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様々 さまざま な野菜 やさい 。
野菜 やさい (やさい、英 えい : vegetable )は、食用 しょくよう の草本 そうほん 植物 しょくぶつ の総称 そうしょう [1] 。水分 すいぶん が多 おお い草本 そうほん 性 せい で食用 しょくよう となる植物 しょくぶつ を指 さ す[2] 。主 おも に葉 は や根 ね 、茎 くき (地下茎 ちかけい を含 ふく む)、花 はな ・つぼみ ・果実 かじつ を副食 ふくしょく として食 た べるものをいう。
並 なら べられた野菜 やさい 。
野菜 やさい は一般 いっぱん には食用 しょくよう の草本 そうほん 植物 しょくぶつ をいう[1] 。ただし、野菜 やさい の明確 めいかく な定義 ていぎ づけは難 むずか しい問題 もんだい とされている[3] [4] 。たとえばイネとトウモロコシは、日本 にっぽん においてはイネは野菜 やさい ではなく穀物 こくもつ であり、トウモロコシは野菜 やさい であると同時 どうじ に穀物 こくもつ である。
園芸 えんげい 学 がく 上 うえ において野菜 やさい とは「副食物 ふくしょくぶつ として利用 りよう する草本 そうほん 類 るい の総称 そうしょう 」をいう[5] 。例 たと えばイチゴ 、スイカ 、メロン は園芸 えんげい 分野 ぶんや では野菜 やさい として扱 あつか われ[3] [6] 、農林水産省 のうりんすいさんしょう 「野菜 やさい 生産 せいさん 出荷 しゅっか 統計 とうけい 」でもイチゴ、スイカ、メロンは「果実 かじつ 的 てき 野菜 やさい 」(果菜 かさい )として野菜 やさい に分類 ぶんるい されている[5] 。青果 せいか 市場 いちば ではこれらは果物 くだもの (果実 かじつ 部 ぶ )として扱 あつか われ[6] [7] 、厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう の「国民 こくみん 栄養 えいよう 調査 ちょうさ 」[5] や日本 にっぽん 食品 しょくひん 標準 ひょうじゅん 成分 せいぶん 表 ひょう でも「果実 かじつ 類 るい 」で扱 あつか われている[3] [1] 。また、日本 にっぽん 食品 しょくひん 標準 ひょうじゅん 成分 せいぶん 表 ひょう において「野菜 やさい 類 るい 」とは別 べつ に「いも類 るい 」として扱 あつか われているもの(食品 しょくひん 群 ぐん としては「いも及 およ びでん粉 ぷん 類 るい 」に分類 ぶんるい )は一般 いっぱん には野菜 やさい として扱 あつか われている[1] [5] 。また、ゼンマイ やツクシ といった山菜 さんさい については野菜 やさい に含 ふく めて扱 あつか われることもあり[4] [7] 、木本 もくほん 性 せい の植物 しょくぶつ であるタラ たら の芽 め やサンショウ の葉 は も野菜 やさい の仲間 なかま として扱 あつか われることがある[4] 。さらに、日本 にっぽん 食品 しょくひん 標準 ひょうじゅん 成分 せいぶん 表 ひょう において種実 たねざね 類 るい に分類 ぶんるい されるヒシ なども野菜 やさい として取 と り扱 あつか われる場合 ばあい がある[1] 。
日本 にっぽん では慣用 かんよう 的 てき に蔬菜 そさい (そさい)と同義語 どうぎご となっている[8] [9] [10] 。ただし、「蔬菜 そさい 」は明治 めいじ 時代 じだい に入 はい ってから栽培 さいばい 作物 さくもつ を指 さ して用 もち いられるようになった語 かたり で[7] [10] 、本来 ほんらい は栽培 さいばい されたものではない野菜 やさい や山菜 さんさい などと厳密 げんみつ な区別 くべつ があった[11] 。しかし、その後 ご 、山菜 さんさい 等 とう も栽培 さいばい されるようになった結果 けっか としてこれらの厳密 げんみつ な区別 くべつ が困難 こんなん になったといわれ[11] 、「野菜 やさい 」と「蔬菜 そさい 」は学問 がくもん 的 てき にも全 まった く同義語 どうぎご として扱 あつか われるようになっている[11] 。そして、「蔬菜 そさい 」の「蔬」の字 じ が常用漢字 じょうようかんじ 外 そと であることもあって一般 いっぱん には「野菜 やさい 」の語 かたり が用 もち いられている[12] 。なお、野菜 やさい は青物 あおもの (あおもの)とも呼 よ ばれる[1] 。京浜急行 けいひんきゅうこう には「青物 あおもの 横丁 よこちょう 駅 えき 」がある。
代表 だいひょう 的 てき な野菜 やさい [ 編集 へんしゅう ]
代表 だいひょう 的 てき な野菜 やさい
画像 がぞう
名前 なまえ (学名 がくめい )
食用 しょくよう 部位 ぶい
原産地 げんさんち
類縁 るいえん 種 しゅ
世界 せかい 生産 せいさん 量 りょう (100万 まん トン;2012)[13]
キャベツ Brassica oleracea
葉 は 、腋芽 えきが 、茎 くき 、花 はな
ヨーロッパ
キャベツ、赤 あか キャベツ 、コールラビ 、ケール 、メキャベツ 、カリフラワー 、ブロッコリー 、カイラン
70.1
カブ Brassica rapa
塊茎 かいけい 、葉 は
アジア
カブ、ルタバガ 、ハクサイ 、チンゲンサイ 、ノザワナ 、コマツナ 、アブラナ (菜 な の花 はな )、ミズナ 、タアサイ
ダイコン Raphanus sativus
根 ね 、葉 は 、種子 しゅし 鞘 さや 、種子 しゅし 油 ゆ 、芽 め
東南 とうなん アジア
ダイコン、ハツカダイコン (ラディッシュ)
ニンジン Daucus carota
塊根 かいこん
イラン
ニンジン
36.9[n 1]
ゴボウ Arctium lappa
塊根 かいこん
ユーラシア
ゴボウ
レタス Lactuca sativa
葉 は 、茎 くき 、種子 しゅし 油 ゆ
エジプト
レタス、ステムレタス
24.9
インゲンマメ Phaseolus vulgaris Phaseolus coccineus Phaseolus lunatus
種子 しゅし 、鞘 さや
中央 ちゅうおう アメリカおよび南 みなみ アメリカ
インゲンマメ、ベニバナインゲン 、リママメ
44.6[n 2]
ソラマメ Vicia faba
種子 しゅし 、鞘 さや
北 きた アフリカ西南 せいなん アジアから南 みなみ アジア
ソラマメ
エンドウマメ Pisum sativum
種子 しゅし 、鞘 さや 、芽 め
地中海 ちちゅうかい から中東 ちゅうとう
エンドウマメ、スナップエンドウ
28.9[n 2]
ジャガイモ Solanum tuberosum
塊根 かいこん
南 みなみ アメリカ
ジャガイモ
365.4
ナス Solanum melongena
果実 かじつ
南 みなみ アジアおよび東 ひがし アジア
ナス
48.4
トマト Solanum lycopersicum
果実 かじつ
南 みなみ アメリカ
トマト
161.8
キュウリ Cucumis sativus
果実 かじつ
南 みなみ アジア
キュウリ
65.1
カボチャ Cucurbita spp.
果実 かじつ 、花 はな
メソアメリカ
カボチャ、ズッキーニ
24.6
タマネギ Allium cepa
球根 きゅうこん , 葉 は
アジア
タマネギ、ネギ 、ワケギ 、エシャロット
87.2[n 2]
ニンニク Allium sativum
球根 きゅうこん
アジア
ニンニク
24.8
トウガラシ Capsicum annuum
果実 かじつ
南北 なんぼく アメリカ
トウガラシ、ピーマン 、パプリカ 、シシトウ
34.5[n 2]
ホウレンソウ Spinacia oleracea
葉 は
中央 ちゅうおう アジアから西南 せいなん アジア
ホウレンソウ
21.7
サトイモ Colocasia esculenta
塊茎 かいけい 、葉柄 ようへい
東南 とうなん アジア
サトイモ、タロイモ 、タイモ
ヤムイモ Dioscorea spp.
