ネギ

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ねぎから転送てんそう
ネギAPG植物しょくぶつ分類ぶんるい体系たいけい
ネギ
分類ぶんるい
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ Angiosperm
階級かいきゅうなし : たん子葉しようるい Monocots
: キジカクシ Asparagales
: ヒガンバナ Amaryllidaceae
ぞく : ネギぞく Allium
たね : ネギ A. fistulosum
学名がくめい
標準ひょうじゅん: Allium fistulosum L. (1753)[1]

狭義きょうぎ: Allium fistulosum L. var. giganteum Makino (1910)[2]

シノニム
  • Allium fistulosum L. var. bouddhae Prokh. (1973)[3]
  • Allium bouddhae Debeaux (1878)[4]
和名わみょう
ネギ
英名えいめい
Welsh onion[5]
Leek[5]

ネギねぎ学名がくめい: Allium fistulosum)は、原産地げんさんち中国ちゅうごく西部せいぶ中央ちゅうおうアジアとする植物しょくぶつである。ひがしアジアでは食用しょくよう栽培さいばいされており、日本にっぽんでは野菜やさいひとつとしてあつかわれている[6]分蘖ぶんけつしておもみどり部分ぶぶんべる「ネギ」と、細長ほそながくのびておもしろさや部分ぶぶんべる「ながネギ」(根深ねぶかネギ)とばれる系統けいとうがある。

クロンキスト体系たいけいではユリとされていたが[7]APG植物しょくぶつ分類ぶんるい体系たいけいではヒガンバナネギネギぞく分類ぶんるいされる。

名称めいしょう[編集へんしゅう]

和名わみょうネギ由来ゆらいは、古名こみょう「き」によるとされる。別名べつめいは「一文字いちもんじ(ひともじ)」「とめ」。「あさつき」「浅葱あさつきしょく(あさぎいろ)」「分葱わけぎ(わけぎ)」などにその影響えいきょうのこっている。現在げんざいの「ネギ」は「ねぎ」からきているとわれ、くきのようにえるさや基部きぶしろ部分ぶぶんを、見立みたてたからとするせつがある[8]日本にっぽん古名こみょうでは「冬葱わけぎ」「祢木」とされ、「き()」ともいう。枝分えだわかれしたかたちが「ひと」のているからともいう。

学名がくめいたね小名しょうみょう fistulosumラテン語らてんごで「中空なかぞらの」という意味いみをもつ。ネギの標準ひょうじゅん学名がくめいは、Allium fistulosum L. であり[1]狭義きょうぎのネギでは、Allium fistulosum L. var. giganteum Makino [2]学名がくめいとしている。

英語えいごではリーク(Leek[9]、またはウェルシュ・オニオン(Welsh onion[10]ふつめいはチブーラ(ciboule)、シヴァ(cive)など[11]ばれ、中国ちゅうごく植物しょくぶつめいねぎ(そう)[7]という。英名えいめいの "Welsh" はドイツの "welsch" に由来ゆらいし「外国がいこくの」という意味いみである[12]

擬宝珠ぎぼうしゅ京都きょうと五条ごじょう大橋おおはし

日本にっぽんでは収穫しゅうかくされたネギのことを、収穫しゅうかく時期じきによって「なつネギ」と「ふゆネギ」にけており、またしろ部分ぶぶんおおいネギは「根深ねぶかネギ」、みどり部分ぶぶんおおいネギを「ネギ」とんでいる[13]東日本ひがしにっぽんではたんに「ネギ」というと、成長せいちょうとともに盛上もりあげててないようにしてつくった風味ふうみつよふと根深ねぶかネギ(ちょうねぎしろネギ)をし、は「ワケギ」「アサツキ」「万能ばんのうネギ」「九条くじょうねぎ」などの固有こゆうめいんで区別くべつをする。西日本にしにほんではててつくったほそネギを「あおネギ」とい、根深ねぶかネギは「しろネギ」「ネブカ」などと場合ばあいもある。こうした地域ちいきうすらぐ傾向けいこうにある[6]

なお、アサツキは植物しょくぶつしゅ学名がくめいAllium schoenoprasum var. foliosum)であるが、青果せいか市場いちばではネギをわかりしたものを「あさつき」とぶこともある[14]

ネギにまつわる言葉ことばおお[8]。ネギのはな坊主ぼうずあたま連想れんそうさせるため「葱坊主ねぎぼうず」(ねぎぼうず)とよぶ。はし欄干らんかんにつくネギ坊主ぼうずかざりを「擬宝珠ぎぼうしゅ」(ぎぼし)[注釈ちゅうしゃく 1]というが、「なずらえたから」とはネギ坊主ぼうずのことをあらわした言葉ことばである[8]萌葱色もえぎいろねぎ若芽わかめのような黄色おうしょくびた緑色みどりいろ浅葱あさつきしょくうすねぎにちなんだあかるいあお緑色みどりいろのことである。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

