国鉄こくてつ153系けい電車でんしゃ

国鉄こくてつ153系けい電車でんしゃ
東海道とうかいどう本線ほんせんを走行そうこうする153系けい電車でんしゃ （1981年ねん 根府川ねぶかわ駅えき - 真鶴まなづる駅えき間あいだ）
基本きほん情報じょうほう
運用うんよう者しゃ	日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう
製造せいぞう所しょ	日本車輌製造にっぽんしゃりょうせいぞう・汽車きしゃ製造せいぞう・近畿車輛きんきしゃりょう・川崎かわさき車輛しゃりょう
製造せいぞう年ねん	1958年ねん - 1962年ねん
製造せいぞう数すう	630両りょう
廃車はいしゃ	1987年ねん
主要しゅよう諸しょ元もと
軌間きかん	1,067 mm
電気でんき方式ほうしき	直流ちょくりゅう1,500V
最高さいこう運転うんてん速度そくど	110 km/h
設計せっけい最高さいこう速度そくど	130 km/h
車体しゃたい	普通ふつう鋼こう ステンレス（サロ153-901・902）
台車だいしゃ	揺ゆれ枕まくら方式ほうしき空気くうきばね台車だいしゃ DT24・TR59
主しゅ電動でんどう機き	直流ちょくりゅう直ちょく巻まき電動でんどう機き MT46形かたち
主しゅ電動でんどう機き出力しゅつりょく	100 kW × 4
歯車はぐるま比ひ	80:19(4.21)
定てい格かく速度そくど	68.5 km/h （70%界さかい磁）
制御せいぎょ方式ほうしき	抵抗ていこう制御せいぎょ・直ちょく並列へいれつ組合くみあわせ・弱よわめ界かい磁
制御せいぎょ装置そうち	CS12形かたち電動でんどうカム軸じく式しき
制動せいどう装置そうち	発電はつでんブレーキ併用へいよう電磁でんじ直通ちょくつうブレーキ

国鉄こくてつ153系けい電車でんしゃ（こくてつ153けいでんしゃ）は、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう（国鉄こくてつ）が設計せっけい・製造せいぞうした直流ちょくりゅう急行きゅうこう形がた電車でんしゃである。

1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）から1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）までに計けい630両りょうが製造せいぞうされた。

概要がいよう

クハ153-76

国鉄こくてつ新しん性能せいのう電車でんしゃの優等ゆうとう列車れっしゃ用よう車両しゃりょうとして、先さきに登場とうじょうしていた通勤つうきん形がたの101系けいをベースに開発かいはつされた。居住きょじゅう性せいにおいて従来じゅうらいの客車きゃくしゃ列車れっしゃを完全かんぜんに凌駕りょうがし、電車でんしゃによる長距離ちょうきょり列車れっしゃ運転うんてんの優位ゆうい性せいを確立かくりつする役割やくわりの一翼いちよくを担になうとともに、1960年代ねんだい以降いこうの国鉄こくてつ急行きゅうこう形がた・近郊きんこう形がた電車でんしゃにおける設計せっけい思想しそうの基礎きそともなった。

最初さいしょに投入とうにゅうされた列車れっしゃ名めいから「東海とうかい形がた電車でんしゃ」とも呼よばれる。

当初とうしょは91系けい電車でんしゃと称しょうしたが、1959年ねんの車両しゃりょう称号しょうごう規定きてい改正かいせいに伴ともない153系けい電車でんしゃとなった。位置いちづけとしては「80系けい電車でんしゃの近代きんだい化か形がた」ではあるが、車体しゃたいや機器ききなどは完全かんぜんに一新いっしんされている。

開発かいはつの経緯けいい

東海道本線とうかいどうほんせんの準急じゅんきゅう「東海とうかい」（東京とうきょう - 名古屋なごや・大垣おおがき間あいだ）および「比叡ひえい」（名古屋なごや - 大阪おおさか・神戸こうべ間あいだ）の両りょう列車れっしゃは、1957年ねん（昭和しょうわ32年ねん）に従来じゅうらいの客車きゃくしゃ列車れっしゃから新しん開発かいはつの80系けい電車でんしゃ（300番台ばんだい）に置おき換かえられ、当時とうじの客車きゃくしゃ急行きゅうこう列車れっしゃを凌駕りょうがする高速こうそく運転うんてんを実現じつげんして技術ぎじゅつ面めんと営業えいぎょう面めんの双方そうほうで成功せいこうを収おさめた。

しかし、80系けいは在来ざいらい電車でんしゃに比較ひかくして内装ないそうの質的しつてき向上こうじょうは図はかられてはいたものの、基本きほん的てき設備せつびは普通ふつう列車れっしゃとの汎用はんよう仕様しようであったために長距離ちょうきょり列車れっしゃの接客せっきゃく設備せつびとしてはやや不十分ふじゅうぶんであり、居住きょじゅう性せいで当時とうじの標準ひょうじゅん的てきな客車きゃくしゃ（10系けい客車きゃくしゃなど）や55系けい気動車きどうしゃを凌駕りょうがするまでには至いたらなかった。また、前面ぜんめん形状けいじょうは「湘南しょうなん顔がお」と通称つうしょうされる2枚まい窓まどによる非ひ貫通かんつう構造こうぞうであることから、編成へんせいの中間ちゅうかんに連結れんけつした際さいに通とおり抜ぬけができず、隔へだてられた編成へんせいごとに車掌しゃしょうを乗務じょうむさせる必要ひつようがあったことから業務ぎょうむ上じょう非ひ効率こうりつでもあった。

他方たほう、国鉄こくてつは同年どうねんに中空ちゅうくう軸じく平行へいこうカルダン駆動くどう方式ほうしきなどの新しん技術ぎじゅつを導入どうにゅうした90系けい通勤つうきん形がた電車でんしゃ（後ごの101系けい電車でんしゃ）を開発かいはつし、技術ぎじゅつ的てき成功せいこうを収おさめた。確立かくりつされた新しん技術ぎじゅつは、在来ざいらい車しゃと比較ひかくして居住きょじゅう性せいや走行そうこう性能せいのうの向上こうじょうに寄与きよするものであり、速すみやかに優等ゆうとう列車れっしゃ用よう電車でんしゃへの技術ぎじゅつ移転いてんが図はかられた。その結果けっか、準急じゅんきゅう列車れっしゃ用ようとして開発かいはつされたのが本ほん形式けいしきである。

車両しゃりょう概説がいせつ

車体しゃたい

80系けい300番台ばんだい同様どうようの全ぜん金属きんぞく製せいセミモノコック構造こうぞうであるが、車体しゃたい長ちょうは中ちゅう間あいだ車しゃで19.5m（特急とっきゅう形がたは20m）、車体しゃたい幅はばを10cm拡大かくだいして2.9mとし、車両しゃりょう限界げんかいに合あわせ裾すそを絞しぼった断面だんめん形状けいじょうとした。特急とっきゅう形がたの151系けいでは上部じょうぶも絞しぼっているが、本ほん系列けいれつではより施工しこうの容易よういな最大さいだい幅はばのまま窓まど部ぶが垂直すいちょくに立たち上あがる形状けいじょうとした。客きゃく用よう扉とびらは片側かたがわ1.0m幅はばの片へん引ひき戸どを採用さいよう。両りょう端はしにデッキを設置せっちした2ドア仕様しようとした。

塗ぬり色しょくは80系けいと同様どうようなオレンジと緑みどりの塗ぬり分わけによる「湘南しょうなん色しょく」であるが、前面ぜんめんは80系けいのように2色しょくを塗ぬり分わけずに高速こうそく運転うんてんのため警戒色けいかいしょくとしての役割やくわりを持もたせたオレンジ1色しょくとした。

前面ぜんめん形状けいじょう

先頭せんとう車しゃの前ぜん頭部とうぶ中央ちゅうおうに貫通かんつう路ろを設もうけ、先頭せんとう車しゃが編成へんせい中ちゅう間あいだに入はいった場合ばあいも通とおり抜ぬけ可能かのうな構造こうぞうとした。

• 80系けいと同様どうようの非ひ貫通かんつう型がた運転うんてん台だいは、面積めんせきが広ひろく取とれるなど運転うんてん環境かんきょうを大おおきく向上こうじょうさせる点てんで運転うんてん側がわから強つよく支持しじされたが、車掌しゃしょう業務ぎょうむ面めんで営業えいぎょう側がわから貫通かんつう構造こうぞうが要望ようぼうされた結果けっか取とり入いれられ、以後いご長ながらく国鉄こくてつ急行きゅうこう形がた・近郊きんこう形がたの標準ひょうじゅんとされた。

運転うんてん台だい前面ぜんめん窓まどは、側面そくめんまで回まわり込こんだパノラミックウインドウとして視認しにん性せいを高たかめた。前ぜん照あきら灯とうは屋根やね上じょうから窓まど下かに移うつし、左右さゆうに大型おおがた白熱はくねつ灯とうを1基きずつ計けい2基き配置はいちした。前ぜん照あきら灯とうの下したには尾灯びとうを配置はいちし、前ぜん照あきら灯とうと貫通かんつう路ろの間あいだにタイフォンを設置せっちした左右さゆう対称たいしょうのデザインとした。また貫通かんつう路上ろじょうには、照明しょうめい入いりの大型おおがた列車れっしゃ種別しゅべつ表示ひょうじ器きを設もうけ、ホームで列車れっしゃ待まちをする利用りよう者しゃの利便りべん性せいを図はかった。

クハ153形がたの1961年度ねんど以降いこう製造せいぞう車しゃは、その頃ころ自動車じどうしゃの増加ぞうかによって踏切ふみきり事故じこが急増きゅうぞうしていたため、その対策たいさくとして乗務じょうむ員いんの安全あんぜん性せいを高たかめるため、従来じゅうらいの運転うんてん台だい（低てい運転うんてん台だい）から前面ぜんめん窓まどの縦たて幅はばを短みじかくし運転うんてん台だいを300mm高たかくする（高こう運転うんてん台だい）設計せっけい変更へんこうが実施じっしされた。このデザインは、後のちに登場とうじょうする165系けい・451系けい・471系けいなどの急行きゅうこう形がた、113系けい・115系けい・415系けいなどの近郊きんこう形がた車両しゃりょうにも受うけ継つがれた。

ユニット窓まど

客室きゃくしつ側がわ窓まどは後のちに開発かいはつされたサロ152形かたちを除のぞき、国鉄こくてつ車両しゃりょうとしては初はじめて「上段じょうだん下降かこう・下段げだん上昇じょうしょう式しき」のユニット窓まどを採用さいようした。本ほん窓まどは当時とうじの西にしドイツ国鉄こくてつ客車きゃくしゃを参考さんこうにした方式ほうしきである。

構造こうぞう的てきに枠わく内ないで完結かんけつする方式ほうしきの二に段だん窓まどであるため、幕まく板いた内ないの窓まど袋ぶくろや窓まどかまちの修正しゅうせい仕上しあげも不要ふようとなり、艤装ぎそうや塗装とそうが終おわった車体しゃたいに窓まど枠わくユニットを外側そとがわから組くみ付つけ、縁えん部ぶをコーキングするだけで施工しこうが完了かんりょうする。このため生産せいさん性せい・整備せいび性せいが著いちじるしく向上こうじょうした。

ユニット窓まどは開あけても窓まどが車体しゃたい内ないに全まったく入いり込こまないため、開口かいこう面積めんせきは全開ぜんかい時じでも窓まど全体ぜんたいの半分はんぶんになってしまうが、従来じゅうらいよりも窓まど自体じたいの面積めんせきが大幅おおはばに拡大かくだい（天地てんち寸法すんぽう940mm）されており、非常時ひじょうじには窓まどから脱出だっしゅつできるだけの十分じゅうぶんな開口かいこう幅はばを確保かくほしている。

