オナニー

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自慰じいから転送てんそう

オナニードイツ: Onanie)は、性交せいこうではなく、自分じぶん器具きぐなどをもちいてみずからの性器せいき刺激しげきし、性的せいてき快感かいかん行為こういである。マスターベーション自慰じい手淫しゅいんなどともいう。一般いっぱんヒトでは、男性だんせい場合ばあい射精しゃせいオルガズム女性じょせい場合ばあいオルガズムのみにより目的もくてき達成たっせいするとされる。中世ちゅうせいまではおも宗教しゅうきょうてき立場たちばからむべき行為こういとされ、近代きんだいでは医学いがくてき立場たちばからがいであるとされたが、現代げんだいでは一般いっぱんてき行為こういとされ、医学いがくてきにも行為こうい特別とくべつがいがあるとはみなされていない。

呼称こしょう

日本にっぽん中世ちゅうせいでは「せつり」といったが、また『宇治うじ拾遺しゅうい物語ものがたり』に「かはつるみ」とあり、この「かはつるみ」は「かわとつるむ(せっかわする)」のいいとされる[1]さら平安へいあん時代じだいはじめの編纂へんさんられる「神楽かぐら」には「ひじきょ(かひなげ)」という語彙ごいもある。

近世きんせい以来いらい男性だんせいのオナニーを「せんずり」とも「へんずり」ともいい、江戸えど時代じだい川柳せんりゅうに「せんりは隅田すみたかわわたし銛 竿ざおにぎいてかわをアチコチ[注釈ちゅうしゃく 1]」とある。

日本にっぽんでは男女だんじょのオナニーは「手淫しゅいん」、「」ともい、手淫しゅいん幕末ばくまつ[注釈ちゅうしゃく 2]涜は明治めいじ初期しょき考案こうあんされた呼称こしょうである。「涜」は、みずからをけがすというであり、「手淫しゅいん」にもオナニーをむべきものとするかんがえが背景はいけいにある。また、「セルフプレジャー」は猥褻わいせつでない保健ほけん用語ようごとして使用しよう奨励しょうれいされているが、普及ふきゅうすすんでいない。

若者わかもの中心ちゅうしんスラングとして「シコる」「ヤる」「く」「オナる」「ひとりエッチ」[注釈ちゅうしゃく 3]「マス(を)く」「いたす」「イく」などと表現ひょうげんする場合ばあいもある[3]

また、「マスターベーション」(英語えいご: masturbation)という言葉ことばもちいられる場合ばあいもある。

語源ごげん

オナニーをする男性だんせい

オナニー (どく: Onanie) の語源ごげんは、『旧約きゅうやく聖書せいしょ』「創世そうせいちゅう記述きじゅつ由来ゆらいする。

創世そうせい」38しょうオナンというおとこ登場とうじょうする。かれあにエルが早死はやじににしたため、そのわりに子孫しそんのこすべく兄嫁あによめタマルと結婚けっこんさせられた(逆縁ぎゃくえん結婚けっこん)。しかしオナンはあにのためにのこすことをきらい、性交せいこうとき精液せいえきちつなか放出ほうしゅつせず、寸前すんぜん陰茎いんけい精液せいえきらして避妊ひにんをしようとした[4]。しかしこの行為こういかみ意志いしはんするものとされ、オナンはかみによっていのちたれた[5]。オナンがおこなったのはちつがい射精しゃせいであるが、語義ごぎてんじて生殖せいしょく目的もくてきとしない射精しゃせい行為こういとしてオナニーという言葉ことば使つかわれるようになった。これは自慰じいそれ自体じたいつみだとされたのではないという見方みかたもある[6]

歴史れきし

道徳どうとくせい

西洋せいようではオナニーが聖書せいしょくところのつみにあたるか、道徳どうとくてきゆるされるかなどが古来こらいより議論ぎろんまととなってきた。

旧約きゅうやく聖書せいしょ』のかみは「めよやせよてよ」と人間にんげんめいじている。語源ごげんとなるオナンの行為こういかみ意図いとさからう宗教しゅうきょうてき反逆はんぎゃくである。ユダヤきょうキリスト教きりすときょうでは、性交せいこう生殖せいしょくのためにかみからめいぜられた行為こういであると位置いちづけられているため、生殖せいしょく目的もくてきとしない行為こういであるオナニーは売春ばいしゅんなどと同様どうようかみ命令めいれいそむ行為こういとされ[7]道徳どうとくてきであり、つみにあたるとする伝統でんとうもあった。オナニーの法的ほうてき規制きせいれいとしては、厳格げんかくピューリタンによってひらかれた植民しょくみん時代じだいアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくコネチカットしゅうニューヘイブンにおいて1640年代ねんだい法典ほうてんでは「冒涜ぼうとくしゃ同性愛どうせいあいしゃ自慰じいしゃへの最高さいこうけい死刑しけい」と規定きていされている [8]

ただしオナンのつみとは、正確せいかくには生殖せいしょく目的もくてきとしない射精しゃせい行為こういでも、無駄むだ精液せいえきらしたことでもなく、古代こだい社会しゃかいレビレートこんおきてやぶり、あに未亡人みぼうじん子供こどもあたえねばならぬ義務ぎむたさなかったことであると前述ぜんじゅつしたように、時代じだい風潮ふうちょうにあわせてオナンのつみは、微妙びみょう変化へんかしてきた。西洋せいようはんオナニー言説げんせつを「宗教しゅうきょう産物さんぶつ」と直結ちょっけつすることはできない。モッセによると、18世紀せいき以降いこうはんオナニー言説げんせつナショナリズム産物さんぶつである。日本にっぽんでもはんオナニー言説げんせつは、すくなくとも江戸えどからあり、明治めいじにはひろ流布るふしている(#日本にっぽんにおける歴史れきしこう参照さんしょう)。

西洋せいようにおけるはんオナニーの歴史れきし

サミュエル・オーギュスト・ティソ

17世紀せいき以前いぜんにはオナニーをつみとみなす宗教しゅうきょうしゃ言説げんせつはあるが、オナニーそのものへの言及げんきゅうはさほどおおくないともされる[9]西洋せいようでは「かたまりミルク」としょうしてむら少年しょうねんたちが精液せいえきばしごういっこをしていた[10]。16 - 17世紀せいき主流しゅりゅうをなしていたガレノス医学いがくでは、オナニーはむしろ奨励しょうれいされていた、ともいう[9]。ただし宗教しゅうきょうしゃなかでは、たとえ健康けんこうのためであっても自然しぜんはんする行為こういであってゆるされない、という意見いけん主流しゅりゅうであったという。