はたけ栽培さいばいされる多年草たねんそう[7][15]分蘖ぶんけつしにくい1ほんネギの品種ひんしゅと、分蘖ぶんけつしやすい品種ひんしゅがある[5]。また、地方ちほうごとに多数たすう在来ざいらい品種ひんしゅがある[5]

ネギのしろさや(ようしょう)の部分ぶぶんと、緑色みどりいろからなってかさなり、一見いっけんするとくきのようにえことからにせくきとよんでいる[13][16]管状かんじょうふとく、先端せんたんとがり、しろっぽいこないた緑色みどりいろで、粘液ねんえきふくんでいる[13]ふゆ低温ていおん感応かんおうして花芽かがができ、はるとう(とう)ちして花序かじょがつき開花かいかする[16]。ネギの花序かじょは、あいだからびた円柱えんちゅうじょう花茎かけい先端せんたんにつき、ぞくに「ネギ坊主ぼうず」とばれる。ネギ坊主ぼうずうす膜質まくしつそうつとつつまれて、なか多数たすうしょうはながあり、しろ緑色みどりいろはな密集みっしゅうしてかせる[17]

歴史れきし[編集へんしゅう]

中国ちゅうごく西部せいぶシベリア中央ちゅうおうアジアアルタイ地方ちほうあたりの乾燥かんそう地帯ちたい原産げんさんといわれ[18][10][8]古代こだい中国ちゅうごくかんだいかれた『れい』などの記録きろくから、紀元前きげんぜん200ねんごろにはすで中国ちゅうごく栽培さいばいされていたことがかっている[8]

日本にっぽんには奈良なら時代じだい渡来とらいし、ふるくからしたしまれてきた野菜やさいである[9]。そのため、各地かくち在来ざいらいしゅもつくられている[19]。『日本書紀にほんしょき』(720ねん成立せいりつ)の仁賢天皇にんけんてんのう6ねん493ねん)9がつに「あきねぎ」の登場とうじょうするのが日本にっぽん最古さいこ記録きろくといわれている[8]ヨーロッパへは16世紀せいきになってつたわったが、あまり普及ふきゅうはしなかった[8]

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

大別たいべつすると、おもしろ部分ぶぶん食用しょくようにする根深ねぶかネギ(あおネギ)と、緑色みどりいろ部分ぶぶんべるネギがある[8]。ふつう関東かんとう地方ちほうでは下仁田しもにたねぎ代表だいひょうされる根深ねぶかネギけいが、関西かんさいでは九条くじょうねぎ代表だいひょうされるネギけいこのまれる傾向けいこうがある[20]。いくつか品種ひんしゅぐんがあり、下仁田しもにたねぎなどの加賀かがぐんかん分布ぶんぷし、千住せんじゅねぎぐん関東かんとう地方ちほう中心ちゅうしん根深ねぶかねぎとして栽培さいばいされ、九条くじょうねぎぐん西日本にしにほんおお栽培さいばいされている[8]。このほか、茨城いばらきけん一部いちぶ栽培さいばいされる千住せんじゅぐんあかねぎなどがある[8]

根深ねぶかねぎで商業しょうぎょうてきおお栽培さいばいされるほとんどのものはF1たね雑種ざっしゅだいいちだい)であるが、日本にっぽん各地かくち栽培さいばいされるながネギは固定こていしゅ在来ざいらいしゅ)もおお栽培さいばいされている[18]在来ざいらいしゅには、ふとしネギやがりネギ、あかネギなど、さまざまな形態けいたいをもつネギがられる[19]

変種へんしゅ[編集へんしゅう]

  • Allium fistulosum L. var. giganteum Makino狭義きょうぎネギ
  • Allium fistulosum L. var. viviparum Makinoヤグラネギ

根深ねぶかねぎ[編集へんしゅう]

別名べつめいながネギ」「しろネギ」、あるいは「ふとしネギ」ともよばれる関東かんとう地方ちほうおお出回でまわっている系統けいとう加賀かがけい千住せんじゅけい)で、おもしろ部分ぶぶんさや)を食用しょくようする[21]さやびるにつれて、土寄つちよせし、さやを軟白栽培さいばいしたもので、大抵たいていはネギのなかではたけなが[22]。また、ネギとくらべて、くき根元ねもとから分蘖ぶんけつしにくい品種ひんしゅがある[21]

宮城みやぎけん仙台せんだい福島ふくしまけん栃木とちぎけんなどでは「がりねぎ」という栽培さいばいほうがあり、盛上もりあげながらある程度ていどそだてたら、あらたにったりいちいたりして横向よこむきになおすことにより、植物しょくぶつひかりかってびる性質せいしつによってネギがまがる。これは、そううすかったり地下水ちかすいたかかったりする土地とちでネギをつくる方法ほうほうだとわれる。このような栽培さいばい手間てまがかかるため、作付さくづけ面積めんせきすくない。

