HyperText Markup Language

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HTMLから転送てんそう
HTML
HTMLコードれい
拡張子かくちょうし.html, .htm
MIMEタイプtext/html[1][2]
タイプコードTEXT
HTML
UTIpublic.html
開発かいはつしゃW3C
WHATWG
種別しゅべつマークアップ言語げんご
派生はせいもとSGML
拡張かくちょうXHTML
国際こくさい標準ひょうじゅんHTML Living Standard

HTML[注釈ちゅうしゃく 1]またはHyperText Markup Language(ハイパーテキスト マークアップ ランゲージ)[注釈ちゅうしゃく 2]は、ハイパーテキスト記述きじゅつするためのマークアップ言語げんごの1つで、プログラミング言語げんごではない。おもWorld Wide Web(WWW)において、ウェブページ表現ひょうげんするためにもちいられる。ハイパーリンク画像がぞうとうマルチメディアハイパーテキストとしての機能きのう見出みだ段落だんらくといったドキュメント抽象ちゅうしょう構造こうぞうフォント文字もじいろ指定していなどの指定してい、などといった機能きのうがある。

ティム・バーナーズ=リーによってSGMLもと開発かいはつされた。1993ねん最初さいしょのドラフトが公開こうかいされ、最初さいしょにおいてはIETFが、1996ねん以降いこうW3Cが、2019ねん以降いこうWHATWG規格きかく策定さくてい仕様しよう公開こうかいおこなっている[3][4]

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

HTMLは構造こうぞう入子いれこ構造こうぞう)のマークアップ言語げんごであり、形式けいしき言語げんごである。「プレーンテキストの文書ぶんしょ要素ようそくくって意味いみけ」という一般いっぱんてき説明せつめい[5]間違まちがいである。「『タグ』と『タグ』でくくられたもの全体ぜんたい」が「要素ようそ」(element)であり、タグすなわち要素ようそではない。マークアップ言語げんごとしての特徴とくちょうは、先祖せんぞであるSGMLや、兄弟きょうだいXML共通きょうつうしているため、以下いかではWWWというシステムにおける「ハイパーテキスト記述きじゅつ言語げんご」としての側面そくめんについてのみ記述きじゅつする。

HTMLの要素ようそには、文書ぶんしょ表現ひょうげんするものとしてごく一般いっぱんてきなものである見出みだし(ヘッドライン、h1〜)、段落だんらく(パラグラフ、p)、ハイパーテキストとして特徴とくちょうてきな「アンカー」(a)に関係かんけいするもの、画像がぞうなど(imgなど)の電子でんしメディアてきなもの、などがある。また文字もじしょく指定していなどといった、意味いみではなく直接ちょくせつのみを指定していするようなものは、近年きんねんではスタイルシートなどに分離ぶんりするべきとされているが、歴史れきしてき事情じじょうおよび、スタイルシートよりもこの、HTMLでの記述きじゅつ簡便かんべんになる場合ばあい度々たびたびあること[注釈ちゅうしゃく 3]から現在げんざいでもしばしば使つかわれている。その主要しゅよう要素ようそは、HTMLの要素ようそ記事きじ解説かいせつしている。

形式けいしき言語げんごとして場合ばあい構文こうぶん規則きそく」(あるいは文法ぶんぽう)に相当そうとうする「スキーマ」は、HTML4まではDTDとして公開こうかいされ要素ようそごとに記載きさいすることの出来でき属性ぞくせい内容ないようふくむことの出来でき要素ようそなどがさだめられていた。HTML 4.01では厳密げんみつなもの[注釈ちゅうしゃく 4]、HTML 3.2からの移行いこう過渡かとのためのもの[注釈ちゅうしゃく 5]、フレームをもちいた文書ぶんしょのためのもの[注釈ちゅうしゃく 6]といった3つのDTDが定義ていぎされていた。

