HTML5

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Hyper Text Markup Language version5
Hyper Text Markup Language version5でのコード記述きじゅつれい
(この場合ばあい文字もじコードは、UTF-8指定していされ、ウェブブラウザーのページタイトル表示ひょうじらんには、「HTML5 example」と表示ひょうじされ、本文ほんぶんには、「Text」とかれる)
拡張子かくちょうし(HTML)
.html
.htm
(XML構文こうぶん)
.xhtml
.xht
.xml
MIMEタイプ(HTML)
text/html
(XML構文こうぶん)
application/xhtml+xml
application/xml
タイプコードTEXT
Hyper Text Markup Language
UTIpublic.html
開発かいはつしゃWorld Wide Web Consortium, WHATWG
種別しゅべつマークアップ言語げんご

HTML5(エイチティーエムエル・ファイブ)は、World Wide Web Consortium(W3C)がかつて策定さくていしていたHyperText Markup Languageの5かいたる大幅おおはば改定かいていばんであり、2021ねん1がつ28にち廃止はいしされた。 現在げんざいHTML Living Standard英語えいごばんによってえられている[1]

Web Hypertext Application Technology Working Group(WHATWG)によって2004ねんさだめられたWeb Applications 1.0Web Forms 2.0れたものをベースとしている。W3Cの専門せんもん委員いいんかいにより2008ねん1がつ22にちにドラフト(草案そうあん)が発表はっぴょうされ、2014ねん10がつ28にちに HTML5 が勧告かんこくされ[2]、2016ねん11月1にちに HTML 5.1 が[3]、2017ねん12月14にちに HTML 5.2 が勧告かんこくされたのち[4]、2021ねん1がつ28にち廃止はいしされた。WHATWGによって策定さくていされているHTML Living Standardが有効ゆうこう後継こうけい規格きかくとして案内あんないされている[5]

改訂かいてい主要しゅよう目的もくてきのひとつとして、人間にんげんにも読解どっかい可能かのうで、なおつ、コンピュータやデバイス(ウェブブラウザ構文こうぶん解析かいせきなど)にも矛盾むじゅんせず読解どっかいされるとともに最新さいしんマルチメディアをサポートする言語げんご向上こうじょうすることである。HTML5ではHTMLだけでなくXHTMLDOMのHTML関係かんけい部分ぶぶんECMAScriptAPI追加ついかになっている。

表記ひょうきは、「HTML 5.1」のようにバージョン表記ひょうき小数点しょうすうてん以下いかふくめる場合ばあいはHTMLと5.1のあいだにスペースをれ、「HTML5」のように小数点しょうすうてん以下いかふくめない場合ばあいはHTMLと5のあいだにスペースをふくめない表記ひょうきほう採用さいようされている[6]過去かこのバージョンについても、「HTML4」や「HTML 4.0」という表記ひょうきほう使つかわれている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

HTML5は、プロプライエタリプラグインとして提供ていきょうされているリッチインターネットアプリケーションプラットフォームえることを標榜ひょうぼうしており、ウェブアプリケーションのプラットフォームとしての機能きのうやマルチメディア要素ようそ実装じっそうされている[7][8]。このため、Adobe Flashなどはサービスを終了しゅうりょうすることとなった(後述こうじゅつ)。

2008ねん以降いこう発表はっぴょうされたウェブブラウザのおおくはHTML5に対応たいおうしている。Google Chrome 3.0以降いこうSafari 3.1以降いこうFirefox 3.5以降いこうOpera 10.5、Internet Explorer 9などでありおもaudio要素ようそvideo要素ようそcanvas要素ようそへの対応たいおう優先ゆうせんしておこなわれた。またWebSocketなど、当初とうしょHTML5の一部いちぶとされていたもののはなされべつ規格きかくとして策定さくてい作業さぎょうすすめられているものがある。

広義こうぎのHTML5[編集へんしゅう]

厳密げんみつにはべつ仕様しようしょとして分離ぶんりされているものの、一般いっぱんてきには、ウェブストレージWebSocketGeolocation API英語えいごばんXMLHttpRequest Level 2などもHTML5にふくめる場合ばあいおおい。

W3CのHTML5 Logoでは以下いかのカテゴリをHTML5にふくめている[9]

W3C[編集へんしゅう]