下仁田しもにたねぎ
  • 深谷ふかやねぎ - 埼玉さいたまけん深谷ふかや銘柄めいがら薬味やくみ鍋物なべもの煮物にもの料理りょうりなどにいている[23]
  • 下仁田しもにたネギ - 群馬ぐんまけん下仁田しもにたまち名産めいさんで、別名べつめい殿様とのさまねぎ」ともばれている。かぶかれない1ほんネギで、ふとくてみじかいのが特徴とくちょう[23]肉質にくしつはやわらかで、なまでは辛味からみがあるが、加熱かねつ調理ちょうりすると濃厚のうこうあまみが[19][20]
  • うえしゅうネギ - 下仁田しもにたネギとながネギをかけた、ふとめの1ほんネギ。さや部分ぶぶんながくてしろく、煮込にこむとあまみが[23]
  • 千住せんじゅねぎ東京とうきょう千住せんじゅ
  • 越谷こしがやねぎ - 埼玉さいたまけん越谷こしがや銘柄めいがら白身しろみがしっかりとまり、料理りょうり使つかってもくずれぜず、辛味からみあまみが絶妙ぜつみょうなのが特徴とくちょう。その品質ひんしつたかさから高級こうきゅう食材しょくざいとして名高なだかく、都内とない有名ゆうめい料亭りょうてい高級こうきゅう料理りょうりてん蕎麦そばなどでも使つかわれている[24]
  • きりねぎ千葉ちばけん松戸まつど
  • かぶネギ神奈川かながわけん相模原さがみはら
  • 西谷にしたにねぎ - 神奈川かながわけん横浜よこはま保土ケ谷ほどがやつたわる伝統でんとう野菜やさいひとつ。ぶんけつする根深ねぶかねぎであり、株分かぶわけをて1ねんはんかけて栽培さいばいされる[25]
  • あかねぎ - アントシアニン色素しきそつため、あかむらさきかわがあるのが特徴とくちょうかわをむくとなかしろい。加熱かねつすると独特どくとくあまみが[20]
    • あかヒゲネギ - 茨城いばらきけん水戸みと地方ちほう在来ざいらい選抜せんばつ改良かいりょうしゅで、5 - 10ほんくらいに分蘖ぶんけつするあかネギのたね[19]明治めいじ時代じだい西洋せいようあかネギとの交配こうはいからできた「あくつ(あくつ)ネギ」をもとに、改良かいりょうされたうちのいち品種ひんしゅ[26]さやともにやわらかく、あまみがある[23]
    • 平田ひらたあかネギ - 山形やまがたけん庄内しょうない地方ちほうあかネギ品種ひんしゅで、明治めいじ時代じだいあかタマネギと交雑こうざつしたとされる[27]ふとく、ずんぐりしたかたちで、やわらかく苦味にがみすくない[23]
    • ひたちべにっこ - 茨城いばらきけんあかネギ品種ひんしゅさや部分ぶぶんあかむらさき発色はっしょくする。やわらかくて加熱かねつするとあまみがすため、鍋物なべもの[23]
  • 徳田とくたねぎ岐阜ぎふけん
  • 越津こしづネギ(愛知あいちけん土寄つちよせをするが、なかにはねぎにちか部分ぶぶんおお品種ひんしゅもある。
  • 大和やまとふとしネギ - 奈良ならけんきゅう大和やまとこく)の品種ひんしゅさきやわらかく、アリシンがのほかのネギよりも豊富ほうふなまでは辛味からみつよいが、煮込にこ料理りょうりきネギなどの加熱かねつ調理ちょうり[23]
  • がりねぎ:ななめにけて、自然しぜんななめにがってがったかたちになるネギ。

ねぎ[編集へんしゅう]

別名べつめいあおネギ」ともよばれる系統けいとうきゅうじょうけい)で、みどり部分ぶぶんおおくてやわらかく、関西かんさいこのまれている[19][10]根深ねぶかネギとくらべて、ちかくき部分ぶぶんから分蘖ぶんけつしやすい特徴とくちょうがある[19]土寄つちよせをしないでそだて、ながくてやわらかい部分ぶぶんべる[22]

