飲酒いんしゅ運転うんてん

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飲酒いんしゅ運転うんてんつけるための検問けんもんドイツ
英語えいごで「んだらるな」とかれたアメリカ海軍かいぐん基地きちにおけるサインと事故じこ車両しゃりょうグアム

飲酒いんしゅ運転うんてん(いんしゅうんてん)は、飲酒いんしゅのちにそのアルコール影響えいきょうがある状態じょうたい自動車じどうしゃなどの車両しゃりょう運転うんてんする行為こういをいう。同様どうよう状況じょうきょう交通こうつう手段しゅだん操縦そうじゅうする場合ばあい飲酒いんしゅ操縦そうじゅう(いんしゅそうじゅう)といい、船舶せんぱく飲酒いんしゅ操船そうせん[1]鉄道てつどう車両しゃりょう航空機こうくうきなどが該当がいとうする。

日本にっぽん交通こうつう法規ほうきによる規制きせいにより、飲酒いんしゅとうによりちゅうまたは呼気こきなかのアルコール濃度のうど一定いってい数値すうち以上いじょう状態じょうたい運転うんてんまたは操縦そうじゅうすることをとく酒気しゅき運転うんてん(しゅきおびうんてん)または酒気しゅき操縦そうじゅう(しゅきおびそうじゅう)といい、数値すうち関係かんけいなく運転うんてん操縦そうじゅう能力のうりょく状態じょうたいでの運転うんてんとくさけ運転うんてん(さけよいうんてん)またはさけ操縦そうじゅう(さけよいそうじゅう)という。そのほか、ぱら運転うんてんという俗称ぞくしょうもある。

概要がいよう[編集へんしゅう]

ちゅうアルコール濃度のうど事故じこリスクの相関そうかんせいしめすグラフ[2]

さけふくまれるエタノールは、中枢ちゅうすう神経しんけいけい作用さようのう神経しんけい活動かつどう抑制よくせい麻酔ますい作用さよう)する物質ぶっしつであり、飲酒いんしゅによって運動うんどう機能きのう低下ていか理性りせい自制心じせいしん低下ていか動体どうたい視力しりょく集中しゅうちゅうりょく認知にんち能力のうりょく状況じょうきょう判断はんだんりょく低下ていかとうしょうじることになる[3]。そもそも自動車じどうしゃ免許めんきょせいをとっていることにもあらわれているように、通常つうじょうにおいても操作そうさあやまれば死傷ししょうしゃしょうじる危険きけんがあるものであり、飲酒いんしゅによって様々さまざま能力のうりょく低下ていかしている状態じょうたい運転うんてんすれば多数たすう犠牲ぎせいしゃしかねない、おおきな危険きけんをともなう行為こういである。こうした危険きけん回避かいひするためおおくのくににおいてはアルコールの影響えいきょうにある状態じょうたいでの運転うんてんきんずる、もしくは制限せいげんする法律ほうりつつくられている。

日本にっぽんにおいては、道路どうろ交通こうつうほうだい65じょうだい1こう[4][5] で「何人なんにんも、さけびて車両しゃりょうとう運転うんてんしてはならない」と規定きていされており、違反いはんきびしい取締とりしまりの対象たいしょうとなる。どうほうじょうの「車両しゃりょうとう」には自動車じどうしゃオートバイ原付げんつきバイクだけでなく自転車じてんしゃなどのけい車両しゃりょう、さらにトロリーバス路面ろめん電車でんしゃ牛馬ぎゅうばなどもふくまれる。なお、道路どうろ交通こうつうほう飲酒いんしゅ運転うんてん禁止きんし適用てきようされる場所ばしょ道路どうろ交通こうつうほうう「道路どうろ[注釈ちゅうしゃく 1]じょうかぎられる。ただし、道路どうろ交通こうつうほうことなり、自動車じどうしゃ運転うんてんによりひと死傷ししょうさせる行為こういとう処罰しょばつかんする法律ほうりつにはこのような限定げんていはない。

また、医薬品いやくひん医療いりょう機器ききとう品質ひんしつ有効ゆうこうせいおよ安全あんぜんせい確保かくほとうかんする法律ほうりつ適用てきようける医薬品いやくひん該当がいとうする健康けんこうしゅやしなえいのちしゅなどの薬用やくようしゅ)であっても、アルコールを含有がんゆうするため、飲酒いんしゅ該当がいとうするおそれがあるので、くるま(オートバイ、自転車じてんしゃふくむ)を運転うんてんするまえに、健康けんこうしゅ飲用いんようすることも、飲酒いんしゅ運転うんてん該当がいとうする[6]

鉄道てつどう車両しゃりょう場合ばあいには、鉄道てつどうかんする技術ぎじゅつじょう基準きじゅんさだめる省令しょうれいだい11じょうだい3こう軌道きどう運転うんてん規則きそくだい6じょうの2だい2こう軌条きじょう電車でんしゃ運転うんてん規則きそくだい2じょうの2だい2こうにより、航空機こうくうきについては航空こうくうほうだい70じょうに、船舶せんぱくとうについては船舶せんぱく職員しょくいんおよ小型こがた船舶せんぱく操縦そうじゅうしゃほうだい23じょうの36だい1こうにより、飲酒いんしゅ操縦そうじゅう[注釈ちゅうしゃく 2]禁止きんしされている。プレジャーボートなど小型こがた船舶せんぱく水上みずかみオートバイ水上すいじょうバイク)の飲酒いんしゅ操縦そうじゅう小型こがた船舶せんぱく操縦そうじゅうしゃほうでは禁止きんしはしていても処罰しょばつ規定きていがないため、条例じょうれい罰則ばっそくもうける地方自治体ちほうじちたいえつつある[1]

歴史れきし[編集へんしゅう]

飲酒いんしゅ文化ぶんかもの文化ぶんか歴史れきし有史ゆうし以前いぜんにまでさかのぼるものの、記録きろくのこかぎりでは、さけった状態じょうたいうまったり馬車ばしゃ御者ぎょしゃつとめることをきんじる法律ほうりつ近代きんだいになるまで登場とうじょうしない。人類じんるいにおいてごく最近さいきんまで、地球ちきゅうじょうおおくの地域ちいき清潔せいけつ浄水じょうすい十分じゅうぶん入手にゅうしゅ保存ほぞんすることは困難こんなんであり、アルコールは保存ほぞんのきく安全あんぜん飲料いんりょうであったため、節度せつどたもった飲酒いんしゅであればもの操縦そうじゅうをしても問題もんだいとはなされなかった。文学ぶんがくなど文字もじ史料しりょう絵画かいがなどでも、った御者ぎょしゃ度々たびたび登場とうじょうする。

酩酊めいてい状態じょうたいもの操縦そうじゅうすることが社会しゃかい問題もんだいとなるのは、19世紀せいき後半こうはんになって個人こじん所有しょゆう可能かのうなスピードのはや自動車じどうしゃ発明はつめい普及ふきゅうした時代じだい以降いこうのことである。記録きろくのこ人類じんるい最初さいしょ飲酒いんしゅ運転うんてん逮捕たいほしゃは、1897ねん英国えいこく首都しゅとロンドンタクシー運転うんてんしゅをしていたジョージ・スミスというおとこである。スミスは飲酒いんしゅ運転うんてんちゅう建物たてもの衝突しょうとつし、最終さいしゅうてき有罪ゆうざい宣告せんこくされ、25シリング罰金ばっきんけいけた[7][8]

