小麦粉こむぎこ

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小麦粉こむぎこ。ふすまをふくまないもの。
全粒粉ぜんりゅうこ
グラハムこな

小麦粉こむぎこ(こむぎこ)とは、小麦こむぎ製粉せいふんしたこなである。おも食用しょくよう利用りようされており、パン麺類めんるいケーキ菓子かしなど、様々さまざま食品しょくひん材料ざいりょうとしてもちいられる。一部いちぶに「うどん」「メリケン粉めりけんこ」とひとがいる[1]穀粉こくふん一種いっしゅ人類じんるいによる利用りよう古代こだいエジプトですでにおこなわれていたことがられ、西洋せいようでも東洋とうようでもひろ利用りようされるようになり、日本にっぽんでも粒食りゅうしょくならんで中世ちゅうせい後期こうきには利用りようされていた。

しつ使用しようする部位ぶいかたによりさまざまに分類ぶんるいされており、てきした用途ようとことなる。強力粉きょうりきこちゅうりょく古代こだいエジプトかべ収穫しゅうかく模様もようえがかれるほど、人類じんるい小麦こむぎ歴史れきしふるく、人類じんるいはつ作物さくもつのひとつとされる。

パンをつくるため小麦粉こむぎこみずでつくった生地きじをこねるひと古代こだいエジプト、紀元前きげんぜん2494ねんから紀元前きげんぜん2345ねんころのぞう

収穫しゅうかくされた種子しゅし基本きほんてきにはこなにして小麦粉こむぎことして使つかわれる[2]初期しょきのコムギはかゆのようにしてべられていたが、こくつぶかたやわらかくするのに長時間ちょうじかん加熱かねつしなければならなかったこと、小麦粉こむぎこ生地きじには特有とくゆうせいがありしょくかんこのましかったこと、表皮ひょうひのふすま(ふすま・麬=コメでいうぬか)がかたいためのぞこうとすると内側うちがわ胚乳はいにゅうくだけてしまうことから粉食ふんしょく基本きほんになった[2]

紀元前きげんぜん3,000ねんごろ古代こだいエジプトでは、すで発酵はっこうのパンがべられていた記録きろくのこっている[2][3]

産業さんぎょう革命かくめい以降いこう蒸気じょうき機関きかん利用りようにより、製粉せいふんはよりだい規模きぼとなり、世界せかい流通りゅうつうし、19世紀せいきには、現代げんだいでも使用しようされている製粉せいふん誕生たんじょうし、効率こうりつ品質ひんしつともにより向上こうじょうした[4]

歴史れきし[編集へんしゅう]

日本にっぽんでの歴史れきし[編集へんしゅう]

日本にっぽん列島れっとうでは縄文じょうもん時代じだいいしさらすりせきもちいて植物しょくぶつけんはて粉砕ふんさいしょくすという、粉食ふんしょく習慣しゅうかんおこなわれていた。弥生やよい時代じだい稲作いなさく農耕のうこう開始かいしされるといしさらすりせき消失しょうしつし、べい大麦おおむぎ雑穀ざっこくなどの穀物こくもつつぶのまましょくするかたち変化へんかした。小麦こむぎ弥生やよい時代じだい以降いこうには日本にっぽん列島れっとう伝来でんらいし、古代こだいには麺類めんるい貴族きぞくあいだしょくされている。中世ちゅうせい前期ぜんきには、こねばち・すりばちなどの加工かこうふたた出現しゅつげんし、さらに中世ちゅうせい後期こうきには石臼いしうす出現しゅつげんし、そう武士ぶし庶民しょみんあいだでも粉食ふんしょく習慣しゅうかん復活ふっかつした。江戸えど時代じだいにはうどん・蕎麦そばなどがしょくされている。

