子供こどもけアニメ

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幼児ようじけアニメから転送てんそう

子供こどもけアニメ(こどもむけアニメ)は、乳児にゅうじ幼児ようじから小学生しょうがくせいくらいまでの児童じどう視聴しちょう対象たいしょうとして企画きかく製作せいさくされるアニメーション作品さくひん

子供こども精神せいしんてき成長せいちょうとし単位たんいすすむため、メインターゲットとする視聴しちょう年齢ねんれい性別せいべつなどによって多彩たさい作品さくひんけられる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

基本きほんてきには子供こどもそう嗜好しこうわせたうえで、視聴しちょうしゃどう世代せだい子供こども主人公しゅじんこうとした日常にちじょうえがいたものから、擬人ぎじんした動物どうぶつロボット魔法まほうなどをあつか日常にちじょう舞台ぶたいとしたファンタジーてき設定せっていのものまで多岐たきにわたる。

幼年ようねん作品さくひんでは情操じょうそう教育きょういくてきめんもあり、子供こども精神せいしんてき発育はついくするような友情ゆうじょうおもいやり、他人たにんへの配慮はいりょといった感情かんじょう感性かんせい涵養かんようするような作品さくひんテーマがおおきい。作風さくふう普遍ふへんてきでシンプルなものから、ときには大人おとな共感きょうかんをもぶような伏線ふくせん仕込しこみやんだ人間にんげん関係かんけいなどがはいることもある。

一方いっぽうで、作品さくひん関連かんれんグッズを玩具おもちゃ文具ぶんぐ食品しょくひんなどで販売はんばいするメーカー(漫画まんがコンピュータゲームなどを原作げんさくとしたものでは、それらの発売はつばいもと)が主要しゅようスポンサーにいたうえ企画きかくされ、アニメ作品さくひんがこれらの販売はんばい促進そくしんとしてのいちめんことおおく、関連かんれん商品しょうひんげによって作品さくひん内容ないよう放送ほうそう存続そんぞく左右さゆうされる場合ばあいもある。

2000年代ねんだい後半こうはんごろから、従来じゅうらいがた手描てがきアニメーション技法ぎほうもちいずに、海外かいがいアニメでは主流しゅりゅうとなっている3DCG構成こうせいしたテレビアニメ作品さくひん登場とうじょうしている。

形態けいたい[編集へんしゅう]

商業しょうぎょう展開てんかい[編集へんしゅう]

ドラえもん』『それいけ!アンパンマン』などのようにすうじゅうねんにもわた長寿ちょうじゅ番組ばんぐみシリーズとなり、親子おやこすう世代せだいわた認知にんちされているものもおおい。

プリキュアシリーズ』などの作品さくひんでは、特撮とくさつドラマ(『スーパー戦隊せんたいシリーズ』、『仮面かめんライダーシリーズ』・『ウルトラマンシリーズ』など)にならい、やく1ねん(4クール)ごとのシリーズで主人公しゅじんこうとうのキャラクターデザインや設定せっていえる展開てんかいおこなわれている[1]。このほか、『ポケットモンスター』のようにシリーズごとに登場とうじょうキャラクターや作品さくひん舞台ぶたい一部いちぶリニューアルしたり、作風さくふう趣向しゅこう徐々じょじょえながら長期ちょうきわたりシリーズ展開てんかいしていくものもある。

玩具おもちゃメーカーの販売はんばい促進そくしんよう資料しりょう[よう出典しゅってん]では、両性りょうせいけの作品さくひんでは『それいけ!アンパンマン』が全般ぜんぱんたる0歳児さいじから5歳児さいじ前後ぜんこう乳幼児にゅうようじを、『ドラえもん』が1さい程度ていど乳児にゅうじから小学生しょうがくせい男女だんじょ中学生ちゅうがくせいから大人おとな女性じょせいを、『ポケットモンスターシリーズ』がおも幼稚園ようちえん保育園ほいくえん全般ぜんぱんから小学生しょうがくせいたる2さい〜12さい男女だんじょ対象たいしょうとしている。また、後述こうじゅつのように大人おとなをもターゲットへ拡大かくだいした関連かんれん商品しょうひん販売はんばいされている。

作品さくひんすう減少げんしょう[編集へんしゅう]

1990年代ねんだいころまでは、よる19〜20だいゴールデンタイム)での地上波ちじょうは放送ほうそう頻繁ひんぱんおこなわれていたが、視聴しちょうりつ重視じゅうしする放送ほうそうきょく方針ほうしんや、少子化しょうしかならごと増加ぞうかなど時代じだいともな生活せいかつスタイルの変化へんかともなって次第しだい姿すがたし、テレビ朝日てれびあさひ系列けいれつ日曜にちようあさ特撮とくさつドラマをふくめた子供こども番組ばんぐみゾーン(かつては「ニチアサキッズタイム」と呼称こしょう)がたったことにならい、2000年代ねんだい以降いこうおおくの児童じどう休日きゅうじつとなる土曜どよう日曜にちようちょう夕方ゆうがたなどに移行いこう集中しゅうちゅうするようになった。