塊茎 かいけい
アフリカ熱帯 ねったい 地域 ちいき
ヤムイモ、ヤマノイモ
59.5
サツマイモ Ipomoea batatas
塊茎 かいけい , 葉 は , 苗 なえ 条 じょう
中央 ちゅうおう アメリカおよび南 みなみ アメリカ
サツマイモ
108.0
キャッサバ Manihot esculenta
塊茎 かいけい
南 みなみ アメリカ
キャッサバ
269.1
^ ニンジンとカブの合算 がっさん
^ a b c d 乾物 かんぶつ 及 およ び生 なま 野菜 やさい の合算 がっさん
多種 たしゅ 多様 たよう な野菜 やさい 。
需要 じゅよう 部位 ぶい による分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
野菜 やさい は食用 しょくよう とする部位 ぶい (需要 じゅよう 部位 ぶい )の違 ちが いから、一般 いっぱん に根 ね を食用 しょくよう 部位 ぶい とする根菜 こんさい 類 るい 、地下 ちか あるいは地上 ちじょう の茎 くき を食用 しょくよう 部位 ぶい とする茎 くき 菜 さい 類 るい 、葉 は や葉柄 ようへい を食用 しょくよう 部位 ぶい とする葉菜類 ようさいるい 、花序 かじょ や花弁 はなびら を食用 しょくよう 部位 ぶい とする花 はな 菜 さい 類 るい 、未熟 みじゅく 果 はて や熟 じゅく 果 はて を食用 しょくよう 部位 ぶい とする果菜 かさい 類 るい に分 わ けられる[14] [15] [16] 。
果菜 かさい 類 るい (実 み もの野菜 やさい 、成 な り物 ぶつ 野菜 やさい ともいう)
なお、日本 にっぽん ではこのほかの分類 ぶんるい 法 ほう として総務 そうむ 省 しょう 「日本標準 にっぽんひょうじゅん 商品 しょうひん 分類 ぶんるい 」では根菜 こんさい 類 るい 、葉 は 茎 くき 菜 さい 類 るい 、果菜 かさい 類 るい の3つに分類 ぶんるい され[16] [19] 、農林水産省 のうりんすいさんしょう 「野菜 やさい 生産 せいさん 出荷 しゅっか 統計 とうけい 」では根菜 こんさい 類 るい 、葉 は 茎 くき 菜 さい 類 るい 、果菜 かさい 類 るい 、果実 かじつ 的 てき 野菜 やさい 、香辛 こうしん 野菜 やさい の5つに分類 ぶんるい されている[5] 。
植物 しょくぶつ 学 がく 的 てき に属 ぞく する科 か に注目 ちゅうもく すると、その野菜 やさい の特徴 とくちょう がみえてくる。同 おな じ科 か どうしの野菜 やさい であれば、見 み た目 め や味 あじ 、栄養 えいよう 価 か が似 に ているほか、栽培 さいばい する上 じょう での基本 きほん 的 てき な育 そだ ち方 かた が似通 にかよ っている。
同 おな じ野菜 やさい 名 めい であっても、種類 しゅるい によってはさまざまな品種 ひんしゅ が作 つく られているものもあり、個々 ここ に品種 ひんしゅ 名 めい がつけられている。品種 ひんしゅ 名 めい には、産地 さんち の名前 なまえ が由来 ゆらい となっているもの、地域 ちいき で特別 とくべつ に名付 なづ けたもの、品種 ひんしゅ 改良 かいりょう を行 おこな った人物 じんぶつ や種苗 しゅびょう 会社 かいしゃ が名付 なづ けたものなどさまざまである。品種 ひんしゅ 名 めい がそのまま商品 しょうひん 名 めい (商標 しょうひょう 名 めい )となったり、同 おな じ品種 ひんしゅ でも産地 さんち によって異 こと なる商標 しょうひょう 名 めい になることもあり、地域 ちいき の特産 とくさん 品 ひん になるとブランド名 めい として独自 どくじ の名前 なまえ をつけることもある。
野菜 やさい にはF1 品種 ひんしゅ (雑種 ざっしゅ 第 だい 一 いち 代 だい ) とよばれるものがある。F1 品種 ひんしゅ は、異 こと なる品種 ひんしゅ を人工 じんこう 的 てき に交配 こうはい して、病気 びょうき に強 つよ い・形 かたち が揃 そろ いやすい・栽培 さいばい 期間 きかん が短 みじか いなどの長所 ちょうしょ となる特性 とくせい を持 も たせたもので、流通 りゅうつう している野菜 やさい の多 おお くはF1 品種 ひんしゅ だといわれている。F1 品種 ひんしゅ の特性 とくせい は一 いち 代 だい 限 かぎ りのため、種 たね を取 と って翌年 よくねん 栽培 さいばい しても一 いち 代目 だいめ と同 おな じ特性 とくせい の野菜 やさい には育 そだ たない。そのため、F1 品種 ひんしゅ は種苗 しゅびょう 会社 かいしゃ が種 たね を作 つく り、栽培 さいばい 農家 のうか が毎年 まいとし その種 たね を購入 こうにゅう する必要 ひつよう がある。
固定 こてい 種 しゅ や在来 ざいらい 種 しゅ とよばれる野菜 やさい は、長 なが い年月 としつき をかけて優良 ゆうりょう な個体 こたい から種 たね を取 と り、特性 とくせい を固定 こてい していくことでできた品種 ひんしゅ である。遺伝 いでん 的 てき にも安定 あんてい しており、地方 ちほう によっては多 おお くの固定 こてい 種 しゅ が作 つく り継 つ がれていった。現在 げんざい 、地方 ちほう の伝統 でんとう 野菜 やさい とよばれている品種 ひんしゅ は、こうした受 う け継 つ がれて栽培 さいばい されたことによって、その地域 ちいき の在来 ざいらい 種 しゅ となったものである。
緑黄色 りょくおうしょく 野菜 やさい と淡色 たんしょく 野菜 やさい [ 編集 へんしゅう ]
野菜 やさい は栄養 えいよう 面 めん で見 み ると、可 か 食 しょく 部分 ぶぶん のカロテン 含有 がんゆう 量 りょう の違 ちが いによって緑黄色 りょくおうしょく 野菜 やさい と淡色 たんしょく 野菜 やさい に分 わ けられる。日本 にっぽん の厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう では「原則 げんそく として可 か 食 しょく 部 ぶ 100g当 あ たりカロテン 含量が600μ みゅー g以上 いじょう の野菜 やさい 」[23] [5] を緑黄色 りょくおうしょく 野菜 やさい と定義 ていぎ している。緑黄色 りょくおうしょく 野菜 やさい は色 いろ が濃 こ い野菜 やさい が多 おお く、ホウレンソウ 、ニンジン 、カボチャ などがその代表 だいひょう 例 れい である。トマト やピーマン などは、この基準 きじゅん に入 はい らないが、食 た べる回数 かいすう や量 りょう が多 おお いことから緑黄色 りょくおうしょく 野菜 やさい とみなされている。また、緑黄色 りょくおうしょく 野菜 やさい 以外 いがい の野菜 やさい は、淡色 たんしょく 野菜 やさい である。
西洋 せいよう 野菜 やさい と中国 ちゅうごく 野菜 やさい [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん において明治 めいじ 時代 じだい 以降 いこう に欧米 おうべい から導入 どうにゅう されたブロッコリー などを西洋 せいよう 野菜 やさい (洋 よう 菜 さい )という[14] 。また、日本 にっぽん において中国 ちゅうごく から1970年代 ねんだい 以降 いこう に導入 どうにゅう され普及 ふきゅう したチンゲンサイ やパクチョイ などを中国 ちゅうごく 野菜 やさい という[14] 。
夏 なつ でも涼 すず しい標高 ひょうこう 1,000メートル前後 ぜんこう の高原 こうげん で栽培 さいばい される野菜 やさい 類 るい を高原 こうげん 野菜 やさい (こうげんやさい)または高 こう 冷 ひや 地 ち 野菜 やさい (こうれいちやさい)という。明治 めいじ 以降 いこう 、長野 ながの 県 けん の軽井沢 かるいざわ において避暑 ひしょ に訪 おとず れる外国 がいこく 人 じん 客 きゃく 向 む けとして栽培 さいばい が始 はじ まった。その後 ご 各地 かくち に広 ひろ まり、ハクサイやキャベツ、レタスなど、40を超 こ える種類 しゅるい の野菜 やさい が高原 こうげん 野菜 やさい として栽培 さいばい されている[24] 。
スーパーマーケット に並 なら んだ野菜 やさい 。
野菜 やさい には旬 しゅん があるが、近年 きんねん では品種 ひんしゅ 改良 かいりょう ・作 さく 型 がた の改良 かいりょう (ハウス 栽培 さいばい など)・輸入 ゆにゅう 野菜 やさい の増加 ぞうか によって、旬 しゅん 以外 いがい の時期 じき でも市場 いちば に年間 ねんかん を通 とお して供給 きょうきゅう されるようになった。またこれらの影響 えいきょう か、近年 きんねん の野菜 やさい の味 あじ は昔 むかし よりも薄 うす くなったと感 かん じている人 ひと もいる。需要 じゅよう 形態 けいたい が変化 へんか してきており、カット野菜 やさい (切断 せつだん されて部分 ぶぶん 的 てき に販売 はんばい される野菜 やさい )や冷凍 れいとう 野菜 やさい も利用 りよう されるようになっている[5] 。ただし、カット野菜 やさい は切断 せつだん 面 めん が大 おお きい分 ぶん 、野菜 やさい の呼吸 こきゅう 量 りょう も大 おお きくなるため、品質 ひんしつ の落 お ちるスピードも速 はや くなってしまうという難点 なんてん がある[25] 。
