アレクサンドル・アファナーシェフ が編纂 へんさん した『ロシア民話 みんわ 集 しゅう 』から「蛙 かえる の王女 おうじょ 」の挿絵 さしえ
変身 へんしん (へんしん、英語 えいご : Shapeshifting )とは人 ひと や動物 どうぶつ や物 もの が、姿 すがた を変 か えること。
変身 へんしん とは人 ひと や動物 どうぶつ や物 もの が姿 すがた を変 か えること。
変身 へんしん に似 に た言葉 ことば には「変態 へんたい (生物 せいぶつ 学 がく ) 」、「メタモルフォーゼ」などがある。
変身 へんしん は日本 にっぽん では童話 どうわ 、漫画 まんが 、アニメ 、特撮 とくさつ で出 で てくるが(変身 へんしん (ヒーロー) も参照 さんしょう )、世界 せかい の様々 さまざま な国 くに でも使 つか われる言葉 ことば である[要 よう 校閲 こうえつ ] 。
変身 へんしん 譚 たん (へんしんたん)とは、人間 にんげん が異性 いせい や、動物 どうぶつ や植物 しょくぶつ などの人間 にんげん 以外 いがい のものに変身 へんしん するという神話 しんわ ・物語 ものがたり ・伝説 でんせつ などを指 さ している。
その歴史 れきし は古 ふる く、古代 こだい ギリシア からヘレニズム 、ロ ろ ーマ帝国 まていこく 時代 じだい にかけて多 おお くの物語 ものがたり が作 つく られており、オウィディウス の『変身 へんしん 物語 ものがたり 』はその集大成 しゅうたいせい であると言 い える。
近 きん 現代 げんだい にも多 おお く作 つく られており、カフカ の『変身 へんしん 』などが代表 だいひょう 的 てき 。日本 にっぽん では中島 なかじま 敦 あつし の『山月 やまつき 記 き 』が有名 ゆうめい 。
なお、異性 いせい への変身 へんしん (TSF )は動物 どうぶつ ・植物 しょくぶつ ・無生物 むせいぶつ への変身 へんしん とは趣 おもむき がまるで異 こと なり、独特 どくとく の分野 ぶんや となっている。それについては別項 べっこう で取 と り扱 あつか う。
伝承 でんしょう において一般 いっぱん 的 てき な変身 へんしん する動物 どうぶつ は狼 おおかみ 男 おとこ 、ヴァンパイア 、東 ひがし アジア のキツネ 、北欧 ほくおう 神話 しんわ のロキ またはギリシャ神話 しんわ のプローテウス の様 よう な多数 たすう の神話 しんわ の、神 かみ 、女神 めがみ 、悪魔 あくま がいる。神 かみ にとってあらゆる動物 どうぶつ や植物 しょくぶつ に変身 へんしん することは普通 ふつう のことであった。
人間 にんげん から狼 おおかみ へ変身 へんしん する狼 おおかみ 男 おとこ (リカントロープ)は有名 ゆうめい だが、そのほかにも人 ひと から獣 しし へ変身 へんしん する生 い き物 もの を指 さ す言葉 ことば として獣人 じゅうじん (セリアンスロープ)がある。英語 えいご ではリカントロープ(lycanthrope、変化 へんか を指 さ してリカントロピー lycanthropy)のほうが多 おお く用 もち いられる。
英語 えいご において変身 へんしん を指 さ す言葉 ことば は、他 ほか にもmetamorph(変身 へんしん 全般 ぜんぱん )、skin-walker(ネイティブアメリカン の伝承 でんしょう や北欧 ほくおう 神話 しんわ に見 み られる、動物 どうぶつ に変身 へんしん する能力 のうりょく を持 も った人間 にんげん )、mimic(擬態 ぎたい )などがある。接頭 せっとう 詞 し 「were-」も「人間 にんげん (man)」を意味 いみ する古語 こご に由来 ゆらい し、ウェアウルフ (werewolf:人 ひと 狼 おおかみ )などのように変身 へんしん する存在 そんざい を指 さ す。動物 どうぶつ ・獣人 じゅうじん への変身 へんしん (獣 しし 化 か )については、transformationとfurry(毛皮 けがわ で覆 おお われた者 もの )の合成 ごうせい 語 ご である「transfur」やanthropomorph(擬人 ぎじん 化 か )の略語 りゃくご である「anthro」も俗語 ぞくご として用 もち いられている。
