Su-27 (航空機こうくうき)

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Su-27 / Су-27 フランカー

Su-27SKM

Su-27SKM

Su-27(スホーイ27、スホイ27;ロシア: Су-27 スー・ドヴァーッツァチ・スィェーミ)は、ソ連それんスホーイ設計せっけいきょく開発かいはつした戦闘せんとう現在げんざいロシアきゅうソ連それん諸国しょこくだいさん世界せかい使用しよう改良かいりょうされたほんアメリカF-15 イーグルにも匹敵ひってきするきわめてたか格闘かくとう性能せいのう長大ちょうだい航続こうぞく距離きょりほこる。

艦上かんじょうがたであるSu-33、戦闘せんとう爆撃ばくげきがたであるSu-34、だい4++世代せだいジェット戦闘せんとうであるSu-35など多数たすう派生はせいがた開発かいはつされている。

ロシアでは、スホーイ設計せっけいきょく航空機こうくうき愛称あいしょうとして「スーシュカ」(Сушка)や「スハーリ」(Сухарь)ともばれる。 一般いっぱんてきには「フランカー」(英語えいご: Flankerラグビーアメリカンフットボールのポジションのひとつ)というられており、これは北大西洋きたたいせいよう条約じょうやく機構きこう (NATO) がつけたNATOコードネームである。このコードネームはのちぎゃく輸入ゆにゅうされ、ロシア国内こくないでもフランカー(Фланкёр)の呼称こしょう使用しようされる場合ばあいがある。なお、西側にしがわ諸国しょこくではこの機体きたい愛称あいしょうとして「ジュラーヴリク」(Zhuravlik、Журавлик)という紹介しょうかいされる場合ばあいがあるが、本国ほんごくロシアでは公式こうしき非公式ひこうしきわず Журавлик愛称あいしょう使用しようされていない[ちゅう 1]

開発かいはつまでの経緯けいい[編集へんしゅう]

1960年代ねんだいわり、ソ連それん防空ぼうくうぐんあらたな防空ぼうくう戦闘せんとう開発かいはつ計画けいかく想定そうていてき西側にしがわ諸国しょこくとくアメリカイギリス保有ほゆうちょう音速おんそく/遷音そく長距離ちょうきょり爆撃ばくげきおよ開発かいはつちゅうられるXB-70新型しんがたちょう音速おんそくばくげきたいしてはすでMiG-25配備はいび後継こうけいMiG-31開発かいはつすすめられていた。しかし、アメリカがMiG-25に対抗たいこうするため新型しんがた戦闘せんとう開発かいはつすすめていたことから、ソ連それん空軍くうぐん防空ぼうくうぐんとしてもそれらに対抗たいこうしうる新型しんがた防空ぼうくう戦闘せんとう開発かいはつ急務きゅうむとされていた。

従来じゅうらい防空ぼうくうぐんにとっての「迎撃げいげき戦闘せんとう」としてもとめられる要件ようけん以下いかのようなものであり、実現じつげん過程かていにおいて必然ひつぜんてき機体きたい大型おおがたまねいた。

  • てき侵入しんにゅう空域くういきにいちはや急行きゅうこうするための高速こうそく飛行ひこう性能せいのう(そして、それを発揮はっきさせるためのだい出力しゅつりょくエンジン)
  • だい出力しゅつりょくエンジンによる高速こうそく性能せいのう発揮はっき航続こうぞく能力のうりょく両立りょうりつさせるためのおおきな燃料ねんりょう搭載とうさいりょう広大こうだいソ連それん領内りょうないでの運用うんようには、長大ちょうだい航続こうぞく距離きょり必要ひつようとされるため)
  • 長距離ちょうきょりそら対空たいくうミサイルとその火器かき管制かんせい装置そうち搭載とうさい能力のうりょく大型おおがた戦略せんりゃく爆撃ばくげき極力きょくりょく遠距離えんきょり撃墜げきついするため)
  • そらりょく抵抗ていこうへいそう減少げんしょうまねぞうそう搭載とうさいしない(能力のうりょく阻害そがいしないため)
  • 可能かのうかぎすべてを機内きない搭載とうさいする

なお、それまでに完成かんせいした迎撃げいげき戦闘せんとうは、いずれもちょう射程しゃていそら対空たいくうミサイル装備そうびしてちょう音速おんそく飛行ひこうすること以外いがい能力のうりょくほとんたない「たい爆撃ばくげき迎撃げいげき専用せんよう」として開発かいはつ配備はいびされることになった。しかし、アメリカ空軍くうぐん空中くうちゅう給油きゅうゆ技術ぎじゅつ完成かんせいさせて小型こがた戦闘せんとうたいする空中くうちゅう給油きゅうゆ可能かのうにしたことにより、長距離ちょうきょり戦略せんりゃく爆撃ばくげきにも戦闘せんとう護衛ごえいくこととなった。さらにベトナム戦争せんそうせんくんから、領海りょうかい接近せっきんした空母くうぼ機動きどう部隊ぶたいげん 空母くうぼ打撃だげきぐん)の搭載とうさいによる対地たいち攻撃こうげきおおきな脅威きょういとなることも認識にんしきされるようになった。これらのために、防空ぼうくう戦闘せんとうであってもばくげき以外いがいとの空中くうちゅうせん発生はっせいすることが想定そうていされるようになった。そのため、ばくげきのみを対象たいしょうとした機動きどう性能せいのうひくい「たい爆撃ばくげき迎撃げいげき」では機動きどう性能せいのうまさ戦闘せんとうたいしておおきくおとることになる、と判断はんだんされた。新型しんがた防空ぼうくう戦闘せんとう開発かいはつたっては、従来じゅうらいの「高速こうそく性能せいのう」「航続こうぞく能力のうりょく」「ちょう射程しゃてい対空たいくうへいそう運用うんよう能力のうりょく」「だんすう搭載とうさい能力のうりょく」にくわえて「てき戦闘せんとう充分じゅうぶん機動きどう戦闘せんとうおこなえる空中くうちゅう機動きどう性能せいのう」がもとめられることとなった。この要求ようきゅうもとづいて、スホーイ設計せっけいきょく設計せっけい開発かいはつめいじられた。

開発かいはつ[編集へんしゅう]

試作しさくがた T-10 主翼しゅよくじょううずまじわりをふせぐために境界きょうかいそういたけられているが、まじわるうず境界きょうかいそういたからのうずくわわるという結果けっかとなり、ぎゃく効果こうかとなっている。

当局とうきょく命令めいれいおうじ、スホーイ設計せっけいきょくではTsAGI中央ちゅうおう流体りゅうたい力学りきがく研究所けんきゅうじょ)の研究けんきゅう結果けっかもとに、流体りゅうたい工学こうがくてきすぐれているとされる機体きたい形状けいじょう追求ついきゅうした機体きたい設計せっけいすすめた。提出ていしゅつされたあん当局とうきょく認可にんか正式せいしきに「T-10」の設計せっけい局内きょくない名称めいしょうあたえられ、試作しさく製作せいさくおこなわれた。

T-10は“オージーつばさ”とばれるゆるやかな曲線きょくせんえがいた後退こうたいつばさ主翼しゅよく機体きたいであった。この機体きたいは、ソビエトの実用じつよう戦闘せんとうとしてははつフライ・バイ・ワイヤによる機体きたい制御せいぎょ実装じっそうして完成かんせいされ、1977ねん5がつ20日はつかにはウラジーミル・イリューシン操縦そうじゅうによりはつ飛行ひこう[2]各種かくしゅ飛行ひこうテストがすすめられた。しかし、飛行ひこう結果けっかこのましいとはいえなかった。むかかくが8えるとLERX主翼しゅよくぜんえんから発生はっせいしたうずおおきくなってまじわり、気流きりゅうつばさめんから剥離はくりすることではげしい振動しんどう発生はっせいするなど空中くうちゅう安定あんていせいいちじるしく不安定ふあんていで、機体きたい制御せいぎょつかさど電子でんし機器きき信頼しんらいせいひくく、操縦そうじゅう安定あんていせいきわめてひく危険きけんなものであった。1978ねんには試作しさく2号機ごうきであるT-10-2が完成かんせいし、さらなる飛行ひこう試験しけんつづけられた。しかし、T-10-2はちょう音速おんそく飛行ひこう試験しけんちゅう主翼しゅよく空中くうちゅう分解ぶんかいこして墜落ついらく、パイロットのイブゲニー・ソロビヨフが死亡しぼうするという事故じここした。

上面うわつらからた、試作しさくT-10と量産りょうさんがたSu-27Sのシルエット。

この事故じこもあり、前任ぜんにんしゃナウム・チェルニャコフロシアばん病気びょうきになったため計画けいかく担当たんとうになっていたミハイル・シモノフロシアばん英語えいごばんは、T-10設計せっけい根本こんぽんからの見直みなおしを徹底的てっていてき討議とうぎ検討けんとう実行じっこうした結果けっか機体きたいのほぼすべての箇所かしょ設計せっけい見直みなおしがおこなわれた。設計せっけいわった代表だいひょうてきてん以下いかとおり。

  • T-10の特徴とくちょうであったオージーつばさをクリップトデルタつばさ変更へんこう主翼しゅよくぜんえんにはぜんえんフラップを追加ついかしたほか、主翼しゅよくえん操縦そうじゅうつばさめんを、内側うちがわフラップ外側そとがわエルロンから、双方そうほう役目やくめ兼用けんようするフラッペロン変更へんこう[ちゅう 2]
  • ランディング・ギアぜんあし収納しゅうのう方式ほうしき変更へんこう[ちゅう 3]
  • エアー・ブレーキは、左右さゆう主翼しゅよく下面かめん前部ぜんぶ付近ふきんかく1まいした展開てんかいする方式ほうしき[ちゅう 4]から、F-15同様どうよう胴体どうたい上部じょうぶの1まい上方かみがた展開てんかいする方式ほうしき変更へんこう
  • 2つの垂直すいちょく尾翼びよくを、左右さゆうエンジンナセルの上部じょうぶからエンジンナセル外側そとがわしたアウトリガーに上部じょうぶ移設いせつ[ちゅう 5]して垂直すいちょく尾翼びよく同士どうし間隔かんかくひろげるとともに、アウトリガー下部かぶベントラルフィン追加ついか
  • 胴体どうたい後部こうぶのエンジンのあいだを、うす平板へいばんじょうのビーバー・テイルからながいテールコーンじょう変更へんこうして、空気くうき抵抗ていこうらすとともにドラッグ・シュートとチャフ・フレア・ディスペンサーが装備そうび可能かのうとした。

