M61 バルカン

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M61 バルカン
種類しゅるい 6砲身ほうしんガトリングしき回転かいてんしきキャノンほう
はら開発かいはつこく アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
運用うんよう
配備はいび期間きかん 1959ねん-現在げんざい
配備はいびさき アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく/NATO
関連かんれん戦争せんそう紛争ふんそう ベトナム戦争せんそう, 湾岸わんがん戦争せんそう, たいテロ戦争せんそう
開発かいはつ
開発かいはつ期間きかん 1946ねん - 1956ねん
製造せいぞう業者ぎょうしゃ ゼネラル・エレクトリック
派生はせいがた 以下いか参照さんしょう
しょもと
重量じゅうりょう

248ポンド (112 kg)(きゅうだん装置そうちふくまない)(M61A1)または

202ポンド (92 kg)(きゅうだん装置そうちふくまない)(M61A2)
(HEI)100g(3.5oz)(弾丸だんがん
全長ぜんちょう 71.93 in (1,827 mm)

弾丸だんがん 20x102mm
口径こうけい 20mm(0.787in)
銃砲じゅうほう 6ほん
作動さどう方式ほうしき 油圧ゆあつしき, 電気でんき着火ちゃっかしき, ガトリング
発射はっしゃ速度そくど まいぶん6,000はつ(M61A1)
まいぶん6,600はつ(M61A2)
初速しょそく 3,450フィート毎秒まいびょう (1,050 m/s)(PGU-28/Bだん使用しよう
装填そうてん方式ほうしき ベルトまたはリンクレスきゅうだん装置そうち
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M61 バルカン (M61 Vulcan) は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくゼネラル・エレクトリック (GE) しゃ開発かいはつした20mmガトリングほう航空こうくう機関きかんほう艦艇かんてい地上ちじょう部隊ぶたいようてい高度こうど防空ぼうくうよう機関きかんほうとしてもちいられる。

日本にっぽんにおいては、開発かいはつコードネーム、および製品せいひんめいであるバルカン(Vulcan:ローマ神話しんわ登場とうじょうするしんギリシア神話しんわ鍛冶たんやかみヘーパイストス相当そうとうする。) のられる。

来歴らいれき[編集へんしゅう]

だい世界せかい大戦たいせん終結しゅうけつアメリカぐんは、ジェット戦闘せんとう登場とうじょうとともに航空こうくう機関きかんほうへの要求ようきゅう事項じこう変化へんかしたことを認識にんしきした[1]目標もくひょうとなる航空機こうくうき高速こうそくとともに、短時間たんじかんでよりおおくの弾頭だんとうを、しかもこう初速しょそく投射とうしゃすることがもとめられるようになったことから、アメリカ陸軍りくぐん武器ぶき海軍かいぐんは、より高性能こうせいのう航空こうくう機関きかんほうについての研究けんきゅう開始かいしし、産業さんぎょうかい研究けんきゅう機関きかんとのあいだで、空戦くうせんてきした高性能こうせいのう機関きかんほう開発かいはつおよびコンセプトモデルの製作せいさくについての契約けいやく締結ていけつされた[1]当時とうじゼネラル・エレクトリックしゃM24A1もちいたばくげき自衛じえいよう機関きかんほうシステムの開発かいはつんでいたが、その過程かていでより高性能こうせいのう機関きかんほう必要ひつようせいをいちはや認識にんしきしたことで、ガトリングほう原理げんり近代きんだいした新型しんがた機関きかんほう開発かいはつ着手ちゃくしゅ、1946ねんにはスプリングフィールド造兵ぞうへいしょうからの契約けいやく受注じゅちゅうした[1]。この開発かいはつ計画けいかくはまもなくバルカン計画けいかくしょうされるようになった[2]

