米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほう

USA PATRIOT Act
米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほう

制定せいてい議会ぎかい	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく第だい107議会ぎかい
引用いんよう
一般いっぱん法律ほうりつ	107-56
Stat.	115 Stat. 272 (2001)
改廃かいはい対象たいしょう
改正かいせいし た法律ほうりつ	電子でんし通信つうしんにおけるプライバシー保護ほご法ほう、コンピューター犯罪はんざい取締とりしまり法ほう、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほう、家族かぞく教育きょういく権けんとプライバシー法ほう、資金しきん洗浄せんじょう規制きせい法ほう、銀行ぎんこう秘密ひみつ法ほう、金融きんゆうプライバシー権けん法ほう、公正こうせい信用しんよう報告ほうこく法ほう、移民いみん国籍こくせき法ほう、犯罪はんざい被害ひがい者しゃ支援しえん法ほう、電話でんわ勧誘かんゆう販売はんばいによる消費しょうひ者しゃ詐欺さぎ・悪用あくよう予防よぼう法ほう
改正かいせいした USCの編へん	第だい8編へん、第だい12編へん、第だい15編へん、第だい18編へん、第だい20編へん、第だい31編へん、第だい42編へん、第だい47編へん、第だい49編へん、第だい50編へん
創設そうせつした USCの条じょう	第だい18編へん第だい2712条じょう、第だい31編へん第だい5318条じょう第だいA項こう、第だい15編へん第だい1681条じょう第だいv項こう、第だい8編へん第だい1226条じょう第だいA項こう、第だい18編へん第だい1993条じょう、第だい18編へん第だい2339条じょう、第だい18編へん第だい175条じょうb項こう、第だい50編へん第だい403条じょう～第だい405条じょう第だいb項こう、第だい51編へん第だい5103条じょう第だいa項こう
改正かいせいした USCの条じょう	第だい8編へん第だい1105条じょう、第だい8編へん第だい1182条じょうg項こう、第だい8編へん第だい1189条じょう、第だい8編へん第だい1202条じょう、第だい12編へん第だい248条じょう、第だい12編へん第だい1828条じょう、第だい12編へん第だい3414条じょう、第だい15編へん第だい1681条じょう第だいa項こう、第だい15編へん第だい6102条じょう、第だい15編へん第だい6106条じょう、第だい18編へん第だい7条じょう、第だい8編へん第だい81条じょう、第だい18編へん第だい175条じょう、第だい18編へん第だい470条じょう、第だい18編へん第だい471条じょう、第だい18編へん第だい472条じょう、第だい18編へん第だい473条じょう、第だい18編へん第だい474条じょう、第だい18編へん第だい476条じょう、第だい18編へん第だい477条じょう、第だい18編へん第だい478条じょう、第だい18編へん第だい479条じょう、第だい18編へん第だい480条じょう、第だい18編へん第だい481条じょう、第だい18編へん第だい484条じょう、第だい18編へん第だい493条じょう、第だい18編へん第だい917条じょう、第だい18編へん第だい930条じょう、第だい18編へん第だい981条じょう、第だい18編へん第だい1029条じょう、第だい18編へん第だい1030条じょう、第だい18編へん第だい1362条じょう、第だい18編へん第だい1363条じょう、第だい18編へん第だい1366条じょう、第だい18編へん第だい1956条じょう、第だい18編へん第だい1960条じょう、第だい18編へん第だい1961条じょう、第だい18編へん第だい1992条じょう、第だい18編へん第だい2155条じょう、第だい18編へん第だい2325条じょう、第だい18編へん第だい2331条じょう、第だい18編へん第だい2332条じょう第だいe項こう、第だい18編へん第だい2339条じょう第だいA項こう、第だい18編へん第だい2339条じょう第だいB項こう、第だい18編へん第だい2340条じょう第だいA項こう、第だい18編へん第だい2510条じょう、第だい18編へん第だい2511条じょう、第だい18編へん第だい2516条じょう、第だい18編へん第だい2517条じょう、第だい18編へん第だい2520条じょう、第だい18編へん第だい2702条じょう、第だい18編へん第だい2703条じょう、第だい18編へん第だい2707条じょう、第だい18編へん第だい2709条じょう、第だい18編へん第だい2711条じょう、第だい18編へん第だい3056条じょう、第だい18編へん第だい3077条じょう、第だい18編へん第だい3103条じょう、第だい18編へん第だい3121条じょう、第だい18編へん第だい3123条じょう、第だい18編へん第だい3124条じょう、第だい18編へん第だい3127条じょう、第だい18編へん第だい2517条じょう、第だい18編へん第だい3286条じょう、第だい18編へん第だい3583条じょう、第だい20編へん第だい1232条じょう第だいg項こう、第だい20編へん第だい9007条じょう、第だい31編へん第だい310条じょう（後のちに改正かいせいされた）、第だい31編へん第だい5311条じょう、第だい31編へん第だい5312条じょう、第だい31編へん第だい5217条じょう、第だい31編へん第だい5318条じょう、第だい31編へん第だい5319条じょう、第だい31編へん第だい5321条じょう、第だい31編へん第だい5322条じょう、第だい31編へん第だい5324条じょう、第だい31編へん第だい5330条じょう、第だい31編へん第だい5331条じょう、第だい31編へん第だい5332条じょう、第だい31編へん第だい5341条じょう、第だい42編へん第だい2284条じょう、第だい42編へん第だい3796条じょう、第だい42編へん第だい3796条じょう第だいh項こう、第だい42編へん第だい10601条じょう、第だい42編へん第だい10602条じょう、第だい42編へん第だい10603条じょう、第だい42編へん第だい10603条じょう第だいb項こう、第だい42編へん第だい14601条じょう、第だい42編へん第だい14135条じょう第だいA項こう、第だい47編へん第だい551条じょう、第だい49編へん第だい31305条じょう、第だい49編へん第だい46504条じょう、第だい49編へん第だい46505条じょう、第だい49編へん第だい60123条じょう、第だい50編へん第だい403条じょう～第だい403条じょう第だいc項こう、第だい50編へん第だい401条じょう第だいa項こう、第だい50編へん1702条じょう、第だい50編へん第だい1801条じょう、第だい50編へん第だい1803条じょう、第だい50編へん第だい1804条じょう、第だい50編へん第だい1805条じょう、第だい50編へん第だい1806条じょう、第だい50編へん第だい1823条じょう、第だい50編へん第だい1824条じょう、第だい50編へん第だい1842条じょう、第だい50編へん第だい1861条じょう、第だい50編へん第だい1862条じょう、第だい50編へん第だい1863条じょう
立法りっぽう経緯けいい
ジム・センセンブレナー議員ぎいんが2001年ねん10月がつ23日にちに下院かいん3162号ごう法案ほうあんとしてアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく下院かいんに提出ていしゅつ。 下院かいん司法しほう委員いいん会かい、下院かいん諜報ちょうほう活動かつどう常任じょうにん特別とくべつ委員いいん会かい、下院かいん金融きんゆうサービス委員いいん会かい、下院かいん外交がいこう委員いいん会かい、下院かいんエネルギー・商業しょうぎょう委員いいん会かい、(下院かいん通信つうしんインターネット小しょう委員いいん会かい)、下院かいん教育きょういく・労働ろうどう委員いいん会かい、下院かいん運輸うんゆインフラ整備せいび委員いいん会かい、上院じょういん軍事ぐんじ委員いいん会かいで審議しんぎ。 2001年ねん10月がつ24日にちに下院かいん通過つうか。（賛成さんせい: 357; 反対はんたい: 66） 2001年ねん10月がつ25日にちに上院じょういん通過つうか。（賛成さんせい: 98; 反対はんたい: 1） 2001年ねん10月がつ26日にちにジョージ・W・ブッシュ大統領だいとうりょうが法案ほうあんに署名しょめい。

米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほう（べいこくあいこくしゃほう、英えい: USA PATRIOT Act）は、2001年ねん10月がつ26日にち、ジョージ・W・ブッシュ大統領だいとうりょうによって署名しょめいされ、発効はっこうしたアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの議会ぎかい制定せいてい法ほうである。法律ほうりつの頭字かしらじ語ごの10文字もじ（USA PATRIOT）は2001年ねんのテロリズムの阻止そしと回避かいひのために必要ひつようかつ適切てきせつな手段しゅだんを提供ていきょうすることによりアメリカを統合とうごうし強化きょうかするための法律ほうりつ（英えい: Uniting and Strengthening America by Providing Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism Act of 2001 公立こうりつ法ほう107-56）を意味いみする。通称つうしょう愛国あいこく者しゃ法ほう（英えい: Patriot Act）としても知しられる。

愛国あいこく者しゃ法ほうは、テロリストによる2001年ねん9月がつ11日にちの攻撃こうげきに対応たいおうするため、特とくに法ほう執行しっこう機関きかんのアメリカ国内こくないにおける情報じょうほうの収集しゅうしゅうに関かんする規制きせいを緩和かんわし、財務ざいむ長官ちょうかんが持もっている資産しさんの移動いどう、特とくに外国がいこくの個人こじんまたは存在そんざいが関与かんよしている場合ばあい、に対たいする規制きせいの権限けんげんを強化きょうかし、法ほう執行しっこう機関きかんと移民いみんを管理かんりする当局とうきょくがテロ行為こういに関係かんけいがあると疑うたがわれる人物じんぶつの拘留こうりゅうまたは移民いみんを国外こくがいに追放ついほうするための規制きせいを緩和かんわするものである。愛国あいこく者しゃ法ほうはまた、国内こくないにおけるテロ行為こういを含ふくめるようテロリズムの定義ていぎを拡大かくだいし、こうして愛国あいこく者しゃ法ほうは法ほう執行しっこう機関きかんの権限けんげんが適用てきようされる行為こういの範囲はんいを大幅おおはばに拡大かくだいした。

2011年ねん5月がつ26日にち、バラク・オバマ大統領だいとうりょうは2011年ねんの愛国あいこく者しゃ法ほう日没にちぼつ条項じょうこう延長えんちょう法ほう（PATRIOT Sunsets Extension Act of 2011）に署名しょめいし、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの重要じゅうような3つの条項じょうこう、ロービング・タップ、企業きぎょう活動かつどうの記録きろくの捜査そうさ（図書館としょかん帯出たいしゅつ記録きろく条項じょうこう）、テロリスト集団しゅうだんではなく、テロリストと関係かんけいがある疑うたがいのある個人こじんを意味いみする「ローンウルフ」に対たいする監視かんしの指揮しき、は4年間ねんかん延長えんちょうされた。

延長えんちょう期限切きげんぎれの2015年ねん6月1日にち、失効しっこう。人権じんけんに配慮はいりょし修正しゅうせいされた米国べいこく自由じゆう法ほうが翌日よくじつ成立せいりつした。

概要がいよう

2001年ねん9月11日にちのアメリカ同時どうじ多発たはつテロ事件じけん後こう45日間にちかんで成立せいりつし、米国べいこく内外ないがいのテロリズムと戦たたかうことを目的もくてきとして政府せいふ当局とうきょくに対たいして権限けんげんを大幅おおはばに拡大かくだいさせた法律ほうりつである。この法律ほうりつにおいて電話でんわやEいーメール、医療いりょう情報じょうほう、金融きんゆう情報じょうほうや他たの記録きろくについて当局とうきょくに対たいし調査ちょうさする権限けんげんを拡大かくだいし、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく国内こくないにおいて外国がいこく人じんに対たいする情報じょうほう収集しゅうしゅうの制限せいげんに対たいする権限けんげんを緩和かんわし、財務省ざいむしょうに対たいし金融きんゆう資産しさんの移転いてん、とりわけ外国がいこく人じんや外国がいこく法人ほうじんについて規制きせいする権限けんげんを強化きょうかし、テロに関係かんけいする行為こういをとったと疑うたがわれるものに対たいし司法しほう当局とうきょくや入国にゅうこく管理かんり局きょくに対たいし入国にゅうこく者しゃを留置りゅうち・追放ついほうする権限けんげんを高たかめることを規定きていしている。さらに、「テロリズム」の定義ていぎを拡大かくだいし「国内こくないテロ」をも含ふくめ、その結果けっか本法ほんぽうは司法しほう当局とうきょくの拡大かくだいされた権限けんげんを行使こうしする場面ばめんが飛躍ひやく的てきに拡大かくだいしている。

2009年ねん3月2日にちにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく司法省しほうしょうが公開こうかいした、ブッシュ政権せいけんの政府せいふ高官こうかん達たちが作成さくせいした対たいテロ政策せいさく秘密ひみつメモ類るいによれば、“テロ容疑ようぎ者しゃ”に対たいする捜索そうさくは大統領だいとうりょうの政策せいさくであり憲法けんぽう修正しゅうせい条項じょうこう（第だい1条じょう・第だい4条じょう）の制約せいやくを受うけず随時ずいじ行おこなわれてよいし、また“戦時せんじに人権じんけんは制限せいげんされ得えるべき”と記しるされていたという。

経緯けいい

制定せいてい

2001年ねん10月がつ26日にち、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうにサインするブッシュ大統領だいとうりょう。

草案そうあんは、米国べいこく司法しほう次官じかんのベト・D・ディン（Viet D. Dinh）と後のちの国土こくど安全あんぜん保障ほしょう省しょう長官ちょうかん、マイケル・チャートフ（Michael Chertoff）を中心ちゅうしんにまとめられ、翌日よくじつの2001年ねん10月23日にち、共和党きょうわとうのジェームズ・F・センセンブレナー（James F. Sensenbrenner）下院かいん議員ぎいんによって、この法案ほうあんは下院かいん3162号ごう決議けつぎとしてアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく下院かいんに提出ていしゅつされた。この法案ほうあんは反対はんたい意見いけんもほとんどなく議会ぎかいを通過つうかし、10月25日にちにはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく上院じょういんも通過つうかした。上院じょういんでは民主みんしゅのロス・ファインゴールド（Russ Feingold）上院じょういん議員ぎいんが唯一ゆいいつ反対はんたい票ひょうを投とうじ、民主みんしゅのメアリー・ランドリュー（Mary Landrieu）上院じょういん議員ぎいんが唯一ゆいいつ棄権きけんした。翌よく10月26日にち、ブッシュ大統領だいとうりょうが法案ほうあんにサインを行おこなった。

「金融きんゆうにおける反はんテロ法ほう(The Financial Anti-Terrorism Act)」は2001年ねん10月17日にちに両りょう院議いんぎ会かいで承認しょうにんされたが、本法ほんぽう制定せいてい後ごは本法ほんぽうに組くみ込こまれた。同どう法ほうではテロリズムに対たいする資金しきん的てきな支援しえんをしている疑うたがいのある者ものに対たいして、資産しさんの凍結とうけつ、調査ちょうさ及および告訴こくそに関かんする権限けんげんを認みとめている。憲法けんぽうに基もとづいて議会ぎかいがそのような権限けんげんを持もつことができるのかどうかは、多おおくの訴訟そしょうの対象たいしょうとなっている。

この法律ほうりつは両院りょういんとも圧倒的あっとうてき多数たすうの差さで成立せいりつしているが、当初とうしょから市民しみんの自由じゆうの保護ほごを弱よわめるおそれがあるものだとして批判ひはんされていた。特とくに、反対はんたいする者ものは理由りゆうとして以下いかを挙あげている。

• 入国にゅうこく者しゃに対たいし無む期限きげんの留置とめおきが可能かのうな権限けんげんを与あたえている
• 司法しほう当局とうきょくによって行おこなわれる管理かんり権けん者しゃの承諾しょうだく無むく行おこなわれる家宅かたく捜索そうさく「こっそり忍しのび寄より盗ぬすみ見みる」調査ちょうさをできるようにしている
• 連邦れんぽう捜査そうさ局きょくに対たいし令状れいじょう抜ぬきで電話でんわ、電子でんしメール及および信書しんしょ、金融きんゆう取引とりひきの記録きろくを利用りようすることを拡大かくだいして認みとめている
• 図書館としょかんの帯出たいしゅつ記録きろくや所得しょとく情報じょうほうを含ふくめて司法しほう当局とうきょくが調査ちょうさできる

成立せいりつ後ご、いくつかの訴訟そしょうがこの法律ほうりつに対たいし提起ていきされたが連邦れんぽう裁判所さいばんしょは少すくなくとも1つの条項じょうこうについて違憲いけんとの判断はんだんを下くだした。

詳細しょうさい

9月11日にちの攻撃こうげきと炭疽たんそ菌きん事件じけんによってアメリカ人じんの間あいだに不安ふあんが広ひろがり、議会ぎかいは安全あんぜん保障ほしょうを強化きょうかする法案ほうあんの成立せいりつを急いそいだ。2001年ねん10月がつ23日にち、共和党きょうわとうのジム・センセンブレナー下院かいん議員ぎいんは、その月つきの初はじめに下院かいんと上院じょういんに提出ていしゅつされていた法案ほうあんを組くみ合あわせ、下院かいん3162号ごう法案ほうあんH.R. 3162として提出ていしゅつした。翌日よくじつの2001年ねん10月がつ24日にち、愛国あいこく者しゃ法ほうは賛成さんせい357票ひょう対たい反対はんたい66票ひょうで下院かいんを通過つうかし、民主党みんしゅとうの議員ぎいんが提出ていしゅつした法案ほうあんに圧倒的あっとうてきな差さをつけた。その翌日よくじつの2001年ねん10月がつ25日にち、愛国あいこく者しゃ法ほうは賛成さんせい98票ひょう対たい反対はんたい1票ひょうで上院じょういんを通過つうかした。

法案ほうあんに反対はんたいする者ものたちは、その移民いみんの拘留こうりゅうについてのあいまいな定義ていぎの権限けんげん、法ほう執行しっこう機関きかんの職員しょくいんによる所有しょゆう者しゃまたは占有せんゆう者しゃの同意どういまたは通知つうちのない家宅かたく捜索そうさくの許可きょか、連邦れんぽう捜査そうさ局きょく（FBI）による令状れいじょうのない通話つうわ、電子でんしメール、資産しさん管理かんり記録きろくの捜査そうさを可能かのうにする国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの拡大かくだい利用りようと法ほう執行しっこう機関きかんによる資料しりょうや資産しさんの記録きろくを含ふくむ企業きぎょう活動かつどうの記録きろくの捜査そうさについて批判ひはんした。議会ぎかいを通過つうかした後のち、愛国あいこく者しゃ法ほうにはいくつかの法律ほうりつ上じょうの課題かだいに直面ちょくめんし、連邦れんぽう裁判所さいばんしょは多おおくの条項じょうこうが憲法けんぽうに違反いはんしているという判決はんけつを下くだした。

愛国あいこく者しゃ法ほうの多おおくの条項じょうこうは、その通過つうかからおよそ4年ねんが経過けいかした2005年ねん12月31日にちの日没にちぼつの開始かいしに期限きげんを迎むかえた。日没にちぼつの日ひに先立さきだつ数すうか月げつのあいだ、愛国あいこく者しゃ法ほうの支持しじ者しゃたちは日没にちぼつ条項じょうこうを恒久こうきゅう的てきなものにするために働はたらきかけ、愛国あいこく者しゃ法ほうを批判ひはんする者ものたちは市民しみんが持もつ自由じゆうを保護ほごするために愛国あいこく者しゃ法ほうの様々さまざまな部分ぶぶんを改正かいせいしようと模索もさくした。2005年ねん7月がつ、アメリカ議会ぎかい上院じょういんは、愛国あいこく者しゃ法ほうのいくつかの重要じゅうような部分ぶぶんを変更へんこうした法案ほうあんを可決かけつしたが、下院かいんはもともとの表現ひょうげんを維持いじした法案ほうあんを支持しじした。2つの法案ほうあんはそれから、調停ちょうていのために開ひらかれた両院りょういん協議きょうぎ会かいにおいて、共和党きょうわとうと民主党みんしゅとう双方そうほうの上院じょういん議員ぎいんから市民しみんが持もつ自由じゆうを無視むししていると批判ひはんされた。

2006年ねん3月がつ2日にち、上院じょういんに提出ていしゅつされた法案ほうあんから変更へんこうされたほとんどの部分ぶぶんを取とり除のぞいたものが可決かけつされ、2006年ねん3月がつ9日にちと10日とおかに、ジョージ・W・ブッシュ大統領だいとうりょうによって署名しょめいされ、発効はっこうした。

背景はいけい

「w:History of the USA PATRIOT Act」も参照さんしょう

愛国あいこく者しゃ法ほうは多おおくのアメリカの法律ほうりつに変化へんかを与あたえた。重要じゅうような法律ほうりつには、1978年ねんの外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほう（Foreign Intelligence Surveillance Act of 1978、FISA）、1986年ねんの電子でんし通信つうしんにおけるプライバシー保護ほご法ほう（Electronic Communications Privacy Act of 1986、ECPA）、1986年ねんの資金しきん洗浄せんじょう規制きせい法ほう（Money Laundering Control Act of 1986、MLCA）、1970年ねんの銀行ぎんこう秘密ひみつ法ほう（Bank Secrecy Act of 1970、BSA）、と1952年ねんの移民いみん国籍こくせき法ほう（Immigration and Nationality Act of 1952、INA）がある。愛国あいこく者しゃ法ほうそれ自体じたいは9月11日にちのニューヨーク市しとペンタゴンに対たいする攻撃こうげきに対応たいおうするためのものである。これらの攻撃こうげきのあと、司法省しほうしょうが2001年ねんの反はんテロリズム法ほう（Anti-Terrorism Act of 2001）と呼よばれる法案ほうあんを提出ていしゅつする前まえに、議会ぎかいはただちにテロリスト対策たいさくの法案ほうあんを作成さくせいするために動うごきだした。この法案ほうあんは2001年ねんのテロリズムの阻止そしと回避かいひのために必要ひつような適切てきせつな手段しゅだんを提供ていきょうするための法律ほうりつ（the Provide Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism (PATRIOT) Act of 2001）として下院かいんに提出ていしゅつされ、のちにアメリカを統合とうごうし強化きょうかするための法ほう（the Uniting and Strengthening America (USA) Act、H.R. 2975）として10月12日にちに下院かいんを通過つうかした。そしてそれはラス・ファインゴールド上院じょういん議員ぎいんが提案ていあんした多おおくの修正しゅうせいが加くわえられたあと、上院じょういんにUSA法ほう（the USA Act、S. 1510）として提出ていしゅつされ、それらはすべて通過つうかした。法案ほうあんは最終さいしゅう的てきに、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほう（the USA PATRIOT Act）として10月23日にちに下院かいんに提出ていしゅつされ、 下院かいん2975号ごう法案ほうあんH.R. 2975、上院じょういん1510号ごう法案ほうあんS. 1510と下院かいん3004号ごう決議けつぎ（2001年ねんの金融きんゆう反はんテロリズム法ほう、the Financial Anti-Terrorism Act of 2001、H.R. 3004）の多おおくの条文じょうぶんと併合へいごうされた。 それはラス・ファインゴールド上院じょういん議員ぎいんただひとりだけが激はげしく抵抗ていこうし、反対はんたい票ひょうを投とうじた。パトリック・リーヒ上院じょういん議員ぎいんもまたいくつかの懸念けねんを表明ひょうめいした。 しかしながら、反対はんたいする者ものも支持しじする者ものも法案ほうあんの大だい部分ぶぶんは必要ひつようなものであると考かんがえていた。 最終さいしゅう的てきな法案ほうあんには、2005年ねんの12月15日にちの日没にちぼつに期限きげんを迎むかえる多おおくの条項じょうこうが含ふくまれていた。

論争ろんそうのために数すう多おおくの法案ほうあんは通過つうかしなかったが、それらは米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの改正かいせいを提示ていじした。これらのなかには個人こじんの権利けんりを保護ほごするための法律ほうりつ（Protecting the Rights of Individuals Act）、ベンジャミン・フランクリン真実しんじつの愛国あいこく者しゃ法ほう（Benjamin Franklin True Patriot Act）や安全あんぜん保障ほしょうと自由じゆうを確実かくじつにするための法律ほうりつ（Security and Freedom Ensured Act、SAFE）が含ふくまれる。2003年ねん1月がつ下旬げじゅん、センター・フォー・パブリック・インテグリティ（社会しゃかいの健全けんぜん性せいのためのセンター）の創設そうせつ者しゃであるチャールズ・ルイスは、政府せいふが成立せいりつを目指めざしていた2003年ねんの国内こくないの安全あんぜん保障ほしょうの充実じゅうじつを図はかるための法律ほうりつ（Domestic Security Enhancement Act of 2003）のコピーを暴露ばくろした。この大おおいに議論ぎろんとなった書類しょるいはすぐに、メディアや電子でんしフロンティア財団ざいだんのような組織そしきによって「第だい2の愛国あいこく者しゃ法ほう」または「愛国あいこく者しゃ法ほうの息子むすこ」とに呼よばれた。 法案ほうあんの内容ないようは司法省しほうしょうの10の部門ぶもんにわたり、さらに米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの改善かいぜんと拡大かくだいを提示ていじしていた。 司法省しほうしょうはそれがただの法案ほうあんに過すぎず、さらなる計画けいかくは含ふくまれていないと主張しゅちょうしたが、それは幅広はばひろく非難ひなんされた。

構成こうせい

愛国あいこく者しゃ法ほうは10章しょうから成なり、各かく章しょうは複数ふくすうの条じょうに分わかれている。各かく章しょうの内容ないようは以下いかの通とおりである。

第だい1章しょう テロリズムに対たいする国内こくないの安全あんぜん性せいの向上こうじょう

詳細しょうさいは「w:USA PATRIOT Act, Title I」を参照さんしょう

第だい1章しょうはテロリズムを予防よぼうするため、国内こくないにおける安全あんぜん保障ほしょうの対処たいしょ能力のうりょくを向上こうじょうさせることを目的もくてきとするものである。この章しょうによって、FBIが所轄しょかつするテロリズム活動かつどうへの対策たいさくとテロリストを識別しきべつするための本部ほんぶを設置せっちするための基金ききんが設もうけられた。大量たいりょう破壊はかい兵器へいきが関かかわる状況じょうきょうにおいて司法しほう長官ちょうかんによる要求ようきゅうがあったとき、軍隊ぐんたいによる支援しえんを提供ていきょうすることが認みとめられた。テロリズムが発生はっせいした場合ばあいの大統領だいとうりょうの権限けんげんとともに、国家こっか電子でんし犯罪はんざいタスクフォース（The National Electronic Crime Task Force）の権限けんげんが拡大かくだいされた。この章あきらはまた、9月11日にちのテロリストによる攻撃こうげきの直後ちょくごに、アラブ人じんやムスリムのアメリカ人じんを差別さべつするものであると非難ひなんされた。さきの法案ほうあんで多おおくの条項じょうこうのきっかけとなり、差別さべつの非難ひなんとなった一いち例れいは、かたちは違ちがっていたが、トム・ハーキン上院じょういん議員ぎいん(D-IA)がもともと提案ていあんした2001年ねんのテロリズム退治たいじ法ほう（the Combatting Terrorism Act of 2001）による修正しゅうせいである。それはもともと「ニューヨーク市し、ワシントンD.C.とペンシルベニアで起おこったテロリストによるハイジャックと攻撃こうげきの直後ちょくごに行おこなわれた2001年ねん9月がつ12日にちのミサにおけるわが国くにと犠牲ぎせい者しゃのためのワシントン大司教だいしきょう区くのセオドア・マキャリック枢機卿すうききょうの祈いのりは、すべてのアメリカ人じんに『我々われわれは犯人はんにんを探さがし出だし、無辜むこの民みんを傷きずつけてはならず、また我々われわれは道徳どうとくを欠かき、正ただしい道みちに導みちびこうとしないような人々ひとびとのようになってはならない』ことを思おもい起おこさせる」という表現ひょうげんが含ふくまれていた。特定とくていの人種じんしゅに対たいするさらなる中傷ちゅうしょうや暴力ぼうりょくへの非難ひなんは、第だい10章しょうでも、9月11日にちのテロリストによる攻撃こうげきの後のちに、ムスリムと間違まちがえられ、そのような行為こういへの非難ひなんがあったシク教徒きょうとのアメリカ人じんの例れいが詳細しょうさいに説明せつめいされている。