変身 へんしん 譚 たん はほとんどの全 すべ ての文化 ぶんか にみられ、日常 にちじょう でよく目 め にする動物 どうぶつ には、たいてい関係 かんけい する変身 へんしん 譚 たん がある。通常 つうじょう は、変身 へんしん の対象 たいしょう になる動物 どうぶつ は、物語 ものがたり が伝 つた わっている地域 ちいき に固有 こゆう の生 い き物 もの である
人間 にんげん が他 た のものに変身 へんしん する物語 ものがたり と同様 どうよう に、動物 どうぶつ が変身 へんしん する物語 ものがたり も多 おお く存在 そんざい する。[1] 。
各地 かくち の伝承 でんしょう [ 編集 へんしゅう ]
ギリシア=ローマ文学 ぶんがく [ 編集 へんしゅう ]
変身 へんしん のモチーフは、古典 こてん 文学 ぶんがく での中 なか で多種 たしゅ 多様 たよう な方法 ほうほう で現 あらわ れている。
古典 こてん 文学 ぶんがく における変身 へんしん のモチーフとしては、オウィディウス の『変身 へんしん 物語 ものがたり 』、ホメーロス の『オデュッセイア 』(キルケー がオデュッセウスの仲間 なかま を豚 ぶた に変 か えた)、アプレイウス の『黄金 おうごん のロバ(ラテン語 らてんご 版 ばん 、英語 えいご 版 ばん ) 』(主人公 しゅじんこう ルキウスがロバに変身 へんしん する)、アントーニーヌス・リーベラーリス『メタモルフォーシス ギリシア変身 へんしん 物語 ものがたり 集 しゅう 』など、多 おお くの例 れい が見 み られる。
神 かみ 々の中 なか でも、プローテウス は変身 へんしん で有名 ゆうめい である。メネラーオス とアリスタイオス はともにプローテウスに勝利 しょうり して情報 じょうほう をき出 きだ している。プローテウスの様々 さまざま な変身 へんしん に対 たい して耐 た えることで勝利 しょうり した、という点 てん も同様 どうよう である。
また、ギリシアの神 かみ 々は変身 へんしん を罰 ばっ の方法 ほうほう としても使 つか った。アラクネー は織物 おりもの の技術 ぎじゅつ に関 かん する傲慢 ごうまん への罰 ばち として蜘蛛 くも に変 か えられ、メドゥーサ はアテーナー の神殿 しんでん でポセイドーン と交 まじ わったため怪物 かいぶつ に変 か えられた。だがそれよりも、変身 へんしん は艶 つや めかしい冒険 ぼうけん に多 おお く持 も ち出 だ されている。ゼウス は人間 にんげん の女性 じょせい に近 ちか づくため、あるいは通 かよ うために何 なん 度 ど も変身 へんしん している。
もうすこし穏健 おんけん なローマの話 はなし では、果物 くだもの の神 かみ ウェルトゥムヌス は老婆 ろうば に姿 すがた を変 か えて女神 めがみ ポーモーナ の果樹 かじゅ 園 えん に入 はい り、求婚 きゅうこん した。
他 ほか にも、女性 じょせい が男性 だんせい から求愛 きゅうあい されるのを完全 かんぜん に拒絶 きょぜつ するため神 かみ に助 たす けを求 もと めて変身 へんしん するという話 はなし もある(ダプネー :月桂樹 げっけいじゅ 、コルニクス(en:Cornix ):小 しょう カラス)。ゼウスその他 た 神 しん 々の一時 いちじ 的 てき な変身 へんしん とは違 ちが って、これらの変身 へんしん は解 と けない。
デーメーテール はポセイドーンにい寄 いよ られた際 さい に雌 めす 馬 ば に変身 へんしん して逃 のが れたが、ポセイドーンも対抗 たいこう して雄 ゆう 馬 ば に変身 へんしん したため手込 てご めにされた。
『竜 りゅう の牙 きば を播 ま くカドモス』マックスフィールド・パリッシュ 画 が
人間 にんげん もまた、多 おお くの理由 りゆう から変身 へんしん した。
テイレシアース は交尾 こうび している蛇 へび を見 み つけ、雌 めす の蛇 へび を杖 つえ で打 う ったところ女性 じょせい に変身 へんしん してしまい、そのまま数 すう 年間 ねんかん を過 す ごすことになった。その後 ご 、ふたたび交尾 こうび している蛇 へび を見 み つけて雄 ゆう の蛇 へび を打 う ったことで男 おとこ に戻 もど ることができた。