HTML 3.2では左右さゆうする要素ようそ属性ぞくせい追加ついかされたがHTMLは本来ほんらい文書ぶんしょ構造こうぞうしめすためだけにその存在そんざい意義いぎがあり、それらの要素ようそ目的もくてきはんするものとされた。そのため視覚しかくてき感覚かんかくてき効果こうか定義ていぎする手段しゅだんとしてスタイルシート一般いっぱんにはそのなかCSS)が考案こうあんされた。左右さゆうする要素ようそ属性ぞくせい一部いちぶはHTML4以降いこうでは推奨すいしょうとされており、HTML 4.01 Strictでは定義ていぎされていないので使用しようできない。ただしHTML 4.01 Strict定義ていぎされ、推奨すいしょうとされない要素ようそ属性ぞくせい一部いちぶにも左右さゆうするものがある。装飾そうしょくてき視覚しかく表現ひょうげんのためにそれらの要素ようそ属性ぞくせいもちいているのであればその内容ないようてきする要素ようそもちいたうえで、スタイルシートで表現ひょうげん指定していするのがのぞましいとされている。

標準ひょうじゅん仕様しよう[編集へんしゅう]

2023ねん4がつ現在げんざい、HTMLの有効ゆうこう標準ひょうじゅん仕様しよう以下いかの2てんである。

文書ぶんしょ 策定さくていしゃ 構文こうぶん 説明せつめい 開発かいはつ時期じき
HTML Living Standard WHATWG HTML構文こうぶん
またはXML
現在げんざいデファクトスタンダード
HTML文書ぶんしょだけでなく、DOMなどのAPIふく仕様しようとなっている。
2021ねんにはHTML5勧告かんこく廃止はいしされ、あらたなW3C勧告かんこくとなった。
2004ねん現在げんざい
ISO/IEC 15445:2000
(ISO-HTML)
ISO/IEC JTC 1/SC 34 SGML 2000ねん発表はっぴょうされ、2003ねん改訂かいていされた[注釈ちゅうしゃく 7][注釈ちゅうしゃく 8]
HTML 4.01 Strictをもとに、より厳密げんみつ規格きかくされた。
日本語にほんご翻訳ほんやくされたものが、JIS規格きかくの「JIS X 4156:2000」[6]「JIS X 4156:2005」[7]となっている。
2000ねん~2003ねん[注釈ちゅうしゃく 9]

下表かひょう失効しっこうみのかつての標準ひょうじゅん仕様しよう(またはドラフト)の一覧いちらんである。

名称めいしょう 策定さくていしゃ 文書ぶんしょ 発効はっこう 失効しっこう
HTML[注釈ちゅうしゃく 10] IETF Hypertext Markup Language (HTML) -[注釈ちゅうしゃく 11] -
HTML+ IETF HTML+ (Hypertext markup format) -[注釈ちゅうしゃく 11] -
HTML 2.0 IETF RFC 1866 1995ねん11月24にち 2000ねん6がつ[8]
RFC 1867 1995ねん11月25にち
RFC 1942 1996ねん5月
RFC 1980 1996ねん8がつ
RFC 2070 1997ねん1がつ
HTML 3.0 IETF HTML 3.0 Draft -[注釈ちゅうしゃく 11] -
HTML 3.2 W3C HTML 3.2 Reference Specification[注釈ちゅうしゃく 12] 1997ねん1がつ13にち 1997ねん12月[注釈ちゅうしゃく 13]
HTML 3.2 Reference Specification[注釈ちゅうしゃく 14] 1997ねん1がつ14にち
HTML 4.0 W3C HTML 4.0 Specification 1997ねん12月18にち 2018ねん3月27にち[9]
HTML 4.0 Specification[注釈ちゅうしゃく 15] 1998ねん4がつ24にち
HTML 4.01 W3C HTML 4.01 Specification 1999ねん12月24にち 2018ねん3月27にち[10]
HTML5 W3C HTML5 2014ねん10月28にち 2018ねん3月27にち[11]
HTML 5.1 W3C HTML 5.1 2016ねん11月1にち 2021ねん1がつ28にち[12]
HTML 5.1 2nd Edition 2017ねん10月3にち
HTML 5.2 W3C HTML 5.2 2017ねん12月14にち 2021ねん1がつ28にち[13]
HTML 5.3 W3C HTML 5.3 -[注釈ちゅうしゃく 16] -