古来 こらい 食材 しょくざい としては、野菜 やさい 類 るい はどの文化 ぶんか 圏 けん においても副 ふく 菜 さい としての性格 せいかく が強 つよ く、主食 しゅしょく はコメ やコムギ といった炭水化物 たんすいかぶつ を摂取 せっしゅ するための穀物 こくもつ であり、またタンパク質 たんぱくしつ に富 と む肉 にく や魚 さかな がごちそう として扱 あつか われるのに比 くら べ、野菜 やさい 類 るい がメインとなることは少 すく なかった。野菜 やさい 類 るい がメインとなる場合 ばあい も、うま味 み を供給 きょうきゅう する肉 にく や魚 さかな 、油 あぶら や調味 ちょうみ 料 りょう と組 く み合 あ わせて使用 しよう されることが常 つね である[26] 。また野菜 やさい 類 るい の作物 さくもつ としての比重 ひじゅう も高 たか くなく、古代 こだい にはこうした野菜 やさい 類 るい は栽培 さいばい するのではなく、食 た べられる野草 やそう を採集 さいしゅう してくることも多 おお かった。これは野菜 やさい 類 るい にエネルギー源 げん やタンパク質 たんぱくしつ に富 と むものが少 すく なく、栄養 えいよう 源 げん としてはそこまで必要 ひつよう 性 せい が高 たか くなかったことによる[27] 。やがて生活 せいかつ が豊 ゆた かになるにつれて食生活 しょくせいかつ に彩 いろど りを添 そ えるために各種 かくしゅ 栽培 さいばい 野菜 やさい の開発 かいはつ が各地 かくち で進 すす められていくが、野草 やそう 採集 さいしゅう も食糧 しょくりょう 供給 きょうきゅう 源 げん としては存続 そんぞく し、現代 げんだい においても山菜 さんさい として食卓 しょくたく をにぎわせている。
宗教 しゅうきょう ・文化 ぶんか 的 てき 理由 りゆう もしくは主義 しゅぎ として肉食 にくしょく を避 さ ける人 ひと は、一般 いっぱん に菜食 さいしょく 主義 しゅぎ 者 しゃ と呼 よ ばれるが、これは「野菜 やさい のみを食 た べる人 ひと 」という意味 いみ ではない。菜食 さいしょく 主義 しゅぎ 者 しゃ の食事 しょくじ においてもメインとなるものはエネルギー 源 みなもと となる炭水化物 たんすいかぶつ を多 おお く含 ふく む穀物 こくもつ やイモ 類 るい 、およびタンパク質 たんぱくしつ に富 と む豆 まめ 類 るい であり、野菜 やさい は副 ふく 菜 さい としての位置 いち づけにあることには変 か わりがない[26] 。
なお、主食 しゅしょく となる穀物 こくもつ は野菜 やさい に含 ふく めないことが多 おお いが、それを主食 しゅしょく としない文化 ぶんか 圏 けん では野菜 やさい として扱 あつか われることがある。たとえば、穀物 こくもつ であるトウモロコシ は日本 にっぽん などでは野菜 やさい に含 ふく まれ、欧米 おうべい でも米 べい が野菜 やさい に含 ふく まれることがある。
野菜 やさい は、洗 あら う、切 き るといった下 した ごしらえを調理 ちょうり の直前 ちょくぜん に行 おこな うのが基本 きほん である。根付 ねつ き野菜 やさい は、水 みず につけて洗 あら うことによって根元 ねもと 付近 ふきん に付着 ふちゃく した泥 どろ が落 お ちやすくなる。灰汁 あく が強 つよ い野菜 やさい の場合 ばあい は、下 しも 処理 しょり として水 みず や酢 す 水 すい 、焼 や きミョウバン 水 みず などにつけて灰汁 あく 抜 ぬ き をする。キュウリやオクラ、ニガウリのように、塩 しお をまぶして揉 も むことで食 しょく 感 かん が良 よ くなる野菜 やさい もある。野菜 やさい を切 き るときは食 た べやすく味 あじ や食 しょく 感 かん を考 かんが えて、輪切 わぎ り 、角 かく 切 ぎ り (さいの目 め 切 ぎ り)、千切 せんぎ り 、千 せん 六 ろく 本 ほん 、小口切 こぐちき り 、拍子 ひょうし 切 ぎ り 、短冊 たんざく 切 ぎ り 、半月 はんつき 切 ぎ り 、いちょう切 ぎ り 、かつらむき 、みじん切 ぎ り 、くし形 がた 切 ぎ り 、細切 こまぎ り 、斜 なな め切 ぎ り 、乱切 らんぎ り 、ささがき など、料理 りょうり に合 あ わせたさまざまな切 き り方 かた がある[29] 。
サラダ などで生 せい で食 た べる野菜 やさい は、加熱 かねつ で失 うしな われやすいビタミン などを効率 こうりつ よく摂 と ることができる。生 なま 野菜 やさい のみずみずしさ、香 かお り、爽 さわ やかな歯 は ごたえは加熱 かねつ 野菜 やさい では得 え られない魅力 みりょく がある。一方 いっぽう 、野菜 やさい を加熱 かねつ 調理 ちょうり にも特有 とくゆう のおいしさがあり、加熱 かねつ によって失 うしな われる栄養素 えいようそ もあるが、かさが減 へ ることで食 た べる量 りょう でカバーできるので、結果 けっか 的 てき に加熱 かねつ した方 ほう が多 おお くの栄養 えいよう を摂 と ることができる。
焼 や く場合 ばあい は直 ちょく 火 ひ ・オーブン ・フライパン で焼 や くなど方法 ほうほう があり、野菜 やさい 表面 ひょうめん の水分 すいぶん が抜 ぬ けて素材 そざい の旨味 うまみ も凝縮 ぎょうしゅく されて、かさも減 へ るため生 なま 野菜 やさい よりも多 おお く摂 と ることができる。蒸 ふか すと野菜 やさい が元来 がんらい 持 も つ旨味 うまみ や栄養分 えいようぶん を損 そこ なわずに加熱 かねつ できる。油 あぶら 炒 いた め は、脂 あぶら 溶性 ようせい ビタミン のビタミンA やビタミンD の吸収 きゅうしゅう 率 りつ を上 あ げる調理 ちょうり 法 ほう で、短時間 たんじかん で炒 いた めるとビタミンC の損失 そんしつ 量 りょう も少 すく なくなる。煮 に る場合 ばあい は、煮汁 にじる まで食 た べたほうが栄養 えいよう を無駄 むだ なく摂取 せっしゅ できる。油 あぶら で揚 あ げると野菜 やさい の水分 すいぶん が適度 てきど に抜 ぬ けて甘味 あまみ が出 で る。クセの強 つよ い野菜 やさい は油 あぶら で揚 あ げると食 た べやすくなるため、山菜 さんさい や苦味 にがみ のある野菜 やさい に向 む いている調理 ちょうり 法 ほう である。茹 ゆ でるときは、葉 は 野菜 やさい はたっぷりの湯 ゆ を沸騰 ふっとう させて短時間 たんじかん で茹 ゆ で上 あ げるようにする。根菜 こんさい は水 みず から入 い れてじっくりと加熱 かねつ し、デンプン 質 しつ が多 おお い芋 いも 類 るい は、加熱 かねつ に時間 じかん をかけることによって糖 とう 質 しつ がふえて甘 あま くなる。電子 でんし レンジ は、固 かた めの野菜 やさい でも短時間 たんじかん で加熱 かねつ 調理 ちょうり できる方法 ほうほう で、野菜 やさい 全体 ぜんたい をラップに包 つつ んで水分 すいぶん が抜 ぬ けて乾燥 かんそう するのを防 ふせ ぐ。電子 でんし レンジで加熱 かねつ すると、ガスレンジで加熱 かねつ するよりも短時間 たんじかん で火 ひ が通 とお り、ビタミンの損失 そんしつ が少 すく なく済 す むというメリットがある。
野菜 やさい に含 ふく まれるビタミン・ミネラル類 るい の中 なか でも、調理 ちょうり で最 もっと も失 うしな われやすい栄養素 えいようそ はビタミンC である。ビタミンCは水溶 すいよう 性 せい ビタミンであり、水 みず にさらす時間 じかん が長 なが いほど減少 げんしょう してしまう。例 たと えばニンジンを千切 せんぎ りにして水 みず に5分 ふん さらすと、ビタミンCが30%ほど減少 げんしょう する。また、ゆで時間 じかん が長 なが くなるほどビタミンCの損失 そんしつ 量 りょう が多 おお くなる。野菜 やさい を煮 に るときは、野菜 やさい を大 おお きめに切 き ったほうがビタミンCは失 うしな われにくくなる。体内 たいない で必要 ひつよう に応 おう じてビタミンAに変化 へんか するカロテンは、脂 あぶら 溶性 ようせい ビタミンであっるため、油 あぶら で調理 ちょうり することでより吸収 きゅうしゅう されやすくなる。緑色 みどりいろ が濃 こ い緑黄色 りょくおうしょく 野菜 やさい を色 いろ 鮮 あざ やかに仕上 しあ げるには、加熱 かねつ 時間 じかん を短 みじか くして、酢 す などは食 た べる直前 ちょくぜん に加 くわ えるなどの配慮 はいりょ が必要 ひつよう になる。野菜 やさい のえぐみ、渋 しぶ み、苦味 にがみ などのアクは、灰分 かいぶん 、有機 ゆうき 酸 さん 、タンニン、アルカノイドなどである。野菜 やさい によってアクに違 ちが いがあり単純 たんじゅん ではないが、大半 たいはん は水溶 すいよう 性 せい のため、茹 ゆ でたり、水 みず にさらすことによって減 へ らすことができる。ホウレンソウのようにアクが強 つよ いものは、下 した 茹 ゆ でや電子 でんし レンジ加熱 かねつ 後 ご に水 みず にさらしてアク抜 ぬ きしてから使 つか われる。