規格きかく 初版しょはん草案そうあん[ちゅう 1] 最終さいしゅう草案そうあん[ちゅう 2] 勧告かんこく候補こうほ[ちゅう 3] 勧告かんこくあん[ちゅう 4] 勧告かんこく[ちゅう 5]
HTML 5.0 2008ねん1がつ22にち 2011ねん5がつ25にち 2014ねん6がつ17にち[ちゅう 6] 2014ねん9がつ16にち 2014ねん10がつ28にち
HTML 5.1 2012ねん12月17にち 2016ねん6がつ2にち[ちゅう 7] 2016ねん6がつ21にち 2016ねん9がつ15にち 2016ねん11月1にち
HTML 5.1 2nd Edition 2016ねん11月1にち[ちゅう 8] 2017ねん6がつ20日はつか 2017ねん8がつ3にち 2017ねん10がつ3にち
HTML 5.2 2016ねん8がつ18にち 2017ねん7がつ18にち[ちゅう 7] 2017ねん8がつ8にち 2017ねん11月02にち 2017ねん12月14にち[10]
HTML 5.3 2017ねん12月14にち[11][12][13]

HTML Living Standard[編集へんしゅう]

HTML Living Standardは、WHATWGが策定さくていしているHTMLの規格きかくである。W3Cの勧告かんこくするHTML5およびそれ以降いこう(HTML 5.1など)は、HTML Living Standardをもとにしている。

ただし、2019ねん5月28にち発表はっぴょうされたW3CとWHATWGの合意ごうい[14]以前いぜんにおいては、「W3Cがわ変更へんこうがなされており、両者りょうしゃ仕様しようには差異さいしょうじている[15][16]」という状況じょうきょうつづいていた。WHATWGはウェブブラウザの開発かいはつもとにより結成けっせいされており、このころにおいてはHTML Living Standardのほうがよく参照さんしょうされていた[17][18]

2019ねん5がつ28にち、W3CとWHATWGは、「HTML Living StandardをHTMLとDOMの唯一ゆいいつ標準ひょうじゅんとし、W3Cは今後こんごHTMLとDOMにかんする標準ひょうじゅん策定さくていおこなわない」むね合意ごういしたことを発表はっぴょうした[14]以降いこうHTML Living Standard唯一ゆいいつ標準ひょうじゅん規格きかくとなり、ある時点じてんにおけるHTML Living StandardのレビュードラフトがそのままW3Cの勧告かんこく候補こうほ勧告かんこくとなる。2021ねん1がつ28にち、WHATWGにあるHTML Review DraftがW3Cによって勧告かんこくされたことによってHTML5は廃止はいしされた[19]。このため、2021ねん5がつ現在げんざい有効ゆうこうなHTMLの標準ひょうじゅん規格きかくはHTML Living Standardとなっている[20]

技術ぎじゅつ仕様しよう[編集へんしゅう]

エンコーディング[編集へんしゅう]

文書ぶんしょ文字もじコードにはUTF-8を推奨すいしょうしている。文書ぶんしょ文字もじコードの指定していは、meta要素ようそにおけるcharset属性ぞくせい指定していする。これとHTTPレスポンスヘッダーのcontent-typeでエンコード宣言せんげん省略しょうりゃくされた場合ばあいはUTF-8が既定きていとなる。またcharset属性ぞくせいふくめたmeta要素ようそ文章ぶんしょう先頭せんとうから1024バイト以内いない記載きさいする必要ひつようがある[21]

文書ぶんしょ構造こうぞう[編集へんしゅう]

従来じゅうらいのHTMLやXHTML規格きかくは、仕様しようかれた文書ぶんしょ構造こうぞうのルールだけではなく、妥当だとうせい検証けんしょうのためのDTD(およびそのほかのスキーマ)を提供ていきょうしていた。一方いっぽう、HTML5仕様しようではスキーマは提供ていきょうされない。文書ぶんしょ構造こうぞうのために提供ていきょうされるのはHTML5仕様しよう列挙れっきょされている各種かくしゅルールのみである。

従来じゅうらいのHTMLとの文法ぶんぽう差異さい[編集へんしゅう]

HTML5仕様しよう以下いかのふたつの構文こうぶん採用さいようしている。

  • HTML5仕様しようしょなか定義ていぎされるHTML構文こうぶん狭義きょうぎのHTML5
  • HTML5仕様しようしょからXMLおよびその関連かんれん仕様しよう参照さんしょうしてさだめているXML構文こうぶん

一方いっぽう従来じゅうらいのHTML仕様しようSGMLをその構文こうぶん採用さいようしている。SGMLおよびその関連かんれん仕様しよう参照さんしょうしており、規格きかくごとに以下いかのような差異さいもある。