はんオナニーが人口じんこう膾炙かいしゃするきっかけになったのは、1715ねん出版しゅっぱんされた『オナニア』(著者ちょしゃ匿名とくめい[注釈ちゅうしゃく 4])であった[9]同書どうしょはオナニーの有害ゆうがいせい道徳どうとくめんよりも医学いがくめんにおいてとく強調きょうちょうし、著者ちょしゃ独占どくせん販売はんばいけんにぎるというオナニー治療ちりょう効果こうかてきくすり購入こうにゅうびかけていることから、金儲かねもうけが同書どうしょ刊行かんこう目的もくてきだった[9]1760ねんころには、スイスの医師いしティソDe Morbisex Manustuprationeを、1764ねんには『オナニスム』を出版しゅっぱんする。これは、ヨーロッパちゅう名声めいせいはくしていた臨床りんしょうによる、医学いがくめんからの有害ゆうがいせいうったえたほんであり、ドイツの哲学てつがくしゃカントは『教育きょういくがく』(1803ねん)において自慰じい有害ゆうがいせい主張しゅちょうし、またルター有害ゆうがいせい主張しゅちょうするなど、ティソのオナニー有害ゆうがいろんひろ影響えいきょうあたえた[11]

はんオナニーは19世紀せいきなかばに最高潮さいこうちょうたっする。医師いしであるかれの「学説がくせつ」によって道徳どうとくめん以上いじょう医学いがくめんでの有害ゆうがいせい強調きょうちょうされた。原因げんいん不明ふめいおおくの疾患しっかんが、オナニーによりこされるとみなされた(くるびょう関節かんせつリューマチ、肺炎はいえん慢性まんせいカタル、視覚しかく聴覚ちょうかくおとろえなどなど)。1882ねんのフランスの精神病せいしんびょう専門せんもんにおける「二人ふたり少女しょうじょ神経しんけい障害しょうがいともなったオナニズムの症例しょうれい[12][11]というデミトリオス・ザムバコ医師いしによる論文ろんぶんに、医学いがくアカデミー会員かいいんのゲラン医師いし示唆しさにより、女性じょせいき鏝で焼却しょうきゃくするとおどしたことや、ゲラン医師いし何人なんにんもの女性じょせいに、その焼却しょうきゃく治療ちりょうほどこ結果けっかていたことがしるされていた[11]

はんオナニーをふくむ)セクシュアリティ統制とうせいにはナショナリズム台頭たいとう影響えいきょうしている[13][注釈ちゅうしゃく 5]。18世紀せいき以降いこう西にしヨーロッパ諸国しょこくどくえいふつ)では、下層かそう階級かいきゅうからも貴族きぞく階級かいきゅうからもみずからを差別さべつしようとする、中産ちゅうさん階級かいきゅう価値かちかん、リスペクタビリティ(市民しみんてき価値かちかん)がまれる。18世紀せいき以降いこうのナショナリズムは、この中産ちゅうさん階級かいきゅう作法さほう道徳どうとく吸収きゅうしゅうし、ぜん階級かいきゅうひろめた。そのかぎになるのはセクシュアリティの統制とうせいであり、「おとこらしさの理想りそう」である。ここにおいて、マスターベーションにふけるオナニストは顔面がんめん蒼白そうはくくぼみ、心身しんしん虚弱きょじゃく人間にんげん表象ひょうしょうされ、おとこらしい闘争とうそう社会しゃかいてき達成たっせいという国民こくみんてきステレオタイプとは相容あいいれないとされた。

またデュシェは、オナニーという私的してき空間くうかんおこなわれる行為こうい禁止きんしつうじて、私的してき空間くうかんそのものを監視かんししようという社会しゃかい欲望よくぼう指摘してきしている[11]

1939ねんにはカルノー医師いしにより性教育せいきょういくめんでの言及げんきゅうおこなわれ、1968ねんさかいに、セクシュアリティについての社会しゃかいてき見解けんかい変化へんかこったといわれる[11]

日本にっぽんにおける歴史れきし

13世紀せいきの『宇治うじ拾遺しゅうい物語ものがたり』には、みなもとだい納言なごん雅俊まさとし法会ほうえもよおすにさいしてそうあつめ、一生いっしょう不犯ふぼんであるむね起請きしょう女性じょせいとの性行為せいこういをしたことがなく、今後こんごもしないというちかい)をたてさせたところ、1人ひとりそうが「かはつるみはいかがこうべき」(オナニーはどうなのでしょう?)とあおかおをしてたずねたので、一同いちどうだい爆笑ばくしょうした、という記述きじゅつがある[15]

春画しゅんがえがかれた女性じょせいのオナニー

江戸えどの儒医学者がくしゃ貝原かいばら益軒えきけんの『養生ようじょうくん』(1713ねん)では、オナニーと性交せいこう区別くべつする記述きじゅつはないが、精液せいえき減損げんそんしないことが養生ようじょう基本きほんとされ、性行為せいこういそのものを否定ひていはしないが、過度かどおちいることはがいとされる。このように精液せいえき減損げんそん観点かんてんから健康けんこう維持いじき、性行為せいこうい過度かどおちいることをいましめる発想はっそうは、江戸えどせいあつかった書物しょもつ一般いっぱんてきなものであったともいう[16]なかにはオナニーを性交せいこう区別くべつして否定ひていするものもある。このような発想はっそう武士ぶし階層かいそうのみならず、漢方かんぽう必携ひっけいしょにも同様どうよう記述きじゅつられることから漢方かんぽうつうじ、町人ちょうにん農民のうみんそうふくめた広範こうはん範囲はんいひろまっていたとかんがえられる。これが日本にっぽんにおいて、明治めいじ開化かいかセクソロジーにられるはんオナニー言説げんせつがすんなりと受容じゅようされる土台どだいとなった。だが、近代きんだい以前いぜんはそれ以降いこうくらべ、オナニーにかんして比較的ひかくてきおおらかであったとえる。山梨やまなしけん南都留みなみつるぐん道志どうしむらには明治めいじ末期まっきまで若者わかもの宿やどのこされており、った若衆わかしゅたちは娯楽ごらくじょうとして若者わかもの宿やどつどい、ペニスのおおきさをきそったり精液せいえきばしごういをしていた[17]

