鈴木すずき商店しょうてん

鈴木すずき商店しょうてん（すずきしょうてん）は、かつて存在そんざいした日本にっぽんの商社しょうしゃ（登記とうき上じょうは現存げんそん）。樟脳しょうのう、砂糖さとう貿易ぼうえき商しょうとして世界せかい的てきな拠点きょてん網もうを確立かくりつするとともに、財閥ざいばつ（鈴木すずき財閥ざいばつ）の中核ちゅうかくとして製糖せいとう・製粉せいふん・製鋼せいこう・タバコ・ビールなどの事業じぎょうを展開てんかい。さらに保険ほけん・海運かいうん・造船ぞうせんなどの分野ぶんやにも進出しんしゅつし、1915年ねん(大正たいしょう4年ねん)には貿易ぼうえき年商ねんしょう額がくが15億おく4,000万まん円えん（当時とうじの国家こっか予算よさんは約やく7億おく3,500万まん円えん）に達たっし、1917年ねん（大正たいしょう6年ねん）には当時とうじの日本にっぽんの国民総生産こくみんそうせいさん（GNP）の1割わりを売うり上あげる総合そうごう商社しょうしゃとなった。1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）に昭和しょうわ金融きんゆう恐慌きょうこうのあおりを受うけ、事業じぎょうを停止ていしした。

本ほん項目こうもくでは、鈴木すずき財閥ざいばつの持株もちかぶ会社かいしゃである鈴木すずき合名ごうめい会社かいしゃの前身ぜんしん企業きぎょうとしての合名ごうめい会社かいしゃ鈴木すずき商店しょうてん（1874年ねん - 1923年ねん）および、合名ごうめい会社かいしゃの子会社こがいしゃとして設立せつりつされた株式会社かぶしきがいしゃ鈴木すずき商店しょうてん（1923年ねん - 1945年ねん）の両方りょうほうについて記述きじゅつする。

ロンドン・バルチック海運かいうん取引とりひき所しょで日本にっぽん企業きぎょうとして2番目ばんめの会員かいいん企業きぎょうであった。

事業じぎょう精算せいさん後ご、双そう日び、豊年ほうねん製油せいゆ（現げん・J-オイルミルズ）、神戸製鋼所こうべせいこうしょ、帝人ていじんなど鈴木すずき商店しょうてんの流ながれを汲くむ会社かいしゃが日本にっぽんの大手おおて産業さんぎょう企業きぎょうとなっている。

歴史れきし[編集へんしゅう]

創業そうぎょう期き[編集へんしゅう]

1874年ねん（明治めいじ7年ねん）、兵庫ひょうごの弁天べんてん浜はまに旧きゅう川越かわごえ藩はん領りょう出身しゅっしんの鈴木すずき岩治いわじ郎ろうが、当時とうじ番頭ばんがしらをしていた辰巳たつみ屋やののれん分わけを許ゆるされ鈴木すずき商店しょうてんを開業かいぎょうする。

1886年ねん（明治めいじ19年ねん）、のちに鈴木すずき商店しょうてんを支ささえる金子かねこ直吉なおきちが鈴木すずき商店しょうてんに丁稚でっち奉公ほうこうに入はいる。順調じゅんちょうに売上うりあげを伸のばし神戸こうべ八はち大だい貿易ぼうえき商しょうの一ひとつに数かぞえられるようになる。1894年ねん（明治めいじ27年ねん）に鈴木すずき岩治いわじ郎ろうが死去しきょ。廃業はいぎょうの提案ていあんをよそに夫人ふじんの鈴木すずきよね（米べい）^{[注ちゅう 1]}が金子かねこ直吉なおきちと柳田やなぎだ富士ふじ松まつの両りょう番頭ばんがしらに委任いにんし事業じぎょうを継続けいぞくする。その直後ちょくご、金子かねこは樟脳しょうのうの取引とりひきで損失そんしつを出だす。鈴木すずきよねはそのままの体制たいせいで経営けいえいを続つづける。

