まきけいたかさん、豊田とよだ直巳なおみさん公開こうかい講座こうざ報告ほうこく

昨年さくねん(2013ねん)11月と今年ことし(2014ねん)2がつに、公民館こうみんかん市民しみん企画きかく事業じぎょうによる公開こうかい講座こうざを、いずれも田無たなし公民館こうみんかん視聴覚しちょうかくしつにてもよおしました。

 

報告ほうこくおそくなりましたが、11月30にち開催かいさいしたのは、まきけいたかさんをおまねきしての講演こうえん、「放射能ほうしゃのう汚染おせん学校がっこう給食きゅうしょく」でした。

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まきけいたかさんは、学校がっこう給食きゅうしょくニュース編集へんしゅう責任せきにんしゃとして、学校がっこう給食きゅうしょく事情じじょう精通せいつうされるとともに、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい以降いこうは、生産せいさんしゃ消費しょうひしゃをつなぐ測定そくていネットワーク事務じむ局長きょくちょうとして、みずか放射能ほうしゃのう測定そくていをなさっています。2013ねん6がつには、講演こうえんタイトルと同名どうめい著書ちょしょ、『放射能ほうしゃのう汚染おせん学校がっこう給食きゅうしょく』(岩波いわなみブックレット)を刊行かんこうされました。

講演こうえん当日とうじつ、ナイフとフォークがらのネクタイで登場とうじょうされたまきくださん。来場らいじょうしゃ朝食ちょうしょくなにべたかの挙手きょしゅアンケートと、福島ふくしま原発げんぱつ事故じこ当時とうじ写真しゃしんによる問題もんだい提起ていきをされ、おはなしはじまりました。

まずは、学校がっこう給食きゅうしょく具体ぐたいてきなしくみから。法律ほうりつとしての位置いちづけ、設備せつび(センターかこうか)、食材しょくざい購入こうにゅう一括いっかつ個別こべつか)とう、さまざまなちがいが自治体じちたいごとにあること、現在げんざい学校がっこう給食きゅうしょくにおいてはしょくいく役割やくわりおおきいことなどをご説明せつめいいただきました。

そうした学校がっこう給食きゅうしょく枠組わくぐみをまえ、おはなしは、学校がっこう給食きゅうしょくしょく安全あんぜんをめぐる具体ぐたいてき課題かだいに。これまで学校がっこう給食きゅうしょくは、予防よぼう原則げんそくてきうたがわしきものはけるという方針ほうしんのもとに運営うんえいされていました。それは文科ぶんかしょう明言めいげんしています。学校がっこう給食きゅうしょくしょく安全あんぜんをめぐっては、長年ながねん、さまざまな運動うんどうみがありました。

原発げんぱつ事故じこ放射能ほうしゃのう汚染おせん実態じったい把握はあくすることがむずかしいなかで、各地かくち測定そくてい情報じょうほう公開こうかいうごきがきました。越谷こしがや給食きゅうしょくセンターでの調理ちょうりいんによる測定そくていなど、各地かくち具体ぐたいてき参考さんこうになる事例じれいをご紹介しょうかいいただきました。

自治体じちたい実施じっしゆだねられている学校がっこう給食きゅうしょくは、地域ちいき住民じゅうみん保護ほごしゃふかかかわることができるものです。学校がっこう給食きゅうしょくは「きた教材きょうざい」であること、そのためには安全あんぜん信頼しんらい確保かくほ重要じゅうようであるとういうことを、まきさんは、かさねておっしゃられていました。

最後さいごにご紹介しょうかいくださったのは、アメリカの作家さっか、ウェルデン・ベリーの言葉ことば

べることはひとつの農業のうぎょう行為こういである。」

人間にんげんにとって「べる」ということの多様たよう意味いみ根源こんげんてき意味いみまでもかんがえさせられる講演こうえんでした。

 

2がつ15にちには、「福島ふくしまはいま――原発げんぱつ事故じこなにをもたらしたか」とだいして、フォト・ジャーナリストの豊田とよだ直巳なおみさんに講演こうえんしていただきました。当日とうじつは、前日ぜんじつ記録きろくてき大雪おおゆき影響えいきょうで、積雪せきせつがすごく、また西武せいぶせん一部いちぶ運休うんきゅうするなど、かい開催かいさい自体じたいあやぶまれました。しかし、午後ごごちかづくにつれ天気てんき回復かいふくし、豊田とよださんも長靴ながぐつ姿すがたなにとか到着とうちゃく。20めいじゃくほう参加さんかし、無事ぶじ開催かいさいすることができました。