米国べいこくではニューヨークしゅうにおいて全米ぜんべいはじめて1910ねん飲酒いんしゅ運転うんてん禁止きんしほう成立せいりつした[9]。このような初期しょき法律ほうりつでは、酩酊めいてい状態じょうたいでの運転うんてんきんじられていたものの、具体ぐたいてきなアルコールの摂取せっしゅりょうについての定量ていりょうてき基準きじゅん存在そんざいしなかった。判定はんてい方法ほうほうは、事故じこ発生はっせい医師いし運転うんてんしゅ観察かんさつ検査けんさすることによるもので、医師いし主観しゅかんおおきく依存いぞんしていた。1930年代ねんだいなかばに、現在げんざいでも使用しようされている呼気こきアルコール検査けんさ原理げんり発明はつめいされた。1938ねん米国べいこく医療いりょう関係かんけいしゃ交通こうつう当局とうきょくは、ちゅうアルコール濃度のうど 0.15% を運転うんてん禁止きんし基準きじゅんとすることを提案ていあんしたHistory of DUI Laws

日本にっぽんにおける歴史れきし[編集へんしゅう]

だい世界せかい大戦たいせんまえには、内務省ないむしょうれいである道路どうろ取締とりしまり自動車じどうしゃ取締とりしまりれい車馬しゃば通行つうこう方法ほうほう自動車じどうしゃ運転うんてんしゅ免許めんきょなどについてさだめていたものの、飲酒いんしゅ運転うんてんについての規定きてい存在そんざいしなかった。だい世界せかい大戦たいせん日本国にっぽんこく憲法けんぽう制定せいていにより内務省ないむしょうれいによる規制きせい失効しっこうしたことから、1947ねんきゅう道路どうろ交通こうつう取締とりしまりほう制定せいていされた法律ほうりつだいひゃくさんじゅうごう昭二しょうじいちいちはち道路どうろ交通こうつう取締とりしまりほうが、きゅう道交法どうこうほうにも、飲酒いんしゅ運転うんてん禁止きんしする規定きてい存在そんざいしなかった。日本にっぽんにおいて飲酒いんしゅ運転うんてん法律ほうりつじょう明文めいぶん禁止きんしされたのは、1960ねん道路どうろ交通こうつうほう改正かいせいさいである。この法律ほうりつにより、呼気こき1リットルにたいし0.25mg以上いじょう状態じょうたいでの運転うんてん禁止きんしされた。当時とうじ酒気しゅき運転うんてん違反いはんたいする刑罰けいばつは、「ねん以下いか懲役ちょうえきまたじゅうまんえん以下いか罰金ばっきん」であった[10]。その、21世紀せいきはい段階だんかいてき厳罰げんばつすすんでいる。

日本にっぽんにおける飲酒いんしゅ運転うんてん[編集へんしゅう]

飲酒いんしゅ運転うんてんかんする日本にっぽん法律ほうりつ[編集へんしゅう]

飲酒いんしゅ運転うんてん種類しゅるい[編集へんしゅう]

日本にっぽん道路どうろ交通こうつうほうにおいては、車両しゃりょうひとし飲酒いんしゅ運転うんてんによる罰則ばっそくについて、酒気しゅき運転うんてん(しゅきおびうんてん)とさけ運転うんてん(さけよいうんてん)の2種類しゅるい分類ぶんるいしている。

  • さけ運転うんてんは、アルコール濃度のうど検知けんちには関係かんけいなく、「アルコールの影響えいきょうにより正常せいじょう運転うんてんができないおそれがある状態じょうたい」である場合ばあいがこれに該当がいとうする。具体ぐたいてきには、直線ちょくせんうえあるかせてふらつくかどうか、視覚しかく健全けんぜんはたらいているか、運動うんどう感覚かんかく機能きのう麻酔ますいされていないか、言動げんどうなどから判断はんだん認知にんち能力のうりょく低下ていかがないかなどのてん総合そうごうてき判断はんだんされる。一般いっぱん認識にんしきうすいが、けい車両しゃりょう自転車じてんしゃふくむ)の運転うんてんについても違法いほうであり、刑事けいじばつ対象たいしょうとなる。
  • 酒気しゅき運転うんてんは、ちゅうアルコール濃度のうど(またはそれに相当そうとうするとされる呼気こきちゅうアルコール濃度のうど)が、一定いっていりょうたっしているかという、形式けいしきてき基準きじゅん判断はんだんされる。このような判断はんだん基準きじゅんちがいから、運転うんてんしゃ体質たいしつ[注釈ちゅうしゃく 3] によっては、酒気しゅきびにたないアルコールりょうでもさけ運転うんてん該当がいとうすることはかんがえられる。この範囲はんいけい車両しゃりょう自転車じてんしゃふくむ)の運転うんてんについて、違法いほうではあるが、基本きほんてき罰則ばっそく規定きていはない。

行政ぎょうせい処分しょぶん[編集へんしゅう]

酒気しゅき運転うんてんは、2009ねん平成へいせい17ねん6月1にち以降いこうは、呼気こきちゅうアルコール濃度のうど0.15 mg以上いじょう違反いはん点数てんすう13てん、0.25 mg以上いじょう違反いはん点数てんすう25てん[注釈ちゅうしゃく 4]少量しょうりょう酒気しゅきびた運転うんてんであってもおも運転うんてん免許めんきょ行政ぎょうせい処分しょぶんされるようになっている。

2002ねん平成へいせい14ねん5月31にちまでは呼気こきちゅうアルコール濃度のうど0.25 mg以上いじょう違反いはん点数てんすう6てん同年どうねん6月1にちから2009ねん平成へいせい17ねん5月31にちまでは、0.15 mg以上いじょう違反いはん点数てんすう6てん、0.25 mg以上いじょう違反いはん点数てんすう13てんであった。

また、1つの行為こうい道路どうろ交通こうつうほう複数ふくすう規定きてい違反いはんすることとなった場合ばあいには通常つうじょうもっとおも行為こうい違反いはん点数てんすうなどが適用てきようされるが、酒気しゅき運転うんてん違反いはんまたは事故じここした場合ばあいには、酒気しゅき点数てんすうが(実質じっしつてきに)加重かじゅうされた違反いはん点数てんすう適用てきようされる。そのため、酒気しゅきび(0.15 mg以上いじょう0.25 mg未満みまん)の状況じょうきょうでは、違反いはん重大じゅうだいとはいえない場合ばあいであっても、それがはじめての違反いはんであったとしても、即座そくざ免許めんきょ取消とりけしに該当がいとうする場合ばあいがある。

さけ運転うんてんは、2007ねん平成へいせい19ねん)6がつ1にち以降いこう35てんとなっている。即座そくざ免許めんきょ取消とりけしになるだけでなく(免許めんきょ運転うんてん場合ばあい免許めんきょ拒否きょひ)、免許めんきょ欠格けっかく期間きかんさい受験じゅけん不可ふか)も大幅おおはば長期ちょうきにわたることになった。累積るいせき点数てんすう35てん場合ばあい前歴ぜんれきくても(免許めんきょ取得しゅとくしていなくても)欠格けっかく期間きかん最低さいてい3ねんにわたる、また特定とくてい違反いはん行為こういによる処分しょぶんであるため最長さいちょう場合ばあい欠格けっかく期間きかん10ねんになる場合ばあいもある。

2002ねん平成へいせい14ねん)5がつ31にちまでは違反いはん点数てんすう15てん同年どうねん6がつ1にちから2007ねん平成へいせい19ねん)5がつ31にちまでは25てんであった。

