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だい182かい:こう輝度きど武器ぶきにした映像えいぞう表現ひょうげんしん提案ていあん東芝とうしば「55Z8」

だい182かい:こう輝度きど武器ぶきにした映像えいぞう表現ひょうげんしん提案ていあん東芝とうしば「55Z8」

直下ちょっかLEDのREGZA Z8は「優等生ゆうとうせい」か「異端いたん革命かくめい」か

REGZA Z8シリーズ

 2013ねんは4Kテレビのしん製品せいひん各社かくしゃから相次あいついでリリースされ、4K元年がんねんわれるほどにまでなった。REGZAシリーズをゆうする東芝とうしばは2011ねんまつ発表はっぴょうしたREGZA 55X3より4Kテレビ製品せいひんちからそそいでおり、2013ねん従来じゅうらいトップエンドモデルにけていた「Z」型番かたばん称号しょうごうを4Kテレビにあたえることとなった。それが、ほん連載れんさいでもげたREGZA Z8Xシリーズだ。

 「それではもうフルHD(2K)モデルのトップエンドモデルはもうないのか」と心配しんぱいもされもしたのだが、おくれること数カ月すうかげつ、フルHDばんの「Z」型番かたばんモデルも投入とうにゅうされた。それが、今回こんかい紹介しょうかいするREGZA Z8である。

 東芝とうしばによれば、2013ねんモデルから、型式けいしきばん末尾まつびに「X」がくのが4Kモデルという命名めいめい規則きそくになったそうで、今回こんかい紹介しょうかいする55Z8はフルHDモデルのため「X」がない。ただし「さい上位じょういのフルHD REGZA」というブランディングをかんするために、このREGZA Z8には「プレミアム2K」モデルという称号しょうごうあたえられている。

 2013ねん12月時点じてんじつうれ価格かかくは42がたの42Z8が13まんえん前後ぜんこう、47がたの47Z8が17まんえん前後ぜんこう、55がたが26まんえん前後ぜんこう。58がたやく40まんえんの4Kモデル「58Z8X」と55がたの55Z8を比較ひかくでは10まん以上いじょう価格かかくがある。

設置せっちせいチェック~さらにすすんだせま額縁がくぶち&コンパクトデザイン。サウンド性能せいのう向上こうじょう

55Z8

 55インチサイズという数値すうちから連想れんそうされるおおきさからはだいぶコンパクトにえる。外形がいけい寸法すんぽうはスタンド設置せっち状態じょうたいで124.1×19×75.8cm(はば×奥行おくゆき×たかさ)。ディスプレイあつみはわずか6.7cmだ。

 今回こんかいも、筆者ひっしゃ自宅じたく使用しようしている2011ねん発売はつばい「55ZG2」のまえくようなかたち設置せっちしたが、左右さゆうやく6cmちいさく、たて方向ほうこうやく10cmも55Z8のほうひくかった。すうねんまえの50インチテレビの寸法すんぽうかえってみたところ、ほぼこの55Z8とどう寸法すんぽうであった。その意味いみでは、すうねんまえに50がたのテレビをいていた場所ばしょに、55Z8は55がたえられるということである。

 このコンパクトさは、圧倒的あっとうてきせま額縁がくぶちデザインからるものだ。額縁がくぶちはば実測じっそくしてみたところ、左右さゆうやく12mm、うえやく11mm、した16mmじゅうろくみりであった。せま額縁がくぶち設計せっけいはデザインてき見栄みばえがくなるだけでなく、室内しつない照明しょうめいなどからのがえしが最小限さいしょうげんむというメリットもある。また、暗室あんしつではない照明しょうめいであってもほとんど額縁がくぶち存在そんざいえないため、映像えいぞうかべかんでえるような感覚かんかく新鮮しんせんだ。

 なお、55Z8の額縁がくぶちはディスプレイ表示ひょうじめんとの若干じゃっかん段差だんさがあり、ソニーのオプティコントラストパネルのようなシームレスデザインにはなっていない。ただ、額縁がくぶち段差だんさ部分ぶぶんは2mmきょう程度ていどでつや加工かこうがなされているため、表示ひょうじめんからのひかりがここで反射はんしゃすることはほぼない。

 おもさはスタンドみでもやく17kg。ディスプレイだけならば15.8kg。安全あんぜんのために2人ふたり以上いじょうはこぶことがのぞましいが、重量じゅうりょうてきには筆者ひっしゃいちにんでも問題もんだいなくはこべてしまうほどかるかった。

 近年きんねんはどのメーカーの製品せいひんもスタンドがていすすんでいるが55Z8もこのながれをくみ、設置せっちだいめんからディスプレイ部下ぶかあたりまでの隙間すきまはわずか35mm。ちょうどDVD/BDパッケージ4つぶんあつみだ。スタンドはディスプレイとがっちりとリジッド接合せつごうする構造こうぞうとなっており、くび機構きこうなどの可動かどう部分ぶぶんたない。この部分ぶぶん導入どうにゅう留意りゅういすべきポイントとなる。

 スピーカーは3.0cm×9.6cmの角形かくがたフルレンジユニットを下部かぶ左右さゆうんだインビジブルタイプだ。下向したむきインビジブルがただが、音質おんしつわるくはない。音量おんりょうげても再生さいせい周波数しゅうはすう特性とくせいのバランスはくずれないし、低音ていおん力強ちからづよく、高音こうおんびもいい。ロックやポップスの楽曲がっきょくいくつかいてみたかんじでは、スネアドラムやライドシンバルの初期しょきアタックおんのレスポンスも良好りょうこうだった。