1899年ねん（明治めいじ32年ねん）、後藤ごとう新平しんぺい台湾たいわん総督そうとく府ふ民政みんせい長官ちょうかんが目指めざす樟脳しょうのうの総督そうとく府ふ専売せんばいに反対はんたいする業者ぎょうしゃらの団結だんけつを、鈴木すずき商店しょうてん（金子かねこ直吉なおきち）が切きり崩くずした功績こうせきを認みとめられて、台湾たいわん樟脳しょうのう油ゆの販売はんばい権けんを獲得かくとく。
1902年ねん（明治めいじ35年ねん）、出資しゅっし金きん50万まん円えんを以もって合名ごうめい会社かいしゃ鈴木すずき商店しょうてんへ組織そしき変更へんこう（これまで個人こじん商店しょうてんだった）。この年とし、ロンドン、ハンブルク、ニューヨークに代理だいり店てんを設置せっち。
1903年ねん（明治めいじ36年ねん）、辰巳たつみ屋やとの協同きょうどう出資しゅっしで、大里おおさと（現げん・北九州きたきゅうしゅう市し門司もじ区く）に大里おおさと製糖せいとう所しょを設立せつりつ。
1905年ねん（明治めいじ38年ねん）、神戸製鋼所こうべせいこうしょの前身ぜんしんの小林こばやし製鋼せいこう所しょを買収ばいしゅうする^{[注ちゅう 2]}。
1906年ねん（明治めいじ39年ねん）、ミカドホテル新館しんかんを取得しゅとくし、本店ほんてんを栄町通さかえちょうどおりから相生あいおい町まちに移転いてんする（1918年ねん米べい騒動そうどうの際さいに焼やき討うちの標的ひょうてきとなった建物たてもの）。
1907年ねん（明治めいじ40年ねん）、大里おおさと製糖せいとう所しょを大だい日本にっぽん製糖せいとうに売却ばいきゃくし、見返みかえりに砂糖さとうの一手いって販売はんばい権けんを取得しゅとくする。
1910年ねん（明治めいじ43年ねん）、日にち沙すな商会しょうかい設立せつりつ
1911年ねん（明治めいじ44年ねん）、大里おおさとに大里おおさと製粉せいふん所しょを設立せつりつ^{[注ちゅう 3]}。

以降いこう、大正たいしょう時代じだいには、下記かきの会社かいしゃを次々つぎつぎと買収ばいしゅう。

1915年ねん（大正たいしょう4年ねん）播磨はりま造船ぞうせん所しょ、日本金属工業にっぽんきんぞくこうぎょう、南洋なんよう製糖せいとう他た
1916年ねん（大正たいしょう5年ねん）帝国ていこく染料せんりょう他た
1917年ねん（大正たいしょう6年ねん）大田川おおたかわ水すい電でん、浪なみ華はな倉庫そうこ、南朝鮮みなみちょうせん鉄道てつどう、信越しんえつ電力でんりょく他た
1918年ねん（大正たいしょう7年ねん）日本にっぽん冶金やきん、旭あさひ石油せきゆ、東洋とうようマッチ、帝国ていこく樟脳しょうのう他た
1919年ねん（大正たいしょう8年ねん）帝国ていこく炭素たんそ、国際こくさい汽船きせん他た
1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）帝人ていじん（旧きゅう帝国ていこく人造じんぞう絹糸けんし）、新しん日本にっぽん火災かさい保険ほけん他た

絶頂ぜっちょう期き[編集へんしゅう]

1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）、第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんが始はじまる。当時とうじ、戦争せんそうはすぐに終結しゅうけつし戦争せんそう被害ひがいによる影響えいきょうで物価ぶっかが下さがるというのが大方おおかたの見方みかたであった。鈴木すずき商店しょうてんは海外かいがい電報でんぽうを駆使くしして戦況せんきょうを集あつめ物価ぶっかは高騰こうとうするとよみ、イングランド銀行いんぐらんどぎんこうから巨額きょがくの融資ゆうしを受うけ^[1]、世界中せかいじゅうで投機とうき的てきな買かい付つけを行おこなう。鉄てつは当然とうぜんのこと、砂糖さとう・小麦こむぎを含ふくめ資金しきんの限界げんかいまで買かい付つけを行おこなった。