酒気しゅき関係かんけい違反いはん行為こういたいする基礎きそ点数てんすう[11]
違反いはん行為こうい種別しゅべつ 点数てんすう
さけ運転うんてん 35
さけい+免許めんきょ運転うんてん 35
酒気しゅき運転うんてん(0.25以上いじょう)35てん以上いじょう適用てきよう違反いはん以外いがいいちりつ 25
酒気しゅきび+免許めんきょ運転うんてん 25
酒気しゅきび(0.15以上いじょう0.25未満みまん速度そくど超過ちょうか(50 km/h以上いじょう 19
酒気しゅきび(0.15以上いじょう0.25未満みまん速度そくど超過ちょうか(30(高速こうそく40)km/h以上いじょう50km/h未満みまん 16
酒気しゅきび(0.15以上いじょう0.25未満みまん積載せきさいぶつ重量じゅうりょう制限せいげん超過ちょうか大型おおがたしゃとう10わり以上いじょう 16
酒気しゅきび(0.15以上いじょう0.25未満みまん積載せきさいぶつ重量じゅうりょう制限せいげん超過ちょうか大型おおがたしゃとう5わり以上いじょう10わり未満みまん普通ふつうしゃとう10わり以上いじょう 15
酒気しゅきび(0.15以上いじょう0.25未満みまん速度そくど超過ちょうか(25 km/h以上いじょう30(高速こうそく40)km/h未満みまん 15
酒気しゅきび(0.15以上いじょう0.25未満みまん積載せきさいぶつ重量じゅうりょう制限せいげん超過ちょうか大型おおがたしゃとう5わり未満みまん普通ふつうしゃとう10わり未満みまん 14
酒気しゅきび(0.15以上いじょう0.25未満みまん速度そくど超過ちょうか(25 km/h未満みまん 14
酒気しゅきび(0.15以上いじょう0.25未満みまん)その通常つうじょうは1てん・2てん違反いはん行為こうい 14
酒気しゅき運転うんてん(0.15以上いじょう0.25未満みまん 13
「0.25以上いじょう未満みまん」は呼気こきちゅうアルコール濃度のうど0.25 mg以上いじょう未満みまん。なお「その通常つうじょうは1てん・2てん違反いはん行為こうい」には放置ほうち駐車ちゅうしゃ違反いはんなどはふくまれない。

なお、自動車じどうしゃ使用しようしゃ安全あんぜん運転うんてん管理かんりしゃなどもふくむ)が運転うんてんしゃ飲酒いんしゅ運転うんてん下命かめいしまたは容認ようにんして運転うんてんしゃ飲酒いんしゅ運転うんてんをした場合ばあいには、6カ月かげつあいだ当該とうがい自動車じどうしゃ運転うんてん禁止きんし処分しょぶんとする行政ぎょうせい処分しょぶんされる。

刑事けいじばつ[編集へんしゅう]

2007ねん平成へいせい19ねん9月19にち道路どうろ交通こうつうほう改正かいせい施行しこうにより、さけ運転うんてん罰則ばっそくが「5ねん以下いか懲役ちょうえきまた100まんえん以下いか罰金ばっきん」、酒気しゅき運転うんてん罰則ばっそくが、「3ねん以下いか懲役ちょうえきまた50まんえん以下いか罰金ばっきん」へとさらに厳罰げんばつされた。また、飲酒いんしゅ検知けんち拒否きょひした場合ばあいも「3ねん以下いか懲役ちょうえきまた50まんえん以下いか罰金ばっきん」と強化きょうかされた。

自動車じどうしゃ運転うんてんかんし、運転うんてんしゃ飲酒いんしゅ運転うんてん下命かめいしまたは容認ようにんした、自動車じどうしゃ使用しようしゃ安全あんぜん運転うんてん管理かんりしゃ運行うんこう管理かんりしゃなどもふくむ)も処罰しょばつされる。

なお、この改正かいせいにより、飲酒いんしゅ運転うんてんをするおそれがあるものへの車両しゃりょうまたは酒類しゅるい提供ていきょうをしたものや、そのもの同乗どうじょうしまたは運送うんそう要求ようきゅうしたものも、個別こべつ処罰しょばつされることとなった(後述こうじゅつ)。

交通こうつう事故じこ場合ばあい[編集へんしゅう]

飲酒いんしゅ検問けんもんでなく交通こうつう事故じこ発生はっせいによりさけい・酒気しゅき運転うんてん事実じじつ発覚はっかくしまたは確認かくにんされた場合ばあいには、より厳重げんじゅう罰則ばっそく適用てきようされる。

れいとして、死亡しぼう事故じここした場合ばあいにおいてさけ運転うんてんだった場合ばあいには違反いはん点数てんすう55てんせられ、道路どうろ交通こうつうほうだい88じょうだい1こうさだめる運転うんてん免許めんきょ試験しけん受験じゅけん欠格けっかく期間きかんが7ねんとなる。

ひと死傷ししょうさせ人身じんしん事故じこになった場合ばあい以前いぜん刑法けいほう業務ぎょうむじょう過失かしつ致死傷ちししょうざい最高さいこうでも懲役ちょうえき5ねんだったが、その自動車じどうしゃ運転うんてんによりひと死傷ししょうさせる行為こういとう処罰しょばつかんする法律ほうりつ自動車じどうしゃ運転うんてん死傷ししょう行為こうい処罰しょばつほう)が適用てきようされるようほう改正かいせいされた。

  • 危険きけん運転うんてん致死傷ちししょう
    • アルコールまた薬物やくぶつ影響えいきょうにより正常せいじょう運転うんてん困難こんなん状態じょうたい自動車じどうしゃ走行そうこうして事故じここした場合ばあい負傷ふしょう場合ばあいで15ねん以下いか懲役ちょうえき致死ちし場合ばあいで1ねん以上いじょう有期ゆうき懲役ちょうえき、さらに免許めんきょ場合ばあいには6月以上いじょう有期ゆうき懲役ちょうえきとなる。
    • アルコールまた薬物やくぶつ影響えいきょうにより走行そうこうちゅう正常せいじょう運転うんてん支障ししょうしょうじるおそれがある状態じょうたい自動車じどうしゃ運転うんてんして事故じここした場合ばあい負傷ふしょう場合ばあいで12ねん以下いか懲役ちょうえき致死ちし場合ばあいで15ねん以下いか懲役ちょうえきとなる。さらに、免許めんきょ場合ばあいには負傷ふしょう場合ばあいで15ねん以下いか懲役ちょうえき致死ちし場合ばあいで6がつ以上いじょう有期ゆうき懲役ちょうえきとなる。
  • 過失かしつ運転うんてん致死傷ちししょうアルコールとう影響えいきょう発覚はっかくめんだっ
    • アルコールまた薬物やくぶつ影響えいきょうにより走行そうこうちゅう正常せいじょう運転うんてん支障ししょうしょうじるおそれがある状態じょうたい自動車じどうしゃ運転うんてんして事故じここした場合ばあいさらにアルコールまた薬物やくぶつ摂取せっしゅしたり、そのはなれて身体しんたい保有ほゆうするアルコールまた薬物やくぶつ濃度のうど減少げんしょうさせさせたりして、アルコールまた薬物やくぶつ影響えいきょうがあったことの発覚はっかくまぬかれようとした場合ばあい、12ねん以下いか懲役ちょうえき、さらに免許めんきょ場合ばあいには15ねん以下いか懲役ちょうえきとなる。

民事みんじ責任せきにん[編集へんしゅう]

飲酒いんしゅ運転うんてんにより事故じここした場合ばあい交通こうつう事故じこ損害そんがい賠償ばいしょう過失かしつ割合わりあいについて、通常つうじょうよりも飲酒いんしゅ運転うんてんしゃ過失かしつおおきく認定にんていされる。

自動車じどうしゃ保険ほけんでは、飲酒いんしゅ運転うんてんをした運転うんてんしゅのケガや車両しゃりょう損害そんがいたいしては、保険ほけんきん支払しはらわれないことがある[12]

