい15ヶ国かこくオーストラリアがミルクや乳製品にゅうせいひんの3だい輸出ゆしゅつこくである。一方いっぽう輸入ゆにゅう中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくメキシコ日本にっぽん上位じょうい3までにはいる。ミルクはとく発展はってん途上とじょうこくにおいて、栄養えいよう供給きょうきゅう食糧しょくりょう安全あんぜん保障ほしょう確立かくりつ貢献こうけんする重要じゅうよう食品しょくひんである。家畜かちく改良かいりょう酪農らくのう技術ぎじゅつ、およびミルクの品質ひんしつは、貧困ひんこん問題もんだい世界せかいてき食糧しょくりょう問題もんだい解決かいけつに、おおきく役立やくだつものともかんがえられている[14]

母乳ぼにゅう以外いがいのミルク[編集へんしゅう]

単語たんごちち」または「ミルク」は、いろしょくかんている動物どうぶつ由来ゆらいではない飲料いんりょうあらわさいにも使つかわれる。豆乳とうにゅう (soy milk) 、かゆ (rice milk) 、アーモンドミルクココナッツミルクなどがこれに該当がいとうする。また、植物しょくぶつとうきずれたさいにじ樹液じゅえきとう白色はくしょく(または,だいだい黄色おうしょくとうふくむ)液汁えきじゅうも「ちち」(えい: latex)と[15]

また、哺乳類ほにゅうるい以外いがいでもこどもにあたえる栄養えいようぶつ分泌ぶんぴつするれいはある。ハトおやわかとりあたえるため分泌ぶんぴつする液体えきたい嚢乳 (crop milk) とばれ、哺乳類ほにゅうるいのミルクとの共通きょうつうせいられる[16]熱帯魚ねったいぎょとしてられるディスカス雌雄しゆう子育こそだてするが、そのさいからだひょうから分泌ぶんぴつぶつし、これを子供こどもべる。これは「ディスカスのミルク」といわれる。クモるいヒメグモいくつかのものは幼生ようせいくちから分泌ぶんぴつぶつしてあたえ、「スパイダーミルク」とばれる。

需要じゅよう[編集へんしゅう]

ミルクを消費しょうひする方法ほうほうには、おおきく2種類しゅるいがある。ひとつはおさな哺乳類ほにゅうるい授乳じゅにゅうされる自然しぜん状態じょうたいであり、もうひとつは人類じんるい動物どうぶつからたミルクを加工かこうして食品しょくひんとする場合ばあいである。

授乳じゅにゅう[編集へんしゅう]

ほとんどすべての哺乳類ほにゅうるいでは、ミルクはあかぼう母乳ぼにゅう栄養えいようあたえるために直接ちょくせつまたは一時いちじてきめた状態じょうたいのものをませる[1]。そのなか人間にんげんは、幼年ようねんぎてもミルクを消費しょうひする数少かずすくない例外れいがいあたる。ミルクをつねいんするグループのなかには、ウシだけでなく家畜かちくしたゆう蹄類ちち利用りようする地域ちいきもある[17]。インドは牛乳ぎゅうにゅうだけでなく水牛すいぎゅうちち生産せいさん消費しょうひ世界一せかいいちである[18]

乳糖にゅうとうは、ミルクのほかレンギョウはなやわずかな熱帯ねったいせい低木ていぼくなかだけにふくまれるもので、これを消化しょうかするために必要ひつよう酵素こうそであるラクターゼかず出生しゅっしょう小腸しょうちょうなかもっとたかくなるが、ミルクを恒常こうじょうてきまなくなるにつれ徐々じょじょ減退げんたいする[19]ひとがヤギの生乳せいにゅう乳児にゅうじあたえることがあるが、ここには危険きけんひそんでいることられている。みず電解でんかいしつ平衡へいこう異常いじょう代謝たいしゃせいアシドーシスきょあかだませい貧血ひんけつ数々かずかずアレルギーはんおうなどである[20]

乳製品にゅうせいひん[編集へんしゅう]