1949ねんには最初さいしょ試作しさくひんであるT45(モデルA; .60口径こうけい)が試験しけんきょうされ、有望ゆうぼう成果せいかしめした一方いっぽうで、発射はっしゃ速度そくどまいぶん2,500はつ)はさら向上こうじょうさせる余地よちがあり、また重量じゅうりょう(426 lb / 193 kg)は軽減けいげん必要ひつようみとめられた[1][2]。10てい試射ししゃもちいられ、F-94戦闘せんとう搭載とうさいしての試験しけんおこなわれた[1]。その成果せいかまえ、つぎ試作しさくひんとして開発かいはつされたのがT171E1(モデルC)であり、20ミリ口径こうけいだい口径こうけいするとともに、発射はっしゃ速度そくどまいぶん4,000はつ向上こうじょう重量じゅうりょうは166キロ(365 lbs)に軽減けいげんされた[1]。1953ねんから1955ねんにかけて33もん製作せいさくされて70まんはつ以上いじょう試射ししゃおこなわれ、動作どうさ不良ふりょうりつは9,000はつに1かいという信頼しんらいせいであった[1]さら部品ぶひん点数てんすうを576てんから448てん削減さくげんするとともに、重量じゅうりょうも119キロ(262 lbs)に減少げんしょうさせた改良かいりょうがたとしてT171E2(モデルD)が開発かいはつされた[1]。1954ねん12月に薬莢やっきょう変形へんけいという問題もんだいしょうじたものの改修かいしゅうキットによって解決かいけつされ、また1956ねん4がつ以降いこう出荷しゅっかぶんは、そのキットを当初とうしょからんだT171E3に移行いこうした[1]

1956ねん12月にはT171E3の開発かいはつ完了かんりょうしたものとみなされるようになっており、1957ねん12月、T171E3はM61として制式せいしきされた[1][2]。その改良かいりょうかさねられており、1959ねんにはリンクレスしきおくたま機構きこう導入どうにゅうしたM61A1が、また1989ねんには軽量けいりょうはかったM61A2実用じつようされている[2]

構造こうぞう[編集へんしゅう]

展示てんじされるJM61A1
M61A1を住友重機械工業すみともじゅうきかいこうぎょうにてライセンス生産せいさんしたもの

自動じどう機構きこう[編集へんしゅう]

ほんほうは、6ほん砲身ほうしんたばねたガトリングほうである[3]。6ほん砲身ほうしんはそれぞれかく1個いっこゆうそこゆうし、外部がいぶ動力どうりょくによってハウジング内部ないぶのロータではん時計とけいまわりに回転かいてんをすることで射撃しゃげきおこなわれる[3]。ハウジング内壁ないへきにはカム経路けいろ形成けいせいされており、かくゆうそこはロータの回転かいてんともなって、このカム経路けいろしたがって可動かどうし、下記かきのような工程こうていかえ[3]

  1. おくたま - 砲弾ほうだんくすりしつ後方こうほう配置はいちされる。
  2. 装填そうてん - 砲弾ほうだんくすり室内しつない挿入そうにゅうされる。
  3. 閉鎖へいさ - ゆうそこくすりしつ閉鎖へいさし、げきはつできる状態じょうたいとする。げきはつ電気でんきしきである。
  4. 開放かいほう - げきはつくすりしつ開放かいほうする。
  5. 抽筒 - 薬莢やっきょうくすりしつからす。
  6. いずる - くすりしつからされた薬莢やっきょう排出はいしゅつされる。

これらの工程こうていかえすための外部がいぶ動力どうりょくとしては、電気でんきモーター油圧ゆあつモーター双方そうほう使用しようできるほか、ガンポッドとして搭載とうさいする場合ばあいにはラムエア・タービンもちいられる場合ばあいもある[2]。またファランクスのブロック1ベースライン1では空気圧くうきあつしき駆動くどう方式ほうしき採用さいようされた[4]。なおガスあつ作動さどう方式ほうしき変更へんこうした派生はせいがたとしてGAU-4/A(陸軍りくぐんでの呼称こしょうはM130)も開発かいはつされ[5]、ガンポッドようとしてもちいられたものの[6]、こちらは1972ねんには生産せいさん終了しゅうりょうとなった[5]