車内しゃない設備せつび

客室きゃくしつ内ない（非ひ冷房れいぼう車しゃ）

独立どくりつしたデッキを設置せっちする。80系けいでもデッキは設置せっちされたが、普通ふつう列車れっしゃでの使用しようを考慮こうりょしていたため客室きゃくしつ内ないの車くるま端はし部ぶをロングシートとしたのに対たいし、本ほん系列けいれつでは基本きほん的てきに準急じゅんきゅう列車れっしゃなどの料金りょうきん収受しゅうじゅが発生はっせいする運用うんようを前提ぜんていにしており、座席ざせきは全席ぜんせきクロスシートとした。

3等とう車しゃは客車きゃくしゃ同様どうようの対面たいめん型がた固定こていクロスシート（ボックスシート）としたが、車体しゃたい幅はばが拡大かくだいされたことにより座席ざせきも横よこ幅はばが広ひろくなり、窓側まどがわの肘掛ひじかけや栓抜せんぬき付つきミニテーブルも設置せっちされた。通路つうろ幅はばは540mm。向むかい合あわせのシートピッチは1460mmで、中間なかま車しゃの定員ていいんは客きゃく用よう扉とびらを客車きゃくしゃより30cmずつ幅広はばひろとしたため、標準ひょうじゅん的てき客車きゃくしゃの定員ていいん88人にんより4人にん少すくない定員ていいん84人にんとなる。

• このため車くるま端はし部ぶデッキを背せにした2人ふたり掛かけ席せき区画くかくが存在そんざいする。

洗面せんめん所しょ・トイレをサハシ153形かたちを除のぞく各かく車両しゃりょうの車くるま端はし部ぶに設置せっちした。

• 以前いぜんの急行きゅうこう形がた客車きゃくしゃではデッキより客室きゃくしつ側がわにあったが、先行せんこうした10系けい客車きゃくしゃ同様どうように客室きゃくしつとはデッキを挟はさんで隔離かくりした配置はいちとし臭気しゅうきが客室きゃくしつ内ないに侵入しんにゅうするのを防止ぼうしした。

名目めいもく上じょうは「準急じゅんきゅう形がた」ではあったものの、設備せつび内容ないようは当時とうじの急行きゅうこう用よう客車きゃくしゃと同等どうとう以上いじょうの水準すいじゅんに達たっするものであり、当初とうしょから急行きゅうこう列車れっしゃでの運用うんようを視野しやに入いれていたことがうかがえる。実際じっさい、本ほん系列けいれつの後のちに量産りょうさんされた165系けい・451系けい・471系けいなどの新しん性能せいのう急行きゅうこう形がた電車でんしゃも接客せっきゃく設備せつびは基本きほん的てきに本ほん系列けいれつを踏襲とうしゅうしており、153系けいは以後いごの国鉄こくてつ急行きゅうこう形がた電車でんしゃの原型げんけいである。

空調くうちょうについては後述こうじゅつの#冷房れいぼう化か改造かいぞうを参照さんしょうのこと。

主要しゅよう機器きき

モハ90形がたでの開発かいはつ成果せいかを生いかし、システムの多おおくを踏襲とうしゅうしたうえで設計せっけいされた。

モハ153形かたちに搭載とうさいされたCS12A形かたち電動でんどうカム軸じく多段ただん制御せいぎょ器きにより、モハ153形かたち+モハ152形かたち2両分りょうぶん8基きのMT46A形かたち主しゅ電動でんどう機きを制御せいぎょする1C8M構成こうせいのMM'ユニット方式ほうしき、駆動くどうシステムは歯車はぐるま比ひを4.21とした中空なかぞら軸じく平行へいこうカルダン駆動くどうを採用さいよう。営業えいぎょう運転うんてん時じ最高さいこう速度そくどは110km/h、設計せっけい最高さいこう速度そくど130km/hとした。

当初とうしょより広範こうはんな利用りようを前提ぜんていとして設計せっけいされていたとはいえ、MT46形かたちは本来ほんらいは全ぜん電動でんどう車しゃ方式ほうしきによる高こう加減かげん速そく通勤つうきん電車でんしゃへ採用さいようすべく開発かいはつされた主しゅ電動でんどう機きであったため、電動でんどう車しゃと制御せいぎょ・付随ふずい車しゃの比率ひりつを示しめすMT比ひが1:1の編成へんせいを基本きほんに計画けいかくされた本ほん系列けいれつの場合ばあい、同どう時代じだいに設計せっけいされたMT比ひ1:1前提ぜんていの私鉄してつ向むけ高性能こうせいのう電車でんしゃと比較ひかくして出力しゅつりょく不足ふそく気味ぎみで、連続れんぞく勾配こうばい路線ろせんではMT比ひを高たかく取とる必要ひつようがあった。そのため最盛さいせい期きの東海道とうかいどう本線ほんせんなどで組成そせいされたMT比ひ1:1の12両りょう編成へんせいでは、連続れんぞく急きゅう勾配こうばいで知しられた山陽本線さんようほんせん瀬野せの - 八本松はちほんまつ間あいだ（通称つうしょう：瀬野せの八はち）で登坂とさかとなる上のぼり列車れっしゃでは自力じりき登坂とさかが不可能ふかのうなため補ほ機きとなるEF61形かたち電気でんき機関きかん車しゃ+オヤ35形かたち控ひかえ車しゃによる推進すいしん運転うんてんを実施じっしした。その一方いっぽうで、停車駅ていしゃえきの少すくない運用うんようや変電へんでん所しょ低てい容量ようりょう路線ろせんでの運用うんようでは、緩なる勾配こうばいであることを前提ぜんていにMT比ひ2:3という限界げんかいぎりぎりの経済けいざい編成へんせいを組成そせいするケースもあった。

控ひかえ車しゃオヤ35 2

台車だいしゃはDT21系けいの枕まくらばねをベローズ形かたち空気くうきばねに置換おきかえたスウィングハンガー式しき車体しゃたい支持しじ装置そうちを備そなえ、ボルスタアンカーを付加ふかしたDT24・24A（電動でんどう車しゃ）・TR59・59A（付随ふずい車しゃ）を装着そうちゃくする。151系けい用ようのDT23・TR58を基本きほんとしつつ急行きゅうこう電車でんしゃでの使用しように適てきした形かたちに改修かいしゅうしたもので、定員ていいん乗車じょうしゃを前提ぜんていとして設計せっけいされた特急とっきゅう形がたとは異ことなり急行きゅうこう形がたの場合ばあいは乗車じょうしゃ率りつ300％での使用しようも想定そうていしているため、台車だいしゃ枠わく鋼板こうはんはDT23・TR58のような薄型うすがたとはせずに通常つうじょうの厚あつさとした。当時とうじとしては最先端さいせんたんの台車だいしゃで、従来じゅうらいの80系けい電車でんしゃなどで採用さいようされていたDT20形かたちなどに比ひして乗じょう心地ごこちの改善かいぜんに著いちじるしい効果こうかを上あげた。

TR59台だい車しゃ

パンタグラフは新しん開発かいはつの高速こうそく電車でんしゃ用よう菱ひし枠わくであるPS16形かたちを当初とうしょより採用さいよう。モハ152形かたちに1基き搭載とうさいとした。戦時せんじ設計せっけい品ひんであった従来じゅうらいのPS13形かたちよりはむしろ戦前せんぜんの標準ひょうじゅん品ひんであったPS11形がたの系譜けいふに連つらなる鋼管こうかん組くみ立たて構造こうぞうのパンタグラフで、高速こうそく走行そうこう時じのスライダーシューの架線かせんに対たいする追従ついしょう性せいを改善かいぜんしている。PS16形かたちは使用しよう条件じょうけんに合あわせた小しょう改良かいりょうを重かさねつつ、国鉄こくてつ電車でんしゃ用よう標準ひょうじゅん型がたパンタグラフとして1980年代ねんだいまで長ながく採用さいようされた。

ブレーキはアメリカ・ウェスティングハウス・エアブレーキ社しゃ（WABCO）が開発かいはつしたHSC-D発電はつでんブレーキ併用へいよう電磁でんじ直通ちょくつうブレーキを基本きほんとするSEDブレーキを採用さいようした。運転うんてん台だいのブレーキ制御せいぎょ弁べんに回転かいてん角かくに応おうじたブレーキ力りょくが得えられるセルフラップ弁べんを採用さいようし、これに電気でんき接点せってんを付加ふかして制御せいぎょ器き側がわの発電はつでんブレーキと同調どうちょう動作どうさするように設計せっけいされたものであるが、発電はつでんブレーキを単独たんどくで作動さどうさせる抑そもそも速そくブレーキ機能きのうはない。

形式けいしき

1958年ねんから1962年ねんにかけて製造せいぞうされたが、サロ152形かたち・サハシ153形かたちは1961年ねん・1962年ねんのみの製造せいぞうである。また本ほん項こう解説かいせつでは以下いかの注意ちゅういをされたい。

• 1960年ねん7月がつ1日にちに等級とうきゅう制度せいどが3等とうから2等とうに、1969年ねん5月がつ10日とおかには運賃うんちん制度せいど改定かいていにより1等とう→グリーン車しゃ・2等とう→普通ふつう車しゃに変更へんこうされているが、解説かいせつでは落成らくせい当時とうじの状況じょうきょうに合あわせるものとする。
• ※は、1959年ねんの車両しゃりょう称号しょうごう規程きてい改正かいせい以前いぜんの形式けいしきとする。

クハ153-516

クハ153-1 - 80・501 - 557（※クハ96形かたち）

3等とう制御せいぎょ車しゃで本ほん系列けいれつ唯一ゆいいつの先頭せんとう車しゃ。定員ていいん76名めい。密着みっちゃく連結れんけつ器きの両側りょうがわに制御せいぎょ用ようKE57A形かたちジャンパ連結れんけつ器き2基きを備そなえており、奇数きすう（東海道本線とうかいどうほんせん基準きじゅんで東京とうきょう側がわ）・偶数ぐうすう（同おなじく神戸こうべ側がわ）向むかいの区別くべつなく使用しようできる両りょう渡わたり構造こうぞうであるが、冷房れいぼう改造かいぞう車しゃは電源でんげん用よう110kVAMGを搭載とうさいし引びき通どおしが片かた渡わたり構造こうぞうとなったため向むきは固定こていされた。

500番台ばんだいは、踏切ふみきり事故じこ対策たいさくから運転うんてん台だい位置いちを300mm高たかくする設計せっけい変更へんこうが行おこなわれた1961年ねん以降いこう製造せいぞう車しゃの区分くぶんである。

1 - 22が96001 - 96022の旧きゅう番号ばんごうで落成らくせい。

モハ153-1 - 161（※モハ91形かたち奇数きすう車しゃ）

モハ152-1 - 161（※モハ91形かたち偶数ぐうすう車しゃ）

モハ153-99		モハ152-99

ユニットを組くむ3等とう電動でんどう車しゃでともに定員ていいん84名めい。

モハ153形かたちには主しゅ制御せいぎょ器きや主おも抵抗ていこう器きなどを、モハ152形かたちにはパンタグラフや電動でんどう空気くうき圧縮あっしゅく機き（CP）を搭載とうさい。電動でんどう発電はつでん機き（MG）はMT比ひ1:1で編成へんせいすることを基本きほんとしたため両りょう形式けいしきにそれぞれ5kVAの物ものを搭載とうさいした。