事故じここした運転うんてんしゃ使用しようしゃがある場合ばあいは、使用しようしゃ責任せきにんわれ、連帯れんたいして賠償ばいしょう責任せきにんふくするのが通例つうれいである。なおこれは自動車じどうしゃ運行うんこう供用きょうようしゃ責任せきにんとは別個べっこである。

社会しゃかいてき制裁せいさい[編集へんしゅう]

後述こうじゅつ福岡ふくおか飲酒いんしゅ運転うんてん事故じこ以降いこう民間みんかん企業きぎょう公務員こうむいんは、飲酒いんしゅ運転うんてんやそれをりつつ黙認もくにん共同きょうどう不法ふほう行為こうい)した社員しゃいん職員しょくいんは、原則げんそくとして懲戒ちょうかい解雇かいこ懲戒ちょうかい免職めんしょくとするところおおくなっている(業種ぎょうしゅ職種しょくしゅおよび勤務きんむ時間じかんない勤務きんむがい事故じこ有無うむわず、解雇かいこ免職めんしょく対象たいしょうとなるところがおおい)。

飲酒いんしゅ運転うんてん厳罰げんばつにより、地方ちほう飲食いんしょくてん経営けいえいりたなくなり(「地方ちほう疲弊ひへい」)、きょう原因げんいん一端いったんとなっていることから、厳罰げんばつ見直みなおすべきと主張しゅちょうしているものもいる[13]。また、飲食いんしょくてんがわも、こうしたことを理由りゆうげ、来店らいてんしゃたいし、来店らいてん手段しゅだんえてかないケースも見受みうけられる[14]

彦根ひこねれいでは、飲酒いんしゅ運転うんてん発覚はっかくした場合ばあいには停職ていしょく免職めんしょくなど厳格げんかく処分しょぶんするとしながらも、公務こうむがい勤務きんむ時間じかんがい)の違反いはん事故じこ報告ほうこく義務付ぎむづけないとした。これを不祥事ふしょうじ隠蔽いんぺい体質たいしつとして批判ひはんするきがある一方いっぽう、『何人なんにんも、自己じこ不利益ふりえき供述きょうじゅつ強要きょうようされない』とさだめた憲法けんぽうだい38じょう趣旨しゅしから、強制きょうせいすることは違憲いけんであり、への報告ほうこく職員しょくいんみずからが道義どうぎてき判断はんだんすべきとの意見いけんがある[注釈ちゅうしゃく 5]

山梨やまなしけんでは、飲酒いんしゅ運転うんてんおよびそれに関連かんれんした事故じこにより逮捕たいほ検挙けんきょされる事例じれいむかしから相次あいついでいる。1976ねん昭和しょうわ51ねん)には飲酒いんしゅ運転うんてん摘発てきはつ相次あいつぎ、5がつまでにけん職員しょくいん市町村しちょうそん職員しょくいんが9にん逮捕たいほされた。このなかには学校がっこう新任しんにん職員しょくいん歓迎かんげいかい職員しょくいん飲酒いんしゅ運転うんてんでひきげをおこない、学校がっこうぐるみでいんぺいがおこなわれたケースもあった。これを契機けいきけん全体ぜんたい厳罰げんばつ当時とうじとしては異例いれい停職ていしょく減給げんきゅう)の方針ほうしんされたが[15]、そのもなくなることはかった。 2006ねん平成へいせい18ねん)9がつ19にち身延みのぶまち教育きょういく委員いいんちょう酒気しゅき運転うんてん検挙けんきょされたが、その記事きじいた朝日新聞あさひしんぶん甲府こうふ総局そうきょく記者きしゃおな酒気しゅき運転うんてん検挙けんきょされている(よく20にち発覚はっかく[16][17] のをはじめ、2015ねん平成へいせい27ねん5月8にちには山梨放送やまなしほうそう営業えいぎょう企画きかく部長ぶちょう[18]同年どうねん7がつ8にちには甲府こうふ市議会しぎかい議員ぎいん[19]、2016ねん2がつ17にちには日本にっぽん年金ねんきん機構きこう甲府こうふ所長しょちょう[20]、2017ねん6がつ15にちには山梨やまなし県庁けんちょう主幹しゅかん[21]、2017ねん7がつ15にちには山梨やまなしけん警察けいさつ警部補けいぶほ[22]酒気しゅきびを原因げんいんとしたげやものそん事故じここしているが、いずれも辞職じしょくしまたは免職めんしょく処分しょぶんけている。

社会しゃかいてき制裁せいさいかか処分しょぶんについて裁判さいばんあらそわれたケースもある。2007ねん平成へいせい19ねん)5がつ山形やまがた県議会けんぎかい議員ぎいん飲酒いんしゅ運転うんてん摘発てきはつされた。その県議会けんぎかい全会ぜんかい一致いっち可決かけつした辞職じしょく勧告かんこく決議けつぎ[23]したがわないため、県議会けんぎかいは、政治せいじ倫理りんり審査しんさかい勧告かんこくれと辞職じしょくまでほん会議かいぎ委員いいんかいへの出席しゅっせき自粛じしゅくするようもとめる審査しんさ結果けっかした。2003ねん平成へいせい15ねん)11月に、飲酒いんしゅ運転うんてん懲戒ちょうかい免職めんしょく処分しょぶんとなった熊本くまもとけん教師きょうし処分しょぶん撤回てっかいもとめた結果けっか勤務きんむ評定ひょうじょうがよいなどの理由りゆう処分しょぶん不当ふとうだという最高裁さいこうさい判決はんけつた(2007ねん7がつ12にち 朝日新聞あさひしんぶん)。2007ねん平成へいせい19ねん)5がつに、飲酒いんしゅ運転うんてんおこなっていたことが判明はんめいして懲戒ちょうかい免職めんしょく処分しょぶんとなった兵庫ひょうごけん加西かさい職員しょくいんは、処分しょぶん無効むこうもとめるうったえをこした。2009ねん4がつ、この訴訟そしょうしん大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょは「業務ぎょうむ無関係むかんけい運転うんてんで、運転うんてんしていた距離きょりみじかく、交通こうつう事故じここしておらず、アルコール検知けんちりょう道路どうろ交通こうつうほう違反いはん最低さいてい水準すいじゅんであり、懲戒ちょうかい免職めんしょく処分しょぶん過酷かこく裁量さいりょうけん逸脱いつだつしている」としたうえで、懲戒ちょうかい免職めんしょく判決はんけつをいいわたした。さらに、同年どうねん9がつ最高裁判所さいこうさいばんしょは、同市どうし上告じょうこく棄却ききゃくし、懲戒ちょうかい免職めんしょくしが確定かくていした。これを同市どうしは、飲酒いんしゅ運転うんてんでの職員しょくいん懲戒ちょうかい処分しょぶんを、原則げんそく懲戒ちょうかい免職めんしょくから停職ていしょく以上いじょうへと緩和かんわした[24]

上記じょうきの2009ねん平成へいせい17ねん)9がつ最高裁さいこうさい判決はんけつ契機けいきに、飲酒いんしゅ運転うんてんをした公務員こうむいん原則げんそくとして懲戒ちょうかい免職めんしょくとしていた日本にっぽん国内こくないの29の自治体じちたいのうち、10の府県ふけんおよが、処分しょぶん基準きじゅん見直みなおしをおこなうか、もしくは検討けんとうしていることが判明はんめいしている[25]