明治めいじ初期しょきには『造化ぞうかろん』(アストンちょ千葉ちばしげるやく)を嚆矢こうしとしてセクシュアリティにかかわる言説げんせつおお生産せいさんされる[注釈ちゅうしゃく 6][16]数々かずかず西洋せいよう書物しょもつ訳書やくしょあるいは地方ちほう士族しぞく東京とうきょう平民へいみん、ジャーナリストらによってかれた書物しょもつぐんでは、生殖せいしょく性行為せいこういかんして様々さまざま観点かんてんからろんじられているが、そのおおくがオナニーのがいについてべている。ただし、その理論りろんてき根拠こんきょには系統けいとうあり、ひとつは「精液せいえき減損げんそんがい」という『養生ようじょうくん』にられる観点かんてんからろんじられるもので、必然ひつぜんてきに「オナニーのがいこうむ主体しゅたいおとこ。オナニーとセックスはどちらも過度かどであればがいがいは、身体しんたい健康けんこうかかわるもの」となる。もう一方いっぽうは「三種さんしゅ電気でんきせつ」を根拠こんきょにするもので「オナニーのがい性別せいべつわず。セックスとオナニーのがいべつもの。がいは、精神せいしんにもおよぶ」という主張しゅちょう

また、明治めいじ10年代ねんだい医学いがくかい成立せいりつにともない、専門せんもん家集かしゅうだんあいだでもオナニーの有害ゆうがいせい検討けんとうされはじめ[16]1877ねん明治めいじ10ねん創刊そうかんの『東京とうきょう医事いじしん』では、1879ねん明治めいじ12ねん)からオナニーのがいについての言及げんきゅうはじまる。なかには、性欲せいよく抑制よくせいすることのがいべるものもあるなど、全体ぜんたいとして単純たんじゅんなオナニー有害ゆうがいろんとは距離きょりいている。オナニーは神経しんけいびょう原因げんいんか、結果けっかかといういが、ここで浮上ふじょうする。1894ねん明治めいじ27ねん)、クラフト=エビング[注釈ちゅうしゃく 7]の『色情しきじょうきょうへん』が出版しゅっぱんされ、様々さまざまな「精神病せいしんびょう」や「色情しきじょうきょう」の症状しょうじょうとオナニーの関係かんけい検討けんとうされる。オナニーは様々さまざまな「やまい」(精神病せいしんびょう神経しんけい衰弱すいじゃく同性愛どうせいあい露出ろしゅつきょうふく各種かくしゅ色情しきじょうきょう)の「原因げんいん」なのか「誘引ゆういん」なのかが検討けんとうされ、「誘引ゆういん」であると結論けつろんされる。クラフト=エビングは明治めいじにオナニーをろんじた医学いがくしゃたち(山本やまもと宗一そういち[注釈ちゅうしゃく 8]もり鷗外富士川ふじかわゆう)などに多大ただい影響えいきょうおよぼした。このような例外れいがいはあるものの、明治めいじ後期こうき日本にっぽん医学いがくしゃたちによる検討けんとうは、全般ぜんぱんてき統計とうけいてき実証じっしょうてき調査ちょうさおこなったうえでなされたわけではなく、たん西洋せいよう書物しょもつりでしかなく、オナニーは様々さまざまな「やまい」の「原因げんいん」か「誘引ゆういん」かについては、医学いがくしゃたちの見解けんかいかれていた。自慰じいという日本語にほんごつくった小倉おぐら清三郎せいさぶろう政治せいじ山本やまもと宣治のぶはるなどオナニー有害ゆうがいろん反論はんろんしたものもいたが少数しょうすうまっていた。

明治めいじ初期しょきのセクシュアリティにかんするテクストは、市井しせい人々ひとびとかジャーナリストによってかれていたが、明治めいじ30年代ねんだい以降いこう、そのおもになは「医学いがく」「○○病院びょういん院長いんちょう」などの肩書かたがきをひとびと(専門せんもん家集かしゅうだん)へと移行いこうする[16]。ただし、医学いがくかいといっても、その専門せんもん分化ぶんかによって論理ろんり内実ないじつわる。医学いがく専門せんもん内部ないぶでは、オナニーの有害ゆうがいせい相当そうとう疑問ぎもんがもたれていたにもかかわらず、衛生えいせいがくのテクストではオナニー有害ゆうがい前提ぜんていとして、学校がっこう家庭かていにおける青年せいねん監視かんし必要ひつようせい主張しゅちょうされている。

貞操ていそうたい

1903ねんにAlbert V. Toddが出願しゅつがんした米国べいこく特許とっきょ貞操ていそうたい

西洋せいようにおけるはんオナニー思想しそうはさまざまな器具きぐ考案こうあんした。いちれいとして、みぎはオナニーの誘惑ゆうわくから青少年せいしょうねんまもるために考案こうあんされた貞操ていそうたい特許とっきょである。青少年せいしょうねんペニスのサックに挿入そうにゅうし、ベルトをこし固定こていする。本人ほんにんにはこの器具きぐはずせないようになっている。もし、本人ほんにん誘惑ゆうわくにかられて、ペニスにばしてオナニーをはじめると、おおきな警報けいほうがなり、周囲しゅうい注意ちゅうい喚起かんきせしめるようになっている。警告けいこくにもかかわらず本人ほんにんがオナニーをつづけると、器具きぐにつなげられた電気でんき回路かいろ作動さどうして電撃でんげきがペニスにはしり、一気いっきえさせるような仕掛しかけになっている。ただし、この器具きぐがどの程度ていど普及ふきゅうしたかどうかという記録きろくのこっていない。

このような装身具そうしんぐ子供こどもようにもつくられており、電撃でんげきはないが安易あんい性器せいき刺激しげきできないようかたかわせいのパンツ(男児だんじはペニス部分ぶぶんがペニスサックのようにとびだし、女児じょじには性器せいきおおうようなかたちをしたもの)をはかせ、性器せいき刺激しげきしにくいようにしていた。しかし、実際じっさいにはなんとか快感かいかんようとものけたりしてオナニーしていたようである。

宗教しゅうきょうてき見地けんち

こうしてつづいてきた自慰じいかんする人々ひとびと対応たいおうあつかいの変遷へんせんだが、現在げんざい自慰じい行為こうい倫理りんりてきにはつみとみなす宗教しゅうきょう存在そんざいする。