これらの設計せっけい改良かいりょうおこなわれた試作しさく7号機ごうき以降いこうは、名称めいしょうも「T-10S-1」と改称かいしょうされ、1981ねん4がつ20日はつかにチーフテストパイロットであるウラジーミル・イリューシン操縦そうじゅうによりはつ飛行ひこうした。

ちなみにシモノフはこのときしょうじた設計せっけい局内きょくない軋轢あつれきにより、設計せっけい一段落いちだんらくした1979ねん航空こうくう工業こうぎょうしょう科学かがくしん技術ぎじゅつ担当たんとう次官じかんとしてられたが、1983ねん1がつ設計せっけい局長きょくちょうとしてスホーイに復帰ふっきしている。

T-10S-1の完成かんせいにより、飛行ひこう性能せいのう大幅おおはば改善かいぜんされた。満足まんぞくする性能せいのう実現じつげんしたとしてソビエト防空ぼうくうぐんおよ空軍くうぐんへの導入どうにゅう決定けっていした。その主翼しゅよくはし曲線きょくせん形状けいじょうから直線ちょくせん形状けいじょう変更へんこうして、そこにそら対空たいくうミサイルのランチャー取付とりつけ、垂直すいちょく尾翼びよく上端じょうたん形状けいじょう水平すいへいにカットした形状けいじょうから、前方ぜんぽうから後方こうほうにかけてななめにカットした形状けいじょう変更へんこうする改良かいりょうおこなわれた。その、「Су-27」の制式せいしき名称めいしょうあたえられて量産りょうさん開始かいしされ、1982ねん11月には初期しょき量産りょうさんがた初号しょごうがロールアウトしたが、開発かいはつ段階だんかいからアビオニクス電子でんし機器きき)において、おおくのトラブルが発生はっせいしていた影響えいきょうにより、試験しけん評価ひょうかのための引渡ひきわたしが開始かいしされたのは1985ねんまでずれこみこんだ[ちゅう 6]配備はいびは1986ねんから開始かいしされている。

翌年よくねんにはコラ半島はんとう沖合おきあい飛行ひこうちゅうノルウェー空軍くうぐんP-3Bたいせん哨戒しょうかいから写真しゃしん撮影さつえいされ、はじめてその姿すがた西側にしがわさらした。そのさいにP-3は従来じゅうらいのジェット戦闘せんとうでは追随ついずいできないほどの低速ていそくでSu-27をやりごそうとしたがSu-27はおな速度そくど追随ついずいし、P-3と接触せっしょく事故じここし国際こくさい問題もんだいとなった。

設計せっけい性能せいのう[編集へんしゅう]

機体きたいは、胴体どうたいから主翼しゅよくへなめらかに変化へんかさせたブレンデッドウィングボディ採用さいようし、主翼しゅよくは、ぜんえんドループ・フラップこうえんつばさはばの2/3程度ていどフラッペロン装備そうびしている。また、主翼しゅよくぜんえんからコックピットの下部かぶまでながびたLERXぜんえん延長えんちょう)が形成けいせいされており、機体きたい重心じゅうしん位置いち前方ぜんぽうにおいて揚力ようりょく発生はっせいさせて、機首きしゅげのモーメントをおおきくすることにより、おおきなむかえかくでの飛行ひこう可能かのうとしている。尾翼びよく垂直すいちょく尾翼びよく垂直すいちょく取付とりつけられており、水平すいへい尾翼びよくぜんゆうどうしきで、ピボット(旋回せんかいじく)の位置いち胴体どうたい尾端びたんいており、水平すいへい尾翼びよく位置いちになっても空気くうき抵抗ていこう発生はっせいしないように、しき流線型りゅうせんけいのフェアリングが装備そうびされている。水平すいへい尾翼びよく左右さゆう水平すいへい尾翼びよくどうさせるすなわちテイルロンであり、ピッチじく(ピッチング)の操縦そうじゅうだけでなくロールじく(ローリング)の操縦そうじゅうにも使用しようされる。

操縦そうじゅう装置そうちは4じゅうのアナログしきフライ・バイ・ワイヤ方式ほうしき装備そうびしているが、それにより機体きたい制御せいぎょできるのはピッチじくピッチング)だけで、ヨーじくヨーイング)は安定あんてい増強ぞうきょうおこなうだけとなっている。4飛行ひこう操縦そうじゅうコンピュータには、エアー・データ・ソースが別々べつべつところからおくられており[ちゅう 7]機体きたいかる最大さいだい過重かじゅうでは+8.5Gから-2.5Gまでのあいだむかいかくでは30から35までのあいだ制限せいげんしている。しかしパイロットが飛行ひこうちゅう操縦そうじゅう桿を15kgのちからいちはいくことによりリミッター解除かいじょスイッチが作動さどうして、その制限せいげん解除かいじょすることができる。また、あらゆる高度こうどにおいても、操縦そうじゅうせきにあるボタンをすだけで機体きたい自動的じどうてき水平すいへい直線ちょくせん飛行ひこうもどすSAU-27自動じどう飛行ひこう操縦そうじゅう装置そうち[ちゅう 8]装備そうびされており、地上ちじょう管制かんせいステーションやAWACS早期そうき警戒けいかい管制かんせい)から機体きたい直接ちょくせつ制御せいぎょすることが可能かのうである。

プガチョフ・コブラ

Su-27の最大さいだい特徴とくちょうたか機動きどうせいであり、機動きどうせいたかさをしめれいとしてはコブラがよく話題わだいにあがる。コブラは水平すいへい飛行ひこうしているところからさほど高度こうどえることなく急激きゅうげき機首きしゅ失速しっそく寸前すんぜんまで速度そくどとす機動きどうであり、1989ねんパリ航空こうくうショーテストパイロットヴィークトル・プガチョーフロシアばんによってはじめて西側にしがわ諸国しょこくまえ披露ひろう注目ちゅうもくびた[ちゅう 9]

発展はってんがたであるSu-35では旋回せんかいちゅうにコブラをおこなフックおこなうことが可能かのうであった。さらにその発展はってんがたであるSu-37では、高度こうどえることなく1回転かいてんするクルビットおこなうことが可能かのうである。回転かいてん半径はんけいこそおおきくなってしまうもののSu-30MKI/MKMでも可能かのうである。

コックピット[編集へんしゅう]

ロシア航空こうくう宇宙うちゅうぐん曲技きょくぎ飛行ひこうたいルースキエ・ヴィーチャズィ」のSu-27UBのコックピット。

Su-27のコックピットは、前部ぜんぶ胴体どうたい上面うわつらおおきくている。また、前部ぜんぶ風防ふうぼうやキャノピーのわく境界きょうかいせん部分ぶぶん以外いがいすべて廃止はいしされており(タンデムふくがた場合ばあいは、前後ぜんごせき境界きょうかいせん部分ぶぶんわくがある)、なみだしずくがた風防ふうぼうわせて、それ以前いぜんソ連それんせい戦闘せんとうくらべて(おも後方こうほう側面そくめん下方かほうの)視界しかいひろくなっている。

さらに、Su-27UBやSu-30系列けいれつ代表だいひょうされるタンデムふくがたでは、それまでのソ連それんせい戦闘せんとうふくがた[ちゅう 10]くらべると後部こうぶ座席ざせきがかなりたかめに配置はいちされており、こうせき搭乗とうじょういんにペリスコープが無用むようなほど良好りょうこう前方ぜんぽう視界しかい提供ていきょうしている。

Su-27のコックピット。

計器けいきるいは、正面しょうめんHUDと、HUDのみぎにあるモノクロCRTしきレーダー・ディスプレイ以外いがい従来じゅうらいがた計器けいきるいめられている。ただし改良かいりょうがたでは、カラー液晶えきしょうしきMFD装備そうびしてのグラスコックピットすすめられている。

射出しゃしゅつ座席ざせきは、NPP ズヴェズダせいK-36D搭載とうさいする。

エンジン[編集へんしゅう]

エンジンは、リューリカ=サトゥールン AL-31 アフターバーナーきターボファンエンジンを2胴体どうたい下面かめんのエンジンナセルに搭載とうさいしている。

エンジンのエアーインテークには、コンピュータ制御せいぎょ可変かへんしき取入とりいこうガイドベーンが装備そうびされており、飛行ひこうちゅうでのこう機動きどうにおいて発生はっせいするエンジンのコンプレッサー・ストールふせいでいる、また、れた飛行場ひこうじょう離着陸りちゃくりくさい異物いぶつがエンジンにはいのをふせため、グリッドしき異物いぶつ進入しんにゅう防止ぼうししがらみ装備そうびしているほか、エアーインテークの側面そくめんにはルーバーがた補助ほじょ空気くうき取入とりいこう装備そうびされている。

へいそう[編集へんしゅう]

下面かめんからたウクライナ空軍くうぐんのSu-27。10かしょのハードポイントにはすべてパイロンが設置せっちされている。

また、Su-27は長大ちょうだい航続こうぞく距離きょりミサイル搭載とうさい能力のうりょくわせている。ぞうそう使つかわずに機内きない燃料ねんりょうのみでミサイルを10tちか搭載とうさいし、4,000kmちか飛行ひこうおこなうことが可能かのうである。