牛乳ぎゅうにゅうもと様々さまざま乳製品にゅうせいひんつくられている。脂肪しぼうあつめてられたクリームからはなまクリームバターぎゃく脂肪しぼうのぞいた脱脂だっしちちからは脱脂粉乳だっしふんにゅうスキムミルクなどが出来できる。牛乳ぎゅうにゅう濃縮のうしゅくしたコンデンスミルク発酵はっこうさせたヨーグルト凝固ぎょうこ発酵はっこうさせたナチュラルチーズ.それに加熱かねつなどのプロセスをつくられるプロセスチーズなどである[21]

消費しょうひりょう[編集へんしゅう]

牛乳ぎゅうにゅうおよび牛乳ぎゅうにゅう製品せいひん一人ひとりたり消費しょうひりょう上位じょうい10ヶ国かこく
(2006ねん[22]
くに ミルク(L) チーズ(kg) バター(kg)
 フィンランド 183.9 19.1 5.3
 スウェーデン 145.5 18.5 1.0
アイルランドの旗 アイルランド 129.8 10.5 2.9
オランダの旗 オランダ 122.9 20.4 3.3
 ノルウェー 116.7 16.0 4.3
スペインの旗 スペイン 119.1 9.6 1.0
スイスの旗 スイス 112.5 22.2 5.6
イギリスの旗 イギリス 111.2 12.2 3.7
オーストラリアの旗 オーストラリア 106.3 11.7 3.7
カナダの旗 カナダ 94.7 12.2 3.3

供給きょうきゅう[編集へんしゅう]

西洋せいよう諸国しょこくでは、牛乳ぎゅうにゅう産業さんぎょうレベルの規模きぼ生産せいさんされ、各種かくしゅのミルクのなかもっとおお消費しょうひされている。商業しょうぎょうてき酪農らくのうでは自動じどう搾乳さくにゅう英語えいごばん導入どうにゅうされており、先進せんしんこくではほとんどの牛乳ぎゅうにゅう供給きょうきゅうしている。そこでは、牛乳ぎゅうにゅう生産せいさん注力ちゅうりょくするためホルスタインのような乳牛にゅうぎゅう選択せんたくてき飼育しいくされる。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく乳牛にゅうぎゅうのうち90%、イギリスの80%がホルスタインである[19]われるほか乳牛にゅうぎゅうしゅには、エアシャーしゅ英語えいごばんブラウン・スイスしゅ英語えいごばんガンジーたねジャージーしゅデイリー・ショートホーンしゅなどがある[1]

ヤギのちちからはチーズなどの酪農らくのう製品せいひんがつくられる。

うし以外いがいからの供給きょうきゅう[編集へんしゅう]

ウシ以外いがいでも、人類じんるい多様たよう動物どうぶつ家畜かちくし、そのミルクを利用りようしている。たとえば、ラクダロバヤギウマトナカイひつじ水牛すいぎゅうヤクなどである。ロシアスウェーデンではヘラジカちち利用りようしている[17]

全米ぜんべいバイソン協会きょうかいによると、アメリカバイソン(アメリカンバッファローともばれる)のミルクは商業しょうぎょうてき取引とりひきこそおこなわれていないが[23]、ヨーロッパじん北米ほくべい移住いじゅう[24]1970‐1980ねんおこなわれたビーファロしゅ英語えいごばん商業しょうぎょうてき交雑こうざつ[25]以降いこう乳牛にゅうぎゅう品種ひんしゅ改良かいりょうのためにおこなわれる交配こうはい利用りようされることがおおい。

生産せいさんこく[編集へんしゅう]

ウシのちちしぼりをする少女しょうじょ

ミルクの最大さいだい生産せいさんこくはインド、いでアメリカ[26]に、ドイツとパキスタンがつづく。

発展はってん途上とじょうこく経済けいざい成長せいちょうと、ミルクおよび乳製品にゅうせいひん販売はんばい促進そくしんあいまって、近年きんねんこれらのくににおけるミルク全体ぜんたい消費しょうひりょう伸長しんちょうしている。それにともない、成長せいちょう市場いちばをターゲットにした酪農らくのうけい国籍こくせき企業きぎょう投資とうし活発かっぱつになっている。このような潮流ちょうりゅうにもかかわらず、おおくのくにでミルク生産せいさん事業じぎょうたい依然いぜんとして小規模しょうきぼなままにまり、それのみの収入しゅうにゅうたよっていられない状態じょうたいにある[27]