以下いか言語げんご仕様しようについては歴史れきしてき経緯けいいなど特別とくべつ事情じじょうがないかぎり、WHATWGの策定さくていする「HTML Living Standard」を基準きじゅん説明せつめいおこなう。失効しっこうみの仕様しようについては下記かき#歴史れきし」のこう参照さんしょう

言語げんご仕様しよう[編集へんしゅう]

HTMLはドキュメント構造こうぞう(モデル)、かく要素ようそ役割やくわり/意味いみ(セマンティクス)、表現ひょうげんする構文こうぶん(シンタックス)を定義ていぎする。

構造こうぞう[編集へんしゅう]

HTMLは要素ようそElement)の構造こうぞうあつかう。かく要素ようそ以下いかの3つから構成こうせいされる。

  • 要素ようそめい
  • 属性ぞくせいattribute): 0以上いじょう属性ぞくせいめいのペア、文字もじれつ限定げんてい[14]
  • 要素ようそ: 0以上いじょう

要素ようそ要素ようそをもつため、総体そうたいとして要素ようそ構造こうぞうでモデルされる。

構文こうぶん[編集へんしゅう]

HTMLを表現ひょうげんするための構文こうぶんとしては、HTML構文こうぶんHTML Syntax)およびXML構文こうぶんXML Syntax)が存在そんざいする。XML構文こうぶん記述きじゅつされたHTMLはかつてXHTMLばれていたが、現在げんざい仕様しようではそのようなけはおこなわない[15]。また、現在げんざい仕様しようではHTML構文こうぶん使用しよう推奨すいしょうされている[16]

HTML文書ぶんしょ文書ぶんしょがた宣言せんげんHTML要素ようそ、そして(任意にんいの)BOMコメント空白くうはく文字もじからなる[注釈ちゅうしゃく 17]

HTML構文こうぶん場合ばあい要素ようそ

<要素ようそめい 属性ぞくせいめい=>コンテンツ</要素ようそめい>

というテキスト形式けいしき記述きじゅつされる。コンテンツをはさ

<要素ようそめい>...</要素ようそめい>

タグばれ、前方ぜんぽう部分ぶぶん開始かいしタグ後方こうほう部分ぶぶん終了しゅうりょうタグばれる。コンテンツ要素ようそをもつことで総体そうたいとしての構造こうぞう表現ひょうげんされる。
また、要素ようそをもたない単一たんいつ構文こうぶん

<要素ようそめい />

単一たんいつ/単独たんどくタグ[注釈ちゅうしゃく 18]またHTML5ではそら要素ようそ[17]ばれる(れい<br /><img src"something.jpg" />)。これらはしばしば / が省略しょうりゃくされることがある(れい<br><hr>)。


注意ちゅういてんとして、要素ようそはタグではない[18]要素ようそ構造こうぞうじょう規定きていされる存在そんざいであり、構文こうぶんじょう表現ひょうげんであるタグと併記へいきされるものではない。また要素ようそはタグ+コンテンツで表現ひょうげんされるため、タグは要素ようそ表現ひょうげんするものの一部いちぶぎない。

機能きのう[編集へんしゅう]

HTMLはことなる意味いみをもつ様々さまざま要素ようそ定義ていぎする[19]かく要素ようそでは可能かのう属性ぞくせい定義ていぎされ、要素ようそいを調整ちょうせいできるようになっている。ほとんどの要素ようそでは、要素ようそめい機能きのうし、属性ぞくせい自身じしん特性とくせいし、要素ようそ収納しゅうのうされるべつコンテンツをす。

たとえば <title> はタイトルを意味いみし、<a>ハイパーテキストアンカーを意味いみする。<a href="https://example.com"> では href 属性ぞくせいによってリンクさき指定していされている。

HTMLは要素ようそのセマンティクスを定義ていぎしているにぎないので、それを具体ぐたいてきにどう表現ひょうげん利用りようするかは利用りようがわゆだねられている[20]通常つうじょうウェブブラウザでの利用りよう想定そうていされているが、音声おんせい対話たいわエージェントが利用りようするケースもありる。

HTML文書ぶんしょ[編集へんしゅう]