第だい2章しょう 監視かんし手続てつづき

詳細しょうさいは「w:USA PATRIOT Act, Title II」を参照さんしょう

第だい2章しょうは「監視かんし手続てつづきの改善かいぜん」と題だいされ、コンピューターを利用りようした不正ふせいまたは悪用あくよう行為こういを行おこなうテロリストの疑うたがいがある人物じんぶつや外国がいこく勢力せいりょくの秘密ひみつ活動かつどうと関係かんけいのあるエージェントへの監視かんしにおけるすべての観点かんてんを網羅もうらしている。それは先さきに制定せいていされていた外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうとの電子でんし通信つうしんにおけるプライバシー保護ほご法ほうを改正かいせいするものであり、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうで論争ろんそうとなったほとんどの多おおくはこの章しょうによるものである。特とくに、この章あきらは政府せいふの組織そしきによるアメリカ人じんと非ひアメリカ人じんに対たいする「外国がいこくの諜報ちょうほう機関きかんの情報じょうほう」の収集しゅうしゅうを許可きょかし、 外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうによる外国がいこくの諜報ちょうほう機関きかんの情報じょうほうの獲得かくとくを、以前いぜんは一般いっぱん的てきな目的もくてきに過すぎなかった、重要じゅうような目的もくてきに変化へんかさせた。定義ていぎの変化へんかは、犯罪はんざいの捜査そうさと外国がいこくの諜報ちょうほう機関きかんの監視かんしが重かさなったとき、犯罪はんざいの捜査そうさと外国がいこくの諜報ちょうほう機関きかんの情報じょうほうを収集しゅうしゅうするための監視かんしとの間あいだの法的ほうてきな「壁かべ」を取とり除のぞくことを意味いみした。 しかしながら、長ながく続つづいてきた政府せいふ機関きかんによる誤あやまった解釈かいしゃくが実際じっさいに存在そんざいし、この壁かべは未いまだに存在そんざいしていることを外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし再審さいしん裁判所さいばんしょ（United States Foreign Intelligence Surveillance Court of Review、FISCR）が明あきらかにした。外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうのもと、政府せいふは監視かんしの対象たいしょうがアメリカ人じんではなく、外国がいこく勢力せいりょくのエージェントであるということを証明しょうめいしなければならず、それを通つうじて憲法けんぽう修正しゅうせい第だい1条じょうによって保障ほしょうされた活動かつどうを行おこなう市民しみんはいかなる審査しんさもされてはならないという法律ほうりつ上じょうの要求ようきゅうもまた取とり除のぞかれた。この章あきらはまた、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうの物理ぶつり的てきな捜索そうさくと監視かんしの命令めいれいの期間きかんを延長えんちょうし、また連邦れんぽう大だい陪審ばいしんが招集しょうしゅうされる前まえに、当局とうきょくが他たの省庁しょうちょうと収集しゅうしゅうされた情報じょうほうを共有きょうゆうする権限けんげんを与あたえた。

盗聴とうちょうの可用性かようせいの範囲はんいと監視かんしの命令めいれいは第だい2章しょうによって拡大かくだいされた。パケット通信つうしんネットワークの監視かんしによって監視かんし対象たいしょうの位置いちと経路けいろを特定とくていすることが可能かのうになり、電子でんしプライバシー情報じょうほうセンター（Electronic Privacy Information Center、EPIC）はこれに反対はんたいするため、それがしばしばアドレスの情報じょうほうが含ふくまれる電子でんしメールやホームページのアドレスに配慮はいりょしていないと主張しゅちょうした。愛国あいこく者しゃ法ほうはアメリカのすべての地方裁判所ちほうさいばんしょの裁判官さいばんかんがそのような監視かんしの命令めいれいとテロリズムの捜査そうさのための令状れいじょうを出だすことを可能かのうにした。捜査そうさ令状れいじょうは愛国あいこく者しゃ法ほうの第だい3章しょうの蓄積ちくせきされた通信つうしん記録きろくへのアクセス法ほう（Stored Communications Access Act）によって拡大かくだいされ、FBIは盗聴とうちょうに関かんする法律ほうりつがより厳格げんかくに規定きていされたことを通つうじて、捜査そうさ令状れいじょうを通つうじた捜査そうさのために蓄積ちくせきされたボイスメールにアクセスすることが可能かのうになった。

法ほう執行しっこう機関きかんは様々さまざまな条項じょうこうによって電子でんし的てきな通信つうしん記録きろくを公開こうかいすることが可能かのうになった。それらの「保護ほごされたコンピュータ」を操作そうさまたは所持しょじする人ひとには、機器ききを操作そうさすることによって通信つうしんを傍受ぼうじゅするための権限けんげんが与あたえられ、こうして盗聴とうちょうに関かんする法律ほうりつによる要請ようせいは簡素かんそ化かされた。 「保護ほごされたコンピュータ」の定義ていぎは合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい18編へん1030条じょう(e)項こう(2)18 U.S.C. § 1030(e)(2)で定義ていぎされ、州しゅうを越こえてまたは外国がいこくとの商しょう取引とりひきにおいて広ひろく利用りようされているそのようなコンピュータは、アメリカ国外こくがいに存在そんざいするものも含ふくまれる。愛国あいこく者しゃ法ほうは、ケーブルテレビ局きょくに、合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい18章しょうの電子でんし機器ききによる監視かんしの情報じょうほうの公開こうかい（第だい119章しょう）、ペンレジスター装置そうちとトラップ・アンド・トレース装置そうち（第だい206章しょう）、蓄積ちくせきされた通信つうしん記録きろく（第だい121章しょう）に基もとづいた、利用りよう者しゃとの通信つうしんの記録きろくの義務ぎむ的てきおよび自主じしゅ的てきな情報じょうほうの公開こうかいを、登録とうろくされた利用りよう者しゃの視聴しちょう習慣しゅうかんの情報じょうほうの公開こうかいは除外じょがいされているが、求もとめている。

インターネットサービスプロバイダに対たいする召喚しょうかん令状れいじょうには「名前なまえ、住所じゅうしょ、短距離たんきょりおよび長距離ちょうきょり電話でんわ料金りょうきんの記録きろく、電話でんわ番号ばんごうまたは他たの登録とうろく者しゃの番号ばんごうまたは特定とくていすることができる情報じょうほうと登録とうろくしてからの期間きかん」だけでなく、電話でんわをかけた時刻じこくと時間じかんの長ながさ、利用りようしたサービスの形式けいしき、通信つうしん機器ききのアドレスの情報じょうほう（例たとえばIPアドレス）、支払しはらいの形式けいしき、銀行ぎんこうの口座こうざ番号ばんごうやクレジットカードの番号ばんごうまで含ふくめることが求もとめられた。対象たいしょうの人物じんぶつが「生命せいめいと身体しんたい」にかかわる危機ききに関連かんれんがあると推測すいそくされる場合ばあいには、通信つうしんプロバイダもまた顧客こきゃくの記録きろくを公開こうかいすることが許ゆるされている。

第だい2章しょうは3つの非常ひじょうに物議ぶつぎを醸かもした条項じょうこう、「極秘ごくひ強制きょうせい捜査そうさ」令状れいじょう、ロービング・タップと呼よばれる盗聴とうちょうの手法しゅほうとアメリカの市民しみんの行動こうどう様式ようしきを記しるした書類しょるいにアクセスすることができるようFBIに権限けんげんを与あたえた、によって構成こうせいされている。いわゆる「スネーク・アンド・ピーク」法ほうと呼よばれる法律ほうりつは、捜査そうさ令状れいじょうの実行じっこうを告知こくちすることを遅おくらせることを可能かのうにした。FBIが命令めいれいを受うける者ものに告知こくちしなければならない期間きかんは法律ほうりつによって特定とくていされておらず、FBIの現場げんばマニュアルには、それは「柔軟じゅうなん性せいのある基準きじゅん（flexible standard）」と書かかれており、裁判所さいばんしょの裁量さいりょうによって延長えんちょうされることもある。これらのスネーク・アンド・ピーク条項じょうこうは、2007年ねん9月がつ26日にち、ポートランド市しのブランドン・メイフィールド弁護士べんごしが捜査そうさによって誤あやまって投獄とうごくされたあと、アン・エイケン裁判官さいばんかんによって無効むこうであると宣言せんげんされた。裁判所さいばんしょは、捜査そうさがアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく憲法けんぽう修正しゅうせい第だい4条じょうが禁きんずる不合理ふごうりな捜査そうさにあたると判断はんだんした。

ロービング・タップとは、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょ（United States Foreign Intelligence Surveillance Court、FISC）の命令めいれいにより、ある者ものを特定とくていするためには必要ひつようのない、すべての公共こうきょうの電気でんき通信つうしん事業じぎょう者しゃと第三者だいさんしゃに対たいする盗聴とうちょうの命令めいれいのことである。司法省しほうしょうはこれらの盗聴とうちょうの命令めいれいにより、迅速じんそくに変化へんかする位置いち情報じょうほうを携帯けいたい電話でんわのような通信つうしん手段しゅだんによってテロリストを発見はっけんすることができるために重要じゅうようであると考かんがえているが、反対はんたいする者ものはそれが特とくに修正しゅうせい第だい4条じょうの条項じょうこうに違反いはんしていると考かんがえている。その他たに非常ひじょうに物議ぶつぎを醸かもしているのは、「国際こくさい的てきなテロリズムまたは諜報ちょうほう活動かつどうを防止ぼうしするため、憲法けんぽう修正しゅうせい第だい1条じょうただそれのみによって保護ほごされている、アメリカの人ひとの活動かつどうによって生うみ出だされた捜査そうさに関係かんけいがありうるすべての資料しりょう（書籍しょせき、記録きろく、白書はくしょ、書類しょるいなどの）に対たいして、そのような捜査そうさのためにその資料しりょうを提出ていしゅつするよう」FBIが要求ようきゅうする命令めいれいを出だすことができる条項じょうこうである。それは直接的ちょくせつてきに自由じゆうを制約せいやくすることを目的もくてきとしているわけではないが、特とくにアメリカ図書館としょかん協会きょうかい(American Library Association、ALA)は、この条項じょうこうに反対はんたいしている。2005年ねん6月がつ29日にち、決議けつぎは議会ぎかいを通過つうかし、それらは「米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの第だい215条じょうは政府せいふに、彼かれらが違法いほうな活動かつどうに関与かんよしていると思おもわれるようないかなる理由りゆうもない数すう多おおくの個人こじんの図書館としょかん利用りよう記録きろくを秘密裏ひみつりに要求ようきゅうし獲得かくとくすることを認みとめた」。しかしながら、アメリカ図書館としょかん協会きょうかいの態度たいどは批判ひはん的てきなものではなかった。アメリカ図書館としょかん協会きょうかいの明あきらかな批判ひはん的てきの態度たいどの1つは、マンハッタン政策せいさく研究所けんきゅうじょ（Manhattan Institute for Policy Research）のヘザー・マクドナルドがニューヨーク・シティ・ジャーナルで主張しゅちょうした、「第だい215条じょうをめぐる騒動そうどうは愛国あいこく者しゃ法ほうの恐怖きょうふをあおる1つの例れいである」というものであった。

第だい2章しょうはまた、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんの数かずを7人にんから11人にんに増ふやすこと（そのうち3人にんはワシントンD.C.から30マイル以内いないに居住きょじゅうする者ものでなければならない）や北朝鮮きたちょうせんやタリバンが支配しはいするアフガニスタンへの経済けいざい制裁せいさい、 FBIによる翻訳ほんやく者しゃの雇用こようを含ふくむ他ほかの数すう多おおくの様々さまざまな条項じょうこうについても触ふれている。

共和党きょうわとうのリチャード・アーミー下院かいん議員ぎいんの主張しゅちょうにより、愛国あいこく者しゃ法ほうはもともと2005年ねん12月31日にちに期限きげんを迎むかえる数すう多おおくの日没にちぼつ条項じょうこうが含ふくめられた。愛国あいこく者しゃ法ほうの日没にちぼつ条項じょうこうはまた、外国がいこくの諜報ちょうほう活動かつどうに対たいする捜査そうさの継続けいぞくを考慮こうりょして、条文じょうぶんにより期限きげんを迎むかえたあともそれらの捜査そうさ活動かつどうを継続けいぞくすることが許ゆるされた。期限きげんを迎むかえた条文じょうぶんは以下いかの通とおりである。

2005年ねん12月31日にちに期限きげんを迎むかえた第だい2章しょうの条文じょうぶん

条文じょうぶん	条文じょうぶんの題名だいめい
第だい201条じょう	テロリズムに関かんする盗聴とうちょう、会話かいわ、電子でんし機器ききによる通信つうしんの傍受ぼうじゅの権限けんげん。
第だい202条じょう	コンピュータを利用りようした犯罪はんざい行為こういに関かんする盗聴とうちょうや会話かいわ、電子でんし機器ききによる通信つうしんの傍受ぼうじゅの権限けんげん。
第だい203条じょう第だい(b)項こう	傍受ぼうじゅした電子でんし機器ききによる通信つうしん、盗聴とうちょう、会話かいわの情報じょうほうを共有きょうゆうする権限けんげん。
第だい204条じょう	諜報ちょうほう活動かつどうにおける例外れいがいとしての盗聴とうちょう、会話かいわ、電子でんし機器ききによる通信つうしんの傍受ぼうじゅと公開こうかいの制限せいげんについての明確めいかく化か。
第だい206条じょう	1978年ねんの外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうに基もとづくロービングによる監視かんしの権限けんげん。
第だい207条じょう	外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうに基もとづく外国がいこく勢力せいりょくのエージェントである非ひアメリカ人じんに対たいする監視かんしの期間きかん。
第だい209条じょう	令状れいじょうを要求ようきゅうするためのボイスメールの押収おうしゅう。
第だい212条じょう	生命せいめいと身体しんたいを保護ほごするための電子でんし機器ききによる通信つうしんの緊急きんきゅう的てきな公開こうかい。
第だい214条じょう	外国がいこく情報じょうほう活動かつどう監視かんし法ほうに基もとづくペンレジスター装置そうちとトラップ・アンド・トレース装置そうちの使用しようの権限けんげん。
第だい215条じょう	外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうに基もとづく記録きろくや他たの資料しりょうへのアクセス。
第だい217条じょう	コンピュータへの侵入しんにゅう者しゃの通信つうしんの傍受ぼうじゅ。
第だい218条じょう	外国がいこくの諜報ちょうほう活動かつどうの情報じょうほう。
第だい220条じょう	電子でんし機器ききの証拠しょうこを押収おうしゅうするための捜査そうさ令状れいじょうによる全国ぜんこく規模きぼの捜査そうさ活動かつどう。
第だい223条じょう	承認しょうにんを経へずに公開こうかいされた情報じょうほうに対たいする民事みんじ責任せきにん。
第だい225条じょう	外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうに基もとづく盗聴とうちょうにおける法令ほうれい遵守じゅんしゅの免除めんじょ。

第だい3章しょう テロリズムを予防よぼうするための資金しきん洗浄せんじょう対策たいさく

詳細しょうさいは「w:USA PATRIOT Act, Title III」を参照さんしょう

愛国あいこく者しゃ法ほうの第だい3章しょうは「2001年ねんの国際こくさい的てきな資金しきん洗浄せんじょうの排除はいじょおよび金融きんゆう反はんテロリズム法ほう（International Money Laundering Abatement and Financial Anti-Terrorism Act of 2001）」と題だいされ、国際こくさい的てきな資金しきん洗浄せんじょうと金融きんゆうテロリズムの予防よぼう、発見はっけん、告発こくはつを目的もくてきとしている。それは先さきに制定せいていされていた1986年ねんの資金しきん洗浄せんじょう規制きせい法ほう(MLCA)と1970年ねんの銀行ぎんこう秘密ひみつ法ほう(BSA)の一部いちぶを改正かいせいするものである。それは3つの節ふしに分わかれており、第だい1節せつは主おもに資金しきん洗浄せんじょう、特とくに国際こくさい的てきなもの、に対たいする銀行ぎんこうの規制きせいの強化きょうかを取とり扱あつかっている。第だい2節せつでは法ほう執行しっこう機関きかんと金融きんゆう機関きかんのコミュニケーションの改善かいぜん、利用りよう記録きろく保持ほじ期間きかんの拡大かくだいと当局とうきょくの要請ようせいへの報告ほうこくについて触ふれられている。第だい3節せつでは、最高さいこう刑けいの4倍ばいが科かせられる外国がいこく通貨つうかの偽造ぎぞうを含ふくむ通貨つうかの密輸みつゆと偽造ぎぞうを取とり扱あつかう。

第だい1節せつでは、アメリカ政府せいふにとって懸念けねんとなっている資金しきん洗浄せんじょうについて、世界せかいにおける取引とりひきの総量そうりょうの示しめす記録きろくの所持しょじの強化きょうかを金融きんゆう機関きかんに要請ようせいした。それはまた、金融きんゆう機関きかんに銀行ぎんこう口座こうざの実質じっしつ的てきな所有しょゆう者しゃと誰だれがそれを利用りようしまたは銀行ぎんこう経由けいゆ支払しはらい口座こうざを通つうじて資金しきんを迂回うかいする権限けんげんが与あたえられているのかを特定とくていするための有効ゆうこうな手段しゅだんを与あたえた。財務省ざいむしょうが課かした規制きせいは、金融きんゆう業界ぎょうかい内ないで資金しきん洗浄せんじょうを予防よぼうするために情報じょうほうを共有きょうゆうすることを目的もくてきとしている。新あらたな規制きせいは、記録きろくの保持ほじの要求ようきゅうの拡大かくだいとともに、当局とうきょくが資金しきん洗浄せんじょうの活動かつどうを特定とくていすることをより容易よういにし、資金しきん洗浄せんじょうを行おこなう者ものが隠かくれてそれを行おこなうことをより困難こんなんにさせた。この節ふしでは、もし資金しきん洗浄せんじょうが見みつかった場合ばあい、資金しきん洗浄せんじょうを行おこなった疑うたがいのある者ものの資産しさんは凍結とうけつされることが明記めいきされた。金融きんゆう機関きかんにおける資金しきん洗浄せんじょうを削減さくげんしようとする努力どりょくのなかにおいて、財務省ざいむしょうには資金しきん洗浄せんじょうを予防よぼうするための施策しさくを取とらなかった金融きんゆう持株もちかぶ会社かいしゃと銀行ぎんこうのその他たの銀行ぎんこうや金融きんゆう持株もちかぶ会社かいしゃとの合併がっぺいを規制きせいする権限けんげんが与あたえられた。同様どうように、資金しきん洗浄せんじょう対策たいさくを取とらなかった保険ほけん業者ぎょうしゃと非ひ保険ほけん業者ぎょうしゃの合併がっぺいも規制きせいされた。

規制きせいは口座こうざや海外かいがいの銀行ぎんこうに対たいしても行おこなわれた。それはアメリカに活動かつどうの実態じったいのない銀行ぎんこうまたはアメリカ以外いがいの国くににおいて金融きんゆう当局とうきょくの監督かんとくの対象たいしょうとなっていない銀行ぎんこうの活動かつどうを禁きんじている。また、そのような銀行ぎんこうは金融きんゆう機関きかんにおいて口座こうざを利用りようすることを禁止きんしまたは規制きせいされている。現在げんざい金融きんゆう機関きかんは、アメリカ国外こくがいの銀行ぎんこうの利害りがい関係かんけい者しゃを調しらべるだけでなく、個人こじん的てきに所有しょゆうするすべてのコルレスバンクの口座こうざの所有しょゆう者しゃを特定とくていする手続てつづきをも行おこなわなければならない。 それはそのような銀行ぎんこうが資金しきん洗浄せんじょうに関与かんよしていないかどうかを確認かくにんするためにアメリカの機関きかんによって行おこなわれる調査ちょうさのために適用てきようされると期待きたいされている。銀行ぎんこうはアメリカにおいてアメリカ人じん以外いがいによって開設かいせつされたすべての個人こじんの銀行ぎんこう口座こうざの名目めいもく上じょうおよび実質じっしつ的てきな所有しょゆう者しゃを特定とくていしなければならない。もしそれが収賄しゅうわいを行おこなった公務員こうむいんの代理人だいりにんによって所有しょゆうまたは維持いじされていることが疑うたがわれる十分じゅうぶんな合理ごうり的てき理由りゆうがある場合ばあいには、さらなる調査ちょうさが行おこなわれることが期待きたいされている。現在げんざい、アメリカ国内こくないから外国がいこくの銀行ぎんこうへ送金そうきんされた預金よきんはすべて、外国がいこくの銀行ぎんこうがアメリカ国内こくないに持もつ銀行ぎんこうの口座こうざから銀行ぎんこう間あいだの取引とりひきを通つうじて行おこなわれたと考かんがえられている。このようにして、アメリカ国内こくないの金融きんゆう機関きかんにおけるすべての口座こうざにおいて、銀行ぎんこう間あいだの取引とりひきを通つうじて外国がいこくの銀行ぎんこう口座こうざに移動いどうされた資産しさんは全額ぜんがくに至いたるまで、差押さしおさえ、押収おうしゅうまたは令状れいじょうの発布はっぷの対象たいしょうとなりうる。銀行ぎんこう間あいだの取引とりひきを利用りようした集中しゅうちゅう口座こうざについて、そのような口座こうざによって効果こうか的てきな口座こうざの取引とりひきの履歴りれきの情報じょうほうが提供ていきょうされることはなく、そしてこれは資金しきん洗浄せんじょうを行おこなうために利用りようされうるため、集中しゅうちゅう口座こうざには規制きせいが課かせられている。金融きんゆう機関きかんは顧客こきゃくが特定とくていの資産しさんを集中しゅうちゅう口座こうざへ直接ちょくせつ移動いどうしたり、集中しゅうちゅう口座こうざから引ひき出だしたり、または集中しゅうちゅう口座こうざを通つうじて資産しさんを移動いどうすることを禁きんじており、また顧客こきゃくに対たいしそのような口座こうざが存在そんざいすることを教おしえることも禁止きんしされている。金融きんゆう機関きかんが顧客こきゃくに対たいしそのような口座こうざを特定とくていすることにつながる情報じょうほうを提供ていきょうすることは許可きょかされていない。金融きんゆう機関きかんはすべての顧客こきゃくに対たいし単独たんどくあるいは複数ふくすうで所有しょゆうする資産しさんの集中しゅうちゅう口座こうざがどこにあるかを記録きろくし、特定とくていする方法ほうほうを使つかって追跡ついせきすることが求もとめられている。

資金しきん洗浄せんじょうの定義ていぎは、暴力ぼうりょく的てきな罪つみを犯おかすためにアメリカ国内こくないの金融きんゆう機関きかんで取引とりひきを行おこなうことや公務員こうむいんの贈収賄ぞうしゅうわいと税金ぜいきんの不正ふせい取引とりひき、規制きせいされている軍需ぐんじゅ物資ぶっしの密輸みつゆあるい違法いほうな輸出ゆしゅつ、そしてアメリカの司法しほう長官ちょうかんによる許可きょかを得えていない銃じゅうまたは弾薬だんやくの輸入ゆにゅうあるいは持もち込こみ、輸出ゆしゅつ管理かんり制度せいど（Export Administration Regulations）のもとで規制きせいされているすべての貨物かもつの密輸みつゆを含ふくむよう拡大かくだいされた。それにはアメリカが外国がいこくと締結ていけつしている条約じょうやくのもとで行おこなわれる犯罪はんざい人じんの引ひき渡わたし、またはアメリカが締結ていけつしている条約じょうやくのために必要ひつようとされている人物じんぶつの訴追そつい、知的ちてき財産ざいさん権けんを侵害しんがいする物品ぶっぴんの輸入ゆにゅうの取とり締しまり、サイバー犯罪はんざい、そして1938年ねんの外国がいこくエージェント登録とうろく法ほう（Foreign Agents Registration Act of 1938）に違反いはんするすべての重罪じゅうざいもまた含ふくまれている。それはまた、アメリカの司法しほう権けんが及およぶ域内いきないにおいて、規制きせいされた物資ぶっしの製造せいぞう、輸入ゆにゅう、販売はんばいまたは輸送ゆそうに関与かんよする外国がいこくに対たいして圧力あつりょくをかけるための資産しさんの凍結とうけつも認みとめている。現在げんざい、諸しょ外国がいこくはアメリカの地方裁判所ちほうさいばんしょによって執行しっこうされた資産しさんの凍結とうけつまたは判決はんけつの通知つうちについて解決かいけつ策さくを模索もさくしている。これは、アメリカ政府せいふが外国がいこく人じんの資産しさんの凍結とうけつまたは没収ぼっしゅうするための判決はんけつを得えるために、どのようにして差押さしおさえ令状れいじょうを申請しんせいするかを定さだめた新あたらしい法律ほうりつを通つうじてなされた。そのような申請しんせいが審理しんりされる際さいには、外国がいこくの裁判所さいばんしょの適正てきせいな手続てつづきに従したがう能力のうりょくに重点じゅうてんが置おかれている。愛国あいこく者しゃ法ほうはまた、財務ざいむ長官ちょうかんに、アメリカまたは他国たこくの金融きんゆう機関きかんへの振込ふりこみの名義めいぎ人じんを含ふくめ、どこで振込ふりこみが行おこなわれ、どこで引出が行おこなわれたか情報じょうほうを残のこすとともに、すべて適切てきせつな手続てつづきを取とることを外国がいこくの政府せいふに促うながすよう求もとめている。財務ざいむ長官ちょうかんはまた、資金しきん洗浄せんじょう、経済けいざい犯罪はんざい、そしてテロリスト集団しゅうだんの経済けいざい活動かつどうの捜査そうさにおける国際こくさい的てきな協力きょうりょくを促うながすよう命めいじられている。

愛国あいこく者しゃ法ほうはまた、公務員こうむいんの汚職おしょくに対たいする刑事けいじ罰ばつについて紹介しょうかいしている。公務こうむを行おこなう際さいに収賄しゅうわいを行おこなった政治せいじ家かまたは公務員こうむいん、贈賄ぞうわいを行おこなった者ものを含ふくむ、は、当人とうにんが賄賂わいろを行おこなった額がくの3倍ばい以下いかの罰金ばっきんを科かされるか、または15年ねん以下いかの懲役ちょうえき、または罰金ばっきんと懲役ちょうえきの双方そうほうが課かせられる。刑罰けいばつは10日とおか以内いないに口座こうざを閉鎖へいさするよう司法しほう長官ちょうかんまたは財務ざいむ長官ちょうかんに命令めいれいされたにもかかわらず従したがわなかった金融きんゆう機関きかんにも適用てきようされる。金融きんゆう機関きかんには10日間にちかんの期限きげんが過すぎた後のち、1日にち遅おくれるごとに1万まんドルの罰金ばっきんが科かせられる。