以下いかひょう水牛すいぎゅうのミルク生産せいさんりょうくにべつしめす。

水牛すいぎゅうのミルク生産せいさん上位じょうい10ヶ国かこく(2007ねん[28]
くに 生産せいさんりょう(トン) 付記ふき
インドの旗 インド 59,210,000 非公式ひこうしきなデータをふく
パキスタンの旗 パキスタン 20,372,000 公式こうしき発表はっぴょう
中華人民共和国の旗 中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく 2,900,000 FAO調しら
 エジプト 2,300,000
ネパールの旗 ネパール 958,603 公式こうしき発表はっぴょう
イランの旗 イラン 241,500 FAO調しら
ビルマの旗 ビルマ 220,462 公式こうしき発表はっぴょう
イタリアの旗 イタリア 200,000 FAO調しら
 ベトナム 32,000
トルコの旗 トルコ 30,375 公式こうしき発表はっぴょう
 世界せかい 86,574,539 公式こうしき発表はっぴょう

搾乳さくにゅう[編集へんしゅう]

牛乳ぎゅうにゅう製造せいぞう衛生えいせい管理かんりドイツばんおこな搾乳さくにゅう使用しようする。

歴史れきし[編集へんしゅう]

人類じんるい動物どうぶつちち定常ていじょうてきむようになったのは、ユーラシアではしん石器せっき革命かくめい家畜かちくはじめたこともしくは農業のうぎょう革新かくしん契機けいきとなった。このあらたな食糧しょくりょう確保かくほは、紀元前きげんぜん9000-7000ねんごろ西南せいなんアジア[29]ぜん3500-3000ねんごろアメリカしゅう[30]でもそれぞれ独立どくりつして発生はっせいした。ウシ・ヒツジ・ヤギといった重要じゅうよう動物どうぶつ家畜かちく西南せいなんアジアではじまったが[1]、それ以降いこう野生やせいオーロックスいならすれい世界中せかいじゅう様々さまざまとき場所ばしょこった[31][32]当初とうしょ動物どうぶつ家畜かちくにくるためにおこなわれたが、考古こうこ学者がくしゃアンドリュー・シェラット英語えいごばん提唱ていしょうしたかんがえによると、酪農らくのうは、家畜かちくから体毛たいもうたり労働ろうどうをさせたりする行為こうい進展しんてんとともに、産物さんぶつ革命かくめい英語えいごばんよりももっとぜん4000ねんごろ形作かたちづくられたという[33]。ただし、近年きんねん発見はっけんはシェラットのせつはんする。先史せんし時代じだい土器どきのこ液体えきたい痕跡こんせき分析ぶんせきした結果けっか西南せいなんアジアにて酪農らくのう初期しょき農業のうぎょう段階だんかいすでおこなわれていたと判明はんめいし、その時期じきまえ7000ねんごろ推定すいていされた[34][35]

西南せいなんアジア発祥はっしょう酪農らくのうは、紀元前きげんぜん7000ねんごろからヨーロッパにつたわり、ぜん4000ねん以降いこうブリテン諸島しょとうスカンディナヴィア半島はんとうまで伝播でんぱした[36]みなみアジアにはまえ7000-5500ねんごろつたわった[37]搾乳さくにゅうはじめたのは中央ちゅうおうヨーロッパ[38]ブリテン諸島しょとう[39]農民のうみんたちとかんがえられる。牧畜ぼくちく遊牧ゆうぼくのような耕作こうさくよりも家畜かちくおおきく依存いぞんする経済けいざい活動かつどうは、農業のうぎょう主体しゅたいのヨーロッパじん集団しゅうだんカスピ海かすぴかい近郊きんこうステップ地帯ちたい移動いどうした紀元前きげんぜん4世紀せいきごろ発達はったつし、のちユーラシア大陸たいりくのステップ気候きこういきひろまった[40]。アフリカのヒツジやヤギは西南せいなんアジアからまれたものだが、ウシはまえ7000-6000ねんごろ独自どくじいならしたものとかんがえられる[41]。ラクダの家畜かちく紀元前きげんぜん4世紀せいき中央ちゅうおうアラビアおこり、きたアフリカやアラビア半島はんとうでは酪農らくのう対象たいしょうとなった[42]