おくたま機構きこう[編集へんしゅう]

バルカン計画けいかく初期しょき段階だんかいから、標準ひょうじゅんてきリンクによるきゅうだんでは、ほう性能せいのう制約せいやくしてしまうことが指摘してきされていた[7]。このほうは0.4びょうまいぶん6,000はつという最大さいだい発射はっしゃ速度そくどたっし、またその最大さいだい発射はっしゃ速度そくどから射撃しゃげき停止ていしまでにもどう程度ていど時間じかんしかようさないため、まったあたらしい弾倉だんそうおくたま機構きこうもとめられていた[7]最初さいしょにF-104に搭載とうさいされたさいには、リンクの投棄とうき機構きこう問題もんだいから、最大さいだい発射はっしゃ速度そくどまいぶん4,000はつ制限せいげんされた[2][8]

その、コンベアをもちいたリンクレスしきおくたま機構きこう開発かいはつされ、M61A1で導入どうにゅうされて、まもなく標準ひょうじゅんてきもちいられるようになった[2][8]。この機構きこうではそら薬莢やっきょう弾倉だんそうもどして収容しゅうようすることもできるが[7]、これは排出はいしゅつしたそら薬莢やっきょう機体きたいにあたって損傷そんしょうするリスクを排除はいじょするとともに、機体きたい重心じゅうしん移動いどう軽減けいげんできるというてんのぞましい機能きのうであった[2]

弾倉だんそうヘリカル構造こうぞうドラムマガジンで、容量ようりょう機体きたいによってことなるが、最大さいだいで1,000はつ以上いじょうとされる[7]弾倉だんそうおくたま機構きこう構成こうせい機体きたいのレイアウトによってことなり、これがほうシステム全体ぜんたい重量じゅうりょうにも影響えいきょうあたえており、たとえば、F-16戦闘せんとう水平すいへい方向ほうこう配置はいちした弾倉だんそうに512はつ収容しゅうようしてそう重量じゅうりょう375キロ、F/A-18戦闘せんとう攻撃こうげきほうした配置はいちした弾倉だんそうに570はつ収容しゅうようしてそう重量じゅうりょう381キロ、F-15戦闘せんとう容量ようりょう940はつそう重量じゅうりょう526キロである[2]。またイタリアのAMX攻撃こうげき標準ひょうじゅんてきなリンクによるきゅうだん採択さいたくしたため発射はっしゃ速度そくどまいぶん4,000はつ制約せいやくされ、容量ようりょう403はつそう重量じゅうりょうは356キロである[2]

砲身ほうしん[編集へんしゅう]

砲身ほうしんクロムモリブデンバナジウムこう(CrMoV)を素材そざいとし、漸増ぜんぞうてんライフリングゆうする[9]砲身ほうしん命数めいすうは20,000はつとされる[10]上記じょうきとおり、M61およびM61A1ではまいぶん6,000はつという最大さいだい発射はっしゃ速度そくどたっするのに0.4びょうようしたが、M61A2ではほう全体ぜんたい軽量けいりょう一環いっかんとして砲身ほうしん肉薄にくはくとしたことで、0.25びょう最大さいだい発射はっしゃ速度そくど発揮はっきできるようになった[2]

砲身ほうしんちょうは5フィート(152 mm; 76口径こうけいちょう)を基本きほんとする[9]。ファランクスのブロック1Bでは射程しゃてい延伸えんしん精度せいど向上こうじょうのため99口径こうけいちょう砲身ほうしんしたモデルが採用さいようされた[4]一方いっぽう、ヘリコプターに搭載とうさいするため51口径こうけいちょう短縮たんしゅくして重量じゅうりょう軽減けいげんはかったM195も製作せいさくされたものの、こちらは重量じゅうりょう軽減けいげん効果こうか不十分ふじゅうぶんであり、砲身ほうしんすうを3ほんらしたM197採用さいようされることになった[2]