機関きかんほうについては、MiG-29と同型どうけいGSh-30-1 30mm機関きかんほうを1もん右舷うげんLERX上面うわつら部分ぶぶん装備そうびしている。

ハードポイントは、りょう主翼しゅよくはしと、りょう主翼しゅよくに2かしょずつ、左右さゆうエンジンナセルに1つずつ、さらに胴体どうたい中心線ちゅうしんせん前後ぜんご2つの、合計ごうけい10かしょ配置はいちされている[ちゅう 11]。また、後述こうじゅつのようにつばさはしのミサイル発射はっしゃレールを、電子でんしせんポッドに交換こうかんすることも可能かのうである。

そら対空たいくうミサイルをフル装備そうびする場合ばあいは、オフボアサイト射撃しゃげき能力のうりょく短距離たんきょりそら対空たいくうミサイルのR-73を4はつ左右さゆう主翼しゅよくはしと、主翼しゅよく外側そとがわのハードポイントに装備そうび)、中距離ちゅうきょりそら対空たいくうミサイルであるR-27を6はつ主翼しゅよく内側うちがわとエンジンナセル胴体どうたい中心線ちゅうしんせんの2つのハードポイントにそれぞれ1つずつ)搭載とうさいするのが標準ひょうじゅんとなっている。なお、Su-27の発展はってんがた機体きたい搭載とうさいする射程しゃてい延長えんちょうがたのR-27EMはやく110 kmの射程しゃていつとされる。また、最新さいしんがたR-77やく90kmの射程しゃていとされている。

そら対地たいちへいそうについては、初期しょきのSu-27Sでは誘導ゆうどうばくだんナパームだんクラスターばくだんふくむ)と誘導ゆうどうロケットだんしか使つかえなかったが、のち開発かいはつされた派生はせいがた既存きそんのSu-27を改修かいしゅうしたSu-27SMでは、様々さまざまそら対地たいちミサイルそらたいかんミサイル誘導ゆうどうばくだん装備そうび可能かのうとなっている。

アビオニクス[編集へんしゅう]

Su-27のほか特徴とくちょうとして、IRSTレーザーはか装置そうちや、Shchel(: Щель)または Sura(: Сураヘルメット装着そうちゃく目標もくひょう指示しじ装置そうち (HMD)やTKS-2とばれる通信つうしんシステムがあげられる。

  • IRSTは、UOMSせいのOPES-27とばれる赤外線せきがいせん探知たんちする装置そうちで、コックピットの風防ふうぼうまえにその収容しゅうようがあり、最大さいだいやく50kmさき目標もくひょうまで探知たんちすることができる。レーダー電波でんぱ探知たんちされるのをふせぐため運用うんようにある程度ていど制約せいやくがつくが、電波でんぱなどの放出ほうしゅつがないIRSTは、探知たんちされる危険きけんせいがないため運用うんよう制限せいげんはない。一部いちぶではこの機能きのうによって「F-22撃墜げきついできるのではないか?」という推論すいろんもあるが、F-22は赤外線せきがいせん放出ほうしゅつ減少げんしょうはかられているため探知たんち困難こんなんともかんがえられている。
  • レーザーはか装置そうちは、IRSTとおなじく収容しゅうようおさめられており、IRSTで探知たんちした目標もくひょうとの距離きょり測定そくていして(IRSTでわかるのは目標もくひょう方向ほうこうのみで距離きょりがわからない)目標もくひょう攻撃こうげき必要ひつよう各種かくしゅデータをそろえる。レーザーはか装置そうちやく18km程度ていどまでしか使用しようできないが、編隊へんたいない戦闘せんとうあいだでのデータリンクにより、機体きたい測定そくていした距離きょり測定そくていした距離きょり機体きたいとの位置いち関係かんけい利用りようした三角さんかく測量そくりょう目標もくひょうとの距離きょり算出さんしゅつでき、その目標もくひょうデータを編隊へんたいない戦闘せんとうあいだ共有きょうゆうできる。また、データリンクはIRST、レーザーはか装置そうち、レーダーで探知たんちした目標もくひょうデータを、戦闘せんとうあいだだけでなく、AWACS(早期そうき空中くうちゅう警戒けいかい)や地上ちじょう管制かんせい施設しせつとも共有きょうゆうできる。
  • HMDは、従来じゅうらいヘッドアップディスプレイ(HUD)とはちがい、ヘルメットに照準しょうじゅんよう画面がめんうつすシステムで、Su-27ではヘルメットがうごくとコックピットの風防ふうぼうまえ収容しゅうよう装備そうびされているIRSTのセンサーがリンクしてうごくようになっており、照準しょうじゅんよう画面がめんともにIRSTにより、てきのエンジン排気はいきから放出ほうしゅつする赤外線せきがいせん探知たんちする。それを搭載とうさいされた、オフボアサイト能力のうりょくつR-73ミサイルのあいだでリンクすることで、機軸きじくから左右さゆう60角度かくどまでの範囲はんいにある目標もくひょうたいしてミサイルをロックオンせず発射はっしゃして、そののIRSTの追尾ついびにより、てき座標ざひょうを、中間ちゅうかん指令しれい誘導ゆうどうによりミサイルにおくることで、発射はっしゃ目標もくひょうをロックオンして目標もくひょう追尾ついびすることができる。
Su-27UBのコクピットまわり。コクピット前方ぜんぽう設置せっちされているのは、IRST(赤外線せきがいせん捜索そうさく追跡ついせきシステム)とレーザーはか装置そうちはいったセンサー収容しゅうよう

たか機体きたい性能せいのうをもつSu-27だが、アビオニクス西側にしがわくら総合そうごうてきにはおとっている。Su-27に搭載とうさいされているレーダーは、N001メーチ(NATOコードネーム スロット・バック)パルス・ドップラー・レーダーで、基本きほんてきにはMiG-29装備そうびしているN019 ルービンレーダーとおなじだが、機体きたいがよりおおきいため、レーダーのアンテナ直径ちょっけいおおきくなっており、ルックダウン・シュートダウン能力のうりょくち、最大さいだい10目標もくひょう探知たんち可能かのうで、戦闘せんとうクラス(レーダー反射はんしゃだん面積めんせきが3m2程度ていど)の目標もくひょうたいする最大さいだい探知たんち距離きょり100km、目標もくひょう最大さいだい追跡ついせき距離きょり75kmの性能せいのうっている。レーダー画像がぞう表示ひょうじは、コックピット前方ぜんぽう計器けいきばんみぎ上部じょうぶにある小型こがたのスクリーンに表示ひょうじされるが、合成ごうせい開口かいこうレーダー画像がぞうヘッドアップディスプレイ(HUD)にも表示ひょうじ可能かのうである。しかし、NATOのものとくらべると、探知たんち距離きょり探知たんちすうではそれほどおとらないものの、捜索そうさくちゅう追尾ついび能力のうりょくいため、ある目標もくひょうをロックオンすると、目標もくひょう捜索そうさく追跡ついせき不可能ふかのうとなり、複数ふくすう目標もくひょう同時どうじロックオンが出来できない(ひいては複数ふくすう目標もくひょうへの同時どうじ攻撃こうげき能力のうりょくがない)などめんでかなりおと部分ぶぶんがあった。そのため、だい1目標もくひょうロックオンだい2・3の目標もくひょうについては、地上ちじょう警戒けいかいレーダーやAWACS早期そうき空中くうちゅう警戒けいかい)などで目標もくひょう捕捉ほそくしてもらい、そのなかから優先ゆうせんする攻撃こうげき目標もくひょう指示しじをそれらからけることによりその問題もんだいをカバーしていた。発展はってんがたではレーダーのかわそうおこなわれており、輸出ゆしゅつがたのSu-27SKでは、同時どうじ攻撃こうげき能力のうりょく付加ふかされ2目標もくひょうのロックオンが可能かのうなN001VEとなりいくつかのレーダーモードが追加ついかされた。また、既存きそんのものについても最終さいしゅうてきにN001VEPにかわそうされた。

また、ふくがたのSu-27UBは、ソ連それん空軍くうぐん防空ぼうくうぐん戦闘せんとうとしてははじめて、機種きしゅ転換てんかん訓練くんれんようふくがたにもレーダーを搭載とうさいし、単座たんざがたとほぼ同等どうとう戦闘せんとう能力のうりょく付与ふよされているのも特徴とくちょうである[ちゅう 12]。この特徴とくちょうは、のちマルチロールがたふくSu-30シリーズをすことにつながった。

その自己じこ防御ぼうぎょ装置そうちとしてSPO-15"ベリョーザ"ロシアばんレーダー警報けいほうシステムを搭載とうさいしており、その受信じゅしん垂直すいちょく尾翼びよくえん取付とりつけている、これは、相手あいて航空機こうくうきから発信はっしんされるレーダーなどの電波でんぱ受信じゅしんして、システムに内蔵ないぞうされた情報じょうほうライブラリーと照合しょうごうすることにより、脅威きょうい電波でんぱ識別しきべつ度合どあいのほか、その方向ほうこう距離きょり、システムの型式けいしき表示ひょうじできるようになっている。相手あいてのレーダーを妨害ぼうがいするアクティブ方式ほうしき妨害ぼうがい装置そうち搭載とうさいしているがその詳細しょうさい不明ふめいである。後部こうぶ胴体どうたい中央ちゅうおうのテールコーンのうえにAPP-50チャフフレア・ディスペンサーが装備そうびされており、96はつのチャフまたはフレアカートリッジを搭載とうさいできるようになっている。また、主翼しゅよくはしのミサイル発射はっしゃレールをはずして、ソルブツヤロシアばん電子でんしせんポッドにかわそうすることも可能かのうである。

ライバルとの比較ひかく[編集へんしゅう]

Su-27は、F-15F-14など当時とうじ新鋭しんえい戦闘せんとう対抗たいこうしてつくられた戦闘せんとうであるため、比較ひかく対象たいしょうとなることがおおい。