漬物 つけもの は調味 ちょうみ 料 りょう で味 あじ をつけるとともに、野菜 やさい から水気 みずけ を引 ひ き出 だ し、保存 ほぞん 性 せい を増 ま すことができる調理 ちょうり 法 ほう である。低 てい 塩分 えんぶん で手軽 てがる につくれる浅漬 あさづ け 、野菜 やさい に塩 しお を振 ふ って重石 おもし して保存 ほぞん 性 せい を高 たか める塩漬 しおづ け 、精米 せいまい の副産物 ふくさんぶつ のぬかを微生物 びせいぶつ で発酵 はっこう させて野菜 やさい を漬 つ け込 こ んだぬか漬 づ け 、酢 す ・水 みず ・砂糖 さとう を煮 に 溶 と かした甘酢 あまず に漬 つ け込 こ んだ甘酢 あまず 漬 づ け 、ハーブやスパイスで香 かお り付 づ けした酢 す に漬 つ け込 こ んだピクルス などがある。
野菜 やさい 料理 りょうり とは、野菜 やさい を主体 しゅたい とした料理 りょうり である。調理 ちょうり 法 ほう は温 ゆたか 野菜 やさい 、生 なま 野菜 やさい にわけられ、肉 にく 料理 りょうり 、魚 さかな 料理 りょうり などに対置 たいち して使 つか われる。野菜 やさい も他 た の食材 しょくざい と同 おな じく、基本 きほん 的 てき には火 ひ を通 とお すなど何 なん らかの加工 かこう をして食用 しょくよう とするものであった。このため、おひたし や和 あ え物 もの 、炒 いた め物 ぶつ (野菜 やさい 炒 いた め )、煮物 にもの 、蒸 む し物 もの 、揚 あ げ物 もの (天 てん ぷら など)など様々 さまざま な調理 ちょうり 法 ほう が開発 かいはつ された。こうした加熱 かねつ 法 ほう のほか、野菜 やさい の調理 ちょうり において非常 ひじょう に重要 じゅうよう だったものは漬物 つけもの としての利用 りよう である。多 おお くの野菜 やさい 、特 とく に葉 は 物 ぶつ 野菜 やさい は日持 ひも ちがしないが、塩 しお などで漬 つ け込 こ み漬物 つけもの とすれば非常 ひじょう に長持 ながも ちするため、保存 ほぞん 食 しょく として価値 かち が高 たか く、世界 せかい 各国 かっこく において様々 さまざま な野菜 やさい の漬物 つけもの が考案 こうあん された[38] 。こうした加工 かこう 利用 りよう に比 くら べ、野菜 やさい の生 せい での食用 しょくよう が一般 いっぱん 化 か したのはかなり遅 おそ い時代 じだい のことだった。とりわけ日本 にっぽん においては、肥料 ひりょう に下肥 しもごえ を用 もち いていたこともあり、加熱 かねつ 等 とう の加工 かこう 処理 しょり が必須 ひっす だったために野菜 やさい の生食 なましょく は非常 ひじょう に遅 おく れ、一般 いっぱん 家庭 かてい において野菜 やさい の生食 なましょく であるサラダ が一般 いっぱん 化 か したのは1970年代 ねんだい 中期 ちゅうき を待 ま たねばならなかった。
栄養 えいよう 価 か および機能 きのう 性 せい 成分 せいぶん の効果 こうか [ 編集 へんしゅう ]
食物 しょくもつ に含 ふく まれる栄養素 えいようそ の中 なか でも重要 じゅうよう なタンパク質 たんぱくしつ 、脂質 ししつ 、炭水化物 たんすいかぶつ 、ビタミン 、ミネラル は五大 ごだい 栄養素 えいようそ とよばれ、中 なか でも野菜 やさい はビタミンとミネラルを手軽 てがる に摂取 せっしゅ しやすい食材 しょくざい である。品種 ひんしゅ 改良 かいりょう が進 すす んだ現代 げんだい の野菜 やさい も、本来 ほんらい の生育 せいいく 時期 じき は決 き まっており、その野菜 やさい の特性 とくせい と栽培 さいばい 地 ち の環境 かんきょう の中 なか で自然 しぜん に収穫 しゅうかく を迎 むか えたものが旬 しゅん となる。本来 ほんらい の旬 しゅん の時期 じき に収穫 しゅうかく した野菜 やさい は、もっとも味 あじ がよくなり、栄養 えいよう 価 か も高 たか くなる。例 たと えば、冬場 ふゆば に旬 しゅん の時期 じき を迎 むか えるホウレンソウは、夏 なつ に収穫 しゅうかく したものではビタミンC量 りょう が3分 ぶん の1程度 ていど しかない。
野菜 やさい の多 おお くは無機 むき 塩類 えんるい やビタミン類 るい 、食物 しょくもつ 繊維 せんい のほかに、抗 こう 酸化 さんか 物質 ぶっしつ を含 ふく むファイトケミカル (フィトケミカル)が豊富 ほうふ で、免疫 めんえき 力 りょく を上 あ げて体内 たいない を浄化 じょうか する働 はたら きがあり、癌 がん 予防 よぼう を含 ふく めた各種 かくしゅ 健康 けんこう 維持 いじ に役立 やくだ っている。ファイトケミカルとは、植物 しょくぶつ に含 ふく まれる色素 しきそ や香 かお り、灰汁 あく などに含 ふく まれる植物 しょくぶつ 自体 じたい が有害 ゆうがい な物 もの から防御 ぼうぎょ するための物質 ぶっしつ で、ポリフェノール 類 るい 、フラボノール 、カテキン などが相当 そうとう する。
野菜 やさい の代表 だいひょう 的 てき な栄養素 えいようそ
栄養素 えいようそ
特徴 とくちょう
多 おお く含 ふく まれる主 おも な野菜 やさい
備考 びこう
ビタミンA
カロテン類 るい として含 ふく まれている脂 あぶら 溶性 ようせい ビタミンで、体内 たいない でビタミンAに変換 へんかん される。食用 しょくよう 油 ゆ と一緒 いっしょ に摂 と ると吸収 きゅうしゅう 力 りょく が上 あ がる。抗 こう 酸化 さんか 作用 さよう があり、皮膚 ひふ や粘膜 ねんまく を健康 けんこう に保 たも つ働 はたら きがある。
ニンジン、ホウレンソウ、アシタバ、ニラ、タアサイ、シュンギク、モロヘイヤ、西洋 せいよう カボチャ、タカナ、ダイコン・カブの葉 は などの緑黄色 りょくおうしょく 野菜 やさい 。
ビタミンB1
炭水化物 たんすいかぶつ (糖 とう 質 しつ )をエネルギーに変 か えるのを助 たす ける水溶 すいよう 性 せい ビタミンの1種 しゅ 。不足 ふそく すると糖 とう 質 しつ 代謝 たいしゃ が低下 ていか して、疲労 ひろう の原因 げんいん になる。神経 しんけい のはたらきを正常 せいじょう に保 たも つ。
枝豆 えだまめ 、ニンニク、モロヘイヤ、ラッカセイ、グリーンピース、ソラマメなど。
ビタミンB2
糖 とう 質 しつ 、脂質 ししつ 、タンパク質 たんぱくしつ の代謝 たいしゃ を助 たす けて、エネルギーに変 か えるのを助 たす ける。タンパク質 たんぱくしつ の合成 ごうせい を助 たす けて細胞 さいぼう の成長 せいちょう を促 うなが す働 はたら きがあり、皮膚 ひふ や粘膜 ねんまく の健康 けんこう 維持 いじ を助 たす ける。
ブロッコリー、シソ、ホウレンソウ、モロヘイヤ、トウガラシ、アシタバ、パセリ、クレソン、バジル、メキャベツなど。
ビタミンB6
タンパク質 たんぱくしつ をアミノ酸 あみのさん に分解 ぶんかい や合成 ごうせい する働 はたら きを助 たす け、筋肉 きんにく や血液 けつえき を作 つく るために不可欠 ふかけつ なビタミン。女性 じょせい ホルモンのエストロゲンの代謝 たいしゃ にも必要 ひつよう とされる。
赤 あか ピーマン、モロヘイヤ、ニンニク、トウガラシ、バジル、パセリ、カブの葉 は など。
ビタミンC
抗 こう 酸化 さんか 作用 さよう があるほか、タンパク質 たんぱくしつ やコラーゲンの生成 せいせい を助 たす けて、風邪 かぜ 予防 よぼう や肌 はだ を健康 けんこう に保 たも つ働 はたら きがある。
ブロッコリー、ジャガイモ、赤 あか ピーマン、黄 き ピーマン、パセリ、ケール、メキャベツ、菜 さい 花 はな 、カブの葉 は 、カリフラワーなど。
ビタミンK
血液 けつえき 凝固 ぎょうこ 促進 そくしん 作用 さよう があるタンパク質 たんぱくしつ を作 つく るのを助 たす ける脂 あぶら 溶性 ようせい ビタミンの1種 しゅ 。またカルシウムを取 と り込 こ む働 はたら きがあり、丈夫 じょうぶ な骨 ほね を作 つく るのを助 たす ける。ビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン類 るい )の2種類 しゅるい がある。
カブ・ダイコンの葉 は 、モロヘイヤ、アシタバ、ツルムラサキ、ケール、パセリ、シソ、ホウレンソウ、ヨメナ、バジルなど。
カリウム
