議場 ぎじょう に集 あつ まった国会 こっかい 議員 ぎいん (2004年 ねん ・アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 下院 かいん )
政治 せいじ 家 か (せいじか、英 えい : politician )とは、職業 しょくぎょう として政治 せいじ に携 たずさ わっている者 もの のことであり、一般 いっぱん 的 てき に内閣 ないかく 総理 そうり 大臣 だいじん や国務大臣 こくむだいじん 、国会 こっかい 議員 ぎいん 、地方 ちほう 議会 ぎかい 議員 ぎいん や地方自治体 ちほうじちたい の首長 しゅちょう などが政治 せいじ 家 か と呼 よ ばれる[1] 。
職業 しょくぎょう としての政治 せいじ [ 編集 へんしゅう ]
マックス・ヴェーバー は、自身 じしん の講演 こうえん 『職業 しょくぎょう としての政治 せいじ 』 の中 なか で「政治 せいじ 家 か の本領 ほんりょう は『党派 とうは 性 せい 』と『闘争 とうそう 』である」と指摘 してき している[要 よう 出典 しゅってん ] 。
アメリカではジェイムズ・ポール・クラーク が“A politician thinks of the next election and a statesman thinks of the next generation.”(政治 せいじ 屋 や は次 つぎ の選挙 せんきょ を考 かんが え、政治 せいじ 家 か は次 つぎ の時代 じだい を考 かんが える)と喝破 かっぱ した[要 よう 出典 しゅってん ] 。金 きむ や権力 けんりょく など利権 りけん を得 え ることに熱心 ねっしん な政治 せいじ 家 か を揶揄 やゆ して「政治 せいじ 屋 や (せいじや)」と呼 よ ぶこともある[2] 。
政治 せいじ 家 か は国家 こっか によって認定 にんてい された資格 しかく に基 もと づく職業 しょくぎょう ではない[3] 。選挙 せんきょ 結果 けっか によっては職 しょく を追 お われるため、不安定 ふあんてい な職業 しょくぎょう である[3] 。政治 せいじ 家 か は有権者 ゆうけんしゃ の利益 りえき や意向 いこう を議会 ぎかい に反映 はんえい させるが、その方法 ほうほう は有権者 ゆうけんしゃ の具体 ぐたい 的 てき な要望 ようぼう を忠実 ちゅうじつ に実現 じつげん する方法 ほうほう と、自 みずか らが信 しん じる方法 ほうほう で有権者 ゆうけんしゃ に有益 ゆうえき な結果 けっか をもたらす方法 ほうほう の2つがある[3] 。
世界 せかい 的 てき に政治 せいじ 家 か は嫌悪 けんお される職業 しょくぎょう になりつつある。アメリカ では職業 しょくぎょう 政治 せいじ 家 か に対 たい する嫌悪 けんお が広 ひろ がっており、2016年 ねん の大統領 だいとうりょう 選挙 せんきょ では非 ひ 職業 しょくぎょう 政治 せいじ 家 か および反 はん 職業 しょくぎょう 政治 せいじ 家 か の候補 こうほ が支持 しじ を伸 の ばしたとする分析 ぶんせき がある[4] 。タイでは、2014年 ねん のバンコク大学 だいがく の調査 ちょうさ によって、6歳 さい ~14歳 さい の子供 こども の80%前後 ぜんこう が、政治 せいじ に関 かか わる仕事 しごと に就 つ きたくないと答 こた えたことが分 わ かった[5] 。
政治 せいじ 家 か と利権 りけん [ 編集 へんしゅう ]
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政治 せいじ 家 か と有権者 ゆうけんしゃ の利害 りがい 関係 かんけい やそれに起因 きいん する諸 しょ 問題 もんだい は、今 いま も昔 むかし も政治 せいじ の世界 せかい では避 さ けて通 とお ることができない。政治 せいじ 家 か を選出 せんしゅつ する側 がわ である有権者 ゆうけんしゃ は、諸 しょ 制度 せいど の改善 かいぜん や地元 じもと 地方 ちほう へのインフラ整備 せいび などによる社会 しゃかい 的 てき ・福祉 ふくし 的 てき な恩恵 おんけい 、あるいは国家 こっか 的 てき なイベントや企業 きぎょう 誘致 ゆうち や公共 こうきょう 事業 じぎょう の受注 じゅちゅう などによる経済 けいざい 効果 こうか を求 もと めるし、政治 せいじ 家 か も地元 じもと への便宜 べんぎ をはかることで次 つぎ の選挙 せんきょ での再選 さいせん を期 き そうとする。