2010ねん平成へいせい22ねん)4がつ酒気しゅき運転うんてんものそん事故じここしたとして懲戒ちょうかい免職めんしょくとなった京都きょうと市立しりつ中学校ちゅうがっこう教頭きょうとうは、退職たいしょく手当てあて全額ぜんがく支給しきゅうとしたことが違法いほうたるとして、京都きょうと地方裁判所ちほうさいばんしょ処分しょぶんしをもとうったえをこした。いちしんは「(もと教頭きょうとうの)永年えいねん功績こうせき全面ぜんめんてき抹消まっしょうするほどの背信はいしん行為こういとはいえない」として、裁量さいりょうけん濫用らんようたり違法いほうであるとしてうったえをみとめたが、しん大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょは「人身じんしん事故じこ危険きけんせいもあり、もと教頭きょうとう行為こういきわめて悪質あくしつ」としたうえで、「裁量さいりょうけん濫用らんようではない」として、原告げんこく逆転ぎゃくてん敗訴はいそ判決はんけつをいいわたした[26]

スポーツとう大会たいかいでは、個人こじんやチームメンバーの飲酒いんしゅ運転うんてん発覚はっかくすると出場しゅつじょうしなどの措置そちられることがある。だい72かい選抜せんばつ高等こうとう学校がっこう野球やきゅう大会たいかいでは、福井ふくいけんにある敦賀気比つるがけひ高等こうとう学校がっこう野球やきゅう部員ぶいんが、飲酒いんしゅおよ免許めんきょ運転うんてん自動車じどうしゃ事故じここしたことで、同校どうこう出場しゅつじょう辞退じたいまれた。

運転うんてんしゃ以外いがいもの責任せきにん[編集へんしゅう]

刑事けいじばつ単独たんどく正犯せいはん[編集へんしゅう]

飲酒いんしゅ運転うんてん運転うんてんしゃ飲酒いんしゅ運転うんてん下命かめいまたは容認ようにんした運転うんてんしゃ使用しようしゃふくむ)が道路どうろ交通こうつうほう違反いはんばっせられるが、2007ねん9がつ19にち道路どうろ交通こうつうほう改正かいせい施行しこうにより、飲酒いんしゅ運転うんてんをするおそれのあるもの車両しゃりょう提供ていきょうしたものならびに酒類しゅるい提供ていきょうしたものおよびそのもの運送うんそう依頼いらいしくは要求ようきゅうをしてその車両しゃりょう同乗どうじょうしたもの、これらも個別こべつ処罰しょばつ対象たいしょうとなった。

これらの行為こういは、飲酒いんしゅ運転うんてんしゃ犯罪はんざいとは独立どくりつした提供ていきょうしゃ同乗どうじょうしゃ単独たんどく正犯せいはんあつかいとなる。運転うんてんしゃ犯罪はんざい共謀きょうぼう共同きょうどう正犯せいはんまたは従犯じゅうはんみとめられるしゃ指示しじ下命かめいまたは容認ようにんしゃ)については、その犯罪はんざいにつき正犯せいはん運転うんてんしゃ)にじゅんじて処罰しょばつされる。

  • 車両しゃりょう提供ていきょう
    • さけ運転うんてん場合ばあい
      5ねん以下いか懲役ちょうえきまたは100まんえん以下いか罰金ばっきん
    • 酒気しゅき運転うんてん場合ばあい
      3ねん以下いか懲役ちょうえきまたは50まんえん以下いか罰金ばっきん
  • 酒類しゅるい提供ていきょう
    • さけ運転うんてん場合ばあい
      3ねん以下いか懲役ちょうえきまたは50まんえん以下いか罰金ばっきん
    • 酒気しゅき運転うんてん場合ばあい
      2ねん以下いか懲役ちょうえきまたは30まんえん以下いか罰金ばっきん
  • 同乗どうじょうとう
    • さけ運転うんてん場合ばあいさけ運転うんてん状態じょうたいであることを認識にんしきしていた場合ばあいかぎる)
      3ねん以下いか懲役ちょうえきまたは50まんえん以下いか罰金ばっきん
    • 酒気しゅき運転うんてん場合ばあいおよび上記じょうき以外いがい場合ばあい
      2ねん以下いか懲役ちょうえきまたは30まんえん以下いか罰金ばっきん
共同きょうどう不法ふほう行為こうい[編集へんしゅう]

刑事けいじ事件じけんとして処罰しょばつ対象たいしょうとなりうるにまらず、飲酒いんしゅ運転うんてん事故じこ民事みんじ責任せきにんも、同様どうよう共同きょうどう不法ふほう行為こういとして賠償ばいしょう責任せきにんうこととなる(民法みんぽう719じょう)。

実例じつれいとして、2001ねん平成へいせい13ねんまつ、ある男性だんせいが、同僚どうりょうさけを7あいだんでいながら運転うんてんおこない、当時とうじ19さいだった女子大じょしだいせい轢死れきしさせた事件じけんがあり、運転うんてんしゃ危険きけん運転うんてん致死ちしざいわれ懲役ちょうえき7ねん判決はんけつがいいわたされた。ところがその同僚どうりょうも「運転うんてんしゃりながらさけませた」と賠償ばいしょう責任せきにんわれ、東京とうきょう地裁ちさい2006ねん平成へいせい18ねん7がつ28にち、その同僚どうりょうに「注意ちゅうい義務ぎむおこたった」と5,800まんえん賠償ばいしょう命令めいれいくだした判例はんれいがある。また、2018ねん11月には、たんなる同乗どうじょうしゃ2めいたい連帯れんたいして6,300まんえん損害そんがい賠償ばいしょう責任せきにんうとする裁判さいばんじょう和解わかいれいもある[27]

このような場合ばあいたんなる同乗どうじょう起因きいんする損害そんがい賠償ばいしょう責任せきにん担保たんぽする自動車じどうしゃ保険ほけん交通こうつう保険ほけんとう[注釈ちゅうしゃく 6] ため、個人こじん賠償ばいしょう責任せきにん保険ほけんとう加入かにゅうまたは保険ほけん適用てきよう対象たいしょうがいとなる場合ばあい同乗どうじょうしゃにも深刻しんこく事態じたいまねく。

車両しゃりょうもしくは酒類しゅるい提供ていきょう同乗どうじょうとうによる違反いはんしゃ運転うんてん免許めんきょけていた場合ばあいには、当然とうぜん違反いはん行為こうい行政ぎょうせい処分しょぶんとしてそのものらの免許めんきょ取消とりけし停止ていしなどの処分しょぶんがなされる。なお、飲酒いんしゅ運転うんてんしゃ犯罪はんざい共謀きょうぼう共同きょうどう正犯せいはんまたは従犯じゅうはんみとめられるものについては、正犯せいはん運転うんてんしゃ)と同等どうとう処分しょぶんがなされる。道路どうろ交通こうつうほうじょうの「重大じゅうだい違反いはんそそのかとう」は、自動車じどうしゃとう運転うんてん行為こういであることと要件ようけんがない。

結論けつろんとして、飲酒いんしゅ運転うんてんかかわったもの本人ほんにんでなくとも飲酒いんしゅ運転うんてん(およびそれによる交通こうつう事故じこ)の責任せきにん刑事けいじ民事みんじ行政ぎょうせい処分しょぶんめんからわれる。さらに前述ぜんじゅつ社会しゃかいてき制裁せいさいつとさきからの懲戒ちょうかい解雇かいこ処分しょぶんなど)もける。組織そしきてきおこなわれていた場合ばあい捜査そうさ令状れいじょうなどにより家宅かたく捜索そうさく関係かんけいしゃ任意にんい同行どうこうする場合ばあいがあり、新聞しんぶん週刊しゅうかんなどで報道ほうどうされることもある。

飲酒いんしゅ運転うんてん厳罰げんばつ[編集へんしゅう]