1961年度ねんど製せいの66以降いこうは妻つま面めん窓まどの片側かたがわを廃止はいしして主しゅ電動でんどう機き冷却れいきゃく風ふう取入とりい口くちを設置せっちした。

両りょう形式けいしき1 - 23が91001 - 91046の旧きゅう車両しゃりょう番号ばんごうで落成らくせい。

サハ153形がた（※サハ97形かたち）

サハ153-101

モハ153形かたちと同一どういつ車体しゃたいを持もつ3等とう付随ふずい車しゃで定員ていいん86名めい。当初とうしょは電動でんどう空気くうき圧縮あっしゅく機き（CP）搭載とうさいで製造せいぞうされたが、後のちにMG・CP搭載とうさい車しゃや未み搭載とうさい車しゃも製造せいぞうされたために改あらため番ばんと番台ばんだい区分くぶんが行おこなわれた。

1 - 11（MG・CPなし）

• 初代しょだい1 - 10は101 -110に改あらため番ばん。

101 - 116（CP搭載とうさい）

• 101 - 106は、97001 - 97006の旧きゅう番号ばんごうで落成らくせい。改あらため番ばんによりサハ153-1 - 6（初代しょだい）となり1959年ねんに4両りょう（7 - 10）が追加ついか製造せいぞうされたが、1960年ねんに0番台ばんだい（2代目だいめ）と200番台ばんだいが製造せいぞうされることから100番台ばんだい（101 - 110）に1960年ねん3月がつ9日にち付づけで改あらため番ばんされた。1959年度ねんど本ほん予算よさん分ぶんの111は発注はっちゅう時じは11であるが史料しりょうにより改あらため番ばんの有無うむが異ことなっておりはっきりしていない、1960年ねん・1961年ねんに112 - 116が増ぞう備された。

201 - 221（MG・CP搭載とうさい）

• 1960年ねんから製造せいぞうされた。後ごの冷房れいぼう化か改造かいぞうによりMGは110KVAの物ものに交換こうかん。165系けいによる身延線みのぶせん急行きゅうこう「富士川ふじかわ」（1972年ねん3月 - 1983年ねん3月がつ）では冷房れいぼう電源でんげん・圧縮あっしゅく空気くうき容量ようりょう確保かくほのため本ほん区分くぶん番台ばんだいが限定げんていで組込くみこまれた。

サロ153-1 - 59・202・203・901・902（※サロ95形かたち）

2等とう付随ふずい車しゃで定員ていいん60名めい。計けい63両りょうが製造せいぞうされた。1 - 10が95001 - 95010、901・902が95901・95902の旧きゅう番号ばんごうで落成らくせい。

座席ざせきは「並なみロ」クラスの回転かいてんクロスシートを設置せっちしている。これは本ほん系列けいれつが本来ほんらいは普通ふつう・準急じゅんきゅう列車れっしゃ用ようとされていた80系けいの後継こうけい形式けいしきであったためである。

サロ152形かたち製造せいぞう以降いこうは、急行きゅうこう列車れっしゃにはサロ152形かたちが、準急じゅんきゅう列車れっしゃには引ひき続つづきサロ153形かたちが充当じゅうとうされたが、後のちに準急じゅんきゅう列車れっしゃも1等とう車しゃのリクライニングシート化か・冷房れいぼう化かが計画けいかくされサロ165形がたへの置換おきかえを開始かいし。1966年ねんから1968年ねんにかけて全車ぜんしゃ近郊きんこう形がたの113系けいに対応たいおうしたサロ110形かたちに改造かいぞうされ、本ほん系列けいれつから外はずれた。

全車ぜんしゃ、落成らくせい時じは等級とうきゅう帯たいを青あお1号ごうとしていたが、1961年ねん7月がつに実施じっしした等級とうきゅう帯たいの改定かいていで順次じゅんじ淡あわ緑みどり6号ごうに変更へんこうし、全車ぜんしゃに実施じっしされた。

本ほん形式けいしきには以下いかの番台ばんだい区分くぶんが存在そんざいする。

201 - 203

• 湘南しょうなん準急じゅんきゅう付属ふぞく編成へんせい用ようMG・CP搭載とうさい車しゃで201は13からの改造かいぞう車しゃ（詳細しょうさいは後述こうじゅつ）。

901・902

• 1958年ねんに汽車きしゃ製造せいぞう株式会社かぶしきがいしゃ東京とうきょう製作所せいさくしょが製造せいぞうした外そと板ばんのみステンレス鋼こうを使用しようしたセミステンレス製せい試作しさく車しゃ。鋼はがね製せい車体しゃたいから改造かいぞうされたEF10形かたちとは異ことなり、当初とうしょからステンレスでの車体しゃたいは国鉄こくてつ初はつである。また、客きゃく用よう出入でいり口ぐち横よこの等級とうきゅうの数字すうじ（製造せいぞう当初とうしょは"2"、後ごに二に等級とうきゅう制せいで"1"）は上記じょうき1 - 59、202・203と異ことなり切きり抜ぬき文字もじとなっている。無む塗装とそうの銀色ぎんいろ車体しゃたいで落成らくせいしたが、汚よごれが目立めだつことなどを理由りゆうに後年こうねんは他た車しゃ同様どうように塗装とそうされた。

サロ152-1 - 30

急行きゅうこう「なにわ」電車でんしゃ化かと共通きょうつう運用うんようとなる「せっつ」のグレードアップに伴ともない30両りょうが製造せいぞうされた1等とう車しゃで定員ていいん48名めい。「特とくロ」クラスのリクライニングシートと2連れん形がたバランサ付つき1段だん下降かこう窓まどを採用さいよう。照明しょうめいはグローブ付つき蛍光けいこう灯とうとなるなど以降いこうの急行きゅうこう形がた1等とう車しゃの基本形きほんけいとなった。

1961年ねん7月がつ以前いぜんに落成らくせいした最初さいしょ期きのサロ152は等級とうきゅう帯たいを青あお1号ごうとしていたが、同月どうげつ以降いこうに落成らくせいした車両しゃりょうは等級とうきゅう帯たいを淡あわ緑みどり6号ごうに変更へんこうし、最初さいしょ期きの落成らくせい車両しゃりょうについても全車ぜんしゃ帯たいを塗ぬり換かえた。

車両しゃりょう基地きちでの編成へんせい替がえや検査けんさ時じの編成へんせい分割ぶんかつを考慮こうりょし回送かいそう運転うんてん台だいを装備そうび。

後述こうじゅつの200番台ばんだい→100番台ばんだいを除のぞく冷房れいぼう改造かいぞう車しゃは1968年ねん以降いこうはサロ163・165形かたちと共用きょうようで運用うんよう。

1975年ねんまでにサロ153と同様どうよう全車ぜんしゃ113系けい対応たいおうのサロ112形かたちに改造かいぞうされたが、下降かこう窓まどから雨水あまみず侵入しんにゅうによる車体しゃたい下部かぶの腐食ふしょくが激はげしく1979年ねんまでに廃車はいしゃされた。

サハシ153-1 - 30

サロ152形かたちと同時どうじに製造せいぞうされた2等とうビュフェ合ごう造づくり車しゃ。1 - 28が近畿車輛きんきしゃりょうで、29・30が川崎かわさき車輌しゃりょうで製造せいぞうされた。

車体しゃたい中央ちゅうおう部ぶよりやや客室きゃくしつ寄よりに設置せっちされた幅はば700mmの客きゃく用よう扉とびらを境さかいに前ぜん位い寄よりが定員ていいん36名めいの2等とう客室きゃくしつで、後こう位い寄よりをビュフェとした。トイレ・洗面せんめん所しょは未み設置せっち。

ビュフェには冷蔵れいぞうケースや電気でんき酒しゅ燗かん器きなど当時とうじとしては最新さいしんの供きょう食しょく設備せつびが採用さいようされ、カウンターの一角いっかくには寿司すしコーナーが設置せっちされた。

• 後のちに製造せいぞうされたサハシ165・451・455形がたの基本きほんになる（ビュフェ部ぶは調理ちょうり室しつ側がわ採光さいこう用よう小しょう窓まどと搬入はんにゅう用よう扉とびら、通路つうろ側がわの特急とっきゅう形がたと同様どうようの複ふく層そうガラスの二に重じゅう固定こてい窓まど、また新しん製せい当初とうしょからキノコ形がたカバーに内蔵ないぞうされたAUえーゆー12形かたち分散ぶんさん式しき冷房れいぼう装置そうち4基きによるビュフェ部ぶの冷房れいぼう。床下ゆかしたに自じ車くるま電源でんげん用ようの40kVA MG搭載とうさいなど共通きょうつう点てんも多おおい）。
• しかし、CPの有無うむ（サハシ165・455形かたちのみ未み搭載とうさい）や調理ちょうり室しつ側がわ採光さいこう用よう小しょう窓まどの位置いち、車内しゃない販売はんばい用よう業務ぎょうむ用よう控室ひかえしつの有無うむ（本ほん形式けいしきにはない）、寿司すしコーナーを蕎麦そばコーナーあるいは饂飩うどんコーナーに変更へんこうなどの差異さいも存在そんざいする。
• 1961年ねん12月、23に東芝とうしば製せいのマイクロウェーブオーブン（電子でんしレンジ）を搭載とうさい。営業えいぎょう列車れっしゃでテストが行おこなわれた結果けっかは良好りょうこうで、上述じょうじゅつ急行きゅうこう用ようサハシ3形式けいしき・新幹線しんかんせん0系けい35形かたちなどに正式せいしき採用さいようされた。なお「電子でんしレンジ」という名称めいしょうは、テスト運用うんように関かかわった国鉄こくてつの担当たんとう者しゃの発案はつあんとされる。

1965年ねんおよび1968年ねんに2・4・6・8・14の5両りょうがサハシ165形かたち50番台ばんだいへ、1968年ねんに1・3・5・7・9・10・13・24・25・27の10両りょうがサハシ169形がたへ改造かいぞうされた。

残存ざんそんした11・12・16 - 23・26・28 - 30の15両りょうは、1967年ねん以降いこう全車ぜんしゃ宮原みやはら電車でんしゃ区く集中しゅうちゅう配置はいちとなったが、1972年ねんに下関しものせき運転うんてん所しょに転属てんぞく。これ以降いこうはビュフェの営業えいぎょうが休止きゅうしされた。

山陽新幹線さんようしんかんせん博多はかた開業かいぎょうによる山陽線さんようせん急行きゅうこう全廃ぜんぱい後ごは、転用てんよう先さきが存在そんざいしなかったことから、1974年ねんに15が教習きょうしゅう車しゃのクヤ165形がたへ、1975年ねんに11が同おなじく教習きょうしゅう車しゃのクヤ153形がたへそれぞれ改造かいぞうされた以外いがいは、1976年ねん3月がつから同年どうねん9月がつにかけて全車ぜんしゃ廃車はいしゃとなり形式けいしき消滅しょうめつした。

改造かいぞう

冷房れいぼう化か改造かいぞう・改あらため番ばんを伴ともなうもの・他た形式けいしきや他た系列けいれつへの改造かいぞうについて記述きじゅつ・解説かいせつを行おこなう。

冷房れいぼう化か改造かいぞう

本ほん系列けいれつは当初とうしょ、サハシ153形がたのビュフェ部ぶを除のぞいて全車ぜんしゃ非ひ冷房れいぼうで扇風機せんぷうきが設置せっちされていた。しかし優等ゆうとう列車れっしゃ冷房れいぼう化か計画けいかくにより、1964年度ねんどから1等とう車しゃで、1968年度ねんどからは2等とう車しゃで、以下いかの要領ようりょうで施工しこうされた。