カトリック教会きょうかい

カトリック教会きょうかいでは自慰じいつみとされ、『カトリックしょう事典じてん』によると「自慰じい生殖せいしょく機能きのうのひどい乱用らんようであって、完全かんぜん同意どういして意識いしきてきおこな場合ばあい大罪だいざいである。この行為こういつみであるのは、生殖せいしょく能力のうりょく作動さどうさせておいて、その自然しぜん行為こういかみからさだめられた目的もくてき達成たっせいさせるのをさまたげるてんにある。(語源ごげんラテン語らてんごmanu「によって」+stupare「自分じぶん自身じしんけがす」)。」としている。[18]

また、ペルー・カリタスの配布はいふする『簡単かんたんなカトリック・カテシスモ(要理ようり)』によると、「だい6戒 姦淫かんいんしてはならない。自分じぶん他人たにん身体しんたい尊敬そんけいするように、言葉ことばおこないにおいて、貞潔ていけつ純潔じゅんけつでありなさい。(Ga5,19-21;1Co6,9)禁止きんし自慰じい姦淫かんいん近親きんしん相姦そうかん、ポルノ、ホモ行為こうい売買春ばいばいしゅん強姦ごうかん。」とし、自慰じい禁止きんしされた行為こうい、としている。[19]

しばしばリベラルりであるとわれる日本にっぽんのカトリック教会きょうかいではこの傾向けいこうがさらにつよく、かれらによる『カトリック教会きょうかいおしえ』では、自慰じいについてこうべられている。

それは人間にんげん性的せいてき成長せいちょう段階だんかいにおける自然しぜん現象げんしょうとしての側面そくめんっており、それを極端きょくたん罪悪ざいあくすることによって性能せいのうりょく抑圧よくあつする危険きけんせいもあります。そのような行為こういたいする倫理りんりてき判断はんだんのためには、そのひと意志いし動機どうきまたはその習慣しゅうかん程度ていどなども考慮こうりょする必要ひつようがあります。ですから、自慰じい行為こうい悪性あくせいみとめるにしても罪悪ざいあくかんだけをいだかせてはなりません。むしろ、他者たしゃとの出会であいへけてひらかれている性能せいのうりょくめん重視じゅうしする必要ひつようがあります。 — 『カトリックのおしえ』カトリック中央ちゅうおう協議きょうぎかい、2003ねん4がつ8にち、p356

このように、やはり自慰じいつみとみなす姿勢しせい前提ぜんていとした言明げんめいではあるものの、自慰じいをするものをいたずらに糾弾きゅうだんすべきでないことが強調きょうちょうされているのである。

オナニーの方法ほうほう

男性だんせい

おもに、陰茎いんけいにぎるかつまみ、上下じょうげピストン運動うんどうおこなう。これを「手淫しゅいん」ともいう。

かめあたま陰茎いんけいもの刺激しげきしたり、ゆかベッドけたりしておこな場合ばあいもある。いわゆる仮性かせい包茎ほうけい場合ばあい包皮ほうひものもちいてったりつまんだり、包皮ほうひかめあたまかぶせたり露出ろしゅつさせたりするなど、包皮ほうひ刺激しげきあたえておこな場合ばあいもある。オナホール女性じょせいしたものやTENGAなど)などのせい使用しようしたり、乳首ちくび陰嚢ふぐり刺激しげきしながらおこな場合ばあいもある。包皮ほうひかめあたま保護ほごするまくなので、包皮ほうひかぶせたまま刺激しげきするケースもおおい。陰茎いんけい刺激しげきあたつづけるとオーガズムたっし、精通せいつう以後いごであれば射精しゃせいし、精通せいつう以前いぜん男児だんじであれば射精しゃせいともなわないドライオーガズムいたる。

刺激しげきだけで射精しゃせいいた場合ばあいもあるが、性的せいてき興奮こうふんたかめるため、アダルトビデオアダルトサイトエロほん視聴しちょうしたり、性的せいてき対象たいしょう人物じんぶつや、特定とくてい場面ばめん空想くうそうしたりしながらオナニーをおこなうこともある。これらをスラングで「オカズ(ズリネタ)」「オナペット」=オナペともいう。なかにはアダルトアニメアダルトゲームなどを視聴しちょうしながらおこなものもいる。

射精しゃせいいたるまでの時間じかんは、個人こじん状況じょうきょうによってことなり、すぐに射精しゃせいするものから2時間じかん以上いじょうかけるものもいる。一度いちど射精しゃせいすると勃起ぼっき状態じょうたい一気いっき解消かいしょうされるため、短時間たんじかん連続れんぞくして射精しゃせいしようとしてもできない。オナニーをおこな頻度ひんども、ひとにより様々さまざまである。

性行為せいこうい同様どうよう一般いっぱんてきにはオナニーは他人たにんられることをけ、1人ひとりおこなうものである。しかし、それを利用りようし、本人ほんにんはんし、あえて人前ひとまえ陰茎いんけいさらさせオナニーをするようめいじ、他者たしゃられている状態じょうたい勃起ぼっき射精しゃせいなどをさせ、当人とうにん羞恥心しゅうちしん屈辱くつじょくかんあたえるなどの行為こういを、性的せいてきいじめや「性的せいてきシゴキ」、「儀式ぎしき」としておこなうこともある[注釈ちゅうしゃく 9][注釈ちゅうしゃく 10][注釈ちゅうしゃく 11]反対はんたいに、他人たにんにオナニーをられたりすることや、命令めいれい強要きょうようのもとにオナニーをすることや、他人たにんにより陰茎いんけい刺激しげきあたえられることなどで性的せいてき興奮こうふんたかまるものもいる。また、だい性徴せいちょう心身しんしん発達はったつなどからる、自分じぶん以外いがい同性どうせい性器せいきやオナニーへの好奇心こうきしん連帯れんたいかん、あるいは性的せいてき嗜好しこうから、みずかすすんで同性どうせい友人ゆうじん同士どうしなど複数ふくすうじん一緒いっしょにオナニーや射精しゃせいったりたがいに相手あいて陰茎いんけい刺激しげきしあうこともある。またそのような行為こういしょうざいとしたアダルトビデオも存在そんざいする。

女性じょせい

基本きほんてきかげかくへの刺激しげきであるが、まずかげかく包皮ほうひじょうかげかく周囲しゅうい刺激しげきあたちつ分泌ぶんぴつえき分泌ぶんぴつうながす。つぎに、ちつ分泌ぶんぴつえき指先ゆびさきにつけ、そのゆびかげかく包皮ほうひいてかげかく刺激しげきする。また、かげかく以外いがい性感せいかんたいへも刺激しげきおこなう。それをおこなうことで尿道にょうどうこうから液体えきたい現象げんしょう、いわゆる潮吹しおふいたることもある。