細胞 さいぼう 内 ない の水分 すいぶん 量 りょう を調節 ちょうせつ して、腎臓 じんぞう でナトリウムの排出 はいしゅつ 作用 さよう がある。高血圧 こうけつあつ 予防 よぼう やむくみ予防 よぼう 、筋肉 きんにく の働 はたら きを調整 ちょうせい する。
ミツバ、サトイモ、パセリ、ホウレンソウ、枝豆 えだまめ 、ケールなど。
カルシウム
骨 ほね や歯 は の主成分 しゅせいぶん で、発育 はついく や骨粗鬆症 こつそしょうしょう 予防 よぼう に重要 じゅうよう なミネラル。脳 のう 内 ない 神経 しんけい 伝達 でんたつ 物質 ぶっしつ を放出 ほうしゅつ するため、不足 ふそく するとイライラするといわれている。
コマツナ、モロヘイヤ、パセリ、シソ、ツルムラサキ、エンドウ、ゴマ、ダイズなど。
鉄分 てつぶん
血液 けつえき 中 ちゅう のヘモグロビンを構成 こうせい し、全身 ぜんしん の酸素 さんそ を送 おく る働 はたら きがある。不足 ふそく すると、疲 つか れやすくなり、動悸 どうき 、息切 いきぎ れ、食欲 しょくよく 不振 ふしん の症状 しょうじょう が出 で る。
コマツナ、レタス、枝豆 えだまめ 、ホウレンソウ、シソ、パセリ、コンニャク、ソラマメなど。
食物 しょくもつ 繊維 せんい
体内 たいない で消化 しょうか されない炭水化物 たんすいかぶつ で、腸 ちょう の働 はたら きを活発 かっぱつ にさせる働 はたら きがある。便秘 べんぴ 予防 よぼう 、血糖 けっとう 値 ち の急上昇 きゅうじょうしょう の抑制 よくせい 、コレステロールの吸収 きゅうしゅう を抑 おさ える働 はたら きがある。
ゴボウ、グリーンピース、モロヘイヤ、コンニャク、ダイズ、ケール、ラッキョウ、エンドウ、インゲンなど。
ヒト の消化 しょうか 管 かん は自力 じりき ではデンプン やグリコーゲン 以外 いがい の多 おお くの多 た 糖類 とうるい を消化 しょうか できないが、大腸 だいちょう 内 うち の腸 ちょう 内 ない 細菌 さいきん が嫌気 いやけ 発酵 はっこう することによって、一部 いちぶ が酪酸 やプロピオン酸 さん のような短 たん 鎖 くさり 脂肪酸 しぼうさん に変換 へんかん されてエネルギー源 げん として吸収 きゅうしゅう される。野菜 やさい に含 ふく まれる食物 しょくもつ 繊維 せんい の大半 たいはん がセルロース であり、人間 にんげん のセルロース利用 りよう 能力 のうりょく は意外 いがい に高 たか く、粉末 ふんまつ にしたセルロースであれば腸 ちょう 内 ない 細菌 さいきん を介 かい してほぼ100%分解 ぶんかい 利用 りよう されるとも言 い われている。デンプンは約 やく 4kcal/g のエネルギーを産 さん 生 せい するが、食物 しょくもつ 繊維 せんい は腸 ちょう 内 ない 細菌 さいきん による醗酵 はっこう 分解 ぶんかい によってエネルギーを産 さん 生 む し、その値 ね は一定 いってい でないが、有効 ゆうこう エネルギーは0~2kcal/gであると考 かんが えられている。また、食物 しょくもつ 繊維 せんい の望 のぞ ましい摂取 せっしゅ 量 りょう は、成人 せいじん 男性 だんせい で19g/日 にち 以上 いじょう 、成人 せいじん 女性 じょせい で17g/日 にち 以上 いじょう である[40] 。食物 しょくもつ 繊維 せんい は、大腸 だいちょう 内 ない で腸 ちょう 内 ない 細菌 さいきん によりヒトが吸収 きゅうしゅう できる分解 ぶんかい 物 ぶつ に転換 てんかん されることから、食後 しょくご 長時間 ちょうじかん を経 へ てから体内 たいない にエネルギーとして吸収 きゅうしゅう される特徴 とくちょう を持 も ち、エネルギー吸収 きゅうしゅう の平準 へいじゅん 化 か に寄与 きよ している。
野菜 やさい に含 ふく まれるファイトケミカル(フィトケミカル)には、ポリフェノール類 るい とカロテノイド 類 るい がある。
ポリフェノール類 るい は化学 かがく 構造 こうぞう 上 じょう の分類 ぶんるい で、フェノール基 もと に水酸基 すいさんき (OH)が2つ以上 いじょう たくさんついている物質 ぶっしつ のことをいう。植物 しょくぶつ の色素 しきそ やアクとよばれている苦味 にがみ 成分 せいぶん のほとんどはポリフェノールである。光合成 こうごうせい によって生成 せいせい されるといわれ、光 ひかり の当 あ たる部分 ぶぶん には特 とく にたくさん含有 がんゆう されている。含有 がんゆう している野菜 やさい としては、赤 あか タマネギ、紅 べに 芋 いも 、ダイズなどがよく知 し られる。ポリフェノールの主 しゅ たる機能 きのう は抗 こう 酸化 さんか 作用 さよう であり、がん予防 よぼう や血 ち 中 ちゅう コレステロールの酸化 さんか を防 ふせ いで動脈 どうみゃく 硬化 こうか を予防 よぼう する働 はたら きがあるとされる。ポリフェノール類 るい の生理 せいり 作用 さよう は個々 ここ の物質 ぶっしつ によって異 こと なるさまざまな作用 さよう があり、その効用 こうよう は数時間 すうじかん 内 ない といわれる。
アントシアニン - 紫 むらさき キャベツ 、紫 むらさき 芋 いも 、赤 あか ジソ 、インゲンマメ などに含 ふく まれる野菜 やさい の赤 あか 紫色 むらさきいろ や青 あお 紫色 むらさきいろ の色素 しきそ 成分 せいぶん で、抗 こう 酸化 さんか 作用 さよう や目 め の働 はたら きによいといわれる。
イソフラボン - ダイズなどに含 ふく まれる。女性 じょせい ホルモンに似 に た働 はたら きをし、骨粗鬆症 こつそしょうしょう 予防 よぼう 、更年期 こうねんき 障害 しょうがい によいといわれる。
セサミン - ゴマなどに含 ふく まれる。血 ち 中 ちゅう コレステロールを下 さ げる働 はたら きがあるとされる。
ショウガオール - ショウガに含 ふく まれる辛味 からみ 成分 せいぶん で、抗菌 こうきん 作用 さよう 、食欲 しょくよく 増進 ぞうしん 作用 さよう がある。
カテキン - 殺菌 さっきん 作用 さよう がある。
ルテイン - 毛細血管 もうさいけっかん を強化 きょうか する。
カロテノイド類 るい は、主 しゅ として植物 しょくぶつ に含 ふく まれている赤色 あかいろ から黄色 おうしょく の色素 しきそ 成分 せいぶん で、カロテン 類 るい とキサントフィル 類 るい に分 わ けられる。基本 きほん 的 てき に植物 しょくぶつ だけが作 つく り出 だ せる成分 せいぶん である。カロテン類 るい には、α あるふぁ カロテン 、β べーた カロテン 、γ がんま カロテン 、リコペン (リコピン)などがあり、人間 にんげん の体内 たいない でレチノール という物質 ぶっしつ に変換 へんかん されてビタミンA として作用 さよう する。レチノールに変換 へんかん されないカロテン類 るい は、抗 こう 酸化 さんか 作用 さよう を発揮 はっき する。また、キサントフィル類 るい にはアントシアニン 、ルテイン 、アスタキサンチン 、クリプトキサンチン 、カプサイシン などがあり、これらはビタミンAとして働 はたら かないが、抗 こう 酸化 さんか 作用 さよう を発揮 はっき して、がん予防 よぼう や老化 ろうか 防止 ぼうし に役立 やくだ つと考 かんが えられている。
リコペン - トマト、スイカ 、金時 きんとき 人参 にんじん などに含 ふく まれる赤色 あかいろ 色素 しきそ 成分 せいぶん でカロテンの1種 しゅ 。抗 こう 酸化 さんか 作用 さよう がある。
カプサイシン - 赤 あか トウガラシ、赤 あか ピーマンなどに含 ふく まれ、抗 こう 酸化 さんか 作用 さよう がある。
ルテイン - ホウレンソウ、コマツナ、ケール などの緑黄色 りょくおうしょく 野菜 やさい に含 ふく まれる黄色 おうしょく の色素 しきそ 成分 せいぶん 。抗 こう 酸化 さんか 作用 さよう が高 たか く、眼 め 病 びょう 予防 よぼう にも良 よ いといわれる。
クリプトキサンチン - 赤 あか ピーマンに含 ふく まれるオレンジ色 しょく の色素 しきそ 成分 せいぶん 。柑橘類 かんきつるい 、カキ 、パパイヤ 、アンズ などの果物 くだもの にも含 ふく まれる。
イオウ化合 かごう 物 ぶつ は、アメリカ国立 こくりつ 癌 がん 研究所 けんきゅうじょ (NCI) が中心 ちゅうしん となって研究 けんきゅう したデザイナーズフーズ の上位 じょうい に、ニンニクやキャベツ、タマネギがランクされたことから注目 ちゅうもく されるようになった生理 せいり 機能 きのう 成分 せいぶん で、特有 とくゆう の臭 にお いを発 はっ する。
硫化 りゅうか アリル - ネギ 、タマネギ 、ニラ 、ラッキョウ などに共通 きょうつう して含 ふく まれる刺激 しげき 臭 しゅう のある成分 せいぶん で、ビタミンB1の吸収 きゅうしゅう を助 たす け、炭水化物 たんすいかぶつ の代謝 たいしゃ を活発 かっぱつ にする働 はたら きがある。また、血液 けつえき の粘 ねば 度 たび を下 さ げる働 はたら きがあるといわれ、血栓 けっせん を予防 よぼう するともいわれている。