ラビリンスバスレフがたボックス

 REGZA Z8シリーズおよびJ8シリーズでは、エンクロージャにしん採用さいようの「ラビリンスバスレフがたボックス」を採用さいようし、スピーカユニット自体じたいも「こう能率のうりつ&こうたい入力にゅうりょくスピーカー」を採用さいようしたそうで、インビジブルがたわりりょう音質おんしつ理由りゆうはここにありそうだ。

 なお、音声おんせい出力しゅつりょく左右さゆう15W+15W、そう出力しゅつりょく30Wで、じつ同型どうけい4Kモデルの55Z8Xよりもすぐれている。筆者ひっしゃとしては「音声おんせい設定せってい」-「音声おんせい調整ちょうせい」-「低音ていおん強調きょうちょう」を「じゃく」くらいにしたほうが、バスドラムのかわ質感しつかんなどがリアルにこえて心地ここちよいとかんじた。55Z8には、5バンドのイコライジング機能きのう搭載とうさいされているので、さらに調整ちょうせいしてよりこのみの音質おんしつんでいくのもいいだろう。

 定位ていいかん問題もんだいなし。スピーカー開口かいこう下向したむきだが、デジタル音像おんぞう補正ほせい技術ぎじゅつ適用てきようすることで、ちゃんと画面がめん中央ちゅうおう付近ふきん音像おんぞう定位ていいしている。

 ていかく消費しょうひ電力でんりょくは277W。年間ねんかん消費しょうひ電力でんりょくりょうは150kWh/としていかく消費しょうひ電力でんりょくは、近年きんねんどう画面がめんサイズ液晶えきしょうテレビと比較ひかくすればややおおきめだ。これは、55Z8のバックライトシステムが直下ちょっかがたLED実装じっそうタイプを採用さいようし、LEDの実装じっそう個数こすうおおいためだろう。一方いっぽう年間ねんかん消費しょうひ電力でんりょくりょうは、近年きんねんどうサイズ液晶えきしょうテレビと大差たいさい。これは、映像えいぞう表示ひょうじつねぜんバックライト点灯てんとう表示ひょうじしているわけではないためだ。

接続せつぞくせいチェック~タイムシフトプラス1機能きのう利用りようのために必要ひつよう機材きざいは?

背面はいめん接続せつぞく端子たんし。HDDユニット「THD-450T1A」を装着そうちゃくしている。ぶらがっているのはUSBハブだ。タイムシフトプラス1を使つかうにはUSBハブが必須ひっす

 接続せつぞく端子たんしパネルは画面がめん正面しょうめんかって左側ひだりがわ側面そくめんおよ背面はいめんがわはいされている。

 HDMI入力にゅうりょく背面はいめんがわに3系統けいとう側面そくめんがわに1系統けいとう装備そうびする。すべてのHDMI入力にゅうりょくは3D立体りったい、Deep Color、x.v.Colorなどに対応たいおうする。REGZAのx.v.Color対応たいおうモデルは久々ひさびさだ。なお、ARC(オーディオリターンチャンネル)に対応たいおうするのはHDMI1、MHLに対応たいおうするのは側面そくめんがわのHDMI4のみとなっている。

 PC入力にゅうりょくはHDMI端子たんしからのデジタルRGB接続せつぞく可能かのう。HDMIかい調ちょうレベルの設定せっていは「機能きのう設定せってい」メニューの「外部がいぶ入力にゅうりょく設定せってい」-「RGBレンジ設定せってい」からおこなえ、おなじく、PCやゲームとの接続せつぞく問題もんだいとなる「オーバースキャン」と「アンダースキャン」のえは[クイック]メニューから[その操作そうさ」-「画面がめんサイズせつかわ」-「フル」から「オーバースキャン」と「ジャストスキャン」(アンダースキャン)の選択せんたくえられる。

HDMIかい調ちょうレベルの設定せっていは「機能きのう設定せってい」メニューの「外部がいぶ入力にゅうりょく設定せってい」-「RGBレンジ設定せってい」から

 アナログビデオ入力にゅうりょくはコンポジットビデオ入力にゅうりょく端子たんしのみ。ついにD入力にゅうりょくやコンポーネントビデオ入力にゅうりょくがREGZAから姿すがたした。アナログ入力にゅうりょくよう音声おんせい入力にゅうりょく(RCA)は、HDMI3ようのアナログ音声おんせいとして排他はいた利用りようすることもできる。

 音声おんせい出力しゅつりょく端子たんしひかりデジタルとアナログ音声おんせい(ステレオミニ)。このミニジャックはヘッドフォン端子たんし兼用けんようになる。ネットワーク機能きのうは100Mbpsの有線ゆうせんLANと、IEEE 802.11a/b/g/n対応たいおう無線むせんLANをそなえている。

 これまでおおくのREGZAに搭載とうさいされてきたSDカードスロットはほんでは省略しょうりゃくされた。デジタル写真しゃしんなどはSDカード経由けいゆではなく、USB接続せつぞくしたデジカメ経由けいゆや、MHL接続せつぞくした携帯けいたい電話でんわ経由けいゆ表示ひょうじさせてしい、とうことかもれない。

タイムシフトよう別売べつばいHDD「THD-450T1A」

 USB端子たんし背面はいめんに3系統けいとう側面そくめんに1系統けいとう装備そうびする。側面そくめんがわのUSB端子たんしはキーボードやUSBメモリ、デジカメなどの汎用はんよう機器きき接続せつぞくよう背面はいめんがわほう録画ろくが関連かんれんようのUSB端子たんしとなっていて、仕様しようてきにはZ8Xシリーズと共通きょうつうだ。3系統けいとうのUSB端子たんしにはA、B、Cの記号きごうめいけられており、USB AとBは最大さいだい6チャンネルのデジ放送ほうそう自動じどう録画ろくがする「タイムシフトマシン」専用せんようのHDDを接続せつぞくするためのもので、USB-Cは通常つうじょう録画ろくがようそとけHDDを接続せつぞくするために用意よういされる。