実装じっそう[編集へんしゅう]

航空機こうくうき搭載とうさいがた[編集へんしゅう]

固定こてい装備そうびしき[編集へんしゅう]

F-4では、Eがたなどの機首きしゅ下部かぶにM61A1が装備そうびされた(写真しゃしんF-4EJ
M61 バルカンよう20mm擬製ぎせいだん(JM51A1)

イタリアの旗 イタリア

中華民国の旗 中華民国ちゅうかみんこく

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく

日本の旗 日本にっぽん

T-2/F-1はM61をライセンス生産せいさんしたJM61を、F-4EJ/F-15JはM61A1をライセンス生産せいさんしたJM61A1を搭載とうさい、F-2はM61A2を搭載とうさいしている。

ガンポッド[編集へんしゅう]

SUU-16/A
ガンポッドとしてM61 バルカンと1,200はつ弾薬だんやく搭載とうさいしたもので、元々もともとそら対地たいち射撃しゃげき主眼しゅがんとしており、ラムエア・タービンを動力どうりょくげんとする[11]。このためにスピンアップがおそく、がねいてから定常ていじょう回転かいてんすう(6,000はつ/ぶん)にたっするまで1びょうもかかる欠点けってんてい速度そくど飛行ひこうには十分じゅうぶん風力ふうりょくられない問題もんだいがあった。
ベトナム戦争せんそうでは、元々もともと機関きかんほう装備そうびしていないF-4C航空こうくう機関きかんほうとして胴体どうたい搭載とうさいされたが、戦闘せんとう電子でんし照準しょうじゅん連動れんどうしておらず、射撃しゃげき精度せいどパイロットかんうでたよいちめんがあった。
SUU-23
上記じょうきのGAU-4/A機関きかんほう弾薬だんやく1,200はつ収容しゅうようしたポッドである[6]。GAU-4/AはM61A1をガスあつ作動さどう方式ほうしきにしたような機関きかんほうであり、また発砲はっぽう開始かいしするさい最初さいしょ回転かいてん電動でんどうによってあたえられる[6]そら薬莢やっきょう弾倉だんそうもどされず、排出はいしゅつされる[6]
ベトナム戦争せんそうでは、元々もともと機関きかんほう装備そうびしていないF-4Dなどに航空こうくう機関きかんほうとして胴体どうたい搭載とうさいされた。

地上ちじょうよう[編集へんしゅう]

バルカンほう対空たいくうほうとしてもちいることははやくから検討けんとうされており、1964ねんより、アメリカ陸軍りくぐん武器ぶきコマンド指示しじもとづいてVADSVulcan Air Defence System)の開発かいはつ開始かいしされた[12]試験しけんて、1967ねんより、M113装甲車そうこうしゃをベースとしたM163たい空自くうじはしほうおよび牽引けんいんしきM167牽引けんいんしきたい空砲くうほう配備はいび開始かいしされた[13]機関きかんほうとしては、M61A1とほぼ同様どうようだが、地上ちじょう運用うんよう前提ぜんていなどの構成こうせい調整ちょうせいしたM168がもちいられている[13]

航空こうくう自衛隊じえいたいも、ベレンコ中尉ちゅうい亡命ぼうめい事件じけん契機けいきとした基地きち防空ぼうくう構想こうそう一環いっかんとしてVADSを導入どうにゅうしていたほか、用途ようと廃止はいしになったF-104からはずしたバルカンほう流用りゅうようしたVADS-IIも取得しゅとくしたものの、こちらはレーダーを装備そうびしておらず発射はっしゃ速度そくどおそいことなどから、少数しょうすう取得しゅとくするにとどまった[14]。またVADSも2022ねん3がつまでに運用うんよう終了しゅうりょうした[15]

艦載かんさいよう[編集へんしゅう]