  • 難波なんばねぎ大阪おおさか
  • 九条くじょうねぎ - 関西かんさいこのまれる京都きょうと発祥はっしょう伝統でんとう野菜やさいなつ収穫しゅうかくするほそあおネギの「九条くじょうほそネギ」(浅黄あさぎたね)と、ふゆの「九条くじょうふとしネギ」(くろしゅ)がある[23]浅黄あさぎしゅのほうは、かぶがよく分蘖ぶんけつする[19]ふとしネギのほうは土寄つちよせして軟白おおそだてるとあまみのあるネギになる[26]みどり部分ぶぶんながくてやわらかく、くき両方りょうほうとも、もの鍋物なべもの薬味やくみなどに使つかわれる[29][23][26]
  • 岩津いわつねぎ兵庫ひょうごけん
  • 結崎ゆうざきネブカ奈良ならけん大和やまと野菜やさいひとつ)
  • 観音かんのんネギ広島ひろしまけん
  • 谷田部やたべネギ しろ部分ぶぶんおお
  • ネギ 別名べつめいネギ」(神奈川かながわけん小田原おだわら
  • ヤグラネギ(さんがいねぎ)ちたネギを栽培さいばいする
  • しょうねぎ万能ばんのうネギ) - 九条くじょうほそねぎの改良かいりょう品種ひんしゅで、あおネギをわかりしたもの。よう中華ちゅうか食材しょくざいなまでも調理ちょうりして使用しようされ[30]おも薬味やくみ汁物しるもの使つかわれる[31]
  • みさきネギ - 九条くじょうネギけいほそ分蘖ぶんけつするネギ。かおりがく、きざんで薬味やくみいている[31]
  • ひめネギ - ながさ9 cmほどのみずこう栽培さいばいでつくられる極細ごくぼそのネギ。灰汁あくすくなく、かおりがたかいことから、汁物しるもの料理りょうりかざりに使つかわれる[31]

栽培さいばい[編集へんしゅう]

はたけ栽培さいばいされる根深ねぶかネギ。くきさや)をしろくするため、土寄つちよせしてうねたかくしてつくる。

ネギのしゅんふゆであるがしゅうねん栽培さいばいおこなわれていて、はるたねをまいてふゆ収穫しゅうかくする「はるまき栽培さいばい」と、あきたねをまいてなつからあき収穫しゅうかくする「あきまき栽培さいばい」がある[16]栽培さいばい方法ほうほうはややむずかしく、栽培さいばい時期じきはふつうはる(3がつ)にたねをまき、ふゆから翌年よくねん3がつ春先はるさきまで収穫しゅうかくする。耐寒たいかんせいたいあつせいともにつよく、乾燥かんそうにもつよいという性質せいしつがあり[16]栽培さいばい適温てきおんは15 - 20発芽はつが適温てきおんは15 - 28とされる[32][33]。しかし、湿度しつどにはよわく、とく根深ねぶかネギは通気つうきせいのよい土壌どじょうそだてられる[16]連作れんさく可能かのうという意見いけん[32]連作れんさく障害しょうがいがあるためおなはたけでは1 - 2ねんけるようにするという意見いけんがある[33]栽培さいばいてきする土壌どじょう酸度さんどpH 6.5 - 7.0で[33]はたけ栽培さいばいはじめる1かげつまえ全体ぜんたいてき石灰せっかい堆肥たいひれてごくあさたがやしておく[34]基本きほんはたけなえそだてて、けのとき堆肥たいひわらなどをれて、土寄つちよせをおこないながらそだてていく[5]根深ねぶかネギとネギの栽培さいばい方法ほうほうちがいについては、関西かんさい土壌どじょうは、関東かんとう北日本きたにっぽんくらべてそうあさく、おもいために栽培さいばい方法ほうほうちがいにつながったとされている[19]。ネギ坊主ぼうずがつくころになると品質ひんしつそこねるため、はやめに収穫しゅうかくする[16]

根深ねぶかネギの栽培さいばい[編集へんしゅう]

根深ねぶかネギ(ながネギ)は、はる(3 - 4がつ)にたねをまいてなえつくり、初夏しょか(6 - 7がつ)になえはたけふゆ収穫しゅうかくする「はるまき」栽培さいばいと、あき(9がつ)にたねをまいてよくはる(4がつ)になえけ、あき収穫しゅうかくする「あきまき」栽培さいばいさくがたがある[32][5]しろ部分ぶぶんそだてるには、てないようにかぶ土寄つちよせすることが重要じゅうようになり、1かげつに1かい頻度ひんど土寄つちよせと追肥ついひおこなっていく[32][31][33]あき(10がつごろ)からが収穫しゅうかくで、翌年よくねん初春しょしゅん(3がつ)をむかえるまでふゆあいだなが期間きかん収穫しゅうかくできる[32]根深ねぶかネギは土寄つちよせをかえしながらさやながそだてるので、りょう制限せいげんされるプランター栽培さいばいにはいていない[33]F1品種ひんしゅいちだい雑種ざっしゅ)の根深ねぶかネギは、よく直線ちょくせんてきそだてるのが基本きほんであるが、在来ざいらいしゅがりねぎぐんは、栽培さいばいされる産地さんち冬季とうき土壌どじょうこおるため、あさなな横向よこむきになええて、わざとげてつくられる[19]