バイブレータ陰茎いんけいした振動しんどう)を使用しようするひともいる。また、陰部いんぶ圧迫あっぱくするだけでオーガズムにたっするというひともいる。

女性じょせい科学かがく研究所けんきゅうじょによると女性じょせいは、基本きほんてき男性だんせいちがいホルモンバランスの影響えいきょうのぞ生理せいりてき欲情よくじょう発生はっせいしないため外的がいてき要因よういんによって、のう興奮こうふん状態じょうたい必要ひつようがあるとされている。そのれいとして「きな男性だんせいきついてくること」や「実際じっさい性交せいこうおよぶことをイメージする」などがあげられる一方いっぽうで「ポルノ映画えいがなどのシーンを想像そうぞうすることはすくない」とされている。それにくわえて純粋じゅんすいからだ気持きもちいい場所ばしょさがすことやのう興奮こうふん状態じょうたいにできるようにオナニー衣装いしょうやオナニーをおこな場所ばしょえら必要ひつようがある[22]。また女性じょせいは18さいまでにやく80%が自慰じい行為こうい経験けいけんしているという[23]

YouTubeで性教育せいきょういく動画どうがチャンネルを配信はいしんしている、助産じょさん大貫おおぬき詩織しおりは、「おおくの女性じょせいが、自分じぶん性欲せいよくずかしいものと認識にんしきしているが、セルフプレジャーは自分じぶん快楽かいらくじょうでは有効ゆうこう手段しゅだんである」と指摘してきし、女性じょせいがオナニーをするさい重要じゅうような3つのポイントを提示ていじしている[24]

道具どうぐ

オナニーはのみでおこなうことがおおいが、ひとによっては道具どうぐ使用しようする場合ばあいがある。

男性だんせい場合ばあいオナホールばれる女性じょせいちつかたちったもの挿入そうにゅうすることで、女性じょせいへの挿入そうにゅうちか快感かいかん射精しゃせいする場合ばあいもある。同様どうよう女性じょせい場合ばあいは、男性だんせいしたせいディルドーむかしはこれを「ちょうかたち」とんでいた)を使用しようする場合ばあいもある。また電動でんどう振動しんどうする「バイブレーター」をちつこう挿入そうにゅう性交せいこうちか快感かいかんものもいる[注釈ちゅうしゃく 12]

また、異性いせい人形にんぎょうラブドールダッチワイフ)を使つかって、擬似ぎじてき性行為せいこういおこなうものもいる。

前立腺ぜんりつせんなどへの刺激しげき

直腸ちょくちょうゆびせい浣腸かんちょう挿入そうにゅう刺激しげきすることをアナルオナニーぶ(りゃくしてアナニー場合ばあいもある)。たん挿入そうにゅう快感かいかんそのものをたのしむものや、S結腸けっちょう刺激しげきたのしむもの。男性だんせい射精しゃせい(オーガズム)は前立腺ぜんりつせん刺激しげきによるものであるため、エネマグラなどの器具きぐ直接ちょくせつ前立腺ぜんりつせん刺激しげきして性的せいてき快感かいかん方法ほうほうもある。この場合ばあいオーガズムたっしても射精しゃせいともなわないので、長時間ちょうじかんにわたって快感かいかんることが出来できる。この前立腺ぜんりつせんは、女性じょせいGスポットばれる部位ぶいおなじであるとかんがえられている。

医学いがくてき見地けんちからみたオナニー

通常つうじょうとく悪影響あくえいきょうはなくいたって普通ふつう行為こういである、とするのが医学いがくてきコンセンサスである[25][26][27][28][29][30][31][32]。ただし、やりかたによっては身体しんたい悪影響あくえいきょうあたえることもありうると指摘してきするきもある(後述こうじゅつ)。

身体しんたいてき影響えいきょう

男性だんせいでは、陰茎いんけいにぎ握力あくりょくつよすぎたり、陰茎いんけいゆかにこすりつけながらおこなうオナニー(ぞくゆかオナとばれる)など、刺激しげきつよいオナニーを継続けいぞくすることで、女性じょせいちつないでの射精しゃせいおこなえなくなる、ちつない射精しゃせい障害しょうがいがおこりる。これは男性だんせい不妊症ふにんしょうせい機能きのう障害しょうがい一種いっしゅでもある[33][34]くわしくは当該とうがい項目こうもく参照さんしょう

オナニーの有用ゆうようせいについて

オナニーする女性じょせい グスタフ・クリムト1913ねん

みずからのゆびよごしながら人間にんげん人間にんげんであることを確認かくにんする行為こういである。上記じょうきのように、オナニーにかんする道徳どうとくてき議論ぎろん影響えいきょうなかで、オナニーがからだがいおよぼすという公正こうせい世界せかい幻想げんそうは、オナニーがからだいという発見はっけん一般いっぱん浸透しんとうさせることをさまたげてきたが、下記かきのように学問がくもん世界せかいでは常識じょうしきである[35][36][37][38]おおくのメンタルヘルスサークルでは、オナニーをすることによってうつびょう症状しょうじょう緩和かんわされ、自尊心じそんしんたかまるとされている[35]

国際こくさいてき集団しゅうだんマスターベーションイベント「マスターベータソン」のホストであるキャロル・クイーン英語えいごばんは、 「なぜマスターベーションをするのか?」といういにたいし、ひとにとって究極きゅうきょく恋人こいびと自分じぶん自身じしんであるとし、マスターベーションは自己じこあいよろこびにちた表現ひょうげんであり、究極きゅうきょくセーフセックスであるという。また、マスターベーションはせいかんする意識いしきたかめ、心臓しんぞう血管けっかん骨盤こつばん筋肉きんにくきたえる効果こうかがあり、ストレスの軽減けいげん前立腺ぜんりつせん感染かんせんしょうちつカンジタなどの予防よぼうつながるなど、健康けんこうじょう利益りえきがあると主張しゅちょうしている[36]

現代げんだいてきかんがえではオナニーを性交せいこう練習れんしゅうとしてとらえる傾向けいこうもある。自身じしん性的せいてき快楽かいらく習得しゅうとく方法ほうほうまな方法ほうほうとして有用ゆうようであり、同時どうじにパートナーの性的せいてき快楽かいらく理解りかい把握はあくする訓練くんれん利用りようできるとするものである[39][40]