近代きんだいには、戦時せんじしょくつよくなった1940ねん9月から業務ぎょうむようが、1941ねん4がつからは家庭かていよう小麦粉こむぎこ配給はいきゅう制度せいど対象たいしょうとなった。配給はいきゅうされるりょう2人ふたり-3にん家庭かていで100もんめ(2かげつぶん)とされていた[5]戦後せんご食糧しょくりょう不足ふそくには、アメリカの小麦こむぎ戦略せんりゃくから余剰よじょうぶん援助えんじょ物資ぶっしとして供給きょうきゅうされ[6]学校がっこう給食きゅうしょくでパンしょくれられたことなどからパンしょくしょく習慣しゅうかんひろまった[7]

小麦粉こむぎこしろ添加てんか[8]
100 gあたりの栄養えいよう
エネルギー 1,523 kJ (364 kcal)
76.31 g
糖類とうるい 0.27 g
食物しょくもつ繊維せんい 2.7 g
0.98 g
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 0.155 g
あたい飽和ほうわ 0.413 g
10.33 g
ビタミン
ビタミンA相当そうとうりょう
18 µg
チアミン (B1)
(10%)
0.12 mg
ミネラル
リン
(15%)
108 mg
マンガン
(32%)
0.682 mg
セレン
(48%)
33.9 µg
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける
成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI割合わりあい
出典しゅってん: USDA栄養えいようデータベース英語えいご

栄養えいよう特徴とくちょう[編集へんしゅう]

ふすまるいのぞいて製粉せいふんしたものと、ふすまるいふくめて製粉せいふんしたものでは栄養えいよう特性とくせいことなる。

(ふすまるいのぞいて製粉せいふんしたものは)成分せいぶんの7、8わりデンプンめ、タンパク質たんぱくしつやく1わりふくんでいる。おもタンパク質たんぱくしつグリアジングルテニンで、これらはみず吸収きゅうしゅうすると、ねばりのあるグルテンとなる。このグルテンが独特どくとく料理りょうりし、様々さまざま食品しょくひんまれわる。グルテンのりょうおおくてしつつよいものからじゅん強力粉きょうりきこちゅうりょく薄力粉はくりきこ分類ぶんるいされている。なおグルテンのりょう品種ひんしゅほかに、開花かいか収穫しゅうかくあめるかどうかによっても変動へんどうする。この時期じきあめおおいと小麦こむぎはグルテンを形成けいせいしにくくなるためである。

一方いっぽう、ふすまるいなどもふくめて製粉せいふんした全粒粉ぜんりゅうこのほうには、食物しょくもつ繊維せんいおおふくまれており、"普通ふつうの" つまりふすまるいなどをふくまない小麦粉こむぎこ100gにふくまれる食物しょくもつ繊維せんいは2.7gなのにたいし、全粒粉ぜんりゅうこには11.2gもふくまれている(つまりこなの1わり以上いじょう食物しょくもつ繊維せんい[9])。食物しょくもつ繊維せんいちょう調子ちょうしととのえる作用さようがある[9](たとえば便秘べんぴがちでなやんでいる女性じょせいなどには好適こうてき)。全粒粉ぜんりゅうこは、普通ふつう小麦粉こむぎこくらべ、ビタミン、ミネラルを豊富ほうふふくんでおり、ビタミンとしてはとくB1・B2・B6がおおく、ミネラルではとく鉄分てつぶんカリウムカルシウムおおいという特徴とくちょうがある[9]

グラハムこなは、ぜんつぶだが精製せいせいほう通常つうじょう全粒粉ぜんりゅうこちがい、表皮ひょうひ胚芽はいが部分ぶぶんほぼきであり、血糖けっとう上昇じょうしょうゆるやかになり健康けんこうてきである(とく健康けんこう配慮はいりょしたことを前面ぜんめんしたクラッカー・ビスケット・シリアル食品しょくひんなどでしばしばもちいられている)。

性質せいしつ[編集へんしゅう]