テレビ朝日てれびあさひ2019ねん10月には改編かいへんにより『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』が土曜どよう夕方ゆうがたわく移行いこうし、のち2020ねん10月にテレビ東京てれびとうきょうポケットモンスター』が金曜きんよう19わく移動いどうするまで、地上波ちじょうは民放みんぽうでのゴールデンタイムのアニメわく皆無かいむとなっていた。

無料むりょう衛星えいせい放送ほうそうチャンネルは、アニメではティーンエイジャー以上いじょう対象たいしょうとした作品さくひんを、アニメ以外いがいでは中高年ちゅうこうねんそう対象たいしょうとした番組ばんぐみ過去かこのドラマのさい放送ほうそう演歌えんか歌謡かようきょく番組ばんぐみなど)や、放送ほうそうわく買取かいとりにより収入しゅうにゅう確保かくほできるテレビショッピング優先ゆうせんする傾向けいこうがあり、子供こども番組ばんぐみ(ドラマ・教育きょういくおよび教養きょうよう・バラエティをふくむ)の放送ほうそうわくすくなくなった。有料ゆうりょう衛星えいせい放送ほうそうではキッズステーションアニマックスなど「アニメ専門せんもんチャンネル」をうたう放送ほうそうきょく存在そんざいし、インターネットでの動画どうが配信はいしんでも子供こどもけアニメをあつかうことがある。

結果けっかてきに、無料むりょうでの子供こどもけ・ファミリーけアニメの視聴しちょう環境かんきょうは、昭和しょうわ時代じだいから平成へいせい時代じだい初期しょきよりせばまった。

また、もともと子供こどもけアニメに消極しょうきょくてきである放送ほうそうきょくとしてTBSテレビ系列けいれつがあり、元々もともと子供こどもけ・ファミリー作品さくひんであっても特撮とくさつ特撮とくさつとも実写じっしゃドラマ(いちれいとして『ウルトラシリーズ』『ケンちゃんシリーズ』など)での制作せいさく得意とくいにしていた経緯けいいもあり、子供こどもけ・ファミリーけアニメの制作せいさく本数ほんすう系列けいれつきょく朝日放送あさひほうそうテレビ毎日放送まいにちほうそうCBCテレビ制作せいさくぶんふくめても系列けいれつよりすくなかった。2000年代ねんだい以降いこう明確めいかくに、アニメでは子供こどもけよりもティーンエイジャーや成人せいじんそう対象たいしょうとした深夜しんやアニメ注力ちゅうりょくするようになる。

また、土曜どよう日曜にちよう夕方ゆうがた毎日放送まいにちほうそう制作せいさく全国ぜんこくネットわくでも、対象たいしょう年齢ねんれいをティーンエイジャーや成人せいじんそう作品さくひんによっては小学校しょうがっこう高学年こうがくねんも)にげて深夜しんやアニメに類似るいじした作品さくひん選定せんてい制作せいさく方針ほうしんるようになり、作品さくひん内容ないようもリアリティを追求ついきゅうする姿勢しせいにより、これまで同局どうきょく過去かこに「じゅん教育きょういくきょく」だった経緯けいいから敬遠けいえんしていた、刺激しげきつよ表現ひょうげん性的せいてき残酷ざんこく演出えんしゅつと、社会しゃかい問題もんだいむなどの難解なんかい内容ないようふくまれた、就学しゅうがくから小学校しょうがっこうてい学年がくねん子供こども視聴しちょうによる影響えいきょう懸念けねんされる作品さくひん放送ほうそうされることがあった。

その土曜どよう早朝そうちょうわくでTBSテレビ・毎日放送まいにちほうそうとも全国ぜんこくネットの子供こども作品さくひん制作せいさく再開さいかいし、前述ぜんじゅつ夕方ゆうがた全国ぜんこくネットわくからの時間じかんたい移動いどうで『アニメサタデー630』のわくめいもうけられたが、毎日放送まいにちほうそう制作せいさくぶん子供こどもけとティーンエイジャーけが混在こんざいすることがあった。