AUえーゆー12S形かたち分散ぶんさん式しき冷房れいぼう装置そうち6基き（サロ152形かたち）

床下ゆかしたに電源でんげん用よう20kVA MGを搭載とうさい。

1967年度ねんど改造かいぞう車しゃ以降いこうは2等とう車しゃ冷房れいぼう化かを考慮こうりょして三さん相そう引びき通とおし線せんを新設しんせつしたために片かた渡わたり構造こうぞうとなった（後のちに初期しょきの冷房れいぼう改造かいぞう車しゃも片かた渡わたり構造こうぞうに改造かいぞう）。

• ただし新幹線しんかんせん開業かいぎょうにともなう在来ざいらい線せん優等ゆうとう列車れっしゃの減少げんしょうやサロ165形がたの増ぞう備などにより改造かいぞうは15両りょうに施工しこうされた時点じてんで中止ちゅうしされた。

AUえーゆー13E形かたち分散ぶんさん式しき冷房れいぼう装置そうち6基き（モハ153形かたち・サハ153形かたち ※クハ153形かたちは5基き）

サロ152形がたでは冷房れいぼう電源でんげん用ようMGを自じ車くるま搭載とうさい給電きゅうでんとしたが、その他たは4両分りょうぶんまで電源でんげん供給きょうきゅう可能かのうな110kVA MGをクハ153形かたち・サハ153形かたち200番台ばんだいに搭載とうさい。

クハ153形かたちは三さん相そう引びき通とおし線せんを新設しんせつしたために片かた渡わたり構造こうぞうとなり、方向ほうこうが固定こていされた。

• 大垣おおがき電車でんしゃ区く・神領しんりょう電車でんしゃ区く（現げん・神領しんりょう車両しゃりょう区く）配置はいちのサハ153形かたち0・100番台ばんだい冷房れいぼう改造かいぞう車しゃの一部いちぶにも110kVA MGを搭載とうさいしたが改あらため番ばんは行おこなわれていない。

AUえーゆー13E形かたち分散ぶんさん式しき冷房れいぼう装置そうち2基き（サハシ153形かたち客室きゃくしつ部ぶ）

客室きゃくしつ部ぶ冷房れいぼう化かは1972年ねんから1973年ねんにかけて17 - 20・22・26・28 - 30の9両りょうに施工しこう。ビュフェ部ぶのAUえーゆー12形かたちは存置そんちされたため屋根やねには2種類しゅるいの冷房れいぼう装置そうちが並ならぶこととなった。だが、山陽新幹線さんようしんかんせん博多はかた延伸えんしん後ごに他た線せんへの転用てんようが困難こんなんなこともあって客室きゃくしつ部ぶの冷房れいぼう改造かいぞうは1973年ねんで中止ちゅうしされ、客室きゃくしつ部ぶが非ひ冷房れいぼうのまま廃車はいしゃになった車両しゃりょうもある。

AUえーゆー72形かたち集中しゅうちゅう式しき冷房れいぼう装置そうち（モハ152形かたち）

パンタグラフ搭載とうさいにより分散ぶんさん式しきでは冷房れいぼう能力のうりょくが不足ふそくすることが問題もんだいとなったため集中しゅうちゅう式しきを採用さいよう。

• 全車ぜんしゃAUえーゆー72形がたで統一とういつしなかったのは当時とうじ集中しゅうちゅう式しきが重おもくて高価こうかであり、搭載とうさいには車体しゃたい補強ほきょう改造かいぞうも要求ようきゅうされ工期こうきが長期ちょうき化かするためである。

冷房れいぼう化か改造かいぞうは全車ぜんしゃに行いき渡わたらず、1980年代ねんだい前半ぜんはんには非ひ冷房れいぼう車しゃの多おおくが大垣おおがき電車でんしゃ区くに集中しゅうちゅう配置はいちされ急行きゅうこう「東海とうかい」「比叡ひえい」にも投入とうにゅうされたが、近郊きんこう形がた車両しゃりょうの冷房れいぼう化かが促進そくしんされた時期じきにあって非ひ冷房れいぼうの電車でんしゃ急行きゅうこうは特とくに夏場なつばの評判ひょうばんが悪わるく「暖房だんぼう車しゃ」と酷評こくひょうされていた（遜色そんしょく急行きゅうこうも参照さんしょう）。そのため夏期かきは非ひ冷房れいぼう車しゃを「東海とうかい」運用うんようには極力きょくりょく入いれないようにしていたが、当時とうじ既すでに中京ちゅうきょう快速かいそくと共通きょうつう運用うんよう化かされていた「比叡ひえい」については夏期かきでも非ひ冷房れいぼう車しゃが入はいることがよくあった。また、最終さいしゅう的てきに非ひ冷房れいぼうのまま廃車はいしゃとなった車両しゃりょうも多おおい。

サロ153形かたち200番台ばんだい化か改造かいぞう

田町たまち電車でんしゃ区く付属ふぞく編成へんせいは通常つうじょう12号車ごうしゃにサハ153形かたちが組込くみこまれるが、湘南しょうなん準急じゅんきゅうでの伊豆箱根鉄道いずはこねてつどう駿豆線すんずせん修善寺しゅぜんじへの入線にゅうせん運用うんようではMG・CP付づけの200番台ばんだいが必要ひつようとされた。また同時どうじに一部いちぶ列車れっしゃで2等とう車しゃ連結れんけつも要求ようきゅうされたことからサロ153-202・203が新造しんぞうされたが、車両しゃりょう需給じゅきゅうの関係かんけい上じょう1両りょうは基本きほん番台ばんだいからの改造かいぞうで賄まかなわれることになり、1960年ねんに大井おおい工場こうじょう（現げん・東京とうきょう総合そうごう車両しゃりょうセンター）で改造かいぞうが施工しこうされた。

• サロ153-13→サロ153-201
  • 1967年ねんのサロ110形かたち格下かくさげ改造かいぞうの際さいには3両りょうともMG・CPを撤去てっきょし、201は元もと車くるま番ばんのサロ110-13へ、新造しんぞう車しゃの202・203はサロ153形かたち基本きほん番台ばんだい追おい番ばんとなるサロ110-60・61となった。

サロ152形かたち・100・200番台ばんだい化か改造かいぞう

上述じょうじゅつのサロ153形かたち200番台ばんだいは、リクライニングシート化かとサロ110形かたち改造かいぞうの種たね車しゃとして捻出ねんしゅつされることからサロ152形がたへ置換おきかえることになり、1967年ねんに大井おおい工場こうじょうで非ひ冷房れいぼう車しゃだった3両りょうにMG・CPを搭載とうさいする工事こうじが施工しこうされ200番台ばんだいに区分くぶんされた。

• サロ152-15・17・19→サロ152-201 - 203

1970年ねんに1両りょうが追加ついか改造かいぞうされることになったが、冷房れいぼう改造かいぞう施工しこう済ずみで自じ車くるま給電きゅうでん用ようMG搭載とうさい済ずみだったことからCPのみ搭載とうさいで落成らくせいした。このため新あらたに100番台ばんだいの区分くぶんとされた。200番ばん台車だいしゃも1968年ねんに冷房れいぼう改造かいぞうを施工しこうされていたことから、100番台ばんだいに統合とうごうされた。

• サロ152-30・201 - 203→101 - 104

1975年ねんにサロ112形がたへ格下かくさげ改造かいぞうされた際さいには100番台ばんだいの車両しゃりょう番号ばんごうが承継しょうけいされた。

クヤ153-1

1975年ねんに吹田すいた工場こうじょう（現げん・吹田すいた総合そうごう車両しゃりょう所しょ）で、サハシ153-11が大阪おおさか鉄道てつどう管理かんり局きょくの教習きょうしゅう車しゃ（事業じぎょう用よう車しゃ）に改造かいぞうされた。改造かいぞう内容ないようは以下いかの通とおり。

• 客室きゃくしつ区画くかくは運転うんてん実習じっしゅう室しつに改修かいしゅうし、運転うんてんシミュレータを設置せっち。
• ビュフェ区画くかくを座ざ学がく講習こうしゅう用よう講義こうぎ室しつに改装かいそう。
• 塗装とそうは青あお15号ごうの地色じいろに前面ぜんめん下か半はんを黄色きいろ5号ごうの警戒色けいかいしょくとし、側面そくめん上端じょうたんと下端かたんに黄色おうしょく5号ごうの帯おびを配はいした新しん性能せいのう直流ちょくりゅう事業じぎょう用よう車しゃ標準ひょうじゅん塗ぬり色しょくに変更へんこう。
• 両りょう端はし部ぶは103系けい低てい運転うんてん台車だいしゃに準じゅんじた非ひ貫通かんつう形がた運転うんてん室しつを設置せっち。
• 屋根やね上じょうにPS13形かたちパンタグラフを搭載とうさい。
• 床下ゆかした艤装ぎそうからビュフェ関連かんれん機器きき（水みずタンク）を撤去てっきょ。

改造かいぞう後ごは向日むこう町まち運転うんてん所しょ（→京都きょうと総合そうごう運転うんてん所しょ→現げん・吹田すいた総合そうごう車両しゃりょう所しょ京都きょうと支所ししょ）に配置はいちされたが、1987年ねん2月がつ15日にち付づけで廃車はいしゃとなった。

他た系列けいれつへの改造かいぞう

編入へんにゅう改造かいぞう先さきの項目こうもくも参照さんしょうされたい。

113系けいへの改造かいぞう

113系けいへの編入へんにゅう改造かいぞうを以下いかに示しめす。

• サロ153形かたち→サロ110形かたち0番台ばんだい・900番台ばんだい
• サロ152形かたち→サロ112形かたち0番台ばんだい

詳細しょうさいは以下いかを参照さんしょう。

• サロ110形かたち→国鉄こくてつ113系けい電車でんしゃ#サロ110形かたち0・900・1000番台ばんだい
• サロ112形かたち→国鉄こくてつ113系けい電車でんしゃ#サロ112形かたち

165・169系けいへの改造かいぞう

クヤ165-1

165・169系けいに編入へんにゅう改造かいぞうを受うけたものとしては以下いかの各かく形式けいしきがある。

• クハ153形かたち→クハ164形かたち
• サハシ153形かたち→サハシ165形かたち50番台ばんだい

詳細しょうさいは国鉄こくてつ165系けい電車でんしゃ#改造かいぞう工事こうじを参照さんしょう。

• サハシ153形かたち→サハシ169形かたち

詳細しょうさいは国鉄こくてつ165系けい電車でんしゃ#169系けいを参照さんしょう。

• サハシ153形かたち→クヤ165形かたち

1974年ねんに浜松はままつ工場こうじょうでサハシ153-15を名古屋なごや鉄道てつどう管理かんり局きょくの165系けい電車でんしゃ用よう教習きょうしゅう車しゃに改造かいぞうしたもの。

詳細しょうさいは国鉄こくてつ165系けい電車でんしゃ#改造かいぞう工事こうじを参照さんしょう。

運用うんよう

東海道新幹線とうかいどうしんかんせん開通かいつうまで

東海道本線とうかいどうほんせん優等ゆうとう列車れっしゃ沿革えんかく・山陽本線さんようほんせん優等ゆうとう列車れっしゃ沿革えんかく・近鉄きんてつ特急とっきゅう史し#近鉄きんてつ線せんと並行へいこうする国鉄こくてつ・JR線せんの優等ゆうとう列車れっしゃなど・東海とうかい (列車れっしゃ)・踊おどり子こ (列車れっしゃ)・マリンライナー#宇野うの線せん・本四備讃線ほんしびさんせん優等ゆうとう列車れっしゃ沿革えんかくも参照さんしょうのこと。