 録画ろくがようHDDとしては市販しはんのUSB HDDも利用りよう出来できるが、Z8本体ほんたい合体がったいできるランドセル設置せっちスタイルの東芝とうしば純正じゅんせいHDDもリリースされている。容量ようりょうが4.5TBの「THD-450T1A」(じつうれ5まんえん前後ぜんこう)と、2.5TBの「THD-250T1A」(どう2.5まんえん前後ぜんこう)が発売はつばいされている。

操作性そうさせいわるチェック~D入力にゅうりょく省略しょうりゃくでゲームけSD映像えいぞう関連かんれん機能きのう姿すがた

リモコン。機能きのうけが若干じゃっかん移動いどうしているが、基本きほんてきにはZ7/Z8Xなどとおな

 リモコンのデザインはREGZA Z7からおおきな変更へんこうはなし。チャンネルせつかわよう数字すうじボタンの刻印こくいん非常ひじょうおおきくやすいつくりだ。

 こまかい使用しようかんうと[番組ばんぐみ説明せつめい]ボタンがなくなったことで、番組ばんぐみひょう表示ひょうじしたときに番組ばんぐみ内容ないよう確認かくにんするさいに[クイック]ボタンをしてから「番組ばんぐみ説明せつめい」メニューをえらんでからでないと番組ばんぐみ詳細しょうさい確認かくにんできなくなったのが少々しょうしょうさびしい。

 それと、[クイック]ボタンをしたとき、これまでは画質がしつ調整ちょうせい関連かんれんのメニューである「映像えいぞう設定せってい」がメニューリストの最上さいじょうはしにあったのだが、55Z8ではさい下段げだん移動いどうさせられてしまった。ただし、メニューをじても前回ぜんかいのカーソル位置いち記憶きおくされるので、普段ふだんから「映像えいぞう設定せってい」を使用しようしているユーザーであれば、[クイック]ボタンをした直後ちょくごであってもカーソルはちゃんと「映像えいぞう設定せってい」にったままメニューがひらかれる。メニューリストのさい下段げだんだからといってなんも[↓]ボタンを連打れんだする必要ひつようはない。

映像えいぞう設定せってい」メニュー
「ヒストグラム表示ひょうじ」モード
信号しんごうフォーマット詳細しょうさい表示ひょうじ」モード

 電源でんげんオン操作そうさからデジ放送ほうそう画面がめんるまでの所要しょよう時間じかんやく1.5びょう。これはかなり高速こうそくだ。

 デジ放送ほうそうのチャンネルせつかわ所要しょよう時間じかんやく2.0びょう入力にゅうりょくせつかわはHDMI→HDMIでやく2.5びょう。もうすこはやいとうれしいところだが「たされている」と感覚かんかくはない。

 調ちょうモードのえは所要しょよう時間じかんせつかわもとせつかわさきわせでゼロびょうからやく2.0びょうまでとバラバラだ。時間じかんかるときは画面がめんがブラックアウトし、音声おんせいれてしまうのがややにかかる。

 調ちょう設定せっていは、REGZA Z7から採用さいようされた「コンテンツモード」と「映像えいぞうメニュー」の段階だんかいわせシステムがZ8でも継承けいしょうされている。コンテンツモードは、表示ひょうじ映像えいぞう特性とくせいを「そのコンテンツが特質とくしつ」に最適さいてきするためのもので、実質じっしつてきには「映像えいぞうエンジンのい」をめる設定せってい相当そうとうする。一方いっぽうの「映像えいぞうメニュー」は従来じゅうらいからあるプリセット調ちょうモードてきなもので「色調しきちょう調ちょう方針ほうしん」をめるものになる。一般いっぱんてきには、「コンテンツモード=オート」「映像えいぞうメニュー=おまかせ」で使つかえばいいし、「コンテンツモード=オート」のまま、「映像えいぞうメニュー」を従来じゅうらいどおりのプリセット調ちょうモードてき活用かつようするのもアリだろう。

 アスペクトモードの所要しょよう時間じかん同様どうようせつかわもとせつかわさきわせでゼロびょうからやく2.0びょうまでとはばがあり、こちらも時間じかんかるときは画面がめんがブラックアウトし、音声おんせい途切とぎれる。

 アスペクトモードのバリエーション自体じたい歴代れきだいのREGZAからおおきな変更へんこうはなし。

モードめい概要がいよう
スーパーライブ/HDスーパーライブいわゆる疑似ぎじワイドモード。4:3アスペクトの映像えいぞう外周がいしゅうばして表示ひょうじする
ズーム/HDズーム4:3映像えいぞうに16:9映像えいぞうをはめんでレターボックス収録しゅうろくした映像えいぞう部分ぶぶんのみをして16:9フル表示ひょうじする
映画えいが字幕じまくズームモードのバリエーションともいえるべきモードで、レターボックス収録しゅうろくされた映像えいぞう字幕じまく表示ひょうじのこしつつ拡大かくだいする。えに映像えいぞう上部じょうぶ若干じゃっかんれることがある
フルパネル全域ぜんいき表示ひょうじする。16:9映像えいぞうのためのモード
ノーマル4:3映像えいぞうをアスペクト維持いじして最大さいだい表示ひょうじする。左右さゆう表示ひょうじ領域りょういきができる
Dot By Dot拡大かくだい解像度かいぞうど変換へんかんおこなわずに表示ひょうじするモード。PCでデスクトップ解像度かいぞうどを1,920×1,080ドットとした場合ばあいにはこれを選択せんたくすべき
ゲームフル映像えいぞう処理しょりロジックを可能かのうかぎりバイパスして表示ひょうじ遅延ちえん軽減けいげんさせた「フル」モード
ゲームノーマル映像えいぞう処理しょりロジックを可能かのうかぎりバイパスして表示ひょうじ遅延ちえん軽減けいげんさせた「ノーマル」モード

