2020 年度ねんど箕面みのお市し「外国がいこく人じん防災ぼうさいアドバイザー」に認定にんていされた 5 名めい。（写うつし 真ま左ひだりから二に人にん目めから）中国ちゅうごく留学生りゅうがくせいの余よ菁華さん、ベトナム出身しゅっしんのシチ・ ゴック・トゥエットさん、イラン出身しゅっしんのアリプル・レイラさんとジャ ヘドザデ・ショルブラグ・ベヘナムさん、韓国かんこく出身しゅっしんの裵恵麟さん

（めろんNo.170記載きさい）

1.　「外国がいこく人じん防災ぼうさいアドバイザー育成いくせい事業じぎょう」について
　日本にっぽんは災害さいがい大国たいこくと言いわれている。他国たこくと比くらべて、地震じしん、津波つなみ、火山かざん噴火ふんか、大雪おおゆき、大雨おおあめ、洪水こうずい、土砂どしゃ災害さいがい、台風たいふうなどの自然しぜん災害さいがいが発生はっせいしやすい国土こくどである。そのため、子こどものときから学校がっこうや地域ちいきで避難ひなん訓練くんれんが実施じっしされ、そこで防災ぼうさいに関かんする知識ちしきや技術ぎじゅつを学まなび、啓発けいはつが行おこなわれている。また、外国がいこく人じん市民しみんと比くらべて災害さいがい情報じょうほうへのアクセスもしやすい。
　しかし、外国がいこく人じん市民しみんはそれぞれの国土こくどの特徴とくちょうや文化ぶんか的てきおよび社会しゃかい的てき背景はいけいによって、災害さいがいに関かんする認識にんしきや捉とらえ方かたが異ことなる一方いっぽう、日本にっぽんにおける災害さいがいリスク、防災ぼうさい体制たいせいや仕組しくみについての知識ちしきを得える機会きかいが少すくない。さらに、普段ふだんから地域ちいきとの繋つながりが希薄きはくな外国がいこく人じん市民しみんは言葉ことばの壁かべをはじめ、色々いろいろな課題かだいを抱かかえながら暮くらしているため、彼かれらに伝つたわらないことが多おおい。このような状況じょうきょうから協会きょうかいは去年きょねんより「外国がいこく人じん防災ぼうさいアドバイザー育成いくせい事業じぎょう」を始はじめた。
　災害さいがいに遭遇そうぐうしたとき、目めの前まえの状況じょうきょうに対たいして適切てきせつに行動こうどうし、想定そうてい外がいの事態じたいから自分じぶん自身じしんを救すくう能力のうりょくを持もつ外国がいこく人じん市民しみんを市内しない全体ぜんたいで増ふやすことが目的もくてきだ。

2.　箕面みのお市し「外国がいこく人じん防災ぼうさいアドバイザー」とは
　防災ぼうさい研修けんしゅうの受講じゅこうおよび防災ぼうさい訓練くんれんの参加さんか後ご、防災ぼうさいセミナーや企画きかくなどの実施じっしに主体しゅたい的てきに取とり組くむことができる外国がいこく人じん市民しみんが対象たいしょうで、研修けんしゅうの終了しゅうりょう後ごに、箕面みのお市しより「外国がいこく人じん防災ぼうさいアドバイザー」として認定にんていされる。
　2020 年ねんには、箕面みのお市し市民しみん安全あんぜん政策せいさく室しつの職員しょくいんや人ひとと未来みらい防災ぼうさいセンターの研究けんきゅう員いんの楊梓さんを講師こうしとして招まねき、箕面みのお市しの災害さいがいリスクや防災ぼうさい体制たいせい、災害さいがい情報じょうほう発信はっしんの仕組しくみについて学まなんだ。また、避難ひなんの判断はんだんや箕面みのお市しでの避難ひなん所しょの運営うんえい等とうについて知しり、【My 避難ひなん行動こうどうワークショップ】を通とおして、自分じぶんを主人公しゅじんこうとする災害さいがい発生はっせい時じの物語ものがたりを時とき系列けいれつに沿そって記述きじゅつし、災害さいがい時じのアクションプランを形成けいせいした。
　2021 年ねんには、5 人にんの外国がいこく人じん防災ぼうさいアドバイザーが日本にっぽん社会しゃかいで暮くらしていくなかで日ひごろ感かんじている疑問ぎもんや困こまりごとなどについて話はなし合あいながら、防災ぼうさい・災害さいがいに関かんする知識ちしきを身みに付つける機会きかいを外国がいこく人じん市民しみんにどのように提供ていきょうすればよい
かについて議論ぎろんした。
　結果けっか、彼かれらは研修けんしゅうで得えた知識ちしきをもとに、災害さいがいに対たいする備そなえとして①停電ていでんと発電はつでん機きの利用りよう、②防災ぼうさいグッズの紹介しょうかいと利用りよう、③非ひ常食じょうしょくの紹介しょうかいというテーマで日本語にほんご教室きょうしつの学習がくしゅう者しゃを対象たいしょうにイベント実施じっしを予定よていしたが、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんのため実施じっしが難むずかしくなった。そのため、同おなじ内容ないようで外国がいこく人じん市民しみんにわかりやすく防災ぼうさい啓発けいはつ用よう動画どうがを作成さくせいしている。
　ベヘナムさんが停電ていでんの不安ふあんと自分じぶんの経験けいけん、停電ていでんになると何なにに困こまるか（携帯けいたい、トイレ、冷蔵庫れいぞうこなど）、蓄電池ちくでんちと発電はつでん機きについて日本語にほんごとペルシャ語ごで紹介しょうかいしている。裵恵麟さんが防災ぼうさいグッズや普段ふだんの生活せいかつの中なかで少すこし工夫くふうしてできる「防災ぼうさい」について日本語にほんごと韓国かんこく語ごで紹介しょうかいしている。アリプル・レイラさんが長期間ちょうきかん保存ほぞんできて、災害さいがいの時ときに、簡単かんたんに食たべられるアルファ化か米まいやパンなど「非ひ常食じょうしょく」について日本語にほんごと英語えいごで紹介しょうかいしている。また、ドライフルーツや缶詰かんづめなど母国ぼこくの保存ほぞん食しょくについても紹介しょうかいしながら、日常にちじょうで使用しようし、災害さいがい時じにも食たべられるものを「ローリングストック」して備そなえることの大事だいじさを教おしえてくれた。
　今後こんごは動画どうがを日本語にほんご教室きょうしつなどで上映じょうえいしていく予定よていだ。

3.　「外国がいこく人じん防災ぼうさいアドバイザー」への期待きたい
　地域ちいきの一員いちいんである外国がいこく人じん市民しみんが災害さいがい発生はっせい時じにも、地域ちいきの人々ひとびとと助たすけあうことができる仕組しくみづくりが大切たいせつである。外国がいこく人じん防災ぼうさいアドバイザーの取とり組くみを通とおして、防災ぼうさい意識いしきの高たかい外国がいこく人じん市民しみんが増ふえることが期待きたいできる。さらに、自分じぶんのコミュニティや周まわりの人ひとと知識ちしきや情報じょうほうを共有きょうゆうしていくことによって、まず箕面みのお市し全体ぜんたいに「自助じじょ」ができる外国がいこく人じん市民しみんが増ふえることをめざす。外国がいこく人じん市民しみんが少すこしずつ地域ちいきにつながることができれば、「共助きょうじょ」の土台どだいができると期待きたいする。（バイサ）