鉄てつ、小麦こむぎ、船ふねなどについて日本にっぽんを介かいさない三さん国こく間あいだ貿易ぼうえきを始はじめるなど^{[注ちゅう 4]}、独創どくそう的てきな手法しゅほうで売うり上あげが急きゅう拡大かくだいする。この頃ころ、金子かねこ直吉なおきちはロンドン支店してん宛あての手紙てがみの中なかで『この戦乱せんらんを利用りようして大儲おおもうけをなし、三井みつい、三菱みつびしを圧倒あっとうするか、あるいはその二ふたつと並ならんで天下てんかを三さん分ふんする』と記しるしている^[2]^[3]。

1919（大正たいしょう8年ねん） - 1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）の全盛ぜんせい時代じだい、鈴木すずき商店しょうてんの売上うりあげは当時とうじの日本にっぽんの国民総生産こくみんそうせいさん（GNP）の1割わりに相当そうとうする16億おく円えん^{[注ちゅう 5]}に達たっし、三井物産みついぶっさんや三菱商事みつびししょうじを遥はるかに上回うわまわっていた。当時とうじのスエズ運河うんがを通過つうかする船ふねの一いち割わりは鈴木すずき商店しょうてん所有しょゆうといわれた。第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんでの塹壕ざんごうの土嚢どのうには鈴木すずき商店しょうてんのロゴ（菱形ひしがたにSUZUKIの略記りゃっき「SZK」）の入はいった小麦こむぎ袋ぶくろが大量たいりょうに使つかわれたという。資金しきんを提供ていきょうしていたのは台湾たいわん銀行ぎんこうであった。

1918年ねん（大正たいしょう7年ねん）7月がつ23日にちから始はじまった^[4]米べい騒動そうどうの際さいに大阪おおさか朝日新聞あさひしんぶんは、鈴木すずき商店しょうてんは米べいの買かい占しめを行おこなっている悪徳あくとく業者ぎょうしゃであると攻撃こうげきした^[5]^[6]。これにより、鈴木すずき商店しょうてんは米価べいかの高騰こうとうに苦くるしむ民衆みんしゅうの反感はんかんを買かい8月がつ12日にちに焼やき打うちされた^{[注ちゅう 6]}。事件じけんを再さい調査ちょうさした城山しろやま三郎さぶろうは、当時とうじの鈴木すずき商店しょうてんが米こめを買かい占しめていた事実じじつはなく、焼やき打うちは大阪おおさか朝日新聞あさひしんぶんが事実無根じじつむこんの捏造ねつぞう報道ほうどうによる「風評ふうひょう被害ひがい」^[7]であり、鈴木すずき商店しょうてんと対立たいりつしていた三井みついと朝日あさひの「共同きょうどう謀議ぼうぎ」という仮説かせつを立たて、ノンフィクション小説しょうせつ『鼠ねずみ鈴木すずき商店しょうてん焼打やきうち事件じけん』として発表はっぴょうしている。この時とき、金子かねこ直吉なおきちの首くびに10万まん円えんの賞金しょうきんが掛かけられたと言いわれている^[5]。

転換期てんかんき[編集へんしゅう]

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん後ごの反動はんどうで株価かぶか、工業こうぎょう製品せいひん価格かかく、船舶せんぱく運賃うんちんが軒並のきなみ下落げらくした。鈴木すずき商店しょうてんは株式かぶしきを上場じょうじょうせずに銀行ぎんこうからの借かり入いれのみで運転うんてん資金しきんを賄まかなっていたため、大おおきな打撃だげきを受うけることになった。鈴木すずき商店しょうてんの資本しほん金きん1億おく3000万まん円えんに対たいし借入金かりいれきんが10億おく円えんを超こえていた。