初期しょきがたのSu-27は、現在げんざい空中くうちゅうせん勝敗しょうはい決定けっていするじょうもっと重要じゅうようなレーダーなど電子でんし機器きき全般ぜんぱん性能せいのうが、F-15にくらべて圧倒的あっとうてきひくく、早期そうき警戒けいかい管制かんせい (AWACS) など後方こうほう支援しえん担当たんとうするシステムとの連携れんけいおとっていた。しかし、改良かいりょうによりデータリンクの導入どうにゅう、レーダーの近代きんだいなどがおこなわれた結果けっか最新さいしんがたのSu-35では見劣みおとりしないものとなっている。

1992ねんにロシアのSu-27部隊ぶたいラングレー空軍くうぐん基地きち親善しんぜん訪問ほうもんしたさい模擬もぎ空戦くうせんでSu-27がF-15Cに勝利しょうりしたという情報じょうほうもあったが、虚偽きょぎとの情報じょうほうもありたしかではない[3]

また、Su-27はどう時期じき開発かいはつされたMiG-29比較ひかくされることもおおい。しかし、スホーイ設計せっけいきょくでは広大こうだい国土こくど防空ぼうくうする用途ようととしてなが航続こうぞく距離きょりたか積載せきさい能力のうりょくをコンセプトにして開発かいはつされたのにたいし、ミコヤン設計せっけいきょくでは局地きょくちにおける格闘かくとうせん用途ようと戦闘せんとうという方針ほうしん開発かいはつされた。りょう設計せっけいきょくとも中央ちゅうおう流体りゅうたい力学りきがく研究所けんきゅうじょ(TsAGI)の研究けんきゅう結果けっかもとにしたため基本きほん形状けいじょうているが、そのてんかんしてはMiG-29の項目こうもく参照さんしょうされたい。なお、1999ねん2がつ25にちエリトリア使用しようしているMiG-29とエチオピア使用しようしているSu-27が交戦こうせんした。Su-27がMiG-29を撃墜げきつい勝利しょうりわっているが、その詳細しょうさいについてもMiG-29のこう参照さんしょうのこと。

発展はってんがた開発かいはつ[編集へんしゅう]

Su-27はおおくの発展はってんがた開発かいはつされている。

ロシア[編集へんしゅう]

インド空軍くうぐんのSu-30MKI

本国ほんごくのロシアではまずSu-27の輸出ゆしゅつがたとしてはダウングレードがた(レーダーは、10目標もくひょう同時どうじ追跡ついせき、2目標もくひょう同時どうじ攻撃こうげき可能かのうN001VEに強化きょうか)のSu-27SKとそのふくがたUBKが開発かいはつされている。このかた対地たいち攻撃こうげき能力のうりょく追加ついか誘導ゆうどう兵器へいきのみ搭載とうさい可能かのう、アビオニクスにかんしてはガルデーニヤECCMElectric Counter Counter Measureたい電子でんし妨害ぼうがい対抗たいこう手段しゅだん)を中核ちゅうかくとするLTTS統合とうごう防御ぼうぎょシステムが追加ついか装備そうびされている。これはF-15EのTEWS(内蔵ないぞうがた戦術せんじゅつ電子でんしせんシステム)であるAN/ALQ-135同等どうとう能力のうりょくともわれる。Su-27SK/UBKは中国ちゅうごく輸出ゆしゅつされJ-11がた としてライセンス生産せいさんされている。また、Su-27を構造こうぞうから見直みなおし、後述こうじゅつのSu-33同様どうようにカナードを装備そうびしアビオニクスも強化きょうかしたSu-35が開発かいはつされ、さらに推力すいりょく偏向へんこうノズルを装備そうびのSu-37が開発かいはつされた。これらは量産りょうさんされなかったがのちにSu-30MKIなどにフィードバックされた。Su-35/37の計画けいかく中止ちゅうしロシア国内こくないけより先行せんこうしていた輸出ゆしゅつがた成果せいかをフィードバックするかたちでレーダーやコックピットの近代きんだい対地たいち攻撃こうげき能力のうりょく大幅おおはば強化きょうかなどをおこなったSu-27SMが開発かいはつされこちらは2002ねん12月27にちはつ飛行ひこうしている。2003ねんからは輸出ゆしゅつけとして大幅おおはば近代きんだいしたSu-35BMの開発かいはつ開始かいししている。2008ねんはつ飛行ひこうしたがその当時とうじ輸出ゆしゅつ成功せいこうせず結局けっきょくロシア空軍くうぐんけとして配備はいびすすめられた(のちに中国ちゅうごく輸出ゆしゅつ)[4]

艦載かんさいがたとしては構造こうぞう強化きょうかしテイルコーンを短縮たんしゅく離陸りりく距離きょりみじかくし、カナードを装備そうびしたSu-33開発かいはつされ。1987ねんはつ飛行ひこう、アドミラル・クズネツォフの艦載かんさいとして配備はいびされている。

ふくがたのSu-27UBからはSu-27PUが派生はせいした。Su-27PUは戦術せんじゅつデータでのSu-27P、MiG-31およびその迎撃げいげきをサポートするように設計せっけいされていたが、のちにSu-30改名かいめいされ、おも輸出ゆしゅつ市場いちばけのマルチロールファイターに変更へんこうされたことにともない、航空機こうくうき本来ほんらい目的もくてきからははずれることとなった。その、より発展はってんしたSu-30MK系列けいれつ開発かいはつされている。とくインド空軍くうぐん配備はいびされているSu-30MKI推力すいりょく偏向へんこうシステムをそなえたはじめての実用じつよう量産りょうさんとしてられており、派生はせいがたマレーシアSu-30MKM)やアルジェリアSu-30MKA英語えいごばん)にも販売はんばいされたうえ、ロシア連邦れんぽうぐんでもSu-30SMとして採用さいようされるなど、もっと販売はんばい順調じゅんちょうなロシアせい戦闘せんとうとなっている。このほか中国ちゅうごくけにSu-30MKIとSu-35の一部いちぶ機能きのう(垂直すいちょく尾翼びよくひとし)をわせたSu-30MKK英語えいごばんとその発展はってんがたのMK2が開発かいはつされている[5]

戦闘せんとう爆撃ばくげきがたとしてはSu-34開発かいはつされた。これは中止ちゅうしとなったT-10KM-2艦載かんさい練習れんしゅう配置はいちをベースとした並列へいれつふくとなっており[6]かくパイロットに重複じゅうふくした計器けいき必要ひつようないことが利点りてんとなっている。また、Su-24実戦じっせん経験けいけん確認かくにんされた欠点けってん考慮こうりょれ17mmのあつさの装甲そうこうばんでコックピットを保護ほごしている[7]。1990ねんはつ飛行ひこうしたが開発かいはつかえ停止ていしし、2004ねん最初さいしょ試作しさく完成かんせい[8]受領じゅりょう開始かいしされている。

きゅうソ連それん諸国しょこく[編集へんしゅう]

小規模しょうきぼ近代きんだい改修かいしゅうはウクライナやベラルーシでもおこなわれており、ベラルーシではバラーナヴィチだい558航空機こうくうき修理しゅうり工場こうじょうロシアばんによって開発かいはつされたSu-27UBM1、ウクライナではザポリージャ航空機こうくうき修理しゅうり工場こうじょうMiGremontロシアばんによって開発かいはつされたSu-27-1Mがある。

中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく[編集へんしゅう]

Su-27をライセンス生産せいさんしたJ-11Aや独自どくじ改良かいりょうおこなったJ-11B、その発展はってんがたJ-16、J-11Bをベースにウクライナから導入どうにゅうしたSu-33試作しさく参考さんこう艦載かんさいしたJ-15開発かいはつされている。2014ねん現在げんざい、J-11だけは253以上いじょう配備はいびされている[9]

基本きほんがた発展はってんがた型式けいしき[編集へんしゅう]

Su-27は艦上かんじょうかたであるSu-33や戦闘せんとう爆撃ばくげきかたであるSu-34など多数たすう発展はってんがた開発かいはつされている。

試作しさく実験じっけん[編集へんしゅう]