カロテノイド色素しきそによりあわいクリームしょくをしている[10]粒子りゅうし直径ちょっけい150µm以下いかこまかく、粉塵ふんじん爆発ばくはつのおそれもあるため、東京とうきょうなど一部いちぶ自治体じちたいでは指定してい可燃かねんぶつ規定きていしている[11]。ほかの粉末ふんまつざりやすく、粉末ふんまつ調味ちょうみりょうなどをぜてプレミックスとしたり、ビタミンなどの添加てんか応用おうようされる。表面ひょうめん水気みずけびたものに付着ふちゃくしやすく、ムニエルなどのころもや、麺類めんるいとして使つかわれる。にお吸着きゅうちゃくしやすく、かおけの加工かこうができる反面はんめん保管ほかん仕方しかたによっては異臭いしゅうくことがある[10]

加工かこう精製せいせい[編集へんしゅう]

ぜんつぶから果皮かひ胚芽はいが部分ぶぶんふすまとしてのぞかれ、胚乳はいにゅう部分ぶぶんのみをいたもので、ぜんつぶ100kgからはおおよそ72 - 75kgほどがられる。胚乳はいにゅう部分ぶぶんのみをのこ果皮かひ胚芽はいが完全かんぜんのぞくとしろ純粋じゅんすいなものがれるが、せいパンに使用しようする場合ばあい風味ふうみあたえるために、かならずしもふすま部分ぶぶん完全かんぜんのぞいたものがいともかぎらない。素朴そぼくあじわいや風味ふうみすために、小麦こむぎつぶをふすまごと丸々まるまるいた全粒粉ぜんりゅうこもちいられる[12]

種類しゅるい[編集へんしゅう]

ふすまるいなどをのぞいてから製粉せいふんするものは、含有がんゆうするタンパク質たんぱくしつおもにグリアジン、グルテニン)の割合わりあいと、形成けいせいされるグルテン性質せいしつによって強力粉きょうりきこちゅうりょく薄力粉はくりきこ分類ぶんるいされる。ふすまるいなどもふくめて製粉せいふんするものは、栄養えいよう豊富ほうふで、全粒粉ぜんりゅうこ、グラハムこななどに分類ぶんるいされる。でんぷん成分せいぶんだけとりだした特殊とくしゅなものはうわという。

強力粉きょうりきこ[編集へんしゅう]

強力粉きょうりきこ(きょうりきこ)はタンパク質たんぱくしつ割合わりあいが12%以上いじょうのもので、パンうどん中華麺ちゅうかめん学校がっこう給食きゅうしょくてくるソフトめんひとし使つかわれるほか、国産こくさん一部いちぶ乾燥かんそうパスタほぼきの強力粉きょうりきこもちいてつくられる。おもにアメリカ・カナダさん硬質こうしつ小麦こむぎパンコムギ)を使用しようしている。くとかた仕上しあがりになるので洋菓子ようがしにはかない。英語えいごけん分類ぶんるいではbread flourがこれにちかい。

ちゅうりょくこな[編集へんしゅう]

ちゅうりょく(ちゅうりきこ)はタンパク質たんぱくしつ割合わりあいが9%前後ぜんごのものでたこなどにもちいる。おもにオーストラリア・国内産こくないさんなかあいだしつ小麦こむぎ使用しようしている。強力粉きょうりきこ薄力粉はくりきこぜれば性質せいしつ中間ちゅうかんになるため、ちゅうりょく代用だいようとすることができるが、本来ほんらいなかちからとは加工かこう特性とくせいがややことなるため工夫くふうようする(平均へいきんは10.2%)。

薄力粉はくりきこ[編集へんしゅう]