ファランクス CIWS

艦載かんさいようとしては、M61A1に小型こがた捕捉ほそく追尾ついびレーダーわせてCIWSとしたファランクス有名ゆうめいだが、ほかにも各社かくしゃ様々さまざまなマウントを供給きょうきゅうしている[16]

JM61-M
JM61-M(掃海そうかいてい搭載とうさい磁性じせいがた
日本にっぽん開発かいはつされた人力じんりきみさおほうしき艦載かんさいばん海上かいじょう自衛隊じえいたい海上保安庁かいじょうほあんちょうにおいて、70口径こうけい20mmたんそう機関きかんほう後継こうけいとして採用さいようされた[17][18]
製造せいぞうにち特金とっきんぞく工業こうぎょうのち住友重機械工業すみともじゅうきかいこうぎょう合併がっぺい)が担当たんとうするが、同社どうしゃ航空こうくう機関きかんほうとしてのM61A1のライセンス生産せいさん(JM61A1)をおこなっており、JM61-Mはその砲身ほうしんおくたま機構きこう機関きかんとう流用りゅうようしている[17]機関きかんほうよんきゃく構造こうぞう旋回せんかい架台かだいわせたほう搭載とうさいされているが、半円はんえんがた肩当かたあてや環状かんじょう照準しょうじゅんなどは従来じゅうらいのエリコンしき機関きかんほう同様どうようのものである[17]たい水上すいじょうよう想定そうていしていることもあり、発射はっしゃ速度そくどまいぶん450はつおさえられている[17]
JM61-RFS
JM61-RFS
JM61-Mをもとにはこがたたんそう砲塔ほうとうんだもの。赤外線せきがいせん捜索そうさく監視かんし装置そうちとの連接れんせつにより、目標もくひょう追尾ついびがた遠隔えんかく操縦そうじゅう機能きのうRFS)をそなえている[18]海上保安庁かいじょうほあんちょうにおいて、原型げんけいが「しきしま」に搭載とうさいされたのち、平成へいせい12年度ねんどより標準ひょうじゅんてき兵器へいきくわえられた[18][19]
また海上かいじょう自衛隊じえいたい1ごうがたミサイルてい搭載とうさいされた20mm機銃きじゅうは「しきしま」搭載とうさい派生はせいがたとみられているほか[20]えのしまがた掃海そうかいてい3ばんていはつしま」、あわじがた掃海そうかいかん搭載とうさいされたJM61R-MSは、海上保安庁かいじょうほあんちょうのJM61-RFS Mk.2と同等どうとう性能せいのうそなえている[21]
大宇だいうADS(Air Defense System
大韓民国だいかんみんこく大宇だいうしゃは、地上ちじょうよう対空たいくうほうシステムを艦載かんさいしたような有人ゆうじんマウントを供給きょうきゅうしている[22]射手しゃしゅようのスペースはエンクローズされ、GSA Mk.3照準しょうじゅんそなえている[22]

派生はせいがた[編集へんしゅう]

M134じゅう機関きかんじゅう

GEしゃは、T171E1の開発かいはつ並行へいこうして、1954ねんからはイギリスADENフランスDEFA 550どう規格きかく30mm口径こうけいだん(30×113mmB)を使用しようするようにスケールアップした機関きかんほう開発かいはつ着手ちゃくしゅし、バルカンII計画けいかくしょうした[23][24]。1956ねん12月には最初さいしょ試作しさくひん完成かんせいし、T212としょうされた[23][24]。1957ねん12月には2もん製作せいさくされ、予定よてい延長えんちょうして試験しけんきょうされたものの、製品せいひんにはいたらなかった[23][24]。この経験けいけんまえて、1966ねんからは砲身ほうしんを3ほんとして軽量けいりょうはかるとともに、弾薬だんやくも30×100mmBだん変更へんこうしたモデルが開発かいはつされ、XM188としてYAH-63攻撃こうげきヘリコプターとともに陸軍りくぐん提案ていあんされたものの、YAH-63がYAH-64敗北はいぼくしたため、こちらも装備そうびされなかった[25][26]。その空軍くうぐん近接きんせつ航空こうくう支援しえんよう攻撃こうげきのための機関きかんほう選考せんこうけて、より強力きょうりょくな30×173mmだん使用しようするとともに砲身ほうしんも7ほんしたアヴェンジャー開発かいはつし、フィルコ英語えいごばんフォードしゃやぶって契約けいやくった[27]。また25×137mmだん使用しようするイコライザー製品せいひんされている[28]