結果けっかてき実写じっしゃ作品さくひんふくめても、毎日放送まいにちほうそう制作せいさくけんっていた『仮面かめんライダーシリーズ』(東映とうえい)のテレビ朝日てれびあさひ(1975ねん3がつまでのネットきょく関西かんさい地区ちく放送ほうそうけんネットチェンジのため朝日放送あさひほうそうテレビへ譲渡じょうと)への、TBSテレビ→毎日放送まいにちほうそう→CBCテレビが制作せいさくけんっていた『ウルトラシリーズ』(円谷つぶらやプロダクション)のテレビ東京てれびとうきょうへの制作せいさくけん譲渡じょうとや、『アニメサタデー630』のはいわく放送ほうそうされていた作品さくひんについては、事実じじつじょうテレビ東京てれびとうきょう続編ぞくへん制作せいさくけん譲渡じょうと)で、TBSテレビ(毎日放送まいにちほうそう・CBCテレビをふくむ)は、アニメ・ドラマともに子供こどもけにとくした内容ないようおよび玩具おもちゃ文具ぶんぐ食品しょくひんなどの子供こども商品しょうひん販促はんそく目的もくてきとした番組ばんぐみ制作せいさくから事実じじつじょう撤退てったいした。 

対象たいしょう年齢ねんれい[編集へんしゅう]

幼児ようじ児童じどう以外いがい視聴しちょうしゃ[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは1970年代ねんだい中盤ちゅうばんまでは、「テレビまんが(当時とうじのアニメの呼称こしょう)は子供こどものもの」という認識にんしきがあったが、『宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト以後いごのアニメブームをけて、メインターゲットの幼児ようじ児童じどうのみならず、中学生ちゅうがくせい以上いじょうティーンそう成人せいじんまでに人気にんきはく作品さくひんえた。

おもに中学生ちゅうがくせい以上いじょう対象たいしょうれた漫画まんがやゲームなどを原作げんさくとした作品さくひんや、かつてからの視聴しちょう習慣しゅうかんや、大人おとなでもたのしめる内容ないよう奥深おくふかさを見出みいだされている作品さくひん、『おねがいマイメロディシリーズ』のように元々もともとキャラクター自体じたい人気にんきたか作品さくひんなどがげられる。『妖怪ようかいウォッチシリーズ』のように制作せいさくがわ保護ほごしゃといった大人おとな視聴しちょう見越みこし、往年おうねん作品さくひんパロディ流行りゅうこうなど「大人おとなでもたのしめるネタ」をれるケースがある。

美少女びしょうじょ戦士せんしセーラームーンCrystal』『カードキャプターさくら クリアカードへん』『魔女まじょ見習みならいをさがして(『おジャ魔女まじょどれみ』スピンオフ映画えいが)』『キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜』などは、かつてシリーズを視聴しちょうしていた大人おとなそう対象たいしょうにした続編ぞくへん派生はせい作品さくひんとして発表はっぴょうされている。

ぎゃくに、本来ほんらいたかめの年齢ねんれいそう対象たいしょうとしていたものの、アニメおよびその放送ほうそう長期ちょうきわたこと結果けっかてき視聴しちょうしゃてい年齢ねんれいそうかたよるケースもあり、保護ほごしゃやスポンサーから論争ろんそうまととなることがある。『ちびまるちゃん』や『クレヨンしんちゃん』は、本来ほんらい小中学生しょうちゅうがくせい青年せいねん漫画まんが原作げんさくであるものの、アニメにより原作げんさくにあったブラックジョーク要素ようそ次第しだいうすれ、ファミリー路線ろせんへと作風さくふう変化へんかした。

対象たいしょう年齢ねんれいべつにみる作品さくひん特徴とくちょう[編集へんしゅう]

ほとんどが登場とうじょう人物じんぶつ普通ふつうらしがえがかれているストーリーがおおいのが共通きょうつう特徴とくちょうだが、幼児ようじ全般ぜんぱん作品さくひん幼児ようじ - 小学校しょうがっこうてい学年がくねんけ)のなかでも、こまかく年齢ねんれいべつ区分くぶんされた作品さくひんとがある。

幼児ようじ全般ぜんぱんけの作品さくひん幼児ようじ - 小学校しょうがっこうてい学年がくねんけ)では、子供こども人気にんきたかキャラクターなどを中心ちゅうしんとした作品さくひんおおく、3歳児さいじや5歳児さいじまたは小学校しょうがっこうてい学年がくねん子供こども設定せっていされた人物じんぶつ動物どうぶつキャラクターを主人公しゅじんこうにした作品さくひんおおい。テレビ東京てれびとうきょうきんだーてれびNHK教育きょういくテレビ(Eテレ)おかあさんといっしょないのコーナーアニメや、NHKアニメの『ミニアニメ』(おもに『ミッフィー』・『うっかりペネロペ』・『うさぎのモフィ』・『がんばれ!ルルロロ』・『ふうせんいぬティニー』・『かいじゅうステップ ワンダバダ』・『のりものまん』・『チキップダンサーズ』)・『パッコロリン』・『はなかっぱ』・『オトッペ』・および2016年度ねんどにアニメされたことのある『ざわざわもりのがんこちゃんシリーズ』などが代表だいひょうてき作品さくひんである。