薄力粉はくりきこ(はくりきこ)はタンパク質たんぱくしつ割合わりあいが8.5%以下いかのものでケーキなどの菓子かしるいてんぷらカレー使つかわれる。おもにアメリカさん軟質なんしつ小麦こむぎ使用しようしている。タンパク質たんぱくしつ含有がんゆうりょうおさえればおさえるほど繊細せんさい仕上しあがりになるので、「製菓せいかよう薄力粉はくりきこ」や「スーパーバイオレット」などの商品しょうひんめいられている、タンパク質たんぱくしつ含有がんゆうりょうをさらにらした商品しょうひん存在そんざいする(「ちょう薄力粉はくりきこ」ともばれるが、そのような商品しょうひんめいではられていない)。また、乾燥かんそうパスタ原料げんりょうからの連想れんそう誤解ごかいされることがあるが、たまごもちいてなまパスタをつく場合ばあい使つかわれるのは薄力粉はくりきこである。英語えいごけん表記ひょうきではcake flourがこれにちかい。

全粒粉ぜんりゅうこ[編集へんしゅう]

「ぜんりゅうこ」または「ぜんりゅうふん」。小麦こむぎ表皮ひょうひ胚芽はいが胚乳はいにゅうをすべてこなにしたものである。精製せいせいひんくらべて食物しょくもつ繊維せんいミネラルビタミン豊富ほうふおもパンビスケットシリアル食品しょくひん材料ざいりょうとしてもちいられる。

グラハムこな[編集へんしゅう]

グラハムこな(グラハムこ)とは、全粒粉ぜんりゅうこ一種いっしゅ小麦こむぎ胚乳はいにゅう表皮ひょうひおよび胚芽はいがけてから、胚乳はいにゅう普通ふつうひんおなこまかさにき、表皮ひょうひ胚芽はいがほぼきにして両方りょうほうわせたもの。全粒粉ぜんりゅうこよりもざらざらしている。

セモリナ[編集へんしゅう]

セモリナこな(セモリナこ)とは、通常つうじょうひんより粒子りゅうしあらい(210µmのぬのふるいに残留ざんりゅうする)こなをいう[13]英語えいごのセモリナ (Semolina) は、イタリアのSemolaから由来ゆらいし、これはラテン語らてんごのSimila(穀粉こくふん)に由来ゆらいする。クスクスなどをつくるために使用しようされるデュラムこなから精製せいせいされており、蛋白質たんぱくしつりょう強力粉きょうりきこよりもおおく、グルテンがすくない。乾燥かんそうパスタ、シリアル、プリンなどに使用しようされている。

うわ[編集へんしゅう]

うわ(うきこ)は、「生地きじからグルテンを分離ぶんり[ちゅう 1]したのこりの澱粉でんぷんぶんうわ澱粉でんぷんだけでできており、片栗粉かたくりこのような性質せいしつつ。おも明石あかし和菓子わがし香港ほんこん透明とうめいかわ海老えび餃子ぎょうざなどの原料げんりょうとして使つかわれている。

種類しゅるいごとの用途ようと[編集へんしゅう]

強力粉きょうりきこはパンやめん・うどんに、ちゅうりょくはおこのき・たこきなどに、薄力粉はくりきこ菓子かしてんぷらにてきする。全粒粉ぜんりゅうこ精白せいはくされていない小麦こむぎもちいておりそのぶん栄養えいようみ、クラッカービスケットシリアル食品しょくひん、パスタなどにもちいられている。グラハムこなは、おなじくぜんつぶだが精製せいせいほうちがい、表皮ひょうひ胚芽はいが部分ぶぶんほぼきであり、血糖けっとう上昇じょうしょうゆるやかになり健康けんこうてきで、クラッカー、ビスケット、シリアル食品しょくひんなどにもちいられている。セモリナこなはパスタの原料げんりょうとなっている。

(※)パスタに使つかわれるこなほぼきである。

そのほか、食品しょくひんとしては、饅頭まんじゅうもんじゃトルティーヤ、などがあるほか、ピザクラストにももちいられる。

ふすま小麦こむぎグルテン原料げんりょうとしてつくられ、焼麩やきふ種類しゅるいくるまふすま庄内しょうないふすまなど)によりことなる種類しゅるい等級とうきゅうわせとして使つかわれる[14]