セックスもマスターベーションも血圧けつあつげる効用こうようがある。ある調査ちょうさによれば、最近さいきんマスターベーションをしたひとは、なんせい行動こうどうおこなっていないひとくらべて血圧けつあつひくかったという[37]

男女だんじょ性的せいてき快楽かいらく陰茎いんけいかげかくかめ頭部とうぶ主体しゅたいとなるが、いち箇所かしょ刺激しげきのみではきにおちいりやすい。このためオーガズムに到達とうたつする時間じかん長引ながびくか、あるいは意欲いよく喪失そうしつすることがある。そこであらたな刺激しげきもとめ、身体しんたいかめ頭部とうぶ以外いがい場所ばしょ性感せいかんたい)を刺激しげきしたり、エロティックな視聴覚しちょうかく対象たいしょうなどで興奮こうふんたかめたりする。これは性交せいこうにおいてもおなじであり、回避かいひ方法ほうほう習得しゅうとくしパートナーとの性的せいてき快楽かいらくをよりよい方向ほうこうみちび学習がくしゅうとしても有用ゆうようである。

2016ねんにハーバード大学だいがく公衆こうしゅう衛生えいせい教室きょうしつから発表はっぴょうされた、アメリカじん男性だんせいやく20年間ねんかん追跡ついせき調査ちょうさした研究けんきゅうによると20だいときつき21かい以上いじょう射精しゃせいしていたひと前立腺ぜんりつせんがんのリスクは、4~7かいひとよりも2わりすくなかった[38]

オナニー行動こうどう

オナニーは、老若男女ろうにゃくなんにょわずられる行為こういだが、とく性的せいてき欲求よっきゅうたか思春期ししゅんき - 結婚けっこんまえ若者わかものに、よくられる。

また、思春期ししゅんきまえであってもオナニーはおおおこなわれ、女児じょじでは、まれつきかげかく快感かいかんられ[41]性器せいき刺激しげきするほか、つくえかく性器せいきをこすりつけたり布団ふとんをはさんだりする。男児だんじでは、刺激しげきするほか、ゆかにこすりつけたりし、行為こうい次第しだいでは男児だんじ女児じょじともオーガズムをられる。このオーガズムは成人せいじんわりないが、男児だんじでは精子せいし生産せいさんされないために、女児じょじのように性器せいき律動りつどう運動うんどうのみが観察かんさつされる。オーガズムを年齢ねんれいキンゼイらの報告ほうこくによれば1さい未満みまんでも習得しゅうとく可能かのうであることがしめされており、べつ研究けんきゅうしゃによればおんな胎児たいじ胎内たいないでオーガズムに行動こうどう観察かんさつしたという報告ほうこくもある。

幼児ようじオナニーについての議論ぎろんには、それと対比たいひして、思春期ししゅんき以降いこうのオナニーを、他者たしゃとの性的せいてき接触せっしょく異性いせいとの性器せいき結合けつごう想像そうぞうしながらおこなう、性交せいこう代替だいたい行為こういとらえるきがあり、幼児ようじのオナニーにはそのような性的せいてき意味合いみあいがなく、たん気持きもちがいいからさわっている、もしくは陰部いんぶなすけているのだとし、そのような幼児ようじのうちからオナニーをしているからといって将来しょうらい心配しんぱいするようなものではない[42]とする意見いけんがある。

しかし、精通せいつうむかえたばかりの思春期ししゅんき初期しょき男児だんじ性交せいこう代替だいたい行為こういとしてオナニーをしているのか、ただたん気持きもちがいいからしているのか、たん気持きもちがいいからしているオナニーは性的せいてきなものではないのか、その境界きょうかいしめ調査ちょうさデータは存在そんざいしない。

日本にっぽんせい教育きょういく協会きょうかいだい2かいせい行動こうどう調査ちょうさによると、男性だんせい女性じょせいくらべてかなりはや段階だんかいでオナニーを経験けいけんする傾向けいこうがある[43]。マスターベーション世界せかい調査ちょうさ(2018ねん)では世界せかい18かこくちゅうもっとはつ体験たいけん年齢ねんれいわかいのは日本にっぽんである(平均へいきん14.6さい[44]。ただしならったことがあるとこたえた割合わりあい日本にっぽん最下位さいかいであった(14%)。

オナニーは病気びょうきでもなくがいもないが、つつしむべきものとする風潮ふうちょう以前いぜんはあった。だが、現在げんざい性教育せいきょういくでは、こうした否定ひていてき評価ひょうか従前じゅうぜんくらべると、やや緩和かんわされつつある。男性だんせいでは射精しゃせいともなうことから、行為こうい場合ばあいによってはかなり疲労ひろうおぼえる。快楽かいらくたかいちおぼえるとなんかえす、いわゆる中毒ちゅうどくになる場合ばあいがあるが、それは医学いがくてき問題もんだいはない。

オナニーは一人ひとりおこな行為こういであるので、他人たにんから干渉かんしょうけないように一人ひとりになれる場所ばしょおこなうのが通常つうじょうである。そのため他人たにんのオナニーをにする機会きかいはあまりないので、それをてみたい・せたいとおもものもあり、アダルトビデオではひとつのジャンルとなっている。また、夫婦ふうふやカップルにおいては、性行為せいこういのひとつのバリエーションとしてたがいにオナニーをう(「相互そうごオナニー」「相互そうご観賞かんしょうとうという)こともおこなわれる。さらには、男性だんせいきゃくのオナニーを女性じょせい店員てんいんせるオナニークラブ(オナクラ)とばれる風俗ふうぞくてんもある。

薬物やくぶつ副作用ふくさよう

ドーパミン受容じゅようたいパーシャルアゴニスト作用さようゆうするアリピプラゾール(エビリファイ)を使用しようちゅう異常いじょう性欲せいよく異常いじょう頻繁ひんぱんなマスターベーション)や性的せいてき倒錯とうさく性的せいてき本能ほんのう)の発症はっしょうれい報告ほうこくされている[45]アメリカ食品しょくひん医薬品いやくひんきょく (FDAは、アリピプラゾールによる強迫きょうはくてき性的せいてき行動こうどう警告けいこくしている[46]

