担保たんぽ

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担保たんぽ(たんぽ)とは、以下いかの3つの意味いみつ。

  1. 債務さいむ履行りこう確実かくじつするために、義務ぎむしゃから権利けんりしゃ提供ていきょうされる事物じぶつ[ちゅう 1]
  2. 債務さいむ履行りこう確実かくじつするための仕組しく[ちゅう 2]
  3. 債務さいむ履行りこう確実かくじつすること[ちゅう 3]

担保たんぽ債権さいけんかか債務さいむしゃ以外いがい第三者だいさんしゃたいする債権さいけんというかたちをとる担保たんぽ人的じんてき担保たんぽび、もの権利けんりたいするたいてき権利けんりというかたちをとる担保たんぽを、物的ぶってき担保たんぽ物上ぶつじょう担保たんぽ)とぶ。[ちゅう 4]また、上記じょうきのような債務さいむ履行りこう確実かくじつとは無関係むかんけいに、契約けいやく目的もくてきぶつ瑕疵かしについて責任せきにんうことを場合ばあいもある(瑕疵かし担保たんぽなど)。

  • 民法みんぽうについて以下いかでは、じょうすうのみ記載きさいする。

物的ぶってき担保たんぽ構成こうせいする要素ようそ[編集へんしゅう]

物的ぶってき担保たんぽは、原則げんそくとして、以下いか要素ようそから構成こうせいされる。

担保たんぽ債権さいけん
担保たんぽ物権ぶっけんによって履行りこう担保たんぽされている債権さいけん
担保たんぽ目的もくてきぶつ
担保たんぽ債権さいけん履行りこう担保たんぽするための担保たんぽけん目的もくてきぶつとしてきょうされたもの権利けんり
担保たんぽけんしゃ
担保たんぽけん設定せっていしゃから担保たんぽ物権ぶっけん設定せっていけたものセキュリティー・トラスト場合ばあいのぞき、担保たんぽ債権さいけんしゃ一致いっちする。
担保たんぽ債権さいけんしゃ
担保たんぽ債権さいけん債権さいけんしゃ。セキュリティー・トラストの場合ばあいのぞき、担保たんぽけんしゃ一致いっちする。
担保たんぽけん設定せっていしゃ
約定やくじょう担保たんぽ物権ぶっけん設定せっていしたもの担保たんぽ債権さいけん債務さいむしゃとはかぎらない。法定ほうてい担保たんぽ物権ぶっけん場合ばあいには担保たんぽ物権ぶっけん負担ふたんするもの存在そんざいするが、設定せっていしゃ存在そんざいしない。

たとえば、債務さいむしゃAの債権さいけんしゃBにたいする債務さいむαあるふぁを、債務さいむしゃAのゆうするかぶと不動産ふどうさん債権さいけんしゃBのために抵当ていとうけん設定せっていした場合ばあい債務さいむしゃAが担保たんぽけん設定せっていしゃ抵当ていとうけん設定せっていしゃ)、債権さいけんしゃBが担保たんぽけんしゃ抵当ていとうけんしゃ)、債権さいけんαあるふぁ担保たんぽ債権さいけんきのえ不動産ふどうさん担保たんぽ目的もくてきぶつ抵当ていとう目的もくてきぶつ)となる。注意ちゅういてんとしては、担保たんぽけん設定せっていしゃは、債務さいむしゃかぎられず、債務さいむしゃ以外いがい第三者だいさんしゃ設定せっていする場合ばあいには、当該とうがい第三者だいさんしゃ物上ぶつじょう保証人ほしょうにんばれる。