準急じゅんきゅう「東海とうかい」「比叡ひえい」と湘南しょうなん準急じゅんきゅう（東京とうきょう - 熱海あたみ・伊東いとう・修善寺しゅぜんじ）に投入とうにゅうされていた80系けい電車でんしゃの置換おきかえ用ようとして、それぞれの充当じゅうとう用よう車両しゃりょうを大垣おおがき電車でんしゃ区く（現げん・大垣おおがき車両しゃりょう区く）・宮原みやはら電車でんしゃ区く（現げん・網干あぼし総合そうごう車両しゃりょう所しょ宮原みやはら支所ししょ）・田町たまち電車でんしゃ区く（→田町たまち車両しゃりょうセンター→現げん・東京とうきょう総合そうごう車両しゃりょうセンター田町たまちセンター）に配置はいち。1958年ねん11月から運用うんようを開始かいしする予定よていであったが、所要しょよう車両しゃりょうの落成らくせいが間まに合あわず初日しょにちに本ほん系列けいれつで運転うんてんが開始かいしされたのは「東海とうかい」1往復おうふくのみで、置換おきかえ計画けいかくは以下いかの要領ようりょうで進すすんだ。この為ため、こだま型がた20系けい（151系けい）の華々はなばなしいデビューとは逆ぎゃくにひっそりとした登場とうじょうとなり、宮原みやはら区くに投入とうにゅうされる車両しゃりょうを大垣おおがき区くに貸かし渡わたすなどの処置しょちがとられている。

準急じゅんきゅう「東海とうかい」

• 1958年ねん11月開始かいし 1959年ねん4月がつ完了かんりょう

準急じゅんきゅう「比叡ひえい」・湘南しょうなん準急じゅんきゅう

• 1959年ねん4月がつ開始かいし 同年どうねん6月がつ完了かんりょう

当初とうしょは以下いかの編成へんせいが組成そせいされた。

「東海とうかい」「比叡ひえい」編成へんせい

「東海とうかい」（担当たんとう：大垣おおがき電車でんしゃ区く）
← 大垣おおがき・名古屋なごや 東京とうきょう →
クハ 153	モハ 152	モハ 153	サロ 153	サロ 153	モハ 152	モハ 153	クハ 153	サハ 153	モハ 152	モハ 153	クハ 153
「比叡ひえい」（担当たんとう：宮原みやはら電車でんしゃ区く）
← 神戸こうべ・大阪おおさか 名古屋なごや →
クハ 153	モハ 152	モハ 153	サロ 153	モハ 152	モハ 153	サハ 153	モハ 152	モハ 153	クハ 153

田町たまち電車でんしゃ区く編成へんせい

← 修善寺しゅぜんじ・伊東いとう 東京とうきょう →

クハ 153

モハ 152

モハ 153

サロ 153

サロ 153

モハ 152

モハ 153

モハ 152

モハ 153

クハ 153

+

クハ 153

サハ 153

モハ 152

モハ 153

クハ 153

基本きほん編成へんせい

付属ふぞく編成へんせい

付属ふぞく編成へんせいは右みぎのサロ153形かたち編成へんせいの場合ばあいもある

クハ 153

サロ 153

モハ 152

モハ 153

クハ 153

1959年ねん9月がつのダイヤ改正かいせいで以下いかの変更へんこうを実施じっし。

• 「東海とうかい」「比叡ひえい」の姉妹しまい列車れっしゃとして全車ぜんしゃ指定してい席せきの「新しん東海とうかい」「伊吹いぶき」にも投入とうにゅう。
• 田町たまち区く編成へんせいを使用しようした東京とうきょう - 浜松はままつ間あいだの「はまな」が運転うんてん開始かいし。

1960年ねん（昭和しょうわ35年ねん）6月がつダイヤ改正かいせいでは以下いかの変更へんこうを実施じっし。

• 国鉄こくてつ初はつの定期ていき電車でんしゃ急行きゅうこう列車れっしゃとして東京とうきょう - 大阪おおさか間あいだの急行きゅうこう「せっつ」に10両りょう編成へんせいを投入とうにゅうして運行うんこうを開始かいし。当初とうしょは田町たまち電車でんしゃ区くの湘南しょうなん準急じゅんきゅう用よう編成へんせいを使用しようした。
• 大垣おおがき電車でんしゃ区くの修学旅行しゅうがくりょこう用もちい159系けい電車でんしゃにサロ153形かたちを組くみ込こんだ不定期ふていき準急じゅんきゅう「ながら」を設定せってい。
  • 「ながら」は159系けいが本来ほんらいの使用しよう目的もくてきがない時期じきのみの運転うんてんとされ、運用うんようの関係かんけいで「東海とうかい」に投入とうにゅうされることもあった。
• 「せっつ」「比叡ひえい」の間合まあい運用うんようで名古屋なごや - 沼津ぬまづ間あいだに「するが」を新設しんせつ。このため「するが」に充当じゅうとうする153系けいの編成へんせいは大垣おおがき電車でんしゃ区くの編成へんせいではなく、田町たまち電車でんしゃ区くの編成へんせいによる広域こういき運用うんようとなる。

1960年ねんから1961年ねんにかけては、本ほん系列けいれつに最初さいしょの大おおきな変化へんかがあった時期じきで、宇野線うのせん電化でんかの完成かんせいした同年どうねん10月がつからは大阪おおさか - 宇野うの間あいだの四国しこく連絡れんらく準急じゅんきゅう「鷲わし羽わ」にも投入とうにゅうされた。

• 宇野うの線せんは変電へんでん所しょ容量ようりょうの問題もんだいから電動でんどう車しゃ3ユニットによる運転うんてんが不可能ふかのうであるため、4M6Tの特殊とくしゅ編成へんせいが組成そせいされた。

1961年ねん3月がつにはサロ152形かたち・サハシ153形かたちが落成らくせいしたために「せっつ」の編成へんせい変更へんこうと共ともに以下いかの変更へんこうが実施じっしされた。

• 「せっつ」を宮原みやはら電車でんしゃ区くに移管いかんし、共通きょうつう運用うんようで東京とうきょう - 大阪おおさか間あいだの客車きゃくしゃ急行きゅうこう「なにわ」と新設しんせつされた夜行やこう急行きゅうこう「金星きんせい」に投入とうにゅう。
• 名古屋なごや - 沼津ぬまづ間あいだの「するが」を田町たまち電車でんしゃ区くの編成へんせいから宮原みやはら電車でんしゃ区くの編成へんせいによる運用うんよう（「鷲わし羽わ」用よう編成へんせい。その送おくり込こみ運用うんようである「比叡ひえい」「伊吹いぶき」の一部いちぶと「鷲わし羽わ」と共通きょうつう化かの上うえ広域こういき運用うんようで対処たいしょ）となる。
• 車両しゃりょう落成らくせいを待まって、同年どうねん7月がつからは80系けい電車でんしゃで運転うんてんされていた東京とうきょう - 姫路ひめじ間あいだの急行きゅうこう「はりま」にも投入とうにゅう。

東海道とうかいどう本線ほんせん急行きゅうこう用よう編成へんせい
← 姫路ひめじ・大阪おおさか 東京とうきょう →
クハ 153	モハ 152	モハ 153	サハシ 153	サロ 152	サロ 152	サハシ 153	モハ 152	モハ 153	モハ 152	モハ 153	クハ 153
「鷲わし羽わ」「するが」専用せんよう編成へんせい
← 宇野うの・大阪おおさか・名古屋なごや 大阪おおさか・名古屋なごや・沼津ぬまづ →
クハ 153	モハ 152	モハ 153	サロ 153	サハ 153	サハ 153	サハ 153	モハ 152	モハ 153	クハ 153

さらに同年どうねん5月がつ6日にちから東海道本線とうかいどうほんせん系統けいとう以外いがいでの営業えいぎょう運転うんてんとして、田町たまち電車でんしゃ区く所属しょぞく車しゃから4両りょう編成へんせいを組成そせいして上野うえの - 水上すいじょう間あいだの準急じゅんきゅう「上越じょうえついでゆ」が運転うんてん開始かいしされた。

同どう列車れっしゃは土ど・日にちのみの運転うんてんで、上野うえの - 渋川しぶかわ間あいだは80系けい電車でんしゃ4両りょう編成へんせいの長野原ながのはら（現げん・長野原草津口ながのはらくさつぐち）発着はっちゃく編成へんせいを併結。本ほん系列けいれつは電磁でんじ直通ちょくつうブレーキ機能きのうを停止ていしして全ぜん編成へんせい自動じどうブレーキのみとし、両りょう系列けいれつ間あいだには特殊とくしゅジャンパ連結れんけつ器きを使用しようし運転うんてんされた。

6月30日にちの運転うんてんからは、長野原ながのはら編成へんせいも本ほん系列けいれつ4両りょう編成へんせいとなったが、当時とうじの長野原線ながのはらせん（現げん・吾妻線あがつません）は非ひ電化でんか区間くかんであったためC11形かたち蒸気じょうき機関きかん車しゃ+控ひかえ車しゃ兼けん電源でんげん車しゃのオハユニ71形かたちに牽引けんいんされ運転うんてんされた。

同年どうねん10月がつのダイヤ改正かいせいで以下いかの変更へんこうを実施じっし。

急行きゅうこう

• 「せっつ」「なにわ」「はりま」に加くわえ東京とうきょう - 大阪おおさか間あいだで「いこま」「よど」「やましろ」「六甲ろっこう」を設定せってい。昼ひる行ぎょう6往復おうふく 夜行やこう4往復おうふく（「はりま」を含ふくむ）に充当じゅうとう。

• 一部いちぶの運用うんようを田町たまち電車でんしゃ区くに移管いかんしたが、1962年ねん4月がつには再度さいど宮原みやはら電車でんしゃ区くに集約しゅうやく。
• 「金星きんせい」は寝台しんだい中心ちゅうしんの客車きゃくしゃ列車れっしゃに移行いこう。

準急じゅんきゅう

• 東京とうきょう - 名古屋なごや間あいだの特急とっきゅう「おおとり」新設しんせつに伴ともない「新しん東海とうかい」を「東海とうかい」に統合とうごう。「東海とうかい」7往復おうふく 「比叡ひえい」8往復おうふくに増強ぞうきょう。
• 「伊吹いぶき」は2往復おうふくが急行きゅうこう用よう編成へんせい、1往復おうふくが「鷲わし羽わ」用よう編成へんせいの運転うんてんに変更へんこう。
• 大阪おおさか - 三原みはら間あいだの準急じゅんきゅう「びんご」に「鷲わし羽わ」用よう編成へんせいを投入とうにゅうして運転うんてん開始かいし。
• 「上越じょうえついでゆ」の長野原ながのはら発着はっちゃく編成へんせいを「草津くさついでゆ」に改称かいしょう。
• 東京とうきょう・上野うえの - 長岡ながおか間あいだの準急じゅんきゅう「ゆきぐに」1往復おうふくに田町たまち電車でんしゃ区くの7両りょう編成へんせい（伊豆いず準急じゅんきゅうの付属ふぞく編成へんせいのうち、サロ153を連結れんけつしている編成へんせいにモハ152+モハ153のユニットを1組くみ挿入そうにゅうした編成へんせい）を投入とうにゅう。ただし運転うんてん開始かいしは翌よく1962年ねん2月がつ1日にちより実施じっしし、153系けい使用しようの下くだり列車れっしゃのみ東京とうきょう発はつで設定せってい。

