ぷに (萌もえ属性ぞくせい)

ぷにとは、顔かおや身体しんたいが丸まるっこくぷにぷにした幼児ようじ体型たいけいの少女しょうじょや少年しょうねんのキャラクターを指さす、同人どうじん業界ぎょうかいで使つかわれる言葉ことば。

概要がいよう

「ぷに」は「ぷにぷに」という触感しょっかんを示しめす既存きそんの擬態語ぎたいご・擬音ぎおん語ご（オノマトペ）を語源ごげんとして定義ていぎされた造語ぞうご・隠語いんご、ないしは符丁ふちょうである。また、頬ほおを触さわるという意味いみとしても使つかわれる。

単たんに「ぷに」または「ぷにキャラ」と称しょうするものは、頭あたま身みが低ひくく、頬ほおの辺あたりがぽっちゃりとした印象いんしょうの少女しょうじょまたは少年しょうねんのキャラクターを指さす。この場合ばあいは本来ほんらいの設定せっていより頭あたま身みを低ひくくアレンジしたちびキャラなど、設定せってい上じょうの年齢ねんれいは高たかめであっても作中さくちゅうで極端きょくたんな幼児ようじ体型たいけいにデフォルメされているようなキャラクターも含ふくまれる。場合ばあいによっては小しょう動物どうぶつのキャラクターを含ふくむとされる場合ばあいもある。

派生はせいする概念がいねんとして「ろりぷに」という合成ごうせい語ごもある。ろりぷにの「ロリ」は、そのまま「ロリコン（ロリータ・コンプレックス）」からきており、特とくにぷにぷにとした幼おさない少女しょうじょのキャラクターを意味いみしている。かわいらしく幼おさない外見がいけんの少女しょうじょキャラクターを対象たいしょうとする意味いみでは「ロリ」と「ぷに」は類似るいじした概念がいねんであるが、少女しょうじょに対たいする愛欲あいよくを描えがいたウラジーミル・ナボコフの小説しょうせつ『ロリータ』を語源ごげんとする「ロリ」が性的せいてきなニュアンスを含ふくむのに対たいし、「ぷに」にはそうしたニュアンスが含ふくまれないと解説かいせつされる場合ばあいもある。また、「ロリ」が成長せいちょう過程かていの少女しょうじょの精神せいしん性せいや儚はかなさにも魅力みりょくを求もとめるのに対たいし、「ぷに」は頬ほおの触感しょっかんなどに魅力みりょくを求もとめるフィジカルな志向しこうであり、似にて非ひなるものであるという主張しゅちょうもある。

歴史れきし

「ぷに」の起源きげん（1982年ねん）

「ぷに」の概念がいねんが確立かくりつするのは1990年代ねんだい後半こうはんであるが（本稿ほんこうの重要じゅうよう参考さんこう文献ぶんけんとなる『空想くうそう美少女びしょうじょ大だい百科ひゃっか』が1999年ねんの刊行かんこうである）、「ぷに」的てきな嗜好しこうは「ぷに」「ぷにぷに」といった言葉ことばが誕生たんじょうする以前いぜんから潜在せんざい的てきに存在そんざいしていた。その起源きげんは定さだかではないが、後ごの「ぷに」的てきなキャラクターに影響えいきょうを与あたえた特筆とくひつすべきエポックとして、『空想くうそう美少女びしょうじょ大だい百科ひゃっか』では、1982年ねんのテレビアニメ『魔法まほうのプリンセス ミンキーモモ』のヒロインであるミンキーモモ（空そらモモ）など、芦田あしだ豊雄とみおがキャラクターデザインを手てがけた作品さくひんや、芦田あしだが立たち上あげたスタジオ・ライブが関かかわる一連いちれんの作品さくひんを挙あげている。なお、『ミンキーモモ』の脚本きゃくほんや構成こうせいに携たずさわった首藤しゅどう剛志たけしは、女おんなの子こ向むけに作つくった同どう作さくが男性だんせいのオタクに消費しょうひされ、あまつさえ「ロリコン向むけ」とまで看做みなされることに対たいしては「かなり不愉快ふゆかい」に思おもっていた。