留置とめおきけん しつけん 先取せんしゅ特権とっけん 抵当ていとうけん
担保たんぽ債権さいけん 留置とめおきぶつから
しょうじた債権さいけん
金銭きんせん債権さいけんかぎる)
  • 合意ごういにより特定とくていされまたは指定していされた範囲はんいぞくする債権さいけん元本がんぽん
  • 利息りそく
  • 違約いやくきん
  • 質物しちもつ保存ほぞん強制きょうせい執行しっこう費用ひよう
  • 債務さいむ不履行ふりこうまたかくれた瑕疵かしによってしょうじた損害そんがい
法律ほうりつにより特定とくていされた債権さいけん
(金銭きんせん債権さいけんかぎらない)
  • 合意ごういにより特定とくていされまたは指定していされた範囲はんいぞくする債権さいけん元本がんぽん
  • 利息りそく
  • 定期ていききん
  • 遅延ちえん利息りそく遅延ちえん損害そんがいきん
  • 抵当ていとうけん実行じっこう費用ひよう通説つうせつ
担保たんぽ目的もくてきぶつ 留置とめおきぶつ
  • ものまたは権利けんり
  • したがえぶつまたしたがえたる権利けんり
  • 果実かじつ
  • 代位だいいぶつ
先取せんしゅ特権とっけん種類しゅるいにより多様たよう一般いっぱん財産ざいさんまたは特定とくていものもしくは権利けんり代位だいいぶつふくむ。)
  • 不動産ふどうさん、みなし不動産ふどうさん
  • 付加ふか一体いったいぶつ
  • 代位だいいぶつ
担保たんぽけんしゃ 留置とめおきけんしゃ しつけんしゃ 先取せんしゅ特権とっけんしゃ 抵当ていとうけんしゃ
設定せっていしゃ N/A しつけん設定せっていしゃ N/A 抵当ていとうけん設定せっていしゃ

担保たんぽ効力こうりょく[編集へんしゅう]

担保たんぽには、担保たんぽ債権さいけん履行りこう強制きょうせいする効力こうりょくがある。これを担保たんぽ効力こうりょくぶが、これはさらに優先ゆうせん弁済べんさいてき効力こうりょく留置りゅうちてき効力こうりょくふたつにけられる。

優先ゆうせん弁済べんさいてき効力こうりょく
債務さいむ遅行ちこうさいに、担保たんぽ目的もくてきぶつから、債権さいけんしゃ先立さきだって優先ゆうせんてき債権さいけん満足まんぞくけられる効力こうりょく
留置とめおきてき効力こうりょく
債務さいむ不履行ふりこうさいに、担保たんぽ目的もくてきぶつ留置りゅうちできることで、間接かんせつてき債務さいむしゃ履行りこう強制きょうせいする効力こうりょく

優先ゆうせん弁済べんさいてき効力こうりょく[編集へんしゅう]

このうち優先ゆうせん弁済べんさいてき効力こうりょくは、担保たんぽ債権さいけん強制きょうせい実現じつげん方法ほうほう物的ぶってき担保たんぽ人的じんてき担保たんぽおおきくことなる。

物的ぶってき担保たんぽ優先ゆうせん弁済べんさいこう
債権さいけんしゃ平等びょうどう原則げんそくやぶる」ことにより担保たんぽ債権さいけん回収かいしゅう確実かくじつする効力こうりょく
人的じんてき担保たんぽ優先ゆうせん弁済べんさいこう
債務さいむしゃのほかに、債務さいむ不履行ふりこうによる強制きょうせい執行しっこうけるべき相手あいてやす」ことにより担保たんぽ債権さいけん回収かいしゅう確実かくじつする効力こうりょく

債権さいけんしゃ債務さいむしゃそう財産ざいさんから債権さいけんがくおうじて平等びょうどう債権さいけん満足まんぞくけるのが原則げんそくである。物的ぶってき担保たんぽは、担保たんぽ目的もくてきぶつ換価かんかしてがくのうち、債権さいけんがく以下いか金額きんがく債権さいけんしゃさきんじて取得しゅとくすることができる。このてん優先ゆうせん弁済べんさいてき効力こうりょくゆうするといえる。人的じんてき担保たんぽ場合ばあい債権さいけんしゃ平等びょうどう原則げんそくやぶることはない。しかし、債務さいむ履行りこう請求せいきゅうできる相手あいてやしていることから、担保たんぽ債権さいけんしゃよりは債権さいけん満足まんぞくやすいというてん優先ゆうせん弁済べんさいてき効力こうりょくゆうするといえる。人的じんてき担保たんぽ物的ぶってき担保たんぽくらべて、債権さいけん回収かいしゅう確実かくじつ度合どあいがひくいが、物的ぶってき担保たんぽくら成立せいりつ容易よういであるため、比較的ひかくてき低額ていがく市井しせいでの金融きんゆうおおもちいられる手法しゅほうである。それにたいし、物的ぶってき担保たんぽなかでも不動産ふどうさん財団ざいだん対象たいしょうにした担保たんぽ物権ぶっけんは、債権さいけん回収かいしゅう確実かくじつするちからつよいが、成立せいりつ費用ひよう手間てまがかかるため、不動産ふどうさん購入こうにゅう企業きぎょうあいだ取引とりひきなどの高額こうがく契約けいやくたいして使つかわれることがおおい。また、物的ぶってき担保たんぽなか登記とうき登録とうろくようしない動産どうさん対象たいしょうにした担保たんぽは、債権さいけん担保たんぽのぞき、こんにちではあまり担保たんぽとして機能きのうしていないのが実情じつじょうのようである。