← 東京とうきょう・上野うえの 長岡ながおか →
クハ 153	モハ 152	モハ 153	サロ 153	モハ 152	モハ 153	クハ 153

同年どうねん12月がつ10日とおかからは伊豆急行いずきゅうこう伊豆急行線いずきゅうこうせん開業かいぎょうにより、田町たまち所属しょぞく車しゃが伊豆いず急きゅう下田しもだまでの運用うんよう拡大かくだいと乗入のりいれを開始かいしした。

1962年ねん6月がつのダイヤ改正かいせいでは以下いかの変更へんこうを実施じっし。

• 山陽本線さんようほんせん広島ひろしま電化でんかが完成かんせい。東京とうきょう - 広島ひろしま間あいだ「宮島みやじま」昼ひる行ぎょう・夜行やこう1往復おうふくずつに充当じゅうとう。急行きゅうこう形がた電車でんしゃを使用しようした定期ていき列車れっしゃとして当時とうじ最長さいちょう距離きょり894.8kmでの運転うんてんとなった。

• 「宮島みやじま」は、上のぼり列車れっしゃの瀬野せの - 八本松はちほんまつ間あいだでは急きゅう勾配こうばい対策たいさくとして補ほ機きのEF61形かたち+オヤ35（控ひかえ車しゃ）が連結れんけつされたほか、「やましろ」「第だい2よど」の区間くかん延長えんちょう扱あつかいとしたため同どう2列車れっしゃは発展はってん的てき解消かいしょうとなった。

• 「上越じょうえついでゆ」「草津くさついでゆ」廃止はいし。「ゆきぐに」は2月がつ1日にちより運転うんてんしていた東京とうきょう発はつの下くだり列車れっしゃを上野うえの発はつに変更へんこう（上のぼりは上野うえの着ぎのままで不変ふへん）。

1963年ねん4月がつには高崎線たかさきせん・上越線じょうえつせんでの運用うんようとなる「ゆきぐに」が、落成らくせいした165系けいに置換おきかえられた。余剰よじょうとなった車両しゃりょうからサロ153を脱だっ車しゃした6両りょう編成へんせいを組成そせいして、同年どうねん房総ぼうそう地区ちく夏なつダイヤで中野なかの - 館山たてやま間あいだ臨時りんじ準急じゅんきゅう「汐風しおかぜ」に充当じゅうとうさせた。

• 「汐風しおかぜ」の房総西線ぼうそうさいせん（現げん・内房線うちぼうせん）千葉ちば - 館山たてやま間あいだは非ひ電化でんか区間くかんであったためにDD13形かたちディーゼル機関きかん車しゃ重じゅう連れん+電源でんげん車しゃクハ16形かたちの牽引けんいんによる運転うんてんとなった。

1963年ねん10月がつ改正かいせいでは以下いかの変更へんこうを実施じっし。

急行きゅうこう

• 夜行やこう「第だい2なにわ」を客車きゃくしゃ寝台しんだい列車れっしゃ化かで運用うんよう終了しゅうりょう。

準急じゅんきゅう

• 宮原みやはら電車でんしゃ区くの準急じゅんきゅう編成へんせいを「鷲わし羽わ」用よう4M6T編成へんせいに集約しゅうやくするとともに宇野うの・三原みはら方かたにクモハ165+モハ164形かたち500番台ばんだいの増結ぞうけつユニットを連結れんけつした12両りょう編成へんせいでの運転うんてんに変更へんこう。これにより共通きょうつう運用うんようである「びんご」や、同おなじく共通きょうつう運用うんようであるが、広域こういき運用うんようを組くむ「するが」と「比叡ひえい」の一部いちぶ、および「伊吹いぶき」の一部いちぶも12両りょう編成へんせいとなる。

異常いじょう時じ特急とっきゅう運用うんよう

東海道新幹線とうかいどうしんかんせん開通かいつう以前いぜんに東京とうきょう - 大阪おおさか間あいだで運行うんこうされていた特急とっきゅう「こだま」「つばめ」は151系けいで運用うんようされていたが、全車ぜんしゃが田町たまち区くの配置はいちで大阪おおさか地区ちくに予備よび車しゃがなく、故障こしょう・事故じこ・ダイヤの乱みだれによる車両しゃりょう運用うんようの変更へんこうなどから、やむを得えず本ほん系列けいれつを充当じゅうとうした「こだま」代走だいそう運転うんてんが1959年ねん（昭和しょうわ34年ねん）頃ごろより1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）まで数すう度ど実施じっしされた。「第だい一富士いちふじ」脱線だっせん事故じこも参照さんしょうのこと。

• このためクハ153形がたの種別しゅべつ表示ひょうじに「特急とっきゅう」表示ひょうじが追加ついかされた。
• 外観がいかん・接客せっきゃく設備せつびも急行きゅうこう形がた車両しゃりょうそのものであるため「遜色そんしょく特急とっきゅう」とされ、利用りよう客きゃくから「こだま」をもじった「替かえだま」などと呼よばれた。

1964年ねん時点じてんでの特急とっきゅう「こだま」代走だいそう編成へんせい
← 大阪おおさか 東京とうきょう →
クハ 153	モハ 152	モハ 153	サロ 152	サロ 152	サハシ 153	モハ 152	モハ 153	モハ 152	モハ 153	クハ 153

東海道新幹線とうかいどうしんかんせん開通かいつう後ご

1964年ねん10月がつ1日にちの東海道新幹線とうかいどうしんかんせん開通かいつうに伴ともなうダイヤ改正かいせいで以下いかの変更へんこうを実施じっし。

急行きゅうこう

• 東京とうきょう - 大阪おおさか間あいだの本ほん系列けいれつ使用しようによる急行きゅうこう列車れっしゃは以下いかに変更へんこう。

• 昼ひる行ぎょうは「なにわ」「六甲ろっこう」「よど」「いこま」の定期ていき4往復おうふくに削減さくげん。
• 夜行やこうは「いこま」不定期ふていき1往復おうふくと姫路ひめじ発着はっちゃくの「はりま」定期ていき1往復おうふく。

• 「宮島みやじま」は大阪おおさか・新大阪しんおおさか - 広島ひろしまに区間くかん短縮たんしゅく。
• 大阪おおさか - 下関しものせき間あいだに「関門かんもん」を新設しんせつ。

準急じゅんきゅう

• 「東海とうかい」1往復おうふく減げんの5往復おうふく。
• 「比叡ひえい」2往復おうふく減げんするも全車ぜんしゃ指定してい席せき列車れっしゃ「伊吹いぶき」2往復おうふくに全車ぜんしゃ自由じゆう席せき化かと停車駅ていしゃえき追加ついかを実施じっしし「比叡ひえい」に統合とうごう（一部いちぶの「鷲わし羽わ」編成へんせいの使用しようは「するが」との関係かんけいで継続けいぞく）。
• 「鷲わし羽わ」一部いちぶ列車れっしゃを新大阪しんおおさか発着はっちゃくに変更へんこうの上うえ増発ぞうはつ。

1965年ねん10月がつのダイヤ改正かいせいでは以下いかの変更へんこうを実施じっし。

急行きゅうこう

• 東京とうきょう - 大阪おおさか間あいだ急行きゅうこう列車れっしゃは昼ひる行ぎょう「なにわ」2往復おうふくに統合とうごう。夜行やこう「いこま」は不定期ふていきのまま存続そんぞく。「はりま」廃止はいし。
• 「宮島みやじま」2往復おうふく中ちゅう1往復おうふくを下関しものせきまで延長えんちょう。「関門かんもん」2往復おうふくに増発ぞうはつ。

準急じゅんきゅう

• 「東海とうかい」昼ひる行ぎょう・夜行やこう1往復おうふくずつ廃止はいしされて3往復おうふくに削減さくげん。
• 「比叡ひえい」4往復おうふくに削減さくげん。
• 「はまな」「ながら」廃止はいし。
• 「するが」は毎日まいにち運転うんてんの不定期ふていき列車れっしゃに格下かくさげの上うえで運転うんてん区間くかんを修善寺しゅぜんじ - 大垣おおがき間あいだに変更へんこう。これにより宮原みやはら電車でんしゃ区くの「鷲わし羽わ」編成へんせいの「するが」の他ほか、一部いちぶの「比叡ひえい」と一部いちぶの「伊吹いぶき」への広域こういき運用うんようおよび「びんご」での共通きょうつう運用うんようを終了しゅうりょうし、不定期ふていき列車れっしゃ格下かくさげ後ごは大垣おおがき電車でんしゃ区くに移管いかん。なお、宇野うの線せんの変電へんでん所しょ容量ようりょうの増強ぞうきょうにより「鷲わし羽わ」編成へんせいそのものも消滅しょうめつした。
• 宮原みやはら電車でんしゃ区く準急じゅんきゅう編成へんせいの組成そせいを変更へんこう。クモハ165+モハ164形かたち500番台ばんだいの増結ぞうけつユニットを連結れんけつ中止ちゅうし。同どうユニットは下関しものせき運転うんてん所しょ（現げん・下関しものせき総合そうごう車両しゃりょう所しょ）に転出てんしゅつ。

宮原みやはら電車でんしゃ区く準急じゅんきゅう用よう12両りょう編成へんせい
← 三原みはら・宇野うの 名古屋なごや・沼津ぬまづ →
クハ 153	モハ 152	モハ 153	サハ 153	サロ 153	モハ 152	モハ 153	サハ 153	サハ 153	モハ 152	モハ 153	クハ 153

宮原みやはら区く所属しょぞく車両しゃりょうではこれとは別べつに以下いかの転てん配はいが実施じっしされた。

• サハシ153形かたち2両りょうがサハシ165形かたちに改造かいぞうされ、松本まつもと運転うんてん所しょ（現げん・松本まつもと車両しゃりょうセンター）に転出てんしゅつ。
• サロ152形かたち10両りょうが大垣おおがき電車でんしゃ区くのサロ153形かたち置換おきかえのため転出てんしゅつ。
• クハ153形かたち0番台ばんだい8両りょうとサロ152形かたち6両りょうが下関しものせき運転うんてん所しょに転出てんしゅつ。クハ153形かたちは1966年ねんにクハ164形かたちに改造かいぞうされた。

• 代替だいたいとして宮原みやはら区くにはクハ165形かたち・サロ165形かたちが新造しんぞう配置はいちされた。またサロ153形かたちを置換おきかえるだけでなく、非ひ冷房れいぼうのサロ152形かたちも置換おきかえが推進すいしんされた関係かんけいで引続ひきつづき宮原みやはら区く・田町たまち区くにサロ165形かたちが投入とうにゅうされた
• サロ153形かたちは1967年ねんまでに、サロ152形かたちは田町たまち・下関しものせき配置はいち車しゃを除のぞき1969年ねんまでにそれぞれサロ110形かたち・サロ112形かたちに改造かいぞうされた。

1966年ねん3月の料金りょうきん制度せいど改定かいていにより、走行そうこう距離きょり100km以上いじょうの準急じゅんきゅう列車れっしゃは急行きゅうこう列車れっしゃに格上かくあげされた。また「するが」は急行きゅうこう格上かくあげの際さいに「中伊豆なかいず」に愛称あいしょうを変更へんこうされた。

1966年ねん10月がつのダイヤ改正かいせいでは以下いかの変更へんこうを実施じっし。

• 東京とうきょう - 大阪おおさか間あいだの急行きゅうこうは「なにわ」2往復おうふくに削減さくげん。
• 「東海とうかい」は2往復おうふくが廃止はいしされて4往復おうふくになる。
• 「比叡ひえい」は4往復おうふくに削減さくげん。
• 「関門かんもん」は2往復おうふく、「宮島みやじま」は1往復おうふく、「鷲わし羽わ」8.5往復おうふく、「びんご」は2往復おうふくに変更へんこう。