カイニス(en:Caenis )はポセイドーン に手込 てご めにされ、自分 じぶん を男 おとこ にするよう要求 ようきゅう した。ポセイドーンはこれを受 う け入 い れ、カエニスはカイネウス になり、生涯 しょうがい を男 おとこ として過 す ごした(死 し の間際 まぎわ に女 おんな に戻 もど ったとする話 はなし もある)
歓待 かんたい に対 たい する報 むく いとして、バウキスとピレーモーン は、神 かみ 々によって死 し の際 さい に二 に 本 ほん の木 き に変 か えられた。
ピュグマリオーン は自 みずか ら作 つく った石像 せきぞう に恋 こい に落 お ちた。ヴィーナス は彼 かれ を哀 あわ れんで石像 せきぞう から生 い きた女性 じょせい へと変 か えた。
ナルキッソス の話 はなし では、彼 かれ は花 はな へと変 か えられた。
テーレウス がピロメーラー を犯 おか し、黙 だま らせるため彼女 かのじょ の舌 した を切 き った後 のち 、彼女 かのじょ は姉妹 しまい であるテーレウスの妻 つま プロクネー へと自分 じぶん におきたことをタペストリー に織 お った。姉妹 しまい は彼 かれ の息子 むすこ を殺 ころ し、父 ちち であるテーレウスに食 た べさせた。彼 かれ がこのことを知 し った時 とき 、彼女 かのじょ らを殺 ころ そうとしたが、神 かみ 々は彼女 かのじょ らを鳥 とり へと変 か えた。
物品 ぶっぴん が人間 にんげん へと変身 へんしん するものもある。イアーソーン とカドモス の両方 りょうほう の神話 しんわ において、竜 りゅう の牙 きば をまくと、戦士 せんし へと変 か わった、そこで英雄 えいゆう 達 たち は、生 い き延 の びるため計略 けいりゃく を用 もち いて同士討 どうしう ちをさせた。デウカリオーン とピュラー は洪水 こうずい 後 ご 、石 いし を背後 はいご に投 な げ、それが人 ひと へと変身 へんしん したことにより再 ふたた び世界 せかい に人間 にんげん を満 み たした。
英国 えいこく 、アイルランド[ 編集 へんしゅう ]
ウェールズ神話 しんわ はほとんどが失 うしな われているが、現存 げんそん しているものの中 なか にも変身 へんしん の魔法 まほう はたびたび登場 とうじょう している。
アラウン はプイス をアラウンの姿 すがた に変 か え、みずからはプイスの姿 すがた に変 か わり、一 いち 年 ねん と一 いち 日 にち だけおたがいの領地 りょうち を交換 こうかん した。キル・コイトの息子 むすこ スィウィト(Llwyd ap Cil Coed)は、妻 つま と召使 めしつか いを鼠 ねずみ に変 か えて、復讐 ふくしゅう のため作物 さくもつ を荒 あ らした。妻 つま が捕 と らえられた時 とき には、三 さん 人 にん の聖職 せいしょく 者 しゃ に姿 すがた を変 か えて、みずから身代金 みのしろきん の交渉 こうしょう 代理人 だいりにん になった。
マソヌイの息子 むすこ 、マース(en:Math ap Mathonwy )とグウィディオン は花 はな をブロダイウェズ (en:Blodeuedd )という名 な の女性 じょせい に変 か えた。ブロダイウェズが夫 おっと のスェウ(en:Lleu ) を裏切 うらぎ ったとき、スェウは鷲 わし に姿 すがた を変 か え、ブロディウェズは後 のち に梟 ふくろう に変 か えられた。
ギルファエスウィ(en:Gilfaethwy )がマースに仕 つか える乙女 おとめ を手込 てご めにした際 さい 、それを幇助 ほうじょ した弟 おとうと のグウィディオンも、ともに動物 どうぶつ に変 か えられた。ゴウィディオンは雄 お シカ、雌 めす ブタ、狼 おおかみ にそれぞれ一 いち 年 ねん ずつ、ギルファエスイは雌 めす シカ、雄 お ブタ、雌 めす 狼 おおかみ に一 いち 年 ねん ずつである。それぞれの年 とし に一 いち 匹 ひき ずつ子 こ どもが生 う まれた。マースはこの三 さん 匹 ひき を人間 にんげん に変 か えた。
グウィオン(Gwion)は、ケリドウェン が子供 こども のために作 つく っていた賢者 けんじゃ の薬 くすり を飲 の んでしまい、次々 つぎつぎ と変身 へんしん しながら、同 おな じく変身 へんしん するケリドウェンから逃 に げることとなった。最終 さいしゅう 的 てき にグウィオンが一 いち 粒 つぶ の麦 むぎ になり、雌鳥 めんどり になったケリドウェンに食 た べられてしまった。するとケリドウェンは妊娠 にんしん し、グウィオンはタリエシン として生 う まれ変 か わった。