留置とめおきてき効力こうりょく[編集へんしゅう]

また、物的ぶってき担保たんぽのうちの留置とめおきけんには民法みんぽう規定きていされた直接的ちょくせつてきな「優先ゆうせん弁済べんさいてき効力こうりょく」はないが、弁済べんさいがあるまで目的もくてきぶつ留置りゅうちしうることは債務さいむしゃにとって債務さいむ弁済べんさい間接かんせつてき強制きょうせいりょくとなる。さらに留置とめおきけん民事みんじ執行しっこうほうにおいて優先ゆうせん弁済べんさい方法ほうほう規定きていされており、実質じっしつてきには物的ぶってき担保たんぽ同様どうよう優先ゆうせん弁済べんさいけんがある。なお、会社かいしゃほう規定きていされる持分もちぶん会社かいしゃにおける無限むげん責任せきにん社員しゃいんは、有限ゆうげん責任せきにん社員しゃいんちがって「金銭きんせんその財産ざいさん以外いがい無形むけいぶつ(たとえば「信用しんよう労務ろうむ)を出資しゅっしすることが可能かのうであるのは、信用しんよう労務ろうむとともに「会社かいしゃ債務さいむ人的じんてき担保たんぽ」となることを出資しゅっししているからである。

担保たんぽ性質せいしつ[編集へんしゅう]

担保たんぽ基本きほんてき性質せいしつ[編集へんしゅう]

担保たんぽは、しゅ債務さいむ履行りこう確実かくじつするために存在そんざいするのでづけしたがえせいしたがえせい)、随伴ずいはんせい不可分ふかぶんせい物上ぶつじょう代位だいいせいのような性質せいしつつ。 かく性質せいしつ内容ないようについては担保たんぽ物権ぶっけん項目こうもく参照さんしょう。すべての担保たんぽにこれらすべての性質せいしつがあるわけではなく、いずれかの性質せいしつたないものや、緩和かんわされているものもあるため注意ちゅうい必要ひつようである。

づけしたがえせい 随伴ずいはんせい 不可分ふかぶんせい 物上ぶつじょう代位だいいせい
物的ぶってき担保たんぽ
人的じんてき担保たんぽ ×

づけしたがえせい緩和かんわ担保たんぽ[編集へんしゅう]

とくづけしたがえせいにおいては、厳格げんかく適応てきおうすると、債権さいけん債務さいむ関係かんけい日々ひび流転るてんしている企業きぎょうあいだ取引とりひきにおいても債権さいけん発生はっせいごとに担保たんぽけん設定せっていようすることになり、費用ひよう時間じかん多大ただいなる浪費ろうひとなる。そのため、取引とりひき迅速じんそく観点かんてんからづけしたがえせい緩和かんわされ、債権さいけんがく債権さいけん範囲はんい特定とくていすれば、えず発生はっせい変更へんこう消滅しょうめつかえ債権さいけんぐんにも担保たんぽてられることとなった。このような担保たんぽ担保たんぽび、その具体ぐたいれいしつ根抵当ねていとう保証ほしょうとうである。用語ようごほうとしては、かく担保たんぽけん名称めいしょうに「」をけ、「○○」のようにぶのが通例つうれいである。ところで、づけしたがえせい緩和かんわすると過大かだい権利けんり債権さいけんしゃあたえることになり、濫用らんよう危険きけんがある。そのため、づけしたがえせい緩和かんわされたこれらの担保たんぽは、その成立せいりつ厳格げんかく要件ようけんせられている。

随伴ずいはんせい緩和かんわ担保たんぽ流用りゅうようまたは、てん担保たんぽ[編集へんしゅう]