1863ねんフランス化学かがくしゃルイ・パスツールちち飲料いんりょう食品しょくひんなかひそ有毒ゆうどくバクテリア殺菌さっきんする低温ていおん殺菌さっきんほうパスチャライゼーション)を発明はつめいした[43]。1884ねん、ニューヨーク在住ざいじゅうのアメリカじん医師いしヘンリー・サッチャーが、ばちすいのフタをはつガラスせい牛乳ぎゅうにゅうびん「Thatcher's Common Sense Milk Jar」を発明はつめいした[43]の1932ねんに、ビクター・W・ファリスの発明はつめいによるプラスチックコーティングされたかみパックが採用さいようされ普及ふきゅうした[43]

物理ぶつりてき化学かがくてき性質せいしつ[編集へんしゅう]

ミルクは、球状きゅうじょう脂肪しぼうみず基調きちょうとした炭水化物たんすいかぶつタンパク質たんぱくしつおよびミネラルがふくまれた液体えきたいなか分散ぶんさんしたエマルジョンまたはコロイド溶液ようえきである[44]ふくまれる成分せいぶんは、これをくちにする新生児しんせいじ初期しょき発育はついくたすけるためのエネルギーげん脂質ししつ乳糖にゅうとうタンパク質たんぱくしつ)、必須ひっすアミノ酸あみのさんなま合成ごうせいするためにタンパク質たんぱくしつから供給きょうきゅうされる物質ぶっしつ必須ひっすアミノ酸あみのさんとその仲間なかま)、必須ひっす脂肪酸しぼうさん、ビタミン、無機むき元素げんそ、そしてみずである[45]

ミルクの分析ぶんせきは19世紀せいき後半こうはんからはじまり、近年きんねん分析ぶんせき技術ぎじゅつ向上こうじょうによって微量びりょう活性かっせい物質ぶっしつ発見はっけんされているが、いま全容ぜんようつかむにはいたっていない。なかには、βべーた-ラクトグロブリンのように生物せいぶつがくてきふくまれている理由りゆうつかっていないものもある[46]

ちち脂肪しぼうは、ミリスチンさんパルミチンさんオレインさんなどの脂肪酸しぼうさんからつくられるトリアシルグリセロール脂肪しぼう)である。

脂質ししつ[編集へんしゅう]

ちち脂肪しぼうまくつつまれた脂肪しぼうだまかたち分泌ぶんぴつされる[47]。それぞれの脂肪しぼうだまはほとんどがトリアシルグリセロールであり、これをリン脂質ししつタンパク質たんぱくしつなどを成分せいぶんとするふくあいまくおおう。これらは乳化にゅうかされた状態じょうたいにあり、かくたまわないようたもちつつ、ミルクの液体えきたい部分ぶぶんふくまれる各種かくしゅ酵素こうそ反応はんのうすることふせぐ。97-98%がトリアシルグリセロールであるが、ジアシルグリセロールモノアシルグリセロール遊離ゆうりコレステロールやコレステロールエステル、遊離ゆうり脂肪酸しぼうさん、リン脂質ししつもそれぞれ少量しょうりょうながらふくまれている。タンパク質たんぱくしつ炭水化物たんすいかぶつとはことなりミルクにふくまれる脂肪しぼう構成こうせいは、発生はっせい起源きげん授乳じゅにゅう方法ほうほうによってことなり、とくに動物どうぶつ種族しゅぞくによっても差異さいおおきい[47]

構造こうぞう特徴とくちょうとして、脂肪しぼうだまおおきさにはばらつきがあり、ちいさいもので直径ちょっけい0.2μみゅーmおおきいものでは15-20μみゅーmにたっするものもある。この直径ちょっけい差異さいは、動物どうぶつたねだけでなく特定とくてい個体こたい分泌ぶんぴつしたときによってもしょうじる可能かのうせいがある。均質きんしつをしていない牛乳ぎゅうにゅう脂肪しぼうだま平均へいきん直径ちょっけいは2-4μみゅーmであり、均質きんしつほどこすとこれが0.4μみゅーm前後ぜんごまでちいさくなる[47]しん油性ゆせいビタミンであるADEKは、必須ひっす脂肪酸しぼうさんであるリノールさんなどに親和しんわしたかたちちち脂肪しぼう部分ぶぶんなかふくまれる[19]