社会 しゃかい 的 てき な利益 りえき の還元 かんげん として地元 じもと を潤 うるお す形 かたち であれば特 とく に法 ほう を犯 おか すこともないが、一部 いちぶ 政治 せいじ 家 か の強烈 きょうれつ な圧 あつ 力 りょく によって公共 こうきょう 事業 じぎょう の計画 けいかく を大幅 おおはば に変更 へんこう させたり、公共 こうきょう 事業 じぎょう をばらまいたりといった行為 こうい がしばしば非難 ひなん の対象 たいしょう となる。こういったことは日本 にっぽん に限 かぎ らずアメリカ でも聞 き かれる話 はなし で、少 すこ し古 ふる い話 はなし だが、1950年代 ねんだい 後半 こうはん にアメリカ陸軍 りくぐん の準 じゅん 中距離 ちゅうきょり 弾道 だんどう ミサイルMGM-31 パーシング の主 しゅ 契約 けいやく 企業 きぎょう の選定 せんてい 作業 さぎょう で、元 もと ミシガン州 しゅう 知事 ちじ であった陸軍 りくぐん 長官 ちょうかん ウィルバー・ブラッカーが、契約 けいやく をミシガン州 しゅう の企業 きぎょう に与 あた えるように地元 じもと から圧力 あつりょく をかけられていたことがあった。候補 こうほ に挙 あ がっていた企業 きぎょう の中 なか でミシガン州 しゅう の企業 きぎょう はクライスラー だけであったが、実際 じっさい に受注 じゅちゅう したのはマーティン・マリエッタ であった。
こういった政治 せいじ 家 か を仲立 なかだ ちとする利権 りけん が、制度 せいど の不備 ふび の改善 かいぜん や交通 こうつう 網 あみ の整備 せいび といった公共 こうきょう の福祉 ふくし を大幅 おおはば に超 こ えて特定 とくてい の個人 こじん や企業 きぎょう に対 たい する不正 ふせい な利益 りえき 供与 きょうよ に至 いた ると汚職 おしょく 事件 じけん にも発展 はってん していく。政治 せいじ 家 か の汚職 おしょく は幾度 いくど となく問題 もんだい となり、逮捕 たいほ 者 もの が出 で たり、有罪 ゆうざい 判決 はんけつ が出 で て失職 しっしょく するような事件 じけん が起 お こっても後 ご を絶 た つことがない。また、有罪 ゆうざい 判決 はんけつ を受 う けて失職 しっしょく してしまったにもかかわらず、有権者 ゆうけんしゃ の地元 じもと への恩恵 おんけい の期待 きたい から、その政治 せいじ 家 か が次 つぎ の選挙 せんきょ で再 ふたた び当選 とうせん してしまうことも決 けっ して珍 めずら しいことではない。
政治 せいじ 家 か のクオリティ[ 編集 へんしゅう ]
ヴェーバーは、『職業 しょくぎょう としての政治 せいじ [6] 』の中 なか で、政治 せいじ 家 か にクオリティ(Qualitäten )として次 つぎ の三 みっ つを挙 あ げている[7] [8] [9] 。
情熱 じょうねつ (Leidenschaft ) : Sache への情熱 じょうねつ
責任 せきにん 感 かん (Verantwortungsgefühl )
目 め (Augenmaß ) : 距離 きょり をおくこと
日本 にっぽん の「政治 せいじ 家 か 」[ 編集 へんしゅう ]
一般 いっぱん 的 てき に内閣 ないかく 総理 そうり 大臣 だいじん や国務大臣 こくむだいじん 、国会 こっかい 議員 ぎいん 、地方 ちほう 議会 ぎかい 議員 ぎいん や地方自治体 ちほうじちたい の首長 しゅちょう などが政治 せいじ 家 か と呼 よ ばれている[1] 。公職 こうしょく 選挙 せんきょ 法 ほう や政治 せいじ 資金 しきん 規正 きせい 法 ほう においては、その適用 てきよう 対象 たいしょう となる「候補者 こうほしゃ 、立候補 りっこうほ 予定 よてい 者 しゃ 、現 げん に公職 こうしょく にある者 もの 」を総称 そうしょう して政治 せいじ 家 か と呼 よ ぶ[1] 。
政治 せいじ 家 か は、国民 こくみん の代表 だいひょう 者 しゃ として選挙 せんきょ によって選 えら ばれた上 うえ で、有権者 ゆうけんしゃ の意思 いし を国 くに や地方自治体 ちほうじちたい の政策 せいさく に反映 はんえい させようと活動 かつどう する[1] 。主 おも な仕事 しごと は、自 みずか らが所属 しょぞく する議会 ぎかい や委員 いいん 会 かい での議案 ぎあん の審議 しんぎ に参加 さんか することで、修正 しゅうせい などの作業 さぎょう に関 かか わり最終 さいしゅう 的 てき に表決 ひょうけつ することである[1] 。また、陳情 ちんじょう を聞 き いたり集会 しゅうかい に参加 さんか することで有権者 ゆうけんしゃ の意見 いけん を聞 き き政策 せいさく に反映 はんえい させる[1] 。地方自治体 ちほうじちたい の首長 しゅちょう や大臣 だいじん など行政府 ぎょうせいふ の役職 やくしょく に就 つ いた場合 ばあい には、官僚 かんりょう 機構 きこう 全体 ぜんたい を統括 とうかつ して調整 ちょうせい し動 うご かすことで政策 せいさく を決定 けってい ・実行 じっこう する[1] 。