  • SGML規格きかく本体ほんたいのみを参照さんしょうしているもの → HTML 4.0以前いぜん
  • SGML規格きかく本体ほんたいおよび付属ふぞくしょJ、付属ふぞくしょKを参照さんしょうしているもの → HTML 4.01や、ISO/IEC 15445など

おもにこのようなちがいのために、HTML5と従来じゅうらいのHTMLとのあいだには基本きほんてき文法ぶんぽう差異さいおおい。以下いかにその代表だいひょうてきれいげる。

SGML宣言せんげん[編集へんしゅう]

SGMLを採用さいようしていた従来じゅうらいのHTML規格きかくにおいては、HTML文書ぶんしょ本質ほんしつてきにSGML文書ぶんしょであったため、HTML規格きかくがそれぞれ提供ていきょうするSGML宣言せんげん文書ぶんしょ先頭せんとう記述きじゅつすることが仕様しようじょうゆるされていた。一方いっぽうHTML5の仕様しようでは、HTML構文こうぶん、XML構文こうぶんのいずれをもちいた場合ばあいでも、文書ぶんしょちゅうにSGML宣言せんげん記述きじゅつすることはゆるされていない。

文書ぶんしょがた宣言せんげんおよびDTDのあつか[編集へんしゅう]

HTML5仕様しようにおいては、文書ぶんしょがた宣言せんげんはもはやモード指定してい以外いがい意味いみをなさず、その書式しょしきは “<!DOCTYPE html>” である。

HTML構文こうぶんでは文書ぶんしょがた宣言せんげん必須ひっすである。XML構文こうぶんでは、HTML5で導入どうにゅうされるあたらしい機能きのう利用りようする場合ばあい必須ひっす、それ以外いがい場合ばあい文書ぶんしょがた宣言せんげん必須ひっすではない。

従来じゅうらいのHTML規格きかく提供ていきょうされていたDTDがなくなり、また文書ぶんしょがた宣言せんげん書式しょしきまっているため、HTML5ではDTDが利用りようできず、DTDに依存いぞんするおおくの機能きのうのほとんどがあつかえなくなる。れいとしては、HTML4以前いぜんあつかえていた文字もじ実体じったい参照さんしょうのほとんどがHTML5ではあつかえなくなる(XMLは文書ぶんしょ内部ないぶにDTDをくこともできるが、上記じょうき文書ぶんしょがた宣言せんげんまりを無視むしする結果けっかとなるため、HTML5の仕様しよう範疇はんちゅうではない)。

処理しょり命令めいれい[編集へんしゅう]

SGMLを採用さいようしていた従来じゅうらいのHTML規格きかくでは、文書ぶんしょない処理しょり命令めいれい記述きじゅつすることができた。実際じっさいもちいられているれいとして、DTDを処理しょりけい利用りようするための「architectural support declaration」が存在そんざいする (ISO/IEC 15445)。

一方いっぽう、HTML5仕様しようにおけるHTML構文こうぶんではSGMLの処理しょり命令めいれい記述きじゅつできず、同様どうよう機能きのう利用りようできない。XML構文こうぶんであればXMLの処理しょり命令めいれいける。

マーク区間くかん[編集へんしゅう]

SGMLを採用さいようしていた従来じゅうらいのHTML規格きかくでは、マーク区間くかん (marked section) とばれる仕組しくみが利用りようできた。以下いかれいげる。

<!DOCTYPE HTML PUBLIC "ISO/IEC 15445:2000//DTD HTML//EN">
<html><head><title>...</title></head>
  <body>
    <p><![INCLUDE[ INCLUDE...マーク区間くかん宣言せんげんがない場合ばあいおなじように解釈かいしゃくされる ]]></p>
    <p><![IGNORE[  IGNORE ...マーク区間くかん中身なかみ無視むしされる ]]></p>
    <p><![RCDATA[  RCDATA ...マーク区間くかん中身なかみがRCDATAとして処理しょりされる ]]></p>
    <p><![CDATA[   CDATA  ...マーク区間くかん中身なかみがCDATAとして処理しょりされる ]]></p>
    <p><![TEMP[    TEMP   ...マーク区間くかん中身なかみ一時いちじてきなものとしてあつかわれる ]]></p>
  </body>
</html>

うえげたれいのうち、HTML5仕様しよう利用りようできるのはCDATAセクションのみである。

コメントと注釈ちゅうしゃく宣言せんげん[編集へんしゅう]