 REGZAらしく、Z8でも、ゲームけアスペクトモードは充実じゅうじつしているが、コンポーネントビデオ入力にゅうりょく/D入力にゅうりょく省略しょうりゃくされたことで、今回こんかい一部いちぶのゲーム関連かんれんアスペクトモードが姿すがたしている。なくなったのはPSPをぜん画面がめん表示ひょうじするための「ポータブルズーム」、スケーリング回路かいろをバイパスさせるが自己じこ合同ごうどうせいがたさい構成こうせいがたちょうかいぞう処理しょりいろちょうかいぞう処理しょり適用てきようさせる480p/480i映像えいぞうけのモード「DVDファイン」「レトロゲームファイン」「SDゲームファイン」などの「ファイン」けいモード。

 ゲームけいではないが、SD映像えいぞう最適さいてきしたちょうかいぞう処理しょりほどこす「DVDファイン」は、Z8でのこっている。こちらは、480p/480i映像えいぞう入力にゅうりょく(HDMI入力にゅうりょくおよびコンポジットビデオ入力にゅうりょくとも動作どうさ確認かくにん)にかぎって利用りよう可能かのうとなるもので、自己じこ合同ごうどうせいちょうかいぞうによる垂直すいちょくばい伸長しんちょうのみ動作どうささせ(通常つうじょうのスケーラーによる拡大かくだいおこなわない)、ななめエッジの鮮鋭せんえい確保かくほしながらジャギー低減ていげんおこなうもの。このため垂直すいちょく解像度かいぞうどが960p相当そうとうとなり、映像えいぞう表示ひょうじ若干じゃっかんちいさくなるが、くっきりとしたボケあじのない表示ひょうじられる。Z7までのREGZAに搭載とうさいされていた「『SDゲームファイン』の一般いっぱん映像えいぞうばん」というとらかたでいいだろう。SDコンテンツをとにかくくっきりすっきりたいというひと活用かつようしたい機能きのうである。

 タイムシフトマシン機能きのうとクラウド関連かんれん機能きのうは、REGZA Z7をほぼそのまま継承けいしょうしている。タイムシフトマシン機能きのうについては「ざんまいプレイ」などの詳細しょうさいれた記事きじを、クラウド関連かんれん機能きのうについてはその代表だいひょうてき機能きのうである「TimeOn」機能きのう詳細しょうさいについて解説かいせつした記事きじ参考さんこうにしていただきたい。

 なお、Z8シリーズは、REGZAとしてははじめてBS/CSデジタル放送ほうそうのタイムシフトマシン「タイムシフトプラス1」に対応たいおうした。タイムシフトマシンのデジ6chにくわえ、通常つうじょう録画ろくがようデジ、BS/CSチューナの1系統けいとうろくつづけられるというものだ。タイムシフトのほか、放送ほうそうわず1チャンネルを録画ろくがつづけられるというわけだ。

 ただし、この「タイムシフトプラス1」の利用りようには、USB HDDが1とUSBハブが必要ひつようになる。USBハブが必要ひつようというのは少々しょうしょうハードルがたかい。

タイムシフトプラス1は、タイムシフトマシン録画ろくがとはべつメニューから設定せっていする。からした機能きのうだということはこうしたメニュー構成こうせいからもうかがえる
タイムシフトプラス1で録画ろくがした1chの「週間しゅうかん番組ばんぐみひょう

 というのも、Z8の録画ろくがようUSB端子たんしはA/B/Cの3系統けいとうだが、USB-A/Bはデジのタイムシフト録画ろくが専用せんよう端子たんしのため、タイムシフトプラス1の接続せつぞくはUSB-C端子たんし限定げんていされる。ただ、USB-C端子たんし通常つうじょう録画ろくがようHDDの接続せつぞくよう端子たんしでもあるので、タイムシフトプラス1専用せんようとして提供ていきょうしてしまうと通常つうじょう録画ろくがができなくなってしまう。だからUSBハブが必要ひつようなのだ。また、USB-Cをタイムシフトプラス1のためだけに使つか場合ばあいでも、システムがわ通常つうじょう録画ろくがHDDとタイムシフトプラス1よう判別はんべつするために、USBハブが必要ひつようというわけだ。こうした接続せつぞくせいのわかりにくさは、今後こんご解消かいしょうしてしいポイントだ。

画質がしつチェック ~ありそうでなかった「ハイダイナミックレンジ復元ふくげん」とは?

画素がそ形状けいじょうは(ぎゃく)「く」のがた。REGZA Z7と同系どうけいおもわれるIPSがた液晶えきしょう

 55Z8の液晶えきしょうパネルはIPSがた液晶えきしょう採用さいようする。その関係かんけいからか、3D立体りったいへんこう方式ほうしきでの対応たいおうとなっている。

 画素がそ形状けいじょうは(ぎゃく)「く」のがたで、REGZA Z7の画素がそ形状けいじょうとよくている。

 バックライトは白色はくしょくLEDの直下ちょっかがた採用さいようしている。こん現在げんざい直下ちょっかがた白色はくしょくLEDバックライトを採用さいようする液晶えきしょうテレビは皆無かいむというわけではないが、50インチオーバーサイズではかなり少数しょうすうとなっており、近年きんねんのREGZAでかえると、REGZA S7が39インチモデルまでで採用さいようしていた程度ていど大型おおがたサイズのREGZAでは55X3以来いらい直下ちょっかがた白色はくしょくLEDバックライトモデルということになる。