0 - 2さいけのものは単独たんどくのアニメ作品さくひんはほぼ存在そんざいせず、Eテレで放送ほうそうされる乳幼児にゅうようじけテレビ番組ばんぐみいないいないばあっ!ないの1コーナーで放送ほうそうされる。言葉ことば習得しゅうとくするまえの0歳児さいじでも理解りかいできるよう、をひきそうないろおと使つかった単純たんじゅんなアニメーション[2]主体しゅたいである。

2 - 4さいけの作品さくひんでは、幼児ようじ人気にんきたかいキャラクターなどを主人公しゅじんこうに、幼児ようじでもわかりやすいストーリーのなか社会しゃかいのルールやモラルなどをわかりやすくぜて「しつけ効果こうか」をねらった作品さくひんおおくみられ、幼年ようねんそうしたしみやすい、擬人ぎじんされた動物どうぶつもの登場とうじょうする作品さくひんおおい。テレビアニメの『それいけ!アンパンマン』・『しまじろうシリーズおよび、実写じっしゃパートとアニメパートをぜた幼児ようじけテレビ番組ばんぐみおかあさんといっしょ』がその代表だいひょうれいである。

4 - 6歳児さいじけの作品さくひんでは幼稚園ようちえんけの教育きょういくぶつ題材だいざいとしたしつけ効果こうかをねらった作品さくひんかれている。実写じっしゃパートとアニメパートをぜたNHKのテレビ番組ばんぐみみいつけた!および、テレビアニメの『しまじろうシリーズ』などがげられる。

小学生しょうがくせい(6さい以上いじょうけの作品さくひんでは、視聴しちょうしゃそうにとって大人おとなより身近みぢか年齢ねんれいである小学校しょうがっこうちゅう高学年こうがくねんもしくは中学生ちゅうがくせいくらいの子供こども設定せっていされた人間にんげんまたは同等どうとう精神せいしん年齢ねんれい設定せっていされた動物どうぶつやキャラクターが主人公しゅじんこうとされ、ストーリーない勧善懲悪かんぜんちょうあくや「しつけ効果こうか」をぜていることおおい。

幼年ようねん知育ちいく教育きょういくようビデオにも、アニメの人気にんきキャラクターを登場とうじょうさせたり、オリジナルアニメによる作品さくひんなども数多かずおお市販しはんされている。

対象たいしょう性別せいべつ[編集へんしゅう]

両性りょうせい支持しじされている作品さくひんもあるが、おおむね4歳児さいじ以降いこうでは類型るいけいてき男女だんじょべつ嗜好しこうこのむため、男児だんじけ、女児じょじけの区別くべつがはっきりとかれる作品さくひんおおい。男児だんじけではロボットアニメヒーロー主人公しゅじんこうのアニメ、女児じょじけでは魔法まほう少女しょうじょアニメアイドル主人公しゅじんこうのアニメがその代表だいひょうともえる。ただし、結果けっかてき異性いせいにも支持しじ作品さくひんがあったり、制作せいさくがわ視聴しちょうしゃ男女だんじょ区分くぶんにこだわらない作品さくひんもある。

少年しょうねん漫画まんがの『週刊しゅうかん少年しょうねんジャンプ』(集英社しゅうえいしゃ)『週刊しゅうかん少年しょうねんマガジン』(講談社こうだんしゃ)『週刊しゅうかん少年しょうねんサンデー』(小学館しょうがくかん)、少女しょうじょ漫画まんがの『りぼん』(集英社しゅうえいしゃ)『なかよし』(講談社こうだんしゃ)『ちゃお』(小学館しょうがくかん)をはじめ、漫画まんが雑誌ざっしライトノベル原作げんさくとするアニメは小学校しょうがっこう高学年こうがくねんから中高生ちゅうこうせい青少年せいしょうねんをターゲットにしている作品さくひんおおいが、アニメにより原作げんさく読者どくしゃそうよりおさな男児だんじ女児じょじへもひろまった作品さくひんおおい。

男児だんじコンピューターゲームカードゲーム玩具おもちゃ(ホビー)の販促はんそく漫画まんが作品さくひん原作げんさくとしたものは『月刊げっかんコロコロコミック』(小学館しょうがくかん)で展開てんかいされる作品さくひん圧倒あっとうし、漫画まんが・アニメとのメディアミックスをすすめてきた。また、女児じょじ作品さくひんでも『たまごっち!シリーズ』『リルぷりっ』『アイカツ!シリーズ』『プリティーシリーズ』のようにコンピューターゲームアーケードゲーム)を原作げんさくとしたメディアミックス作品さくひんあらわれている。