種子しゅし発芽はつがりつわるほういやこうせいであるので、すじまきですこおおめに播種はしゅしてから覆土ふくどをして鎮圧ちんあつし、乾燥かんそうさせないようにみずやりをする[35][5]発芽はつがしてなえができたら覆土ふくど追肥ついひおこなって、株間かぶま隙間すきまくようにあいだおこなっていく[35][5]なえ草丈くさたけが7 - 8センチメートル (cm) のころと、その1かげつの2かいにわたり、なえのわきにみぞをつくって追肥ついひほどこしてかる土寄つちよし、ながさ20センチメートル (cm) 、鉛筆えんぴつくらいのふとさ(直径ちょっけい8 - 10 mm)のなえ仕上しあげる[36][34]まえはたけ元肥もとごえ必要ひつようとせず、日当ひあたりのムラをくす目的もくてき東西とうざい方向ほうこうふかさ30 cmほどのみぞったところに、株間かぶま7 - 8 cm程度ていどなえななめにてかけるように自立じりつさせて定植ていしょくする[36][33]ながネギのおおくの酸素さんそ吸収きゅうしゅうする性質せいしつがあり、完全かんぜんめると酸素さんそ不足ふそく生育せいいくわるくなる[33]。これを防止ぼうしするため、ったみぞなかいねわらった雑草ざっそうれることがおこなわれる[33][37]

根深ねぶかネギでは、定植ていしょくは2週間しゅうかんから1かげつ間隔かんかく追肥ついひ土寄つちよせおこなって、くきしろそだてる軟化なんか栽培さいばいつづけていくが、いちかぶせてしまうと生長せいちょうできなくなるため、なえびるにしたがってかれ分蘖ぶんけつ)までかぶせるように、すこしずつけて土寄つちよせがおこなわれる[35]土寄つちよせでさや遮光しゃこうされると、しろやわらかくなるのに3 - 4週間しゅうかんほどかかる[33]。そのため、草体そうたいおおきくつくってから軟白にりかかるのが大切たいせつで、追肥ついひ生育せいいく前半ぜんはんに、土寄つちよせは生育せいいく後半こうはん重点じゅうてんくようにする[38]。ネギ坊主ぼうずはな)がたら、生長せいちょうさまたげになるのでみとってしまう[36]緑葉りょくよう生長せいちょうまってあき気温きおんがってくるとネギがあまみがして収穫しゅうかくとなり、「はるまき」ではよくはるにネギ坊主ぼうずあらわれてかたくなってしまうまえまでに収穫しゅうかくおこなわれる[35][36]。軟白いためないようにくわなどでほりげ、軟白をよくしてからって収穫しゅうかくする[38]

固定こていしゅたねることができる[36]たねをとる場合ばあいは、交雑こうざつしやすいことから品種ひんしゅとは離隔りかくされたかたち優良ゆうりょうなネギをはたけのこし、ネギ坊主ぼうずくろ結実けつじつしたころにたねをとる[19]もと品種ひんしゅ固定こていしゅであれば、かたちのよい1ほんちのものをえらんで採種さいしゅする[39]。F1品種ひんしゅ採種さいしゅした場合ばあい代目だいめ以降いこう分離ぶんりして両親りょうしん形質けいしつあらわれてしまい、ぶんげつしてしまうなどいち代目だいめおな品質ひんしつ再現さいげんのぞめない[39]

分蘖ぶんけつネギは株分かぶわけしてそだてるとよく、はる(4がつ下旬げじゅんごろ)にうね株間かぶま15cmほどで1ほんえで株分かぶわけをおこない、初秋しょしゅう(9がつ)に1、2ほんえで定植ていしょくする[36]

ネギの栽培さいばい[編集へんしゅう]

ネギは、たねまきから収穫しゅうかくまでにやく2 - 3かげつほどで収穫しゅうかくできる[32]年間ねんかんつうじて栽培さいばいしやすく、収穫しゅうかく時期じきわせて品種ひんしゅ使つかける[40]なえそだかたは、根深ねぶかネギの栽培さいばいじゅんじておこな[40]かぶちいさいうちは酸性さんせい土壌どじょうよわいため、石灰せっかい土壌どじょう酸度さんど中和ちゅうわし、はたけふかさ1 cmほどのみぞつくって、たねちょくきしていく[41]10日とおかほどで発芽はつがし、1だけやく3 cm間隔かんかくになるようにあいだきをおこな[41]一般いっぱんには、分蘖ぶんけつかぶかれ)したほそネギでの利用りようとなるので、1カ所かしょに5 - 6ほんまとめて、株間かぶま12 - 20 cmとひろめにとってける[40]ネギ栽培さいばいでは土寄つちよせはごく少量しょうりょうしかおこなわないため、みぞふかさ6 - 8 cmとあさめとする[40]。2週間しゅうかんごとに追肥ついひおこない、草丈くさたけ30 - 40 cmのころに収穫しゅうかくむかえる[41]収穫しゅうかくは、かぶもとから3 - 4 cmのところでハサミでって収穫しゅうかくおこない、追肥ついひつづけることで再生さいせいしてさい収穫しゅうかく可能かのうとなる[41]収穫しゅうかくえるときはかぶごと[41]

分蘖ぶんけつたねおおネギでは、たねをとらなくても株分かぶわやすことができる[19]。なお、京都きょうと特産とくさん西日本にしにほんひろ栽培さいばいされる「九条くじょうふとしネギ」はほとんど分蘖ぶんけつしないので、根深ねぶかネギにじゅんじて栽培さいばいする[40]