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豊田とよださんは、1980年代ねんだいよりパレスチナをはじめ、世界せかい紛争ふんそう取材しゅざいされています。そして、2011ねん3がつ11にち東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい翌日よくじつから、福島ふくしま現地げんちはい取材しゅざい開始かいしひとのいなくなった双葉ふたばまちなどをおとずれ、ツイッターなどで、いちはや放射能ほうしゃのう汚染おせん危険きけんせいについて警告けいこくはっしました。現在げんざい毎月まいつきのように、福島ふくしまおとずれ、そこにきる人々ひとびと取材しゅざいつづけています。その取材しゅざい成果せいかは、昨年さくねん(2013ねん)、ドキュメンタリー映画えいが遺言ゆいごん――原発げんぱつさえなければ』(野田のだ雅也まさやとの共同きょうどう監督かんとく)としてまとめられました(http://yuigon-fukushima.com/)。

そうした経験けいけんをおちの豊田とよださんだけに、講演こうえん内容ないよう福島ふくしま報告ほうこくまらず、ひろ視野しやから、原発げんぱつについてかんがえさせられるものでした。

湾岸わんがん戦争せんそうやイラク戦争せんそうで、べいぐん大量たいりょう劣化れっかウランだん使用しようしました。現地げんち住民じゅうみんなどが被曝ひばくし、現在げんざいも、どもたちのあいだに、その被害ひがいおもわれる健康けんこう障害しょうがいあらわれています。べいぐん戦闘せんとう沖縄おきなわからも出撃しゅつげきし、イラクの人々ひとびとからすれば、日本にっぽんかく攻撃こうげき加害かがいしゃであるという現実げんじつ。「かく平和へいわ利用りよう」という美名びめいのもとに推進すいしんされた原発げんぱつ政策せいさくは、そもそも戦争せんそうのためのかく開発かいはつ密接みっせつむすびついており、原発げんぱつ戦争せんそう親和しんわせいたかいこと。湾岸わんがん戦争せんそうやイラク戦争せんそう取材しゅざいしたさい写真しゃしんや、福島ふくしま現地げんちでの写真しゃしんなどをうつしながら、豊田とよださんは、原発げんぱつのもつ意味いみ原発げんぱつ震災しんさい現実げんじつについて、あつかたつづけました。

現在げんざい福島ふくしま放射能ほうしゃのう汚染おせん地域ちいきではだい規模きぼ除染じょせんおこなわれています。しかし、除染じょせん効果こうかはほとんど検証けんしょうされず、田畑たはたなどをけずった汚染おせんめたふくろなどもうしない、地元じもと山積やまづみになったままです。除染じょせんなにのためなのか、だれのためなのか、福島ふくしまひとたちにとって本当ほんとう必要ひつよう支援しえんとはなにか、根本こんぽんからかんがなお必要ひつようがあるのではないか、と問題もんだい提起ていきされました。

ともすると、福島ふくしまひとふくめ、わたしたちはみずからを原発げんぱつ震災しんさいの「被害ひがいしゃ」とかんがえがちです。しかし、原発げんぱつ震災しんさいまねき、どもたちや、さらにそのさき世代せだいにまで被害ひがいをもたらすことになってしまったてんにおいて、大人おとなたちはだれ加害かがい責任せきにんからまぬかれない、と豊田とよださんは指摘してきされます。そして、福島ふくしまけん出身しゅっしん哲学てつがくしゃ高橋たかはし哲哉てつやさんが、豊田とよださんとの対談たいだんなかかたられた言葉ことば紹介しょうかいしました。「責任せきにんがあるか、ないかをうのではなく、みずか責任せきにんける姿勢しせいが、いまこそ必要ひつようではないか」と。

講演こうえん会場かいじょうからの質疑しつぎ応答おうとうつづき、山田やまだしんさんとの対談たいだんおこなわれました。福島ふくしまけんどもたちにおこなっている甲状腺こうじょうせん検査けんさ問題もんだいせいなどについて、それぞれの視点してんからはなされました。

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震災しんさいからもなく3ねんとうとしています。政府せいふは2011ねんまつには、早々そうそう原発げんぱつ事故じこ収束しゅうそく宣言せんげんはっしました。しかし、事故じこ収束しゅうそく目処めどたず、その被害ひがい深刻しんこくしているのが現実げんじつです。原発げんぱつ事故じこがもたらしたもの――それを矮小わいしょうせず、現実げんじつつめることの重要じゅうようせいあらためてかんがえさせられる講演こうえんかいでした。

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