藤子とうこ不二雄ふじお作品さくひんや『ポケットモンスターシリーズ』『ビックリマン』『妖怪ようかいウォッチシリーズ』などは、当初とうしょ男児だんじけとしてカテゴライズされていたものの、のち女児じょじけにおいてのメディア展開てんかいおこなわれ両方りょうほう対応たいおうしている。いずれもアニメなど長期ちょうきメディア展開てんかい過程かてい本来ほんらいそう以外いがいけたアレンジがおこなわれている。とく性別せいべつわない学習がくしゅう雑誌ざっし掲載けいさい作品さくひんには顕著けんちょであり、『ドラえもん』は連載れんさい当初とうしょ原作げんさくのアンケートで少女しょうじょ人気にんきひくかったので、女子じょしけのひみつ道具どうぐすように[3]したこともある。『ポケットモンスターシリーズ』では女児じょじにもターゲットをひろげたいという制作せいさくがわ意向いこうで、原作げんさくゲームではフシギダネゼニガメヒトカゲの3しゅのポケモンのなかから1ひき選択せんたくするのにたいし、アニメばん主人公しゅじんこうサトシ最初さいしょのポケモンをピカチュウ変更へんこうしている[ちゅう 1]

世界せかい名作めいさく劇場げきじょう』も『トム・ソーヤの冒険ぼうけん』など原作げんさく選択せんたくからうかがえるように、作品さくひんごとに男児だんじ女児じょじ両方りょうほうけて展開てんかいしていた。また、元々もともと新聞しんぶん漫画まんが原作げんさくであり、ファミリーけに該当がいとうする『サザエさん』でファッションドールなどの女児じょじけの玩具おもちゃ展開てんかいおこなっていた時期じきもある[ちゅう 2]

日本にっぽん国外こくがいでの特徴とくちょう[編集へんしゅう]

世界せかいてきには、アニメーション作品さくひん大半たいはんが「子供こどもけ」としてつくられることがおおく、日本にっぽんのようにティーンや大人おとなをもターゲットとするものは『ザ・シンプソンズ』や『サウスパーク』など一部いちぶかぎられる。

2000年代ねんだい中盤ちゅうばん以降いこう1930年代ねんだい時点じてんからすでにあった手描てがグラフィック作品さくひんくわえ、フルCGで制作せいさくされた作品さくひん主流しゅりゅうであり、日本にっぽんのようにフルCGアニメはほとん製作せいさくされず、大半たいはん作品さくひん手描てがきグラフィックのアニメとしているくにめずらしいほうである。とくにフルCGアニメーションとして製作せいさくされた映画えいが作品さくひん場合ばあい映画えいが制作せいさくしょうじたキャラクター背景はいけい小道具こどうぐとうにおける各種かくしゅグラフィックのファイル流用りゅうようされたサイドストーリーのテレビばん積極せっきょくてき製作せいさくされている。

アメコミヒーローハリウッド映画えいが原作げんさくとした作品さくひんは、大半たいはんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく基幹きかん製作せいさくこくである。日本にっぽんアニメ制作せいさく会社かいしゃかかわった作品さくひんもある。

バービーモンスター・ハイブラッツといった人形にんぎょう玩具おもちゃ原作げんさくとしたものや、レゴブロックけいのシリーズぶつ原作げんさくとした作品さくひんも、積極せっきょくてき製作せいさくされている。

スポンジ・ボブ』も子供こどもけテレビ番組ばんぐみ専門せんもんチャンネルのニコロデオン製作せいさくであることから、子供こどもけとして製作せいさくされたが、ハードなコメディが大人おとなにまでけたことから、おな系列けいれつパラマウント・グローバル)のコメディ番組ばんぐみ専門せんもんチャンネルであるコメディ・セントラルにまで編成へんせいされるほどとなっている。

韓国かんこく事情じじょう[編集へんしゅう]

大韓民国だいかんみんこくでは1990年代ねんだいから2007ねんごろまでは地上波ちじょうはでも日本にっぽん子供こどもけアニメが放送ほうそうされていたが、それ以降いこうじゅん韓国かんこくさんのアニメか、北朝鮮きたちょうせん日本にっぽん中国ちゅうごくとの合作がっさくアニメを中心ちゅうしん編成へんせいされている。地上波ちじょうはでは韓国かんこく放送ほうそう公社こうしゃ(KBS)、韓国かんこく教育きょういく放送ほうそう公社こうしゃ(EBS)、SBS系列けいれつではよく放送ほうそうされているが、文化放送ぶんかほうそう(MBC)ではきょくよりも比較的ひかくてきはやく2002ねんまでじゅん日本にっぽんさんアニメを放送ほうそうしていたり[ちゅう 3]地上波ちじょうは事業じぎょうしゃけいケーブルテレビチャンネルファミリーで子供こどもけチャンネルを唯一ゆいいつっていなかったりしているため[ちゅう 4]きょくくらべて子供こどもけアニメの編成へんせい消極しょうきょくてきである。

