H

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Hh Hh
ラテン文字もじ
Aa Bb Cc Dd    
Ee Ff Gg Hh    
Ii Jj Kk Ll Mm Nn
Oo Pp Qq Rr Ss Tt
Uu Vv Ww Xx Yy Zz

Hは、ラテン文字もじアルファベット)の8ばん文字もじ小文字こもじhギリシャ文字もじΗいーた(イータ)に由来ゆらいし、キリル文字もじИ同系どうけいである。

キリル文字もじНべつで、ラテン文字もじN相当そうとうする文字もじである。

字形じけい[編集へんしゅう]

筆記ひっきたい
ジュッターリーンたい

はじめの字形じけいがある。

  1. 2ほんたてぼうとそれを中央ちゅうおうむすよこぼうからる。大文字おおもじ普通ふつうこの字形じけいである。
  2. みぎたてぼううえ半分はんぶんく。みぎかくまるまり、ひだり交点こうてんおな方向ほうこうまるまる。小文字こもじはこの字形じけいである。フラクトゥールのように、大文字おおもじ小文字こもじともこの字形じけいである。

呼称こしょう[編集へんしゅう]

これらの呼称こしょう

ラテン語らてんご「ha」→後期こうきラテン語らてんご "aha" → "ahha" → "accha"
→イタリア "acca"
→スペイン "hache" → フランス語ふらんすご "ache" → 英語えいご "aitch"

というような推移すいいによるものとかんがえられている。

なお、英語えいごめいは、当初とうしょふるフランス語ふらんすごそのままにおおむね [aːtʃə] のごとく発音はつおんしていたが、その規則きそくてき変化へんかだい母音ぼいん遷移せんい)により現在げんざいおと [eɪtʃ] になっている。現在げんざい英語えいごでは一般いっぱんたん音節おんせつの -aCe を [-eɪC]発音はつおんする(ここで C は任意にんい子音しいんとする)ものの、C にあたる位置いちに ch [tʃ]場合ばあいについてはほとんどれいがないため、H [eɪtʃ] を ache とつづることは通常つうじょうおこなわれない。ache というつづりは [eɪk]発音はつおんするべつ語彙ごいてられている。

おと[編集へんしゅう]

  • ドイツ英語えいごでは原則げんそくとして無声むせい声門せいもん摩擦音まさつおん/h/ないしその類似るいじおんあらわす。ドイツでは語頭ごとう以外いがいまえ母音ぼいん、またはt,rをともなうhは発音はつおんされない(複合語ふくごうごちゅうのhはもと単語たんご発音はつおんじゅんずる)。また、そのまえ母音ぼいんながばすように作用さようし、英語えいごでもそうなる場合ばあいがあり、この場合ばあいhの文字もじそのものは発音はつおんされない。
  • ポーランド中国ちゅうごくピンインでは無声むせい軟口蓋なんこうがい摩擦音まさつおん/x/あらわす。
  • おおくのロマンスでは発音はつおんされない。
    • フランス語ふらんすごでは、「無音むおんのh」と「ゆうおんのh」の2種類しゅるいがある。両者りょうしゃとも単独たんどくでは発音はつおんされることはいが、ゆうおんのhではじまる単語たんごリエゾンエリジオンアンシェヌマンこさない(語頭ごとう以外いがいのhはこの区別くべつかんがえる必要ひつようい)。だま#フランス語ふらんすご参照さんしょうのこと。
    • イタリアでは発音はつおんかかわらないhについては、英語えいごのhaveに相当そうとうする動詞どうしavereの活用かつよう感嘆かんたん外来がいらいのぞき、かれなくなった。なお、hはcやgのうしろにかれてcやgを/k//g/発音はつおんたもはたらきをつ。
    • 例外れいがいてきに、ルーマニアでは/h~x/で発音はつおんされる。ch, ghはイタリアおなじ。
  • おおくの言語げんごで、"ch", "ph" などのように子音しいんうしろにかれ、類似るいじべつおとあらわす。摩擦音まさつおんになることがおおい。
  • 子音しいんうしろにいてゆうおんあらわすことがある。タイやヒンディーなどのゆうごえ無声むせい区別くべつゆう区別くべつ両方りょうほうがある言語げんごマ字まじ表記ひょうき使用しようされる。
  • 日本語にほんごマ字まじ表記ひょうきではぎょう子音しいんもちいる。ただヘボンしきでは「フ」の子音しいんのハぎょう子音しいんことなるためべつ (F) をもちいる。また、「ヒ」の子音しいんのハぎょう子音しいんことなるが、これには訓令くんれいしきでもヘボンしきでものハぎょうおなじHをもちいる。オだん長音ちょうおん表記ひょうき使用しようする場合ばあいもある(佐藤さとう→Satoh妹尾せのお→Senoh)。
  • 朝鮮ちょうせんマ字まじ表記ひょうきでは初声はつこえの「」にもちいる。一般いっぱんてきではないが、イェールしきひとしげきおんしめためにも使用しようされる表記ひょうきほうがある。