病虫害びょうちゅうがい[編集へんしゅう]

ネギは病虫害びょうちゅうがいつよ作物さくもつであるが[41]病虫害びょうちゅうがいとしては、ネギハモグリバエシロモジヨトウ[42]アブラムシがついたり、ベとやまい[注釈ちゅうしゃく 2]さびびょうにかかったりする場合ばあいがある[33]。ネギの表面ひょうめんはろう物質ぶっしつおおわれていて、薬剤やくざいがつきにくいため、薬剤やくざいてんざいくわえてから薬剤やくざい散布さんぷする[38]なえけるとき、根元ねもと半熟はんじゅく堆肥たいひまたはわらをかけるて通気つうきをよくすることで、アブラムシやあかさびびょう予防よぼうにつながる[36]。べとやまいこううねみずはけよく管理かんりし、肥料ひりょう過多かたにならないように注意ちゅういして予防よぼうする[44]

ネギは作物さくもつ病気びょうき害虫がいちゅう予防よぼう効果こうかねらって、しばしばユウガオキュウリなどのウリ野菜やさいや、トマトナスホウレンソウなどのはたけこんうえされるコンパニオンプランツ利用りようされる[45]

生産せいさん[編集へんしゅう]

ながねぎの出荷しゅっか状態じょうたいれい

日本にっぽんでは全国ぜんこくてき栽培さいばいされているが、しゅ産地さんち千葉ちばけん茨城いばらきけん埼玉さいたまけん青森あおもりけんなどの東日本ひがしにっぽん地域ちいきである[8]いちねんつうじて安定あんていてき供給きょうきゅうされているが、なつねぎは北海道ほっかいどうさん秋冬あきふゆねぎは群馬ぐんまけんさんおお[8]輸入ゆにゅうひん中国ちゅうごくさん大半たいはんめ、1997ねんまでは冷凍れいとう主体しゅたい輸入ゆにゅうであったが、1998ねん以降いこう生鮮せいせんひん輸入ゆにゅうりょう急増きゅうぞうしている[8]

日本にっぽん単位たんい面積めんせきたりの生産せいさんだか世界一せかいいちで、生産せいさんだか世界せかい2である。人口じんこうおお広大こうだい土地とち中国ちゅうごくにおける生産せいさんだか世界せかい1である。

野菜やさい比較ひかくして塩害えんがいつよいとされており、2002ねん台風たいふう21ごう関東かんとう地方ちほう上陸じょうりく九十九里浜くじゅうくりはま周辺しゅうへんはたけでは塩害えんがいによって野菜やさい街路がいろじゅれたのにたいし、ネギだけはれずにのこっていた逸話いつわがある[46]JA山武さんぶぐんではこれをヒントに海水かいすいをかけて栽培さいばいした「九十九里くじゅうくり かいねぎ」を販売はんばいしている[47]

日本にっぽん国内こくない産地さんちあつまる「全国ぜんこくねぎサミット」がひらかれている[48]

栄養えいよう[編集へんしゅう]

根深ねぶかねぎ 軟白 せい[49]
100 gあたりの栄養えいよう
エネルギー 143 kJ (34 kcal)
8.3 g
食物しょくもつ繊維せんい 2.5 g
0.1 g
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 0.02 g
あたい飽和ほうわ 0.02 g
1.4 g
ビタミン
ビタミンA相当そうとうりょう
(1%)
7 µg
(1%)
82 µg
チアミン (B1)
(4%)
0.05 mg
リボフラビン (B2)
(3%)
0.04 mg
ナイアシン (B3)
(3%)
0.4 mg
パントテンさん (B5)
(3%)
0.17 mg
ビタミンB6
(9%)
0.12 mg
葉酸ようさん (B9)
(18%)
72 µg
ビタミンC
(17%)
14 mg
ビタミンE
(1%)
0.2 mg
ビタミンK
(8%)
8 µg
ミネラル
カリウム
(4%)
200 mg
カルシウム
(4%)
36 mg
マグネシウム
(4%)
13 mg
リン
(4%)
27 mg
鉄分てつぶん
(2%)
0.3 mg
亜鉛あえん
(3%)
0.3 mg
どう
(2%)
0.04 mg
成分せいぶん
水分すいぶん 89.6 g
コレステロール 2 mg
水溶すいようせい食物しょくもつ繊維せんい 0.3 g
不溶性ふようせい食物しょくもつ繊維せんい 2.2 g
ビオチン(B7 1.0 µg

ビタミンEはαあるふぁ─トコフェロールのみをしめした[50]別名べつめいながねぎ 廃棄はいき部位ぶいかぶもとおよ緑葉りょくよう 
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける
成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI割合わりあい