T-10
T-10 (T-10-1)
原型げんけい全面ぜんめん改良かいりょうがたである7号機ごうき (T-10-7) 以降いこうはT-10Sとばれ、それ以前いぜん製作せいさく機体きたい便宜べんぎてきにT-10-1とばれて区別くべつされる。偵察ていさつ衛星えいせい存在そんざい確認かくにんしたアメリカは当機とうきラムK (Ram-K)んで識別しきべつし、NATOではフランカーA (Flanker-A)んで識別しきべつ
T-10S
T-10試作しさく7号機ごうき以降いこう名称めいしょう。T-10の設計せっけい全面ぜんめんてき見直みなおした改良かいりょうがた飛行ひこう性能せいのう改善かいぜんされ当機とうき生産せいさんがた基本きほんがたとなった。
量産りょうさんがたSu-27とはキャノピーの形状けいじょうことなっていることと、垂直すいちょく尾翼びよくつばさはし傾斜けいしゃしていないことで区別くべつ出来できる。
T-10-20R
T-10Sのうちの1試作しさく20号機ごうき)を周回しゅうかい速度そくど記録きろくよう改造かいぞうした機体きたい
テイルコーンが延長えんちょうされているほか、レドームがより空気くうき抵抗ていこうすくない形状けいじょうのものにかわそうされ、ハードポイントなどの武装ぶそう関係かんけい撤去てっきょされている。
T-10-24
T-10Sのうちの1試作しさく24号機ごうき)に左右さゆうどうしき左右さゆうつばさ独立どくりつしてうご方式ほうしき)のカナードつばさ装備そうびした機体きたい別名べつめいT-10S-24。
カナードつばさ装備そうびがた試験しけんもちいられ、Su-33とう開発かいはつ貢献こうけんした。
T-10M/Su-27M/Su-35
カナードを装備そうびして、アビオニクスを強化きょうかしたマルチロールがた試作しさく。12試作しさくされたほか、3追加ついか製造せいぞうされた。
T-10M-701
すう製作せいさくされたT-10MのうちT-10Sから改造かいぞうされた機体きたい(T-10M 701号機ごうき)。機体きたいことなりベースが試作しさくがたSu-27のため機体きたい形状けいじょう一部いちぶことなっている。
Su-37
T-10Mの試作しさく11号機ごうき(T-10M-711)、12号機ごうき(T-10M-712)を改造かいぞうしてつくられた強化きょうか発展はってん。T-10Mと同様どうよう採用さいようはされず、研究けんきゅうとして運用うんようされた。
T-10V
ロシア表記ひょうきではT-10Βべーた。Su-27IB (Su-34) の試作しさくがた
P-42ロシアばん
P-42
エンジンを推力すいりょくにして1000kgほど強化きょうかした特別とくべつがたであるR-32にかわそうし、必要ひつよう最低限さいていげん電子でんし機器ききのみを搭載とうさいした記録きろく挑戦ちょうせんがた
1988ねんから各種かくしゅ速度そくど高度こうど記録きろく挑戦ちょうせんし27の世界せかい記録きろく樹立じゅりつした。
Su-27PD
長距離ちょうきょり飛行ひこう目的もくてきとしたちょう航続こうぞく時間じかん試験しけん空中くうちゅう給油きゅうゆ装置そうち装備そうび、IRSTの移動いどう改修かいしゅうがなされている。民間みんかんアクロチームのテストパイロッツよう改修かいしゅうした機体きたい武装ぶそう関係かんけい撤去てっきょされている。
Su-27M / Su-27M2
おも輸出ゆしゅつ目的もくてきとして開発かいはつ開始かいしされたSu-27の発展はってんがた
Su-35
Su-27M (初代しょだいSu-35)
Su-27Mを改称かいしょうカナードつばさ装備そうびしていた。NATOではフランカーE1 (Flanker-E1)んで識別しきべつした。
Su-35UB
Su-35のふくがた。Su-30MKIやSu-37の成果せいかをフィードバックし、より高度こうどなアビオニクスを搭載とうさいしていた。
Su-37
Su-27M2 (Su-37)
Su-27M2を改称かいしょう。Su-35のさらなる発展はってんがたとして開発かいはつおこなわれていたマルチロールがた推力すいりょく偏向へんこう装置そうちをシリーズではじめて装備そうびした。
2製作せいさくされたが1墜落ついらく、もう1推力すいりょく偏向へんこう装置そうち撤去てっきょされている。
NATOではフランカーE2 (Flanker-E2)んで識別しきべつした。非公式ひこうしき愛称あいしょうは「Терминатор(チルミナータル、英語えいごTerminator(ターミネーター)のロシア表記ひょうきみ)」および「スーパーフランカー (Super Flanker)」。

Su-27S/P系列けいれつ[編集へんしゅう]

Su-27
Su-27
T-10Sをもとにしたぜん量産りょうさんがた
Su-27S
Su-27S
Su-27の空軍くうぐん仕様しよう改修かいしゅうがた。2文字もじの「S」は Серийный略号りゃくごうで、量産りょうさん意味いみする。
Su-27とはテイルコーン側面そくめんのアンテナの有無うむおよびチャフ/フレアディスペンサーの装備そうびすうことなる。NATOではフランカーB (Flanker-B)んで識別しきべつした。
ソビエト時代じだいにはソビエト連邦れんぽう諸国しょこくにのみ配備はいびされていたが、ソビエト崩壊ほうかい構成こうせい諸国しょこくであったウクライナベラルーシなどから中古ちゅうことしてエチオピアなどに転売てんばいされている。
Su-27S1M
ウクライナにおける近代きんだい改修かいしゅうがた
Su-27SK
Su-27Sの輸出ゆしゅつけの機体きたいとして開発かいはつされたダウングレードがた。2文字もじの「K」は Коммерческий略号りゃくごうで、商業しょうぎょう意味いみする。
殲撃11がた(殲-11、J-11)
Su-27SKの中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくライセンス生産せいさんがた生産せいさんは1995ねんからおこなわれた。
殲撃11がたB(殲-11B、J-11B)
J-11B
中国ちゅうごく独自どくじ開発かいはつ改良かいりょうがた
機体きたい設計せっけい変更へんこうレーダー吸収きゅうしゅう塗料とりょうにより、レーダー反射はんしゃ断面だんめんをJ-11の15m2から5~3m2抑制よくせいマルチロールした近代きんだい改修かいしゅう中国ちゅうごくせい最新さいしん機材きざい搭載とうさいされてアビオニクスが大幅おおはば強化きょうか中国ちゅうごくさん武装ぶそう搭載とうさい運用うんようできる。
ライセンスのため、ロシアとのあいだ問題もんだいとなる。
Su-27SKM
Su-27SKの発展はってんがた。Su-35/37が高価こうかであるため輸出ゆしゅつけの廉価れんかがたとして開発かいはつされた[10]
機内きない燃料ねんりょう増加ぞうか空中くうちゅう給油きゅうゆへの対応たいおう外部がいぶぞうそうへの対応たいおう、ハードポイントの12箇所かしょへの増加ぞうかそら対地たいちミサイル運用うんよう能力のうりょく付加ふか、コクピットにマルチファンクションディスプレイ装備そうびしてのグラスコックピットなどの改良かいりょうおこなわれている。
試作しさく1のほか、インドネシア空軍くうぐんけに3生産せいさんされたにとどまる。
Su-27P
Su-27P
防空ぼうくうぐん仕様しよう。Pとは防空ぼうくうぐん(PVO;ロシア: ПВО仕様しよう意味いみ非常ひじょうこまかな差異さい[ちゅう 13]はあるが基本きほんてき空軍くうぐんがたSu-27Sと同一どういつ機体きたいである。
防空ぼうくうぐん併合へいごうともない、現役げんえきのほぼすべては改修かいしゅうされてSu-27S仕様しよう統一とういつされている。
Su-27P1M
ウクライナにおける近代きんだい改修かいしゅうがた
Su-27SM
Su-27SM
ロシア空軍くうぐん既存きそんのSu-27にたい近代きんだい改修かいしゅうがされたかた。2002ねん12月27にちはつ飛行ひこう。SMは Серийный Mодернизированный量産りょうさん近代きんだい)のりゃく
外見がいけんほとんわらないが、90年代ねんだい開発かいはつされたSu-35/37などのデモンストレーション蓄積ちくせきされた技術ぎじゅつ投入とうにゅうされており、アビオニクスめん大幅おおはば強化きょうかされている。
レーダーはN001VEPにかわそうされR-77、Kh-29L/T、Kh-31A/P、Kh-35、KAB-250Kr、KAB-500Kr、KAB-1500Krの運用うんよう能力のうりょく付加ふかされたほか、探知たんち距離きょり延伸えんしんされ10目標もくひょう探知たんち2目標もくひょう追尾ついび同時どうじ交戦こうせん能力のうりょく獲得かくとくした。
計器けいきばんMFDであるMFI-10-6M 2とMFIP-6 1となりグラスコックピットヘッドアップディスプレイもSILS-27Mに変更へんこうされた。
IRSTは改良かいりょうほどこされたOEPS-27Mとなり視界しかい確保かくほのため右側みぎがわにオフセット搭載とうさいされた。
航法こうほう装置そうちGPS/GLONASS統合とうごうがたのA737-010にかわそう、エンジンは信頼しんらいせい向上こうじょうしたAL-31FM1にかわそう、レーダー警報けいほう受信じゅしんはSPO-32にかわそうされた。そのほかHOTAS概念がいねん導入どうにゅうおこなわれ電子でんしせん装置そうちなどにも改良かいりょうおこなわれた。
Su-27SM2
Su-27SMをさら発展はってんさせた近代きんだい改修かいしゅうがた当機とうきはSu-27をもと改造かいぞうされた機体きたいで、一時期いちじきSu-35を名乗なのっていたが、完全かんぜん新造しんぞうであるSu-35BMに名称めいしょうゆずっている。
Su-35
Su-27SM2にじゅんじた発展はってんがた。Su-27M系列けいれつ初代しょだいSu-35との混同こんどうけるために試作しさく名称めいしょうT-10BMにもとづいてSu-35BMともばれている。
Su-27SM3
Su-27SM3
Su-27SMのしん造型ぞうけい中国ちゅうごくけのSu-27SKのうち、キャンセルされて不要ふようとなった機体きたいのエアフレームを流用りゅうようして製造せいぞうされたことが示唆しさされている。
AL-31F-M1エンジンを搭載とうさいし、延長えんちょうされた耐用たいよう年数ねんすうつ。射程しゃていびたあたらしい中距離ちゅうきょりそら対空たいくうミサイル(R-77-1)を運用うんようするため、レーダーのアンテナ、エミッタおよび更新こうしんデータリンクがアップグレードされており、コックピット管理かんりシステムが改良かいりょうされデジタルコックピットされている[11]
Su-27LL
Su-27LL
ロシアのM・M・グロモフ記念きねん航空こうくう研究所けんきゅうじょ英語えいごばん使用しようされている各種かくしゅ試験しけんよう試験しけんよう装備そうび以外いがい通常つうじょうがたとの一番いちばん差異さいはIRSTが装備そうびされていないこと。
サイドスティックしき操縦そうじゅう装置そうち普通ふつう操縦そうじゅう桿ものこしてある)、レーザー索敵さくてき装置そうち欺瞞ぎまん装置そうち、3次元じげんノズルなどの運用うんよう試験しけんもちいられている。
Su-27LMK
運動うんどう能力のうりょく向上こうじょう (CCV) 試験しけん
操縦そうじゅう装置そうちはサイドスティックしき普通ふつう操縦そうじゅう桿ものこしてある)でFADEC(フルデジタルエンジン制御せいぎょ装置そうち)やスピン回復かいふくようドラッグシュートなどを装備そうびしている。1990ねんより試験しけんもちいられている。
Su-27RV
ロシア空軍くうぐんのアクロバットチーム、ルースキエ・ヴィーチャズィよう改修かいしゅう
GPS航法こうほう装置そうち装備そうびし、西側にしがわ周波数しゅうはすう対応たいおうした航空こうくう無線むせん特別とくべつ搭載とうさいしている。また、演技えんぎようのスモーク発生はっせい装置そうちつばさはし搭載とうさいする。