タンパク質たんぱくしつ[編集へんしゅう]

通常つうじょう牛乳ぎゅうにゅうは1リットルあたり30-35グラム程度ていどタンパク質たんぱくしつふくみ、そのやく80%はカゼインミセルである。

カゼイン[編集へんしゅう]

カゼインミセルは、液状えきじょうのミルクちゅう存在そんざいする最大さいだい構造こうぞうぶつであり、表層ひょうそう界面かいめん活性かっせいざいミセルときんかよったナノメートルだいリン酸カルシウムりんさんかるしうむ微細びさい粒子りゅうしつ、すうせんというタンパク質たんぱくしつ分子ぶんしあつまりである。それぞれのカゼインミセルは、直径ちょっけい40-600nmのコロイド粒子りゅうしである[48]。カゼインじょうタンパク質たんぱくしつαあるふぁs1-, αあるふぁs2-, βべーた-, κかっぱ- の4タイプに分類ぶんるいできる[48]。ミルクちゅうふくまれるタンパク質たんぱくしつのうち、重量じゅうりょうで76-86%をめるカゼインじょうタンパク質たんぱくしつ[45]や、みず不溶ふようリン酸カルシウムりんさんかるしうむのほとんどはミセルのなからわれている[48]

ミセルの精密せいみつ構造こうぞうかんして複数ふくすう理論りろん提唱ていしょうされているが、もっと外側そとがわそうk-カゼイン英語えいごばんのみで構成こうせいされ、周囲しゅうい流体りゅうたいているというかんがえは共通きょうつうしている。このk-カゼイン分子ぶんしまけ電荷でんかびているためにミセル同士どうし電気でんきてき反発はんぱつい、通常つうじょうならばそれぞれがはなれた状態じょうたい維持いじし、みず主成分しゅせいぶんとする液体えきたいなかでコロイドじょうかかにごえきとなる[19][49]構造こうぞうモデルのひとつは「サブミセルモデル」とばれ、ちいさなサブミセルがあつまってミセルをつくっているというかんがえである。これによると、ミセルの内側うちがわにはk-カゼイン含有がんゆうりょうすくないサブミセルがあり、これをk-カゼインにゆたかむサブミセルがおおいつつ、これらのあいだリン酸カルシウムりんさんかるしうむ存在そんざいする構造こうぞう[48]提唱ていしょうされる「ナノクラスターモデル」では、中心ちゅうしんリン酸カルシウムりんさんかるしうむちいさな集合しゅうごうたいがあり、その周囲しゅういひもじょうのカゼインが付着ふちゃくしている構造こうぞうるというかんがえであり、この場合ばあいサブミセルはつくられていない[48]

ミルクにはカゼイン以外いがいにも、βべーた-ラクトグロブリンβべーた-Lg)、乳糖にゅうとう合成ごうせい関与かんよするαあるふぁ-ラクトアルブミンαあるふぁ-La)、免疫めんえきグロブリン(IgG)、血清けっせいアルブミン(BSA)、ラクトフェリン(Lf)などそれぞれの機能きのう多種たしゅ多様たようタンパク質たんぱくしつふくまれている[48]。これらはカゼインよりも水溶すいようせいたかいため、おおきな構造こうぞうにはまとまらない。カードをつくるとカゼインがしこりちちがわあつまるのにたいし、これらのタンパク質たんぱくしつちちきよし(ホエイ)がわのこる。そのためちち漿蛋しろ(ホエイプロテイン)ともばれる。ちち漿蛋しろ重量じゅうりょうでミルクちゅうタンパク質たんぱくしつの20%をめる。代表だいひょうてきちち漿蛋しろラクトグロブリン英語えいごばんである[19]

ミネラル・しお・ビタミン[編集へんしゅう]