ネギのしろ部分ぶぶんビタミンCあお部分ぶぶんにはカロテンカルシウムビタミンKなどをふくんでいる[10]根深ねぶかねぎは淡色たんしょく野菜やさいねぎは緑黄色りょくおうしょく野菜やさい分類ぶんるいされ、栄養えいようてきにもおおきな差異さいがある[8]根深ねぶかねぎよりもねぎのほう栄養素えいようそりょうおおく、ミネラルるい根深ねぶかねぎの1.5ばいから2ばいりょうふくんでおり、ビタミンるいおおく、カロテンとビタミンCはねぎのほうが圧倒的あっとうてきおお[8]

ネギの辛味からみにおのもとになっているのは硫化りゅうかアリルで、この成分せいぶん胃液いえき分泌ぶんぴつうながして、食欲しょくよく増進ぞうしん消化しょうか促進そくしん胃腸いちょう健康けんこうにするはたらきがあるといわれている[9]硫化りゅうかアリルは体内たいない分解ぶんかいされることによりアリシン変化へんかする。アリシンは、豚肉ぶたにくなどにおおふくまれるビタミンB1吸収きゅうしゅうたかめて、疲労ひろう回復かいふく睡眠すいみん改善かいぜん効果こうか期待きたいされている[9]

食用しょくよう[編集へんしゅう]

1ねんつうじて流通りゅうつうするが、食材しょくざいとしてのしゅん冬場ふゆば(12月 - 2がつ)である[9]野菜やさいとしては、しろ部分ぶぶん弾力だんりょくがあってつやがあり、緑色みどりいろ白色はくしょく境目さかいめがはっきりしていて、あお部分ぶぶんにくあつでしっかりいてかたく、さきから根元ねもとまで全体ぜんたいりがあるものが良品りょうひんとされる[9][10]

日本にっぽんではふるくから冷奴ひややっこ蕎麦そばうどんなどの薬味やくみとしてもちいられるほか、いたぶつぬたしるなべ料理りょうりかせない食材しょくざいひと[8]。ネギ特有とくゆうにおいがつよいことから「葷」のひとつ「きん葷食」ともされる。料理りょうり脇役わきやくとしてあつかわれることが一般いっぱんてきだが、ネギはねぎ根深ねぶかネギはスープなどで主食しゅしょくざいとしてもあつかわれる。ネギの先端せんたんにみられる「ネギ坊主ぼうず」もわかいものなら、いたぶつてんぷらにすると、タマネギのようなあまみがありべられる[23]

せい薬味やくみとして使つか場合ばあいでは、小口切こぐちきりや千切せんぎりにしてからみずにさらすと辛味からみおさえられ、千切せんぎりにしたものはとくに「白髪はくはつねぎ」とよんで料理りょうりかざりに使つかわれる[20]。ただし、長時間ちょうじかんみずにさらすと硫化りゅうかアリルも一緒いっしょながてしまうため、みずにつける時間じかんはなるべく短時間たんじかんますのがよい[20]

料理りょうり[編集へんしゅう]

日本にっぽん料理りょうりこのんで使つかわれるが、西洋せいよう料理りょうりでも使つかわれる[8]サラダ冷奴ひややっこ納豆なっとう蕎麦そばなど麺類めんるいべるさいなまのまま食用しょくようとする場合ばあいがある。また、いて(ネギマなど)べることもあるが、味噌汁みそしるやネギマじるなどのなべ料理りょうりれたり、いたぶつ使用しようしたり、カツ丼かつどん(タマネギの場合ばあいも)やかも南蛮なんばんなどで食材しょくざいとして利用りようしたりするのが一般いっぱんてきである。ふゆのネギは特有とくゆうあまみがあり、にく脂身あぶらみともよくうため、香味こうみ野菜やさいとしてすきかもなべなどのにく料理りょうり使つかわれる[32]

味噌みそ使用しようし「ねぎみそ」をつくり、各種かくしゅ料理りょうり酒肴さけさかな(ツマミ)とされることもある。ねぎを食用しょくようげ、エキスを抽出ちゅうしゅつしたねぎ市販しはんされている。

保存ほぞん[編集へんしゅう]

乾燥かんそうけて保存ほぞんするのが基本きほんである。根元ねもと湿しめらせたキッチンペーパーなどでつつんで、時々ときどきらして乾燥かんそうさせないようにてておくと、使つかいかけであっても常温じょうおん保存ほぞんができる[10]

どろきネギはあらったり、外皮がいひいたりしたネギよりも長期ちょうき保存ほぞんがきく[10]普通ふつう新聞紙しんぶんしいて冷暗所れいあんしょてておいて保存ほぞんするが、鮮度せんどがよいどろきネギであれば、めておくとさらに長期ちょうき保存ほぞんができる[10]

薬効やっこう[編集へんしゅう]

ソウハク
生薬きぐすり・ハーブ
原料げんりょう ネギ(くきしろ部分ぶぶん)
成分せいぶん 硫化りゅうかアリル
臨床りんしょうデータ
法的ほうてき規制きせい
  • 規制きせいつからない。
投与とうよ経路けいろ 経口けいこうけいがわなど
識別しきべつ
KEGG E00347
別名べつめい ねぎしろ
テンプレートを表示ひょうじ