HTMLでかれた文書ぶんしょをHTML文書ぶんしょい、HTMLでは、まず文書ぶんしょがた宣言せんげんく。HTML構文こうぶんもちいる場合ばあい文書ぶんしょがた宣言せんげん以下いかとおかなければならない[注釈ちゅうしゃく 19]

<!DOCTYPE html>

つぎにHTML文書ぶんしょれいげる。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
 <head>
  <meta charset="UTF-8">
  <link rel="author" href="mailto:mail@example.com">
  <title lang="en">HyperText Markup Language - Wikipedia</title>
 </head>
 <body>
  <article>
   <h1 lang="en">HyperText Markup Language</h1>
   <p>HTMLは、<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/SGML">SGML</a>
      アプリケーションのひとつで、ハイパーテキストを利用りようしてワールド
      ワイドウェブじょう情報じょうほう発信はっしんするためにつくられ、
      ワールドワイドウェブの<strong>基幹きかんてき役割やくわり</strong>をなしている。
      情報じょうほう発信はっしんするための文書ぶんしょ構造こうぞう定義ていぎするために使つかわれ、
      ある程度ていど機械きかい理解りかい可能かのう言語げんごで、
      写真しゃしんみや、フォームの作成さくせい、
      ハイパーテキストによるHTMLあいだ連携れんけい可能かのうである。</p>
  </article>
 </body>
</html>

このHTML文書ぶんしょつぎのような構造こうぞうしめしている。

  • <!DOCTYPE html>:文書ぶんしょがた宣言せんげん
    このテキストが最新さいしんのHTMLであることをしめす。
  • <html lang="ja">:html要素ようそ。また、lang="ja"で、言語げんごコードja言語げんご使つかわれていることの明示めいじ
    • <head>:head要素ようそ(この文書ぶんしょのヘッダ情報じょうほう明示めいじ
      • <meta ... />:meta要素ようそ文書ぶんしょのメタ情報じょうほう)。ここでは、charset="UTF-8"で、文字もじコードが、「UTF-8」であることをしめす。
      • <link ... />要素ようそのリソースとの関連かんれん明示めいじ。この場合ばあい作者さくしゃ明示めいじ
      • <title lang="en">:title要素ようそ(この文書ぶんしょのタイトル)の明示めいじ。また、この部分ぶぶんen言語げんご使つかわれていることの明示めいじ
    • <body>:body要素ようそ(この文書ぶんしょ内容ないよう明示めいじ
      • <article>:article要素ようそ(この要素ようそが、記事きじであることを明示めいじ
        • <h1 lang="en">:h1要素ようそだいいちレベル)の見出みだしを明示めいじ。また、lang="en"で、この部分ぶぶん見出みだしは en言語げんご使つかわれていることを明示めいじ
        • <p>:p(段落だんらく)要素ようそ明示めいじ
          • <a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/SGML/">SGML</a>:a(アンカー)要素ようそのリソースへのアンカー)であることの明示めいじhrefで、「""ないにリンクさきURL記述きじゅつする。ちなみに、このURL場合ばあいは、ウィキペディア日本語にほんごばんSGML記事きじ
          • <strong>:strong要素ようそつよ強調きょうちょうであることの明示めいじ

タグによって文字もじれつくくることによりその文字もじれつ意味いみけがなされる。ユーザーエージェントはそれを解釈かいしゃくして、たとえば h1要素ようそくくられたテキストは「その文書ぶんしょちゅうもっと重要じゅうよう見出みだし」という意味いみつようになり、 GUI によるウェブブラウザであればおおきく太字ふとじ表示ひょうじするなどする。また、スタイルシートをもちいることでなどを指定していすることができるようになっている。

なお、通常つうじょうはマークアップちゅう改行かいぎょう文字もじ挿入そうにゅうしてもウェブブラウザじょうでは描画びょうがされない。改行かいぎょうおこな場合ばあいbr要素ようそもちいる必要ひつようがあるが、br要素ようそ本来ほんらいのためではなく、住所じゅうしょのように実際じっさいにコンテンツの一部いちぶである改行かいぎょうのためにのみに使用しようされなければならない[21]

歴史れきし[編集へんしゅう]