第だい2節せつは、資金しきん洗浄せんじょうを行おこなうことをより難むずかしくさせ、法ほう執行しっこう機関きかんと規制きせいを行おこなう当局とうきょくがより容易よういに取締とりしまりを行おこなうための試こころみとして、銀行ぎんこう秘密ひみつ法ほうのいくつかの改正かいせいとして行おこなわれた。銀行ぎんこう秘密ひみつ法ほうの1つめの改正かいせいは疑うたがわしい活動かつどうの報告ほうこくを受うけ取とった職員しょくいんまたは当局とうきょくが、情報じょうほう機関きかんに通知つうちすることを許可きょかするものである。利用りよう記録きろくの保持ほじと取引とりひき報告ほうこくに関連かんれんする問題もんだいを解決かいけつするため、数すう多おおくの改正かいせいがなされた。1万まんドル以上いじょうの硬貨こうかと外国がいこくの貨幣かへいを利用りようした取引とりひきが行おこなわれた際さいには書類しょるいを作成さくせいすることが新あらたに求もとめられ、銀行ぎんこう秘密ひみつ法ほうの報告ほうこくが求もとめている要求ようきゅうを回避かいひする方法ほうほうでの振込ふりこみは違法いほうとされた。当局とうきょくによる資金しきん洗浄せんじょう対策たいさくの規制きせいと審査しんさをより容易よういにするため、メインストリーム以外いがいの金融きんゆうシステムを用もちいる非公式ひこうしきの価値かち移動いどうシステムを操作そうさするマネー・サービス・ビジネス、が金融きんゆう機関きかんの定義ていぎに含ふくめられた。 金融きんゆう機関きかんは疑うたがわしい振込ふりこみについて報告ほうこくを行おこなうことが義務ぎむづけられるよう銀行ぎんこう秘密ひみつ法ほうは改正かいせいされ、そのような報告ほうこくを行おこなうことをより容易よういにするための試こころみがなされた。財務省ざいむしょうには金融きんゆう犯罪はんざい捜査そうさ網もう（Financial Crimes Enforcement Network、FinCEN）と呼よばれる部局ぶきょくが組織そしきされ、金融きんゆう機関きかんは安全あんぜんなコンピュータネットワークを構築こうちくし、疑うたがわしい振込ふりこみがあった場合ばあいにはそれを報告ほうこくし、関連かんれんする疑うたがわしい活動かつどうが行おこなわれた際さいには警告けいこくを発はっすることが命めいじられた。これらの報告ほうこくの要求ようきゅうとともに、数すう多おおくの条文じょうぶんが資金しきん洗浄せんじょうの予防よぼうと告発こくはつに関連かんれんづけられた。金融きんゆう機関きかんは資金しきん洗浄せんじょう対策たいさくの計画けいかくを立たてることが命めいじられ、銀行ぎんこう秘密ひみつ法ほうは資金しきん洗浄せんじょう対策たいさくのよりよい戦略せんりゃくを定義ていぎするために改正かいせいされた。資金しきん洗浄せんじょうと取引とりひき報告ほうこく義務ぎむ命令めいれい（Geographic targeting order、GTO）と一定いってい期間きかんの利用りよう記録きろくの保持ほじに違反いはんに対たいする民事みんじおよび刑事けいじ罰ばつもまた強化きょうかされた。銀行ぎんこう秘密ひみつ法ほうの小節しょうせつBの数すう多おおくの改正かいせいを通つうじて、法ほう執行しっこう機関きかんに連邦れんぽう準備じゅんび銀行ぎんこうのすべての建物たてもの、土地とち、財産ざいさんと人ひとの保護ほごを要請ようせいし、委員いいん会かいがこの権限けんげんを連邦れんぽう準備じゅんび銀行ぎんこうに与あたえることを許可きょかするよう連邦れんぽう準備じゅんび制度せいど理事りじ会かいの委員いいんに権限けんげんが与あたえられた。もうひとつの手段しゅだんは、アメリカのテロとの戦たたかいを支持しじする行動こうどうをとっている国くにを支援しえんするため、アメリカの国際こくさい的てきな金融きんゆう機関きかんの経営けいえい責任せきにん者しゃの声こえと票ひょうを用もちいることを指示しじすることである。金融きんゆう機関きかんの経営けいえい責任せきにん者しゃは今いまや、テロリズムに関与かんよまたは支援しえんする人物じんぶつに対たいして支払しはらいが行おこなわれていないかどうかを確実かくじつに監査かんさすることが求もとめられている。

第だい3節せつは、通貨つうかの犯罪はんざいについて取とり扱あつかう。その多おおくは銀行ぎんこう秘密ひみつ法ほうの影響えいきょうのため、資金しきん洗浄せんじょうを行おこなう者ものがそれを行おこなう際さいには伝統でんとう的てきな金融きんゆう機関きかんを回避かいひし、ビジネスには現金げんきん決済けっさいを用もちいてきた。大量たいりょうの現金げんきんの移動いどうによる資金しきん洗浄せんじょうを阻止そしするための新あらたな方策ほうさくとして、主おもに刑事けいじ手続てつづきにおける没収ぼっしゅうと資金しきん洗浄せんじょうに対たいする刑事けいじ罰ばつの強化きょうかに焦点しょうてんがあてられた。議会ぎかいは犯罪はんざい者しゃが資金しきんの振込ふりこみの報告ほうこくを巧妙こうみょうに回避かいひし、資金しきん洗浄せんじょうが報告ほうこくされることはほとんどなく、それが不十分ふじゅうぶんであることを見みい出だし、大量たいりょうの現金げんきんの密輸みつゆはそれ自体じたいが罪つみであることにしたほうがよいと判断はんだんした。そのため、犯罪はんざい者しゃが通貨つうか取引とりひきの報告ほうこくを回避かいひするために、1万まんドル以上いじょうに相当そうとうする物ものや金かねを人ひとを通つうじてあるいは貨物かもつ、商品しょうひんの購入こうにゅうまたはコンテナの運搬うんぱんを通つうじてアメリカから輸出ゆしゅつまたは他たの国くにから輸入ゆにゅうした場合ばあい、罪つみになるように銀行ぎんこう秘密ひみつ法ほうは改正かいせいされた。そのような罪つみによる刑罰けいばつは5年ねん以下いかの懲役ちょうえきが科かせられ、密輸みつゆされた財産ざいさんはすべて没収ぼっしゅうされる。また通貨つうか取引とりひき報告ほうこく違反いはんに対たいする民事みんじおよび刑事けいじ罰ばつは、犯罪はんざいにかかわった被告人ひこくにんの財産ざいさんと被告人ひこくにんに関かかわる財産ざいさんは没収ぼっしゅうされることとされた。許可きょかを得えずに企業きぎょう活動かつどうによって金銭きんせんを送おくり届とどけることもまた、法律ほうりつによって禁きんじられている。2005年ねん、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうのこの条項じょうこうは、イギリスの武器ぶき取引とりひき商しょうで2003年ねん8月がつに政府せいふのおとり捜査そうさによって逮捕たいほされたハーマント・ラカニの資金しきんの移動いどうの手助てだすけをしたイェフダ・アブラムを起訴きそするために用もちいられた。ラカニはミサイルをソマリアの軍人ぐんじんのふりをしたFBIのエージェントに売却ばいきゃくしようとしていた。偽造ぎぞうの定義ていぎはアナログ、デジタルまたは電子でんし機器ききによる写真しゃしんの再さい現像げんぞうにまで含ふくまれるよう拡大かくだいされ、そのような再さい現像げんぞう機器ききを所有しょゆうすることも違法いほうとされた。罰則ばっそくは20年ねん以下いかの懲役ちょうえきへと強化きょうかされた。資金しきん洗浄せんじょうの「非合法ひごうほう活動かつどう」にはテロリストに物資ぶっしの提供ていきょうまたは海外かいがいのテロリスト機関きかんに資源しげんを提供ていきょうすることが条文じょうぶんに含ふくまれるように拡大かくだいされた。法律ほうりつはアメリカの司法しほう権けんが及およぶ領域りょういき外がいにおいて不正ふせい行為こういに関与かんよまたは共謀きょうぼうする者ものについて明記めいきし、アメリカに対たいする有害ゆうがいとなるものは、アクセス装置そうちを利用りようした詐欺さぎ行為こういとそれに関連かんれんする活動かつどうについて定さだめた合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい18章しょう第だい1029条じょう合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい18編へん第だい1029条じょう 18 U.S.C. § 1029に基もとづき起訴きそされる。

第だい4章しょう 国境こっきょうの保全ほぜん

詳細しょうさいは「w:USA PATRIOT Act, Title IV」を参照さんしょう

第だい4章しょうは、司法しほう長官ちょうかんと移民いみん帰化きか局きょく（Immigration and Naturalization Service、INS）に、法律ほうりつの執行しっこうと監視かんしの権限けんげんを与あたえるため、1952年ねんの移民いみん国籍こくせき法ほう（INA）を改正かいせいするものである。司法しほう長官ちょうかんには、アメリカ北部ほくぶ国境こっきょうの移民いみん帰化きか局きょくに常勤じょうきん雇用こよう者しゃ（full-time employees、FTEs)の数かずを観察かんさつすることを命めいずるよう権限けんげんが与あたえられた。国境警備隊こっきょうけいびたい、税関ぜいかんと移民いみん帰化きか局きょくの職員しょくいんを3倍ばいに増ふやすための予算よさんが計上けいじょうされ、移民いみん帰化きか局きょくと税関ぜいかんによるカナダとの北部ほくぶ国境こっきょうの監視かんしの業務ぎょうむを改善かいぜんするための設備せつびの導入どうにゅうのための予算よさんは5000万まんドルさらに増額ぞうがくされた。また、移民いみん帰化きか局きょくには、職員しょくいんに最大さいだいで年間ねんかん3万まんドルの時間じかん外がい労働ろうどうの給与きゅうよを支払しはらうための権限けんげんも与あたえられた。ビザの発給はっきゅうを求もとめる請願せいがん者しゃに対たいしてビザを与あたえるかどうか、そして請願せいがん者しゃをアメリカに入国にゅうこくさせるかどうかを決きめるため、国務省こくむしょうと移民いみん帰化きか局きょくには、国家こっか犯罪はんざい情報じょうほうセンター（National Crime Information Center、NCIC）の州しゅう際ぎわ身元みもと確認かくにんインデックス（Interstate Identification Index、NCICまたはIII（トリプルアイ）や 指名しめい手配てはい人物じんぶつファイル、その他たの機関きかんが保有ほゆうする犯罪はんざい者しゃの情報じょうほうにアクセスする権限けんげんが与あたえられた。国務省こくむしょうには、指紋しもんを取とるための手続てつづきに関かかわる最終さいしゅう的てきな規則きそくと、国務省こくむしょうがこの情報じょうほうを利用りようすることが許ゆるされる条件じょうけんについてを策定さくていすることが求もとめられている。さらに国立こくりつ標準ひょうじゅん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ(National Institute of Standards and Technology、NIST)は、アメリカのビザを申請しんせいする個人こじんを特定とくていするための技術ぎじゅつ的てきな標準ひょうじゅんを策定さくていすることが命めいじられている。省庁しょうちょうや電子でんしシステムのプラットフォームを横断おうだんして技術ぎじゅつの標準ひょうじゅんを作成さくせいする理由りゆうは、個人こじんの特定とくていと異名いみょうによるビザ取得しゅとく防止ぼうしのために行おこなわれる背景はいけい調査ちょうさのためである。この報告ほうこく書しょは2002年ねん11月13日にちに発表はっぴょうされたが、国立こくりつ標準ひょうじゅん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょによると、これはのちに「指紋しもん押捺おうなつシステムは現在げんざいの最新さいしん式しきの指紋しもん認証にんしょうシステムほど正確せいかくではなく、1998年ねんに利用りようされていた民生みんせい用ようの指紋しもん認証にんしょうシステムとほぼ同おなじレベルであることが明あきらかにされた」。この報告ほうこく書しょはのちに2002年ねんの国境こっきょう安全あんぜん保障ほしょう拡充かくじゅうとビザ申請しんせい改革かいかく法ほう（Enhanced Border Security and Visa Entry Reform Act of 2002）の303条じょう（a）項こうによって改正かいせいされた。

小節しょうせつCのもと、テロリズムに関かんする様々さまざまな定義ていぎが変更へんこうあるいは拡大かくだいされた。外国がいこくの諜報ちょうほう機関きかんの外国がいこく人じんのメンバーあるいは代表だいひょう、またはテロリズムを行おこなおうとする集団しゅうだんがアメリカに入国にゅうこくすることができないよう、移民いみん国籍こくせき法ほうは遡及そきゅう的てきに改正かいせいされた。この規制きせいの強化きょうかには、そのような外国がいこく人じんの家族かぞくも含ふくまれる。「テロリストの活動かつどう」の定義ていぎは、爆発ばくはつ物ぶつや銃火じゅうか器きだけでなく、いかなる危険きけんな装置そうちを使つかった行動こうどうも含ふくまれるよう強化きょうかされた。「テロリストの活動かつどうに従事じゅうじする」こととは、参加さんかする、または計画けいかくすること、あるいはテロリズムの活動かつどうの準備じゅんびを請うけ負おうことであると定義ていぎされた。この定義ていぎには、諜報ちょうほう機関きかんによる潜在せんざい的てきなテロリストに対たいする情報じょうほう収集しゅうしゅう、 テロ組織そしきによる資金しきんの調達ちょうたつ、あるいはテロ行為こういを請うけ負おう人材じんざいの募集ぼしゅうが含ふくまれている。そのような活動かつどうを実現じつげんすることを計画けいかくしている人物じんぶつに知識ちしきを提供ていきょうすることがテロリストの活動かつどうを請うけ負おうことであると定義ていぎされた。そのような支援しえんには安全あんぜんな場所ばしょ、輸送ゆそう、通信つうしん、資金しきん、資金しきんの振込ふりこみまたはその他たの経済けいざい的てき利益りえき、虚偽きょぎの書類しょるいまたは身元みもと証明しょうめい、武器ぶき（化学かがく、生物せいぶつ、放射能ほうしゃのう兵器へいきを含ふくむ）、爆発ばくはつ物ぶつ、テロリストの活動かつどう訓練くんれんの支援しえんを提供ていきょうするなどの物質ぶっしつ的てきな援助えんじょが含ふくまれる。ある組織そしきがテロ組織そしきであるかどうかをするため決定けっていするための移民いみん国籍こくせき法ほうの明示めいじ的てきな基準きじゅんはテロリストの活動かつどうの定義ていぎを含ふくむよう改正かいせいされた。これらの改正かいせいは遡及そきゅう的てきに行おこなわれたが、それは合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい8章しょう第だい1189条じょう合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい8編へん第だい1189条じょう 8 U.S.C. § 1189のもとで国務省こくむしょうによってテロ組織そしきであると認定にんていされる前まえに組織そしきに加入かにゅうしたメンバーに適用てきようされるのではなく、組織そしきを脱退だったいした者ものに適用てきようされる。移民いみん国籍こくせき法ほうは愛国あいこく者しゃ法ほうによって改正かいせいされ、拘留こうりゅうを命めいじるための新あたらしい条文じょうぶんが追加ついかされた。

それはまた、ビザが認みとめられなかったり国外こくがいに追放ついほうされなければならない人ひとにも適用てきようされる。なぜならそれは彼かれらが違法いほうなスパイ活動かつどうに従事じゅうじするための入国にゅうこく、違法いほうな物品ぶっぴん、技術ぎじゅつまたは国家こっか機密きみつに関かかわる情報じょうほう輸出ゆしゅつ、政府せいふを管理かんり下かに置おくか転覆てんぷく、それともテロリストの活動かつどうと関係かんけいがあるか関係かんけいを持もとうとしていたことが確認かくにんされたからである。司法しほう長官ちょうかんまたは司法しほう次官じかんは、そのような外国がいこく人じんを、彼かれらがもはや釈放しゃくほうされるべきであると考かんがえられない限かぎり、アメリカから退去たいきょするまで拘留こうりゅうし続つづける。外国がいこく人じんが拘留こうりゅうされるのは最長さいちょう90日間にちかんであるが、彼かれらが国家こっかの安全あんぜん保障ほしょうにとって脅威きょういであると考かんがえられる場合ばあいには、6か月げつまで延長えんちょうできる。しかしながら、外国がいこく人じんが罪つみを犯おかしたり、または外国がいこく人じんの拘留こうりゅうから7日にち以内いないに国外こくがい退去たいきょの手続てつづきが始はじまらなければ、外国がいこく人じんは釈放しゃくほうされる。しかしながら、司法しほう長官ちょうかんは、それを無効むこうにする決定けっていを下くだすことができるが、法律ほうりつによってそうすべきでないとされる場合ばあいを除のぞき、そのような拘留こうりゅうを6か月げつごとに審査しんさしなければならない。拘留こうりゅうされた外国がいこく人じんは、6か月げつの間あいだに、必要ひつような書類しょるいに記入きにゅうすることよって、確認かくにんの再さい審査しんさを求もとめることができる。これに関連かんれんする作為さくいまたは決定けっていに対たいする司法しほうによる審査しんさは、司法しほうによる確認かくにんの利益りえきの審査しんさを含ふくめ、ヘイビアス・コーパスによる手続てつづきのもとで行おこなわれる。そのような手続てつづきは合衆国がっしゅうこく最高裁判所さいこうさいばんしょ、最高裁さいこうさいの裁判官さいばんかん、コロンビア特別とくべつ区く巡回じゅんかい区く合衆国がっしゅうこく上訴じょうそ裁判所さいばんしょ、その他たに申請しんせいする裁判所さいばんしょがない場合ばあいには合衆国がっしゅうこく地方裁判所ちほうさいばんしょに、必要ひつような書類しょるいに記入きにゅうすることにより、申請しんせいを開始かいしすることができる。上訴じょうそに対たいする最終さいしゅう的てきな判決はんけつはコロンビア特別とくべつ区く巡回じゅんかい区く合衆国がっしゅうこく上訴じょうそ裁判所さいばんしょが下くだす。愛国あいこく者しゃ法ほうの条文じょうぶんにより、そのような決定けっていによる6か月げつの間あいだ、司法しほう長官ちょうかんから毎月まいつき報告ほうこく書しょを作成さくせいすることが求もとめられ、下院かいん司法しほう委員いいん会かいと上院じょういん司法しほう委員いいん会かいに提出ていしゅつされる。

国務こくむ長官ちょうかんは、1996年ねんの不法ふほう移民いみん制度せいど改革かいかくおよび移民いみん責任せきにん法ほう（Illegal Immigration Reform and Immigrant Responsibility Act of 1996（IIRIRA）に記述きじゅつされている空港くうこう、海港かいこう、陸続りくつづきの国境こっきょうの入口いりくちのための統合とうごうされた出入国しゅつにゅうこくデータシステムを完全かんぜんに実施じっしすることを推進すいしんしなければならないという認識にんしきが議会ぎかいによって与あたえられた。彼かれらはまた、司法しほう長官ちょうかんは、2000年ねんの移民いみんおよび帰化きかサービスデータ管理かんり改善かいぜん法ほう（Immigration and Naturalization Service Data Management Improvement Act of 2000）の第だい3章しょうに記述きじゅつされている、統合とうごうされた出入国しゅつにゅうこくデータシステムタスクフォースをただちに発足ほっそくさせなければならないということを見出みいだした。議会ぎかいが出入国しゅつにゅうこくデータシステムの開発かいはつにおいて最もっとも重視じゅうししているのは、生体せいたい認証にんしょう技術ぎじゅつを利用りようし、また入国にゅうこくにおける認証にんしょうの際さいに必要ひつようとなるドキュメントの作成さくせいにおいて偽造ぎぞうすることができないものを開発かいはつすることである。彼かれらはまた、法ほう執行しっこう機関きかんが所有しょゆうしているデータベースと照合しょうごうできるシステムを望のぞんでいる。司法しほう長官ちょうかんは、不法ふほう移民いみん改革かいかくおよび移民いみん責任せきにん法ほうの第だい641条じょう（a）項こうによって創設そうせつされた、すべての海外かいがい留学生りゅうがくせいの入国にゅうこくの日付ひづけと場所ばしょを記録きろくする海外かいがい留学生りゅうがくせい監視かんしプログラムを実施じっしし、拡充かくじゅうすることを命めいじられている。プログラムの内容ないようはその他たに、司法しほう長官ちょうかんによる承認しょうにんを受うけ、教育きょういく長官ちょうかん、国務こくむ長官ちょうかんへの諮問しもんを経へた航空こうくう学校がっこう、語学ごがく研修けんしゅう学校がっこう、専修せんしゅう学校がっこうを含ふくむ入学にゅうがくを許可きょかした教育きょういく機関きかんの情報じょうほうを含ふくめるよう拡大かくだいされた。司法省しほうしょうには、プログラムの実施じっしのために、3600万まんドルの予算よさんが割わり当あてられた。

国務こくむ長官ちょうかんは、2007年ねん9月がつ30日にちまで、会計かいけい年度ねんどごとに合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい8章しょう第だい1187条じょう合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい8編へん第だい1187条じょう 8 U.S.C. § 1187に記載きさいされているビザ免除めんじょプログラムについて審査しんさし、議会ぎかいに報告ほうこくすることを命めいじられていた。国務こくむ長官ちょうかんはまた、ビザ免除めんじょプログラム制度せいどのもと、パスポートの偽造ぎぞうや盗難とうなんの予防よぼう、および偽造ぎぞうすることのできないパスポートを開発かいはつするためのプログラムが確立かくりつされている国こっかどうかの国籍こくせきを確認かくにんするための方法ほうほうの実施じっし状じょう況きょうについて調査ちょうさするよう命めいじられていた。国務こくむ長官ちょうかんはまた、複数ふくすうの領事館りょうじかんにビザを申請しんせいすることが問題もんだいになっていないかどうかを議会ぎかいに報告ほうこくすることを命めいじられていた。

ジョン・コニャーズ上院じょういん議員ぎいんとパトリック・リーヒ上院じょういん議員ぎいんによって導入どうにゅうされた最後さいごの節ふしにおいて、テロリズムの犠牲ぎせい者しゃ、およびその家族かぞくを保護ほごするための移民いみん制度せいどが設もうけられた。彼かれらは、犠牲ぎせい者しゃの家族かぞくのなかには、彼かれらが何なにも間違まちがいを犯おかしていないのにもかかわらず、9月11日にちのテロリストによる攻撃こうげきのために、重要じゅうような期限きげんに間まに合あうことができなかったか、あるいはテロ事件じけんによって彼かれらの配偶はいぐう者しゃが死亡しぼうしたため、特別とくべつ移民いみんの地位ちいが適用てきようされなくなってしまい、アメリカに永住えいじゅうするには不ふ適格てきかくであるとされている人々ひとびとがいると認識にんしきしている。

第だい5章しょう テロリズムの捜査そうさに対たいする障害しょうがいの除去じょきょ

詳細しょうさいは「w:USA PATRIOT Act, Title V」を参照さんしょう

それにより司法省しほうしょうは、テロリズムを退治たいじし、テロリストの行為こういを予防よぼうするための支援しえんを呼よびかける広告こうこくに従したがう者ものに対たいして、司法しほう長官ちょうかんが報奨ほうしょう金きんをと支払しはらうことができるようになった。25万まんドル以上いじょうの報奨ほうしょう金きんは司法しほう長官ちょうかんまたは大統領だいとうりょうの個人こじん的てきな承認しょうにんがなければ支払しはらわれないか提示ていじされず、報奨ほうしょう金きんが承認しょうにんされた場合ばあい、司法しほう長官ちょうかんは上下じょうげ両院りょういんの商務しょうむ・司法しほう・司法しほう科学かがく関連かんれん機関きかん小しょう委員いいん会かいの委員いいん長ちょうと少数しょうすう派は党とうの委員いいんに通知つうちしなければならない。1956年ねんの国務省こくむしょう基本きほん権限けんげん法ほう（State Department Basic Authorities Act of 1956）は改正かいせいされ、国務省こくむしょうは報酬ほうしゅうを提供ていきょうできるようになり、司法しほう長官ちょうかんと相談そうだんしながら、テロリスト組織そしきの完全かんぜんな解体かいたいあるいは大幅おおはばな縮小しゅくしょう、そしてテロリスト組織そしきの重要じゅうよう人物じんぶつの特定とくていを行おこなう。アメリカとカナダに対たいするテロリストの行為こういを防ふせぐことができると国務こくむ長官ちょうかんが判断はんだんした場合ばあいには、500万まんドル以上いじょうの懸賞けんしょう金きんを支払しはらう権限けんげんが与あたえられた。DNA分析ぶんせき未み処理しょりサンプル排除はいじょ法ほう（DNA Analysis Backlog Elimination Act of 2000）は、連邦れんぽう政府せいふが作成さくせいするテロリズムまたは暴力ぼうりょく的てきな犯罪はんざいを行おこなった者もののリストに掲載けいさいされた人物じんぶつのサンプルを含ふくめるよう改正かいせいされた。また、連邦れんぽう政府せいふの省庁しょうちょうは法ほう執行しっこう機関きかんと情報じょうほうを共有きょうゆうすることができるようになり、もうひとつの障壁しょうへきが取とり除のぞかれた。こうして愛国あいこく者しゃ法ほうは今いまや、電子でんし機器ききを使用しようした監かん視しまたは物理ぶつり的てきな捜索そうさくを通つうじて情報じょうほうを獲得かくとくした連邦れんぽう政府せいふの職員しょくいんが、起おこりうるあるいは実際じっさいの攻撃こうげき、破壊はかい活動かつどう、国際こくさい的てきなテロリズム、諜報ちょうほう機関きかんまたは外国がいこく勢力せいりょくのネットワークによる秘密ひみつの諜報ちょうほう活動かつどうから国くにを守まもるために行おこなわれる審査しんさにおいて、連邦れんぽう政府せいふの法ほう執行しっこう機関きかんの職員しょくいんと相談そうだんしながら調整ちょうせいを行おこなうことを可能かのうにした。

シークレットサービスの管轄かんかつ権けんは、コンピュータ犯罪はんざい、 アクセス装置そうち犯罪はんざい、虚偽きょぎの身元みもと証明しょうめい書しょまたは装置そうち、アメリカの金融きんゆう機関きかんに対たいするすべての犯罪はんざい活動かつどうを含ふくむよう拡大かくだいされた。教育きょういく総則そうそく法ほう（General Education Provisions Act）は、テロリズムの連邦れんぽう犯罪はんざいであると定義ていぎされている攻撃こうげき的てきな行為こういに対たいする審査しんさまたは手続てつづきのために、司法しほう長官ちょうかんまたは司法しほう次官じかんが関連かんれんする教育きょういく記録きろくを収集しゅうしゅう、保持ほじし、教育きょういく省しょうまたは機関きかんが所有しょゆうすることを認みとめるよう改正かいせいされた。司法しほう長官ちょうかんまたは司法しほう次官じかんは、「教育きょういく記録きろくが『テロリズムの連邦れんぽう犯罪はんざいに関与かんよしているかもしれない』情報じょうほうを含ふくんでいるおそれがあると信しんずるに足たる特定とくていの明瞭めいりょうな事実じじつがあるかどうかを確認かくにんしなければならない」。教育きょういく記録きろくを残のこす教育きょういく機関きかんが、そのような要請ようせいがあった場合ばあいに記録きろくを提出ていしゅつすることによる法的ほうてき責任せきにんはすべて免除めんじょされる。

愛国あいこく者しゃ法ほうで最もっとも論争ろんそうを呼よび起おこしたもののひとつが第だい5章しょうとそれに関連かんれんする国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかん（National Security Letter、NSLs）である。FBIによる国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんは行政府ぎょうせいふによる召喚しょうかん令状れいじょうの形式けいしきをとり、CIAと国防総省こくぼうそうしょうを含ふくむ他ほかの省庁しょうちょうもまた同様どうようであると伝つたえられている。令状れいじょうは特定とくていの法人ほうじんまたは組織そしきに属ぞくする個人こじんについて審査しんさに必要ひつような様々さまざまな記録きろくとデータを収集しゅうしゅうするために発布はっぷされる。それらは相当そうとうな理由りゆうまたは司法しほうによる監督かんとくを必要ひつようとせず、また令状れいじょうの受取うけとり人じんが令状れいじょうが発布はっぷされたことを公開こうかいすることを禁止きんしする裁判所さいばんしょによる命令めいれい（口外こうがい禁止きんし規定きてい、Gag order）が含ふくまれている。第だい5章しょうにより、以前いぜんはFBI長官ちょうかんまたは副ふく長官ちょうかんしかできなかったそのような要請ようせいによる国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの発行はっこうが捜査そうさ局きょくの特別とくべつ職しょくの職員しょくいんもまた発行はっこうできるようになった。愛国あいこく者しゃ法ほうのこの条項じょうこうは、不ふ特定とくていの集団しゅうだんに対たいするアメリカ政府せいふによる国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの発行はっこうが、憲法けんぽう修正しゅうせい第だい1条じょうおよび第だい4条じょうに違反いはんしているとしてアメリカ自由じゆう人権じんけん協会きょうかいが訴訟そしょうを起おこした。なぜなら国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの発行はっこうに対たいして裁判さいばんで反対はんたいする法的ほうてき手段しゅだんがないこと、そして書簡しょかんの口外こうがい禁止きんし規定きていのために命令めいれいについて書簡しょかんの対象たいしょうとなる人物じんぶつに対たいして司法しほう長官ちょうかんから知しらせることが許ゆるされていないのは違憲いけんであるからである。裁判所さいばんしょはアメリカ自由じゆう人権じんけん協会きょうかいの主張しゅちょうを受うけ入いれ、 違憲いけんであるとの判決はんけつを下くだした。 のちに米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうは再さい認証にんしょうされ、国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんに対たいする司法しほうによる審査しんさの手続てつづきを明記めいきするよう改正かいせいされた。国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの受取うけとり人じんは、司法しほう長官ちょうかんまたは他たの必要ひつような部署ぶしょに対たいし、命令めいれいを受うけ入いれるかまたは不服ふふくを申もうし立たてるために書簡しょかんを受領じゅりょうしたことを公開こうかいすることができるようになった。 しかしながら、2007年ねん合衆国がっしゅうこく地方裁判所ちほうさいばんしょは再さい認証にんしょうされた国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんですら無効むこうを宣言せんげんした。なぜなら口外こうがい禁止きんし規定きていに対たいする有意義ゆういぎな司法しほうによる審査しんさはなされず、違憲いけん状態じょうたいにあると判断はんだんされたからである。