精油せいゆ成分せいぶんアリルサルフィド(含硫化合かごうぶつ)を全体ぜんたいふくんでおり、鎮静ちんせいなる発汗はっかん利尿りにょうなどの作用さようをもつといわれている[17]薬用やくようとする部位ぶいはネギのしろくき部分ぶぶんで、しろ部分ぶぶんきざんで天日てんじつ乾燥かんそうしたものが生薬きぐすりになり、ねぎしろ(そうはく)としょうして、風邪かぜやのどのいたみに使つかわれる[7]。また、むかしから殺菌さっきん作用さようがあることがられ、風邪かぜをひいたときにネギをべさせるのが習慣しゅうかんになってきた[8]

ネギは硫化りゅうかアリル一種いっしゅである催涙さいるい成分せいぶんふくんでおり、この成分せいぶん血液けつえきかたまりにくくして、血栓けっせんふせぐとともに、血糖けっとうげて血圧けつあつ上昇じょうしょうおさえるはたらきもみとめられており、生活せいかつ習慣しゅうかんびょう抑制よくせいする効果こうかがあるとみられている[8]世界せかいてき使つかわれているアスピリンという消炎しょうえん鎮痛ちんつうざいがあるが、ネギの催涙さいるい成分せいぶんは、ヒトの体内たいないでアスピリンとほぼおな機能きのう発揮はっきして鎮痛ちんつう解熱げねつ作用さようがあることがわかってきている[8]。なお、この催涙さいるい成分せいぶんねぎよりも、根深ねぶかねぎのほうがおおふくまれている[8]

伝統でんとうてき民間みんかん療法りょうほうでは、風邪かぜ初期しょき症状しょうじょうにネギをこまかくきざみいれた湯飲ゆのみに、味噌みそしょうゆ鰹節かつおぶし、おろしショウガくわえて、熱湯ねっとうそそいでしばらくいてから方法ほうほうられている[7][17]せいのネギをきざんで、そばやうどんの薬味やくみおおめにれてべて、すぐに就寝しゅうしんしても同様どうよう効果こうか期待きたいできる[17]

ひらたももえんなどののどのれやいたみには、ネギで湿布しっぷすると役立やくだつとされ、ながさ4 - 5 cmにったネギを熱湯ねっとうにしばらくひたしてからし、すぐにたていてから内側うちがわのぬめり部分ぶぶんをのどの左右さゆうててガーゼやタオルなどでおさえてゆたか湿布しっぷにする[7][17]。またネギをきざんで熱湯ねっとうそそいでから、ひえましたえき時々ときどきうがいしても同様どうよう効果こうかがあるといわれている[17]

ネギぞく植物しょくぶつ[編集へんしゅう]

リーキ(ポロネギ)

ヨーロッパではチャイブリーキなどが栽培さいばいされている。

  • リーキ(ポワロ、ポロネギ) - 西洋せいよう、フランスではポピュラーな洋種ようしゅネギの一種いっしゅで、別名べつめい「ポロネギ」ともよばれる。日本にっぽんながネギよりもふと[23]加熱かねつするとあまみがしてくずれしにくい。煮込にこ料理りょうりやグラタンなどに使つかわれる[20]
  • チャイブ(セイヨウアサツキ)
  • ワケギ分葱わけぎ) - 植物しょくぶつがくじょうはネギと別種べっしゅ[30]。ネギとタマネギの交雑こうざつしゅで、複数ふくすうかれてぼそそだつ。江戸えど時代じだいから冬葱わけぎ(ふゆぎ)とよばれて栽培さいばいされていた[31]
  • アサツキ浅葱あさつき) - 万能ばんのうねぎにたワケギとおな仲間なかまで、砂丘さきゅう栽培さいばいされる。かおりと香味こうみがあっておも薬味やくみとして使つかわれ、鱗茎りんけいごとべられる[31]

  ただし、分類ぶんるいかんしては現在げんざいではチャイブの変種へんしゅとされ、ワケギ(たまねぎとねぎの雑種ざっしゅ固定こていしたもの)や万能ばんのうねぎ(しょうねぎ)の仲間なかまではないとされている。

動物どうぶつへの影響えいきょう[編集へんしゅう]

タマネギと同様どうように、イヌネコなど動物どうぶつべた場合ばあいには、アリルプロピルジスルファイドにより血液けつえきなか赤血球せっけっきゅう破壊はかいされ、血尿けつにょう下痢げり嘔吐おうと発熱はつねつこす[51]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 擬宝珠ぎぼうしゅ」はべつべつぞく植物しょくぶつギボウシ(ギボシ)」もあらわす。
  2. ^ 低温ていおん多湿たしつ梅雨つゆ秋雨あきさめ発生はっせいするカビ(糸状いとじょうきん由来ゆらい病気びょうき。ネギるいでは黄白こうはくしょくになってれる[43]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]