飲酒いんしゅ運転うんてんとそれによる交通こうつう事故じこは、過失かしつ事犯じはんではなく故意こい犯罪はんざい類型るいけいとして認識にんしきされている。また、規範きはん意識いしき欠如けつじょ一因いちいんとしてアルコール依存いぞんしょう指摘してきされている(後述こうじゅつ)。

都市としくらべ、公共こうきょう交通こうつう機関きかん整備せいび不十分ふじゅうぶん地域ちいきほうのが飲酒いんしゅ運転うんてん発生はっせい頻度ひんどたか[28] 傾向けいこうられる。そうした地域ちいき中心ちゅうしんに、飲酒いんしゅ運転うんてん厳罰げんばつまり強化きょうかとともに運転うんてん代行だいこうサービスが普及ふきゅうした。

1999ねん平成へいせい11ねん)の東名とうめい高速こうそく飲酒いんしゅ運転うんてん事故じこよく2000ねん平成へいせい12ねん)の小池こいけ大橋おおはし飲酒いんしゅ運転うんてん事故じこ契機けいきに、飲酒いんしゅ運転うんてんたいする社会しゃかい問題もんだい認識にんしきたかまり、2001ねん平成へいせい13ねん)に危険きけん運転うんてん致死傷ちししょうざい制定せいていされた。しかし2006ねん平成へいせい18ねん)には福岡ふくおかかい中道ちゅうどう大橋おおはし飲酒いんしゅ運転うんてん事故じこ発生はっせいし、よく2007ねん平成へいせい19ねん)に自動車じどうしゃ運転うんてん過失かしつ致死傷ちししょうざい新設しんせつされた。

北海道ほっかいどうでは、2014ねん平成へいせい26ねん7がつ13にち小樽おたるぜにはこ発生はっせいした飲酒いんしゅ運転うんてんによる死亡しぼうひき事故じこけ、2015ねん12月から「北海道ほっかいどう飲酒いんしゅ運転うんてん根絶こんぜつかんする条例じょうれい」が施行しこうされている[29]同時どうじに7がつ13にち北海道ほっかいどうでは「飲酒いんしゅ運転うんてん根絶こんぜつ」とさだめた[30]北海道ほっかいどう警察けいさつは2015ねん飲酒いんしゅ運転うんてん情報じょうほう提供ていきょうサイト「飲酒いんしゅ運転うんてんゼロボックス」を開設かいせつし、開設かいせつからやく3週間しゅうかんで100けん以上いじょう情報じょうほうせられ、酒気しゅき運転うんてん検挙けんきょにもつながっている[31][32][33]

2021ねん発生はっせいした八街やまち児童じどう5にん死傷ししょう事故じこにおいては事故じここした車両しゃりょう自家用じかよう車両しゃりょうしろナンバー)であったことから、2022ねん4がつ道路どうろ交通こうつうほう施行しこう規則きそく改正かいせいされ、しろナンバーの社用しゃようしゃを5だい以上いじょう、または11にん以上いじょう定員ていいん自動車じどうしゃを1だい以上いじょう事業じぎょうしょたいして安全あんぜん運転うんてん管理かんりしゃ選任せんにんとアルコール検査けんさとう義務付ぎむづけられた[34]

運輸うんゆぎょう旅客りょかく自動車じどうしゃ航空こうくう鉄道てつどうなど)[編集へんしゅう]

鉄道てつどうでは国鉄こくてつ時代じだい1982ねん昭和しょうわ57ねん)に、寝台しんだい特急とっきゅう紀伊きい」の機関きかん飲酒いんしゅによる居眠いねむりで機関きかんしゃえのさい衝突しょうとつ事故じここし(寝台しんだい特急とっきゅう紀伊きい機関きかんしゃ衝突しょうとつ事故じこ)、また1984ねん昭和しょうわ59ねん)には寝台しんだい特急とっきゅう富士ふじ」の機関きかん飲酒いんしゅ操縦そうじゅうおこない、徐行じょこう区間くかん失念しつねんして脱線だっせん事故じここしている(西明石にしあかしえき列車れっしゃ脱線だっせん事故じこ)。飲酒いんしゅ操縦そうじゅう原因げんいん事故じこ相次あいついでこしたことは、当時とうじ世間せけんから批判ひはんされていた国鉄こくてつ職員しょくいんモラルひくさをしめすものとされ、、国鉄こくてつ分割ぶんかつ民営みんえい肯定こうていする世論せろん形成けいせいする一因いちいんともなった。

飲酒いんしゅ運転うんてん厳罰げんばつけて、運輸うんゆぎょうでは旅客りょかく貨物かもつわず、乗務じょうむいん出勤しゅっきん退勤たいきん点呼てんこに(一部いちぶ事業じぎょうしゃでは休憩きゅうけい前後ぜんこうも)呼気こきアルコール検査けんさ実施じっしする事業じぎょうしゃ2000年代ねんだいはいって増加ぞうかした。

2002ねん平成へいせい14ねん7がつ7にちにはJRバス高速こうそくバス中央ちゅうおうライナー」で、ジェイアール東海とうかいバス運転うんてん飲酒いんしゅ運転うんてんにより接触せっしょく事故じここし[35]、ジェイアール東海とうかいバスも過去かこ最大さいだいとなる長期間ちょうきかん行政ぎょうせい処分しょぶんけた[36]。この事故じこおおきく報道ほうどうされて問題もんだいとなり、これを契機けいきにバス事業じぎょうしゃにおいても飲酒いんしゅ運転うんてん撲滅ぼくめつ課題かだいとなった。2005ねん5月には西鉄にしてつバス佐賀さが鳥栖とす支社ししゃで、前日ぜんじつ飲酒いんしゅしたバス運転うんてんわり、運行うんこう管理かんりしゃが「だま」となってアルコール検査けんさけていたことが問題もんだいになった。2011ねん平成へいせい23ねん)5がつ1にちからは国土こくど交通こうつう省令しょうれいにより、旅客りょかく自動車じどうしゃ貨物かもつ自動車じどうしゃ運輸うんゆ事業じぎょうしゃでは点呼てんこのアルコール検査けんさ義務ぎむづけられている[37]

その職業しょくぎょうでも、わずかなアルコールが残存ざんそん酒気しゅき運転うんてん該当がいとうするような飲酒いんしゅふせぐために検査けんさ実施じっししているところがある。夜更よふけに飲酒いんしゅし、翌朝よくあさはやくの出勤しゅっきんなどで運転うんてんするような場合ばあい酒気しゅき運転うんてんとなるおそれがある。具体ぐたいてき時間じかん飲酒いんしゅりょう体質たいしつ[注釈ちゅうしゃく 7] によるので一概いちがいえないが、たとえば航空機こうくうき操縦そうじゅうでは、日本にっぽんでは操縦そうじゅうの8あいだまえ飲酒いんしゅをしないよう通達つうたつ[38] されている。

2018ねん平成へいせい30ねん)には日本航空にほんこうくう全日空ぜんにっくうをはじめとする航空こうくう各社かくしゃにて、パイロットが飲酒いんしゅ検査けんさっかかり交代こうたいのため運行うんこう遅延ちえん発生はっせいし、日本航空にほんこうくうふく操縦そうじゅう飲酒いんしゅ状態じょうたい乗務じょうむしようとしイギリス当局とうきょく逮捕たいほされる事件じけんきた。これをけて国土こくど交通省こうつうしょう飲酒いんしゅ操縦そうじゅう検査けんさ体制たいせいかんし、関係かんけい各社かくしゃ事務所じむしょなどに検査けんさおこなった[39][40]

食品しょくひん医療いりょう[編集へんしゅう]

アルコール飲料いんりょう以外いがいにも、酒類しゅるいもちいた洋菓子ようがし[41]奈良漬ならづけほかノンアルコールビール甘酒あまざけなどを飲食いんしょくした場合ばあい体質たいしつ[注釈ちゅうしゃく 3]摂取せっしゅりょうによっては飲酒いんしゅ運転うんてんになる可能かのうせいがある。