第だい6章しょう テロリズムの被害ひがい者しゃおよびその家族かぞくに対たいする支援しえん

詳細しょうさいは「w:USA PATRIOT Act, Title VI」を参照さんしょう

第だい6章しょうは、アメリカ犯罪はんざい被害ひがい者しゃ支援しえん基金ききん（U.S. Victims of Crime Fund）を創設そうせつし、管理かんりするために、1984年ねんの犯罪はんざい被害ひがい者しゃ支援しえん法ほう（Victims of Crime Act of 1984、VOCA）を改正かいせいするものである。犯罪はんざい被害ひがい者しゃ支援しえん法ほうの改正かいせいは、公安こうあん省しょうの職員しょくいんまたはその家族かぞくに対たいする経済けいざい的てきな支援しえんの速度そくどを改善かいぜんし、促進そくしんするために行おこなわれた。法律ほうりつの改正かいせいにより、公務こうむの遂行すいこう中ちゅうにけがまたは死亡しぼうした職員しょくいんに対たいする支援しえん金きんは30日にち以内いないに支払しはらわれなければならなくなった。司法しほう次官じかんの権限けんげんは、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの第だい614条じょうにより、公安こうあん省しょう職員しょくいん共済きょうさいプログラム（Public Safety Officers Benefits Program）を含ふくむ司法しほう計画けいかく室しつ（Office of Justice Programs）のすべての組織そしきに対たいして許可きょかを与あたえることができるよう拡大かくだいされた。犯罪はんざい被害ひがい者しゃ支援しえん基金ききんに対たいする予算よさんは増額ぞうがくされ、給付きゅうふを受うける方法ほうほうが変更へんこうされた。犯罪はんざい被害ひがい者しゃ補償ほしょうプログラムによって給付きゅうふを受うけるための資格しかくを満みたした者ものに対たいする犯罪はんざい被害ひがい者しゃ支援しえん基金ききんを通つうじた給付きゅうふの金額きんがくは、基金ききんの総額そうがくの40％から60％へと増額ぞうがくされた。犯罪はんざい被害ひがい者しゃ補償ほしょうプログラムは、海外かいがいで被害ひがいに見舞みまわれたアメリカ国民こくみんに対たいする補償ほしょうも行おこなう。補償ほしょうの適用てきようを求もとめる者ものに対たいしてはミーンズテストが行おこなわれる。犯罪はんざい被害ひがい者しゃ法ほうにより、監督かんとく官かんは犯罪はんざい被害ひがい者しゃ支援しえん基金ききんから給付きゅうふを受うける者ものに対たいして、1年ねんごとに犯罪はんざい被害ひがい者しゃ支援しえんプログラムへと適用てきようの変更へんこうを求もとめることがある。犯罪はんざい被害ひがい者しゃ支援しえん法ほうの改正かいせいは、コロンビア特別とくべつ区く、 プエルトリコ自治じち連邦れんぽう区く、アメリカ領りょうヴァージン諸島しょとうまたはその他たのアメリカの領土りょうどに居住きょじゅうする犯罪はんざい被害ひがい者しゃに対たいしても行おこなわれた。犯罪はんざい被害ひがい者しゃ支援しえん法ほうはまた、テロリズムまたは大だい規模きぼな暴力ぼうりょく事件じけんにおける被害ひがい者しゃに対たいする補償ほしょうと支援しえんも提供ていきょうする。この改正かいせいにより、監督かんとく官かんは、犯罪はんざい被害ひがい者しゃ補償ほしょう制度せいどと犯罪はんざい被害ひがい者しゃ支援しえんプログラムの資格しかくを満みたす者ものと、被害ひがい者しゃ支援しえん組織そしきの職員しょくいん、連邦れんぽう政府せいふ、州しゅう、または地方ちほうの公共こうきょう団体だんたいの職員しょくいん、または犯罪はんざいの被害ひがい者しゃに支援しえんを提供ていきょうする非ひ政府せいふ組織そしきの職員しょくいんで被害ひがいに見舞みまわれた者ものに対たいする精神せいしん的てきなケアの提供ていきょうを要請ようせいすることができるようになった。基金ききんは、緊急きんきゅう救助きゅうじょ、緊急きんきゅう事態じたいに対応たいおうするための努力どりょくや支援しえん、補償ほしょう、訓練くんれんとテロリズムの審査しんさと起訴きそ手続てつづきにおける技術ぎじゅつ援助えんじょに対たいしても利用りようされる。

第だい7章しょう 重要じゅうよう基盤きばんの防護ぼうごのための地域ちいき的てき情報じょうほう共有きょうゆうの増進ぞうしん

詳細しょうさいは「w:USA PATRIOT Act, Title VII」を参照さんしょう

第だい7章しょうには1つの節ふしがある。この章しょうの目的もくてきは、国境こっきょう付近ふきんにおけるテロリストの活動かつどうに対たいするアメリカの法ほう執行しっこう機関きかんの能力のうりょくの向上こうじょうである。それは1968年ねんの包括ほうかつ的てき犯罪はんざい取締とりしまり及および街頭がいとう安全あんぜん法ほう（Omnibus Crime Control and Safe Streets Act of 1968）を改正かいせいすることによってなされた。

第だい8章しょう テロリズムに対たいする刑法けいほうの強化きょうか

詳細しょうさいは「w:USA PATRIOT Act, Title VIII」を参照さんしょう

第だい8章しょうでは、テロリズムの定義ていぎまたはその新あらたな刑けいの創設そうせつまたは再さい定義ていぎを扱あつかう。それにより、「国内こくないにおけるテロリズム」という用語ようごは、テロリストの活動かつどうとして、大量たいりょう破壊はかい兵器へいきを用もちいた活動かつどう、暗殺あんさつまたは誘拐ゆうかいが含ふくまれるよう再さい定義ていぎされた。その定義ていぎはまた、 「アメリカまたは他国たこくの刑法けいほうに違反いはんする人間にんげんの生活せいかつにとって危険きけんな」活動かつどうであるとされ、さらに、アメリカ国内こくないにおいて、「一般いっぱん市民しみんを恐怖きょうふに陥おとしいれることまたは何なにかを強要きょうようすること」、「脅迫きょうはくしてまたは強制きょうせい的てきに政府せいふの政策せいさくに影響えいきょうを与あたえようとすること」、または「政府せいふが指揮しきする活動かつどうに対たいして大量たいりょう破壊はかい兵器へいき、暗殺あんさつ、誘拐ゆうかいによって影響えいきょうを与あたえようとすること」であるとされた。 テロリズムにはまた架空かくうの問題もんだいを解決かいけつする詐欺さぎの定義ていぎが含ふくまれている。「保護ほごされたコンピュータ」、「被害ひがい」、「刑けい」、「人ひと」、「損失そんしつ」などの用語ようごを含ふくめ、サイバーテロリズムに関連かんれんする用語ようごもまた再さい定義ていぎされた。

公共こうきょう交通こうつう機関きかんに対たいして攻撃こうげきを行おこなう者ものに対たいする刑罰けいばつが新設しんせつされた。乗客じょうきゃくのいない車両しゃりょうに対たいする攻撃こうげきに関与かんよした者ものは、最大さいだいで20年ねんの懲役ちょうえきが科かされる。しかしながら、乗客じょうきゃくがいたときに公共こうきょう交通こうつう機関きかんの車両しゃりょうまたはフェリーを攻撃こうげきした場合ばあい、または攻撃こうげきの結果けっか死者ししゃが出でた場合ばあいには、刑罰けいばつは無期むき刑けいとなる。 この章あきらにより、予防よぼう医学いがく、善意ぜんいによる研究けんきゅうまたはその他たの平和へいわ的てきな目的もくてき以外いがいで、生物せいぶつ兵器へいきになりうる薬物やくぶつ、毒物どくぶつ、または流通りゅうつうシステムを武器ぶきとして使用しようすることについて定義ていぎするよう生物せいぶつ兵器へいきに関かんする法律ほうりつは改正かいせいされた。生物せいぶつ兵器へいきになりうる薬物やくぶつ、毒物どくぶつまたは流通りゅうつうシステムを使用しようしながら、正当せいとうな理由りゆうなくそれらを取とり扱あつかっていた者ものは、10年ねんの懲役ちょうえきまたは罰金ばっきんまたはその両方りょうほうが科かせられる。

テロリズムを支援しえんすると思おもわれる予防よぼうあるいは刑罰けいばつに処しょすべき活動かつどうに対たいする多おおくの措置そちが導入どうにゅうされた。テロリストをかくまうかまたは隠かくした者ものは、罰金ばっきんまたは10年ねん以下いかの懲役ちょうえき、またはその両方りょうほうが科かせられる。アメリカまたはアメリカの市民しみんに対たいするテロリズムの活動かつどうに関与かんよすることを計画けいかくしているすべて集団しゅうだんまたは個人こじんのすべての外国がいこくまたは国内こくないの資産しさんを凍結とうけつする権限けんげんを与あたえるよう、アメリカの資産しさん凍結とうけつに関連かんれんする法律ほうりつは改正かいせいされた。また、さらなるテロリストの活動かつどうの目的もくてきのために、彼かれらが個人こじんまたは組織そしきによって資産しさんを獲得かくとくし、維持いじしていた場合ばあいには、その資産しさんは凍結とうけつされる。愛国あいこく者しゃ法ほうの第だい805節せつは、テロリストに対たいする「物質ぶっしつ的てきな支援しえん」、および、特とくに「テロリズムに関かんする専門せんもん的てきな知識ちしきの助言じょげんまたは支援しえん」を禁きんじている。これは人道じんどう法ほうプロジェクト（Humanitarian Law Project）がアメリカ政府せいふに対たいして民事みんじ訴訟そしょうを提起ていきした後のち、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく連邦れんぽう裁判所さいばんしょによって違憲いけんであると判断はんだんされた。裁判さいばんでは、それが合衆国がっしゅうこく憲法けんぽう修正しゅうせい第だい1条じょうに違反いはんしており、その条項じょうこうは平均へいきん的てきな知能ちのうを持もつ人ひとがそれらが法律ほうりつに違反いはんしているかどうかを予想よそうするためには非常ひじょうにあいまいであり、こうして違法いほうであることを知しらずに攻撃こうげきに関与かんよする状況じょうきょうが起おこることにつながると判断はんだんされた。裁判所さいばんしょは、これが恣意しい的てきなまたは差別さべつ的てきな法律ほうりつの執行しっこうを許ゆるす効果こうかを持もつ可能かのう性せいがあるだけでなく、修正しゅうせい第だい1条じょうによって保障ほしょうされた権利けんりが萎縮いしゅくしてしまう可能かのう性せいがあると判断はんだんした。 議会ぎかいはその後ご「物質ぶっしつ的てきな支援しえんまたは資源しげん」、「訓練くんれん」、「専門せんもん的てきな助言じょげんまたは資源しげん」の意味いみを明確めいかくに定義ていぎすることによって法律ほうりつを改善かいぜんした。

サイバーテロリズムは様々さまざまな方法ほうほうによって取とり扱あつかわれた。保護ほごされたコンピュータに対たいして損害そんがいを与あたえた者もの、または権限けんげんが与あたえられていないにもかかわらず、コンピュータにアクセスし、攻撃こうげきに関与かんよした者ものには、刑罰けいばつが適用てきようされる。これらの攻撃こうげきには、他人たにんに合計ごうけい5000ドル以上いじょうの損害そんがいを与あたえること、または誰だれかの医療いりょう的てきな診察しんさつ、診断しんだん、または治療ちりょうを受うけるような悪わるい影響えいきょうを与あたえることが含ふくまれる。また、他人たにんにけがをさせること、公衆こうしゅうの衛生えいせいまたは安全あんぜんにとって脅威きょういとなること、または裁判さいばん、国防こくぼう、または国家こっかの安全あんぜん保障ほしょうの手段しゅだんとして使つかわれている政府せいふのコンピュータに損害そんがいを与あたえることなどの行為こういも含ふくまれる。保護ほごされたコンピュータを通つうじて強要きょうよう、強奪ごうだつを企くわだてることもまた禁きんじられている。コンピュータウイルスまたは他たのソフトウェアのメカニズムによって保護ほごされたコンピュータに被害ひがいを与あたえようとする者ものには10年ねん以下いかの懲役ちょうえきが科かせられ、権限けんげんが与あたえられていないにもかかわらず保護ほごされたコンピュータにアクセスし、その後ご保護ほごされたコンピュータに被害ひがいを与あたえた者ものにはさらに5年ねん以上いじょうの懲役ちょうえきが加算かさんされる。しかしながら、2度目どめの攻撃こうげきを行おこなった場合ばあいには、刑罰けいばつは最大さいだい20年ねんの懲役ちょうえきに増加ぞうかする。はまた、サイバーセキュリティにおけるフォレンジクス能力のうりょくの向上こうじょうと支援しえんを明記めいきしている。愛国あいこく者しゃ法ほうは、押収おうしゅうしたコンピュータ内ないに残のこっている犯罪はんざい活動かつどうとサイバーテロリズムに関連かんれんする証拠しょうこを調査ちょうさする能力のうりょくを持もち、連邦れんぽう政府せいふ、州しゅうおよび地方ちほう公共こうきょう団体だんたいの法ほう執行しっこう機関きかんの職員しょくいんとコンピュータ犯罪はんざいが専せん門もんの検察官けんさつかんに訓練くんれんと教育きょういくを施ほどこす能力のうりょくを持もつ地域ちいき的てきなコンピュータ・フォレンジクスの研究所けんきゅうじょを設立せつりつし、「複数ふくすうにまたがる管轄かんかつ権けんを持もつタスクフォースを利用りようすることを含ふくめ、連邦れんぽう政府せいふの法ほう執行しっこう機関きかんと州しゅうおよび地方ちほう公共こうきょう団体だんたいの法ほう執行しっこう機関きかんの職員しょくいんと検察官けんさつかんによるコンピュータに関連かんれんする犯罪はんざいについての手続てつづきにおいて、コンピュータ犯罪はんざいに関連かんれんする調査ちょうさ、分析ぶんせきと手続てつづきについての専門せんもん的てき知識ちしきと情報じょうほうの共有きょうゆうを促進そくしん、奨励しょうれいする」ことを司法しほう長官ちょうかんに命めいじている。そのような研究所けんきゅうじょを設立せつりつするための予算よさんとして、合計ごうけい5000万まんドルが割わり当あてられた。

第だい9章しょう 諜報ちょうほう活動かつどうの改善かいぜん

詳細しょうさいは「w:USA PATRIOT Act, Title IX」を参照さんしょう

第だい9章しょうは、中央ちゅうおう情報じょうほう局きょく長官ちょうかん（Director of Central Intelligence、DCI）に、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうのもとで収集しゅうしゅうされた外国がいこくの諜報ちょうほう活動かつどうの情報じょうほうの必要ひつよう条件じょうけんと優先ゆうせん順位じゅんいを創設そうせつすることを求もとめ、物理ぶつり的てきな捜索そうさくまたは電子でんし機器ききを使用しようした監視かんしによって得えられた情報じょうほうを精度せいどの高たかいものにし、司法しほう長官ちょうかんに助言じょげんを提供ていきょうするため、1947年ねんの国家こっか安全あんぜん保障ほしょう法ほう（National Security Act of 1947）を改正かいせいするものであり、効率こうりつ的てきで効果こうか的てきな外国がいこくの諜報ちょうほう活動かつどうの情報じょうほう収集しゅうしゅうを行おこなうことを目的もくてきとしている。それは法ほう執行しっこう機関きかんが審査しんさしている案件あんけんを危あやうくする情報じょうほうを除外じょがいしながら、司法省しほうしょうが獲得かくとくした外国がいこくの諜報ちょうほう活動かつどうの情報じょうほうをすべて公開こうかいするよう、司法しほう長官ちょうかんまたは法律ほうりつの執行しっこうに責任せきにんを負おう連邦れんぽう政府せいふの他ほかの省庁しょうちょうの長官ちょうかんに要求ようきゅうした。司法しほう長官ちょうかんと中央ちゅうおう情報じょうほう局きょく長官ちょうかんは、インテリジェンス・コミュニティーからの情報じょうほうに基もとづいた外国がいこくの諜報ちょうほう活動かつどうの情報じょうほうおよび起おこりうる外国がいこくの諜報ちょうほう活動かつどうによる犯罪はんざい活動かつどうの審査しんさの意図いとを司法しほう長官ちょうかんに通知つうちするための手続てつづきを速すみやかに改善かいぜんすることを命めいじられた。国家こっか安全あんぜん保障ほしょう法ほうのもとでは、国際こくさい的てきなテロリストの活動かつどうの情報じょうほう収集しゅうしゅうは外国がいこくの諜報ちょうほう活動かつどうに焦点しょうてんをあてたものに限かぎられていた。

多おおくの報告ほうこく書しょの作成さくせいが様々さまざまな諜報ちょうほう活動かつどうに関かんする政府せいふの省庁しょうちょうに委託いたくされた。委託いたくされたもので最善さいぜんの手段しゅだんのひとつとして、アメリカのインテリジェンス・コミュニティーからの諜報ちょうほう活動かつどうの情報じょうほうの断片だんぺんをタイムリーかつ正確せいかくに翻訳ほんやくし、コミュニティーの活動かつどうの支援しえんするための自動じどう翻訳ほんやく装置そうちの開発かいはつを目指めざした国立こくりつ仮想かそう翻訳ほんやくセンター（National Virtual Translation Center、NVTC）の設立せつりつが挙あげられる。2002年ねん2月がつ1日にち、愛国あいこく者しゃ法ほうはこれに対たいし提供ていきょうするよう求もとめた。しかしながら、「中央ちゅうおう情報じょうほう局きょく長官ちょうかんによる国立こくりつ仮想かそう翻訳ほんやくセンターについての報告ほうこく、インテリジェンス・コミュニティーの外国がいこく語ご能力のうりょくの向上こうじょう」と題だいされた報告ほうこく書しょが2か月げつ以上いじょう経たった後のち受理じゅりされ、そのなかで上院じょういん諜報ちょうほう活動かつどう特別とくべつ委員いいん会かいは「遅おくれたうえに、この法律ほうりつを作成さくせいする際さいに、それによって委員いいん会かいにタイムリーかつ価値かちある情報じょうほうが提供ていきょうされるという条文じょうぶんの文言もんごんに明あきらかに違反いはんしている」と報告ほうこくした。別べつの委託いたくされた報告ほうこく書しょでは、財務省ざいむしょうの外国がいこくテロリスト資産しさん追跡ついせきセンター（Foreign Terrorist Asset Tracking Center）と外国がいこく資産しさん管理かんり局きょく（Office of Foreign Assets Control）の再さい構成こうせいによる実用じつよう可能かのう性せいと望のぞましさについて触ふれられている。それは期限きげんが2002年ねん2月がつ1日にちまでだったが、未いまだ書かかれていない。上院じょういん諜報ちょうほう活動かつどう特別とくべつ委員いいん会かいは後のちに「中央ちゅうおう情報じょうほう局きょく長官ちょうかんと財務ざいむ長官ちょうかんは報告ほうこくすることができず、今回こんかい、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの節ふしに直接ちょくせつ違反いはんした」と不満ふまんを述のべ、彼かれらはさらに「法律ほうりつによって義務ぎむづけられている報告ほうこくはただちになされなければならず、それは法律ほうりつが義務ぎむづける要求ようきゅうの報告ほうこくをなぜ監督かんとく官かんがすることができなかったのか状況じょうきょうを説明せつめいする節ふしが含ふくまれていなければならない」と命令めいれいした。

その他たの措置そちとして、2002年ねん2月がつ1日にちまでに職員しょくいんまたは社員しゃいんが職務しょくむのテロリズム対策たいさくを妨さまたげるような認可にんかの準備じゅんびと提案ていあんに関かかわっていた場合ばあい、諜報ちょうほう活動かつどうと諜報ちょうほう活動かつどうに関連かんれんする問題もんだいについてのいくつかの報告ほうこくは、2002年ねん2月がつ1日にちまたは2002年ねん2月がつ1日にちの後のちのある日ひまで延期えんきされることが許ゆるされた。そのような延期えんきは、それが認みとめられる前まえに議会ぎかいによる承認しょうにんを必要ひつようとする。司法しほう長官ちょうかんは、外国がいこくの諜報ちょうほう活動かつどうの情報じょうほうを確認かくにんし、利用りようすることを職務しょくむとする専門せんもん家かとしての職員しょくいんの訓練くんれんに携たずさわる。政府せいふの職員しょくいんには、通常つうじょうは外国がいこくの諜報ちょうほう活動かつどうについて接せっしたり伝達でんたつしたりする機会きかいがない連邦れんぽう政府せいふの職員しょくいん、および職務しょくむの遂行すいこう中ちゅうにテロリストの活動かつどうまたは外国がいこくによる諜報ちょうほう活動かつどうの現場げんばに遭遇そうぐうする可能かのう性せいのある州しゅうおよび地方ちほう公共こうきょう団体だんたいの職員しょくいんも含ふくまれる。インテリジェンス・コミュニティーの職員しょくいんおよび従業じゅうぎょう員いんが合法ごうほう的てきな諜報ちょうほう活動かつどうを行おこない、インテリジェンスに関かかわるすべての人ひと、法人ほうじんまたは集団しゅうだんと関係かんけいを築きずき、維持いじする努力どりょくを奨励しょうれいする議会ぎかい声明せいめいが発表はっぴょうされた。

第だい10章しょう 雑則ざっそく

詳細しょうさいは「w:USA PATRIOT Act, Title X」を参照さんしょう

第だい10章しょうは、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの他ほかの節ふしに実際じっさいに適合てきごうさせることができなかった様々さまざまな法律ほうりつを制定せいていあるいは改正かいせいした。危険きけん物ぶつの取とり扱あつかいは、背景はいけい調査ちょうさを通過つうかし、彼かれらが危険きけん物ぶつを取とり扱あつかうことができることを実践じっせんによって示しめした者ものに限かぎり、許可きょかされた。司法省しほうしょうの監察かんさつ総監そうかん室しつ(United States Department of Justice Office of the Inspector General)は、司法省しほうしょうに対たいするすべての公民こうみん権けんの侵害しんがいの申もうし立たてを観察かんさつ、調査ちょうさし、議会ぎかいに報告ほうこくする職員しょくいんを任命にんめいするよう命めいじられた。それは持もち主ぬしが傍受ぼうじゅを許可きょかしたか、あるいは捜査そうさにおいて法律ほうりつに従したがって関与かんよしていた保護ほごされたコンピュータを通つうじたまたはそれによる通信つうしんの傍受ぼうじゅを除外じょがいするよう「電子でんし機器ききを使用しようした監視かんし」の定義ていぎを改正かいせいした。 資金しきん洗浄せんじょうの事例じれいでは、資金しきん洗浄せんじょうが行おこなわれたかあるいは資金しきん洗浄せんじょうの振込ふりこみが開始かいしされたところに至いたるまで、現在げんざい厳きびしい規制きせいが課かせられている。また、資金しきん洗浄せんじょうに関与かんよした外国がいこく人じんがアメリカに入国にゅうこくすることは禁止きんしされた。テロリズム発生はっせい時じの支援しえんおよびテロリズム予防よぼうのため、ファースト・レスポンダーには支援しえんが提供ていきょうされる。麻薬まやく取締とりしまり局きょく（Drug Enforcement Administration、DEA）には、南みなみおよび東ひがしアジアの警察けいさつの訓練くんれんのため、500万まんドルの予算よさんの権限けんげんが与あたえられた。司法しほう長官ちょうかんは、アメリカに入国にゅうこくしようとする人ひとの身元みもとを確認かくにんし、犯罪はんざい者しゃである疑うたがいのある人物じんぶつを記しるすため、FBIのデータベースと照合しょうごうするための生体せいたい認証にんしょう技術ぎじゅつを利用りようした装置そうちの実現じつげん可能かのう性せいについて研究けんきゅうするよう命めいじられた。また、テロリストの疑うたがいのある人物じんぶつが航空機こうくうきに搭乗とうじょうする前まえに航空こうくう会社かいしゃに彼かれらの名前なまえを提供ていきょうする技術ぎじゅつの実現じつげん可能かのう性せいの研究けんきゅうも命めいじられた。国防総省こくぼうそうしょうには、安全あんぜん保障ほしょう上じょうの理由りゆうで随意ずいい契約けいやくを結むすぶため、彼かれらの財源ざいげんを利用りようする一時いちじ的てきな権限けんげんが与あたえられた。最さい終章しゅうしょうはまた、慈善じぜん団体だんたいの代理だいりとして電話でんわ勧誘かんゆう販売はんばいを行おこなう業者ぎょうしゃに対たいして団体だんたいの目的もくてきや代表だいひょうの名前なまえ、メールアドレスなどその他たの情報じょうほうの開示かいじを要求ようきゅうする電話でんわ勧誘かんゆう販売はんばいによる消費しょうひ者しゃ詐欺さぎ・悪用あくよう予防よぼう法ほう（Telemarketing and Consumer Fraud and Abuse Prevention Act）を改正かいせいする情なさけ深ぶかいアメリカ人じんに対たいする犯罪はんざい防止ぼうし法ほう（Crimes Against Charitable Americans Act）と呼よばれる新あらたな法律ほうりつを生うみ出だした。それはまた、赤十字せきじゅうじ社しゃの職員しょくいんを装よそおってそのような不法ふほう行為こういに関与かんよした者ものに対たいする刑罰けいばつを1年ねんの懲役ちょうえきから5年ねんの懲役ちょうえきへと強化きょうかした。

再さい認証にんしょう

当初とうしょはこの法律ほうりつの多おおくの条項じょうこうは時限じげん法ほう（sunset provision）で4年ねん後ごの2005年ねん12月31日にちまでであった。しかし、恒久こうきゅう化かの動うごきは強つよくなり、2005年ねん7月がつ、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく上院じょういんは相当そうとう程度ていどの改正かいせいをした恒久こうきゅう化か法ほうを可決かけつし、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく下院かいんは大だい部分ぶぶんについて存続そんぞくさせる法案ほうあんを可決かけつさせた。 両りょう法案ほうあんに対たいしては、市民しみんの権利けんりを無視むししていると批判ひはんする一部いちぶの両りょう党とう上院じょういん議員ぎいんから両院りょういん協議きょうぎ会かいで批判ひはんがあったが、協議きょうぎ会かいでの成案せいあんが、上院じょういんの修正しゅうせい部分ぶぶんの大だい部分ぶぶんを削除さくじょして、2006年ねん3月2日にちにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく議会ぎかいを通過つうかし、ジョージ・W・ブッシュ大統領だいとうりょうにより2006年ねん3月9日にちに署名しょめいされた。