生地きじ利用りよう[編集へんしゅう]

小麦粉こむぎこみずくわえて調製ちょうせいしたものをドウ(dough)という[2]小麦粉こむぎこ液体えきたいくわえることにより状態じょうたい変化へんかし、こな100にたいみず60でパン生地ぱんきじみず45でうどん生地きじとなる。

ドウを応用おうようした料理りょうりは、英語えいごでは、うすばしてあんなどをつつんだ料理りょうりダンプリング、dumpling)と、る、ばす、ちぎる、あなかたからすなどの方法ほうほう成形せいけいした料理りょうり(ヌードル、noodle)に大別たいべつされる[2]一方いっぽう漢字かんじの「めん」は本来ほんらい小麦粉こむぎこそのもののことで、のちに小麦粉こむぎこってつくった食品しょくひんすようになった[15]日本語にほんごの「めん」は中華麺ちゅうかめんやうどんなど英語えいごのnoodleに相当そうとうするものをすようになっている[2]

また、こなの2ばいみずまたはたまごくわえてぜたゆるやかな生地きじバッター (料理りょうり)英語えいごばんび、てんぷらのころもやケーキに使つかわれる。5-20ばいみずくわえて加熱かねつしながらぜるとのりとなり、合板ごうはん接着せっちゃくにも使つかわれる(等級とうきゅうひくすえこなてきする)。どうりょうバターともるとルーとなり、ソースやシチューのとろみをつけるのにもちいられる[10]

調合ちょうごう原料げんりょう[編集へんしゅう]

つく料理りょうりによって、タンパク質たんぱくしつ割合わりあいてきしたものをえらび、穀粉こくふんふくらし粉乳ふんにゅうショートニング調味ちょうみりょう香料こうりょう着色ちゃくしょくりょうなどの原料げんりょう調合ちょうごうした商品しょうひん調製ちょうせい、プレミックス)が多種たしゅ市販しはんされている[16]

メリケン粉めりけんことうどんちが[編集へんしゅう]

日本にっぽんさん小麦こむぎ製粉せいふんしたものをうどん、アメリカから輸入ゆにゅうした小麦こむぎ製粉せいふんしたものをメリケン粉めりけんこんでいた[17]。メリケンはアメリカン(American)のことで、英語えいご発音はつおんがそうこえるためである。この名残なごりで、関西かんさいなどではいまもこう呼称こしょうすることがおお[18]

明治めいじころ国内こくない生産せいさんのものは褐色かっしょくこなつぶあらくパンづくりにはかなかった(当時とうじ精製せいせい技術ぎじゅつ水車みずぐるま製粉せいふん)ではしろにはならなかった)。そこで、アメリカからしろ精製せいせいされたものを輸入ゆにゅうしていた。

現在げんざい日本にっぽんでは料理りょうりようとして薄力粉はくりきこてんぷらなど)が普及ふきゅうしているが、強力粉きょうりきこ以外いがいをうどん場合ばあいおおい(ちゅうりょくこなまたは薄力粉はくりきこ意味いみ)。

以前いぜんは『うどん』『メリケン粉めりけんこ』の名称めいしょう発売はつばいされていたが、現在げんざいは『小麦粉こむぎこ』または『薄力粉はくりきこ』『強力粉きょうりきこ』という呼称こしょうにほぼ統一とういつされている(「薄力粉はくりきこ」と「強力粉きょうりきこ」はねばしつせいことなるため、しつによって呼称こしょうつかけている)。観光かんこうきゃくけの土産物みやげものてんアンテナショップといった一部いちぶ店舗てんぽでは現在げんざいでも『うどん』の名称めいしょう販売はんばいされていることがあるが、『メリケン粉めりけんこ』の名称めいしょう販売はんばいされている製品せいひんすで存在そんざいしない。『メリケン粉めりけんこ』の名称めいしょう最後さいごまで発売はつばいしていたメーカーは熊本くまもとけん熊本くまもと五木いつき食品しょくひんである。