Su-27UB系列けいれつ[編集へんしゅう]

Su-27UB
ウクライナ空軍くうぐんのSu-27UB。コクピット以降いこう胴体どうたい背面はいめん形状けいじょうちがいと、方向ほうこうかじのかさ部分ぶぶん注目ちゅうもく
Su-27のふく練習れんしゅうがた。NATOではフランカーC (Flanker-C)んで識別しきべつした。もとのコックピットの後部こうぶ教官きょうかんようのコックピットを追加ついかしており、おおきく段差だんさけている。これにともないドーサルスパインの形状けいじょうわったほか、そらりょくめん重量じゅうりょうめん機体きたい前後ぜんこうのバランスをるために垂直すいちょく尾翼びよく単座たんざがたより42cmたかくなっている。
Su-27UB-PS
2次元じげんノズル試験しけんはこがたの2次元じげんノズルを装備そうびしている。ただし、左側ひだりがわしか改造かいぞうされていない。
Su-27UBK
Su-27UBK
Su-27UBの輸出ゆしゅつがた
殲撃11がたBS(殲-11BS、J-11BS)
ふく練習れんしゅうがた。Su-27UBKをもとにJ-11Bと同様どうようなアプローチで中国ちゅうごく独自どくじ設計せっけい変更へんこうおこな開発かいはつした機体きたい
Su-27UB1M
Su-27UBM1
ウクライナにおける近代きんだい改修かいしゅうがた
Su-27UBM
Su-27SMのふくがたとして開発かいはつされていたが、のちにキャンセルされた。試作しさく1のみが存在そんざいする。
Su-27UBM1
Su-27UBをベラルーシ改修かいしゅうしたマルチロールがた既存きそんのSu-27UBから改修かいしゅうされ、ベラルーシ空軍くうぐんおよ防空ぼうくうぐん配備はいびされている。
Su-27UBM2
カザフスタンのSu-27UBKをUBM1とどう仕様しよう改修かいしゅうした機体きたい一部いちぶ機材きざいがUBM1とことなる。
Su-27UP
Su-27Pのふくがた
Su-27UP1M
ウクライナにおける近代きんだい改修かいしゅうがた

Su-30系列けいれつ[編集へんしゅう]

Su-27PU
Su-27PU (Su-30)
長距離ちょうきょり迎撃げいげき戦闘せんとうとして開発かいはつされたふく戦闘せんとうのちSu-30改称かいしょう。ロシア空軍くうぐん自体じたいには少数しょうすう配備はいびされたにとどまった。NATOではフランカーF1 (Flanker-F1)んで識別しきべつした。
Su-30K
対地たいち攻撃こうげき能力のうりょく付与ふよした輸出ゆしゅつがた生産せいさんおくれていたSu-30MKI代替だいたいとしてインド空軍くうぐんに18配備はいびされたが、Su-30MKIの充足じゅうそくヒンドスタン航空機こうくうきでのライセンス生産せいさん進捗しんちょくともないロシアへ返却へんきゃく。ベラルーシで保管ほかんされていたが12がベラルーシで近代きんだい改修かいしゅうけたのちにアンゴラへわたされた。
Su-30KI
Su-30Kの単座たんざがた
インドネシアけに開発かいはつされたが、同国どうこく国内こくない事情じじょうによりなん契約けいやく締結ていけつ契約けいやく破棄はきかえした。また、同機どうき関連かんれんしてメガワティ大統領だいとうりょう贈収賄ぞうしゅうわい疑惑ぎわくしょうじたことがあった。2005ねん現在げんざいすう同国どうこく空軍くうぐん配備はいびされている。
Su-30KN
Su-30Kのアップグレードがたインド空軍くうぐん配備はいびされていたSu-30MKおよびKがどう仕様しよう改修かいしゅうされベラルーシが取得しゅとく検討けんとうしていた。
Su-30M
Su-30を用途ようと任務にんむしたもので、対地たいち攻撃こうげき用兵ようへいそうシステムを装備そうびしたもの。NATOではフランカーF2 (Flanker-F2)んで識別しきべつした。
Su-30M2
Su-30の2番目ばんめ改良かいりょうがたしめ名称めいしょうで、カナードつばさTVC搭載とうさい。1997ねんはつ飛行ひこうしている。
Su-30MK
Su-30の設計せっけい発展はってんさせたふくのマルチロール輸出ゆしゅつがた数種類すうしゅるい発展はってんがた開発かいはつされている。
Su-30SM
ロシア空軍くうぐんけでSu-30MKIをベースとしており、カナードつばさ推力すいりょく偏向へんこう装置そうちそなえる[12]
Su-30MKA英語えいごばん
Su-30MKIをベースとしたアルジェリアけマルチロールがた
Su-30MKI
インド配備はいびちゅうふくのマルチロールがたで、カナードつばさ推力すいりょく偏向へんこう装置そうちそなえる。同国どうこくでのライセンス生産せいさん契約けいやくされている。NATOではフランカーH (Flanker-H)んで識別しきべつした。
Su-30MKK英語えいごばん
中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく配備はいびちゅうふくマルチロールがた推力すいりょく偏向へんこう装置そうち装備そうびされず、MKKではたいかん攻撃こうげき能力のうりょくもオミットされているが、レーダーと電子でんし装置そうち新型しんがたかわそうされている。
NATOではフランカーG (Flanker-G)んで識別しきべつした。
Su-30MKM
マレーシア輸出ゆしゅつされたふくのマルチロールがたで、Su-30MKIにじゅんずる機体きたい
Su-30MKT
タイけの輸出ゆしゅつがた性能せいのうはSU-30MKMにじゅんずる。
2005ねん12月19にち報道ほうどうによれば、5おくUSドルで12のSu-30MKTの購入こうにゅう契約けいやくしたがクーデターにより実現じつげんしなかった[13]
Su-30MKL
リビアけの輸出ゆしゅつがた計画けいかくのみ。
Su-30MK2
Su-30MKの能力のうりょく向上こうじょうがたKh-59などのそらたいかんミサイル運用うんよう可能かのうである[14]。カナードつばさとTVCは搭載とうさい
中国ちゅうごく海軍かいぐんやウガンダなどすうカ国かこく運用うんようちゅう
Su-30MKV
2006ねんベネズエラ輸出ゆしゅつされたふくのマルチロールがた
Su-30MK2V
ベトナム生産せいさんがた
Su-30M2
ロシア仕様しよう[15]。アビオニクスをSu-27SMと共通きょうつうしている。前述ぜんじゅつのSu-30M2とは関係かんけいがない。20生産せいさんされた。
Su-30MK3
Su-30MK2よりレーダーやエンジンが強化きょうかされ、たいかん攻撃こうげき能力のうりょく追加ついかされた機体きたいで、中国ちゅうごく海軍かいぐんにSu-30MK2につづ導入どうにゅう予定よていであった。計画けいかくのみ。
殲撃16がた
中国ちゅうごくがJ-11BのふくがたであるJ-11BSをベースに中国ちゅうごく海軍かいぐんのSu-30MK2とどう仕様しよう改修かいしゅうして開発かいはつした機体きたい中国ちゅうごく海軍かいぐん運用うんようちゅう
国産こくさんWS-10A たいゆきエンジンを搭載とうさい。カナードつばさとTVCは搭載とうさいそらたいかんミサイル運用うんよう可能かのう

艦上かんじょう戦闘せんとうがた[編集へんしゅう]

Su-27K
Su-27の艦上かんじょう戦闘せんとうかた。KがたとはКорабль艦上かんじょうがた)の意味いみ。NATOではフランカーD(Flanker-D)んで識別しきべつした。
Su-33
Su-27K (Su-33)
Su-27Kを改称かいしょう。ソビエト海軍かいぐん時代じだい開発かいはつされた艦上かんじょう戦闘せんとうがたロシア海軍かいぐん採用さいようされた。
なお中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくほん原型げんけいであるT-10Kをウクライナから1購入こうにゅうしJ-15を開発かいはつした。
Su-27KUB (Su-33UB)
Su-27K (Su-33) の並列へいれつふくがた
殲撃15がた
中国ちゅうごくがSu-33の試作しさくであるT-10K-7を参考さんこうにJ-11Bをベースに開発かいはつした艦上かんじょう戦闘せんとう
Su-27KI モルニヤ
原子力げんしりょく空母くうぼでの蒸気じょうきカタパルト運用うんよう前提ぜんていとしたSu-27の艦上かんじょう戦闘せんとうがた。カナードがなく、垂直すいちょく尾翼びよく形状けいじょうことなるほか、ベントラルフィンそなえている。
ソビエト海軍かいぐん航空こうくう母艦ぼかん整備せいび消極しょうきょくてきだったため計画けいかく中止ちゅうしとなった[16]
Su-27KSh グローザ
原子力げんしりょく空母くうぼでの蒸気じょうきカタパルト運用うんよう前提ぜんていとしたSu-27の艦上かんじょう攻撃こうげきがた主翼しゅよく形状けいじょうはT-10とおなじオージーつばさで、カナードはそなえていない。
ソビエト海軍かいぐん航空こうくう母艦ぼかん整備せいび消極しょうきょくてきだったため計画けいかく中止ちゅうしとなった[17]
Su-27KM
1980年代ねんだいはじめに、建造けんぞう計画けいかくすすめられた「じゅう航空機こうくうき搭載とうさい巡洋艦じゅんようかんアドミラル・クズネツォフきゅう)」に搭載とうさいするために開発かいはつされた大型おおがた艦上かんじょう戦闘せんとうつづいて建造けんぞうされるソビエト海軍かいぐんはつ正規せいき航空こうくう母艦ぼかん(プロィェクト11437がた、ウリヤノフスクきゅう)の搭載とうさいとしても内定ないていしていた。
「Su-27KM」の制式せいしき番号ばんごうだが、Su-27シリーズとの共通きょうつうせいはほぼく、Su-27の基礎きそ設計せっけい発展はってんさせた新規しんき設計せっけい機体きたいである。前進ぜんしんつばさ採用さいようした革命かくめいてき新型しんがた戦闘せんとうとして期待きたいされたが、財政難ざいせいなんによりソビエト海軍かいぐん航空こうくう母艦ぼかん整備せいび消極しょうきょくてきになったため計画けいかく中止ちゅうしされ、Su-27の艦上かんじょう改修かいしゅうがたであるSu-27K (Su-33) の開発かいはつ計画けいかく一本いっぽんされた。
のちにスホーイ設計せっけいきょくはSu-27KMの設計せっけい陸上りくじょう戦闘せんとう発展はってんさせてS-32計画けいかくし、S-37 (Su-47)製造せいぞうするにいたる。[18]