SGMLのコメントは「-- コメントぶん --」というかたちり、マーク宣言せんげんちゅう空白くうはく文字もじ出現しゅつげんゆるされている場所ばしょ任意にんい回数かいすうくことができる。したがって従来じゅうらいのHTMLでは文書ぶんしょがた宣言せんげんなかなどでもコメントを挿入そうにゅうすることが可能かのうで、たとえばISO/IEC 15445の文書ぶんしょがた宣言せんげん

<!DOCTYPE HTML PUBLIC "ISO/IEC 15445:2000//DTD HTML//EN" --コメント-->

のようにもける。一方いっぽう、HTML5の文書ぶんしょがた宣言せんげんにはコメントを挿入そうにゅうすることはできない。

また、注釈ちゅうしゃく宣言せんげんあつかいも従来じゅうらいのHTMLとHTML5ではことなる。SGMLを採用さいようしていた従来じゅうらいのHTMLでは注釈ちゅうしゃく宣言せんげんなか任意にんい回数かいすうコメントをくことができるが、HTML5ではHTML構文こうぶんでもXML構文こうぶんでもこのようなかたみとめられていない。また、従来じゅうらいのHTMLでは注釈ちゅうしゃく宣言せんげんない最後さいごのコメントと終了しゅうりょうあいだ空白くうはく文字もじ挿入そうにゅうすることもできたが、HTML5ではこのようなかたみとめられていない。

<!--コメント1-- --コメント2-- --HTML5ではこのような注釈ちゅうしゃく宣言せんげんけない-->
<!-- この注釈ちゅうしゃく宣言せんげんかたもHTML5では不可能ふかのう--  >

終了しゅうりょう省略しょうりゃく[編集へんしゅう]

SGMLをもとにした従来じゅうらいのHTMLでは、タグやマーク宣言せんげん終了しゅうりょう>」が、文字もじれつ<」「</」の直前ちょくぜん存在そんざいする場合ばあい、その終了しゅうりょう>」を省略しょうりゃくすることが仕様しよううえではゆるされていた[ちゅう 9]。HTML5では終了しゅうりょう省略しょうりゃくはできない。

<!DOCTYPE HTML PUBLIC "ISO/IEC 15445:2000//DTD HTML//EN">
<html<head<title>Sample</title</head>
<body<p>じないタグ」のれい終了しゅうりょう省略しょうりゃくされている</p</body</html>

そらタグ[編集へんしゅう]

SGMLにおけるそらタグとは要素ようそ型名かためいなどがかれていないからっぽのタグのことである。従来じゅうらいのHTMLではそらタグの存在そんざいゆるしており、利用りようできる場所ばしょかぎられるが、そら開始かいしタグ「<>」とそら終了しゅうりょうタグ「</>」が仕様しよううえでは記述きじゅつできる。一方いっぽう、HTML5ではそらタグを利用りようすることはできない。

簡略かんりゃく終了しゅうりょうタグ[編集へんしゅう]

SGML規格きかくには、NET(簡略かんりゃく終了しゅうりょうタグ)とばれる仕組しくみが存在そんざいする。従来じゅうらいのHTMLでのNETは「/」であり、仕様しようじょうでは、 「<p>文章ぶんしょう</p>」という記述きじゅつを「<p/文章ぶんしょう/」とくような記法きほうゆるされていた。

一方いっぽうのHTML5に簡略かんりゃく終了しゅうりょうタグという仕組しくみはない。ただし、後述こうじゅつするそら要素ようそ開始かいしタグを "<br />" などと記述きじゅつする方法ほうほうは、(従来じゅうらいのSGMLの立場たちばでは)NETを利用りようしたものと解釈かいしゃくすることはできる。XMLのそら要素ようそタグも、SGMLの立場たちばからはNETおよび付属ふぞくしょKのNESTCを利用りようした記法きほうであると解釈かいしゃくできる。

そら要素ようそのタグ[編集へんしゅう]

従来じゅうらいのSGMLおよびHTMLにおけるそら要素ようそは、DTDで内容ないようモデルをそら (EMPTY) とめられた要素ようそのことである(れい:br要素ようそ[ちゅう 10]従来じゅうらいのHTMLでは、そら要素ようそ終了しゅうりょうタグをくことはゆるされていない[ちゅう 11]。よってたとえば、br要素ようそのタグを「<br />」や「<br></br>」のように記述きじゅつすることもできない。