アリシン - 硫化 りゅうか アリルの一種 いっしゅ でニンニクやネギ臭 しゅう の素 もと になる成分 せいぶん 。生 なま ニンニクにはアイリン という無臭 むしゅう 成分 せいぶん が含 ふく まれているが、空気 くうき に触 ふ れるとアリシンに変化 へんか する。ビタミンB1の吸収 きゅうしゅう を助 たす け、血栓 けっせん 予防 よぼう 、貧血 ひんけつ 予防 よぼう 、血 ち 中 ちゅう コレステロール値 ち の上昇 じょうしょう の抑制 よくせい のほか、強力 きょうりょく な抗 こう 酸化 さんか 作用 さよう が知 し られている。
イソチオシアネート - キャベツ、ブロッコリーなどアブラナ科 か 野菜 やさい に特異 とくい 的 てき に含 ふく まれる臭 にお い成分 せいぶん 。遺伝子 いでんし が傷 きず ついた細胞 さいぼう 増殖 ぞうしょく の抑制 よくせい 、発 はつ がん性 せい 物質 ぶっしつ の活性 かっせい 化 か の抑制 よくせい 、抗菌 こうきん 作用 さよう のほか、女性 じょせい ホルモンと似 に たような働 はたら きをすると言 い われている。
がん予防 よぼう の可能 かのう 性 せい [ 編集 へんしゅう ]
野菜 やさい は、果物 くだもの とともに癌 がん 予防 よぼう の可能 かのう 性 せい が大 おお きいものとされている[43] [44] 。
野菜 やさい などで変異 へんい 原 ばら 性 せい 物質 ぶっしつ Trp-P-1(3-amino-1,4-di-methyl-5H-pyrido[4,3-b]indole)に対 たい して抗 こう 変異 へんい 原 ばら 性 せい を示 しめ すものは次 つぎ のようなものがある[45] 。
野菜 やさい などで変異 へんい 原 ばら 性 せい 物質 ぶっしつ NIHP(2-ヒドロキシ-3-(1-N-ニトロソインドリル)-プロピオン酸 さん )に対 たい して抗 こう 変異 へんい 原 ばら 性 せい を示 しめ すものは次 つぎ のようなものがある。
キャベツ 、ブロッコリー 、ゴボウ 、ナス 、ショウガ 等 ひとし に強 つよ い抗 こう 変異 へんい 原 ばら 性 せい があることが知 し られている。加 くわ えて、エストラゴン 、オレガノ 、ギョウジャニンニク 、シロザ 、タイム 、ツクシ 、フキノトウ 、モミジガサ 、レモンバーム の野菜 やさい 類 るい 9種 しゅ にもTrp-P-1に対 たい して強 つよ い抗 こう 変異 へんい 原 ばら 性 せい があり、キク科 か 、シソ科 か 、アブラナ科 か 、セリ科 か の植物 しょくぶつ に抗 こう 変異 へんい 原 ばら 性 せい があるものが多 おお い[46] 。
2007年 ねん 11月1日 にち 、世界 せかい がん研究 けんきゅう 基金 ききん とアメリカがん研究 けんきゅう 協会 きょうかい によって7000以上 いじょう の研究 けんきゅう を根拠 こんきょ に「食 た べもの、栄養 えいよう 、運動 うんどう とがん予防 よぼう [47] 」が報告 ほうこく されている。(詳細 しょうさい は「食生活 しょくせいかつ 指針 ししん 」を参照 さんしょう のこと)
成人病 せいじんびょう 予防 よぼう [ 編集 へんしゅう ]
野菜 やさい は果物 くだもの とともにアルカリ性 あるかりせい 食品 しょくひん に分類 ぶんるい されている[48] 。(詳細 しょうさい は、酸性 さんせい 食品 しょくひん とアルカリ性 あるかりせい 食品 しょくひん を参照 さんしょう )
腎臓 じんぞう に障害 しょうがい がなくカリウム を摂取 せっしゅ しても問題 もんだい がなければ、カリウムを豊富 ほうふ に含 ふく む野菜 やさい や果物 くだもの の摂取 せっしゅ を増 ふ やすことにより血圧 けつあつ の降圧 こうあつ が期待 きたい できる[49] 。
21世紀 せいき における国民 こくみん 健康 けんこう づくり運動 うんどう (健康 けんこう 日本 にっぽん 21)では、望 のぞ ましい野菜 やさい の摂取 せっしゅ 量 りょう は成人 せいじん 1人 にん 1日 にち あたり350g以上 いじょう とされている[50] [51] [5] 。日本人 にっぽんじん の平均 へいきん ではこの目標 もくひょう に対 たい して8割 わり 程度 ていど の摂取 せっしゅ 量 りょう にとどまっており、若年 じゃくねん 層 そう においては7割 わり ~6割 わり 程度 ていど にとどまっている状況 じょうきょう にある[5] [52] 。平成 へいせい 24年 ねん の調査 ちょうさ では20歳 さい 以上 いじょう の日本人 にっぽんじん の平均 へいきん 野菜 やさい 摂取 せっしゅ 量 りょう は、286.5g/人 ひと 日 び であった[53] 。所得 しょとく と生活 せいかつ 習慣 しゅうかん 等 とう に関 かん する状況 じょうきょう の調査 ちょうさ においては、所得 しょとく が高 たか いほど野菜 やさい 摂取 せっしゅ 量 りょう が多 おお く、所得 しょとく が低 ひく いほど野菜 やさい 摂取 せっしゅ 量 りょう が低 ひく い傾向 けいこう が見 み られた[52] 。
インドの八百屋 やおや
アメリカのスーパーに並 なら ぶ野菜 やさい
カナダのスーパーに並 なら ぶ野菜 やさい
2010年度 ねんど における野菜 やさい の最大 さいだい 生産 せいさん 国 こく は中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく であり、一 いち 国 こく で世界 せかい の半分 はんぶん 以上 いじょう の生産 せいさん 量 りょう があった。2位 い はインド で、以下 いか アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 、トルコ 、イラン 、エジプト の順 じゅん となっている。中国 ちゅうごく は世界 せかい で最 もっと も野菜 やさい 畑 はたけ の面積 めんせき が広 ひろ いが、野菜 やさい の反収 たんしゅう が最 もっと も高 たか い国 くに はスペイン と大韓民国 だいかんみんこく である。[54]
国 くに
栽培 さいばい 面積 めんせき (1,000ヘクタール)
反収 たんしゅう (1,000kg/ha)
生産 せいさん 量 りょう (1,000トン)
中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく
23,458
230
539,993
インド
7,256
138
100,045
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく
1,120
318
35,609
トルコ
1,090
238
25,901
イラン
767
261
19,995
エジプト
755
251
19,487
イタリア
537
265
14,201
ロシア
759
175
13,283
スペイン
348
364
12,679
メキシコ
681
184
12,515
ナイジェリア
1,844
64
11,830
ブラジル
500
225
11,233
日本 にっぽん
407
264
10,746
インドネシア
1,082
90
9,780
大韓民国 だいかんみんこく
268
364
9,757
ベトナム
818
110
8,976
ウクライナ
551
162
8,911
ウズベキスタン
220
342
7,529
フィリピン
718
88
6,299
フランス
245
227
5,572
世界 せかい 総計 そうけい
55,598
188
1,044,380
野菜 やさい は一般 いっぱん 的 てき に貯蔵 ちょぞう 性 せい が高 たか くないため、農家 のうか が自給 じきゅう 的 てき に生産 せいさん して余剰 よじょう 分 ぶん を市場 いちば に供給 きょうきゅう することが多 おお く、商業 しょうぎょう 的 てき に生産 せいさん される場合 ばあい は消費 しょうひ 地 ち の近 ちか くで生産 せいさん されることが多 おお かった。しかし都市 とし の急速 きゅうそく な拡大 かくだい によって都市 とし 近郊 きんこう の野菜 やさい 生産 せいさん 地 ち が都市 とし 化 か していったことや、輸送 ゆそう 手段 しゅだん ・貯蔵 ちょぞう 手段 しゅだん の発達 はったつ によって遠隔 えんかく 地 ち でも野菜 やさい 栽培 さいばい が採算 さいさん に乗 の るようになったことから、野菜 やさい 生産 せいさん は都市 とし から離 はな れた地域 ちいき でも行 おこな われるようになった。また、葉 は や実 み を利用 りよう し貯蔵 ちょぞう 性 せい が低 ひく い関係 かんけい 上 じょう 供給 きょうきゅう はその植物 しょくぶつ の収穫 しゅうかく 期 き に限定 げんてい され、旬 しゅん が短 みじか く時期 じき によって左右 さゆう されたものが野菜 やさい 生産 せいさん であった。その後 ご 、温室 おんしつ やビニールハウス などの技術 ぎじゅつ 革新 かくしん によって野菜 やさい は一年中 いちねんじゅう 供給 きょうきゅう されるようになった。