 もちろん、バックライトは、映像えいぞうフレームちゅう明暗めいあん分布ぶんぷにリアルタイム適応てきおうさせて局所きょくしょてき明度めいど調整ちょうせいするエリア駆動くどう対応たいおうする。なお、このREGZA Z8のオリジナルなエリア駆動くどう技術ぎじゅつには「ダイレクトLEDエリアコントロール」という名称めいしょうけられている。

 映像えいぞう一目いちもくかんじるのは圧倒的あっとうてきあかるさだ。これはおおげさに誇張こちょうっているわけではなく、本当ほんとうあかるい。

 東芝とうしばによればどう画面がめんサイズで比較ひかくした場合ばあい先代せんだいのREGZA Z7の1.75ばいあかるさとうから強烈きょうれつだ。

 最大さいだい輝度きどは、700cd/m2はあるとのこと。一般いっぱんてき液晶えきしょうテレビは400~450cd/m2なので、たしかにそのくらいの倍率ばいりつにはなる。また、開発かいはつ関係かんけいしゃによれば、今回こんかい直下ちょっかがたLEDバックライトシステムは潜在せんざい能力のうりょくてきには1,250cd/m2までの輝度きどまでせるとのことで、55Z8はとてつもない輝度きどパワーをめたモデルだといえる。

47Z8のカットモデル
LEDバックライトモジュール

 なお、LEDの個数こすう自体じたい非公開ひこうかいとなっている。2013ねん10がつ開催かいさいされたCEATECでは47インチモデルのカットモデルが展示てんじされ、これのLED個数こすうかぞえたかぎりでは91個いっこ(よこ13×たて7)であった。42インチモデルや今回こんかいの55インチモデルでも、同等どうとう程度ていどだとおもわれる。

 55Z8の輝度きど性能せいのうは、工場こうじょう出荷しゅっか状態じょうたい設定せっていのプリセット調ちょうモード(映像えいぞうメニュー)である「おまかせ」でも、相当そうとうあかるくかんじるが、55Z8の輝度きど性能せいのう最大限さいだいげん活用かつようするためにはプリセット調ちょうモードを「あざやか」に設定せっていするとかりやすい。

 室内しつない相当そうとうあかるくても、55Z8のあかるさはけをらないし、それこそつよ陽光ようこう室内しつないんで55Z8にこうむったとしても、映像えいぞう表示ひょうじ影響えいきょうほとんいとおもえるほどあかるい。筆者ひっしゃも、はじめてプリセット調ちょうモードを「あざやか」にしたときには、あまりものあかるさにおもわずわらってしまったほどだ。

 ただし、この圧倒的あっとうてきあかるさは、ただ画面がめん全体ぜんたいあかるくして実現じつげんしているのではないということに、いくつかの映像えいぞうていてく。

 映像えいぞうちゅうこう輝度きど部分ぶぶんたいしてとくたか輝度きどあたえているのだ。

 たとえば、くら部屋へやから陽光ようこうあふれる屋外おくがいているようなシーンや、画面がめん全体ぜんたいてきにはちゅう明度めいどでもフレームないこう輝度きど照明しょうめいやハイライトがている箇所かしょは、そこがするど発光はっこうするのだ。映像えいぞうちゅう自発じはつこう部分ぶぶんやハイライト部分ぶぶん本当ほんとうにリアルにかがやいているような質感しつかん表示ひょうじされるのである。

 この55Z8の視聴しちょう体験たいけんは、以前いぜん、Dolbyのデモで、ハイ・ダイナミック・レンジ(HDR)ディスプレイ「PRM-4200」をときのことをおもこさせてくれた。

 この55Z8のリアリティあふれるこう輝度きど表示ひょうじ特性とくせいには東芝とうしばは「ハイダイナミックレンジ復元ふくげん」という技術ぎじゅつめいあたえている。

ハイダイナミックレンジ復元ふくげん

 一般いっぱんてき映像えいぞうは、カメラで撮影さつえいしたさい露出ろしゅつ補正ほせいかい調ちょう圧縮あっしゅくおこなわれて、テレビやディスプレイで表示ひょうじできる輝度きどレンジやかい調ちょう特性とくせい補正ほせいされたものになっている。PRM-4200のようなHDRディスプレイでは、HDR撮影さつえいされた映像えいぞうを、そのまま相対そうたいてき現実げんじつ世界せかいのコントラストちかかたち輝度きど表示ひょうじするわけだが、55Z8の「ハイダイナミックレンジ復元ふくげん」では、一般いっぱんてき映像えいぞうもと現実げんじつ世界せかい輝度きど復元ふくげんするような処理しょりほどこして、疑似ぎじてきなハイダイナミックレンジ表示ひょうじおこなってくれるのだ。

 いくつかの映像えいぞうてみたかんじでは「フレームない明暗めいあんはげしい映像えいぞう」や「ハイライト表現ひょうげんがフレームない散見さんけんされる映像えいぞう」でこの「ハイダイナミックレンジ復元ふくげん機能きのう効果こうかおおきいとかんじた。ぎゃく効果こうかかりにくいのは全体ぜんたいてきくら映像えいぞうだ。

ハイダイナミックレンジ復元ふくげん=オフ
ハイダイナミックレンジ復元ふくげん=オン

 写真しゃしんでは、撮影さつえいかい調ちょう圧縮あっしゅくされてしまって実際じっさいの55Z8でのかたつたえられないが、屋外おくがい情景じょうけいひろがりがかんじられ、かえしがとてもリアル。あおびんのハイライトがそと陽光ようこうつよさをつたえるとともびんのガラスの質感しつかんをリアルにせてくれる。