アイルランド神話 しんわ においても変身 へんしん 譚 たん はみられる。オイフェ が養子 ようし であるリルの子供 こども たちを白鳥 はくちょう に変 か えて追 お い出 だ したという話 はなし が有名 ゆうめい である。
『エーディンへの求婚 きゅうこん 』においても、ファームナッハ が嫉妬 しっと のためにエーディン を水 みず たまりに、更 さら に毛虫 けむし から蝶 ちょう へ変 か えてしまった話 はなし がある。
英雄 えいゆう フィン・マックール の妻 つま サヴァは鹿 しか に変身 へんしん した妖精 ようせい であった。
アイルランド神話 しんわ でもっとも劇的 げきてき な変身 へんしん 譚 たん といえば、パーソロン神 かみ 族 ぞく の唯一 ゆいいつ の生 い き残 のこ りトァンのものだろう。何 なに 世紀 せいき にもわたる長 なが い生 なま のなかで、トァンは鹿 しか 、蛇 へび 、鷲 わし を経 へ て最終 さいしゅう 的 てき には鮭 さけ になり、食 く われたのちにトァン・マッカレル として人間 にんげん に生 う まれ変 か わった。
英国 えいこく 民間 みんかん 伝承 でんしょう [ 編集 へんしゅう ]
フェアリー 、魔女 まじょ 、魔法使 まほうつか い はみな変身 へんしん 能力 のうりょく で有名 ゆうめい である。全 すべ ての妖精 ようせい が変身 へんしん できるわけではない、そして一部 いちぶ はスプリガン のように変身 へんしん できるサイズが限 かぎ られている、馬 うま と若 わか い男 おとこ にしかなれないアハ・イシュケ のように2,3の姿 すがた にしかなれないものもいる。[2] 他 た の妖精 ようせい はグラマー(glamour)と呼 よ ばれる幻 まぼろし を作 つく り出 だ す力 ちから を使 つか って、写 うつ し身 み だけを現 あらわ すこともある。[3] しかし、ヘドリーの牛 うし っこ(Hedley Kow )ような他 ほか の者 もの は多 おお くの姿 すがた に変身 へんしん でき、人間 にんげん と不思議 ふしぎ な魔法使 まほうつか い共 ども にそのような変身 へんしん 能力 のうりょく があり、他人 たにん を罰 ばっ する。[2]
魔女 まじょ は野 の うさぎに姿 すがた を変 か えることができ、その姿 すがた でミルクとバターを盗 ぬす む。[4] マン島 とう では兎 うさぎ の肉 にく を食 た べることができる人 ひと を雇 やと うことができない、というのもその島 しま では「兎 うさぎ はある老婆 ろうば が姿 すがた を変 か えたものだ」と信 しん じられているからだ、という伝承 でんしょう を民俗 みんぞく 学者 がくしゃ のセイバイン・ベアリング=グールド が書 か き残 のこ している[5] 。
『巨人 きょじん たいじのジャック 』(Jack the Giant Killer )や『ノロウェイの黒 くろ い牛 うし 』(The Black Bull of Norroway )のような多 おお くの英国 えいこく 童話 どうわ では変身 へんしん が特色 とくしょく となっている。
オーディン とロキ は北欧 ほくおう 神話 しんわ の変身 へんしん 能力 のうりょく 者 しゃ である。まれに両者 りょうしゃ とも女性 じょせい の姿 すがた をとる、そして雌 めす 馬 ば の姿 すがた をとっていたロキはスレイプニル を生 う んだ。『ロキの口論 こうろん 』では女 おんな になったこと、子供 こども を生 う んだことをお互 たが い馬鹿 ばか にしあったと記述 きじゅつ されている。(多 おお くの伝説 でんせつ での女性 じょせい の姿 すがた のオーディンの記述 きじゅつ は失 うしな われたが、『ロキの口論 こうろん 』は含 ふく んでいる。)
巨人 きょじん シアチ に攫 さら われた女神 めがみ イズン を取 と り返 かえ すため、ロキは彼女 かのじょ を一 いち 個 こ の胡桃 くるみ の実 じつ に変 か えて、自分 じぶん は鷹 たか に変身 へんしん して胡桃 くるみ を持 も ち帰 かえ った[6] 。