近年 きんねん では、巨大 きょだい なハウスを造 つく りコンピュータ制御 せいぎょ でその中 なか の環境 かんきょう をコントロールし高 たか い生産 せいさん 性 せい ・採算 さいさん 性 せい で野菜 やさい を生産 せいさん するオランダのような国 くに が出現 しゅつげん している[55] 。オランダはトマトを、本場 ほんば であるイタリア向 む けも含 ふく めてヨーロッパ各地 かくち に大量 たいりょう に輸出 ゆしゅつ するほどになっている。
また最近 さいきん では、野菜 やさい を植物 しょくぶつ 工場 こうじょう で生産 せいさん する事例 じれい も、まだ生産 せいさん 量 りょう は少 すく ないものの徐々 じょじょ に増 ふ えてきている。閉 と じた空間 くうかん 、害虫 がいちゅう や雑菌 ざっきん の影響 えいきょう が少 すく ない空間 くうかん において、LED照明 しょうめい やコンピュータで制御 せいぎょ された空調 くうちょう や養 やしなえ 液 えき 補給 ほきゅう などによって、気候 きこう ・天候 てんこう の影響 えいきょう をほぼ受 う けずに安定 あんてい 的 てき に野菜 やさい を生産 せいさん する方式 ほうしき である。雑菌 ざっきん や害虫 がいちゅう が少 すく ないため無 む 農薬 のうやく 栽培 さいばい が可能 かのう で、栄養 えいよう 価 か や規格 きかく の統一 とういつ も容易 ようい であるなど利点 りてん も多 おお いが、生産 せいさん コストが高 たか く採算 さいさん を取 と るのが難 むずか しいなど課題 かだい も多 おお く残 のこ っている[56] 。
現代 げんだい において世界 せかい で栽培 さいばい される野菜 やさい の多 おお くは、中国 ちゅうごく 、インド から東南 とうなん アジア 、中央 ちゅうおう アジア 、近東 きんとう 、地中海 ちちゅうかい 岸 きし 、アフリカ (サヘル 地帯 ちたい 及 およ びエチオピア高原 こうげん )、中央 ちゅうおう アメリカ 、南米 なんべい のアンデス 山脈 さんみゃく の8地域 ちいき を起源 きげん としている。これらの地域 ちいき は農耕 のうこう 文明 ぶんめい の発祥 はっしょう 地 ち と重 かさ なっている。また、もともとの生息 せいそく 域 いき が広 ひろ く、栽培 さいばい 化 か 地域 ちいき が複数 ふくすう にまたがっている野菜 やさい も多 おお い。中国 ちゅうごく においてはハクサイ、ネギ、ゴボウが、インドから東南 とうなん アジアにおいてはキュウリやナス、サトイモ、中央 ちゅうおう アジアではダイコン、ニンジン、タマネギ、ホウレンソウ、ソラマメなどが栽培 さいばい 化 か されている。近東 きんとう 地域 ちいき ではレタスやニンジンやタマネギが栽培 さいばい 化 か されている。地中 ちちゅう 海岸 かいがん は野菜 やさい の一大 いちだい 起源 きげん 地 ち であり、キャベツやエンドウマメ、アスパラガスやセロリ が栽培 さいばい 化 か されている。アフリカのサヘルからエチオピア高原 こうげん にかけては、ササゲ やオクラ などが栽培 さいばい 化 か された。中央 ちゅうおう アメリカにおいてはインゲンマメやサツマイモ、カボチャが栽培 さいばい 化 か された。南 みなみ アメリカ・アンデスにおいては、トマトとジャガイモ、それにトウガラシやピーマン、カボチャの栽培 さいばい 化 か が行 おこな われた[57] 。こうした中心 ちゅうしん 地 ち のほか、世界 せかい 各地 かくち で野草 やそう 採集 さいしゅう から発展 はってん した独自 どくじ の野菜 やさい が栽培 さいばい されており、各地 かくち 独特 どくとく の食 しょく 文化 ぶんか の重要 じゅうよう な要素 ようそ となっている。
日本 にっぽん における歴史 れきし [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん においては、フキ やウド 、ミツバ などのように日本 にっぽん 原産 げんさん の野菜 やさい も存在 そんざい するが、ほとんどの野菜 やさい は日本 にっぽん 列島 れっとう の外 そと で栽培 さいばい 化 か されたものが持 も ち込 こ まれたものである。
その移入 いにゅう の歴史 れきし は古 ふる く、すでに縄文 じょうもん 時代 じだい の遺跡 いせき である福井 ふくい 県 けん の鳥浜 とりはま 貝塚 かいづか においては、ゴボウ、カブ、アブラナ、リョクトウ 、エゴマ 、シソ などの種子 しゅし が出土 しゅつど し、栽培 さいばい されていたと考 かんが えられている。この発見 はっけん は弥生 やよい 時代 じだい の稲作 いなさく 伝来 でんらい 以前 いぜん からすでに農耕 のうこう が開始 かいし されていたこと、および縄文 じょうもん 時代 じだい にすでにはるかな遠隔 えんかく 地 ち で栽培 さいばい 化 か されていた野菜 やさい (カブやアブラナは地中海 ちちゅうかい 沿岸 えんがん 、エゴマやシソやリョクトウはインド原産 げんさん )が伝来 でんらい しており、大陸 たいりく をはじめとする広範囲 こうはんい な移動 いどう がすでに行 おこな われていたことを示 しめ した[58] 。
このほか、1世紀 せいき ごろまでにはゴマ、サトイモ、ニンニク、ラッキョウ 、ヤマイモ、トウガン などがすでに伝来 でんらい しており、古墳 こふん 時代 じだい にはナス、キュウリ、ササゲ、ネギが伝来 でんらい した[59] 。
古事記 こじき や日本書紀 にほんしょき にはカブやニラ の、万葉集 まんようしゅう では水 みず 葱 ねぎ (なぎ、現代 げんだい のミズアオイ やコナギ )やジュンサイ 、ヒシ 、セリ 、瓜 ふり (マクワウリ )などの記述 きじゅつ が存在 そんざい する。このほか、現代 げんだい ではあまり野菜 やさい としては使用 しよう されない水 みず 葱 ねぎ や羊蹄 ぎしぎし (しのね、現代 げんだい のギシギシ )なども使用 しよう されていた[60] 。
その後 ご も日本 にっぽん に伝来 でんらい した野菜 やさい があり、レタス も8世紀 せいき には「萵苣 ちさ 」(わきょ/ちしゃ)という名前 なまえ で日本 にっぽん に伝来 でんらい している(玉 たま 状 じょう のものは明治 めいじ になってからの伝来 でんらい )[61] 。
江戸 えど 時代 じだい に入 はい り、平和 へいわ が続 つづ き経済 けいざい が成長 せいちょう すると野菜 やさい の需要 じゅよう も高 たか まり、特 とく に一大 いちだい 消費 しょうひ 地 ち である江戸 えど の周辺 しゅうへん では大量 たいりょう の野菜 やさい が栽培 さいばい され都市 とし へ運 はこ び込 こ まれるようになった。小松菜 こまつな や練馬 ねりま 大根 だいこん などのように、地名 ちめい をつけブランド化 か する野菜 やさい が現 あらわ れ始 はじ めたのもこのころのことである[62] 。
こうした傾向 けいこう は江戸 えど に限 かぎ ったことではなく、京野 きょうの 菜 さい や加賀 かが 野菜 やさい をはじめ、各地 かくち で特色 とくしょく ある野菜 やさい が開発 かいはつ され定着 ていちゃく したのも江戸 えど 時代 じだい のことであった。明治 めいじ 時代 じだい に入 はい ると文明開化 ぶんめいかいか の潮流 ちょうりゅう とともにタマネギやトマト、キャベツをはじめとする西洋 せいよう 野菜 やさい が多 おお く流入 りゅうにゅう し、日本 にっぽん の野菜 やさい はより多様 たよう なものとなった。
スーパーマーケット では外観 がいかん を重視 じゅうし し、変形 へんけい が見 み られるものは「規格 きかく 外 がい 」として取 と り扱 あつか わず、「訳 わけ あり」などとして格安 かくやす で売 う られるか、採算 さいさん が取 と れないと農家 のうか が判断 はんだん し廃棄 はいき されることもあった。消費 しょうひ 者 しゃ の意識 いしき が過度 かど に美観 びかん を重視 じゅうし する姿勢 しせい から変化 へんか していることもあり、外観 がいかん を規格 きかく に合 あ わせるための栽培 さいばい 法 ほう を止 と める試 こころ みもある[63] 。
野菜 やさい の安全 あんぜん 性 せい [ 編集 へんしゅう ]
野菜 やさい は人間 にんげん が長年 ながねん かけて改良 かいりょう し続 つづ けて、長 なが い間 あいだ 食 た べ続 つづ けられてきた植物 しょくぶつ なので、それなりに安全 あんぜん 性 せい は確保 かくほ できていると考 かんが えてもよい。しかし、野菜 やさい の安全 あんぜん 性 せい に関 かん してまだ結論 けつろん が出 で ていないこともたくさんあり、新 あたら しく作 つく り出 だ された野菜 やさい の品種 ひんしゅ や遺伝子 いでんし 組 く み換 か え作物 さくもつ などは、必 かなら ずしも安全 あんぜん 性 せい が確 たし かめられているわけではなく、未知 みち のリスクの可能 かのう 性 せい も指摘 してき されている。なるべく健康 けんこう 的 てき な食生活 しょくせいかつ を送 おく るためにも、なるべく多 おお くの種類 しゅるい の野菜 やさい を適量 てきりょう 摂 と ることが、今 いま 最 もっと も安全 あんぜん な野菜 やさい の食 た べ方 かた といわれている。