 それではこう輝度きど性能せいのうすぐれる55Z8はくら映像えいぞう表示ひょうじ不得意ふとくいか…というと、プリセット調ちょうモードを適宜てきぎえてやれば、一般いっぱんてき液晶えきしょうテレビとわらない暗部あんぶかい調ちょう表現ひょうげんくろ表現ひょうげんおこなってくれる。たとえば「映画えいがプロ」などの調ちょうであれば、暗室あんしつでの試聴しちょうきの暗部あんぶかい調ちょう重視じゅうし調ちょうくろうわきをおさんだ表示ひょうじにはなる。ただ、プリセット調ちょうモード「あざやか」はさすがに暗部あんぶくろちがちとなる。ハイダイナミックレンジかんのリアリティと、暗部あんぶ表現ひょうげんりょくがいいバランスでマッチしているのはプリセット調ちょうモード「標準ひょうじゅん」あたりだ。ここは、映像えいぞうちゅうこう輝度きど部分ぶぶんをリアルにせつつ、暗部あんぶうわちはほどほどにおさえてくれる。

 輝度きどムラについては、直下ちょっかがたバックライトという構造こうぞうてき優位ゆういせいもあってか、ほとんどかんじられず。輝度きど均一きんいつせいレベルはなかなか優秀ゆうしゅうえそうだ。なお、本体ほんたいうすいせいもあり、評価ひょうかは、漆黒しっこく表示ひょうじおこなったさい表示ひょうじめんかど付近ふきんから若干じゃっかんひかりれが確認かくにんされた。

輝度きど均一きんいつせい優秀ゆうしゅう
Z8採用さいようしん白色はくしょくLEDバックライトはいろいきもZ7で14%拡大かくだいされた

 輝度きどスペックばかりにく55Z8だが、じつ発色はっしょく性能せいのう向上こうじょうしている。筆者ひっしゃはいつも発色はっしょくテストにはカラーチャートを表示ひょうじさせて確認かくにんしているのだが、じゅんしょくでは最初さいしょあか発色はっしょくのダイナミックレンジの拡大かくだいがつかされた。あか発色はっしょくがとてもふかするどく、くろあかグラデーションを表示ひょうじさせるとさい暗部あんぶにまであかあじのこるほどいろ深度しんどふかい。あおみどり良好りょうこうで、中間色ちゅうかんしょく二色にしき混合こんごうグラデーションも非常ひじょうなめらかだ。東芝とうしばによれば今回こんかいしん直下ちょっかがた白色はくしょくLEDバックライトシステムでは、いろいきがREGZA Z7で14%もひろくなっているとのことで、たしかにその効果こうか片鱗へんりんかんじられる。

 肌色はだいろ発色はっしょくも、しん直下ちょっかがた白色はくしょくLEDバックライトシステムの恩恵おんけいさずかっているようでとても自然しぜんかんじだ。半袖はんそでからびたうで陰影いんえいはとてもリアルにまるえるし、皮膚ひふ肌理きめあらわれる肌色はだいろベースのいろディテールなども鮮明せんめいでサラツルっとした質感しつかんまでがイメージできる。こうしたリアルにえるはだ質感しつかん表現ひょうげんは、ちょうかいぞう処理しょりなどの効果こうかとの相乗そうじょう効果こうかなのかもしれないが、すくなからず、今回こんかいいろいき14%拡大かくだい恩恵おんけいもあるにちがいない。

 すべてのシーンでハマるわけではないが、今回こんかい筆者ひっしゃ評価ひょうかでは、屋外おくがいシーンで撮影さつえいされた人物じんぶつかおはだはプリセット調ちょうモード「あざやか」でるととてもリアリティにあふれていた。薄化粧うすげしょうはだるハイライトは、その場面ばめん太陽たいよう方向ほうこうまでがかるかんじがするほどリアルで、その人物じんぶつはだ透明とうめいかんをも際立きわだたせていた。ひとみうえうつかがみぞうするどひかるため、本当ほんとうきている人間にんげんのようにもえてくる。

いろいき設定せってい=x.v.Color
いろいき設定せってい=いろいき復元ふくげん
いろいき設定せってい=標準ひょうじゅん
いろいき設定せってい=x.v.Color
いろいき設定せってい=いろいき復元ふくげん
いろいき設定せってい=標準ひょうじゅん

 映像えいぞうはx.v.Color対応たいおうのものではないためx.v.Colorでの表示ひょうじ参考さんこうまで。いろいき復元ふくげんではいろ深度しんどふかくなる。「いろくなる」というよりはいろかい調ちょう表現ひょうげんゆたかになるかんじだ。

過去かこフレームだけでなく未来みらいフレームも参照さんしょうしてのちょうかいぞう処理しょり採用さいよう

 ちょうかいぞう処理しょりやノイズ処理しょりについては、REGZAらしい安定あんていした高画質こうがしつが55Z8でも再現さいげんされていた。

 55Z8ではちょうかいぞう処理しょりは1フレームぶんをバッファリングして、表示ひょうじフレームにたいして過去かこフレーム2フレームぶん未来みらいフレーム1フレームぶん相関そうかん配慮はいりょしたちょうかいぞう処理しょりおこなう「3次元じげんフレームちょうかいぞう技術ぎじゅつ」(レゾリューションプラス7)を採用さいようしている。これは、普段ふだんているデジ放送ほうそう映像えいぞうたいしても効果こうかかりやすい。タレントがているニットシャツなどの網目あみめがかなり先鋭せんえいえるし、その網目あみめひとひとつにつハイライトは、前出ぜんしゅつのハイダイナミックレンジ復元ふくげんするどひかるのでとてもリアルにえるのだ。これは写真しゃしんてもちがいのかる効果こうかこのみにわせて使つかっていきたい。