歴史れきし[編集へんしゅう]

ギリシャ文字もじΗいーた(イータ)に由来ゆらいする。現在げんざいΗいーたやИが母音ぼいんなのにたいし、このHが/h/あらわすのは、Ηいーたふる音韻おんいん(ヘータとばれ、/h/あらわした)にもとづくものである。

Hの意味いみ[編集へんしゅう]

学術がくじゅつてき記号きごう単位たんい[編集へんしゅう]

大文字おおもじ[編集へんしゅう]

小文字こもんじ[編集へんしゅう]

その記号きごう[編集へんしゅう]

符号ふごう位置いち[編集へんしゅう]

大文字おおもじ Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 小文字こもんじ Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 備考びこう
H U+0048 1-3-40 H
H
h U+0068 1-3-72 h
h
半角はんかく
U+FF28 1-3-40 H
H
U+FF48 1-3-72 h
h
全角ぜんかく
U+24BD Ⓗ
Ⓗ
U+24D7 1-12-38 ⓗ
ⓗ
まるかこ
🄗 U+1F117 🄗
🄗
U+24A3 ⒣
⒣
括弧かっこ
U+1D34 ᴴ
ᴴ
ʰ U+02B0 ʰ
ʰ
うえ文字もじ
𝐇 U+1D407 𝐇
𝐇
𝐡 U+1D421 𝐡
𝐡
太字ふとじ
𝐻 U+1D43B 𝐻
𝐻
U+210E ℎ
ℎ
イタリックたい
𝑯 U+1D46F 𝑯
𝑯
𝒉 U+1D489 𝒉
𝒉
イタリックたい太字ふとじ
U+210B ℋ
ℋ
𝒽 U+1D4BD 𝒽
𝒽
筆記ひっきたい
𝓗 U+1D4D7 𝓗
𝓗
𝓱 U+1D4F1 𝓱
𝓱
筆記ひっきたい太字ふとじ
U+210C ℌ
ℌ
𝔥 U+1D525 𝔥
𝔥
フラクトゥール
U+210D ℍ
ℍ
𝕙 U+1D559 𝕙
𝕙
黒板こくばん太字ふとじ
𝕳 U+1D573 𝕳
𝕳
𝖍 U+1D58D 𝖍
𝖍
フラクトゥール太字ふとじ
𝖧 U+1D5A7 𝖧
𝖧
𝗁 U+1D5C1 𝗁
𝗁
サンセリフ
𝗛 U+1D5DB 𝗛
𝗛
𝗵 U+1D5F5 𝗵
𝗵
サンセリフ太字ふとじ
𝘏 U+1D60F 𝘏
𝘏
𝘩 U+1D629 𝘩
𝘩
サンセリフイタリック
𝙃 U+1D643 𝙃
𝙃
𝙝 U+1D65D 𝙝
𝙝
サンセリフイタリック太字ふとじ
𝙷 U+1D677 𝙷
𝙷
𝚑 U+1D691 𝚑
𝚑
とうはばフォント
記号きごう Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 名称めいしょう
U+2095 ₕ
ₕ
LATIN SUBSCRIPT SMALL LETTER H
ʜ U+029C ʜ
ʜ
LATIN LETTER SMALL CAPITAL H
🄷 U+1F137 🄷
🄷
SQUARED LATIN CAPITAL LETTER H
🅗 U+1F157 🅗
🅗
NEGATIVE CIRCLED LATIN CAPITAL LETTER H
🅷 U+1F177 🅷
🅷
NEGATIVE SQUARED LATIN CAPITAL LETTER H

表現ひょうげんほう[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]