等級とうきゅうづけ[編集へんしゅう]

灰分かいぶん含量を指標しひょうとして等級とうきゅうづけられている。特等とくとう(0.3 - 0.4%)、一等いっとう(0.4%前後ぜんご)、とう(0.5%前後ぜんごさんとう(0.8%前後ぜんご)、すえ(1.5 - 2.0%)に分類ぶんるいされる[19]等級とうきゅう上位じょういのものほどミネラルぶんすくなく、くすみのすくないあわいクリームしょくをしている[20]種類しゅるいわせて「強力きょうりょく一等いっとう」や「ちゅうりょくさんとう」のように表記ひょうきされる。

カビどく[編集へんしゅう]

1940年代ねんだいから1950年代ねんだいにかけ、コムギのあかカビびょう由来ゆらいするトリコテセンるい(カビどく)を原因げんいんとする集団しゅうだん食中毒しょくちゅうどくソビエト連邦れんぽう日本にっぽん発生はっせいしている。また、これ以降いこうデオキシニバレノール(DON)、ニバレノール(NIV)などによる小麦粉こむぎこ汚染おせん問題もんだいされたことから、2008ねん平成へいせい20ねん)に農林水産省のうりんすいさんしょうは「むぎるいのデオキシニバレノール、ニバレノール汚染おせん防止ぼうしおよ低減ていげんのための指針ししん」をしめしている[21]。これに沿い、デオキシニバレノールが基準きじゅん上回うわまわ場合ばあいにはリコールおこなわれる[22][23]

ギャラリー[編集へんしゅう]

小麦粉こむぎこ粘土ねんど[編集へんしゅう]