1989ねんCERNティム・バーナーズ=リーは、オリジナルのHTML(およびおおくの関連かんれんしたプロトコル、HTTPなど)のメモを提案ていあんし、1990ねん5月にコードした[22]NEXTSTEP動作どうさするNeXTcubeワークステーションじょう開発かいはつされた。当時とうじのHTMLは仕様しようではなく、直面ちょくめんしていた問題もんだい解決かいけつするためのツールぐんであった。直面ちょくめんしていた問題もんだいとは、ティム・バーナーズ=リーやその同僚どうりょうたちがどのように情報じょうほう進行しんこうちゅう研究けんきゅう共有きょうゆうするかということである。かれ成果せいかのち国際こくさいてきかつ公開こうかいのネットワークの出現しゅつげんとして結実けつじつし、世界せかいてき注目ちゅうもくあつめることになった。

HTMLの初期しょきのバージョンはゆるい文法ぶんぽう規則きそくによって定義ていぎされており、ウェブ技術ぎじゅつになじみのないそうれられるたすけとなった。ウェブブラウザはウェブページの意図いと推測すいそくし、レンダリングを実行じっこうするのが一般いっぱんてきであった。やがて公式こうしき規格きかくにおいては厳格げんかく言語げんご構文こうぶんつくることを志向しこうするようになっていったが、それにくわえ、ウェブブラウザの挙動きょどうもと構文こうぶんエラーのあつかいも規格きかくふくめることで、既存きそんのウェブページにたいする互換ごかんせい維持いじはかられている[23]

HTMLが公式こうしき仕様しようとして定義ていぎされたのは1990年代ねんだいからである。それは従来じゅうらいのマークアップ言語げんごであるSGMLに、インターネットのためのハイパーテキスト機能きのうれるというティム・バーナーズ=リーの提案ていあんおおきく影響えいきょうけたものだった。

1993ねんにはIETFからHTML仕様しようしょバージョン1.0が公開こうかいされ、SGMLからの拡張かくちょうとして文法ぶんぽう定義ていぎDTDつようになった。また1994ねんにIETFのHTMLワーキンググループが発足ほっそくした。しかし、2.0以降いこうのIETFのもとでの開発かいはつ開発かいはつとの競合きょうごうから停滞ていたいした。1996ねんからはW3Cによって商用しょうようソフトウェア・ベンダーからの支援しえんけ、HTMLの仕様しよう標準ひょうじゅんされている[24]。また2000ねんからは国際こくさい標準ひょうじゅんともなった(ISO/IEC 15445:2000)。W3Cから勧告かんこくされた最新さいしんのHTML仕様しようはHTML 5.2である。

HTML 1.0、HTML+[編集へんしゅう]

1993ねん6がつに、IETFのIIIR Workingグループより提出ていしゅつされたHTML仕様しようしょがインターネット・ドラフトとして発表はっぴょうされた。本来ほんらいはバージョン番号ばんごういていないが通常つうじょうHTML 1.0とぶ。このドラフトはティム・バーナーズ=リーおよびダニエル・コノリーによって、ティム・バーナーズ=リーのしたHTML Design Constraints極力きょくりょくしたがうようにかれた。

1993ねん11月に、HTMLの上位じょうい互換ごかんな HTML+が発表はっぴょうされた。テーブルなどが追加ついかになっている。HTML+仕様しようしょ

HTML 2.0[編集へんしゅう]

1995ねん11月に、IETFのHTMLワーキンググループによってRFC 1866日本語にほんごやく)として仕様しよう発表はっぴょうされた。下記かき補助ほじょてきなRFCもリリースされた。HTML 2.0はRFC 2854によって廃止はいしされHTMLはIETFではなくW3Cが管理かんりすることとなった。

  • 1995ねん11月:フォームベースのファイルアップロード。RFC 1867
  • 1996ねん5がつ:テーブル。RFC 1942
  • 1996ねん8がつ:クライアントサイドイメージマップ。RFC 1980
  • 1997ねん1がつ:HTMLの国際こくさいRFC 2070非公式ひこうしき日本語にほんごやく)。「HTML i18n」ともばれる。日本語にほんごあつかえるHTMLのバージョンとしては、もっとふるい。

HTML 3.0、HTML 3.2[編集へんしゅう]