野菜 やさい を生産 せいさん するうえで、人間 にんげん 以外 いがい の昆虫 こんちゅう などの動物 どうぶつ から受 う ける被害 ひがい を抑止 よくし する目的 もくてき で農薬 のうやく が使用 しよう されるが、農薬 のうやく の残存 ざんそん 化学 かがく 物質 ぶっしつ は人間 にんげん にとっても癌 がん などのリスクがあるので好 この ましいものではない。農薬 のうやく を使用 しよう しなければ、地球 ちきゅう 上 じょう の人類 じんるい を養 やしな うだけの農作物 のうさくもつ の生産 せいさん 量 りょう は確保 かくほ できないと言 い われており、農薬 のうやく を正 ただ しく用 もち いる農法 のうほう がふつう一般 いっぱん に行 おこな われている(これを慣行 かんこう 栽培 さいばい という)。先進 せんしん 国 こく のように農薬 のうやく の製造 せいぞう や使用 しよう が適正 てきせい に規制 きせい されている国 くに では、癌 がん を含 ふく む疾病 しっぺい のリスクについて、農薬 のうやく を正 ただ しく使用 しよう している限 かぎ りは害 がい はないと考 かんが えてもよいといわれている。しかし、農薬 のうやく が適正 てきせい に使用 しよう されていない状況 じょうきょう でつくられた野菜 やさい については、人体 じんたい に害 がい はないという前提 ぜんてい 条件 じょうけん が崩 くず れてしまう。しばしば「野菜 やさい には残留 ざんりゅう 農薬 のうやく の危険 きけん があるから、よく洗 あら ってから食 た べる」という意見 いけん も見 み かけられ、ていねいな水洗 みずあら いや加熱 かねつ 調理 ちょうり が野菜 やさい についている残留 ざんりゅう 農薬 のうやく を減 へ らすことになるのは間違 まちが いではないが、先進 せんしん 諸国 しょこく において野菜 やさい を洗 あら うことによって農薬 のうやく の害 がい が低減 ていげん するといった科学 かがく 的 てき 根拠 こんきょ のある研究 けんきゅう 結果 けっか はほとんど発表 はっぴょう されていない。
野菜 やさい の安全 あんぜん 性 せい で注目 ちゅうもく されるのようになったものに、原則 げんそく として農薬 のうやく や化学 かがく 肥料 ひりょう を使 つか わずに栽培 さいばい された有機 ゆうき 農産物 のうさんぶつ (有機 ゆうき 野菜 やさい )がある。有機 ゆうき 野菜 やさい は栽培 さいばい 法 ほう による分類 ぶんるい で、日本 にっぽん のJAS法 ほう では厳密 げんみつ な規定 きてい により認定 にんてい を受 う けたものだけが有機 ゆうき 野菜 やさい と表示 ひょうじ することができるため、流通 りゅうつう 量 りょう が極 きわ めて少 すく ないのが現状 げんじょう である。有機 ゆうき 野菜 やさい は農薬 のうやく が残留 ざんりゅう している可能 かのう 性 せい は低 ひく いが、残留 ざんりゅう 農薬 のうやく がゼロであることまでは保証 ほしょう していない。有機 ゆうき 野菜 やさい の特徴 とくちょう は「安心 あんしん して食 た べられる」という点 てん において一般 いっぱん に高 たか い評価 ひょうか を得 え ているが、科学 かがく 的 てき 根拠 こんきょ のある研究 けんきゅう 結果 けっか はほとんどない。
有機 ゆうき 野菜 やさい に変 か わって増 ふ えてきたものに、農林水産省 のうりんすいさんしょう (農水省 のうすいしょう )のガイドラインに示 しめ されている無 む 農薬 のうやく 野菜 やさい と減 げん 農薬 のうやく 野菜 やさい がある。農水省 のうすいしょう のガイドラインは、第三者 だいさんしゃ による認定 にんてい を必要 ひつよう とせず、違反 いはん しても罰則 ばっそく 規定 きてい がないので、本当 ほんとう に無 む 農薬 のうやく かどうかまではわからないという問題 もんだい が指摘 してき されている。また農水省 のうすいしょう とは別 べつ に、各 かく 自治体 じちたい や生産 せいさん 者 しゃ 団体 だんたい が独自 どくじ にガイドラインを設 もう けて、無 む 農薬 のうやく ・減 げん 農薬 のうやく 生産 せいさん と表示 ひょうじ をしているケースもある。農水省 のうすいしょう のガイドラインは平成 へいせい 16年 ねん 4月 がつ に改定 かいてい され、無 む 農薬 のうやく 野菜 やさい と減 げん 農薬 のうやく 野菜 やさい という分類 ぶんるい が特別 とくべつ 栽培 さいばい 野菜 やさい という表記 ひょうき に統一 とういつ されている。
世帯 せたい の野菜 やさい 消費 しょうひ 量 りょう が少 すく なくなるなかで、外食 がいしょく 産業 さんぎょう を中心 ちゅうしん に利便 りべん 性 せい を考 かんが えてあらかじめ下 しも 処理 しょり された野菜 やさい であるカット野菜 やさい の生産 せいさん 量 りょう が増 ふ えてきている。カット野菜 やさい は手軽 てがる で便利 べんり というメリットがある反面 はんめん 、丸 まる のままの野菜 やさい よりもカット工程 こうてい などが増 ふ えるので、雑菌 ざっきん に触 ふ れやすく傷 いた みやすい性質 せいしつ 上 じょう 、多 おお くは次 つぎ 亜 あ 塩素 えんそ 酸 さん ナトリウム溶液 ようえき で殺菌 さっきん してある。その後 ご は水洗 みずあら いしてあるので、食 た べる人 ひと の健康 けんこう を害 がい するほど残留 ざんりゅう していないが、とても傷 いた みやすいことには変 か わりないので、消費 しょうひ 期限 きげん を厳守 げんしゅ して封 ふう を開 あ けたら早 はや めに使 つか い切 き ることが肝要 かんよう になる。
放射線 ほうしゃせん 照射 しょうしゃ 野菜 やさい で知 し られるものに、発芽 はつが 防止 ぼうし 目的 もくてき で使用 しよう されているジャガイモ がある。放射線 ほうしゃせん を当 あ てた食品 しょくひん が放射能 ほうしゃのう を持 も つことはなく、健康 けんこう に害 がい を与 あた えるようなこともないとされている。ジャガイモの芽 め に含 ふく まれるアルカロイド (PGA) による食中毒 しょくちゅうどく リスク、輸入 ゆにゅう スパイスに付着 ふちゃく する病原菌 びょうげんきん リスク、食品 しょくひん 保存 ほぞん に使 つか われる燻蒸 くんじょう の発 はつ がん性 せい リスクを軽減 けいげん するために用 もち いられているのが放射線 ほうしゃせん 照射 しょうしゃ である。また放射線 ほうしゃせん を当 あ てることによって殺菌 さっきん 効果 こうか が高 たか められるため、食品 しょくひん が腐 くさ りにくくなるという特徴 とくちょう もある。
遺伝子 いでんし 組 く み換 か え作物 さくもつ は遺伝子 いでんし 操作 そうさ によってつくられた野菜 やさい であるが、それを食 た べた人 ひと の遺伝子 いでんし に影響 えいきょう を与 あた えるようなことはない。遺伝子 いでんし がつくる物質 ぶっしつ はタンパク質 たんぱくしつ であるため、そのタンパク質 たんぱくしつ が人 ひと の健康 けんこう に害 がい を及 およ ぼすかどうかが、遺伝子 いでんし 組 く み換 か え作物 さくもつ の安全 あんぜん 性 せい の評価 ひょうか となる。遺伝子 いでんし 組 く み換 か え作物 さくもつ のタンパク質 たんぱくしつ が人 ひと の健康 けんこう を害 がい するという研究 けんきゅう 結果 けっか はほとんどなく、スターリンク というトウモロコシのタンパク質 たんぱくしつ がアレルギー を起 お こす可能 かのう 性 せい があるという研究 けんきゅう があるため、スターリンクについては食品 しょくひん として許可 きょか されていないのが現状 げんじょう である。遺伝子 いでんし 組 く み換 か え作物 さくもつ については、大 だい 企業 きぎょう の利益 りえき になっても一般 いっぱん 市民 しみん の利益 りえき は何 なに もないという指摘 してき もあるため、遺伝子 いでんし 組 く み換 か え作物 さくもつ の必要 ひつよう 性 せい について意見 いけん が分 わ かれるところであるが、その安全 あんぜん 性 せい について現 げん 段階 だんかい では害 がい は認 みと められていないことから安全 あんぜん であるといわれている。
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