オナニーにかんする統計とうけい調査ちょうさ

オナニーの経験けいけんりつ開始かいし年齢ねんれい頻度ひんど

日本にっぽんせい教育きょういく協会きょうかいおこなったアンケート結果けっかによると、1999ねんまでの調査ちょうさでは、としうごとに中学生ちゅうがくせいのオナニーの経験けいけんりつたかまる、オナニー開始かいし年齢ねんれい早期そうき傾向けいこうしめしていたが、その遅延ちえんてんじている。中学生ちゅうがくせい(1年生ねんせいから3年生ねんせい在籍ざいせきしゃ)、高校生こうこうせいどう)の経験けいけんりつが1999ねんから2011ねんにかけて1わり以上いじょう減少げんしょうしているのにたいし、大学生だいがくせい経験けいけんりつは3%の減少げんしょうにとどまっていることから、オナニーをしないそう顕著けんちょ増加ぞうかしたのではなく、開始かいし年齢ねんれい遅延ちえんしているものといえる。

オナニー経験けいけんりつ推移すいい[47] [48] [49] [50]
0
50
100
(%)
経験けいけんりつ
大学生だいがくせい
高校生こうこうせい
中学生ちゅうがくせい
1987
92.2
81.2
30.0
1993
91.5
80.7
33.0
1999
94.2
86.1
41.6
2005
94.4
79.8
28.1
2011
91.1
74.6
23.0
2017
92.2
78.4
25.4

設問せつもん「あなたは、自慰じい(マスターベーション、オナニー)をしたことがありますか。」に「ある」(2005ねん調査ちょうさまで)、「1かげつ以内いない経験けいけんがある」および「経験けいけんはあるが、ここ1かげつはしていない」(2011ねん調査ちょうさ)と回答かいとうした男子だんし学校がっこう種別しゅべつ割合わりあい調査ちょうさ対象たいしょう中学生ちゅうがくせい追加ついかした1987ねんだいかい調査ちょうさ以降いこう数値すうち。)

オナニー経験けいけんしゃ年齢ねんれいべつ割合わりあい
年齢ねんれい 12さい 13さい 14さい 15さい 16さい 17さい 18さい 19さい 20さい 21さい
1999ねん[47] 13.8% 27.6% 46.3% 67.4% 80.6% 87.9% 93.7% 88.7% 98.6% 85.7%
2005ねん[48] 20.0% 15.1% 30.4% 48.9% 69.5% 83.0% 89.6% 92.2% 94.9% 93.8%

設問せつもん「あなたは、自慰じい(マスターベーション、オナニー)をしたことがありますか。」に「ある」(2005ねん調査ちょうさまで)、「1かげつ以内いない経験けいけんがある」および「経験けいけんはあるが、ここ1かげつはしていない」(2011ねん調査ちょうさ)と回答かいとうした男子だんし年齢ねんれいべつ割合わりあい。)

ソフト・オン・デマンド首都しゅとけんの16さいから59さい男女だんじょたいしてった2009ねん[51] および2012ねん [52]調査ちょうさによると、男性だんせいのオナニー開始かいし年齢ねんれい平均へいきんは2009ねん調査ちょうさで13.2さい、2012ねん調査ちょうさで13.4さいで、オナニーを開始かいしした年齢ねんれいもっとおおいのが2009ねん調査ちょうさでは12さいやく22%)、2012さい調査ちょうさでは13さいやく25%)で、2009ねん調査ちょうさ、2012ねん調査ちょうさとも、11さいから14さいまでのあいだにおよそ6わりがオナニーを経験けいけんしたと回答かいとうしている。

オナニーの頻度ひんどについては、16さい~19さいしゅう4~5かい以上いじょうオナニーをすると回答かいとうした男性だんせいは42.1%、しゅう1かい以上いじょうオナニーをすると回答かいとうした男性だんせいは89.9%にたっする。 おなじく16さい~19さい女性じょせいかんしてはしゅう4~5かい以上いじょうのオナニーは35%と、男性だんせいくらべてややすくないが、しゅう1かい以上いじょうオナニーをすると回答かいとうした女性じょせいは80%以上いじょうたっする。女性じょせいせいたいして男性だんせいよりおおやけはなしにくい傾向けいこうがあるため、16%の女性じょせい回答かいとう結果けっかとなったが、実際じっさいにオナニーをしている女性じょせいかずはこの結果けっかよりおおいものだと認識にんしきされている。

設問せつもん「あなたの過去かこ1年間ねんかんのマスターベーション(オナニー、自慰じい頻度ひんどはどのくらいですか」にたいする16さい~19さい男性だんせい女性じょせい回答かいとう

また、オナニーをする場所ばしょについては下表かひょうのようになる。

オナニーをしたことがある場所ばしょ[52]
場所ばしょ 普段ふだんしている 普段ふだんしている
+ したことがある
自分じぶん部屋へや(ベッドや布団ふとん以外いがい 62.8% 92.7%
ベッドや布団ふとんなか 31.2% 69.0%
自宅じたくのトイレ 12.4% 48.5%
風呂場ふろば 7.5% 67.8%
職場しょくば学校がっこうのトイレ 1.5% 23.5%

設問せつもん「あなたはどこでマスターベーション(オナニー、自慰じい)をしたことがありますか。あてはまるものをすべておえらびください」の回答かいとう結果けっか上位じょうい5けん

男性だんせいかんしてはオナニーをする場合ばあい陰茎いんけい上下じょうげこす行為こうい一般いっぱんてきであるが、女性じょせいかんしてはかげかく(クリトリス)、ちつない肛門こうもん乳首ちくびとう刺激しげきするなど様々さまざまである。調査ちょうさによると、クリトリスが45%、ちつないが38%と、女性じょせい刺激しげき全体ぜんたいの83%をめる。

設問せつもん「オナニー、自慰じいおこなうとき、どこを一番いちばん刺激しげきしますか?」にたいする20さい~30さい女性じょせい回答かいとう

動物どうぶつれい

動物どうぶつ自慰じい行為こういAnimal masturbation)としては、うま鹿しかパンダヤマアラシセイウチコウモリとりなど霊長れいちょうるい以外いがい様々さまざま種族しゅぞく確認かくにんされている[53]高度こうど知能ちのう霊長れいちょうるいが、快楽かいらくのために道具どうぐ使つか自慰じい行為こうい報告ほうこくされていて、2016ねん果物くだもの欠片かけらもちいたチンパンジー自慰じい確認かくにんされ[53]、2018ねんにも人間にんげんてたペットボトルもちいた行為こうい確認かくにんされている[53]。2022ねんにはカナダのレスブリッジ大学だいがく研究けんきゅう[54]さるカニクイザル)がいし性器せいきける行動こうどう観察かんさつされている[53][54]