1. 第だい215条じょうに基もとづいて捜査そうさされる図書館としょかん帯出たいしゅつ記録きろくや医療いりょう記録きろくのような敏感びんかんな情報じょうほうは、高たかいレベルの承認しょうにんと議会ぎかいへのさらなる報告ほうこくが要求ようきゅうされる。 第だい215条じょうにより、これらの敏感びんかんなカテゴリーに属ぞくする記録きろくは、FBI長官ちょうかん、副ふく長官ちょうかんまたは諜報ちょうほう活動かつどうを担当たんとうする職員しょくいんの承認しょうにんなく収集しゅうしゅうされてはならない。
2. 第だい215条じょうに基もとづいて行おこなわれるテロリズムまたは外国がいこくによる諜報ちょうほう活動かつどうに関連かんれんする審理しんりには、事実じじつの提示ていじが求もとめられる。議会ぎかいでは、第だい215条じょうを適用てきようするためには、テロリズムまたは外国がいこくの諜報ちょうほう活動かつどうの情報じょうほうの獲得かくとくするために認みとめられた審理しんりに「関連かんれんする」記録きろくの事実じじつの提示ていじが含ふくまれていなければならないと報告ほうこくされている。議会ぎかいでは、事実じじつの提示ていじにおいて、市民しみんの自由じゆうを保護ほごするための手段しゅだんは現在げんざいの法ほう制度せいどには存在そんざいしていないと報告ほうこくされている。
3. 第だい215条じょうの否認ひにんまたは改変かいへんを認みとめる要求ようきゅうについて、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょの判断はんだんを明白めいはくに認みとめること。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうについての議会ぎかいの報告ほうこくは、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょによる裁量さいりょうについて、第だい215条じょうの適用てきようの承認しょうにんまたは改変かいへんだけでなく否認ひにんについても明あきらかにしている。
4. 第だい215条じょうの要求ようきゅうに基もとづき、アメリカの人ひとに対たいする情報じょうほうの獲得かくとくのためには、限界げんかいを維持いじし、普及ふきゅうするため、最低限さいていげんの手続てつづきが求もとめられる。議会ぎかいによる米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうについての報告ほうこくは、司法しほう長官ちょうかんにこのデータの限界げんかいと普及ふきゅうのための最低限さいていげんの手続てつづきを創設そうせつし、FBIはこの手続てつづきを利用りようするよう求もとめている。現在げんざいの法ほう制度せいどには、この市民しみんの自由じゆうのための手段しゅだんが含ふくまれておらず、リーヒ上院じょういん議員ぎいんは改正かいせいを要求ようきゅうした。
5. 第だい215条じょうの命令めいれいに対たいし、明白めいはくな法的ほうてき対抗たいこう手段しゅだんを提供ていきょうすること。現在げんざいの法ほう制度せいどは、第だい215条じょうが適用てきようされる前まえに法的ほうてきな審理しんりを要求ようきゅうしている。議会ぎかいによる米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの報告ほうこくは、第だい215条じょうによる命令めいれいが発令はつれいされた後のち、第だい215条じょうによる命令めいれいを受うけた者ものが外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょに提訴ていそする前まえに、法的ほうてきな審理しんり手続てつづきを創設そうせつする必要ひつようがあることを明あきらかにした。
6. 第だい215条じょうによる命令めいれいを受うけた者ものが、命令めいれいに従したがうためあるいは不服ふふくを申もうし立たてるための条件じょうけんを満みたすため、司法しほう長官ちょうかんまたはその他た必要ひつような人物じんぶつに対たいして命令めいれいを公開こうかいすること。現在げんざいの法ほう制度せいどは、第だい215条じょうによる命令めいれいを受うけた者ものがそのような命令めいれいに従したがうために令状れいじょうを、司法しほう長官ちょうかんに公開こうかいしてよいかどうかについて明あきらかにしていない。保留ほりゅう中ちゅうの議会ぎかいによる米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうについての報告ほうこくは、第だい215条じょうによる命令めいれいを受うけた者ものが令状れいじょうを命令めいれいに従したがうが不服ふふくを申もうし立たてるために、司法しほう長官ちょうかんまたはその他たの必要ひつような人物じんぶつに公開こうかいすることについて明確めいかくに述のべることによってこの問題もんだいについて明あきらかにしている。
7. 公的こうてき機関きかんによる第だい215条じょうの命令めいれいが適用てきようされた回数かいすうの報告ほうこくの必要ひつよう性せい。リーヒ上院じょういん議員ぎいんとその他たの民主党みんしゅとうの上院じょういん議員ぎいんの要求ようきゅうにより、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの議会ぎかい報告ほうこく書しょは、司法省しほうしょうに第だい215条じょうの適用てきようの申請しんせい、承認しょうにん、改変かいへん、否認ひにんされた回数かいすうの統計とうけいを毎年まいとし報告ほうこくするよう求もとめた。
8. 司法省しほうしょうの独立どくりつした査察ささつ官かんが、司法省しほうしょうによるすべての第だい215条じょうに基もとづいた監査かんさを指揮しきすること。議会ぎかいによる米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうについての報告ほうこく書しょは、司法省しほうしょうの独立どくりつした査察ささつ官かんが司法省しほうしょうによる第だい215条じょうに基もとづいたすべての指揮しきすることについて、行政ぎょうせい機関きかんによるさらなる情報じょうほうと議会ぎかいの監視かんしを求もとめている。
9. 国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんが出だされた場合ばあいに、明確めいかくな法的ほうてきな対抗たいこう手段しゅだんを提供ていきょうすること。現在げんざいの法ほう制度せいどでは、国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんが出だされた場合ばあい、それに対たいして裁判さいばんで争あらそうための手段しゅだんは存在そんざいしない。議会ぎかいの報告ほうこく書しょは、国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんが出だされた場合ばあい、裁判さいばんで争あらそう明確めいかくな権限けんげんを認みとめるよう、国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんを認みとめる存在そんざいするすべての法律ほうりつを改正かいせいすることを求もとめている。この市民しみんの自由じゆうを保護ほごするための制度せいどは、上院じょういんを通過つうかした国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんに関連かんれんする法律ほうりつを1つだけ改正かいせいした法案ほうあんよりもより力強ちからづよいものであり、現在げんざいの法ほう制度せいどには存在そんざいせず、アリゾナ州しゅう選出せんしゅつで共和党きょうわとうのジェフ・フレーク上院じょういん議員ぎいんが提出ていしゅつしたものである。
10. 国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんを受うけ取とった人ひとが、命令めいれいに従したがうか不服ふふくを申もうし立たてるため、司法しほう長官ちょうかんまたはその他たに必要ひつようとされる人ひとに書簡しょかんを公開こうかいしてよりかどうかについて明確めいかくにすること。現在げんざいの法ほう制度せいどでは、国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんを受うけ取とった人ひとが、命令めいれいに従したがうか不服ふふくを申もうし立たてるために、そのような命令めいれいの令状れいじょうを司法しほう長官ちょうかんまたはその他たの必要ひつようとされる人ひとに公開こうかいしてよいかどうかについて明あきらかではない。保留ほりゅう中ちゅうの議会ぎかいの米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの報告ほうこく書しょは、国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんを受うけ取とった人ひとが、命令めいれいに従したがうか不服ふふくを申もうし立たてるため、令状れいじょうを司法しほう長官ちょうかんまたはその他たの必要ひつようとされる人ひとに公開こうかいすることについてのべることにより、この問題もんだいの解決かいけつ策さくを明あきらかにしている。
11. 公開こうかいしない命令めいれいを国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんに自動的じどうてきに添付てんぷする場合ばあい。公開こうかいしない要求ようきゅうを政府せいふによる認可にんかによって国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんに添付てんぷする場合ばあい、議会ぎかいへの報告ほうこく書しょには目撃もくげき者しゃが損害そんがいを受うけたり国家こっかの安全あんぜん保障ほしょうが脅おびやかされるなどの理由りゆうの1つを明記めいきし、公開こうかいしなければならない。
12. 国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの公開こうかいしない要求ようきゅうに対たいする法的ほうてきな再さい審理しんり。国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの受取うけとり人じんは、公開こうかいしない命令めいれいについて、受取うけとり人じんが働はたらいているか住すんでいる地域ちいきの地方裁判所ちほうさいばんしょに不服ふふくを申もうし立たてることができる。
13. 公的こうてき機関きかんによる国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんが出だされた回数かいすうの報告ほうこく。リーヒ上院じょういん議員ぎいんと他たの民主党みんしゅとうの議会ぎかい議員ぎいんらの要求ようきゅうにより、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの報告ほうこく書しょは、初はじめて、公的こうてき機関きかんによるアメリカの人ひとに対たいして出だされた国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの情報じょうほうの統計とうけいについて報告ほうこくがなされた。
14. 国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの使用しように対たいする司法省しほうしょうの独立どくりつした査察ささつ官かんによる2つの監査かんさの指揮しき。議会ぎかいによる米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの報告ほうこくでは、公的こうてき機関きかんによるさらなる情報じょうほうの提供ていきょうと、2003年ねんから2006年ねんにかけて、司法省しほうしょうの独立どくりつした査察ささつ官かんに2つの監査かんさの指揮しきを求もとめることによる議会ぎかいによる監視かんしを提案ていあんしている。
15. 司法省しほうしょうによる国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの使用しようについて、議会ぎかいへのさらなる報告ほうこくを求もとめること。特とくに、議会ぎかいの報告ほうこく書しょは、上下じょうげ両院りょういんの司法しほう委員いいん会かいが国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの利用りように関かんするすべての機密きみつについての報告ほうこくを受うけることを求もとめている。現在げんざい、これらの委員いいん会かいは、法令ほうれいによって認みとめられた国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの機密きみつに関かんする報告ほうこくについて、その5分ぶんの1しか受うけ取とっていない。
16. 司法省しほうしょうに非公開ひこうかいの国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんが必要ひつようであるかどうか再さい審理しんりを求もとめること。もし国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの受取うけとり人じんが書簡しょかんの発行はっこう後ご1年ねん以上いじょう経過けいかした後のちに公開こうかいの禁止きんしについて不服ふふくを申もうし立たてる場合ばあい、司法省しほうしょうは書簡しょかんの非公開ひこうかいが必要ひつようであったかどうか再さい審理しんりしなければならず、そうでなければ非公開ひこうかいの要求ようきゅうは誤あやまりであったことになる。
17. 司法省しほうしょうによる国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの非公開ひこうかいの認可にんかの条件じょうけんの厳格げんかく化か。リーヒ上院じょういん議員ぎいんの求もとめにより、この認可にんかの条件じょうけんの厳格げんかく化かは、非公開ひこうかいの申請しんせい書しょに必要ひつような項目こうもくを満みたしたとき、上院じょういんによって確認かくにんされた職員しょくいんが認可にんかするときだけ適用てきようされる。
18. 司法省しほうしょうによるデータ・マイニング・プログラムの使用しようについて、議会ぎかいへの報告ほうこくを求もとめること。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの議会ぎかい報告ほうこく書しょは、データ・マイニング・プログラムの議会ぎかいによる監視かんしの拡大かくだいを司法省しほうしょうに求もとめ、司法省しほうしょうによるこれらのプロブラムのすべての使用しようまたは開発かいはつについて、議会ぎかいへの報告ほうこくを司法省しほうしょうに求もとめている。
19. 遅おくれの告知こくち付つきの捜査そうさ令状れいじょうが発布はっぷされてから30日にち以内いないの告知こくちを求もとめること。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの再さい認証にんしょうのための議会ぎかい報告ほうこく書しょは、裁判所さいばんしょの裁量さいりょうによって設定せっていされた捜査そうさの遅おくれの告知こくちの適切てきせつな量りょうの時間じかんの標準ひょうじゅんの厳格げんかく化かと明確めいかく化かについて、捜査そうさが開始かいしされてから30日にち以内いないの告知こくちを求もとめている。
20. 捜査そうさ令状れいじょうの遅おくれの告知こくちを90日にち以内いないに制限せいげんすること。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの議会ぎかい報告ほうこく書しょは、裁判所さいばんしょの裁量さいりょうによって設定せっていされた遅おくれの告知こくちの期間きかんの延長えんちょうについて、90日にち以内いないまでと厳格げんかくに明確めいかく化かしている。
21. 捜査そうさ令状れいじょうの告知こくちの遅おくれを延長えんちょうするため、必要ひつような最新さいしん情報じょうほうの提示ていじを求もとめること。最善さいぜんで最新さいしんの情報じょうほうに基もとづく裁判所さいばんしょによる告知こくちの遅おくれの延長えんちょうの審理しんりを保証ほしょうするため、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの議会ぎかい報告ほうこく書しょは、捜査そうさ令状れいじょうの告知こくちの遅おくれを延長えんちょうするため、申請しんせい者しゃが最新さいしんの情報じょうほうを示しめすことを求もとめている。
22. 告知こくちが遅おくれた捜査そうさ令状れいじょうの使用しようについて、公的こうてき機関きかんによる毎年まいとしの報告ほうこくを求もとめること。毎年まいとしの報告ほうこく書しょには、特とくに、「前まえの会計かいけい年度ねんどにおける令状れいじょうと告知こくちの遅おくれが認みとめられた令状れいじょうの適用てきようの数かず、そしてそのような令状れいじょうと認みとめられたあるいは認みとめられなかった延長えんちょうの数かず」が含ふくまれる。
23. ロービングによる監視かんしの申請しんせいが認みとめられる前まえに、さらなる特殊とくしゅ性せいの提示ていじを求もとめること。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの議会ぎかい報告ほうこく書しょは、外国がいこくによる諜報ちょうほう活動かつどうとテロリズムの捜査そうさにおける「ロービング」・タップの申請しんせいにおけるあいまいさの懸念けねんについて、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょにこれらを申請しんせいする際さい、「ロービング」・タップを認みとめるかどうかを審理しんりするため、さらなる特殊とくしゅ性せいの提示ていじを求もとめている。
24. 新あたらしい施設しせつを対象たいしょうとする「ロービング」・タップによる監視かんしを行おこなう際さい、裁判所さいばんしょに10日とおか以内いないの通知つうちを求もとめること。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの議会ぎかい報告ほうこく書しょは、捜査そうさ当局とうきょく者しゃが新あらたな施設しせつを対象たいしょうとする「ロービング」による監視かんしを行おこなう際さい、「ロービング」・タップを行おこなう当局とうきょく者しゃに外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょへの10日とおか以内いないの通知つうちを求もとめている。
25. 現在げんざい継続けいぞく中ちゅうの「ロービング」・タップによる監視かんしを行おこなっている場所ばしょまたは施設しせつについて、全体ぜんたいの総数そうすうを外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょに通知つうちすることを求もとめること。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの議会ぎかい報告ほうこく書しょは、「ロービング」・タップを行おこなう当局とうきょくの濫用らんようへの司法しほうによる監視かんしの拡大かくだいを提案ていあんしている。特とくに、議会ぎかいの報告ほうこく書しょは、監視かんしを行おこなっている当局とうきょくが、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょに、現在げんざいも「ロービング」・タップを継続けいぞく中ちゅうの場所ばしょまたは施設しせつの数かずについて報告ほうこくすることを求もとめている。
26. 外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょによる「ロービング」・タップを認みとめる命令めいれいにさらなる特殊とくしゅ性せいの提示ていじを求もとめること。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの議会ぎかい報告ほうこく書しょは、外国がいこくによる諜報ちょうほう活動かつどうとテロリズムに対たいする捜査そうさにおける外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょによる「ロービング」・タップを認みとめる命令めいれいについてそのあいまいさについて懸念けねんを表明ひょうめいし、さらなる特殊とくしゅ性せいの提示ていじを求もとめている。
27. 外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうの「ロービング」・タップについて、4年ねん後ごの日没にちぼつ条項じょうこうを設もうけること。外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうにより「ロービング」・タップを行おこなう当局とうきょくが濫用らんようを行おこなっているという証拠しょうこはなかったものの、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの議会ぎかい報告ほうこく書しょは、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうによるすべての「ロービング」・タップの濫用らんようを積極せっきょく的てきに防ふせぐため、この条項じょうこうを4年ねん後ごの日没にちぼつに失効しっこうさせることを提案ていあんした。

アメリカ議会ぎかい図書館としょかんの立法りっぽうの歴史れきしについてのウェブサイト THOMAS には、改正かいせいされた法案ほうあんを含ふくめ、45日間にちかんで成立せいりつした300本ほん以上いじょうの法案ほうあんが掲載けいさいされている。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうは3つの法案ほうあんによって再さい認証にんしょうされた。ひとつめは、2005年ねんの米国べいこく愛国あいこく者しゃおよびテロリズム予防よぼう再さい認証にんしょう法ほう（USA PATRIOT and Terrorism Prevention Reauthorization Act of 2005）であり、2005年ねん7月がつ、上下じょうげ両院りょういんを通過つうかした。この法律ほうりつは、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうと2004年ねんの諜報ちょうほう活動かつどう改革かいかくおよびテロリズム予防よぼう法ほう（Intelligence Reform and Terrorism Prevention Act of 2004 (IRTPA）の条項じょうこうを再さい認証にんしょうした。それはテロリストに対たいする死刑しけい、海港かいこうにおける安全あんぜん保障ほしょうの拡充かくじゅう、テロリストの経済けいざい活動かつどうに対たいする制裁せいさいのための新あらたな措置そち、シークレットサービスの新あらたな権限けんげん、覚醒剤かくせいざいの取とり締しまりの取とり組くみやその他たの様々さまざまな条項じょうこうのに関連かんれんする新あらたな条項じょうこうを生うみ出だした。再さい認証にんしょうしたふたつめの法律ほうりつは、2006年ねんの米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほう追加ついか再さい認証にんしょう改正かいせい法ほう（USA PATRIOT Act Additional Reauthorizing Amendments Act of 2006）であり、改正かいせいされたのち、2006年ねん2月がつに成立せいりつした。

ひとつめの法律ほうりつは、期限きげんが切きれた第だい2章しょうのふたつの条項じょうこうを除のぞき、すべてを再さい認証にんしょうした。ロービング・タップについて触ふれられている第だい206条じょうと外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうのもと、企業きぎょう活動かつどうの記録きろくへのアクセスを認みとめた第だい215条じょうのふたつの条文じょうぶんは、2009年ねん12月31日にちに改正かいせいされた。司法しほうによる監視かんしと回顧かいこを強化きょうかするため、第だい215節せつは改正かいせいされた。またそのような命令めいれいは、FBIの長官ちょうかん、副ふく長官ちょうかん、または国家こっか保安ほあん部長ぶちょうによるものだけに厳きびしく限定げんていされ、そのような情報じょうほうの伝搬でんぱんと収集しゅうしゅうを制限せいげんするための最低限さいていげんの手続てつづきが明記めいきされた。また口外こうがい禁止きんし規定きてい条項じょうこうが含ふくまれていた第だい215条じょうは、被告人ひこくにんが弁護士べんごしと接触せっしょくすることを許可きょかするよう改正かいせいされた。しかしながらその改正かいせいは、被告人ひこくにんが命令めいれいを公開こうかいしたFBIの職員しょくいんに伝つたえることになることをも意味いみしていた。この条件じょうけんは米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほう追加ついか再さい認証にんしょう改正かいせい法ほうによって削除さくじょされた。

2007年ねん2月がつ27日にちの土曜日どようび、バラク・オバマ大統領だいとうりょうは期限きげんを迎むかえようとしていた愛国あいこく者しゃ法ほうの3つの物議ぶつぎを醸かもした条文じょうぶんを一時いちじ的てきに1年間ねんかん延長えんちょうするための法律ほうりつに署名しょめいした。

• 裁判所さいばんしょが承認しょうにんした複数ふくすうの電話機でんわきを監視かんしするロービング・タップを正当せいとうなものであると認みとめること。
• 裁判所さいばんしょが承認しょうにんしたテロリズム対策たいさくの記録きろくと資産しさんの押収おうしゅうの業務ぎょうむを認みとめること。
• アメリカの市民しみんではなく、テロリスト集団しゅうだんの構成こうせい員いんとしては認識にんしきされていないかもしれないが、テロリズムに関与かんよした人物じんぶつを意味いみするいわゆるローンウルフに対たいする監視かんしを許可きょかすること。

2011年ねん2月がつ8日にちに行おこなわれた投票とうひょうにおいて、下院かいんは愛国あいこく者しゃ法ほうの条項じょうこうをさらに2011年ねんの終おわりまで延長えんちょうさせることを検討けんとうした。下院かいんの指導しどう者しゃたちは、中断ちゅうだんしている法案ほうあんに関かんする規則きそくに従したがい、議論ぎろんになっていない法案ほうあんで成立せいりつに3分ぶんの2以上いじょうを必要ひつようとする延長えんちょう法案ほうあんの成立せいりつをさせるために動うごいた。投票とうひょうの結果けっか、愛国あいこく者しゃ法ほうを延長えんちょうする法案ほうあんは成立せいりつしなかった。277名めいの議員ぎいんが賛成さんせいしたが、中断ちゅうだんしている法案ほうあんに関かんする規則きそくにより、法案ほうあんの成立せいりつに必要ひつような290票ひょうには届とどかなかった。愛国あいこく者しゃ法ほうは延長えんちょうされなければ、2011年ねん2月がつ28日にちに期限きげんを迎むかえることになっていた。しかしながら、結局けっきょくそれは275票ひょう対たい144票ひょうで成立せいりつした。2011年ねん2月がつ25日にち、2011年ねんの外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほう日没にちぼつ条項じょうこう延長えんちょう法ほう（FISA Sunsets Extension Act of 2011）は署名しょめいされ、成立せいりつした。

2011年ねん5月がつ26日にち、バラク・オバマ大統領だいとうりょうは、訪問ほうもん中ちゅうのフランスで、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの3つの重要じゅうような条項じょうこう、ロービング・タップ、企業きぎょう活動かつどうの記録きろくの捜索そうさく（図書館としょかん記録きろく帯出たいしゅつ記録きろく条項じょうこう）とテロリスト集団しゅうだんとは関連かんれんはないが、テロリストの活動かつどうと関係かんけいがある疑うたがいがある個人こじんを意味いみする「ローンウルフ」の監視かんしの指揮しき、を4年ねん延長えんちょうする2011年ねんの愛国あいこく者しゃ法ほう日没にちぼつ条項じょうこう延長えんちょう法ほうにオートペンを用もちいて署名しょめいした。共和党きょうわとうの指導しどう者しゃたちは、法案ほうあんに署名しょめいして法律ほうりつを成立せいりつさせるためにオートペンを使用しようすることが憲法けんぽう上じょうの要求ようきゅうに適合てきごうしているのかについて尋たずねた。

米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの条項じょうこうは、裁判さいばんによって違憲いけんとされたため、法律ほうりつが合憲ごうけんとなるよう再さい認証にんしょう法ほうは改正かいせいされた。それにより、司法しほうによる審査しんさの機会きかいと書簡しょかんの受取うけとり人じんに対たいする正当せいとうな法的ほうてき対抗たいこう手段しゅだんが与あたえられた。再さい認証にんしょう法ほうは、それでも国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんを非公開ひこうかいとし、すべての証拠しょうこを非公開ひこうかいかつ一方いっぽう的てきに提供ていきょうされることを許可きょかした。口外こうがい禁止きんし規定きてい条項じょうこうは維持いじされたが、自動的じどうてきではなくなった。それらは、非公開ひこうかいとすることが「アメリカの安全あんぜん保障ほしょうにとって危険きけんとなる場合ばあい、犯罪はんざいの捜査そうさの障害しょうがいとなる場合ばあい、テロリズム対策たいさくまたは諜報ちょうほう活動かつどう対策たいさくの捜査そうさの障害しょうがいとなる場合ばあい、外交がいこう関係かんけいの障害しょうがいとなる場合ばあい、または人命じんめいの安全あんぜんを確保かくほするために危険きけんを取とり除のぞく場合ばあい」にのみ、FBIの副ふく長官ちょうかんまたはその分野ぶんやに関かかわる局きょくの特別とくべつ捜査そうさ官かんによって承認しょうにんされる。しかしながら、非公開ひこうかいの命令めいれいは、被告人ひこくにんが国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの内容ないようの事実じじつを公開こうかいすることによって書簡しょかんの内容ないようを実行じっこうするための支援しえんができる人ひとや、弁護士べんごしに法的ほうてきな助言じょげんをすることができるすべての人ひとに公開こうかいできるべきだった。しかしながらまた、受取うけとり人じんはそのような公開こうかいをFBIに通知つうちすることが命めいじられた。そのような要求ようきゅうによる萎縮いしゅく効果こうかが懸念けねんされたため、追加ついか再さい認証にんしょう改正かいせい法ほうは、国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの受取うけとり人じんがそれについて弁護士べんごしに伝つたえる際さいのFBIへの通知つうちを要求ようきゅうする条項じょうこうを削除さくじょした。のちに追加ついか再さい認証にんしょう改正かいせい法ほうは、国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの受取うけとり人じんから、電子でんし的てきな通信つうしんサービスを提供ていきょうする業者ぎょうしゃを除のぞき、図書館としょかんを排除はいじょした。再さい認証にんしょう法ほうはまた、司法しほう長官ちょうかんに1年ねんに2回かい、公正こうせい信用しんよう報告ほうこく法ほう（Fair Credit Reporting Act（FCRA）に基もとづいて要求ようきゅうされたすべての国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんについて、上下じょうげ両院りょういんの司法しほう委員いいん会かい、諜報ちょうほう活動かつどう委員いいん会かいと下院かいん金融きんゆうサービス委員いいん会かいおよび上院じょういん銀行ぎんこう・住宅じゅうたく・都市とし問題もんだい委員いいん会かいに報告ほうこくすることを命めいじた。

米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうのロービング・タップ条項じょうこうについても改正かいせいがなされた。そのような盗聴とうちょうの適用てきようと命令めいれいは、もし電子でんし機器ききを使用しようした監視かんしの対象たいしょうとなる人物じんぶつの名前なまえが不明ふめいの場合ばあいには、それについての記述きじゅつがなされなければならなくなった。もし監視かんしの対象たいしょうとなる施設しせつまたは場所ばしょの所有しょゆう者しゃと位置いちが不明ふめいの場合ばあいは、10日とおか後ご、政府せいふはその情報じょうほうについて裁判所さいばんしょにおいて通知つうちしなければならなくなった。その通知つうちには、電子でんし機器ききを使用しようした監視かんしが行おこなわれるすべての施設しせつまたは場所ばしょの所有しょゆう者しゃと位置いちの情報じょうほうが含ふくまれていなければならない。それはまた、これから監視かんしが行おこなわれるまたは過去かこに監視かんしが行おこなわれ、現在げんざいも続つづいている対象たいしょうについて、申請しんせい者しゃの思想しそうや信条しんじょうを判断はんだんするため、申請しんせい者しゃについての事実じじつや環境かんきょうについても記述きじゅつしなければならない。申請しんせい者しゃはまた、規定きていされた最低限さいていげんの手続てつづきに基もとづき、当初とうしょの申請しんせいまたは命令めいれいに含ふくまれるものとは異ことなり、状況じょうきょうの変化へんかに応おうじて電子でんし機器ききを使用しようした監視かんしが必要ひつようとなるかもしれない施設しせつまたは場所ばしょについても詳述しょうじゅつしなければならない。申請しんせい者しゃは、当局とうきょくの命令めいれいにより、電子でんし機器ききを使用しようした監視かんしが行おこなわれてきた、または行おこなわれている全体ぜんたいの総数そうすうについて、詳述しょうじゅつしなければならない。

米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの第だい213条じょうは改正かいせいされた。かつては「スネーク・アンド・ピーク」令状れいじょうの対象たいしょうとなる者ものに対たいして令状れいじょうが発布はっぷされたことを遅おくれて通知つうちされることについて、「適切てきせつな時間じかんを経へて」と述のべられていた。それについて、用語ようごが定義ていぎされず、また定義ていぎされないまま使用しようされる可能かのう性せいがあることは適切てきせつではないと考かんがえられていた。こうして、再さい認証にんしょう法ほうはこれを改正かいせいし、通知つうちされるまでの期間きかんは、捜査そうさ令状れいじょうが発布はっぷされた日ひから30日にちを過すぎてはならないとされた。裁判所さいばんしょは、相応そうおうの理由りゆうがある場合ばあいには、この期間きかんを延長えんちょうする機会きかいを与あたえられた。第だい213条じょうには、もし「令状れいじょうが発布はっぷされたことをただちに通知つうちすることが逆ぎゃく効果こうかになると信しんずるに足たる相応そうおうの理由りゆうがある場合ばあいには」、通知つうちは遅おくれてなされることがあると書かかれている。これは、特とくにアメリカ自由じゆう人権じんけん協会きょうかいから、法ほう執行しっこう機関きかんによって悪用あくようされるおそれがあると批判ひはんされ、のちに遅おくれて通知つうちすることは、「それにより、裁判さいばんを不当ふとうに遅おくらせることにつながる場合ばあいに限かぎられる」と改正かいせいされた。2007年ねん9月がつ26日にち、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうのスネーク・アンド・ピーク条項じょうこうは裁判所さいばんしょにより違憲いけんであるとされたが、オレゴン地方裁判所ちほうさいばんしょは、条項じょうこうが、憲法けんぽう修正しゅうせい第だい4条じょうがあるにもかかわらず、あまりにも強力きょうりょくな権限けんげんを法ほう執行しっこう機関きかんに与あたえすぎているとの見解けんかいを示しめした。