一方いっぽうしょう口径こうけいした機関きかんじゅう開発かいはつされている。まず1960ねんよりM61A1をもとに7.62x51mm NATOだん仕様しようダウンサイジングした派生はせいがた開発かいはつし、ミニガンとして製品せいひんして、アメリカ空軍くうぐんではGAU-2B/A(陸軍りくぐんではM134、海軍かいぐんではMk.25)として装備そうびされた[22][29]。また12.7x99mm NATOだん仕様しようGECAL.50製品せいひんされている「[30]

登場とうじょう作品さくひん[編集へんしゅう]

映画えいが・テレビドラマ[編集へんしゅう]

アイアンマン
F-22搭載とうさいされたA2がアイアンマン Mk.3使用しようされる。
うみざる UMIZARU EVOLUTION
だい6にて、架空かくうしれとこがた巡視じゅんしせん「ながれ」に搭載とうさいされたJM61-Mが不審ふしんせんたいする威嚇いかく射撃しゃげき使用しようされると、だい7では、不審ふしんせんから銃撃じゅうげきけたことで正当せいとう防衛ぼうえい射撃しゃげき使用しようされ、不審ふしんせん船体せんたい命中めいちゅうだんあたえる。
ガメラ3 邪神じゃしん覚醒かくせい
小松こまつ基地きち所属しょぞくF-15J搭載とうさいされたA1が、イリスたいする威嚇いかく射撃しゃげき使用しようされる。
ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京とうきょうSOS
冒頭ぼうとうにて、スクランブル発進はっしんした百里基地ひゃくりきち所属しょぞくのF-15Jに搭載とうさいされたA1が、領空りょうくう侵犯しんぱんしたモスラたいする警告けいこく射撃しゃげき使用しようされる。
エンド・オブ・ホワイトハウス
テロリスト使用しようするAC-130搭載とうさいF-22撃墜げきついしたのちホワイトハウスとその周辺しゅうへん攻撃こうげき市民しみん警備けいびへい虐殺ぎゃくさつする。

アニメ・漫画まんが[編集へんしゅう]

OBSOLETE
EP4に登場とうじょう。PMCサーベラスしゃ汎用はんようロボット「エグゾフレーム」が、固定こてい設置せっちしたものをじゅう機関きかんじゅうてき運用うんようする。
暗殺あんさつ教室きょうしつ
プロのころであるイリーナ・イェラビッチがころせんせーを暗殺あんさつするため使用しようする。
空母くうぼいぶき
ファランクスに搭載とうさいされているM61バルカンがミサイル迎撃げいげき使つかわれる。
ジパング
だい世界せかい大戦たいせんどきタイムスリップした架空かくうイージス護衛ごえいかんみらい」に搭載とうさいされているファランクスのM61バルカンがてき航空こうくうばくだんはんとべばくだん砲弾ほうだんなどの迎撃げいげき使つかわれる。

小説しょうせつ[編集へんしゅう]