ミネラルやしおは、様々さまざま種類しゅるいのものがミルクのなかではアニオンカチオン形態けいたい存在そんざいしている。これらはカルシウム、リンさんしおマグネシウムナトリウムカリウムクエン酸くえんさんしおそして塩素えんそなどがふくまれ、5-40ナノメートルに凝集ぎょうしゅうしている。しおはカゼイン、とくリン酸カルシウムりんさんかるしうむつよ相互そうご作用さようこす。これはときに、リン酸カルシウムりんさんかるしうむへの過剰かじょう結合けつごうこす場合ばあいがある[45]。その、ミルクは良質りょうしつなビタミン供給きょうきゅうげんとなり、ビタミンA、B1、B2、B12、K、パントテンさんなどはすべてミルクにふくまれる[1]

複数ふくすう測定そくていにて、タンパク質たんぱくしつとらえるリン酸カルシウムりんさんかるしうむはCa9(PO4)6の構造こうぞうっていることしめされた。しかし一方いっぽうで、この物質ぶっしつ鉱物こうぶつブルシャイト CaHPO4 -2H2O てき構造こうぞうつという主張しゅちょうもある[50]

炭水化物たんすいかぶつ含有がんゆう物質ぶっしつ[編集へんしゅう]

ラクトース分子ぶんし(ひだり)がガラクトース(1)とグルコース(2)に分解ぶんかいされる簡略かんりゃく

ミルクは、ラクトース乳糖にゅうとう)、グルコースガラクトース、そのオリゴとうなど複数ふくすう炭水化物たんすいかぶつふくむ。グルコースとガラクトースの2つのたんとう合成ごうせいしたラクトースはミルクにあまみをあたえ、カロリーのやく40%をめる。ウシぞくのミルクには平均へいきん4.8%の無水むすいラクトースがふくまれ、脱脂粉乳だっしふんにゅう固形こけいぶんのうち50%に相当そうとうする。ラクトースの含有がんゆうりつはミルクの種類しゅるいによってことなり、炭水化物たんすいかぶつつよ結合けつごうしてラクトースの状態じょうたいでミルクのなか存在そんざいする[45]

その精製せいせい牛乳ぎゅうにゅうには白血球はっけっきゅう乳腺にゅうせん細胞さいぼう様々さまざまバクテリア大量たいりょう活性かっせい酵素こうそふくまれている[19]

外見がいけん[編集へんしゅう]

脂肪しぼうだまとそれよりもちいさなカゼインミセルは、いずれもひかり乱反射らんはんしゃさせる充分じゅうぶんおおきさがあり、このためにミルクはしろえる[46]なかには脂肪しぼうだま黄色おうしょく - オレンジしょくのカロテンをふく場合ばあいがあり、このためたとえばガンジーたねやジャージーしゅなどのミルクをグラスにそそぐと、黄金おうごんしょくまたはクリームのような色調しきちょうられる。ちちきよし部分ぶぶんリボフラビンはややみどりがかっており、脱脂粉乳だっしふんにゅうやホエーで確認かくにんできる場合ばあいもある[19]。また、脱脂粉乳だっしふんにゅう粒子りゅうしちいさなカゼインミセルのみがひかり散乱さんらんさせるため、赤色あかいろよりも青色あおいろ波長はちょうをより散乱さんらんさせる傾向けいこうがあり、すすきあおいろえる[49]

栄養えいよう健康けんこうへの効果こうか[編集へんしゅう]

ミルクの成分せいぶん構成こうせいは、動物どうぶつたねによっておおきくことなる。たとえばタンパク質たんぱくしつ種類しゅるいや、タンパク・脂肪しぼうとうしつ割合わりあい、ビタミンやミネラルの比率ひりつちち脂肪しぼうしずくおおきさ、カード濃度のうどなど、ちがいは様々さまざま要因よういんにおいてられる[22]たとえば、