再さい認証にんしょう法ほうはまた、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの第だい212条じょうに基もとづく通信つうしん事業じぎょう者しゃによる緊急きんきゅう的てきな公開こうかいにより、議会ぎかいによる監視かんしの機会きかいを増ふやした。外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうの監かん視しと物理ぶつり的てきな捜索そうさくの命令めいれいの期間きかんは延長えんちょうされた。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの第だい207条じょうに基もとづく「ローンウルフテロリスト」に対たいする監かん視しは、 最初さいしょの命令めいれいが出だされてから120日にちまで延長えんちょうされ、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうに基もとづくペンレジスター装置そうちとトラップ・アンド・トレース装置そうちを使用しようした監かん視しは、90日にちから1年ねんに延長えんちょうされた。.再さい認証にんしょう法ほうはまた、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうに基もとづく物理ぶつり的てきな捜索そうさくとペンレジスター装置そうちとトラップ・アンド・トレース装置そうちを使用しようした監視かんしについて、1年ねんに2回かいの報告ほうこくを求もとめ、議会ぎかいによる監視かんしを強化きょうかした。第だい207条じょうの「ローンウルフテロリスト」条項じょうこうもまた、日没にちぼつに期限きげんを迎むかえた条項じょうこうだったが、これは2004年ねんの諜報ちょうほう活動かつどう改革かいかくおよびテロリズム予防よぼう法ほうによって延長えんちょうされた。再さい認証にんしょう法ほうは、2009年ねん12月31日にちまで期限きげんを延長えんちょうした。諜報ちょうほう活動かつどう改革かいかくおよびテロリズム予防よぼう法ほうの改正かいせいにより、 物質ぶっしつ面めんにおける支援しえんもまた恒久こうきゅう的てきなものとなった。テロリズムの定義ていぎは、外国がいこくのテロリスト組織そしきから軍事ぐんじ的てきな訓練くんれんを受うけることやナルコテロリズムを含ふくむようさらに拡大かくだいされた。再さい認証にんしょう法ほうのその他たの条項じょうこうは、違法いほうな電車でんしゃの破壊はかい行為こうい（合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい18章しょう第だい1992条じょう）(合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい18編へん第だい992条じょう 18 U.S.C. § 992)と違法いほうな公共こうきょう交通こうつう機関きかんに対たいする攻撃こうげき（合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい18章しょう第だい1993条じょう）(合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい18編へん第だい1993条じょう 18 U.S.C. § 1993)が併合へいごうされ、新あらたに合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい18章しょう第だい1992条じょう(合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい18編へん第だい1992条じょう 18 U.S.C. § 1992) として創設そうせつし、またテロリストが公共こうきょう交通こうつう機関きかんに対たいする攻撃こうげきを企くわだてることを違法いほう化かした。資産しさんの凍結とうけつに関かんする法律ほうりつはさらに変更へんこうされ、今いまやアメリカの司法しほうが管轄かんかつする領域りょういき内ないにおいて、もしそのような攻撃こうげきが外国がいこくの法律ほうりつによって死刑しけいまたは1年ねん以上いじょうの懲役ちょうえき刑けいとなるような犯罪はんざいであるならば、核兵器かくへいき、化学かがく兵器へいき、生物せいぶつ兵器へいきまたは放射能ほうしゃのう兵器へいきの技術ぎじゅつまたはその材料ざいりょうとなるような資産しさんは凍結とうけつされる。同様どうように、アメリカ国内こくないでもし外国がいこくの刑法けいほうに違反いはんするような犯罪はんざい行為こういが行おこなわれた場合ばあいには、これが適用てきようされる。さらに、テロリズムの犠牲ぎせい者しゃは、凍結とうけつされたテロリストの資産しさんの所有しょゆう権けんを持もつべきであるという議会ぎかい声明せいめいが発表はっぴょうされた。

条項じょうこう

愛国あいこく者しゃ法ほうは先さきに提出ていしゅつされていたUSA法ほうH.R. 2975、S. 1510の大だい部分ぶぶんの条項じょうこうを取とり入いれている。2001年ねん10月11日にちには上院じょういんを、翌よく12日にちには下院かいんを通過つうかした。従来じゅうらい法ほうと愛国あいこく者しゃ法ほうとの基本きほん的てきな違ちがいは、

• 金融きんゆう反はんテロリズム法ほうH.R. 3004による、国際こくさい的てきなテロリスト組織そしきが行おこなう資金しきん洗浄せんじょうの排除はいじょ。
• 1978年ねんの外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうによる、盗聴とうちょうに協力きょうりょくするインターネットサービスプロバイダへの法令ほうれい遵守じゅんしゅの免除めんじょ。
• アメリカに入国にゅうこくする際さいに行おこなわれる統合とうごう自動じどう指紋しもん認証にんしょうシステムの報告ほうこくの要求ようきゅう。
• 外国がいこく人じん留学生りゅうがくせい監視かんしプログラムの開始かいし。
• 自動じどうパスポート読よみ取とり装置そうち設置せっちの要求ようきゅう。
• 複数ふくすうの領事館りょうじかんでビザを申請しんせいすることの予防よぼう。
• 生物せいぶつ兵器へいきに対たいする規制きせいの強化きょうか。
• 「電子でんし機器ききを使用しようした監視かんし」の用語ようごの定義ていぎの明確めいかく化か。
• 9月11日にちの攻撃こうげきの犠牲ぎせい者しゃに対たいする様々さまざまな便宜べんぎの提供ていきょうと、そのような便宜べんぎを違法いほうに享受きょうじゅした者ものに対たいする刑罰けいばつの強化きょうか。

米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうに対たいする批判ひはんの多おおくは、スネーク・アンド・ピーク捜査そうさ令状れいじょう、それはFBIによる造語ぞうごである、の条項じょうこうに向むけられたものだった。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうを批判ひはんする者ものは、第だい213条じょうが「極秘ごくひ捜査そうさ令状れいじょうを認みとめ、押収おうしゅうの合理ごうり的てきな必要ひつよう性せいの提示ていじと連邦れんぽう刑事けいじ訴訟そしょう規則きそくの第だい41条じょうが求もとめる即時そくじの通知つうちを無視むししている」と主張しゅちょうしている。

外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうに関連かんれんする特別とくべつな事例じれい（米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうによって改正かいせいされた）では、令状れいじょうは、通常つうじょうの連邦れんぽう裁判所さいばんしょまたは州しゅう裁判所さいばんしょではなく、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょによって発布はっぷされる。外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょは発布はっぷする令状れいじょうは、公式こうしきな記録きろくは残のこされず、それゆえ、公開こうかいが求もとめられることもない。それ以外いがいの令状れいじょう、特とくに人ひとに対たいする審査しんさに関かんするものは、公開こうかいが求もとめられる。

スネーク・アンド・ピーク条項じょうこうに対たいするもうひとつの批判ひはんは、資産しさんの所有しょゆう者しゃ（または企業きぎょう活動かつどうまたは図書館としょかん帯出たいしゅつ記録きろくが確認かくにんされた人ひと）に対たいする捜査そうさについて、口外こうがいしてはならないということである。FBIの長官ちょうかんに、ある人ひとに対たいして通知つうちすることなく電話でんわ利用りよう記録きろくの要求ようきゅうを認みとめる特別とくべつな条項じょうこうがある。その他たのすべての捜査そうさでは、対象たいしょうとなる人ひとに対たいして通知つうちされなければならないが、必かならずしも捜査そうさの事前じぜんに行おこなわれることを必要ひつようとしない。令状れいじょうを発布はっぷすることについて、司法しほうの判断はんだんは、通知つうちが遅おくれることが許ゆるされるのは、

• 個人こじんの生命せいめいまたは物理ぶつり的てきな安全あんぜんが危険きけんにさらされている場合ばあい、
• 訴追そついからの逃亡とうぼうのおそれがある場合ばあい、
• 証拠しょうこの隠滅いんめつまたは改竄かいざんのおそれがある場合ばあい、
• 目撃もくげき者しゃへの脅迫きょうはくを行おこなうおそれがある場合ばあい、
• または審理しんり手続てつづきを危険きけんにさらすおそれがある場合ばあい、または裁判さいばんを不当ふとうに遅おくらせるおそれがある場合ばあい、に限かぎられる。

遅おくれの平均へいきんは7日間にちかんだが、最長さいちょう90日にちまで延長えんちょうされることもあった。アメリカ自由じゆう人権じんけん協会きょうかいの第だい213条じょうスネーク・アンド・ピーク条項じょうこうを批判ひはんする広告こうこくでは、連邦れんぽう政府せいふの省庁しょうちょうによる報告ほうこくでは、2001年ねんから数かぞえて155回かいそれが使用しようされ、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうのその他たの条項じょうこうと違ちがい、この年としに期限きげんを迎むかえることはなかったとしている。

アメリカ自由じゆう人権じんけん協会きょうかいは、「深刻しんこくな危険きけん」という用語ようごはあまりにも幅はばが広ひろく、「厳きびしく制限せいげんされなければならない」と主張しゅちょうしている。

しかしながら、「スネーク・アンド・ピーク」捜査そうさ令状れいじょうは、長ながく刑事けいじ事件じけんにおいて使用しようされてきた。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの第だい2章しょうは、外国がいこく勢力せいりょくまたは外国がいこく勢力せいりょくのエージェントに対たいする監かん視しと既存きそんの刑法けいほうとの整合せいごう性せいを図はかることが目的もくてきであった。刑法けいほうと外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうの主おもな違ちがいは、捜査そうさ令状れいじょうが発布はっぷされたことの通知つうちにおける期間きかんであり、そのような命令めいれいが承認しょうにんされた場合ばあい、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうによる令状れいじょうでは法的ほうてきな基準きじゅんが異ことなっている。（相当そうとうな理由りゆう（probable cause）ではなく合理ごうり的てきな理由りゆう（reasonable cause）という用語ようごが使つかわれている）。

図書館としょかんの帯出たいしゅつ記録きろくへの政府せいふのアクセス

当初とうしょ、愛国あいこく者しゃ法ほうで最もっとも物議ぶつぎを醸かもしたのは、非常ひじょうに厳きびしく制限せいげんされてはいたが、連邦れんぽう政府せいふの捜査そうさ官かんに図書館としょかんの帯出たいしゅつ記録きろくと書店しょてんでの購入こうにゅう履歴りれきにアクセスする権限けんげんを持もたせた第だい215条じょうであった。第だい215条じょうにより、FBIのエージェントは外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょから、国際こくさい的てきなテロリズムまたは諜報ちょうほう活動かつどうに関与かんよしている疑うたがいのあるすべての個人こじんの図書館としょかんの帯出たいしゅつ記録きろくまたは書店しょてんの購入こうにゅう履歴りれきを調査ちょうさするための令状れいじょうを極秘ごくひで獲得かくとくすることができるようになった。条文じょうぶんの文面ぶんめんには「図書館としょかん」とは書かかれておらず、企業きぎょう活動かつどう記録きろくまたはその他たの一般いっぱん的てきで具体ぐたい的てきな品目ひんもくと書かかれている。自由じゆう主義しゅぎ的てきな市民しみんと図書館としょかんの職員しょくいんは特とくに、この条項じょうこうは利用りよう者しゃの人権じんけんを侵害しんがいしており、もはや「図書館としょかん帯出たいしゅつ記録きろく条項じょうこう」と呼よぶべきであると主張しゅちょうしている。司法省しほうしょうは、第だい215条じょうは外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし裁判所さいばんしょの判断はんだんによる命令めいれいを必要ひつようとし、それによって図書館としょかんはより強力きょうりょくに保護ほごされていると語かたり、擁護ようごした。

2001年ねん8月がつ26日にち、ニューヨーク・タイムズは、アメリカ自由じゆう人権じんけん協会きょうかいによると、連邦れんぽう捜査そうさ局きょくが諜報ちょうほう活動かつどうの審理しんりの一環いっかんとして、コネチカット州しゅうの研究所けんきゅうじょの図書館としょかん帯出たいしゅつ記録きろくを要求ようきゅうしていると報ほうじた。これは連邦れんぽう捜査そうさ局きょくによる図書館としょかん帯出たいしゅつ記録きろくの捜索そうさくが確認かくにんされた初はじめての事例じれいであると連邦れんぽう政府せいふ職員しょくいんとアメリカ自由じゆう人権じんけん協会きょうかいは語かたった。興味深きょうみぶかいことに、政府せいふは第だい215条じょうに基もとづく捜査そうさは行おこなわなかったが、その代かわりに外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうの大だい陪審ばいしんによる召喚しょうかん令状れいじょうであり、裁判所さいばんしょの命令めいれいを必要ひつようとせず、第だい215条じょうが利用りようされる前まえから存在そんざいしていた「国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかん」を使用しようした。

措置そち

愛国あいこく者しゃ法ほうによってどれだけ多おおくの個人こじんと組織そしきが告発こくはつまたは有罪ゆうざいを宣告せんこくされたのかはわかっていない。2002年ねんと2003年ねんを通つうじ、司法省しほうしょうはその数かずを公表こうひょうすることを拒否きょひした。2004年ねん、当時とうじのジョン・アシュクロフト司法しほう長官ちょうかんは、通達つうたつのなかで368人にんの個人こじんがテロリズムの捜査そうさにおいて告発こくはつされたと報告ほうこくし、のちにその数かずは372人にん、375人にんへと変化へんかした。彼かれはこれらの個人こじんのうち、194人にん（のちに195人にんとなった）が有罪ゆうざいを宣告せんこくされたと語かたった。（当初とうしょの発表はっぴょう、2004年ねん刑法けいほう犯はん年次ねんじ報告ほうこく書しょの9ページのリストでは削減さくげんされた）。2005年ねん6月がつ、ブッシュ大統領だいとうりょうはテロリズムの捜査そうさによって400名めいを告発こくはつすることを余儀よぎなくされ、その半分はんぶん以上いじょうが有罪ゆうざいとなったと語かたった。これらの事例じれいの一部いちぶにおいて、連邦れんぽう政府せいふの捜査そうさ官かんは移民いみん、詐欺さぎや共謀きょうぼうなどテロとは関係かんけいのない犯罪はんざいの容疑ようぎで告発こくはつした。

アメリカ自由じゆう人権じんけん協会きょうかいは2005年ねん9月がつ11日にち、 次つぎのように報告ほうこくした:

アメリカ人じんの情報じょうほうを収集しゅうしゅうするため、3万まん件けんの国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんが発行はっこうされた。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうはFBIがテロリストの疑うたがいのある個人こじんの記録きろくに接せっするための要件ようけんを取とり除のぞいた。 　

[...]ワシントンポスト紙しによれば、大学だいがくとカジノがこれらの書簡しょかんを受うけ取とり、要求ようきゅうに従したがうため、学生がくせいと客きゃくの個人こじん情報じょうほうを引ひき渡わたすことを強しいられた。国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんを受うけ取とる者ものは皆みな、たとえ身元みもとがすでに公おおやけのものになっていたとしても、FBIから記録きろくを求もとめられたことを口外こうがいすることを、永久えいきゅうに、禁止きんしされる。

ニューヨーク州しゅうとコネチカット州しゅうでは、アメリカ自由じゆう人権じんけん協会きょうかいが国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかん条項じょうこうについて、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの第だい505条じょうによって大幅おおはばに拡大かくだい解釈かいしゃくされているとして提訴ていそした。国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの権限けんげんの存在そんざいを認みとめる法律ほうりつは、FBIにテロリズムとは関係かんけいのない個人こじんの記録きろくまたは何なにも悪わるいことをしていないと思おもわれる人ひとの記録きろくを求もとめることによって改正かいせいされた。[...]

米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうを制限せいげんしようとする動うごき

議会ぎかい

2003年ねん7月がつ1日にち、リーサ・マーカウスキー上院じょういん議員ぎいん（R-AK）とロン・ワイデン上院じょういん議員ぎいん（D-OR）は、個人こじんの権利けんりを保護ほごするための法律ほうりつ（Protecting the Rights of Individuals Act、（S. 1552）を提出ていしゅつした。.この法案ほうあんは司法しほうによる審査しんさの機会きかいを増ふやすため、法律ほうりつのいくつかの条項じょうこうを改正かいせいするものだった。例たとえば、法ほう執行しっこう機関きかんによって行おこなわれていると主張しゅちょうされているペンレジスター装置そうちやトラップ・アンド・トレース装置そうちの使用しようを認みとめる令状れいじょうによる捜査そうさの代かわりに、「ある犯罪はんざいが行おこなわれてきたか、現在げんざい行おこなわれているもしくは将来しょうらい起おこりうることを合理ごうり的てきに示しめす特定とくていの明瞭めいりょうな事実じじつと犯罪はんざいの捜査そうさに関連かんれんするそのような装置そうちを使用しようすることによって獲得かくとくされたと考かんがえられる情報じょうほう」に基もとづいて捜査そうさを行おこなうよう法律ほうりつを改正かいせいするものである。しかしながら、個人こじんの権利けんりを保護ほごするための法律ほうりつは、法ほう執行しっこう機関きかんが確認かくにんしようとする無名むめいの個人こじんに対たいするペンレジスター装置そうちとトラップ・アンド・トレース装置そうちを使用しようを認みとめる令状れいじょうによる捜査そうさを許可きょかする米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの第だい216条じょうの問題もんだいを解決かいけつすることができなかった。

2003年ねん9月がつ24日にち、民主党みんしゅとうの議会ぎかい進歩しんぽ主義しゅぎ幹部かんぶ会議かいぎの共同きょうどう代表だいひょうであるデニス・クシニッチ上院じょういん議員ぎいん（D-0H）は、下院かいんに愛国あいこく者しゃ法ほうの10箇所かしょの条文じょうぶんを廃止はいしする改正かいせい法案ほうあんを提出ていしゅつした。「ベンジャミン・フランクリン真実しんじつの愛国あいこく者しゃ法ほう（Benjamin Franklin True Patriot Act）」と題だいされた法案ほうあんは、スネーク・アンド・ピーク捜査そうさ令状れいじょう、図書館としょかん帯出たいしゅつ記録きろく、医療いりょう記録きろく、資産しさん管理かんり記録きろくの捜査そうさを認みとめる条文じょうぶんや、アメリカ人じんでない市民しみんの定義ていぎと国外こくがい追放ついほうについて司法しほうによる全面ぜんめん的てきな審査しんさを含ふくむ愛国あいこく者しゃ法ほうの一部いちぶの改正かいせいを目指めざすものだった。法案ほうあんは、愛国あいこく者しゃ法ほうだけでなく、その他たの重要じゅうような条項じょうこうとともに弁護士べんごしと依頼いらい者しゃ間あいだの秘匿ひとく特権とっけんや情報じょうほうの自由じゆう法ほう（Freedom of Information Act、FOIA）に基もとづいた情報じょうほう保全ほぜん命令めいれいを削除さくじょすることによる司法省しほうしょうと国土こくど安全あんぜん保障ほしょう省しょうの透明とうめい性せいの回復かいふくを目指めざした。

バーニー・サンダース上院じょういん議員ぎいん(I」-VT)と数すう人にんの共和党きょうわとう員いん、ジェロルド・ナドラー下院かいん議員ぎいん（D-NY）、ジョン・コニャーズ・ジュニア下院かいん議員ぎいん（D-MI）、C.L.オッター下院かいん議員ぎいん(R-ID)、ロン・ポール下院かいん議員ぎいん(R-TX)は、第だい215条じょうに基もとづく捜査そうさに対たいする司法省しほうしょうの予算よさんを削減さくげんする2005年ねんの商務省しょうむしょう、司法省しほうしょうおよび国務省こくむしょうへの予算よさん充当じゅうとう法案ほうあん（Commerce, Justice, State Appropriations Bill of 2005）の改正かいせいを提案ていあんした。改正かいせい法案ほうあんの1回かい目めの投票とうひょうは、賛成さんせい、反対はんたいともに210票ひょうで下院かいんを通過つうかすることができなかった。当初とうしょの改正かいせい法案ほうあんは投票とうひょうでうまくいかなかったが、投票とうひょうは継続けいぞくされ、数すう人にんの議員ぎいんは説得せっとくを受うけ入いれ、投票とうひょうで賛成さんせいに回まわった。

2005年ねん6月がつ15日にち、第だい215条じょうを制限せいげんする法案ほうあんは2回かい目めの投票とうひょうで下院かいんを通過つうかすることができた。下院かいんは、賛成さんせい238票ひょう、反対はんたい187票ひょうでサンダース議員ぎいんが提出ていしゅつした改正かいせい法案ほうあんを可決かけつした。サンダース議員ぎいんによる改正かいせい法案ほうあんは、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうの第だい215条じょうによって認みとめられた図書館としょかん帯出たいしゅつ記録きろくや書店しょてんの購入こうにゅう履歴りれきを捜査そうさするときにFBIと司法省しほうしょうが利用りようする予算よさんを認みとめないものである。この投票とうひょうは、多おおくのメディアによって第だい215条じょうの法律ほうりつの抜ぬけ穴あなを作つくるものだと誤あやまって報道ほうどうされた。

安全あんぜん保障ほしょうと自由じゆうの充実じゅうじつを図はかるための法律ほうりつ（Security and Freedom Ensured Act、SAFE）は、ラリー・クレイグ上院じょういん議員ぎいん（R-ID）、ジョン・スヌヌ上院じょういん議員ぎいんR-NH、リチャード・ダービン上院じょういん議員ぎいん（D-IL）によって提出ていしゅつされた法律ほうりつであり、愛国あいこく者しゃ法ほうに対たいするチェック・アンド・バランスの機能きのうを持もたせようとするものである。2005年ねん4月がつ6日にち、この法律ほうりつは下院かいんに提出ていしゅつされ、司法しほうによる審査しんさと報告ほうこくを義務付ぎむづけることにより、愛国あいこく者しゃ法ほうによって付与ふよされた権限けんげんを縮小しゅくしょうしようとした。

司法しほう

第だい805条じょうはあいまいであると判断はんだんされる

2004年ねん1月がつ23日にち、合衆国がっしゅうこく地方裁判所ちほうさいばんしょのオードリー・コリンズ裁判官さいばんかんは、第だい805条じょう（テロリズムに対たいする物質ぶっしつ的てきな支援しえんの「専門せんもん家かの助言じょげんまたは支援しえん」について規定きていする）はあいまいではあるが、憲法けんぽう修正しゅうせい第だい1条じょうまたは第だい4条じょうに違反いはんはしていないという判断はんだんを示しめした。その判断はんだんは、愛国あいこく者しゃ法ほうについて法的ほうてきな判断はんだんを示しめした最初さいしょの判決はんけつのひとつとなった。愛国あいこく者しゃ法ほうに対たいする訴訟そしょうは、人道的じんどうてき法律ほうりつプロジェクト（Humanitarian Law Project）によって提起ていきされ、5人にんの組織そしきの代表だいひょうとトルコのクルド人じん難民なんみんに専門せんもん的てきな助言じょげんを提供ていきょうすることを希望きぼうしていた2人ふたりのアメリカの市民しみんが出席しゅっせきしていた。これらの組織そしきに支援しえんを提供ていきょうしていた集団しゅうだんは、愛国あいこく者しゃ法ほうに反はんしているとのおそれから、その活動かつどうを中断ちゅうだんすることを余儀よぎなくされ、彼かれらは愛国あいこく者しゃ法ほうの「専門せんもん的てきな助言じょげんまたは支援しえん」という表現ひょうげんがあまりにもあいまいすぎるとして、司法省しほうしょうと国くにを相手あいてどり、訴訟そしょうを提起ていきしていた。

コリンズ裁判官さいばんかんは「専門せんもん的てきな助言じょげんまたは支援しえん」という表現ひょうげんが容認ようにんできないほどあいまいであるという原告げんこくの主張しゅちょうは認みとめたものの、愛国あいこく者しゃ法ほうの条項じょうこうに対たいする全国ぜんこく規模きぼの法律ほうりつの禁止きんし命令めいれいは認みとめなかった。原告げんこくには条項じょうこうの執行しっこうからの「救済きゅうさい手段しゅだん」が認みとめられた。

ACLU対たいアシュクロフト事件じけん

詳細しょうさいは「w:American Civil Liberties Union v. Ashcroft (2004)」を参照さんしょう

2004年ねん4月がつ9日にち、アメリカ自由じゆう人権じんけん協会きょうかい（ACLU）は、1986年ねんの電子でんし通信つうしんにおけるプライバシー法ほうの条項じょうこうに基もとづくものであり、テロリズムに関かんする捜査そうさにおいて、連邦れんぽう捜査そうさ局きょく長官ちょうかん（またはFBI副ふく長官ちょうかん以下いかの被ひ指名しめい人じん）に電話でんわとインターネットに関連かんれんする企業きぎょうから顧客こきゃくの利用りよう記録きろくの獲得かくとくを認みとめる国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんに対たいする訴訟そしょうを提起ていきした。ACLUは電話でんわ企業きぎょうとインターネットサービスプロバイダはFBIの長官ちょうかんからの召喚しょうかん令状れいじょうを公開こうかいすることができるべきであるとし、またそうすることはFBI長官ちょうかんのテロリズムに対たいする捜査そうさにおける安全あんぜん保障ほしょう上じょうの必要ひつよう性せいより重大じゅうだいであると主張しゅちょうした。愛国あいこく者しゃ法ほうは間接かんせつ的てきに訴訟そしょうに影響えいきょうを与あたえることができただけだった。なぜなら事例じれいはテロリズムに対たいする捜査そうさと愛国あいこく者しゃ法ほうによる非ひテロリズム案件あんけんに対たいする国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの拡大かくだい利用りように関かんするものであったからである。しかし、ACLUの主張しゅちょうは双方そうほうの場合ばあいの捜査そうさに適用てきようされた。

2004年ねん8月がつ30日にち、アメリカ自由じゆう人権じんけん協会きょうかいは152万まんドルを投とうじて愛国あいこく者しゃ法ほうを批判ひはんする広告こうこくを展開てんかいした。広告こうこくは、「政府せいふはあなたの家いえを捜査そうさすることができます...私わたしの家いえ...私わたしたちの家いえを...私わたしたちに知しらせることなく。私わたしたちをまるで容疑ようぎ者しゃであるかのように扱あつかいながら。それが愛国あいこく者しゃ法ほうというものです」と主張しゅちょうした。

2004年ねん9月がつ29日にち、連邦れんぽう地裁ちさいのビクター・マレロ裁判官さいばんかんは、政府せいふがインターネットサービスプロバイダまたはその他たの企業きぎょうから、裁判所さいばんしょによる審査しんさすることなく敏感びんかんな顧客こきゃくの記録きろくを獲得かくとくするために「国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかん」の発行はっこうを許可きょかする第だい505条じょうが合衆国がっしゅうこく憲法けんぽう修正しゅうせい第だい1条じょうおよび第だい4条じょうに違反いはんしているとの判断はんだんを示しめした。裁判所さいばんしょはまた、愛国あいこく者しゃ法ほうの口外こうがい禁止きんし規定きてい条項じょうこうが表現ひょうげんの自由じゆうを侵おかす「違憲いけんな表現ひょうげんの自主じしゅ規制きせい」にあたると判断はんだんし、それは却下きゃっかされた。

判決はんけつが下くだされると、議会ぎかいは第だい505条じょうを改正かいせいし、合衆国がっしゅうこく法典ほうてん第だい18章しょう第だい2709条じょうとして成文法せいぶんほう化かした。控訴こうそ審しんでは、既すでに議論ぎろんは尽つくされているとして退しりぞけられた。

州しゅう及および地方ちほうの抵抗ていこう

アラスカ州しゅう、カリフォルニア州しゅう、コロラド州しゅう、ハワイ州しゅう、アイダホ州しゅう、メイン州しゅう、モンタナ州しゅう、バーモント州しゅうの8つの州しゅうとニューヨーク市し、ロサンゼルス市し、ダラス市し、シカゴ市し、ユージーン市し、フィラデルフィア市し、ケンブリッジ市しを含ふくむ396の市しおよび郡ぐんは、市民しみんの自由じゆうを侵害しんがいしているとして愛国あいこく者しゃ法ほうを非難ひなんする決議けつぎを採択さいたくした。カリフォルニア州しゅうアーケータ市しは、愛国あいこく者しゃ法ほうに基もとづくすべての連邦れんぽう政府せいふの捜査そうさに市しの職員しょくいん（警察けいさつと図書館としょかんの職員しょくいんを含ふくむ）が支援しえんまたは協力きょうりょくすることは、市民しみんの自由じゆうを侵害しんがいする違憲いけんで無効むこうな行為こういであるという条例じょうれいを成立せいりつさせた最初さいしょの都市としとなった。権利けんり章典しょうてん防衛ぼうえい委員いいん会かいは決議けつぎを通過つうかさせようとする地方ちほうの努力どりょくの調整ちょうせい役やくの役割やくわりを果はたした。ある学者がくしゃは、連邦れんぽう法ほうが州しゅうまたは地方自治体ちほうじちたいの法律ほうりつを覆くつがえすことができる憲法けんぽうの優越ゆうえつ条項じょうこうを引用いんようしながら、これらの条例じょうれいの妥当だとう性せいについて訊たずねた。しかしながら、他たの学者がくしゃは連邦れんぽう政府せいふの職員しょくいんは、そのような捜査そうさの手続てつづきを利用りようする際さいに憲法けんぽう修正しゅうせい第だい4条じょうの条項じょうこうに違反いはんしており、このような事例じれいでは憲法けんぽうは米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの条項じょうこうを無効むこうにすることができると意見いけんを述のべた。