ゲート 自衛隊じえいたい かれにて、たたかえり
小説しょうせつ漫画まんがアニメばんにて、世界せかい派遣はけんされた航空こうくう自衛隊じえいたいF-4EJあらため搭載とうさいされたA1が、帝国ていこくぐんつばさりゅう新生しんせいりゅうたいして使用しようされる。小説しょうせつばんでは描写びょうしゃしょう部分ぶぶんがあるが、漫画まんがばんでは空中くうちゅう新生しんせいりゅうに、アニメばんでは地上ちじょう落下らっかした新生しんせいりゅうたいして掃射そうしゃくわえる。
そらなか
調査ちょうさのためにんだF-15DJが白鯨はくげい場所ばしょ把握はあくするため、ペイントだんはなつ。
にちちゅう尖閣せんかく戦争せんそう
特殊とくしゅ運搬うんぱんていしゅ武装ぶそうとして登場とうじょう乗員じょういん中国ちゅうごく海軍かいぐんこう凱Iがたフリゲートあんけい」にたいして使用しようし、小破しょうはさせる。
日本にっぽん北朝鮮きたちょうせん戦争せんそう 自衛隊じえいたい武装ぶそう蜂起ほうき
物語ものがたり序盤じょばんにて、航空こうくう自衛隊じえいたいF-15J搭載とうさいされたA1が竹島たけしま上陸じょうりくした北朝鮮きたちょうせんぐんたいして使用しようされ、機銃きじゅう掃射そうしゃ何人なんにんかをたおすほか、物語ものがたり終盤しゅうばんおなじくF-15Jに搭載とうさいされたA1が難民なんみんふねまぎれて攻撃こうげきしてくる工作こうさくせん攻撃こうげきするさい使用しようされる。
日本にっぽん北朝鮮きたちょうせん戦争せんそう 竹島たけしまおき大空おおぞら海戦かいせん
物語ものがたり終盤しゅうばんにて、航空こうくう自衛隊じえいたいのF-15Jに搭載とうさいされたA1が北朝鮮きたちょうせん空軍くうぐんMiG-21たいして使用しようされ、1撃墜げきついする。
日本国にっぽんこく召喚しょうかん
航空こうくう自衛隊じえいたいF-15JF-2搭載とうさいされたものが対地たいち掃射そうしゃそら対空たいくう攻撃こうげきもちいられるほか、海上かいじょう自衛隊じえいたいこんごうがた護衛ごえいかんみょうこう」に搭載とうさいされたファランクス、海上保安庁かいじょうほあんちょうしんざんがた巡視じゅんしせん「いなさ」に搭載とうさいされたJM61-RFSがてきワイバーンたいする攻撃こうげき使用しようされる。

ゲーム[編集へんしゅう]

WarThunder

  おもにアメリカツリーの機体きたい日本にっぽんツリーの機体きたい搭載とうさいされている。

Operation Flashpoint: Cold War Crisis
アメリカぐん陣営じんえい使用しよう可能かのうM163たい空自くうじはしほう武装ぶそうとして登場とうじょうする。
Wargame Red Dragon
NATO陣営じんえいアメリカぐんデッキで使用しよう可能かのうなM163にA1とM168が搭載とうさいされている。また、各種かくしゅ航空機こうくうき武装ぶそうとしてA1が登場とうじょうする。
マーセナリーズ2 ワールド イン フレームス
連合れんごうぐん使用しようする対空たいくう車両しゃりょう「ガーディアンSAM」の武装ぶそうとして登場とうじょうする。
メタルギアソリッド
バルカン・レイブンが個人こじん携帯けいたいよう改造かいぞうしたA1を使用しよう
メタルギアソリッド3
MC-130 コンバット・タロンに2もん搭載とうさいされている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ ブラジル空軍くうぐん仕様しようではDEFA554を搭載とうさいしている。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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  • Cullen, Tony; Foss, C.F. (1992), Jane's Land-Based Air Defence 1992-93 (5th ed.), Jane's Information Group, ISBN 978-0710609793 
  • Friedman, Norman (1997), The Naval Institute Guide to World Naval Weapon Systems 1997-1998, Naval Institute Press, ISBN 978-1557502681 
  • Williams, Anthony G. (2022), Autocannon : A History of Automatic Cannon and Ammunition, Crowood Press, ISBN 978-1785009204 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]