ノンアルコールビールとよばれているものでも、「アルコールぶん0.00%」と表示ひょうじされているもの以外いがい一般いっぱんに0.01%から0.99%程度ていど微量びりょうのアルコールを含有がんゆうする場合ばあいがあり、また「アルコールぶん0%」であっても同様どうよう含有がんゆうする場合ばあいがある[注釈ちゅうしゃく 8]

また、栄養えいようドリンクにもアルコールがふくまれるものがあり、アルコールぶんたかいものでは3%程度ていど商品しょうひん市販しはんされている。「アルコールぶん0.00%以外いがいのノンアルコールビールとう多量たりょう摂取せっしゅや、一部いちぶあらいこうえきふくまれるアルコールの影響えいきょうで、使用しよう飲酒いんしゅ直後ちょくご飲酒いんしゅ検査けんさけると、基準きじゅん以上いじょうのアルコール濃度のうど検出けんしゅつされる可能かのうせいもある。

交通こうつう事故じこにより病院びょういん搬送はんそうされた場合ばあい採血さいけつ試料しりょうがエタノール検査けんさきょうされることがある。日本にっぽん医療いりょう機関きかんでは皮膚ひふ消毒しょうどくにエタノールをふく消毒しょうどくやくもちいることがおおく、採血さいけつ部位ぶい皮膚ひふ消毒しょうどくもちいたエタノールが採血さいけつ試料しりょう混入こんにゅうし、あやまって飲酒いんしゅ運転うんてん判定はんていされる可能かのうせい指摘してきされている[42]

なお、飲酒いんしゅ検知けんち当然とうぜんながら「なにを摂取せっしゅしたか」ではなく「数値すうちいくつか」が判断はんだん基準きじゅんとされる。そのため「飲酒いんしゅうたがわれたらアルコールがはいった食品しょくひん摂取せっしゅしたと説明せつめいすれば不問ふもんになる」とうことはない[43][44][45]。ただし通常つうじょう摂取せっしゅりょうで、特定とくてい体質たいしつ[注釈ちゅうしゃく 3] でなければ、アルコールを微量びりょうふく食品しょくひんべても、基準きじゅんたっしないことが調査ちょうさにより判明はんめいしている[46]

ハードめんでの対策たいさく[編集へんしゅう]

エンジンをかけるまえに、アルコール呼気こき検査けんさをクリアしないとエンジンがかからない(インターロック)という装置そうちがあり、スウェーデンなどでは使用しよう義務ぎむ推進すいしんされている。日本にっぽんにおいても、日産自動車にっさんじどうしゃから飲酒いんしゅ運転うんてん防止ぼうしコンセプトカー開発かいはつされる[47] など、ハードめんからの対策たいさくあんすすめられつつある。

アルコール依存いぞんしょう[編集へんしゅう]

常習じょうしゅうてき飲酒いんしゅ運転うんてんかえ運転うんてんしゃ存在そんざいし、その規範きはん意識いしき欠如けつじょ一因いちいんとしてアルコール依存いぞんしょう指摘してきされている。アルコール依存いぞんしょうみずからの意思いし飲酒いんしゅ行動こうどうをコントロールできなくなり、強迫きょうはくてき飲酒いんしゅ行為こういかえ精神せいしん疾患しっかんである。精神せいしん疾患しっかんとして酩酊めいていし、その結果けっか自己じこ抑制よくせいうしない、その状態じょうたい自動車じどうしゃなどを運転うんてんする状況じょうきょういちじるしく重大じゅうだい結果けっかまね[48]

しょ外国がいこく飲酒いんしゅ運転うんてん禁止きんしほう[編集へんしゅう]

飲酒いんしゅ運転うんてんかんする法律ほうりつは、くにによってことなる。差異さいとしては、犯罪はんざいわれるまでのちゅうアルコール濃度のうど許容きょよう限界げんかいげられる。

北米ほくべい[編集へんしゅう]

全米ぜんべい50しゅう運転うんてんしゃちゅうアルコール濃度のうどが0.08%をえると飲酒いんしゅ運転うんてん(DUI:Driving Under the Influence、DWI:Driving While IntoxicatedしくはDriving While Impaired、OWI:Operating While Impaired)[注釈ちゅうしゃく 9]摘発てきはつ対象たいしょうとなり、21さい未満みまんものについては飲酒いんしゅ自体じたい禁止きんしされているため、ちゅうアルコール濃度のうどが0.08%をえなくても、摘発てきはつ対象たいしょうとなる(いわゆる「ゼロ・トレランス方式ほうしき」)[49]

ヨーロッパ[編集へんしゅう]

デンマークでは2015ねんだいベルト海峡かいきょう不審ふしんうごきをしていた貨物かもつせん発見はっけんした海軍かいぐん艦艇かんてい兵士へいしおくったところ、ロシアじん船長せんちょう泥酔でいすい状態じょうたいだったことが発覚はっかく拘束こうそくされる事件じけんきている[50]

ポーランドパイェンチュノでは、町内ちょうない道路どうろ戦車せんしゃT-55暴走ぼうそうしたおとこ飲酒いんしゅ運転うんてん容疑ようぎ逮捕たいほされる事件じけん2019ねん6月13にち発生はっせいした[51]

ラトビアでは飲酒いんしゅ運転うんてん社会しゃかい問題もんだいとなっているため、2022ねん11月に改訂かいていされた法律ほうりつにより、血液けつえきちゅうのアルコール濃度のうどが0.05%以上いじょうある状態じょうたいくるま運転うんてんしたもの自動車じどうしゃ没収ぼっしゅうされることとなったが、12月時点じてん保管ほかん場所ばしょこまるほどの車両しゃりょう没収ぼっしゅうされている[52]

中南米ちゅうなんべい[編集へんしゅう]

トリニダード・トバゴドミニカこくでも飲酒いんしゅ運転うんてんおこなものおおく、飲酒いんしゅ運転うんてんによる交通こうつう事故じこ多発たはつしている[53][54]

韓国かんこく[編集へんしゅう]

大韓民国だいかんみんこく韓国かんこく)では、ちゅうアルコール濃度のうど数値すうちが0.03%以上いじょう状態じょうたい運転うんてんすると違法いほうとなる[55]警察けいさつ事前じぜん通知つうちなしに飲酒いんしゅ検問けんもんしょ運営うんえいする場合ばあいおおく、飲酒いんしゅ測定そくてい拒否きょひすると刑事けいじ犯罪はんざいとなる。飲酒いんしゅ運転うんてんは、運転うんてん免許めんきょ停止ていしまたは欠格けっかく事由じゆう該当がいとうする。

しかし致死ちし事故じこ場合ばあい韓国かんこく飲酒いんしゅ運転うんてん致死ちし事件じけん量刑りょうけい基準きじゅん最大さいだい懲役ちょうえき8~10ねんだが、実際じっさい韓国かんこく裁判所さいばんしょくだ判決はんけつ懲役ちょうえき3ねんであることがおおい。はなはだしい飲酒いんしゅ運転うんてん再犯さいはんしゃにも、最低さいていけいりょうである懲役ちょうえき3ねん宣告せんこくする場合ばあい一般いっぱんてきで、韓国かんこく国内こくないではこれにたいする批判ひはんおおい。このため、韓国かんこく世界せかいもっと飲酒いんしゅ運転うんてん事故じこ被害ひがい危険きけんせいたかいという指摘してきもある[56]

中国ちゅうごく[編集へんしゅう]