脚注きゃくちゅう

注釈ちゅうしゃく

  1. ^ 「せんずりは浅瀬あさせかわわたもり 竿ざおをにぎってかはをあちこち」のもある。
  2. ^ 緒方おがた洪庵こうあんやくした『扶氏経験けいけん遺訓いくん』が初出しょしゅつ[2]
  3. ^ 一人ひとりおこなうことから、「ふたりエッチ」の逆説ぎゃくせつ
  4. ^ 1730ねんだい15はんが、1778ねんにはだい22はんた。
  5. ^ とく表面ひょうめんてきには禁欲きんよくてきとされたヴィクトリアあさ反対はんたいろんおおくなった。グレアム・グリーン短篇たんぺん、『医師いしクロンビー』に、クロンビーというオナニーでガンに罹患りかんするという先生せんせい登場とうじょうする[14]
  6. ^ 開化かいかセクソロジー
  7. ^ ラフト=エビングはオーストリアの精神せいしん医学いがくしゃ性的せいてき倒錯とうさく研究けんきゅうしょとして著名ちょめいな『性的せいてき精神せいしん病理びょうり (Psychopathia Sexualis)』を1886ねん公刊こうかんした。「サディズム」「マゾヒズム」という言葉ことばした人物じんぶつでもある。
  8. ^ 巣鴨すがも病院びょういん勤務きんむしていた山本やまもと宗一そういちは、そこで出会であったさんにんの「手淫しゅいん偏執狂へんしゅうきょう」の症例しょうれい報告ほうこくおこなっている。
  9. ^ サッカー選手せんしゅデイビッド・ベッカムが16さいだった1991ねん、サッカーのユースチームの入門にゅうもんするさい先輩せんぱいらから儀式ぎしきしょうしてめいじられ、かれらやチームメイトのまえ男性だんせいサッカー選手せんしゅ写真しゃしんながらオナニーをさせられた。当時とうじ入団にゅうだんするものみながどう行為こういをさせられた。ベッカムによれば、その行為こういはチームに入団にゅうだんするさい儀式ぎしきとして長年ながねんわたおこなわれていたが、ベッカムの時代じだいわらせることができた。[20]
  10. ^ 大阪産業大学おおさかさんぎょうだいがく付属ふぞく高校こうこう同級生どうきゅうせい殺害さつがい事件じけん被害ひがいしゃ加害かがいしゃ人前ひとまえ自慰じい強要きょうよう、その報復ほうふく[21]などで行為こうい社会しゃかいてきられるようになった。性的せいてきいじめ参照さんしょうのこと。
  11. ^ 2001ねん日本にっぽん映画えいがリリィ・シュシュのすべて」のげきちゅうで、パシリチンピラびつけた男子だんし中学生ちゅうがくせい市原いちはら隼人はやと)にたいして夜間やかん屋外おくがいでオナニーを強要きょうようし、それにおうじる場面ばめんがある。
  12. ^ ただし一般いっぱんにマッサージよう流通りゅうつうしているバイブレーターの場合ばあい防水ぼうすいせい考慮こうりょされていないので、女性じょせい使用しようする場合ばあい感電かんでん危険きけんせいがある。

出典しゅってん

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  3. ^ 現代げんだい用語ようご基礎きそ知識ちしきイミダス若者わかもの用語ようご風俗ふうぞくしもネタ分野ぶんや記事きじ
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  10. ^ フーコーせい歴史れきし[ようページ番号ばんごう]
  11. ^ a b c d e ディディエ=ジャック・デュシェ『オナニズムの歴史れきし[ようページ番号ばんごう]
  12. ^ 括弧かっこ内訳うちわけ、「オナニズムの歴史れきし」でのわけまま
  13. ^ モッセ『ナショナリズムとセクシュアリティ―市民しみん道徳どうとくとナチズム』[ようページ番号ばんごう]
  14. ^ 度会わたらい好一よしかず『ヴィクトリアあさせい結婚けっこん』(中公新書ちゅうこうしんしょ1997ねん参照さんしょう[ようページ番号ばんごう]
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  31. ^ Sigel, Lisa Z. (Summer 2004). “Masturbation: The History of the Great Terror by Jean Stengers; Ann Van Neck; Kathryn Hoffmann”. Journal of Social History (Oxford: Oxford University Press) 37 (4): 1065–1066. doi:10.1353/jsh.2004.0065. ISSN 0022-4529. JSTOR 3790078. "Stengers and Van Neck follow the illness to its fairly abrupt demise; they liken the shift to finally seeing the emperor without clothes as doctors began to doubt masturbation as a cause of illness at the turn of the twentieth century. Once doubt set in, scientists began to accumulate statistics about the practice, finding that a large minority and then a large majority of people masturbated. The implications were clear: if most people masturbated and did not experience insanity, debility, and early death, then masturbation could not be held accountable to the etiology that had been assigned it. Masturbation quickly lost its hold over the medical community, and parents followed in making masturbation an ordinary part of first childhood and then human sexuality." 
  32. ^ Wood, Kate (Mar 2005). “Masturbation as a Means of Achieving Sexual Health by Walter Bockting; Eli Coleman”. Culture, Health & Sexuality (London: Taylor and Francis, Ltd.) 7 (2): 182–184. ISSN 1369-1058. JSTOR 4005453. "In the collection's introductory chapter, Eli Coleman describes how Kinsey's research half a century ago was the first in a series of studies to challenge widely prevalent cultural myths relating to the 'harmful' effects of masturbation, revealing the practice to be both common and non-pathological. Subsequent research, outlined by Coleman in this chapter, has shown masturbation to be linked to healthy sexual development, sexual well-being in relationships, self-esteem and bodily integrity (an important sexual right). As such, the promotion and de-stigmatization of the practice continue to be important strategies within sexology for the achievement of healthy sexual development and well-being.

    The collection concludes with two surveys among US college students. The first of these was based on limited quantitative questions relating to masturbation. The findings suggest that masturbation is not a substitute for sexual intercourse, as has often been posited, but is associated with increased sexual interest and greater number of partners. The second of these surveys asks whether masturbation could be useful in treating low sexual desire, by examining the relationship between masturbation, libido and sexual fantasy."
     
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参考さんこう文献ぶんけん

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