ヒュンドラの歌 うた で女神 めがみ フレイヤ は彼女 かのじょ の愛人 あいじん オッタル を隠 かく すためにイノシシへと変 か えた[7] 。また彼女 かのじょ は鷹 たか の羽毛 うもう で出来 でき た羽衣 はごろも で鷹 たか へと姿 すがた を変 か えることができた。その羽衣 はごろも をロキは折々 おりおり に借 か りていた。
ヴォルスンガ・サガ は多 おお くの変身 へんしん する人物 じんぶつ が登場 とうじょう する。シッゲイル (Siggeir )の母 はは は敗北 はいぼく した彼 かれ の義兄弟 ぎきょうだい をゆっくりと殺 ころ していく拷問 ごうもん を手 て 助 たす けるため狼 おおかみ になった。シグムンド は生 い き延 の び、彼 かれ とその甥 おい であり息子 むすこ であるシンフィヨトリ は狼 おおかみ の皮 かわ をかぶった男 おとこ たちを殺 ころ し、彼 かれ らは毛皮 けがわ を処分 しょぶん して、狼 おおかみ 男 おとこ となる呪 のろ いを受 う けた
ファフニール は本来 ほんらい 、正 ただ しい神話 しんわ によるとドワーフまたは巨 きょ 人 じん であったが、全 すべ ての異 い 文 ぶん において、財宝 ざいほう を守 まも るドラゴンとなった。
ごく最近 さいきん の民話 みんわ において、ニッセ (Nisse )は時々 ときどき 変身 へんしん すると言 い われている。なおこの特徴 とくちょう はフルドラ (Huldra )から来 き ている。
スラブ神話 しんわ では、狼 おおかみ 男 おとこ と他 た の人 ひと から動物 どうぶつ への変身 へんしん 者 しゃ が、かなり一般 いっぱん 的 てき で、普通 ふつう はレーシー の行為 こうい により生 う み出 だ されている。
中国 ちゅうごく 、日本 にっぽん 、韓国 かんこく の伝承 でんしょう は動物 どうぶつ が人間 にんげん の姿 すがた をとるものとして伝 つた えられている。それらに共通 きょうつう した特徴 とくちょう として、動物 どうぶつ は長 なが く生 い き、能力 のうりょく と共 とも に尻尾 しっぽ が増 ふ え、しばしば隠 かく していた動物 どうぶつ の特徴 とくちょう を出 だ してしまう。またそれらとの結婚 けっこん 、異類 いるい 婚姻 こんいん 譚 たん が多数 たすう 見 み られる。これらの特徴 とくちょう は国 こく ごとに差異 さい が見 み られる。
中国 ちゅうごく 伝承 でんしょう は多 おお くの動物 どうぶつ が変身 へんしん し、人 ひと の姿 すがた で話 はな す物語 ものがたり がある。変身 へんしん する最 もっと も普遍 ふへん 的 てき なのが妖狐 であり、キツネは通常 つうじょう 美 うつく しく若 わか い女 おんな として現 あらわ れ、殆 ほとん どは危険 きけん な存在 そんざい であるが、いくつかは恋 こい 物語 ものがたり のヒロインとして登場 とうじょう している。
『白蛇 しろへび 伝 でん 』はそのような伝説 でんせつ の一 ひと つで、ヘビが人間 にんげん の男 おとこ と恋 こい に落 お ち、そして彼女 かのじょ と彼女 かのじょ の夫 おっと が直面 ちょくめん する試練 しれん を描 えが いている。
日本 にっぽん の妖怪 ようかい の多 おお くは変身 へんしん 能力 のうりょく をもった動物 どうぶつ である。キツネ が最 もっと も一般 いっぱん 的 てき なものであるが、以下 いか のようなものも含 ふく まれる。
これらは人間 にんげん 以外 いがい にも岩 いわ など無機物 むきぶつ に化 ば けることがある。
また、日本 にっぽん 本土 ほんど とは異 こと なる文化 ぶんか を有 ゆう する沖縄 おきなわ には、豚 ぶた が美男 びなん 美女 びじょ に化 ば けて人間 にんげん をたぶらかす話 はなし が伝承 でんしょう されている。
仏教 ぶっきょう 伝来 でんらい 以後 いご の日本 にっぽん には、輪廻 りんね によって人 ひと が動物 どうぶつ に生 う まれ変 か わる話 はなし はあっても、生 い きながら動物 どうぶつ その他 た に変身 へんしん する話 はなし は少 すく ない。
古事記 こじき /日本書紀 にほんしょき や御伽草子 おとぎぞうし には、女性 じょせい を生 い きたまま道具 どうぐ に変身 へんしん させることで、脅威 きょうい となる存在 そんざい から姿 すがた を隠 かく す話 はなし がある。