KBSは公共こうきょう放送ほうそうであるが、広告こうこく放送ほうそう実施じっししていないKBSだい1テレビジョン(KBS1)と広告こうこく放送ほうそう実施じっししているKBSだい2テレビジョン(KBS2)とKBS N系列けいれつのチャンネルで構成こうせいされている。韓国かんこくではテレビ番組ばんぐみ放送ほうそうちゅう広告こうこく放送ほうそうすることが原則げんそくとして禁止きんし[ちゅう 5]されているため、広告こうこく放送ほうそう実施じっししていないKBS1で玩具おもちゃ販売はんばい促進そくしんアニメを放送ほうそうすることが可能かのうとなっている。そのわり、KBS2(おも子供こども番組ばんぐみわく)やKBS KidsでKBS1における作品さくひん玩具おもちゃCMを放送ほうそうすることで対処たいしょされている。

韓国かんこくさん玩具おもちゃ販売はんばい促進そくしんアニメは番組ばんぐみない広告こうこく放送ほうそう解禁かいきん[ちゅう 6]された2010年代ねんだいあたりからえており、男児だんじけでは『ターニングメッカード』をはしらとした『メッカードシリーズ』が有名ゆうめいで、韓国かんこくしゃロボット変形へんけいするトランスフォーマー性格せいかくったアニメの『ハローカーボット』(現代げんだい自動車じどうしゃ)や、対抗たいこう作品さくひんの『変身へんしん自動車じどうしゃトーボット』(起亜きあ自動車じどうしゃ現代げんだい自動車じどうしゃ姉妹しまい企業きぎょう)など、玩具おもちゃ企画きかくをベースとしたメディアミックスのアニメが中心ちゅうしん女児じょじけでは『コンスニ』や『シークレットジュジュ』など、お世話せわ人形にんぎょう人形にんぎょうといった韓国かんこく既存きそん玩具おもちゃそのものをキャラクターしたアニメがおもである。

ちなみに、韓国かんこく子供こどもけアニメはメディアミックスに積極せっきょくてきではあるが、国土こくどせまく、人口じんこう密度みつど日本にっぽんよりもたかめのため、映画えいがまらず、ミュージカル積極せっきょくてきおこなわれている。げきちゅう人間にんげんキャラクター基本きほんてき子供こどもであっても大人おとな俳優はいゆうえんじるかたちられており、どの作品さくひん題材だいざいとしたものであっても韓国かんこく全土ぜんどめぐ形式けいしきとなっている。動物どうぶつ擬人ぎじんキャラクターのみの作品さくひん中心ちゅうしんに、出演しゅつえんキャラクターがすべぐるみによるマスクプレイミュージカルの形式けいしきられる作品さくひんすくなくない。韓国かんこくせい子供こどもけミュージカルのなかには、『きかんしゃトーマス』や『おしりたんてい』などのように、日本にっぽんけにローカライズされているものも極小きょくしょうすうだが、存在そんざいする。

韓国かんこく代表だいひょうする子供こどもけアニメは『ポンポン ポロロ』(Iconix・EBS)であり、2002ねん韓国かんこく独自どくじ導入どうにゅうされた視聴しちょう推奨すいしょう年齢ねんれい制度せいど[ちゅう 7]導入どうにゅう翌年よくねんにあたる2003ねんに、戦闘せんとう要素ようそ主体しゅたいで、乳幼児にゅうようじへの教養きょうよう要素ようそそなえた『それいけ!アンパンマン』をベースに、そちらから戦闘せんとう要素ようそ完全かんぜん排除はいじょし、教養きょうよう要素ようそとくした作品さくひんとして製作せいさくされることで、ぜん年齢ねんれい対象たいしょう番組ばんぐみ仕立したてられているため、ターゲットの年齢ねんれいそう対象たいしょう年齢ねんれいふくめられている。本来ほんらいのターゲットは1~3さいまでの男女だんじょであるため、それまで韓国かんこく放送ほうそうされていたおなじターゲットの『アンパンマン』から人気にんきうばほど[ちゅう 8]の、国民こくみんてき人気にんきアニメになっている。韓国かんこくはテレビ番組ばんぐみ放映ほうえいけんには比較的ひかくてきゆるいので、製作せいさくきょくのEBSにまらず、ほぼすべての韓国かんこく子供こどもけチャンネルで放送ほうそうされた実績じっせきがある。ポロロの社会しゃかい現象げんしょうてき成功せいこうにより、『プリキュアシリーズ』(7さい以上いじょう推奨すいしょう[ちゅう 9]から戦闘せんとう要素ようそだけをいた作品さくひんの『フラワーリングハート』(ぜん年齢ねんれいけ)[ちゅう 10]をEBSアニメをはしらとした姉妹しまいメディアミックスとして展開てんかいされた。