世論せろん

2002年ねんの1月がつの時点じてんでは、47％のアメリカ人じんがたとえ市民しみんの自由じゆうを多少たしょう犠牲ぎせいにしてでも政府せいふにテロをなくすことを求もとめていた。2003年ねん11月にはこの数字すうじは31％に落おち込こみ、テロリズムの恐怖きょうふを削減さくげんするための政府せいふの権限けんげんの拡大かくだいについて、懸念けねんが高たかまっていることを示しめしていた。2003年ねんから2004年ねんにかけて、アメリカ人じんの4分ぶんの1近ちかくが愛国あいこく者しゃ法ほうは行いき過すぎていると感かんじており、ほとんど同おなじ割合わりあいのアメリカ人じんが愛国あいこく者しゃ法ほうは正ただしいと感かんじ、または十分じゅうぶんではないと感かんじていた。2005年ねんまで、アンケートによる統計とうけいによれば、愛国あいこく者しゃ法ほうに対たいする賛否さんぴは五分五分ごぶごぶに分わかれていた。これは大統領だいとうりょうとその政策せいさくが国民こくみんの支持しじを失うしなった事実じじつによるものなのかもしれない。ブッシュ大統領だいとうりょうと第だい103議会ぎかいへの支持しじ率りつの下落げらくは、彼かれらが行おこなった政策せいさくへの支持しじの下落げらくでもあった。次つぎの数すう年間ねんかんで、人々ひとびとはイラク戦争せんそうにうんざりするようになり、テロリストを捕つかまえる可能かのう性せいの代償だいしょうとして市民しみんの自由じゆうを奪うばう政策せいさくにだんだんと反対はんたいするようになり始はじめていた。

それと同時どうじに、愛国あいこく者しゃ法ほうの条項じょうこうについて知しっていると答こたえたのは半分はんぶんの人ひとしかいなくなっていた。2004年ねんの選挙せんきょの後のち、愛国あいこく者しゃ法ほうの条項じょうこうについて知しっていると答こたえた人ひとの数かずは激はげしく落おち込こんだ。

ギャラップ社しゃによる世論せろん調査ちょうさの統計とうけい

愛国あいこく者しゃ法ほうは行いき過すぎていると思おもうか?
日付ひづけ	思おもう	思おもわない*
2003年ねん8月がつ25日にち、26日にち	22%	69%
2003年ねん11月がつ10日とおか-12日にち	25%	65%
2004年ねん2月がつ16日にち、17日にち	26%	64%
2005年ねん4月がつ13日にち-16日にち	45%	49%
*必要ひつような手段しゅだんである、正ただしい、または不十分ふじゅうぶんであると答こたえた人ひとの割合わりあい

米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうについて知しっているか?
日付ひづけ	よく知しっている	多少たしょう知しっている	あまり知しらない	全まったく知しらない
2003年ねん8月がつ25日にち、26日にち	10%	40%	25%	25%
2003年ねん11月がつ10日とおか-12日にち	12%	41%	25%	22%
2004年ねん2月がつ16日にち、17日にち	13%	46%	27%	14%
2005年ねん4月がつ13日にち-16日にち	13%	28%	28%	29%
2006年ねん1月がつ6日にち-8日にち	17%	59%	18%	6%

期限切きげんぎれと延長えんちょう

第だい224条じょうに基もとづき、愛国あいこく者しゃ法ほうの（200条じょう台だいの）いくつかの監視かんしの条項じょうこうは2005年ねん12月31日にちに期限きげんを迎むかえた。後のちにその日付ひづけは2006年ねん2月がつ3日にちに延期えんきされた。この延期えんきは後のちに2006年ねん3月がつ10日とおかまで再ふたたび延期えんきされた。日没にちぼつ条項じょうこうは期限きげんを迎むかえる前まえに開始かいしされた捜査そうさを除外じょがいしている。それらの捜査そうさでは愛国あいこく者しゃ法ほうのすべての権限けんげんを使つかうことが認みとめられている。

2006年ねん3月がつ2日にち、上院じょういんは愛国あいこく者しゃ法ほうを延長えんちょうするための投票とうひょうを行おこなった。2006年ねん3月がつ7日にち、下院かいんは愛国あいこく者しゃ法ほうの延長えんちょうを承認しょうにんするための最終さいしゅう投票とうひょうを行おこなった。法律ほうりつを延長えんちょうするための法案ほうあんは2つの条項じょうこうを恒久こうきゅう的てきなものにする以外いがいのすべてに及およぶ。疑問ぎもんに付ふされている条項じょうこうは、それぞれ外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほう第だい206条じょうとに基もとづく「ロービング」による監視かんしの指揮しきの権限けんげんと外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほう（と米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの第だい215条じょう）に基もとづく企業きぎょう活動かつどうの記録きろくを要求ようきゅうするための権限けんげんである。これらの条項じょうこうは4年ねん以内いないに期限きげんを迎むかえる。

2006年ねん3月がつ9日にち、ブッシュは愛国あいこく者しゃ法ほうの再さい認証にんしょうに署名しょめいした。公的こうてきな儀式ぎしきの後のち、彼かれは愛国あいこく者しゃ法ほうのいくつかの条項じょうこうが憲法けんぽうに抵触ていしょくしていたとしても、それに従したがうことが常軌じょうきを逸いっしているとは思おもわないという趣旨しゅしの「署名しょめい声明せいめい」を発表はっぴょうした。この声明せいめいは、彼かれの大統領だいとうりょうの任期にんき中ちゅうを通つうじて普通ふつうのことだったが、メディアによって否定ひてい的てきに捉とらえられ、法案ほうあんを議会ぎかいに提出ていしゅつするために彼かれはそうすることが求もとめられていたという情報じょうほうは知しらせずに明白めいはくな意図いとを持もって批判ひはんされた。

期限きげんを迎むかえた条項じょうこう（原案げんあん）

• 第だい201条じょう　テロリズムに関連かんれんする電話でんわ、口頭こうとう、または電子でんし機器ききによる通信つうしんを傍受ぼうじゅする権限けんげん。
• 第だい202条じょう　コンピュータを使用しようした不正ふせいまたは悪用あくようによる犯罪はんざいに関連かんれんする電話でんわ、口頭こうとう、または電子でんし機器ききを使用しようした通信つうしんを傍受ぼうじゅする権限けんげん。
• 第だい203条じょう（b）、（d）項こう　犯罪はんざいの捜査そうさ情報じょうほうを共有きょうゆうする権限けんげん。
• 第だい206条じょう　1978年ねんの外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうに基もとづくロービング監視かんしの権限けんげん。
• 第だい207条じょう　外国がいこく勢力せいりょくのエージェントである非ひアメリカ人じんに対たいする外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうに基もとづく監視かんしの期間きかん。
• 第だい209条じょう　令状れいじょうに従したがったボイスメールの押収おうしゅう。
• 第だい212条じょう　人命じんめいを保護ほごするための電子でんし機器ききを使用しようした通信つうしんの緊急きんきゅう的てきな公開こうかい。
• 第だい214条じょう　外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうに基もとづくペンレジスター装置そうちとトラップ・アンド・トレース装置そうちを使用しようする権限けんげん。
• 第だい215条じょう　外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうに基もとづく記録きろくまたは他たの資料しりょうへのアクセス。
• 第だい217条じょう　コンピュータへの不正ふせい侵入しんにゅうの遮断しゃだん。
• 第だい218条じょう　外国がいこくによる諜報ちょうほう活動かつどうの情報じょうほう（外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうに基もとづく令状れいじょうのための証拠しょうこの基準きじゅんを満みたさないもの）。
• 第だい220条じょう　電磁でんじ的てきな証拠しょうこのための捜査そうさ令状れいじょうの全国ぜんこく規模きぼのサービス。
• 第だい223条じょう　公開こうかいが認みとめられなかった場合ばあいのための個人こじん賠償ばいしょう責任せきにん保険ほけん。
• 第だい224条じょう　日没にちぼつ条項じょうこう（延長えんちょうされた）。
• 第だい225条じょう　外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほうに基もとづく盗聴とうちょうにおける法令ほうれい遵守じゅんしゅの免除めんじょ。

恒久こうきゅう化かされた条項じょうこう（原案げんあん）

• 第だい203条じょう（a）、（c）項こう　犯罪はんざい捜査そうさ情報じょうほうを共有きょうゆうする権限けんげん。
• 第だい205条じょう　連邦れんぽう捜査そうさ局きょくによる翻訳ほんやく者しゃの雇用こよう。
• 第だい208条じょう　裁判官さいばんかんの任命にんめい
• 第だい210条じょう　電子でんし通信つうしん記録きろくの召喚しょうかん令状れいじょうの適用てきよう範囲はんい。
• 第だい211条じょう　適用てきよう範囲はんいの明確めいかく化か（ケーブルテレビ・プライバシー法ほうのプライバシー条項じょうこうはケーブルによる通信つうしん事業じぎょう者しゃには適用てきようされないが、何なにを見みていたのかに関かんする記録きろくには適用てきようされない）。
• 第だい213条じょう　「スネーク・アンド・ピーク」令状れいじょうの執行しっこうの告知こくちの遅おくれに関かんする権限けんげん。
• 第だい216条じょう　ペンレジスター装置そうちとトラップ・アンド・トレース装置そうちの使用しように関かんする権限けんげんの改善かいぜん。
• 第だい219条じょう　テロリズムに関かんする捜査そうさ令状れいじょうの一いち次じ管轄かんかつ権けん。
• 第だい221条じょう　経済けいざい制裁せいさい
• 第だい222条じょう　法ほう執行しっこう機関きかんへの支援しえん。

議会ぎかいでの動うごき

2005年ねん6月がつ10日とおか、愛国あいこく者しゃ法ほうの再さい認証にんしょうのために開ひらかれた下院かいん司法しほう委員いいん会かいの公聴こうちょう会かいにおける証言しょうげんの最中さいちゅう、ジェームズ・センセンブレナー委員いいん長ちょう（愛国あいこく者しゃ法ほうの起草きそう者しゃのひとりであった）は、民主党みんしゅとうの議員ぎいんとその証人しょうにんたちがテロとの戦たたかいとグアンタナモ湾わんで拘束こうそくされている政治せいじ犯はんの状態じょうたいを弾劾だんがいする演説えんぜつを始はじめると、突然とつぜん議会ぎかいを閉会へいかいしようとした。不満ふまんを募つのらせたセンセンブレナーは、「我々われわれは議題ぎだいに従したがうべきだ。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうとグアンタナモ湾わんとは何なんの関係かんけいもない。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうと敵てきの兵士へいしとは何なんの関係かんけいもない。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうと不明瞭ふめいりょうな拘束こうそくとは何なんの関係かんけいもない」と宣言せんげんした。そして彼かれは委員いいん会かいを閉会へいかいし、槌づちとともに立たち去さった。しかしながら、ジェロルド・ナドラー下院かいん議員ぎいんとその証人しょうにんたちは、センセンブレナーが退場たいじょうしたのにもかかわらずしゃべり続つづけ、C-SPANのカメラは委員いいん会かいのマイクのスイッチが切きられた後のちも回まわり続つづけた。

同年どうねん6月がつ21日にち、下院かいん3199号ごう法案ほうあん、すなわち、いくつかの日没にちぼつ条項じょうこうが再さい認証にんしょうではなく恒久こうきゅう化かされるかまたは制定せいてい法ほう化かされるかして取とり除のぞかれた2005年ねんの米国べいこく愛国あいこく者しゃおよびテロリズム予防よぼう再さい認証にんしょう法ほうは下院かいんを通過つうかした。再さい認証にんしょう法ほうを提出ていしゅつしたのはセンセンブレナー下院かいん議員ぎいんだった。

12月16日にち、上院じょういんは法律ほうりつを再さい認証にんしょうするための議論ぎろんを終息しゅうそくさせることを拒否きょひした。上院じょういんは7人にんの議員ぎいんがその問題もんだいについて議論ぎろんを終息しゅうそくさせようとしたが人数にんずうが足たりず、再さい認証にんしょう法ほうの将来しょうらいは疑うたがわしくなっていた。投票とうひょうが行おこなわれ、共和党きょうわとうの5人にんの議員ぎいんと民主党みんしゅとうの2人ふたりの議員ぎいんは議論ぎろんを終息しゅうそくさせるよう投票とうひょうし、共和党きょうわとうの5人にんの議員ぎいんと民主党みんしゅとうの41人にんの議員ぎいんと1人ひとりの無所属むしょぞくの議員ぎいんがそれに反対はんたいした。

12月21日にち、上院じょういんは、超党派ちょうとうはで期限切きげんぎれを迎むかえる愛国あいこく者しゃ法ほうの条項じょうこうを6か月げつ延長えんちょうさせる法律ほうりつ（上院じょういん2167号ごう法案ほうあん）を成立せいりつさせることで合意ごういに至いたった。下院かいんの規則きそくにより、下院かいん司法しほう委員いいん会かいの委員いいん長ちょうであるジェームズ・センセンブレナーは、6か月げつの延長えんちょう法ほうの成立せいりつを阻止そしする権限けんげんを持もっていた。翌日よくじつである2005年ねん12月22日にち、下院かいんは6か月げつ間あいだの延長えんちょう法ほうの成立せいりつを拒否きょひし、1か月げつの延長えんちょう法ほうが多数決たすうけつにより支持しじされ、上院じょういんはその後ごの夜よるにそれを承認しょうにんした。ブッシュ大統領だいとうりょうによる証明しょうめいは延期えんきされ、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの条項じょうこうは2006年ねんの2月がつまで有効ゆうこうであり続つづけることになった。

2006年ねん2月がつ17日にち, ワシントン・タイムズは、「先週せんしゅう、共和党きょうわとう所属しょぞくでニューハンプシャー州しゅう選出せんしゅつのジョン・E・スヌヌ上院じょういん議員ぎいん、アイダホ州しゅう選出せんしゅつのラリー・E・クレイグ上院じょういん議員ぎいん、アラスカ州しゅう選出せんしゅつのリーサ・マーカウスキー上院じょういん議員ぎいんとネブラスカ州しゅう選出せんしゅつのチャック・ヘーゲル上院じょういん議員ぎいんは自由じゆう権けんの保護ほごに対たいする懸念けねんを和やわらげたとされる改正かいせい法案ほうあんに反対はんたい票ひょうを投とうじた」と報ほうじた。

歴史れきし上じょうの法律ほうりつとの比較ひかく

• 1933年ねん2月がつ28日にち、国会こっかい議事堂ぎじどう放火ほうか事件じけんが起おきた後のちのドイツでは、国民こくみんと国家こっかを保護ほごするための大統領だいとうりょう令れい (Verordnung des Reichspräsidenten zum Schutz von Volk und Staat)が制定せいていされた。

アドルフ・ヒトラーによるドイツの掌握しょうあくを許ゆるした国民こくみんと国家こっかを保護ほごするための大統領だいとうりょう令れいとその後ごに制定せいていされた全権ぜんけん委任いにん法ほう(Ermächtigungsgesetz)は、しばしば米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうと比較ひかくされる。2つの法律ほうりつの類似るいじ点てんは、ともにテロリズムが行おこなわれた後のちに制定せいていされたものであること、ともにあっという間まに成立せいりつしてしまったこと、ともに国民こくみん保護ほごの目的もくてきのために表現ひょうげんの自由じゆうに制限せいげんを設もうけるものであること、そしてともにその目的もくてきの達成たっせいのために行いき過すぎたものであるということが挙あげられる。国民こくみんと国家こっかを保護ほごするための大統領だいとうりょう令れいの第だい1条じょうを翻訳ほんやくすると、法律ほうりつの意図いとが見みてとれる。「この法律ほうりつ、は現在げんざいの法律ほうりつによる別段べつだんの定さだめがない限かぎり、個人こじんの自由じゆう権けん、出版しゅっぱんの自由じゆうを含ふくむ言論げんろんの自由じゆう、結社けっしゃの自由じゆうと集会しゅうかいの自由じゆう、信書しんしょ、電報でんぽう、電話でんわの秘密ひみつ、私有しゆう資産しさんに対たいする捜査そうさ命令めいれい、没収ぼっしゅうと規制きせいのため...」。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの意図いとはそれほど明あきらかではないが、法律ほうりつのなかでしばしば自由じゆう権けんと国民こくみん保護ほごに関かんする用語ようごが用もちいられている。

国民こくみんと国家こっかを保護ほごするための大統領だいとうりょう令れいと米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうとの違ちがいは、国民こくみんと国家こっかを保護ほごするための大統領だいとうりょう令れいではより明白めいはくに国家こっかの権利けんりを掌握しょうあくし、多おおくの犯罪はんざい行為こういにおいて死刑しけいが定さだめられているということが挙あげられる。 さらに、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうにはいくつかの日没にちぼつ条項じょうこうが原案げんあんに含ふくまれているが、全権ぜんけん委任いにん法ほうで設定せっていされた期限きげんは権力けんりょくの継承けいしょうからは独立どくりつしており、国民こくみんと国家こっかを保護ほごするための大統領だいとうりょう令れいには期限きげんは設定せっていされていなかった。 米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうと全権ぜんけん委任いにん法ほうはともに議会ぎかいによって自由じゆうに採決さいけつされ、国民こくみんと国家こっかを保護ほごするための大統領だいとうりょう令れいは「緊急きんきゅう措置そち法ほう」としてヒトラー首相しゅしょうの命令めいれいによりドイツの大統領だいとうりょうによって制定せいていされた。

米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうは見方みかたによって異ことなる側面そくめんを持もっているが、国民こくみんと国家こっかを保護ほごするための大統領だいとうりょう令れいとその後ごに制定せいていされた全権ぜんけん委任いにん法ほうは危機ききにおいて、いかにして自由じゆうは奪うばわれ、政府せいふが憲法けんぽうを合法ごうほう的てきに廃止はいししていくかの例れいとして引用いんようされる。

• 1918年ねんの治安ちあん法ほう（Sedition Act of 1918）は、言論げんろんの自由じゆうにおける萎縮いしゅく効果こうかのため、時ときとして米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうと比較ひかくされる。しかしながら、治安ちあん法ほうには戦時せんじにおける反はん政府せいふ的てきな言論げんろん活動かつどうを規制きせいするという明白めいはくなそして特定とくていの目的もくてきがあった。治安ちあん法ほうは1921年ねんに廃止はいしされた。
• 1996年ねんの反はんテロリズム及および効果こうか的てきな死刑しけい法ほう（Antiterrorism and Effective Death Penalty Act of 1996、AEDPA）

反はんテロリズム及および効果こうか的てきな死刑しけい法ほうは米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの直接ちょくせつの前身ぜんしんとなる法律ほうりつであり、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうによって維持いじまたは拡大かくだいされたテロリズム、外国がいこく諜報ちょうほう活動かつどう監視かんし法ほう、移民いみんなどに関連かんれんする多おおくの条項じょうこうを含ふくんでいる。

• 防諜ぼうちょうプログラム（COINTELPRO）は、敵てき（この場合ばあいはソビエト連邦れんぽう）の恐怖きょうふを煽あおり、平和へいわ時じには受うけ入いれられない行為こういを許容きょようするものであるため、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうと似にていると考かんがえられている。内容ないようにおける基本きほん的てきな類似るいじ点てんは、国家こっかの安全あんぜん保障ほしょうにとって必要ひつようであると捜査そうさ官かんが考かんがえた場合ばあい、相当そうとうの理由りゆうがないのに秘密裏ひみつりにプライバシーの侵害しんがいが行おこなわれることである。

論争ろんそう

「w:Controversial invocations of the USA PATRIOT Act」も参照さんしょう

米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうはその施行しこう以後いご、大おおきな論争ろんそうを巻まき起おこした。

愛国あいこく者しゃ法ほうに反対はんたいする者ものたちは、それが9月11日にちのテロ攻撃こうげき事件じけんの後のちにご都合主義つごうしゅぎ的てきに成立せいりつしたと声高こわだかに主張しゅちょうした。彼かれらは愛国あいこく者しゃ法ほうが上院じょういんを通過つうかしたのは拙速せっそくであり、成立せいりつ前まえの変更へんこうはほとんど行おこなわれなかったと考かんがえていた。（パトリック・リーヒ上院じょういん議員ぎいんとラッセル・ファインゴールド上院じょういん議員ぎいんは法律ほうりつの最終さいしゅう案あんの改正かいせいを提案ていあんした）。

愛国あいこく者しゃ法ほうそれ自体じたいが本当ほんとうに問題もんだい視しされたのは、マイケル・ムーアが彼かれの物議ぶつぎを醸かもした映画えいがである『華氏かし911』で取とりあげてからであった。映画えいがにおいて、彼かれはジム・マクダーモット下院かいん議員ぎいんが上院じょういん議員ぎいんで法案ほうあんを読よんだものはいないと主張しゅちょうしている場面ばめんや、ジョン・コニャーズ・ジュニアが「我々われわれは法案ほうあんをほとんど読よんでいない。君くんは我々われわれが成立せいりつさせようとしている法案ほうあんをすべて読よんでそれが本当ほんとうに必要ひつようであると思おもっているのか？」と語かたっているシーンを撮影さつえいした。コニャーズ議員ぎいんはそれから彼かれのレトリカルな質問しつもんについて答こたえ、彼かれらがしていることがあるとすればそれは「立法りっぽう過程かていを遅おくらせることだ」と主張しゅちょうした。ドラマのような手法しゅほうを使つかい、ムーアはそれからアイスクリーム屋やを雇やとい、ラウドスピーカーとともにワシントン周辺しゅうへんをドライブし、通行人つうこうにん、それには数すう人にんの上院じょういん議員ぎいんも含ふくまれる、に対たいして愛国あいこく者しゃ法ほうについて読よんで聞きかせた。

しかしながら、多おおくの人ひとが愛国あいこく者しゃ法ほうを読よんだことがないことについて気きづかせた批評ひひょう家かはムーアだけではなかった。ダリア・リトウィックとジュリア・ターンは、スレート誌しに「とにかく、愛国あいこく者しゃ法ほうはどれくらい悪わるいの？」と訊たずねられたとき、彼女かのじょたちはそれが「言いうことが難むずかしい」と考かんがえ、そして次つぎのように述のべた。

ACLUは、新あたらしい概況がいきょう報告ほうこく書しょの公開こうかいを司法省しほうしょうに求もとめていますが、愛国あいこく者しゃ法ほうが私わたしたちの基本きほん的てきな自由じゆう権けんのほとんどを危険きけんにさらすものであるということを信しんじてほしいと思おもっています。アシュクロフトと彼かれの部下ぶかたちは法律ほうりつの変化へんかについて、「わずかだが増ふえつつある」と言いっています。ほとんどの人ひとが法律ほうりつを読よんでいないので、それについて私わたしたちが考かんがえ、知しっていることのほとんどは間接かんせつ的てきなものです。法律ほうりつを擁護ようごする人ひとも反対はんたいする人ひとも恐怖きょうふをあおり、ゆがめる罪つみを犯おかすことになるのです。

愛国あいこく者しゃ法ほうの論争ろんそうで最もっとも重要じゅうような例れいのひとつは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく対たいアントイン・ジョーンズの判例はんれいにおいて示しめされた。あるナイトクラブのオーナーが自宅じたくで麻薬まやくの取引とりひきに関かかわっていたことが彼かれの車くるまに取とり付つけられていた法ほう執行しっこう機関きかんのGPS追跡ついせき装置そうちを通つうじて分わかり、その人物じんぶつは起訴きそされた。それが取とり付つけられたのは令状れいじょうによるものではなく、そのことは裁判さいばんにおいて連邦れんぽう政府せいふの検察官けんさつかんが量刑りょうけいを要求ようきゅうする際さいにおいて深刻しんこくな障害しょうがいとなった。裁判さいばんは数すう年ねんにわたり、合衆国がっしゅうこく最高さいこう裁判所さいばんしょまで持もち越こされ、被告ひこくに対たいする有罪ゆうざい判決はんけつは覆くつがえされた。裁判所さいばんしょは愛国あいこく者しゃ法ほうのような法律ほうりつが憲法けんぽうによって保障ほしょうされた容疑ようぎ者しゃの権利けんりが直接的ちょくせつてきな危険きけんにさらされ、そのような監視かんしによる疑うたがいが高たかまったと判断はんだんした。

電子でんしプライバシー情報じょうほうセンター（Electronic Privacy Information Center、EPIC）は、特とくに「法ほうに従したがうアメリカ市民しみんの私的してきな通信つうしんが偶発ぐうはつ的てきに傍受ぼうじゅされている可能かのう性せいがある」愛国あいこく者しゃ法ほうは違憲いけんであると批判ひはんし、電子でんしフロンティア財団ざいだんは、無数むすうの無実むじつのアメリカ人じんの通信つうしんの秘密ひみつを侵おかす盗聴とうちょうを許可きょかするかどうかは「FBIに『白紙はくし委任いにん』する」ような低ひくい基準きじゅんが適用てきようされているという意見いけんを持もち続つづけていた。ロービング・タップを認みとめる法律ほうりつに問題もんだいはないと考かんがえる者ものもいる。ジョじょージタウン大学じたうんだいがくローセンターのデビッド・D・コール教授きょうじゅは、愛国あいこく者しゃ法ほうの多おおくの条項じょうこうについて批判ひはんしている者もののひとりであるが、プライバシーは敏感びんかんな問題もんだいであるが、やむを得えない代償だいしょうであるという結論けつろんに至いたり、ヘリテージ財団ざいだん法律ほうりつ司法しほう研究所けんきゅうじょの法律ほうりつ研究けんきゅう部門ぶもんシニアフェローであるポール・ローゼンズバイグは、ロービング・タップは迅速じんそくに変化へんかする通信つうしん技術ぎじゅつに対たいする単たんなる対応たいおうであり、特定とくていの位置いちや装置そうちに対たいする改善かいぜんの必要ひつようはないと主張しゅちょうしている。

愛国あいこく者しゃ法ほうの第だい2章しょうはまた、盗聴とうちょうの命令めいれいではなく、捜査そうさ令状れいじょうを通つうじたボイスメールへのアクセスを許可きょかしている。センター・フォー・デモクラシー・アンド・テクノロジーのジェームズ・デンプシーは、憲法けんぽう修正しゅうせい第だい4条じょうと愛国あいこく者しゃ法ほう第だい2章しょうに基もとづく盗聴とうちょうは告知こくちの重要じゅうよう性せいが不ふ必要ひつように見過みすごされていると信しんじており、電子でんしフロンティア財団ざいだんは告知こくちの条項じょうこうの欠如けつじょについて批判ひはんしている。しかしながら、電子でんしフロンティア財団ざいだんの批判ひはんはもっと進すすんだものだった。彼かれらは改正かいせい「は合衆国がっしゅうこく憲法けんぽう修正しゅうせい第だい4条じょうに違反いはんしている可能かのう性せいがある」と信しんじていた。なぜなら以前いぜんにFBIがボイスメールを違法いほうに聴取ちょうしゅしていたなら、 それは被告人ひこくにんに対たいする証拠しょうことしてそのメッセージを使つかってはならないからである。他たの者ものたちはこれらの考かんがえに同意どういしなかった。ジョージ・ワシントン大学だいがく法学ほうがく研究けんきゅう科かのオリン・カー教授きょうじゅは、ECPAが「インターネットサービスプロバイダによって蓄積ちくせきされたボイスメールを規制きせいするためにかなり奇妙きみょうなルールを採用さいようした」と信しんじていた。なぜなら「ECPAによれば、もし政府せいふがある人ひとの寝室しんしつに公開こうかいされていないプライベートなメッセージのコピーがあり、別べつのコピーが彼かれらの手元てもとに蓄積ちくせきされたボイスメールがあることを知しっていたら、FBIはただ単純たんじゅんにボイスメールを獲得かくとくしただけで法令ほうれい違反いはんを犯おかしたことになる。法律ほうりつは警察けいさつに実際じっさいに家宅かたく捜索そうさくをさせ、寝室しんしつをくまなく捜索そうさくすることによって獲得かくとくすることを求もとめており、プライベートなボイスメールについて、これ以上いじょう障害しょうがいとなるようなことはない」。カー教授きょうじゅの意見いけんにおいて、これはほとんど意味いみをなさず、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうによる改正かいせいは適切てきせつなものであり意義いぎのあることだった。