古事記 こじき /日本書紀 にほんしょき のヤマタノオロチ の説話 せつわ ではスサノオが、ヤマタノオロチの生贄 いけにえ にされる少女 しょうじょ クシナダヒメ を助 たす けるため、彼女 かのじょ を櫛 くし に変身 へんしん させる。
御伽草子 おとぎぞうし に収録 しゅうろく される天 てん 稚 やや 彦草子 ぞうし では、天 てん 稚 やや 彦が父鬼 ちちおに から人間 にんげん の娘 むすめ を隠 かく すため、彼女 かのじょ を脇息 きょうそく 、扇子 せんす 、枕 まくら など、様々 さまざま な道具 どうぐ に変身 へんしん させる。
雄略 ゆうりゃく 紀 き には、馬 うま ほどの大 おお きさの白 しろ 犬 けん に化 ば けた文 ぶん 石 せき 小 しょう 麻呂 まろ の記述 きじゅつ が見 み られる。
韓国 かんこく 伝承 でんしょう もまた変身 へんしん 能力 のうりょく を持 も つキツネがある。中国 ちゅうごく 、日本 にっぽん のものとは異 こと なり、クミホ(九尾 つづらお の狐 きつね )は常 つね に悪意 あくい あるものである。たいてい美少女 びしょうじょ の姿 すがた をとるが、詐欺 さぎ をたくらむ男 おとこ がクミホであったという物語 ものがたり もある。[9] クミホは9つの尾 お を持 も ち、人間 にんげん になりたいと願 ねが っており、その美貌 びぼう で男 おとこ を騙 だま して心臓 しんぞう を食 く らう。(心臓 しんぞう ではなく、肝 きも を100人 にん 分 ぶん 食 く らうと人間 にんげん になれるとする話 はなし もある)
参照 さんしょう 項目 こうもく [ 編集 へんしゅう ]
^ Terri Windling , "Married to Magic: Animal Brides and Bridegrooms in Folklore and Fantasy Archived 2006年 ねん 11月11日 にち , at the Wayback Machine ."
^ a b Katharine Briggs , An Encyclopedia of Fairies, Hobgoblins, Brownies, Boogies, and Other Supernatural Creatures, "Shape-shifting", p360. ISBN 0-394-73467-X
^ Katharine Briggs , An Encyclopedia of Fairies, Hobgoblins, Brownies, Boogies, and Other Supernatural Creatures, "Glamour", p191. ISBN 0-394-73467-X
^ Eddie Lenihan and Carolyn Eve Green, Meeting The Other Crowd: The Fairy Stories of Hidden Ireland , p 80 ISBN 1-58542-206-1
^ 今泉 いまいずみ 忠義 ただよし ・訳 やく 『民俗 みんぞく 学 がく の話 はなし 』角川書店 かどかわしょてん 、1955年 ねん 、36頁 ぺーじ 。
^ 「スノリ 『エッダ』「詩語 しご 法 ほう 」訳注 やくちゅう 」谷口 たにぐち 幸男 ゆきお 訳 わけ 、『広島大学 ひろしまだいがく 文学部 ぶんがくぶ 紀要 きよう 』第 だい 43巻 かん No.特輯 とくしゅう 号 ごう 3、1983年 ねん 、1-3頁 ぺーじ 。V.G.ネッケル他 た 編 へん 『エッダ 古代 こだい 北欧 ほくおう 歌謡 かよう 集 しゅう 』谷口 たにぐち 幸男 ゆきお 訳 やく 、新潮社 しんちょうしゃ 、1973年 ねん 、67、74頁 ぺーじ 。
^ V.G.ネッケル他 た 編 へん 『エッダ 古代 こだい 北欧 ほくおう 歌謡 かよう 集 しゅう 』207-212頁 ぺーじ 。
^ 三浦 みうら 佑 たすく 之 これ 『風土記 ふどき の世界 せかい 』岩波書店 いわなみしょてん 〈岩波 いわなみ 新書 しんしょ 〉、2016年 ねん 。ISBN 9784004316046 。 pp.104-114.
^ Heinz Insu Fenkl, "A Fox Woman Tale of Korea "