ポロロとなら韓国かんこくせい子供こどもけアニメの名作めいさくとして、『シンビアパート神秘しんぴアパート)』という朝鮮半島ちょうせんはんとう妖怪ようかい題材だいざいとしたバトルものがあり、12さい以上いじょう推奨すいしょうしていることから、少年しょうねんけに該当がいとうされている。トゥーニバースCJ ENM)のオリジナルアニメとして製作せいさくされ、地上波ちじょうはではない放送ほうそうきょく作品さくひんであるのにもかかわらず、たか視聴しちょうりつ知名度ちめいどほこり、だい3シリーズ以降いこうでは、地上波ちじょうはチャンネルのKBS2と並行へいこう放送ほうそうするまでにいたっている。また、子供こどもけアニメとしてはめずらしく実写じっしゃドラマされている[ちゅう 11]。そのため、幼児ようじけとEBS Kids[ちゅう 12]のぞいたほぼすべての子供こどもけチャンネルだけでなく、地上波ちじょうはOBSきょうひとしテレビにまであしばすほどになっている。世界せかいてきには、Netflixでの配信はいしんおもであり、基本きほんてき音声おんせい制作せいさくされている言語げんご公用こうようとしているくにでの配信はいしんであり[ちゅう 13]日本語にほんご北京ぺきんなど、音声おんせい用意よういされていない言語げんご公用こうようとしているくにでは配信はいしんされていない。