戦闘せんとう爆撃ばくげきがた[編集へんしゅう]

Su-27IB
Su-30をベースとした戦闘せんとう爆撃ばくげき
飛行ひこうちゅうにおける乗員じょういんあいだ意思いし疎通そつう考慮こうりょしコックピットは並列へいれつふく座方ざかたしき変更へんこうされており、機首きしゅはSu-27にくらべて大型おおがたされている。コックピットは通常つうじょう巡航じゅんこうにはあずかされ、生存せいぞんせい向上こうじょうのためにチタン合金ごうきんによって装甲そうこうされている。あずかあつ構造こうぞうのためもありキャノピーは開閉かいへいせず、搭乗とうじょういんぜんあし収容しゅうようないとびらから乗降じょうこうする。操縦そうじゅうせき後方こうほうには長時間ちょうじかん飛行ひこうそなえて簡易かんいトイレ簡易かんいギャレー設置せっちされている。
低空ていくう侵入しんにゅう能力のうりょく向上こうじょうのための航法こうほう攻撃こうげき地形ちけい追随ついずい回避かいひレーダー、レーニネツB004フェーズド・アレイ・レーダー大型おおがたされたテイルコーンに後方こうほう警戒けいかいレーダー、深部しんぶ侵攻しんこう作戦さくせん低空ていくう飛行ひこう安定あんていせい向上こうじょうのため飛行ひこう安定あんてい制御せいぎょシステムを装備そうびした。重量じゅうりょう増加ぞうか対応たいおうするためしゅあしはタンデム配置はいちのダブルタイヤになっている。1990ねん4がつはつ飛行ひこう
Su-34
Su-27IB (Su-34)
Su-27IBを改修かいしゅう名称めいしょう変更へんこうしたもの。2006ねんにロシア空軍くうぐん制式せいしき採用さいようした。NATOでは「Fullbackフルバック:「フランカー」とおなじくラグビーアメリカンフットボールのポジションのひとつ)」とんで識別しきべつした。
F-15イーグルの戦闘せんとう爆撃ばくげきがたであるF-15Eがストライクイーグルとよばれることからきゅう西側にしがわからはSu-32/34はストライクフランカーばれることもある。同様どうよう日本にっぽん国外こくがいでは「プラティパス」(platypus:「カモノハシ」の)というニックネームも使つかわれることがある。
Su-34M
改良かいりょうがた
Su-32FN
沿岸えんがん哨戒しょうかい任務にんむよう機体きたい
赤外線せきがいせん画像がぞう装置そうちレーザーはか装置そうちひとしくわソノブイ磁気じき探知たんち装置そうち装備そうびしている。また、たいせんミサイル運用うんよう能力のうりょく付加ふかやシー・スネーク・レーダーの装備そうびによりたいせん哨戒しょうかいとしての運用うんよう可能かのうである。

運用うんようこく[編集へんしゅう]

Su-27と派生はせいがた採用さいようしたくにあお
インド空軍くうぐんのSu-30MKI

現役げんえき[編集へんしゅう]

ロシアの旗 ロシア
空軍くうぐん - Su-27/S/SM/P/UB/UBM/30/30M/30M2/30MK/30SM/34/35S
海軍かいぐん航空こうくうたい - Su-27/UB/33/30SM
 ウクライナ
空軍くうぐん - Su-27/S/UB
防空ぼうくうぐん - Su-27/S/UB
ウクライナ防空ぼうくうぐんは2004ねん空軍くうぐん統合とうごうされたため、防空ぼうくうぐんのSu-27もぜん空軍くうぐん移管いかんされた。
カザフスタンの旗 カザフスタン
防空ぼうくうぐん - Su-27/UB けい80退すさ
中華人民共和国の旗 中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく
インドネシアの旗 インドネシア
空軍くうぐん - Su-27SK 2、Su-27SKM 3、Su-30MK 2、Su-30MK2 9
インドネシアには、以前いぜんよりSu-27やSu-30の輸出ゆしゅつ契約けいやくむすばれては、経済けいざい危機きき同国どうこく政権せいけん交代こうたいのたびにキャンセルされるという状態じょうたいつづいていた。しかし、2005ねんまでにSu-27SとSu-30MKと同様どうよう規格きかくおもわれる機体きたいがそれぞれ2ずつ納入のうにゅうされた。
同国どうこくでは旧式きゅうしきしたF-16Aなどを代替だいたいする機体きたい必要ひつようとしており、また国内こくないゲリラ組織そしきへの対地たいち攻撃こうげき需要じゅようもあることからそのもSu-30MK2とうぞう備された。
さらに2016ねん2がつには10のSu-35を購入こうにゅうする契約けいやく同意どういした[19]
 ベトナム
空軍くうぐん - Su-27SK 6、Su-27UBK 3、Su-27K 2、Su-30MK2V 12
アンゴラの旗 アンゴラ
空軍くうぐん - Su-27/S/UB けい8
インド空軍くうぐん使用しようされていたSu-30KとMKがSu-30KN仕様しよう改修かいしゅうされ、ベラルーシが取得しゅとく検討けんとうしていたが最終さいしゅうてきにはアンゴラが取得しゅとくした[20]
エチオピアの旗 エチオピア
空軍くうぐん - Su-27/S/UB けい15
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
空軍くうぐん
アメリカでは、1990年代ねんだい評価ひょうか試験しけんよう中古ちゅうこの2アメリカ空軍くうぐん購入こうにゅうしたというが詳細しょうさい不明ふめいである。
民間みんかん
2009ねんイリノイしゅうロックフォードの Pride Aircraft がウクライナ空軍くうぐん中古ちゅうこのSu-27UBを2購入こうにゅうしている。同社どうしゃのSu-27UBは民間みんかんであることから固定こてい武装ぶそうおよへいそうシステムは撤去てっきょされており、各種かくしゅ通信つうしん電子でんし機器きききゅう西側にしがわせいものかわそうする改造かいぞうほどこされている。しゅとして曲技きょくぎ飛行ひこう展示てんじ飛行ひこうもちいられていたが、現在げんざい(2012ねん)はコレクターぜん売却ばいきゃくされたとみられる。

退役たいえき[編集へんしゅう]

ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦れんぽう
空軍くうぐん Su-27/S/UB
防空ぼうくうぐん - Su-27/P/UB
海軍かいぐん航空こうくうたい - Su-27/UB/K
ソ連それん崩壊ほうかいともない、ロシアやウクライナ、ベラルーシ、カザフスタン、ウズベキスタンが分割ぶんかつして継承けいしょう

 ベラルーシ

空軍くうぐんおよ防空ぼうくうぐん - Su-27/S/UB/UBM1
このほか、2017ねんに12のSu-30SMをロシアに発注はっちゅうし、2019ねんにうち4受領じゅりょう

購入こうにゅう計画けいかくがあったくに[編集へんしゅう]

日本の旗 日本にっぽん
航空こうくう自衛隊じえいたい - Su-27
1990年代ねんだいすえ防衛庁ぼうえいちょう当時とうじ)にロシアがわから打診だしんがあり、航空こうくう自衛隊じえいたい飛行ひこう教導きょうどうたいアグレッサーとして配備はいびする計画けいかくがあり、ロシアは日本にっぽんにSu-27のみをつづけ、技術ぎじゅつライセンスをふく購入こうにゅう計画けいかくもあったものの、しょ事情じじょうによりキャンセルとなった、とする内容ないよう記載きさいするウェブサイトもあるが、実際じっさい予算よさんんだり日本にっぽんでの代理だいりてんやライセンス生産せいさん企業きぎょう名乗なのりをげるなど「購入こうにゅう計画けいかく」とえるほどに具体ぐたいしたことはない。
航空こうくう自衛隊じえいたいにロシアせい航空機こうくうき導入どうにゅうするとなれば、日本にっぽんやアメリカと規格きかくまったことなる航空機こうくうき運用うんようしなければならないために制約せいやく困難こんなんおおく、かりにSu-27が導入どうにゅうできたとしても、配備はいびさき教導きょうどう飛行ひこうたいのみでは費用ひようたい効果こうかはじめ、補給ほきゅう整備せいび煩雑はんざつ稼働かどうりつ維持いじなど、どれだけの意義いぎがあったのかの疑問ぎもんていされている。
機体きたい購入こうにゅうこそおこなわなかったものの、1998ねん10がつ航空こうくう自衛隊じえいたいのパイロット2めいをロシアに派遣はけんし、実際じっさいにSu-27への体験たいけん搭乗とうじょうおこなわせている。
スホーイ設計せっけいきょくのミハイル・A・ボゴジアンは2000ねん8がつ日経にっけい産業さんぎょう新聞しんぶんのインタビューで「もし希望きぼうがあれば所定しょてい手続てつづきにのっとって交渉こうしょうできる。フランカーの開発かいはつ実用じつよう過程かてい膨大ぼうだい国家こっか資金しきんとうじた。購入こうにゅうすうすう程度ていどでは、商談しょうだん発展はってんしないだろう。交渉こうしょう前進ぜんしんさせるには一定いっていすう(12確保かくほ前提ぜんてい条件じょうけんとなる」とこたえた。このことから(このインタビューのすうねんまえにあったであろう)交渉こうしょうは「所定しょてい手続てつづき」にいたるだけの進展しんてんはなかったこと、自衛隊じえいたいがわ購入こうにゅう意図いとしたとしてもすう以下いかの、かつてのヴァンパイア練習れんしゅうのようなサンプル購入こうにゅうであり、ロシアがわのぞむような飛行ひこうたい編成へんせいできる数量すうりょうではなかったことが推察すいさつできる。実際じっさい購入こうにゅう予定よていであったものは新造しんぞうひんではなく中古ちゅうこであったという。
ブラジルの旗 ブラジル
空軍くうぐん - Su-35/UB
メキシコの旗 メキシコ
海軍かいぐん - Su-27/UB
メキシコでは、同国どうこく沿岸えんがん権益けんえきまもるためとして海軍かいぐんにSu-27とSu-27UBを配備はいびすることを決定けっていした。しかし、のちにアメリカの圧力あつりょくけて撤回てっかいされた。