幼児ようじ教育きょういくよう粘土ねんど小麦粉こむぎこ主原あるじはらりょうにした小麦粉こむぎこ粘土ねんどがある[24]小麦こむぎアレルギーによるリスクもあるが、それをのぞけばあぶら粘土ねんどなどに比較ひかくすると安全あんぜんせいたか[24]小麦粉こむぎこサラダ油さらだゆなどから自作じさくすることもできるがくさりやすい欠点けってんもある[24]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ グルテンを分離ぶんりするには、こねた生地きじみずにつけてあらながすのだが、このみずかっている状態じょうたいは沈粉(じんこ)という。一方いっぽう生地きじから分離ぶんりしたグルテンのほうはふすまなどの原料げんりょうとして使つかわれる。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ #メリケン粉めりけんことうどんちが参照さんしょう
  2. ^ a b c d e f 吉田よしだ宗弘むねひろ. “うどんるい歴史れきし分類ぶんるい”. 関西大学かんさいだいがく. 2020ねん11月8にち閲覧えつらん
  3. ^ 小麦粉こむぎこ歴史れきし文化ぶんか小麦粉こむぎこ百科ひゃっか日清製粉にっしんせいふんグループ、閲覧えつらん2017ねん5がつ30にち
  4. ^ 粉砕ふんさい部分ぶぶん着目ちゃくもくした製粉せいふん分類ぶんるい製粉せいふん歴史れきし木下きのした製粉せいふん株式会社かぶしきがいしゃ閲覧えつらん2017ねん5がつ30にち
  5. ^ 家庭かていよう小麦粉こむぎこにも実施じっし昭和しょうわ16ねん4がつ11にち 朝日新聞あさひしんぶん夕刊ゆうかん))『昭和しょうわニュース辞典じてんだい7かん 昭和しょうわ14ねん-昭和しょうわ16ねん』p120 昭和しょうわニュース事典じてん編纂へんさん委員いいんかい 毎日まいにちコミュニケーションズかん 1994ねん
  6. ^ 学校がっこう給食きゅうしょく歴史れきし学校がっこう給食きゅうしょくについて全国ぜんこく学校がっこう給食きゅうしょくかい連合れんごうかい閲覧えつらん2017ねん5がつ30にち
  7. ^ 「コメよりパン」になった日本人にっぽんじん食卓しょくたく」ニッポンドットコム。閲覧えつらん2017ねん5がつ30にち
  8. ^ [どれ?]米国べいこく農務のうむしょう食品しょくひん成分せいぶんデータベース 英語えいご
  9. ^ a b c [1]
  10. ^ a b c 長尾ながお精一せいいち粉屋こなやさんがいた小麦粉こむぎこほん三水社さんすいしゃ、1994ねんISBN 4-915607-68-2 
  11. ^ 東京とうきょう火災かさい予防よぼう条例じょうれい
  12. ^ ジェフリー・ハメルマン 2009, pp. 36–38.
  13. ^ 長尾ながお精一せいいちへん小麦こむぎ科学かがく朝倉書店あさくらしょてん、1995ねん、p.62。ISBN 978-4-254-43038-7
  14. ^ 長尾ながお精一せいいちへん小麦こむぎ科学かがく朝倉書店あさくらしょてん、1995ねん、pp.187-188、ISBN 978-4-254-43038-7
  15. ^ 豊田とよだみのる最近さいきんめん事情じじょうについて」『調理ちょうり科学かがく』24かん 1ごう 1991ねん p.36-42, doi:10.11402/cookeryscience1968.24.1_36
  16. ^ プレミックスとは?日本にっぽんプレミックス協会きょうかい閲覧えつらん2017ねん5がつ30にち
  17. ^ 広辞苑こうじえん だいはん岩波書店いわなみしょてん、1998ねんISBN 978-4000801119 
  18. ^ だい10かい メリケン粉めりけんこ洋菓子ようがし世界せかい日本にっぽん洋菓子ようがし協会きょうかい連合れんごうかい閲覧えつらん2017ねん5がつ30にち
  19. ^ 小麦こむぎ小麦粉こむぎこ商品しょうひん知識ちしき小麦粉こむぎこのおはなし製粉せいふん振興しんこうかい閲覧えつらん2017ねん5がつ30にち
  20. ^ 小麦粉こむぎこのはなし、小麦こむぎ小麦粉こむぎこのはなし木下きのした製粉せいふん株式会社かぶしきがいしゃ閲覧えつらん2017ねん5がつ30にち
  21. ^ いろいろなかびどく”. 農林水産省のうりんすいさんしょう (2022ねん). 2023ねん12月2にち閲覧えつらん
  22. ^ いわて生活せいかつ協同きょうどう組合くみあい雑穀ざっこくブレッド、すいとんけんさん小麦粉こむぎこ、うどん(乾麺かんめん)」 - 返金へんきん回収かいしゅう”. 消費しょうひしゃちょう リコール情報じょうほうサイト (2023ねん). 2023ねん12月2にち閲覧えつらん
  23. ^ 創業そうぎょう87ねん南部なんぶせんべい老舗しにせ自主じしゅ回収かいしゅうで「みせけられない」原料げんりょうの「かびどく基準きじゅんえか”. J-CAST (2023ねん11月27にち). 2023ねん12月2にち閲覧えつらん
  24. ^ a b c 藤原ふじわら いつじゅ. “粘土ねんどあそびの指導しどうほうかんするいち考察こうさつ”. 安田女子大学やすだじょしだいがく. 2019ねん11月11にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • ジェフリー・ハメルマン、井上いのうえ好文よしふみ金子かねこ千保せんぼ『BREAD―パンをあいするひとせいパン技術ぎじゅつ理論りろん本格ほんかくレシピ』旭屋出版あさひやしゅっぱん、2009ねんISBN 978-4751108130 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]