中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくでは経済けいざい発展はってんとも自動車じどうしゃ使用しようすう増加ぞうかし、2011ねんまで自動車じどうしゃ事故死じこししゃすうが10ねんつづけて世界一せかいいち交通こうつう事故じこ大国たいこくであった[57]。2009ねんには、杭州こうしゅう南京なんきんとう飲酒いんしゅ運転うんてんによる交通こうつう事故じこ頻発ひんぱつ飲酒いんしゅ運転うんてんによる事故じこ増加ぞうか交通こうつうマナーのわるさもあいまって、市民しみんなかから飲酒いんしゅ運転うんてん罰則ばっそく強化きょうかもとめるこえたかまり、それをけて2011ねん5がつ施行しこうされた「刑法けいほう改正かいせい」に「危険きけん運転うんてん行為こうい」の項目こうもく追加ついかされた[58]

中国ちゅうごくでの飲酒いんしゅ運転うんてんは、飲酒いんしゅしゃ酒気しゅき運転うんてん)とよいしゅしゃさけ運転うんてん)の2つに大別たいべつされるが、酒気しゅき運転うんてん再犯さいはん場合ばあい拘留こうりゅう10日とおか以下いか)と罰金ばっきん(1,000~2,000もと)、さらに運転うんてん免許めんきょ取消とりけしといった、同国どうこくとしてはきびしい罰則ばっそくになった[58]。またさけ運転うんてんについても、「危険きけん運転うんてん行為こうい」のなか初犯しょはん再犯さいはんかかわらず「さけ運転うんてんおよびスピード運転うんてんきわめて悪質あくしつ行為こういであり、拘留こうりゅう罰金ばっきん処分しょぶんす」とさだめており、飲酒いんしゅ運転うんてん罰則ばっそくが「行政ぎょうせい処分しょぶん」から「刑事けいじばつ」に改定かいていされた[59]刑罰けいばつ厳格げんかくされた2011ねん5がつ以降いこうさけ運転うんてん検挙けんきょ件数けんすうは、そのまえ2年間ねんかんとの比較ひかくで4わり減少げんしょうしている[60]

飲酒いんしゅ運転うんてん複数ふくすう相手あいて死亡しぼうさせる、事故じこ現場げんばから逃走とうそうするいった悪質あくしつ事例じれいでは、危険きけん方法ほうほう公共こうきょう安全あんぜんがいするざいで、無期むき懲役ちょうえきあるいは死刑しけいになる可能かのうせいがある[61]

台湾たいわん[編集へんしゅう]

台湾たいわんでは、飲酒いんしゅ運転うんてんによる死亡しぼう事件じけん相次あいついでいることから日本にっぽん連座れんざせいにならったさけ罰則ばっそく強化きょうか2019ねん7がつ1にちから実施じっしされた[62]

オセアニア[編集へんしゅう]

オーストラリアでは、血液けつえきちゅうのアルコール濃度のうどが0.05%以上いじょうある状態じょうたいくるま運転うんてんすることが禁止きんしされている[63]。ただし、オーストラリアでは上位じょうい概念がいねん自動車じどうしゃ定義ていぎされてく、ピクニックテーブルにエンジンをけた「エンジン移動いどうしきピクニックテーブル」などの飲酒いんしゅ運転うんてんまることができずに、地元じもと警察けいさつは「危険きけんだから」という理由りゆうおこなわないでしいと見解けんかいしている[64]なお、日本にっぽんでは一般いっぱんてき車台しゃだい原動機げんどうきなどで駆動くどうするもの自動車じどうしゃとしており、ピクニックテーブルに原動機げんどうきけたものも自動車じどうしゃとされる。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 道路どうろ交通こうつうほうにいう道路どうろには、道路どうろほうもとづく「道路どうろ」だけでなく、都市とし計画けいかく道路どうろ港湾こうわん道路どうろ農道のうどう林道りんどう自動車じどうしゃどうなどもふくまれる。
  2. ^ 鉄道てつどう車両しゃりょうについては、マスメディアなどや一般いっぱんあいだでは運転うんてん認識にんしきから「飲酒いんしゅ運転うんてん」としょうする場合ばあいおおい。ただし車両しゃりょうとう飲酒いんしゅ運転うんてん区別くべつするために、鉄道てつどう車両しゃりょう軌道きどうじょう車輌しゃりょう軌条きじょう電車でんしゃ航空機こうくうきまたは船舶せんぱくについては「飲酒いんしゅ操縦そうじゅうとう表記ひょうきする立場たちばがある(さけおよ酒気しゅき操縦そうじゅう罰則ばっそく強化きょうか[リンク])。なお、道路どうろにある路面ろめん電車でんしゃについては道路どうろ交通こうつうほう飲酒いんしゅ運転うんてん適用てきようける。
  3. ^ a b c ALDH2欠損けっそんがたおよび・またはADH1Bてい活性かっせいがた体質たいしつひとなど。日本人にっぽんじんでは2 - 3%程度ていどられる。
  4. ^ ここでいう濃度のうどは、呼気こき1リットルちゅうのアルコール濃度のうど(ミリグラムごとリットル)である。ちゅうアルコール濃度のうどによる場合ばあいには、呼気こき場合ばあいにおける 0.15 mg / 0.25 mgが、それぞれ法令ほうれいじょう、0.3 mg / 0.5 mg の血液けつえき1ミリリットルちゅうのアルコール濃度のうど(ミリグラムごとミリリットル)に対応たいおうする。なお、違反いはん点数てんすう13てんとなる呼気こきちゅうアルコール濃度のうど 0.15 mgは、体質たいしつ・タイミングなどにもよるが、ビールなどをすこんだことでもえうる濃度のうどである。
  5. ^ もっとも、憲法けんぽう38じょうはいわゆる黙秘もくひけん司法しほう機関きかんから被疑ひぎしゃ被告人ひこくにんへの自己じこ不利益ふりえき供述きょうじゅつ強要きょうよう禁止きんし)をさだめるものと一般いっぱんほぐされているため、職位しょくいじょう不利益ふりえき処分しょぶんまぬかれることまでをも保護ほご対象たいしょうとするものでないとするこえもある。なお、憲法けんぽう38じょうかんして、麻薬まやくあつかいについてであるが、黙秘もくひけん事前じぜん放棄ほうきという理論りろん採用さいようした判例はんれいもある(さいはん昭和しょうわ29ねん7がつ16にち)。
  6. ^ 運行うんこう供用きょうようしゃ責任せきにん、すなわち飲酒いんしゅ運転うんてん車両しゃりょう所有しょゆうしゃ使用しようしゃであれば別段べつだん
  7. ^ ALDHのタイプによりことなる。
  8. ^ 酒税しゅぜいほううえアルコールを1%以上いじょうふく飲料いんりょうさけとみなされており、1%未満みまんであれば清涼飲料水せいりょういんりょうすいとしてあつかわれる。またアルコール含有がんゆうりょう表示ひょうじについては、%未満みまんだい1での四捨五入ししゃごにゅうによる表示ひょうじ可能かのうである(0.50%から0.99%⇒「1%」、0.01%から0.49%⇒「0%」)。なお一般いっぱんてき分析ぶんせき試験しけんでの検出けんしゅつ限界げんかいは0.01%単位たんいである。
  9. ^ 日本にっぽんでは飲酒いんしゅ運転うんてん薬物やくぶつ摂取せっしゅしての運転うんてん麻薬まやくとう運転うんてん)は罪状ざいじょう区別くべつされているが、DUIやDWIは運転うんてんちゅう飲酒いんしゅおよ薬物やくぶつ両方りょうほう摂取せっしゅ摘発てきはつするものである。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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  9. ^ First drunk driving arrest
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関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]


外部がいぶリンク[編集へんしゅう]