1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）3月14日にち、持株もちかぶ会社かいしゃ制せいへ移行いこうするため商号しょうごうを合名ごうめい会社かいしゃ鈴木すずき商店しょうてんから鈴木すずき合名ごうめい会社かいしゃへ改あらため財閥ざいばつ本社ほんしゃとし、新あらたに株式会社かぶしきがいしゃ鈴木すずき商店しょうてんを設立せつりつして全ぜん事業じぎょうを分社ぶんしゃ化かした。これはそもそも台湾たいわん銀行ぎんこう側がわが金子かねこを鈴木すずき合名ごうめい会社かいしゃの子会社こがいしゃとなる商社しょうしゃ部門ぶもん（株式会社かぶしきがいしゃ鈴木すずき商店しょうてん）に閉とじこめ、その後ご目めの届とどかないところで親会社おやがいしゃ（鈴木すずき合名ごうめい会社かいしゃ）傘下さんかの不ふ採算さいさん会社かいしゃを整理せいりしようと企たくらんで提案ていあんしたことであったが、金子かねこが株式会社かぶしきがいしゃ鈴木すずき商店しょうてんの専務せんむ取締役とりしまりやくになると同時どうじに鈴木すずき合名ごうめい会社かいしゃの無限むげん責任せきにん社員しゃいんにもなってしまったため結局けっきょくその企たくらみは頓挫とんざした。

1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）9月1日にち、関東大震災かんとうだいしんさいが発生はっせいすると、政府せいふは震災しんさい手形てがた割引わりびき損失そんしつ補償ほしょう令れいを公布こうふ。これは震災しんさい前まえに銀行ぎんこうが割わり引びいた手形てがたのうち決済けっさい不能ふのうになった損失そんしつを日本銀行にっぽんぎんこうが補填ほてんするというものであった。この制度せいど成立せいりつには金子かねこから政治せいじ家かへの働はたらきかけがあったといわれている。鈴木すずき商店しょうてんと台湾たいわん銀行ぎんこうはこの制度せいどを利用りようし、損失そんしつの穴埋あなうめを行おこなう。政府せいふも震災しんさい手形てがたを使つかった鈴木すずき商店しょうてんの損失そんしつ処理しょりを黙認もくにんする態度たいどをとっていた。1926年ねん（大正たいしょう15年ねん）12月末すえの震災しんさい手形てがたの合計ごうけい2億おく680万まん円えんのうち台湾たいわん銀行ぎんこうは1億おく4万まん円えんで48%を占しめ、その台湾たいわん銀行ぎんこうの手形てがたのうち7割わりが鈴木すずき商店しょうてんのものであった。鈴木すずき商店しょうてんの震災しんさい手形てがたの総額そうがくは現代げんだいの物価ぶっかに換算かんさんすると438億おく3752万まん8千せん円えんという巨額きょがくであった。

終焉しゅうえん期き[編集へんしゅう]

「昭和しょうわ金融きんゆう恐慌きょうこう」も参照さんしょう

1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）3月がつ、当時とうじの大蔵おおくら大臣だいじん・片岡かたおか直ただし温あつしの「とうとう東京とうきょう渡辺わたなべ銀行ぎんこうが破綻はたんした」との失言しつげん（片岡かたおかの発言はつげん時点じてんでは東京とうきょう渡辺わたなべ銀行ぎんこうはまだ破綻はたんしていなかった）により東京とうきょう渡辺わたなべ銀行ぎんこうは実際じっさいに破綻はたん、他行たこうでも取とり付つけ騒さわぎが発生はっせいする。同年どうねん3月27日にち、台湾たいわん銀行ぎんこうは鈴木すずき商店しょうてんへの新規しんき融資ゆうしの打うち切きりを通告つうこく。系列けいれつ化かしていた鳥取とっとり発祥はっしょうの第だい六ろく十じゅう五ご銀行ぎんこうに鈴木すずき商店しょうてんを支ささえる体力たいりょくはなく資金しきん調達ちょうたつが不能ふのうとなり、同年どうねん4月がつ5日にち、鈴木すずき商店しょうてんは事業じぎょう停止ていし・清算せいさんに追おい込こまれた。