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ ただし、2023年版ねんばんアニメでは男女だんじょ2にん主人公しゅじんこうであり、最初さいしょのポケモンは原作げんさくゲーム同様どうよう3しゅのポケモンから1ひき選択せんたくするかたちになっている(リコはニャオハ、ロイはホゲータ)。
  2. ^ ただし、アニメ以前いぜん時期じきまでは女性じょせいファンの支持しじおおく、少女しょうじょ漫画まんが連載れんさいしていた時期じきもある。
  3. ^ プリティーシリーズ』のアニメ作品さくひんは、MBCが韓国かんこくでのはつ放送ほうそうけんっているが、韓国かんこくとの合作がっさく作品さくひんである。
  4. ^ KBS…KBS Kids、EBS…EBS KIDS、なおSBSは、ニコロデオンの韓国かんこくばんをSBSバイアコムという合併がっぺい企業きぎょう運営うんえいしており、MTV韓国かんこくばんにあたる「SBS MTV」も同社どうしゃ運営うんえいしている。ただ、『ニコロデオン』のブランドをかんしていながら、べいニコロデオンのオリジナル番組ばんぐみは『スポンジ・ボブ』や『パウ・パトロール』(韓国かんこく独自どくじ製作せいさくでミュージカルもされた)などの「ニックトゥーン英語えいごばん」を構成こうせいする作品さくひんおもであり、実写じっしゃによるオリジナル番組ばんぐみほとん編成へんせいされていないわりに、韓国かんこく日本にっぽんせいアニメーションのばん販や、SBSが製作せいさく関与かんよした過去かこのアニメーション番組ばんぐみや、SBSの地上波ちじょうは子供こども番組ばんぐみさい放送ほうそう主軸しゅじくとしている。
  5. ^ アニメーションをれいにとると、韓国かんこく製作せいさく関与かんよした作品さくひんはAパートとBパートの概念がいねんく、韓国かんこく日本にっぽん共同きょうどう製作せいさくした作品さくひん韓国かんこくばんは、AパートとBパートが完全かんぜん統合とうごうされており、アイキャッチ削除さくじょされている。じゅん日本にっぽんせいアニメの場合ばあい、AパートとBパートのあいだは、絶対ぜったいてきにCMをながしていないので、『ポケットモンスターシリーズ』など、番組ばんぐみによっては、アメリカはんかならずアイキャッチをカットしているので、そちらを韓国かんこく輸入ゆにゅうして放送ほうそうすることもある。番組ばんぐみ放送ほうそうちゅうにCMをはさ場合ばあいは、フォーマットじょうどういち番組ばんぐみだが、番組ばんぐみ編成へんせいじょうべつ番組ばんぐみあつかいである。
  6. ^ それ以前いぜん韓国かんこくでは禁止きんしされていたので、『少女しょうじょチャングムのゆめ』などのように、玩具おもちゃ企画きかくをベースとしないアニメに玩具おもちゃメーカーが製作せいさく関与かんよする程度ていどだった。そのわり、放送ほうそう終了しゅうりょうエンドクレジット冒頭ぼうとうに、放送ほうそうちゅう広告こうこくかかわった企業きぎょうロゴタイプとして表記ひょうきしている。2019ねん現在げんざい欧米おうべい諸国しょこく一部いちぶでは番組ばんぐみがいでの放送ほうそうかぎるなどの制限せいげんくわえているれい存在そんざいする。
  7. ^ ぜん年齢ねんれい、7さい以上いじょう、12さい以上いじょう、15さい以上いじょう、19さい以上いじょうの5種類しゅるいで、テレビ番組ばんぐみのみが対象たいしょうであり、黄色おうしょく円形えんけいなか視聴しちょう推奨すいしょう年齢ねんれい表記ひょうきしている。日本にっぽんではこのような制度せいど導入どうにゅうしていないため、ぼかし処理しょりるか、ちがうマークでかく措置そちるのかである。
  8. ^ 『ポロロ』が戦闘せんとう要素ようそ排除はいじょしたことでぜん年齢ねんれい対象たいしょうとなっているのにたいし、『アンパンマン』は戦闘せんとう要素ようそがあるとしてターゲットの世代せだいより歳上としうえの7さい以上いじょう推奨すいしょうとなっている。乳幼児にゅうようじけアニメのため、教養きょうよう要素ようそ作品さくひんよりつよいこともあって、このような対象たいしょう年齢ねんれいとなっている。一般いっぱんてき戦闘せんとう要素ようそ完全かんぜんとくした子供こどもフィクション番組ばんぐみ基本きほんてきに12さい以上いじょう推奨すいしょうであり、ヒーローもののアニメ・特撮とくさつ場合ばあい日本にっぽんでは幼児ようじおもなターゲットとしているのにたいし、中学生ちゅうがくせい以上いじょう韓国かんこくにおけるおもなターゲットである。韓国かんこくでは玩具おもちゃほとん展開てんかいされておらず、少年しょうねんけアニメおなじくフィギュアコンピュータゲームDVDおも販促はんそくひんである。
  9. ^ 推奨すいしょう年齢ねんれい関係かんけいもあり、玩具おもちゃ女子じょし児童じどうをターゲットとしたものがおもであり、ラインナップが日本にっぽんおおきくことなる。
  10. ^ 現代げんだい世界せかい舞台ぶたいとした作品さくひんであることをかし、姉妹しまい版権はんけんプロダクトプレイスメントもあり、『ちびっこバス タヨ』の実車じっしゃバスや、ポロロジュースげきちゅう登場とうじょうした。
  11. ^ タイトルは『シンビアパート外伝がいでん』で、スタジオドラゴン制作せいさく韓国かんこくドラマ一般いっぱんてき対象たいしょう年齢ねんれいにあたる15さい以上いじょう推奨すいしょうとしているが、子供こどもけメディアミックスの一部いちぶであるため、例外れいがいてき児童じどうけドラマ分類ぶんるいされている。基本きほんてき子供こどもけチャンネルでの編成へんせいおもだった。
  12. ^ EBS自主じしゅ制作せいさく子供こども番組ばんぐみと、EBSが製作せいさく関与かんよしたアニメ、特撮とくさつおもで、まれ大人おとなけにあたるEBSのバラエティ番組ばんぐみ編成へんせいされており、EBSそのものが子供こども番組ばんぐみ編成へんせい比率ひりつたかいことから、EBSが製作せいさく参加さんかしていない作品さくひんばん販は一切いっさい存在そんざいしていない。ただし、シンビアパートとおな権利けんりしゃ著作ちょさくけんゆうする作品さくひんの『レインボールビー(原題げんだい)』は、EBSが製作せいさくしたもののため編成へんせいされている。
  13. ^ アメリカやインド双方そうほうとも英語えいご主音しゅおんごえ韓国かんこくふく音声おんせいじゅう音声おんせい放送ほうそう)などでは、テレビ放映ほうえいされていることもある。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 野口のぐち智雄ともお (2010ねん8がつ30にち). だいヒット「プリキュア」にまなどもマーケット攻略こうりゃくほう. プレジデント. http://www.president.co.jp/pre/backnumber/2010/20100830/15981/15986/ 2011ねん2がつ26にち閲覧えつらん 
  2. ^ NHKキッズワールド - いないいないばあっ!
  3. ^ 封印ふういん作品さくひん憂鬱ゆううつよういずみしゃ 2008ねん安藤あんどう健二けんじ

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]