また、随伴ずいはんせい厳格げんかく適用てきようをすると企業きぎょうあいだ取引とりひき迅速じんそくさない結果けっかとなるため、担保たんぽ債権さいけんかち、担保たんぽのみを売買ばいばいしたり、債権さいけん債務さいむ担保たんぽ提供ていきょうするなど、担保たんぽ流用りゅうようみとめられている。このような担保たんぽ流用りゅうよう用語ようごほうとしてかく担保たんぽけん名称めいしょうに「てん」をけて、「うたて抵当ていとう」や「うたてしつ」など「てん○○」とばれるのが一般いっぱんてきであるが、担保たんぽのように担保たんぽ流用りゅうよう全体ぜんたいして「てん担保たんぽ」とはあまりわないようである。注意ちゅういてんとしては、保証ほしょう債権さいけん保証ほしょう債務さいむ)を本来ほんらい担保たんぽ債権さいけんけて譲渡じょうとしたり、債務さいむ担保たんぽにしたりするいわゆる「てん保証ほしょう」は、物的ぶってき担保たんぽ場合ばあいことなり、特約とくやくのないかぎゆるされない。担保たんぽとしてきょうされているものが債権さいけんまたはひとであり、なおかつしゅ債務さいむしゃ保証人ほしょうにんあいだ保証ほしょう委託いたく契約けいやく双方そうほう信頼しんらい関係かんけい基礎きそとして成立せいりつしているものであることがおおいからである。また、根抵当ねていとうしつ保証ほしょうなどのづけしたがえせい緩和かんわされた担保たんぽ担保たんぽ)では、債権さいけん譲渡じょうとがなされても元本がんぽん確定かくていまえであればこれらの担保たんぽけん債権さいけん随伴ずいはんしない。

約定やくじょう担保たんぽ物権ぶっけんしゃ担保たんぽ取得しゅとくりゅうしつながれ抵当ていとう[編集へんしゅう]

約定やくじょう担保たんぽ物権ぶっけんは、担保たんぽとしてきょうされたものの交換こうかん価値かち把握はあくし、担保たんぽ債権さいけん債務さいむ不履行ふりこうになった場合ばあい競売きょうばいとう公的こうてき手段しゅだん売却ばいきゃくし、その換価かんか代金だいきんをもって債権さいけん満足まんぞくてることができる権利けんりである。では、なぜわざわざ公的こうてき手段しゅだんによる換価かんかという手段しゅだんるのだろうか。このような面倒めんどう手段しゅだんらないでも、債務さいむ不履行ふりこうさい担保たんぽけんしゃが、「担保たんぽきょうされたもの」の所有しょゆうけんとうれ、それを個人こじん売却ばいきゃくすることによって担保たんぽ政権せいけん優先ゆうせん弁済べんさいてればよいのではないだろうか。じつは、このような換価かんか方法ほうほうながれしつながれ抵当ていとうばれ、民法みんぽう制定せいてい以前いぜんにおいて一般いっぱんてきであり、実際じっさい質物しちもつ抵当ていとうによって優先ゆうせん弁済べんさいける一般いっぱんてき方法ほうほうであった。しかし、債務さいむしゃ困窮こんきゅう状態じょうたいみ、わずかながく債務さいむ担保たんぽに、高額こうがくもの不動産ふどうさん提供ていきょうさせ暴利ぼうりむさぼものあらわれたため、約定やくじょう担保たんぽ物権ぶっけん実行じっこう場面ばめんにおいての担保たんぽけんしゃ担保たんぽ直接ちょくせつ取得しゅとく禁止きんしされるべきというかんがかた民法みんぽうでは採用さいようされた。とく歴史れきしてき低額ていがく金銭きんせん消費しょうひ貸借たいしゃく担保たんぽ使つかわれてきたしつけんにおいては、低額ていがく担保たんぽ債権さいけんをより高額こうがくもの担保たんぽするという関係かんけいおちいりやすいため、「ながれしつ契約けいやく禁止きんし」は条文じょうぶんされている(民法みんぽう349じょう)。しかし、今日きょうにおいてしつけん本来ほんらいどおりの使つかわれかたをされることはすくなくなったため、その意義いぎうしない、商法しょうほう特別とくべつほう、または譲渡じょうと担保たんぽかんする判例はんれいなどによって、現在げんざいでは一般いっぱんながれしつみとめられたのと同様どうよう状態じょうたいになっている。ちなみにながれ抵当ていとう抵当ていとう直流ちょくりゅう(ていとうじきながれ))は民法みんぽうじょう禁止きんしされていない。これにはしつけんほど担保たんぽ債権さいけん担保たんぽとのあいだ価値かちいちじるしくないことと、成立せいりつ登記とうきようすることが関係かんけいしているとおもわれる。ちなみに、担保たんぽけんしゃ担保たんぽ直接ちょくせつ取得しゅとくを「りゅう」に約定やくじょう担保たんぽけん名称めいしょうけて「ながれ○○」とあらわすことがおおいが、それらを総合そうごうして「りゅう担保たんぽ」と用法ようほうはあまり一般いっぱんてきではない。