米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうに対たいする裁判さいばんによる司法しほう権けんの介入かいにゅうの拡大かくだいにより、全国ぜんこく規模きぼの捜査そうさ令状れいじょうの発行はっこうを許容きょようしたことは、電子でんしフロンティア財団ざいだんの意見いけんの正ただしさを証明しょうめいした。彼かれらは当局とうきょくが「捜査そうさ令状れいじょうに関かんして法ほう執行しっこう機関きかんに対たいする強つよい偏見へんけんを持もつ裁判官さいばんかん、それらの裁判官さいばんかんが少すくなくともノーと言いいそうであるということを利用りようするだけで、もし令状れいじょうが憲法けんぽう修正しゅうせい第だい4条じょうの厳きびしい要求ようきゅうを満みたしていなくても、『選えらぶ』ことができ」、そしてそれにより、より小ちいさなISPまたは電話でんわ企業きぎょうが裁判さいばんで令状れいじょうに異議いぎを申もうし立たてることによって彼かれらの顧客こきゃくのプライバシーを保護ほごしようとすることを少すくなくすることができるようになるだろうと信しんじていた。彼かれらがそう考かんがえた理由りゆうは「ニューヨークの裁判所さいばんしょが令状れいじょうを発布はっぷする前まえに、そのような令状れいじょうによる命令めいれいを受うけたある小ちいさなサンフランシスコのISPは公表こうひょうできるような記録きろくを持もっていないだろう」というものだった。彼かれらはこれは悪わるいことだと信しんじていた。なぜなら通信つうしん事業じぎょう者しゃがそのことを知しることができないばかりに、令状れいじょうに異議いぎを申もうし立たてることができるないだけだからである。多おおくの令状れいじょうは一方いっぽう的てきに発布はっぷされ、それは命令めいれいの対象たいしょう者しゃは、命令めいれいが出だされたときにその場ばにいないことを意味いみする。

一時いちじ的てきに、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうは「スネーク・アンド・ピーク 」捜査そうさ令状れいじょうの発布はっぷを許可きょかした。 EPICやACLUは修正しゅうせい第だい4条じょう違反いはんだとして愛国あいこく者しゃ法ほうを強つよく批判ひはんし、 ACLUはそれを批判ひはんする広告こうこくを流ながし続つづけ、その廃止はいしを呼よびかけた。

しかしながら、 マンハッタン政策せいさく研究所けんきゅうじょの研究けんきゅう員いんであり、ニューヨーク・シティ・ジャーナル誌しへの寄稿きこう者しゃであるヘザー・マクドナルドなどの改正かいせいを支持しじする者ものたちは、それが必要ひつようであるという信念しんねんを述のべた。なぜなら捜査そうさ命令めいれいの通知つうちにおける一時いちじ的てきな遅おくれは捜査そうさの対象たいしょうとなっているテロリストの当局とうきょくへの密告みっこくの妨さまたげとなるからである。

2004年ねん、FBIのエージェントは捜索そうさくのためにこの条項じょうこうを利用りようし、マドリード列車れっしゃ爆破ばくはテロ事件じけんに関与かんよしているとの容疑ようぎがかけられ、2週間しゅうかんもの間あいだ、誤あやまって収監しゅうかんされていたブランドン・メイフィールドの家いえを秘密裏ひみつりに調査ちょうさした。アメリカ政府せいふはメイフィールドと彼かれの家族かぞくに対たいして公式こうしきに謝罪しゃざいし、メイフィールドはそれ以上いじょう裁判さいばんにかけられることはなかった。2007年ねん9月がつ26日にち、アン・エイケン裁判官さいばんかんは、実際じっさいには、愛国あいこく者しゃ法ほうにより、メイフィールドに対たいする不適切ふてきせつな捜査そうさが行おこなわれ、修正しゅうせい第だい4条じょうに違反いはんしていたと判断はんだんした。

テロリズムへの物質ぶっしつ的てきな支援しえんを規制きせいする法律ほうりつは、議論ぎろんの余地よちがあることが証明しょうめいされた。それは電子でんしフロンティア財団ざいだんにより、結社けっしゃの自由じゆうを侵害しんがいしていると批判ひはんされた。電子でんしフロンティア財団ざいだんはこの法律ほうりつが施行しこうされたのはアパルトヘイト政策せいさくが行おこなわれていた頃ころであり、アメリカの市民しみんはアフリカ民族みんぞく会議かいぎ（ANC）を支援しえんすることができなかったと主張しゅちょうした。電子でんしフロンティア財団ざいだんはアフリカ民族みんぞく会議かいぎがテロリスト組織そしきとして分類ぶんるいされていたと信しんじている。彼かれらはまた、イスラエルとパレスチナの紛争ふんそうにより傷きずついた子供こどもをどのように救護きゅうごするかをハマスのメンバーに訓練くんれんすることができない人道的じんどうてきな活動かつどうを行おこなうソーシャルワーカーや、IRAのメンバーに国際こくさい法ほうについて教おしえることができない弁護士べんごし、効果こうか的てきな平和へいわ交渉こうしょうや人権じんけん侵害しんがいを国連こくれんへ申請しんせいする方法ほうほうを教おしえることができない平和へいわ維持いじ活動かつどうに従事じゅうじする職員しょくいんを例れいにとりあげた。

別べつの組織そしき、人道じんどう法ほうプロジェクトもまた、テロリストに対たいする「専門せんもん家かによる助言じょげんと支援しえん」を禁止きんしする条項じょうこうに異論いろんを唱となえ、アメリカ政府せいふに対たいしてそれが違憲いけんであることを明あきらかにするために訴訟そしょうを提起ていきした。彼かれらの訴訟そしょうは成功せいこうし、連邦れんぽう裁判所さいばんしょは、愛国あいこく者しゃ法ほうが相当そうとうの理由りゆうがある人ひとが法律ほうりつに違反いはんしているかどうか予想よそうすることができないほどあいまいであると判断はんだんした。こうして彼かれらは、愛国あいこく者しゃ法ほうが修正しゅうせい第だい1条じょうによって保障ほしょうされているアメリカ市民しみんの権利けんりを侵害しんがいし、それを無意味むいみなものにしていることを明あきらかにした。

おそらく最もっとも大おおきな論争ろんそうを巻まき起おこしたもののひとつは、FBIによる国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの使用しようである。なぜならそれらは裁判所さいばんしょが命令めいれいすることなくFBIに電話でんわ、Eいーメール、資産しさん管理かんり記録きろくを捜索そうさくすることを許容きょようしたからであり、それらは多おおくの集団しゅうだんから批判ひはんされた。2005年ねん11月、ビジネスウィーク誌しは、FBIがラスベガスの企業きぎょうを標的ひょうてきとして、1万まん通つうの国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんを発行はっこうし、1000万まん件けんの資産しさん、信用しんよう、雇用こよう、医療いりょう記録きろくを獲得かくとくしたと報ほうじた。標的ひょうてきとなった企業きぎょうのなかにはカジノや倉庫そうこ業者ぎょうしゃ、レンタカー会社かいしゃが含ふくまれていた。司法省しほうしょうの職員しょくいんは匿名とくめいで、そのような要求ようきゅうは米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの第だい505条じょうによって認みとめられており、要求ようきゅうの数かずの多おおさにもかかわらず、「我々われわれは裁判所さいばんしょを裏うらでせかすようなことはしていない」と主張しゅちょうした。しかしながら、このことが明あきらかになる前まえまでに、ACLUは裁判さいばんで国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの合憲ごうけん性せいについて争あらそっていた。2004年ねん4月がつ、彼かれらは政府せいふが明あきらかにされていない理由りゆうで、ある不明ふめいのインターネットサービスプロバイダに国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんを送おくり付つけたことについて、政府せいふを相手あいてに訴訟そしょうを提起ていきした。ACLU対たい司法省しほうしょう事件じけんにおいて、ACLUは、国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんは合衆国がっしゅうこく憲法けんぽう修正しゅうせい第だい1条じょう違反いはんであると主張しゅちょうした。なぜなら米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうはすべての法的ほうてきな過程かていについて詳細しょうさいに説明せつめいしておらず、 それによって電話でんわまたはインターネット会社かいしゃが国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんの召喚しょうかん令状れいじょうについて裁判さいばんで争あらそうことができなかったと主張しゅちょうした。裁判所さいばんしょはこれに同意どういし、召喚しょうかん令状れいじょうの受取うけとり人じんが裁判さいばんで争あらそうことができないことは違憲いけんであると判示はんじした。議会ぎかいは後のちにこのことを再さい認証にんしょう法ほうのなかで改善かいぜんしようとしたが、彼かれらは非公開ひこうかい条項じょうこうを取とり除のぞかなかったので、連邦れんぽう裁判所さいばんしょは再ふたたび国家こっか安全あんぜん保障ほしょう書簡しょかんは違憲いけんであると判示はんじした。なぜならそれらは裁判さいばんで意義いぎのある司法しほう審査しんさを妨さまたげていたからである。

別べつの米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの条項じょうこうは、図書館としょかんの職員しょくいんたちを大おおいに驚愕きょうがくさせた。第だい215条じょうは、FBIが捜査そうさにおいて国際こくさい的てきなテロリズムまたは秘密裏ひみつりに行おこなわれる諜報ちょうほう活動かつどうから国家こっかを保護ほごするため、支援しえんのための物資ぶっしの生産せいさんに対たいする命令めいれいのために適用てきようすることを許容きょようしている。対象たいしょうとなりうる「有形ゆうけい物ぶつ」のなかには、「書籍しょせき、記録きろく、文書ぶんしょ、資料しりょうや他たの品目ひんもく」が含ふくまれる。

条項じょうこうの支持しじ者しゃたちは、これらの記録きろくは第三者だいさんしゃによってが所持しょじされているものであり、それゆえ市民しみんのプライバシーに対たいする適切てきせつな期待きたいから免除めんじょされ、FBIによって条項じょうこうが濫用らんようされることもないと指摘してきした。それを証明しょうめいするため、ジョン・アシュクロフト司法しほう長官ちょうかんは2003年ねんに情報じょうほうを公開こうかいし、第だい215条じょうによる命令めいれいは未いまだかつて使つかわれたことはないことを示しめした。

しかしながら、抗議こうぎとは裏腹うらはらに、アメリカ図書館としょかん協会きょうかいは条項じょうこうに強つよく異議いぎを唱となえ、図書館としょかん帯出たいしゅつ記録きろくは企業きぎょう活動かつどう記録きろくとは根本こんぽん的てきに異ことなっており、条項じょうこうが言論げんろんの自由じゆうにおける萎縮いしゅく効果こうかをもたらしていると信しんじていた。協会きょうかいは非常ひじょうに警戒けいかいし、彼かれらは米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうを非難ひなんする声明せいめいを発表はっぴょうし、会員かいいんに言論げんろんの自由じゆうと利用りよう者しゃのプライバシーの保護ほごを守まもることを求もとめた。

彼かれらは図書館としょかんの職員しょくいんに捜査そうさ令状れいじょうに従したがう前まえに法的ほうてきな助言じょげんを求もとめることを模索もさくし、会員かいいんには法的ほうてきに必要ひつようとされるまで可能かのうな限かぎり長ながく記録きろくを手渡てわたさないことだけを助言じょげんした。

その後ご、図書館としょかんの職員しょくいんは、記録きろくをばらばらにしてそのような命令めいれいに従したがうことを避さけるようにしたと報告ほうこくされた。

2005年ねん、ACLUとともに図書館としょかん帯出たいしゅつ記録きろくの口外こうがい禁止きんし規定きていに対たいして立たち上あがり、コネチカット・フォーとして知しられるコネチカット州しゅうの図書館としょかんの27か所しょの非ひ営利えいり目的もくてきの協会きょうかいは、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうについて世論せろんを喚起かんきしようとした4人にんの市民しみんを黙だまらせるための第だい505条じょうに基もとづく政府せいふの権限けんげんについて、訴うったえを提起ていきした。この事案じあんはジョン・ドウ対たいアルベルト・ゴンザレス事件じけんとして知しられるようになった。2006年ねん5月がつ、 政府せいふはついに口外こうがい禁止きんし規定きていを維持いじするための法廷ほうてい闘争とうそうを諦あきらめた。コネチカット・フォーと彼かれらによる米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうとの戦たたかいの結末けつまつについて、バーバラ・ジョーンズは次つぎのように記しるしている。「図書館としょかんの職員しょくいんは彼かれらの国くににおける表現ひょうげんの自由じゆうの保護ほごと国家こっかの安全あんぜん保障ほしょうの保護ほごとのあいだの法的ほうてきな均衡きんこうについて理解りかいする必要ひつようがあった。多おおくの図書館としょかんの職員しょくいんは、国家こっかの安全あんぜん保障ほしょうの保護ほご法益ほうえきと同おなじくらい読書どくしょの自由じゆうに対たいする萎縮いしゅく効果こうかは重要じゅうようであるという根拠こんきょになったと信しんじていた」。

米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの論争ろんそうの側面そくめんについて示しめすもうひとつの事例じれいは、司法しほう長官ちょうかんがテロリストによる行為こういの原因げんいんとなりうると判断はんだんしたすべての外国がいこく人じんに対たいしてあいまいな拘束こうそくを許容きょようする移民いみん条項じょうこうである。米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうが成立せいりつする以前いぜん、ワシントン大学だいがく法科ほうか大学院だいがくいんの法学部ほうがくぶ助教授じょきょうじゅであり、シドラー法律ほうりつ商業しょうぎょう技術ぎじゅつセンターの所長しょちょうであるアニタ・ラマサストリーは、合法ごうほう的てきな永住えいじゅう権けんを持もつものを含ふくめ、アメリカへの移民いみんの基本きほん的てきな権利けんりを奪うばう法律ほうりつを告発こくはつしていた。彼女かのじょは、「秘密ひみつの証拠しょうこによるあいまいな拘束こうそく、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうが許容きょようする、とはターリバーンのような組織そしきの正義せいぎではなく、我々われわれのものである。我々われわれの主張しゅちょうは、もし我々われわれが同盟どうめい国こくの国民こくみんをも投獄とうごくするような基本きほん的てきなアメリカの公正こうせいと正義せいぎの保障ほしょうを欠かく法律ほうりつの成立せいりつを許ゆるすなら、テロリストに対たいする国際こくさい的てきな連携れんけいを構築こうちくしようとする我々われわれの試こころみが、深刻しんこくな打撃だげきを受うけるだろうというものである」と警告けいこくした。多おおくの他ほかの者ものもまた、強つよく条項じょうこうを批判ひはんしている。ラッセル・ファインゴールドは、上院じょういん本ほん会議かいぎにおいて、条項じょうこうは「基本きほん的てきな憲法けんぽうが求もとめる手続てつづきの過程かていと公正こうせいさの水準すいじゅんさえ欠かいた審査しんさ不足ふそくの状態じょうたいに陥おちいっており、もしそのままなら、司法しほう長官ちょうかんがわずかな容疑ようぎによって人ひとを拘留こうりゅうすることを許容きょようしかねない」と主張しゅちょうした。カリフォルニア大学だいがくはあいまいな拘束こうそくを（その他たのことよりも）非難ひなんする決議けつぎを可決かけつし、 ACLUは「移民いみんの運命うんめいを決きめる予測よそくのできない新あたらしい権限けんげん...状況じょうきょうはより悪わるくなる、もし外国がいこく人じんが彼かれらを受うけ入いれる国くにを持もたなければ、彼かれらは裁判さいばんを受うけることなく拘留こうりゅうされてしまう」権限けんげんが司法しほう長官ちょうかんに与あたえられたことを告発こくはつした。

米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうのもうひとつの憲法けんぽう上じょうの論点ろんてんは、ブリティッシュコロンビア州しゅうに在住ざいじゅうカナダ人じんのプライバシーへの影響えいきょうである。ブリティッシュコロンビア州しゅうプライバシー委員いいん会かいの委員いいん長ちょうは、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうは、アメリカ政府せいふが、外注がいちゅうされたアメリカの企業きぎょうにカナダ人じんの医療いりょう記録きろくのようなプライベートな情報じょうほうへのアクセスを許容きょようするのではないかと危惧きぐしている。ブリティッシュコロンビア州しゅう政府せいふは、アメリカ政府せいふ当局とうきょくが情報じょうほうを獲得かくとくすることを防ふせぐための手段しゅだんを講こうじ、法律ほうりつの整備せいびによりカナダにおける米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの権限けんげんの拡大かくだいの問題もんだいは克服こくふくされた。ブリティッシュコロンビア州しゅうプライバシー委員いいん会かいのデビッド・ルウキデリス委員いいん長ちょうは、報告ほうこく書しょにおいて、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの問題もんだいの結末けつまつについて、「かつて情報じょうほうは国境こっきょうを通とおって送おくられていた、それは難むずかしいことだが、それが不可能ふかのうでないならば、制御せいぎょすることはできる」と述のべた。

彼かれらのプライバシーを守まもるための努力どりょくの一環いっかんとして、2004年ねん10月がつ21日にち、ブリティッシュコロンビア州しゅうは情報じょうほうの自由じゆうとプライバシーの保護ほご法ほう（Freedom of Information and Protection of Privacy Act（FOIPPA）の改正かいせい法ほうを成立せいりつさせた。これらの改正かいせいは、「サービスの提供ていきょう者しゃによるブリティッシュコロンビア州しゅうの公的こうてき機関きかんのデータの格納かくのう、アクセス、および公開こうかい」について、より厳きびしい制限せいげんを設もうけることを目的もくてきとしている。これらの法律ほうりつはカナダの公的こうてき機関きかんのデータのみを対象たいしょうとしており、国境こっきょうをまたがるあるいは民間みんかん企業きぎょうのデータは対象たいしょうの範囲はんいではない。公的こうてき機関きかんの組織そしきには、2000に上のぼるとみられるの「政府せいふ省庁しょうちょう、病院びょういん、保健所ほけんじょ、大学だいがくや短大たんだい、教育きょういく委員いいん会かい、特別とくべつ行政ぎょうせい区く政府せいふといくつかの王立おうりつ企業きぎょうと協会きょうかい」が含ふくまれる。これらの法律ほうりつにより、多おおくの企業きぎょうは、現在げんざい特とくに彼かれらが所有しょゆうしている敏感びんかんなデータの取とり扱あつかいについて、アメリカ以外いがいの国くにに発注はっちゅう先さきを求もとめている。

ノバスコシア州しゅうでは、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうによるデータ収集しゅうしゅうの手段しゅだんから州しゅうを守まもるための法的ほうてき措置そちが講こうじられた。2007年ねん11月15日にち、ノバスコシア州しゅう政府せいふは、ノバスコシア州しゅうの住民じゅうみんの個人こじん情報じょうほうが米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうによって持もち出だされることを防ふせぐことを目的もくてきとした法律ほうりつを成立せいりつさせた。法律ほうりつは、「個人こじん情報じょうほうが国際こくさい的てきに公開こうかいされることを防ふせぐための新あたらしい法律ほうりつ（The new Personal Information International Disclosure Protection Act）」と題だいされた。法律ほうりつの目的もくてきは、個人こじん情報じょうほうが公開こうかいされることから保護ほごすることとともに、それができなかった場合ばあいの処罰しょばつを定さだめることである。マーレイ・スコット司法しほう大臣だいじんは、「この法律ほうりつは、ノバスコシア州しゅうの住民じゅうみんの個人こじん情報じょうほうの保護ほごを確実かくじつにすることに役立やくだつだろう」と述のべた。法律ほうりつの概要がいようは、公的こうてき機関きかん、特別とくべつ行政ぎょうせい区くとサービス提供ていきょう者しゃの義務ぎむと、これらの責任せきにんが果はたされなかった場合ばあいのその後ごについて述のべている。

2013年ねん6月がつにNSAとそのPRISMプログラムによるアメリカ人じんの通話つうわ記録きろくの収集しゅうしゅうが明あきらかになり（詳細しょうさいはen:Global surveillance disclosures (2013–present)を参照さんしょう）、米国べいこく愛国あいこく者しゃ法ほうの濫用らんようが疑うたがわれ、2001年ねんに愛国あいこく者しゃ法ほうを議会ぎかいに提出ていしゅつしたウィスコンシン州しゅう選出せんしゅつで共和党きょうわとう所属しょぞくのジム・センセンブレナー下院かいん議員ぎいんは、国家こっか安全あんぜん保障ほしょう局きょくはその限界げんかいを超こえてしまったと述のべた。彼かれは声明せいめいを発表はっぴょうし、「私わたしは国家こっかの安全あんぜん保障ほしょうと公民こうみん権けんとのバランスについて、おおよそ愛国あいこく者しゃ法ほうを信しんじていたが、私わたしは濫用らんようの可能かのう性せいについても常つねに懸念けねんしていた」と述のべた。彼かれは加くわえて、「何なん百ひゃく人にんもの無実むじつの人々ひとびとの通話つうわ記録きろくを収集しゅうしゅうすることは行いき過すぎであり、アメリカにとってふさわしくないことだ」と述のべた。

関連かんれん項目こうもく

• アメリカ同時どうじ多発たはつテロ事件じけん
  • アメリカのアフガニスタン侵攻しんこう
  • イラク戦争せんそう
• 対たいテロ戦争せんそう - テロ対策たいさく特別とくべつ措置そち法ほう
• 覇権はけん主義しゅぎ
• 全体ぜんたい主義しゅぎ
• アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく国土こくど安全あんぜん保障ほしょう省しょう
  • 連邦れんぽう捜査そうさ局きょく国家こっか保安ほあん部ぶ(NSB)／中央ちゅうおう情報じょうほう局きょく(CIA)／アメリカ国家こっか安全あんぜん保障ほしょう局きょく(NSA)
  • 盗聴とうちょう／拉致らち
  • PRISM (監視かんしプログラム)
    • エドワード・スノーデン
• US-VISIT
• パスポート#ICパスポートの導入どうにゅう
• グァンタナモ米まい軍ぐん基地きち
  • 「グアンタナモ、僕達ぼくたちが見みた真実しんじつ」
• エネミー・オブ・アメリカ

外部がいぶリンク・参考さんこう文献ぶんけん

すべて英語えいご

政府せいふ資料しりょう

• The Act began as House Resolution (H.R.) 3162.
  • H.R. 3162 at Congress.gov
  • H.R. 3162, Vote Summary (House)
  • H.R. 3162, Vote Summary (Senate)
• "The USA PATRIOT Act: Preserving Life and Liberty" by the Department of Justice
• 2005 renewal:
  • H.R. 3199 at Congress.gov
  • Section-by-section summary by Senator Patrick Leahy

賛成さんせい意見いけん

• The Patriot Act and Related Provisions: The Heritage Foundation's Research
• Patriot Hysteria — The Zacarias Moussaoui Protection Act, article by Rich Lowry, National Review
• The Patriot Act under Fire by law professors John Yoo and Eric Posner, December 23 2003
• The Patriot Act, Reauthorized, JURIST

反対はんたい意見いけん

• PATRIOT Games: Terrorism Law and Executive Power, JURIST
• The Loyal Nine, youth based civil liberties organization against the USA PATRIOT Act
• "Domestic Security Enhancement Act of 2003" also known as "PATRIOT Act II" by Timothy H. Edgar
• ACLU: 7 State Governments and over 389 Local Governments Pass Resolutions Denouncing The USA PATRIOT Act
• American Library Association's Resolution on the PATRIOT Act
• "War on Terror" Human Rights Issues Amnesty International USA — Denial Of Rights: Amend the USA PATRIOT Act Now!
• Jennifer Van Bergen, Repeal the USA PATRIOT Act A six-part series analyzing the Act.
• Beware of the "Domestic Security Enhancement Act" by activist group ReclaimDemocracy.org
• Bill of Rights Defense Committee: community-level initiatives opposing the Act
• Electronic Frontier Foundation's detailed analysis of the Act, October 27 2003
• Moveon.org Voter Fund: Video contest entry criticizing the PATRIOT Act
• Patriot Raid, by Jason Halperin, AlterNet, April 29 2003 — alleged account of raid and detention under auspices of the Act
• Should you be scared of the Patriot Act? — analysis by Dahlia Lithwick, Slate
• Statement Of U.S. Senator Russ Feingold On The Anti-Terrorism Bill, October 25 2001
• Protecting the Rights of Individuals Act 2003: Proposed Senate bill to limit USA PATRIOT Act
• Thousands dead, millions deprived of civil liberties?, by Richard Stallman, September 17 2001
• Analysis of the USA PATRIOT Act: PEN American Center
• T.J. Rodgers. U.S. gets closer to Orwell's Big Brother, San Jose Mercury News, December 29 2005.
• League of Women Voters' Resources on the USA PATRIOT Act and Individual Liberties
• The Patriot Act in Violation of Civil Liberties

その他た

• Pros vs. Cons Examination of the USA PATRIOT Act
• Patriot Act news and resources, JURIST
• Video Debate: Howard Dean and Governor Bill Owens (R-CO), debate the USA PATRIOT Act, August 9 2004 (Real Player required)
• More on Wikipedia and its PATRIOT Act overview; Volokh Conspiracy, Orin Kerr
• Read Congressional Research Service (CRS) Reports regarding the USA PATRIOT Act
• Is the Patriot Act Unconstitutional? - Encarta

法律ほうりつ研究けんきゅう資料しりょう

• Chesney, Robert M. "The Sleeper Scenario: Terrorism Support Laws and the Demands of Prevention". Harvard Journal on Legislation (2005).
• Gouvin, Eric J. "Bringing Out the Big Guns: The USA PATRIOT Act, Money Laundering and the War on Terrorism". Baylor Law Review 55 (2003): 955.
• Kerr, Orin. "Digital Evidence and the New Criminal Procedure". Columbia Law Review (2005).
• Slovove, Daniel J. "Fourth Amendment Codification and Professor Kerr's Misguided Call for Judicial Deference". Fordham Law Review 74 (2005).
• Van Bergen, Jennifer. "In the Absence of Democracy: The Designation and Material Support Provisions of the Anti-Terrorism Laws". Cardozo Pub. [?] Law Policy & Ethics Journal 2 (2003): 107.
• Wong, Kam C. "Implementing the USA PATRIOT Act: A Case Study of the Student and Exchange Visitor Information System (SEVIS)". Brigham Young University Education and Law Journal 2 (2006).
• ---. "The making of the USA PATRIOT Act I: Legislative Process and Dynamics". International Journal of the Sociology of Law 34.3 (2006): 179-219.
• ---. "The making of the USA PATRIOT ACT II: Public Sentiments, Legislative Climate, Political Gamesmanship, Media Patriotism". International Journal of the Sociology of Law 34.2 (2006): 105-140.
• ---. "USA PATRIOT Act and a Policy of Alienation". Michigan Journal of Minority Rights 1 (2006): 1-44.
• ---. "USA PATRIOT Act: Some Unanswered Questions". International Journal of the Sociology of Law 43.1 (2006): 1-41.

関連かんれん書籍しょせき

• Cole, Dave, and James X. Dempsey. Terrorism and the Constitution: Sacrificing Civil Liberties in the Name of National Security. 2nd ed. New York: W. W. Norton & Co., 2002. ISBN 1-56584-782-2. (Full discussion of prior legislative history of the Act, going back more than ten years.)
• Mailman, Stanley, Jeralyn E. Merritt, Theresa M. B. Van Vliet, and Stephen Yale-Loehr. Uniting and Strengthening America by Providing Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism (USA Patriot Act) Act of 2001: An Analysis. Newark, NJ and San Francisco, CA: Matthew Bender & Co., Inc. (a member of the LexisNexis Group), 2002. (Rel.1-3/02 Pub. 1271) ("An expert analysis of the significant changes in the new USA Patriot Act of 2001 [which]...track[s] the legislation by section, explaining both the changes and their potential impact with respect to: enhanced surveillance procedures;money laundering and financial crimes; protecting the border; investigation of terrorism; information sharing among federal and state authorities; enhanced criminal laws and penalties for terrorism offenses, and more.")
• Michaels, C. William. No Greater Threat: America Since September 11 and the Rise of the National Security State. Algora Publishing, 2002. ISBN 0-87586-155-5. (Covers all ten titles of the USA PATRIOT Act; an updated version, including discussion of amendments and complements to the Act, is just completed but not yet available.)
• Van Bergen, Jennifer. The Twilight of Democracy: The Bush Plan for America. Common Courage Press, 2004. ISBN 1-56751-292-5. (A constitutional analysis for the general public of the USA PATRIOT Act and other administrative measures, with the first half of the book spent on principles of democracy and constitutional law.)
• Brasch, Walter. America's Unpatriotic Acts: The Federal Government's Violation of Constitutional and Civil Rights. Peter Lang Publishing , 2005. ISBN 0820476080 (A long list of civil rights abuse claims by the Bush Administration inside the United States and other countries.)
• Kam C. Wong, "The Impact of USA Patriot Act on American Society: An Evidence Based Assessment" (N.Y.: Nova Press, 2007) (In print)
• Kam C. Wong, "The Making of USA Patriot Act: Legislation, Implementation, Impact" (Beijing: China Law Press, 2007) (In print)