1968年ねん10月がつ1日にちのダイヤ改正かいせいで以下いかの変更へんこうを実施じっし。

• 方面ほうめん別べつの列車れっしゃ愛称あいしょうの整理せいり統合とうごうにより東京とうきょう - 伊豆いず方面ほうめんの急行きゅうこう列車れっしゃは全車ぜんしゃ指定してい席せきの「伊豆いず」と全車ぜんしゃ自由じゆう席せきの「おくいず」に集約しゅうやく。
• 東京とうきょう - 大阪おおさか間あいだ昼ひる行ぎょう急行きゅうこうと「中伊豆なかいず」全廃ぜんぱい。
• 「東海とうかい」は2往復おうふくが静岡しずおか発着はっちゃくに変更へんこう。

• 東京とうきょう - 大垣おおがき（当初とうしょの下くだり列車れっしゃのみ美濃赤坂みのあかさか行いき）の夜行やこう普通ふつう列車れっしゃと共通きょうつう運用うんようになる。

• 「関門かんもん」は「ながと」に改称かいしょう。
• 「びんご」は2往復おうふく増発ぞうはつの上うえで「とも」に改称かいしょう。
• 「鷲わし羽わ」は定期ていき臨時りんじ合あわせて11往復おうふくに増発ぞうはつ。うち1往復おうふくは1969年ねん10月がつ1日にちから赤穂線あこおせん経由けいゆに変更へんこう。
• 「比叡ひえい」をサハシ153形かたち組込くみこみ編成へんせいに変更へんこう。

宮原みやはら区くでは本ほん改正かいせいで再ふたたび編成へんせいを変更へんこうし、充当じゅうとう列車れっしゃにより以下いかの2種類しゅるいになった。

「比叡ひえい」「ながと」「宮島みやじま」編成へんせい
← 下関しものせき・広島ひろしま 名古屋なごや →
クハ 153	モハ 152	モハ 153	サロ 165	サハシ 153	モハ 152	モハ 153	モハ 152	モハ 153	クハ 153
「鷲わし羽わ」「とも」編成へんせい（宮原みやはら電車でんしゃ区くと向日むこう町まち運転うんてん所しょで分担ぶんたん）
← 宇野うの 大阪おおさか →
クハ 153	モハ 152	モハ 153	クハ 153	サロ 165	モハ 152	モハ 153	サハ 153	サハ 153	モハ 152	モハ 153	クハ 153

• 先頭せんとう車しゃはクハ165形かたちが組成そせいされる場合ばあいもある。また、「鷲わし羽わ」「とも」編成へんせいのMM'ユニット・サハにはモハ165+モハ164形かたち・サハ165形かたちが組成そせいされる場合ばあいがある。

サハシ153形かたちは元々もともと余剰よじょう車しゃが多おおかったことや組くみ込こみ編成へんせいが減少げんしょうしたためダイヤ改正かいせい前まえから5両りょうがサハシ165形かたちに、10両りょうがサハシ169形かたちに改造かいぞうされ、松本まつもと運転うんてん所しょと長野ながの運転うんてん所しょ（現げん・長野ながの総合そうごう車両しゃりょうセンター）に転出てんしゅつ。また残存ざんそんしたサハシ153形かたち組ぐみ込こみ編成へんせいは付随ふずい車しゃ2両りょうが減車げんしゃ（6M4T）されたため瀬野せの八はち区間くかんでの自力じりき登坂とさかが可能かのうとなり、上のぼり列車れっしゃの同どう区間くかんにおける補ほ機き+控ひかえ車しゃの連結れんけつが終了しゅうりょうした。

また、「鷲わし羽わ」「とも」編成へんせいの一部いちぶは向日むこう町まち運転うんてん所しょに転出てんしゅつし、宮原みやはら電車でんしゃ区くと運用うんようを分担ぶんたんした。

これらとは別べつに大垣おおがき電車でんしゃ区くへダイヤ改正かいせい前まえにサロ165形かたち12両りょうが新しん製せい配置はいちされサロ152形かたちを置換おきかえたが、新しん製せい配置はいち車しゃはダイヤ改正かいせいで松本まつもと運転うんてん所しょ・新前橋しんまえばし電車でんしゃ区く（現げん・高崎たかさき車両しゃりょうセンター）に転出てんしゅつ。代替だいたいとして宮原みやはら区くからサロ163形かたち6両りょうとサロ165形かたち2両りょうが転入てんにゅうした。

• これは大垣おおがき区くのサロを必要ひつようとする運用うんようが「東海とうかい」2往復おうふくの運転うんてん区間くかん短縮たんしゅくと出入でいり区くを兼かねた大垣おおがき夜行やこうにより必要ひつよう編成へんせい数すうが減少げんしょうしたのも理由りゆうである。

1970年ねん10月1日にちのダイヤ改正かいせいで以下いかの変更へんこうを実施じっし。

• 呉線くれせん電化でんかにより「とも」1往復おうふくの運転うんてん区間くかんを延長えんちょうし、大阪おおさか - 呉ご間あいだ「安芸あき」を新設しんせつ。
• 「宮島みやじま」は「鷲わし羽わ」「とも」と共通きょうつうの12両りょう編成へんせい化かならびに呉線くれせん経由けいゆに変更へんこう。

京阪神けいはんしん地区ちく新しん快速かいそく塗装とそう

山陽新幹線さんようしんかんせん岡山おかやま暫定ざんてい開業かいぎょうによる1972年ねん3月がつ15日にちのダイヤ改正かいせいでは以下いかの大おおきな動うごきが実施じっしされた。

宮原みやはら電車でんしゃ区く

• 急行きゅうこう運用うんよう減少げんしょうに伴ともない、向日むこう町まち運転うんてん所しょによる運用うんようが廃止はいしされ、宮原みやはら電車でんしゃ区くに再度さいど一本いっぽん化か。
• 「とも」全廃ぜんぱい。
• 「鷲わし羽わ」定期ていき1往復おうふく、不定期ふていき2往復おうふくに削減さくげん。うち不定期ふていき1往復おうふくは475系けい電車でんしゃでの運転うんてんに変更へんこう。
• 「比叡ひえい」2往復おうふくに削減さくげん。
• 残留ざんりゅう車しゃの中なかからMM'ユニット20組くみ40両りょう・クハ153形かたち30両りょうとクハ165形かたち10両りょう計けい120両りょうで6両りょう編成へんせいx20本ほんを組成そせい。塗装とそうを白地しろじに青あお帯たいへ変更へんこうし、非ひ冷房れいぼう車しゃは冷房れいぼう改造かいぞうも施工しこうした上うえで京阪神けいはんしん地区ちく「新しん快速かいそく」運用うんように投入とうにゅう。

「新しん快速かいそく」編成へんせい
← 西明石にしあかし 京都きょうと →
クハ 153	モハ 152	モハ 153	モハ 152	モハ 153	クハ 153

• 「比叡ひえい」「鷲わし羽わ」用よう編成へんせいを以下いかの組成そせいに変更へんこう。

「比叡ひえい」「鷲わし羽わ」編成へんせい

← 大阪おおさか（宇野うの） （新大阪しんおおさか）名古屋なごや →

クハ 153

モハ 152

モハ 153

サハ 153

サロ 165

モハ 152

モハ 153

クハ 153

+

サハ 153

モハ 152

モハ 153

クハ 153

「比叡ひえい」「鷲わし羽わ」共通きょうつう編成へんせい

「鷲わし羽わ」増結ぞうけつ編成へんせい

大垣おおがき電車でんしゃ区く

• 「東海とうかい」全ぜん列車れっしゃ東京とうきょう - 静岡しずおか間あいだに運転うんてん区間くかんを変更へんこう。
• 80系けい電車でんしゃで運転うんてんされていた身延線みのぶせん急行きゅうこう「富士川ふじかわ」を165系けい編成へんせい5両りょう編成へんせいに置換おきかえ。サハ153形かたち200番台ばんだいを編成へんせいに組込くみこみ。
• 名古屋なごや地区ちく快速かいそく列車れっしゃに165系けいと混用こんようのモノクラス8両りょう編成へんせいで投入とうにゅう。

下関しものせき運転うんてん所しょ

宮原みやはら区くのビュフェ込こみ10両りょう編成へんせいが転入てんにゅう。運用うんよう移管いかんされた以下いかの列車れっしゃに投入とうにゅうされた。

• 「ながと」「宮島みやじま」の岡山おかやま以東いとうを廃止はいしし「山陽さんよう」に統合とうごう。岡山おかやま - 広島ひろしま・岩国いわくに・小郡おごおり・下関しものせき間あいだ（山陽本線さんようほんせん経由けいゆ）8往復おうふく。
• 「安芸あき」は岡山おかやま以東いとうを廃止はいし。運転うんてん区間くかんも一部いちぶ列車れっしゃで延長えんちょう。岡山おかやま - 呉ご・広島ひろしま間あいだ（呉線くれせん経由けいゆ）4往復おうふく。

1973年ねん7月がつ10日とおかには、中央ちゅうおう本線ほんせん塩尻しおじり - 中津川なかつがわ電化でんか完成かんせいにより中央西線ちゅうおうさいせん・篠ノ井線しののいせん・信越本線しんえつほんせんの急行きゅうこう「きそ」2往復おうふくと大糸線おおいとせん直通ちょくつうの「つがいけ」1往復おうふくが165系けい電車でんしゃ化かされたが、編成へんせい組成そせいではサハ153形かたちが必要ひつようとなるため宮原みやはら電車でんしゃ区くから7両りょう、岡山おかやま電車でんしゃ区くから4両りょうの計けい11両りょうが、神領しんりょう電車でんしゃ区く（現げん・神領しんりょう車両しゃりょう区く）に転入てんにゅうした。

1975年ねん3月がつ10日とおかダイヤ改正かいせいでは以下いかの変更へんこうを実施じっし。

• 山陽新幹線さんようしんかんせん博多はかた開業かいぎょうにより山陽本線さんようほんせん電車でんしゃ急行きゅうこうは夜行やこう「鷲わし羽わ」定期ていき1往復おうふく・不定期ふていき1往復おうふくを除のぞき全廃ぜんぱい。

• 下関しものせき所属しょぞく車しゃは6両りょう編成へんせいに組成そせい変更へんこう。広島ひろしま以西いせい（一部いちぶ岡山おかやままで）の快速かいそく列車れっしゃを中心ちゅうしんとした運用うんように充当じゅうとう。
• 余剰よじょう車しゃのうちサロ152形かたちはサロ112形がたへ改造かいぞう。サロ165形かたちは他た区く所しょに転出てんしゅつ。サハシ153形かたちは事業じぎょう用よう車しゃに改造かいぞうされた2両りょうを除のぞき翌年よくねんまでに廃車はいしゃされた。

• 田町たまち電車でんしゃ区くのサロ152形かたちは連結れんけつを終了しゅうりょう。サロ152形かたち組込くみこみ付属ふぞく編成へんせいはサハ153形かたちに振替ふりかえ。

• サロ152形かたちは本ほん改正かいせいを最後さいごに編成へんせいを外はずれサロ112形がたへの改造かいぞうで形式けいしき消滅しょうめつ。

• 神領じんりょう区くの運用うんように飯田線いいだせん急行きゅうこう「天竜てんりゅう」を追加ついか。
• 1974年ねん10月がつ26日にちに完成かんせいした総武本線そうぶほんせん佐倉さくら - 銚子ちょうし間あいだ・成田なりた線せん成田なりた - 松岸まつぎし間あいだ・鹿島かしま線せんの電化でんかに対応たいおうし、余剰よじょう車しゃを幕張まくはり電車でんしゃ区く（現げん・幕張まくはり車両しゃりょうセンター）へ転入てんにゅうさせキハ58系けい急行きゅうこう列車れっしゃを置換おきかえ。