種類しゅるい[編集へんしゅう]

担保たんぽ内容ないようはさまざまだが、よくられているものをげると以下いかのようになる。:以下いかはさらに細分さいぶんされた種類しゅるいについて記載きさいしたが、日本にっぽんでは法律ほうりつじょうみとめられていないものもある。また、債務さいむ引受ひきうけ性質せいしつじょう担保たんぽとはえないが、実務じつむてきには担保たんぽとして使つかわれることがおおいのであえてふくめた。建物たてもの土地とち権利けんりなどの不動産ふどうさん担保たんぽ株式かぶしき株券かぶけん)などの債権さいけん担保たんぽ物的ぶってき担保たんぽいちれいである。

用語ようご[編集へんしゅう]

  • 担保たんぽ責任せきにん
  • 売主うりぬし担保たんぽ責任せきにん
  • ついだつ担保たんぽ責任せきにん
  • 瑕疵かし担保たんぽ責任せきにん
  • 担保たんぽ
  • 担保たんぽ追加ついか担保たんぽ
    担保たんぽけん目的もくてきぶつ滅失めっしつ損傷そんしょう減少げんしょうした場合ばあいに、あらたな担保たんぽ設定せっていすること。
    債務さいむしゃ履行りこうしないと期限きげん利益りえきうしなう(137じょう)。
  • 共同きょうどう担保たんぽ
    数個すうこものうえ担保たんぽ物権ぶっけん設定せっていした同一どういつ債権さいけん担保たんぽ共同きょうどう抵当ていとうひとし

用字ようじほう[編集へんしゅう]

おも法令ほうれいにおいて、「確実かくじつおこなわれることを担保たんぽする[1]などのように「担保たんぽ」のかたりサ変さへん動詞どうしにしてもちいる事例じれいがみられる(「保証ほしょうする」「仕組しくみを確保かくほする」などの意味いみもちいていると推察すいさつされる)。また「保証人ほしょうにん」という意味いみもちいる事例じれいもあり、『大辞林だいじりん』によると、これは明治めいじ時代じだいからもちいられるようになった用字ようじほうである。

また、担保たんぽ十分じゅうぶん弁済べんさい能力のうりょくをもたなくなっている状態じょうたい担保たんぽぶ。たとえば、不動産ふどうさん株式かぶしき株券かぶけん)を担保たんぽにした場合ばあい、これらの価格かかく変動へんどうするため、値下ねさがりが発生はっせいすると債務さいむ完全かんぜん弁済べんさいできないことがある。バブル経済けいざい崩壊ほうかいによる不動産ふどうさん価格かかく下落げらく担保たんぽれとなった不動産ふどうさん担保たんぽおおくなり、した銀行ぎんこうなど金融きんゆう機関きかん不良ふりょう債権さいけん増加ぞうかおおきな原因げんいんになった。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ えい: collateral
  2. ^ えい: security
  3. ^ えい: to secure
  4. ^ 物的ぶってき担保たんぽの「もの」とは、民法みんぽうにおいて定義ていぎされた有体物ゆうたいぶつとしての「もの」ではなく、こうがくじょうの、よりひろ意味いみにおける「権利けんり客体かくたい」(物権ぶっけん客体かくたい)としての「もの」であり、したがって無体物むたいぶつふくむ(れい権利けんりしつ)。また、人的じんてき担保たんぽの「ひと」は、民法みんぽうじょうもちいられる自然人しぜんじんとしての「ひと」ではなく、こうがくじょうの、よりひろ意味いみにおける「権利けんり主体しゅたい」としての「ひと」であり、したがって法人ほうじんふくむ(れい法人ほうじん保証ほしょう)。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 医療いりょう機器ききまた体外たいがい診断しんだんよう医薬品いやくひん製造せいぞう管理かんりまた品質ひんしつ管理かんりかか業務ぎょうむおこな体制たいせい基準きじゅんかんする省令しょうれい平成へいせい29厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいだい94ごうだい4じょう

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]