HTML 3.0は策定さくてい作業さぎょうおこなわれたが、ドラフトの段階だんかい策定さくてい途中とちゅう破棄はきされた。HTML 3.0仕様しようしょ

1997ねん1がつ14にちに、HTML 3.2がW3C勧告かんこくとして仕様しよう発表はっぴょうされた。HTML 3.2 Reference Specification非公式ひこうしき日本語にほんごやく)。

HTML 4.0、HTML 4.01[編集へんしゅう]

1997ねん12月18にちに、W3C勧告かんこくとしてHTML 4.0の仕様しよう発表はっぴょうされた。HTML 4.0は1998ねん4がつ24にち仕様しよう改訂かいてい[注釈ちゅうしゃく 20]された。この仕様しようにいくらかのマイナーな修正しゅうせいくわえられたHTML 4.01は1999ねん12月24にちにW3C勧告かんこくとなった。Strict DTDほかにHTML 3.2からの移行いこう過渡かとのためのTransitional DTDとフレームを使つかうことのできる Frameset DTDの3つのスキーマをつ。

こののち、HTML 4.01をベースとしてXHTML 1.0が策定さくていされることになる。

2018ねん3月28にち代替だいたいされた勧告かんこく指定していされ、最新さいしん勧告かんこく参照さんしょうすることを推奨すいしょうされている。

ISO/IEC 15445:2000[編集へんしゅう]

ISO/IEC JTC 1による規格きかく。HTML 4.01を参考さんこうにし、より厳密げんみつ規格きかくされた。これは2000ねん翻訳ほんやくされJIS X 4156:2000というJIS規格きかくになった。

ISO/IEC 15445:2000は2003ねん訂正ていせいばん[注釈ちゅうしゃく 21]発行はっこうされた(ただし訂正ていせいなので、その名称めいしょうはISO/IEC 15445:2000のまま)。JIS X 4156は2005ねん改正かいせいされ、JIS X 4156:2005日本にっぽん産業さんぎょう標準ひょうじゅん調査ちょうさかい経済けいざい産業さんぎょうしょう)となっている。

HTML5、HTML 5.1、HTML 5.2[編集へんしゅう]

HTML5のロゴ

その、HTMLの改良かいりょうにW3Cが興味きょうみしめさなかったことから、2004ねんWHATWG開発かいはつ開始かいしした[25]。2007ねんには、W3Cもワーキンググループを設立せつりつ[26]、WHATWGと共同きょうどうでの開発かいはつはじまった。しかし、2012ねん7がつ両者りょうしゃ別個べっこ作業さぎょうする体制たいせいとなった[27]。WHATWGの仕様しよう策定さくていHTML Living Standard英語えいごばんとして継続けいぞくしている。

2014ねん10月28にちにHTML5がW3Cより勧告かんこくされた[28]。ブログや記事きじけの「article」要素ようそやマルチメディアのための「audio」および「video」要素ようそなどをはじめとしたしん要素ようそ属性ぞくせい追加ついかされ、以前いぜん規定きていしていた要素ようそほとんどは変更へんこうまたは削除さくじょされた。2016ねん11月1にちに HTML 5.1が勧告かんこくされ[29]2017ねん12月14にちに HTML 5.2が勧告かんこくされた[30]

W3CによるHTML5~HTML 5.2は、WHATWGのHTML Living Standardをもと編集へんしゅうくわえられたものであり、HTML Living Standardとの差異さい発生はっせいしている状態じょうたいとなっていた。これについてWHATWGのIan Hickson英語えいごばんがW3Cがわつよ非難ひなんする事態じたいとなっている[31]。W3CはHTML 5.3への作業さぎょうすすめられていたものの、2019ねんのWHATWGとの合意ごういにより、りやめている[3]

HTML Living Standard[編集へんしゅう]

HTML Living Standard[32]WHATWG更新こうしんつづけている HTMLの最新さいしん仕様しよう。2019ねんまではW3CのHTML5~HTML 5.2と並行へいこうして仕様しよう策定さくていすすめられている状態じょうたいだった。これをもとにしてW3Cの勧告かんこくつくられていた。