同年どうねん4月がつ4日にちに鈴木すずき商店しょうてんとの絶縁ぜつえんを宣言せんげんした第だい六ろく十じゅう五ご銀行ぎんこうであったが、鈴木すずき商店しょうてん倒産とうさんのあおりを受うけ、同年どうねん4月がつ8日にちから帳簿ちょうぼ整理せいりを理由りゆうに臨時りんじ休業きゅうぎょうに追おい込こまれた^[8]。営業えいぎょう休止きゅうしは台湾たいわん銀行ぎんこうの台湾たいわん以外いがいの店舗てんぽにも波及はきゅうした。第だい六ろく十じゅう五ご銀行ぎんこうは翌よく1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）10月に神戸銀行こうべぎんこう（現げん三井住友銀行みついすみともぎんこう）の源流げんりゅうとなる神戸こうべ岡崎おかざき銀行ぎんこうに営業えいぎょう譲渡じょうとのうえ清算せいさんされた。

商社しょうしゃ部門ぶもんは1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）、金子かねこの部下ぶかだった高畑たかはた誠一せいいちを中心ちゅうしんに鈴木すずき商店しょうてんの子会社こがいしゃだった日本にっぽん商業しょうぎょう会社かいしゃを日商にっしょうと改あらため再さい出発しゅっぱつを図はかる。金子かねこは、同おなじく鈴木すずき商店しょうてんの子会社こがいしゃだった太陽たいよう曹達そうだを太陽産業たいようさんぎょう（1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）解散かいさん。太陽たいよう鉱こう工こうの前身ぜんしん）と改あらため持株もちかぶ会社かいしゃとし、同社どうしゃの相談役そうだんやくとして鈴木すずき家かの再興さいこうを図はかった。一時いちじは神戸製鋼所こうべせいこうしょを系列けいれつに持もつなどした。この他ほかの鈴木すずき商店しょうてんの関連かんれん会社かいしゃの殆ほとんどは鈴木すずき商店しょうてんを当時とうじ目めの敵かたきにしていた三井みつい財閥ざいばつの系列けいれつに統合とうごうされていった。

事業じぎょう停止ていし後ご[編集へんしゅう]

「株式会社かぶしきがいしゃ鈴木すずき商店しょうてん」と持株もちかぶ会社かいしゃの「鈴木すずき合名ごうめい会社かいしゃ」は1933年ねんに負債ふさいを完済かんさいした。株式会社かぶしきがいしゃ鈴木すずき商店しょうてんは1945年ねん10月がつ20日はつかに解散かいさんし、その後ご、清算せいさん手続てつづきに入はいったが、清算せいさんの終了しゅうりょうを意味いみする「結ゆい了りょう」がなされていない。1974年ねん10月がつ1日にち、職権しょっけんにより登記とうき用紙ようしが閉鎖へいさされているものの、登記とうき上じょうは両社りょうしゃとも現存げんそんする^[9]。鈴木すずきよねの曾孫そうそんで太陽たいよう鉱こう工こう社長しゃちょうの鈴木すずき一誠いっせいは、鈴木すずき商店しょうてんが登記とうき上じょう現存げんそんすることは知しっていたが、企業きぎょうとしての鈴木すずき商店しょうてんの復活ふっかつは考かんがえていないという^[10]。

後述こうじゅつのように鈴木すずき商店しょうてんの流ながれをくむ企業きぎょうは多おおく、その中なかで商社しょうしゃの双そう日びは社しゃ史しサイトで鈴木すずき商店しょうてんに関連かんれんする動うごきを21世紀せいきでも紹介しょうかいしている。2014年ねんには、有志ゆうし（OBや関係かんけい者しゃが1961年ねんに発足ほっそくさせた「辰巳たつみ会かい」^[11]）によるウェブサイト「鈴木すずき商店しょうてん記念きねん館かん」が発足ほっそく^[12]。2017年ねん7月がつ7日にちには神戸こうべ市し中央ちゅうおう区く栄町通さかえちょうどおり7丁目ちょうめの鈴木すずき商店しょうてん本店ほんてん跡あとに記念きねん碑ひが設置せっちされ、神戸こうべ市しに寄贈きぞうされた^[13]。

創業そうぎょう家かの鈴木すずき家かは、鈴木すずき商店しょうてんの流ながれをくむ企業きぎょうの経営けいえいにその後ごも関かかわった。2016年ねんに98歳さいで死去しきょした鈴木すずき治雄はるおは、ニチリン、太陽たいよう鉱こう工こうなどの役員やくいんを歴任れきにんした^[14]。