• 本ほん転用てんようでは大垣おおがき区く転出てんしゅつ車両しゃりょうの補充ほじゅう用ようとして宮原みやはら区くから155系けいが転入てんにゅう。この結果けっか「東海とうかい」や快速かいそく列車れっしゃなどの153系けい編成へんせいに155系けいが組くみ込こまれた。
• 幕張まくはり区くでは165系けい編成へんせいと組成そせいを合あわせるために以下いかの基本きほん編成へんせいのみに組成そせいされた。

← 新宿しんじゅく 安房鴨川あわかもがわ・銚子ちょうし・鹿島かしま神宮じんぐう →
幕張まくはり電車でんしゃ区く153系けい基本きほん編成へんせい
クハ 153	サロ 165	モハ 152	モハ 153	モハ 152	モハ 153	クハ 153

1976年ねん3月がつには「伊豆いず」にも自由じゆう席せきを設定せっていしたことから「おくいず」を廃止はいしし「伊豆いず」に統一とういつ。

晩年ばんねん

本ほん系列けいれつは1970年代ねんだい後半こうはんに入はいっても冷房れいぼう化か改造かいぞうが行おこなわれていたが、一方いっぽうで老朽ろうきゅう化かも進行しんこうしていた。特とくに宮原みやはら区くで新しん快速かいそく運用うんように投入とうにゅうされていた車両しゃりょうは、車くるま齢よわいと長時間ちょうじかんの高速こうそく運転うんてんが続つづく過酷かこくな運用うんようから老朽ろうきゅう化かが深刻しんこくで、並行へいこうする私鉄してつの車両しゃりょうと比較ひかくした際さいの車内しゃない設備せつびの陳腐ちんぷ化かも否いなめず、1979年ねんから新しん快速かいそく専用せんよう車しゃの117系けい電車でんしゃを投入とうにゅうして置おき換かえることが決定けっていした。117系けい電車でんしゃは1980年ねん1月がつ22日にちより営業えいぎょう運転うんてんを開始かいしし、同年どうねん7月がつ10日とおかをもって本ほん系列けいれつは新しん快速かいそく運用うんようから撤退てったいした。

1980年ねん10月がつ1日にちのダイヤ改正かいせいでは以下いかの変更へんこうを実施じっし。

• 「鷲わし羽わ」廃止はいし。
• 「比叡ひえい」1往復おうふくは運用うんようを大垣おおがき区くに移管いかん。グリーン車しゃ連結れんけつを中止ちゅうし。

• これにより宮原みやはら配置はいち車しゃは淘汰とうたされた。余剰よじょう車しゃのうち状態じょうたい良好りょうこうな車両しゃりょうは各地かくちの車両しゃりょう基地きちに転属てんぞくし、大垣おおがき区く転入てんにゅう車しゃは同区どうくに所属しょぞくする非ひ冷房れいぼうの155・159系けいの多おおくを置おき換かえて冷房れいぼう化かを推進すいしんした。

• 「東海とうかい」は2往復おうふく削減さくげん。

置換おきかえ直前ちょくぜんの急行きゅうこう「伊豆いず」 1981年ねん4月がつ3日にち		「伊豆いず」置換おきかえ過渡かと期き 185系けいとの併結 1981年ねん4月がつ3日にち

1981年ねん10月がつ1日にちのダイヤ改正かいせいでは以下いかの変更へんこうを実施じっし。

• 185系けいによる田町たまち所属しょぞく車しゃの置おき換かえを開始かいし。185系けいは改正かいせいに先立さきだつ1981年ねん3月から「伊豆いず」で運用うんようを開始かいしし、しばらくは本ほん系列けいれつと混用こんようされていたが、同年どうねん9月がつには置おき換かえを完了かんりょうし同年どうねん10月がつには特急とっきゅう「踊おどり子こ」に格上かくあげ。さらに東京とうきょう口こう普通ふつう列車れっしゃ運用うんようも混雑こんざつ緩和かんわを目的もくてきとした113系けいの増ぞう備つぶさにより同年どうねん10月がつ末まつで終了しゅうりょう。幕張まくはり区くに転出てんしゅつした一部いちぶの車両しゃりょうを除のぞき、多おおくの車両しゃりょうが廃車はいしゃとなった。
• 大垣おおがき所属しょぞく車しゃについても置おき換かえが決定けっていし、快速かいそく充当じゅうとう用よう117系けいの落成らくせいに伴ともない同年どうねん12月がつより置おき換かえを開始かいし。1982年ねん5月がつまでに完了かんりょうしたが、「東海とうかい」「比叡ひえい」「大垣おおがき夜行やこう」「富士川ふじかわ」充当じゅうとうならびに東海道とうかいどう本線ほんせん内ない併結運用うんよう車しゃは残存ざんそんした。これにより若干じゃっかん数すうが残のこっていた非ひ冷房れいぼう車しゃは完全かんぜんに淘汰とうたされた。

1982年ねん11月15日にちのダイヤ改正かいせいでは以下いかの変更へんこうを実施じっし。

• 下関しものせき運転うんてん所しょの山陽本線さんようほんせん快速かいそく列車れっしゃ運用うんようが、115系けい3000番台ばんだいに置おき換かえられ全車ぜんしゃ廃車はいしゃ。
• 房総ぼうそう地区ちく急行きゅうこうが全すべて特急とっきゅうに格上かくあげされた結果けっか、幕張まくはり区く所属しょぞく車両しゃりょうも余剰よじょうとなり全車ぜんしゃ廃車はいしゃ。
• 神領じんりょう区くの運用うんようが松本まつもと運転うんてん所しょの165系けいに移管いかんされ終了しゅうりょう。所属しょぞくしていたサハ153形かたちは全車ぜんしゃ廃車はいしゃ。
• 大垣おおがき所属しょぞく車しゃは11月改正かいせいが本ほん系列けいれつ置おき換かえの絶対ぜったい条件じょうけんではなかったため、検査けんさ期限きげんに余裕よゆうのある車両しゃりょうを中心ちゅうしんにダイヤ改正かいせい後ごも引ひき続つづき使用しようされたが、松本まつもと所しょ・神領じんりょう区くから転入てんにゅうしてきた165系けいに順次じゅんじ置おき換かえられ、1983年ねん3月がつを最後さいごに運用うんようを終了しゅうりょう。

一部いちぶの大垣おおがき所属しょぞく車しゃは休きゅう車しゃのまましばらく留置りゅうちされたが、1984年ねん1月がつまでに廃車はいしゃとなった。そして同年どうねん3月がつ6日にちに下関しものせき所属しょぞくのクハ153-46・モハ153・152-108が、同月どうげつ10日にちに神領じんりょう区く所属しょぞくのサハ153-218が廃車はいしゃされ、本ほん系列けいれつの営業えいぎょう用よう車両しゃりょうは全廃ぜんぱい。1987年ねん2月がつには事業じぎょう用よう車しゃとして残存ざんそんしていたクヤ153-1が廃車はいしゃされ、国鉄こくてつ分割ぶんかつ民営みんえい化か直前ちょくぜんにして形式けいしき消滅しょうめつとなった。ただし、サロ153形がたから改造かいぞうされ113系けいに編入へんにゅうされたサロ110形かたちは東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう（JR東日本ひがしにっぽん）に承継しょうけいされ、1992年ねんに最後さいごの2両りょうが廃車はいしゃとなるまで運用うんようされた。

その他た

寝台しんだい電車でんしゃ化か改造かいぞう計画けいかく

1960年代ねんだい初頭しょとう、全ぜん区間くかん電気でんき機関きかん車しゃで牽引けんいんされていた夜行やこう寝台しんだい急行きゅうこう列車れっしゃの電車でんしゃ化かが計画けいかくされた。本ほん系列けいれつを寝台しんだい電車でんしゃに改造かいぞうするものであったが、1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）の東海道新幹線とうかいどうしんかんせん開業かいぎょうによって夜行やこう列車れっしゃの削減さくげんが予想よそうされたことや、その後ごの転用てんよう先さきとして適切てきせつな直流ちょくりゅう電化でんか区間くかんが存在そんざいしないことなどから、計画けいかくは破棄はきされた。

これとは別べつに、1964年ねんの山陽本線さんようほんせん全線ぜんせん電化でんかにあわせて東京とうきょう - 九州きゅうしゅう間あいだの寝台しんだい客車きゃくしゃ急行きゅうこう列車れっしゃを電車でんしゃ化か・特急とっきゅう格上かくあげする案あんもあったが、機関きかん車しゃと客車きゃくしゃの新造しんぞうより25%の製造せいぞう費用ひよう上昇じょうしょうに対たいして運転うんてん時間じかんの短縮たんしゅくは約やく1時じ間あいだ30分ふんと、コストパフォーマンスの面めんで折おり合あいがつくか疑問ぎもん視しされ、それ以上いじょうの進展しんてんはなかった。なお、後のちに寝台しんだい電車でんしゃ計画けいかくは直流ちょくりゅう急行きゅうこう形がたから交直流ちょくりゅう特急とっきゅう形がたに変更へんこうされ、1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん）に581系けい電車でんしゃで実現じつげんしている。

日本にっぽん鉄道てつどう技術ぎじゅつ協会きょうかい刊かんJREA誌し1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）12号ごう「寝台しんだい電車でんしゃの可能かのう性せい」と、JTBパブリッシング刊かん「幻まぼろしの国鉄こくてつ車両しゃりょう」では計画けいかくされていた車種しゃしゅのうち、モハネ152とサロネ153の図面ずめんが掲載けいさいされている。

163系けい

153系けいの出力しゅつりょく強化きょうか形がたとして、暖地だんち向むけ平坦へいたん線区せんく仕様しようの163系けいが計画けいかくされたが、増ぞう備は寒かん地ち向むけ勾配こうばい線区せんく仕様しようの165系けいに統一とういつされ、サロ163形かたちのみの製造せいぞうで打うち切きられた。詳細しょうさいは国鉄こくてつ165系けい電車でんしゃ#163系けいを参照さんしょう。

参考さんこう文献ぶんけん

• 電気でんき学会がっかい通信つうしん教育きょういく会かい 編へん『電気でんき鉄道てつどうハンドブック』、電気でんき学会がっかい、1962年ねん
• 『世界せかいの鉄道てつどう'72』、朝日新聞社あさひしんぶんしゃ、1971年ねん
• 関西かんさい国こく電略でんりゃく年ねん誌し編集へんしゅう委員いいん会かい編へん・大阪おおさか鉄道てつどう管理かんり局きょく 運転うんてん部ぶ電車でんしゃ課か監修かんしゅう 『関西かんさい国こく電略でんりゃく年ねん誌し』、鉄道てつどう史し資料しりょう保存ほぞん会かい、1982年ねん
• 関西かんさい国電こくでん50年ねん編集へんしゅう委員いいん会かい、『関西かんさい国電こくでん50年ねん』、鉄道てつどう史し資料しりょう保存ほぞん会かい、1982年ねん
• 電気でんき車しゃ研究けんきゅう会かい 『鉄道てつどうピクトリアル』

• 2001年ねん10月がつ号ごう No.707 特集とくしゅう：153系けい電車でんしゃ
• 2012年ねん10月がつ号ごう No.867 特集とくしゅう：165・169系けい電車でんしゃ