  • 人間にんげんちち平均へいきんてき組成そせいは、タンパク質たんぱくしつ1.1%、脂質ししつ3.5%、とうしつ7.2%、ミネラル0.2%。100グラムあたり65kカロリー。この成分せいぶん構成こうせいうまちちちか[1]とうしつ含有がんゆう哺乳ほにゅう動物どうぶつちゅうもっとたかく、これはのう発達はったつ速度そくどはやさに関係かんけいする[1]
  • 牛乳ぎゅうにゅう平均へいきんてき組成そせいは、タンパク質たんぱくしつ3.3%、脂質ししつ3.8%、とうしつ4.8%、ミネラル0.7%。100グラムあたり67kカロリー[1]牛乳ぎゅうにゅう成分せいぶん含有がんゆうりょうは、哺乳類ほにゅうるいちちなか中間ちゅうかんてき[1]人間にんげんちちよりもタンパク質たんぱくしつやミネラルに理由りゆうは、ウシの成長せいちょう速度そくど人間にんげんよりもはやいためである[1]
  • ロバやウマのちち含有がんゆう脂肪しぼうぶんひくく、ぎゃくひれあしるいクジラちちこう脂肪しぼう含有がんゆうりつは50%をえる[51][52]
  • 乳糖にゅうとう割合わりあいは、カンガルーで7.6%、ネコで4.8%、イヌで3.1%、クジラで1.3%、ウサギで0.9%などバラツキがられる[53]
ミルクの成分せいぶん分析ぶんせき(100gあた[54][55]
成分せいぶん 単位たんい ウシ ヤギ ヒツジ 水牛すいぎゅう
水分すいぶん g 87.8 88.9 83.0 81.1
タンパク質たんぱくしつ g 3.2 3.1 5.4 4.5
脂肪しぼう g 3.9 3.5 6.0 8.0
炭水化物たんすいかぶつ g 4.8 4.4 5.1 4.9
カロリー kcal 66 60 95 110
エネルギー kJ 275 253 396 463
とうしつ乳糖にゅうとう g 4.8 4.4 5.1 4.9
コレステロール mg 14 10 11 8
カルシウム mg 120 100 170 195
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん g 2.4 2.3 3.8 4.2
モノ飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん g 1.1 0.8 1.5 1.7
ポリ飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん g 0.1 0.1 0.3 0.2

このような成分せいぶん構成こうせいは、たね個体こたい授乳期じゅにゅうきのどのタイミングかによってもわる。以下いか乳牛にゅうぎゅうたねによる差異さいしめす。

ミルクちゅう脂肪しぼう含有がんゆう
乳牛にゅうぎゅうたね %(近似きんじ
ジャージーしゅ 5.2
コブウシ 4.7
ブラウン・スイスしゅ 4.0
ホルスタインしゅ 3.6

これら4しゅ牛乳ぎゅうにゅうふくまれるタンパク質たんぱくしつは3.3-3.9%、ラクトースは4.7-4.9%である[19]

ミルクの脂肪しぼうりつは、酪農らくのう家畜かちくあたえる飼料しりょう構成こうせいによっても左右さゆうされる。また、乳腺にゅうせんえん感染かんせんするとミルクの脂肪しぼう含有がんゆうりつ低下ていかする[56]

飲用いんようしたミルクから人体じんたい吸収きゅうしゅうするカルシウムのりょうかんしては、さまざまな見解けんかいがある[57]乳製品にゅうせいひんからられるカルシウムは、ホウレンソウのようなたかいカルシウム-キレート物質ぶっしつ野菜やさいよりも、生物せいぶつがくてき利用りようのうたか[58]。その一方いっぽうで、ケールブロッコリーなどシュウさんしおをあまりふくまないアブラナぞく野菜やさい比較ひかくすると、られるカルシウムの生物せいぶつがくてき利用りようのう同等どうとう以下いかである[59][60]

医学いがくてき研究けんきゅう[編集へんしゅう]

近年きんねん評価ひょうかでは、ミルクの摂取せっしゅには筋肉きんにく成長せいちょう促進そくしんする効果こうかがあり[61]運動うんどう筋肉きんにく回復かいふくさせることにも有効ゆうこうとする示唆しさがなされている[62]

乳糖にゅうとうたいしょう[編集へんしゅう]