ちょうかいぞう処理しょり(レゾリューションプラス)=オフ
ちょうかいぞう処理しょり(レゾリューションプラス)=オン
カラーテクスチャー(いろちょうかいぞう)=オフ
カラーテクスチャー(いろちょうかいぞう)=オン

 ノイズ低減ていげんかんしては従来じゅうらいモデルでも信頼しんらいせいたかかったMPEGノイズ低減ていげん機構きこうくわえ、あらたに「パンニング検出けんしゅつ対応たいおう3次元じげんノイズリダクション」がくわわっている。これは、カメラが左右さゆううごいて撮影さつえいしたような、左右さゆうにスクロールする映像えいぞうたい的確てきかくなノイズ低減ていげんおこなう機能きのうになる。ノイズ低減ていげんとは語弊ごへい覚悟かくごたとえれば対象たいしょう箇所かしょにボカし(拡散かくさん)をあたえるものだ。この機能きのうは、映像えいぞう全体ぜんたいうごいたときに、そのうごきを把握はあくすることで映像えいぞう全体ぜんたいにノイズ低減ていげん適用てきようされるのをふせぐと同時どうじに、的確てきかくなノイズ低減ていげん両立りょうりつさせるものになる。「液晶えきしょうテレビは映像えいぞううごいたときにホールドボケ(残像ざんぞう)がえやすい」とわれるが、じつは、ボケてえるのは液晶えきしょう本質ほんしつのボケだけではなく、じつはこのノイズ低減ていげん副作用ふくさようふくまれていたのだ。このアーティファクトがおさえられることで、うごきの映像えいぞうたいしてもかいぞうかんとボケのすくないあじすことになる。実際じっさい、これはデジ放送ほうそうなどでも効果こうかかる。

 55Z8には、残像ざんぞう低減ていげん技術ぎじゅつとして「ダイレクトモーション480」とばれる倍速ばいそく駆動くどう補間ほかんフレーム技術ぎじゅつ搭載とうさいされる。「480」という数値すうちから8ばいそく駆動くどうのようにおもえてしまうが、実際じっさいには補間ほかんフレーム挿入そうにゅうは120Hzへるつ倍速ばいそく相当そうとうで、これに480Hzへるつ相当そうとうのLEDバックライトスキャニングをわせて、残像ざんぞう低減ていげんする仕組しくみとなっている。

 補間ほかんフレームの精度せいど評価ひょうかするために、いつものようにBD「ダークナイト」のオープニングのビルぐん飛行ひこうシーンを再生さいせいしてみたところ「倍速ばいそくモード」を「クリアフィルム」「スムーズ」「クリアスムーズ」のいずれにおいても、ひだりおくのビルのまどがブルブルと振動しんどうしてしまっていた。ブルーレイ映画えいが視聴しちょうなどで、こうしたピクセル振動しんどうおびえたくないというユーザーは「倍速ばいそくモード」設定せってい補間ほかんフレームなしで毎秒まいびょう24コマ相当そうとう表示ひょうじ忠実ちゅうじつおこなう「フィルム」モードを活用かつようするのがオススメだ。

 アニメ再生さいせいかんしてはZ8では、パナソニックが独自どくじ規格きかくしたMGVC(マスターグレードビデオコーディング)ベースの最高さいこう36bitだかかい調ちょうアニメの再生さいせい映像えいぞうけられる「ハイビットBD」モードが「コンテンツモード=アニメ」に追加ついかされたが、今回こんかいはこの評価ひょうかおこなえていない。そこで、いつものように「ほしども」を「コンテンツモード=アニメ(BD)」として「画質がしつモード」は「標準ひょうじゅん」や「あざやか」でてみてた。

 アニメ映像えいぞう大胆だいたん陰影いんえい部分ぶぶんの「かげ」の部分ぶぶんが、過度かどしずまないのが近年きんねんのREGZAのアニメモードの特徴とくちょうだが、「画質がしつモード=標準ひょうじゅん」では、この特性とくせいかりやすい。へんにハイコントラストされず、アニメのやわらかい陰影いんえい維持いじされるのは、アニメ専用せんようにカスタマイズされた「カラーかい調ちょうリアライザー」が効果こうかてきはたらいているためだ。

 それと「あざやか」でもてみたが、アニメにも、ハイダイナミックレンジ復元ふくげんくくようで面白おもしろい。アニメは、その場面ばめんしいキャラクタとう演出えんしゅつとして明度めいどたか色調しきちょうえがいているようで、こうした表現ひょうげんたいしハイダイナミックレンジ復元ふくげんいて、とても立体りったいてきえるのだ。見慣みなれたアニメならばあえて「あざやか」でてみると、あたらしい発見はっけんがあって面白おもしろいかもれない。

 3D映像えいぞうは「怪盗かいとうグルーのつき泥棒どろぼう」を視聴しちょう。55Z8の3D映像えいぞう表示ひょうじ方式ほうしきへんこう方式ほうしきなので、2くみの1,920×540ドットの映像えいぞう左右さゆうけてせる方式ほうしきになる。3Dメガネは別売べつばいで、純正じゅんせいオプションとしてレグザシアターグラス「FPT-P200(J)」が設定せっていされている。実際じっさいにこのFPT-P200を使用しようして3D映像えいぞうてみたが、へんこう方式ほうしきになる「け」かんのはほとんどかんじられなかった。ななせんのジャギーかんもほとんどにならない。ただし、注意ちゅういしたいのはクロストーク(じゅうぞう)だ。視聴しちょう距離きょり表示ひょうじめん目線めせん位置いち関係かんけいによっては結構けっこうつよじゅうぞう知覚ちかくされる。筆者ひっしゃ視聴しちょう実験じっけんでは視聴しちょう距離きょりが2m未満みまんではじゅうぞうやすい。また、目線めせん位置いち画面がめん中央ちゅうおう付近ふきんからずれるほどじゅうぞうやすい。ぎゃくに、視聴しちょう距離きょりを2m以上いじょうって、目線めせん位置いち画面がめん中央ちゅうおう付近ふきんわせるとじゅうぞうはほとんど知覚ちかくされなくなる。スイートスポットが存在そんざいするというわけだ。