仕様しよう[編集へんしゅう]

  • 乗員じょういん:パイロット1めい
  • 全長ぜんちょう:21.94m
  • 全幅ぜんぷく:14.70m
  • 全高ぜんこう:5.93m
  • つばさ面積めんせき:62.0m2
  • つばさめん荷重におも:371 kg/m2; (76 lb/ft2)
  • 空虚くうきょ重量じゅうりょう:17,700 kg
  • 最大さいだい離陸りりく重量じゅうりょう:33,000 kg
  • 動力どうりょくリューリカ設計せっけいきょくせいAL-31F アフターバーナーターボファン×2
    • ドライ推力すいりょく:7,600kgf×2
    • アフターバーナー推力すいりょく:12,500kgf×2
  • 最大さいだい速度そくどM2.3 アフターバーナー
  • 実用じつよう上昇じょうしょう限度げんど:19,000m(62,523 ft)
  • 上昇じょうしょうりつ:300 m/s(54,000 ft/min)
  • 航続こうぞく距離きょりやく4,000 km
  • 燃料ねんりょう容量ようりょう[21]:9.400 kg(20,724 lb)
  • 最大さいだい運用うんよう高度こうど:18,000m
  • つばさめん荷重におも最大さいだい離陸りりく重量じゅうりょう):532 kg/m2
  • 推力すいりょく重量じゅうりょう:1.07(56%の燃料ねんりょう搭載とうさいしての
  • 運用うんよう寿命じゅみょう:3,000あいだ[22]
  • アビオニクス
    • 火器かき管制かんせいレーダー
      • N001メーチ
      • N001VEP(Su-27SM以降いこう
    • レーダー警報けいほう受信じゅしん
      • SPO-15
      • SPO-32(Su-27SM以降いこう
    • APP-50 チャフ・フレア・ディスペンサー
  • 固定こてい武装ぶそうGSh-30-1 30mm機関きかんほう×1(150はつ
  • 搭載とうさい兵器へいき: 10つのハードポイントに分割ぶんかつしてそら対空たいくうミサイルやそら対地たいちミサイル、ロケットだんばくだん選択せんたくできる。合計ごうけい4,430 kg(9,770 lb)のへいそう搭載とうさい可能かのう[21]
  • そら対空たいくうミサイル
  • そら対地たいちミサイル
    • Kh-29(Su-27SM以降いこう
  • たいかんミサイル
    • Kh-31A(Su-27SM以降いこう
    • Kh-35(Su-27SM以降いこう
  • たいレーダーミサイル
    • Kh-31P(Su-27SM以降いこう

登場とうじょう作品さくひん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ Su-27には Журавль-30(ジュラーヴリ-30)およЖуравль-К(ジュラーヴリ-K)という情報じょうほう分析ぶんせき通信つうしん機器きき搭載とうさいされており、西側にしがわ諸国しょこくでこれが機体きたいそのものの名称めいしょう誤解ごかいされてひろまった可能かのうせいがある。
  2. ^ この方式ほうしきは、アメリカのF-16戦闘せんとうにも採用さいようされている。
  3. ^ 機首きしゅ後方こうほう収納しゅうのうする方式ほうしきから、ぜんあし後方こうほうに3m移動いどうさせて、そこを支点してん機首きしゅ前方ぜんぽう収納しゅうのうする方式ほうしき変更へんこう
  4. ^ このエアブレーキはしゅあし収納しゅうのうとびら兼用けんようで、Su-24 フェンサーMiG-31 フォックスハウンドでも同様どうよう方式ほうしき採用さいようされている。
  5. ^ MiG-29 フルクラム同様どうよう方式ほうしきであるが、MiG-29の垂直すいちょく尾翼びよくが6そとはんかくつ(外側そとがわひらいている)のにたいして、Su-27の垂直すいちょく尾翼びよく垂直すいちょく設置せっち垂直すいちょく尾翼びよく同士どうし平行へいこう)されているのが特徴とくちょう
  6. ^ 機首きしゅ搭載とうさいされるレーダーの実用じつようつために保管ほかんされていたともつたえられている。
  7. ^ 4じゅう変換へんかんおよび信号しんごうバスをかいしておくられており、冗長じょうちょうせいたれている。
  8. ^ PNK-27飛行ひこうおよび航法こうほう装置そうち、S-27火器かき管制かんせい装置そうち、SDU-27飛行ひこう操縦そうじゅう装置そうちとリンクしたシステムとなっている。
  9. ^ 当初とうしょドッグファイトにおいてもコブラは有効ゆうこうであるとかんがえられていたが、実際じっさいのところコブラはやく250 kt時速じそく460km)程度ていど低速ていそくいきでしかおこなうことが出来できず、コブラをおこなったのち急激きゅうげき速度そくどちてしまうため、空戦くうせんには不向ふむきであった。ドッグファイトでコブラを使用しようすることはほぼ不可能ふかのうであり、またそのメリットもない、というのが一般いっぱんてき評価ひょうかである。しかし、コブラのようなこうむかかく状態じょうたい機体きたい制御せいぎょできるほどのポスト・ストール性能せいのうつという事実じじつは、たか評価ひょうかされている。参考さんこうまでに、ハリアー類似るいじ目的もくてき機動きどう出来できる。ドッグファイトでてき後尾こうびられたとき、ジェット排気はいきこうしたけて急上昇きゅうじょうしょうし、そのしたてき通過つうかしてその排気はいきこう水平すいへいもど後尾こうび戦法せんぽう有効ゆうこうわれていた。しかしコブラ同様どうよう速度そくどいちじるしく低下ていかするため、「仕切しきなおし」以上いじょう効果こうかはなさそうである(出典しゅってん-『自衛隊じえいたいVSべいぐん・もしたたかわば』)。
  10. ^ Su-24フェンサーMiG-31フォックスハウンドのような、「ふくがたしか存在そんざいしない機体きたい」はのぞく。
  11. ^ 派生はせいがたでは、さらに主翼しゅよく既存きそんのハードポイントより内側うちがわ(エンジンナセルとのあいだ)にひとつずつ追加ついかされ、12かしょとなっている。
  12. ^ それ以前いぜんソ連それん空軍くうぐん防空ぼうくうぐん戦闘せんとうでは、機種きしゅ転換てんかん訓練くんれんようふくがた純粋じゅんすい操縦そうじゅう訓練くんれんようり、レーダーを搭載とうさいしないのが一般いっぱんてきであった。例外れいがいてきふくがたでも単座たんざがたとほぼ同等どうとう戦闘せんとう能力のうりょくつのは、Su-7/Su-17フィッターSu-25フロッグフットのように「そもそもレーダーを搭載とうさいしていない」機体きたいだけであった。
  13. ^ 航法こうほう装置そうちにソビエト本土ほんど以外いがい地図ちず用意よういされていない、無線むせんのチャンネルセレクタが防空ぼうくうぐん使用しよう周波数しゅうはすう以外いがいには対応たいおうしていない、火器かき管制かんせい装置そうちのモードセレクタにそら対空たいくうへいそう以外いがいへいそう選択せんたくモードがない(搭載とうさいそのものはそら対空たいくうへいそう以外いがい可能かのう)といった差異さいがある。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Russia Air Force Handbook (World Strategic and Business Information Library), International Business Publications USA (1/1/2009), P. 167
  2. ^ 隔週かくしゅうかんファイティング・エアクラフトDVDコレクション24ごう
  3. ^ F-15 vs Su 27 by Tom Murphy
  4. ^ Jwings 2015ねん5がつごう p.24-25
  5. ^ Сухой Су-30МКК
  6. ^ Су-34: новейший российский бомбардировщик
  7. ^ ФРОНТОВОЙ БОМБАРДИРОВЩИК СУ-34, FRONT-LINE BOMBER SU-34
  8. ^ "Historical Background: Su-32"
  9. ^ International Institute for Straategic Studaes: The Military Balance 2014, P.235-236
  10. ^ Сухой Су-27СМК
  11. ^ Air Force accepting new Su-27SMs
  12. ^ Russian air force orders thrust-vectoring Su-30SM fighters
  13. ^ Thailand Inks Deal for 12 Fighters
  14. ^ KnAAPO Su-30MK2
  15. ^ 航空こうくうファン2014ねん6がつごう
  16. ^ 艦上かんじょう戦闘せんとうSu-27K初期しょきあん・Su-27KI「モルニヤ」
  17. ^ まぼろし艦上かんじょう攻撃こうげきSu-27KSh「グローザ」
  18. ^ まぼろし前進ぜんしんつばさ艦上かんじょう戦闘せんとうSu-27KM(S-37ベルクト原案げんあん)
  19. ^ Confirmed: Indonesia Will Buy 10 Russian Su-35S Fighter Jets
  20. ^ Барановичские Су-30К уйдут в Анголу
  21. ^ a b Aircraft performance
  22. ^ Attrition: The Art Of Aging Effectively
  23. ^ “Bombas Guiada SMKB” (Portuguese). Revista Asas 61: 29. (June 2011). ISSN 1413-1218. 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]