近年 きんねん では、親族 しんぞく や親戚 しんせき の後 のち を継承 けいしょう した世襲 せしゅう 政治 せいじ 家 か や、タレントとしての知名度 ちめいど を武器 ぶき に当選 とうせん したタレント政治 せいじ 家 か の割合 わりあい が増 ふ えつつあるが、このような形 かたち で政治 せいじ 家 か となることに疑問 ぎもん を呈 てい する意見 いけん もある[10] [11] [12] 。世襲 せしゅう 議員 ぎいん に関 かん しては、国会 こっかい 議員 ぎいん のうち、選挙 せんきょ における地盤 じばん や資源 しげん に恵 めぐ まれるため、当選 とうせん 回数 かいすう が多 おお く、自分 じぶん が代表 だいひょう する地域 ちいき により多 おお くの補助 ほじょ 金 きん をもたらしているという分析 ぶんせき がある[13] 。タレント政治 せいじ 家 か に関 かん しては、批判 ひはん も多 おお いが政党 せいとう を牽引 けんいん しているとする指摘 してき もある[14] 。
また現在 げんざい 、政治 せいじ 家 か はお札 さつ の肖像 しょうぞう 画 が になることが出来 でき ない。(過去 かこ には岩倉 いわくら 具視 ともみ などがなったことがある)理由 りゆう は、後世 こうせい になって悪 わる い人物 じんぶつ だったと判明 はんめい する場合 ばあい があるからである。[15]
政治 せいじ 家 か を職業 しょくぎょう として見 み る時 とき 、日本 にっぽん 国内 こくない での評価 ひょうか は芳 かんば しいものではない。村上 むらかみ 龍 りゅう 『13歳 さい のハローワーク 』では、「ひょっとしたら政治 せいじ 家 か ほどわかりにくい職業 しょくぎょう はこの世 よ にないかもしれない。この本 ほん は職業 しょくぎょう を定義 ていぎ するためのものではないので結論 けつろん を先 さき にいうが、世 よ の13歳 さい はこんなにわかりにくい職業 しょくぎょう を目指 めざ すべきではない」「将来 しょうらい 的 てき には、NPO やNGO などで国際 こくさい 的 てき に活動 かつどう してきて、利害 りがい 調整 ちょうせい の困難 こんなん さと重要 じゅうよう 性 せい を理解 りかい した人 ひと がやむにやまれず政治 せいじ に参加 さんか するようになればいいと思 おも う。あるいは企業 きぎょう 活動 かつどう と環境 かんきょう 保護 ほご の調整 ちょうせい に長 なが く深 ふか く関 かか わった人 ひと とか、企業 きぎょう や銀行 ぎんこう を見事 みごと に再生 さいせい させた人 ひと とか、地域 ちいき 社会 しゃかい や教育 きょういく の活性 かっせい 化 か にたずさわった人 ひと とか、そういった分野 ぶんや から政治 せいじ 家 か が現 あらわ れるようになるべきだ」と酷評 こくひょう されている[1] 。
精神 せいしん 科 か 医 い ・斎藤 さいとう 環 たまき によれば、政治 せいじ 家 か の特徴 とくちょう として「どんな場所 ばしょ でも、どんな相手 あいて でも、とにかく自分 じぶん の話 はなし しかしない」「ガサツで、押 お しが強 つよ く、明 あき らかに後 ご から植 う え込 こ まれた強 つよ い自己 じこ 肯定 こうてい 感 かん を持 も っている」という特徴 とくちょう を挙 あ げ、ドブ板 ばん 選挙 せんきょ は「カルト や自己 じこ 啓発 けいはつ セミナー の洗脳 せんのう 」と同 どう 構造 こうぞう と指摘 してき 、「謙虚 けんきょ さと卑屈 ひくつ さを履 は き違 ちが え、駅前 えきまえ で土下座 どげざ せんばかりに頭 あたま を垂 しだ れている政治 せいじ 家 か を見 み て、子 こ どもたちが「あんなふうになりたい」と思 おも うわけがないでしょう」と批判 ひはん している[16] 。
事実 じじつ 、政治 せいじ 家 か 自身 じしん の職業 しょくぎょう 肯定 こうてい 感 かん も低 ひく く、NHK による地方 ちほう 議員 ぎいん 2万 まん 人 にん への調査 ちょうさ では「生 う まれ変 か わっても議員 ぎいん になりたいですか」という質問 しつもん に、現職 げんしょく の地方 ちほう 議員 ぎいん の7割 わり 近 ちか くが「NO」と回答 かいとう している[17] 。
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