HTML形式けいしき電子でんしメール[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ HTMLという名前なまえ従来じゅうらいはHyperText Markup Languageの略称りゃくしょうだったが、2023ねん4がつ現在げんざい最新さいしん規格きかくであるWHATWGのHTML Living Standardには「HyperText Markup Language」という名前なまえ記載きさいはなく、たんにそのままHTMLとばれている。
  2. ^ 廃止はいしされた従来じゅうらい規格きかく(HTML5.2まで)で使つかわれていた呼称こしょう現在げんざいでもISO/IEC 15445:2000で使用しようされている。
  3. ^ たとえば、太字ふとじ指定していの「<b></b>ひとし
  4. ^ えい: Strict
  5. ^ えい: Transitional
  6. ^ えい: Frameset
  7. ^ えい: corrected version
  8. ^ 訂正ていせいなので、改定かいていばん名称めいしょうはISO/IEC 15445:2000のまま
  9. ^ 5ねんごとにレビューと承認しょうにんおこなわれており、手続てつづじょう現在げんざい有効ゆうこうなISO規格きかくである。もっとあたらしい日付ひづけは2023ねんのもの。ただし2004ねん以降いこう文書ぶんしょ改訂かいていはない。
  10. ^ バージョン番号ばんごうはないが「HTML 1.0」などともばれる
  11. ^ a b c ドラフトのみ
  12. ^ 現在げんざいはリダイレクト。Internet Archive参照さんしょう
  13. ^ Introducing HTML 3.2 には「HTML 3.2 was superseded by HTML 4.0 in December, 1997.」とあり、仕様しようしょには「Superseded 15-March-2018」とある。前者ぜんしゃはHTML 4.0を、後者こうしゃはHTML5を後継こうけい仕様しようとして案内あんないしている。
  14. ^ 修正しゅうせいばん現在げんざいはリダイレクト。Internet Archive参照さんしょう
  15. ^ revised(改訂かいていばん
  16. ^ ワーキングループノートとして公開こうかい
  17. ^ XML構文こうぶん場合ばあい任意にんい処理しょり命令めいれい記述きじゅつ可能かのう
  18. ^ 英語えいご表記ひょうきではSingle tagsと記載きさいされる。
  19. ^ XML構文こうぶんもちいる場合ばあいはこのかぎりではない
  20. ^ えい: revised
  21. ^ えい: corrected version

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ IANAREG text/html
  2. ^ HTML Living Standard - Last Updated 2 May 2023 text/html
  3. ^ a b HTML標準ひょうじゅん仕様しよう策定さくていについてW3CとWHATWGが合意ごうい発表はっぴょう今後こんごはWHATWGのリビングスタンダードが唯一ゆいいつのHTML標準ひょうじゅん仕様しよう”. ITmedia (2019ねん6がつ10日とおか). 2020ねん1がつ19にち閲覧えつらん
  4. ^ HTML REVIEW DRAFT — PUBLISHED 29 JANUARY 2020 IS A W3C RECOMMENDATION”. W3C. 2021ねん5がつ21にち閲覧えつらん
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  12. ^ HTML 5.1 2nd Edition(superseded)
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  16. ^ "HTML vs XML syntax ... There are various concrete syntaxes that can be used to transmit resources that use this abstract language, two of which are defined in this specification." WHATWG. (2023). HTML Living Standard - Last Updated 11 January 2023.
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  20. ^ "These definitions allow HTML processors ... to present and use documents and applications in a wide variety of contexts that the author might not have considered. ... HTML conveys meaning, rather than presentation" WHATWG. (2023). HTML Living Standard - Last Updated 11 January 2023.
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  30. ^ HTML 5.2 is done, HTML 5.3 is coming | W3C Blog
  31. ^ 渡邉わたなべたく (2017ねん1がつ1にち). “2017ねんのWeb標準ひょうじゅん:WEB+DESIGN STAGE新春しんしゅん特別とくべつ企画きかく”. gihyo.jp. 2020ねん1がつ19にち閲覧えつらん。 “この事態じたいを,WHATWGがわのエディターであるIan Hicksonは,「⁠剽窃ひょうせつ」(⁠Plagiarism)というつよかたりもちいて非難ひなんしています。”
  32. ^ HTML Living Standard

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]