HTML5のHTML構文こうぶんにおけるそら要素ようそは、内容ないようふくむことができない要素ようそのことである[22]そら要素ようそはその開始かいしタグを「>」「/>」のいずれかでじることができる。れいげると、br要素ようそのタグは「<br>」と記述きじゅつするほかに、XML構文こうぶんのように「<br />」と記述きじゅつすることもできる。ただしそら要素ようそ終了しゅうりょうタグをくことはできない[23]。また、このような記法きほうゆるされるのはそら要素ようそまたは外部がいぶ要素ようそ (foreign element) のタグのみで、その要素ようそ開始かいしタグは「>」でじねばならない。たとえば、HTML5のHTML構文こうぶんでは内容ないようふくまないp要素ようそを「<p />」のようにくことはできない。

XML仕様しようにおいては、そら要素ようそ内容ないようふくまない要素ようそのことである[24]。HTML5のXML構文こうぶんでは、そら要素ようそ直後ちょくご終了しゅうりょうタグをともな開始かいしタグ(れい:「<br></br>」)、あるいはそら要素ようそタグ(れい:「<br />」)のどちらでも表現ひょうげんできる。

HTML5 の要素ようそ属性ぞくせい[編集へんしゅう]

nav要素ようそ(ナビゲーションのブロックよう)やfooter要素ようそ作者さくしゃ著作ちょさくけん状態じょうたいあらわすまとまりよう)やsection要素ようそふし)やprogress要素ようそ進捗しんちょくじょうきょう)など、特別とくべつ意味いみ要素ようそ追加ついかされる。これらは検索けんさくエンジンのインデックス作業さぎょう容易よういにする。また、マルチメディアのためのaudio要素ようそvideo要素ようそや2次元じげんビットマップ画像がぞう描画びょうがするためのcanvas要素ようそ追加ついかされる。

HTML 4.01で推奨すいしょうだったfont要素ようそcenter要素ようそなどのCSSによって実現じつげんされるべきマークアップはすべて廃止はいしされることとしている。acronym要素ようそ廃止はいしされ、abbr要素ようそ一本いっぽんされる。

lang属性ぞくせいは、XML構文こうぶんにおけるxml:lang属性ぞくせいのようにそら文字もじれつをとりる。

あたらしいAPI[編集へんしゅう]

HTML5ではマークアップだけでなく、APIあたらしく追加ついかされた。たとえば、以下いかのようなものである。

  • ビデオやオーディオの再生さいせい
  • 保存ほぞん
  • オフライン
  • 編集へんしゅう
  • ドラッグ&ドロップ
  • もどるボタン
  • Webページじょうのメニュー

エラーのあつか[編集へんしゅう]

HTML5 (text/html) 対応たいおうブラウザは間違まちがった構文こうぶん柔軟じゅうなん処理しょりできる。HTML5は、ふるいブラウザがあたらしいHTML5の構造こうぞう安全あんぜん無視むしすることが出来できるように設計せっけいされている。HTML 4.01とは対照たいしょうてきに、HTML5は対応たいおうしたブラウザであれば間違まちがった構文こうぶんたいしておな結果けっかとなるように、字句じく解析かいせき構文こうぶん解析かいせきのための詳細しょうさい規則きそく規定きていしている[25]

XML構文こうぶんとXHTML5[編集へんしゅう]

いまのXML構文こうぶんたいして、当初とうしょXHTML5」という表現ひょうげん使用しようされていた[26][27]

その、2016ねん、WHATWG HTML標準ひょうじゅんではXHTMLという用語ようご廃止はいし[28][29]、それ以降いこうたんにXML構文こうぶん (XML syntax)と表記ひょうきしている。これにより、W3C HTMLでもHTML 5.2から同様どうようにXML構文こうぶんかたり採用さいようしている。

既存きそん技術ぎじゅつとの競合きょうごう[編集へんしゅう]

Adobe Flash[編集へんしゅう]

2010ねんごろまでに急速きゅうそく普及ふきゅうしたAppleiPhoneiPadがFlash対応たいおうつらぬき、スティーブ・ジョブズCEO(当時とうじ)がHTML5を支持しじしFlashをきびしく批判ひはんしたことがおおきな影響えいきょうあたえた[30]。iPhoneやiPadにFlash対応たいおうもとめるこえおおかったが[31][32]とくにスマートフォンけでは徐々じょじょにFlashからHTML5への転換てんかんすすんだ。