SDキャラブーム（1990年ねん）

「ぷに」は「幼児ようじ」または「幼児ようじ性せい」の記号きごうとして機能きのうしていたが、1990年ねん前後ぜんこうの「ちびキャラ」「SDキャラ」ブームに伴ともない、異ことなった様相ようそうを見みせる。幼児ようじではないキャラをSD化かすることによって「ぷに」化かする手法しゅほうが登場とうじょうし、「ぷにキャラ」は驚おどろくべき多様たよう性せいを獲得かくとくした。その一いち例れいとして、『空想くうそう美少女びしょうじょ大だい百科ひゃっか』では『魔ま導しるべ物語ものがたり』『ぷよぷよ』の主人公しゅじんこうであるアルル・ナジャを挙あげている。

「ぷに」ムーブメントの発生はっせい（1990年ねん後半こうはん）

幼児ようじ体型たいけいの少女しょうじょや、ある特定とくていの傾向けいこうをもつ画風がふうによって描えがかれた少女しょうじょ像ぞうを指さす隠語いんごとしての「ぷに」「ぷにぷに」は、1990年代ねんだい後半こうはんにインターネットのCGサイトで発生はっせいした。「ぷにキャラ」を愛好あいこうする人々ひとびとは「ぷに萌もえ」と呼よばれ、1999年ねん当時とうじの同人どうじん業界ぎょうかいで大おおきな派閥はばつを形成けいせいした。

『おジャ魔女まじょどれみ』の放映ほうえい開始かいし（1999年ねん）

1999年ねんからは、『おジャ魔女まじょどれみ』を中心ちゅうしんとしたぷに系けい作品さくひん限定げんていの同人どうじん誌し即売そくばい会かい「ぷにケット」が、東京とうきょうで年としに2回かい開催かいさいされている。

萌もえ系けい4コマ誌しでの展開てんかい（2002年ねん）

2002年ねん、史上しじょう初はつの萌もえ系けい4コマ誌しとされる『まんがタイムきらら』が創刊そうかん。『きらら』の成功せいこうを受うけ、萌もえ系けい4コマ誌しが乱立らんりつした。「ぷにキャラ」も多おおかった。

2004年ねんには、ぷに系けいを専門せんもん的てきに扱あつかった萌もえ4コマ雑誌ざっし『COMICぎゅっと!』が平和へいわ出版しゅっぱんにより創刊そうかんされたが、僅わずか第だい3号ごうで休刊きゅうかんとなり、翌年よくねんの2005年ねんには出版しゅっぱん社しゃも倒産とうさんした。ただし同誌どうしの編集へんしゅう部ぶの意向いこうで「ぷに萌もえ」のコンセプトでキャラクターが創つくられ 連載れんさいが開始かいしされたきゆづきさとこの漫画まんが『GA 芸術げいじゅつ科かアートデザインクラス』は、その後ごも他社たしゃの雑誌ざっしに場ばを移うつして連載れんさいが続つづけられ、2009年ねんにはテレビアニメ化かも行おこなわれた。

ミニフィギュアブーム（2003年ねん）

2003年ねん7月がつ、海洋かいよう堂どうから「リカヴィネ」が発売はつばい。リカヴィネの爆発ばくはつ的てきヒットを受うけ、海洋かいよう堂どうは大嶋おおしま優ゆう木きによる「ワンダちゃん＆リセットちゃん」や「週刊しゅうかんわたしのおにいちゃん」など、同種どうしゅのミニフィギュアを多数たすう展開てんかいした。

「週刊しゅうかんわたしのおにいちゃん」のイラストを手掛てがけたYUGは、『電撃でんげき萌もえ王おう』や『マジキュー』などでも活躍かつやくし、「頬ほおをぷにぷにしたくなる『おんなのこ』」にかけては2004年ねん当時とうじの代表だいひょう的てきなクリエーターとされる。

また、他社たしゃからも同種どうしゅのミニフィギュアが展開てんかいされた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『空想くうそう美少女びしょうじょ大だい百科ひゃっか 電脳でんのう萌もえ萌もえ美少女びしょうじょ大だい集合しゅうごう!』宝島社たからじましゃ〈別冊べっさつ宝島たからじま〉、1999年ねん1月がつ3日にち、110-121,155頁ぺーじ頁ぺーじ。ISBN 4-7966-9421-8。 

関連かんれん項目こうもく

• ロリコン
• ロリータ
• シベール
• 少女しょうじょ愛あい
• つるぺた
• 童顔どうがん

外部がいぶリンク

• 同人どうじん用語ようご集しゅう ぷに - 同人どうじん用語ようごの基礎きそ知識ちしき