ミルクにふくまれるとうであるラクトースは、小腸しょうちょう吸収きゅうしゅうするためには酵素こうそのラクターゼによって構成こうせいをガラクトースとグルコースに分解ぶんかいされなければならない。しかし、すべての哺乳ほにゅう動物どうぶつ乳離ちばなれののちにラクターゼの分泌ぶんぴつ減衰げんすいする。その結果けっかおおくの人間にんげん成長せいちょうにラクトースを適切てきせつ消化しょうかできなくなる。ただしこれもひとそれぞれであり、ほとんどラクトースを消化しょうかできないひともいれば、ある程度ていど可能かのうもの、さらにミルクや乳製品にゅうせいひんちゅうふくまれるかなりの比率ひりつ問題もんだい吸収きゅうしゅうできるものもいる。ひとのラクターゼ分泌ぶんぴつ制御せいぎょする遺伝子いでんしはC/T-13910 である[63]

世界せかいの5%程度ていど人々ひとびとはラクトースを満足まんぞく消化しょうかできない乳糖にゅうとうたいしょうしめことられ、この傾向けいこうはアフリカやアジアけい人々ひとびとなかでより顕著けんちょである[64]。アメリカじんの3000-5000まん乳糖にゅうとうたいしょうであるとかんがえられており、そのなかにはネイティブ・アメリカンアフリカけいアメリカじんの75%、アジアけいアメリカじんの90%がふくまれる。乳糖にゅうとうたいしょうきたヨーロッパじんにはあまりられず[65]、そのではサハラ砂漠さはらさばくのトゥレグぞく西にしアフリカ・サヘル地域ちいき遊牧民ゆうぼくみんのフラーニ、スーダンのベジャやカバビッシュ、ウガンダからルワンダ地域ちいきツチぞくなどがられる[66]ほかにも、きたインドの人々ひとびと同様どうようである[63]

言語げんご文化ぶんかへの影響えいきょう[編集へんしゅう]

ヒンドゥーきょう灌頂儀式ぎしき。インド、カルナータカしゅう

古代こだいギリシア神話しんわでは女神めがみヘーラーヘーラクレースはなしたさいあふれたちちあまがわ(ミルキーウェイ)になったという[67]

聖書せいしょにもミルクを意図いとした言葉ことばがあり、カナンのイスラエルを「ちちみつながれる」と表現ひょうげんしている。ちちみつならび「よきもの」の象徴しょうちょうである[68]コーランの「蜜蜂みつばち」にはちちについてべた箇所かしょがあり、ちち家畜かちくなか飼料しりょう血液けつえき中間ちゅうかんからしょうじ、人間にんげんあたえられる美味びみものだとう (16-The Honeybee, 66)。伝統でんとうてきに、ラマダーンけにはいちはいのミルクと乾燥かんそうナツメヤシのくちにする。仏教ぶっきょうでは釈迦しゃか説話せつわに、断食だんじき修行しゅぎょうくちにした牛乳ぎゅうにゅう美味びみさとりをみちびいたとあり、牛乳ぎゅうにゅうからつくられる醍醐だいごを「ふつ最上さいじょうけいほう」を用語ようごもちいている[1]ヒンドゥーきょうおこなわれる灌頂では、崇拝すうはいするかみぞう聖水せいすいやミルクまたはヨーグルトなどできよめる儀式ぎしきおこなわれる[69]

人間にんげん文化ぶんかにおいてちち (milk) がいかに重要じゅうようかということは、数々かずかず言語げんご表現ひょうげん使つかわれることで説明せつめいできる。たとえば、「the milk of human kindness」(人間にんげんてきおもいやり)という用例ようれいがある。一方いっぽうで、「他人たにん利用りようする」(to milk someone) という慣用かんようもある。

様々さまざま意味いみスラングでももちいられる。17世紀せいき初頭しょとうには、精液せいえきちつえき意味いみがつけられ、てんじて自慰じい行為こういすようにもなった。19世紀せいきには変性へんせいアルコールをみずぜてつくられた安物やすものさけ使つかわれた。に、詐取さしゅする、だます、他人たにんおくられた電報でんぽう盗聴とうちょうする、そして虚弱きょじゃくもの腰抜こしぬけという意味いみもある。1930年代ねんだいのオーストラリアでは、自動車じどうしゃ吸気きゅうきガスをして使つかわれもした[70]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]