Flashの開発元かいはつもとであるアドビシステムズは、かつてしゃをあげてFlashを擁護ようごしたが[33][34][35]、2011ねん11月には、モバイルブラウザーようのFlash Playerの開発かいはつ中止ちゅうし発表はっぴょうした[36]。(2013ねんには担当たんとうしゃでCTOだったケビン・リンチがAppleへ転職てんしょく[37])2017ねん現在げんざい、アドビはHTML5の推進すいしん積極せっきょくてきであり、FlashからHTML5への変換へんかんツールなどをリリースしている。

モバイルアプリケーション[編集へんしゅう]

スマートフォンけのアプリのおおくは、HTML5で開発かいはつされたウェブアプリケーションわるという見方みかたがある。2011ねんにイギリスのフィナンシャル・タイムズかみがHTML5による購読こうどくアプリを発表はっぴょう注目ちゅうもくあつめた[38][39]。アップルのApp Storeには審査しんさ課金かきんかんする制約せいやくおおきく、Androidでは1つのアプリで様々さまざまなハードウェア仕様しよう対応たいおうする必要ひつようがあるが、Webアプリケーションではそれらの制約せいやくけない。一方いっぽうかく端末たんまつけの公式こうしきアプリストアで配布はいふされるネイティブアプリにもメリットはあるため、2012ねん時点じてんではえがおおきくすすんでいるわけではない。くわえて、Android端末たんまつiOS端末たんまつではネイティブアプリの開発かいはつさいまった別個べっこ開発かいはつ環境かんきょう要求ようきゅうされるのにたいし、HTML5はほぼ完全かんぜん共通きょうつう技術ぎじゅつ使つかえ、しかもHTML5で開発かいはつしたアプリをネイティブアプリにすることも可能かのうになっているためネイティブアプリ開発かいはつでHTML5が利用りようされることもすくなくない。

video要素ようそ[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ えい: First Public Working Draft
  2. ^ えい: Last call working draft
  3. ^ えい: Candidate Recommendation
  4. ^ えい: Proposed Recommendation
  5. ^ えい: W3C Recommendation
  6. ^ 2014ねん4がつ29にちばん勧告かんこく候補こうほとしたのち、2014ねん6がつ17にちもどしを宣言せんげんして2014ねん7がつ31にちばんとなる。Philippe le Hegaret (2014ねん6がつ17にち). “HTML5: ON OUR WAY TO RECOMMENDATION”. W3C. 2020ねん8がつ8にち閲覧えつらん
  7. ^ a b 最終さいしゅう草案そうあんとの記載きさいはないが事実じじつじょう最終さいしゅう草案そうあん
  8. ^ 内容ないようはHTML 5.1勧告かんこくそのもの
  9. ^ 終了しゅうりょう省略しょうりゃくしたタグは「じないタグ」とばれた。JIS X 4151 "じない開始かいしタグ" "じない終了しゅうりょうタグ"
  10. ^ ただし、たん内容ないようがないだけの要素ようそそら要素ようそぶこともある。このため、たん内容ないようがない要素ようそとの区別くべつのために、SGMLの付属ふぞくしょKなどでは強制きょうせいそら要素ようそ (mandatorily empty element) という用語ようご使つかわれる。
  11. ^ SGML規格きかく付属ふぞくしょKがくわわる以前いぜんには、そら要素ようそ終了しゅうりょうタグを記述きじゅつすること自体じたい禁止きんしされており。また、付属ふぞくしょKを参照さんしょうしたHTML 4.01やISO/IEC 15445 でも、HTML4以前いぜん同様どうようそら要素ようそ終了しゅうりょうタグを記述きじゅつしてはならないこととなった。またいずれのHTML規格きかくでもNETは "/" だった。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ W3C HTML”. www.w3.org. 2021ねん10がつ15にち閲覧えつらん
  2. ^ HTML5勧告かんこく–オープン・ウェブ・プラットフォームの重要じゅうようなマイルストーンを達成たっせい
  3. ^ HTML 5.1 is a W3C Recommendation | W3C News
  4. ^ HTML 5.2 is done, HTML 5.3 is coming | W3C Blog
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  11. ^ HTML 5.2 IS NOW A W3C RECOMMENDATION”. W3C (2017ねん12月14にち). 2020ねん8がつ8にち閲覧えつらん
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  13. ^ HTML 5.3 W3C Working Draft, 18 October 2018”. W3C (2018ねん10がつ18にち). 2020ねん8がつ8にち閲覧えつらん
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  23. ^ 原文げんぶんHTML5仕様しよう "Void elements only have a start tag; end tags must not be specified for void elements"
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