 55Z8はスタンドひくいため一般いっぱんてきなテレビラックやローボードに設置せっちするとややもすれば画面がめん中央ちゅうおう目線めせんよりもしたてしまいがち。今回こんかい筆者ひっしゃたく評価ひょうかルームでもまさにそういう位置いち関係かんけいになってしまったのだが、3D映像えいぞう本格ほんかくてきたのしみたいというユーザーは、55Z8の設置せっちたかさ、あるいは着座ちゃくざ位置いちたかさには熟慮じゅくりょしたほうがよいかもしれない。

 ゲームモードは、前述ぜんじゅつしたようにSD映像えいぞう関連かんれんしたモードが省略しょうりゃくされた以外いがい変更へんこうはなし。てい表示ひょうじ遅延ちえん機能きのうであるゲームダイレクトにかんしての仕様しよう変更へんこうはないとのことなので表示ひょうじ遅延ちえん測定そくてい今回こんかい省略しょうりゃくしている。実測じっそくとう興味きょうみがあるほうほん連載れんさいZ7のかい参照さんしょうしていただきたい。

プリセット調ちょうモードのインプレッション

 「コンテンツモード=オート」にしてのプリセット調ちょうモード(映像えいぞうメニュー)ごとのインプレッションを簡単かんたんしるしておく。

 Z8の「ハイダイナミックレンジ復元ふくげん」の効果こうかもっとかりやすいのは「あざやか」。ただし、くら映像えいぞうではくろうわ気味ぎみになるので、それがになるときは、かい調ちょうバランスにも配慮はいりょした「標準ひょうじゅん」がオススメだ。暗室あんしつ映像えいぞう鑑賞かんしょうをするならば、Z8のこう輝度きどパワーをしぼって"普通ふつう"のエリア駆動くどう液晶えきしょうテレビとして動作どうさしてくれる「ライブプロ」「映画えいがプロ」がオススメだ。「PC」や「ゲーム」は映像えいぞうエンジンの介入かいにゅう最小限さいしょうげんにしたHiFiてきモード。モニターてき活用かつようするならばこの2つのモードがオススメだ。

映像えいぞうメニュー」=あざやか
映像えいぞうメニュー」=標準ひょうじゅん
映像えいぞうメニュー」=ライブプロ
映像えいぞうメニュー」=映画えいがプロ
映像えいぞうメニュー」=ゲーム
映像えいぞうメニュー」=PC

おわりに~だか輝度きどりょく液晶えきしょうテレビの画質がしつあたらしい価値かちあたえる?

 55Z8は、久々ひさびさの「大型おおがたサイズ×直下ちょっかがたLEDバックライトシステム」モデルだ。この「み」から連想れんそうされる性能せいのうはちゃんと期待きたいどおりでているわけで、最初さいしょ面白おもしろみのない優等生ゆうとうせいモデルかとおもっていたのだが、どうしてどうして。

 700cd/m2のこう輝度きどパワーを駆使くしした「ハイダイナミックレンジ復元ふくげん機能きのう強烈きょうれつで、じつ優等生ゆうとうせいモデルどころか、優等生ゆうとうせいひょうかおと、異端いたん革命かくめいうらかおきょくてきなモデルであった。

 ハイダイナミックレンジ復元ふくげんは、いわば「輝度きど方向ほうこう情報じょうほう復元ふくげん」であり、液晶えきしょうテレビにありそうでなかった機能きのうだ。

 映像えいぞうとは視界しかい再現さいげん究極きゅうきょく目標もくひょうだが、実際じっさいにはカメラで撮影さつえいした映像えいぞうはその撮影さつえい段階だんかい人間にんげんやすいように輝度きど情報じょうほうったり圧縮あっしゅくしてしまっている。だから、カメラで撮影さつえいされた映像えいぞうは、現実げんじつ世界せかいとはだいぶことなる輝度きど分布ぶんぷ情報じょうほうていることになるのだ。これを疑似ぎじてき現実げんじつ世界せかい相対そうたいもどしてしまおうというのが、今回こんかいのZ8ようオンリー機能きのうの「ハイダイナミック復元ふくげん」なワケだが、その復元ふくげん映像えいぞう疑似ぎじ復元ふくげんとはいえ、そのひかりたしていた空間くうかんひろがりまでを再現さいげんしているようでおどろくほどリアルである。いうなれば「ハイコントラスト」という評価ひょうかキーワードのこうがわている感覚かんかくだ。

 店頭てんとうではおそらく、「一番いちばんあかるい液晶えきしょうテレビ」として訴求そきゅうされるだろうが、是非ぜひとも明暗めいあんはげしい映像えいぞうやハイライトが点在てんざいするような映像えいぞうてみてしい。映像えいぞうはアニメでも映画えいがでもOKだ。筆者ひっしゃわんとしていることがつたわるはずだ。

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トライゼット西川にしかわよし

だい画面がめん映像えいぞう機器きき評論ひょうろんけんテクニカルジャーナリスト。だい画面がめんマニアで映画えいがマニア。本誌ほんしではInternational CESをレポート。僚誌「GAME Watch」でもPCゲーム、3Dグラフィックス、海外かいがいイベントを中心ちゅうしんにレポートしている。映画えいがDVDのタイトル所持しょじすうは1,000をえ、現在げんざいはBDのコレクションが増加ぞうかちゅう。ブログはこちら