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メイン会場となる六本木ヒルズアリーナ |
ソニー株式会社は、同社グループの音楽・映画・ゲームコンテンツを結集させ、多彩なアーティストのライブなどを通して人々の好奇心を刺激するイベント「dot park(ドット・パーク)」を5月21日から25日の5日間の日程で六本木ヒルズアリーナにて開催している。
このイベントでは、六本木ヒルズアリーナだけではなく、hills cafe/spaceにて「dot 3D cafe」を開設。ソニーの「3Dブラビア」とプレイステーション 3を組み合わせ、3D立体視対応版「グランツーリスモ5」を参考出展ながらプレイアブルで楽しめるようになっていたり、「ワイプアウト HD」、「モーターストーム Pacific Rift」といったタイトルの3D映像を実際に見ることができるPS3の3D立体視映像が一般の目に触れるほぼ初めての機会となっている。「ワイプアウト」および「モーターストーム」の2タイトルは、今夏に欧州向けに予定されているパッチによって3D映像対応するもののようだ。
会場周辺では3D対応グラスが無料で配布されており、六本木ヒルズアリーナのメインスクリーンでも3D映像が視聴できる。ほかには、元気ロケッツの3Dライブ、西野カナさんの3DLIVE REMIX、いきものがかりの3D FILM LIVEなどのイベントが開催される。
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「dot 3D cafe」では、「グランツーリスモ5」の3D立体視版の試遊プレイと、「ワイプアウト HD」、「モーターストーム Pacific Rift」などの映像の3D立体視体験ができる |
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テレビ朝日側の「毛利庭園」をはじめとした周辺には、「dor park」に合わせていろんなメッセージが記入されたモニュメントが展示されている |
■ 「3D立体視はものすごく重要なテクノロジ」……「PS3 の技術と未来を語るトークセッション」
初日の21日には、「PS3の技術と未来を語るトークセッション」として、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントSVP 兼 ソフトウェアプラットフォーム開発部部長 兼 戦略企画部担当部長の豊禎治氏、そして最近“家電芸人”の1人として登場機会の多いTKOの木本武宏さんがアリーナに登場。アリーナには3D対応のライブカメラによる中継がされており、自身を映し出すライブ3D映像に木本さんが驚きながらのステージとなった。
このセッションでは、本誌読者には周知の情報だが、すべてのPS3がシステムソフトウェアのアップデートで3D立体視に対応し、PS3のシステムソフトウェア バージョン 3.30にてすでに3D立体視ゲームに対応していること、これにより、立体視対応テレビとPS3をHDMI接続し、立体視用のグラス、ゲームなどを用意すれば3D立体視が楽しめることがアピールされた。
豊氏は、同社EVPの平井一夫氏が昨年の経営施策説明会で語った「3D対応テレビ(ブラビア)の発売時期に合わせ、PS3用の3D対応ゲームを発売する」こと、今年1月のCESで明らかにされた「PS3のBlu-rayディスクの3D規格対応」、ネットワーク配信映像の3D立体視版の配信を改めて説明した。「ソニーは3Dに非常に力を入れている。取り扱っているものに映像を扱うものが多く、TV、PC、レコーダー、サイバーショットをはじめとした機器は3Dに対応していくし、ビデオカメラや編集機といったものも手がけている。また、映画、音楽、ゲームといったコンテンツを作るところから再生するところまで、グループのすべての力を結集すると3D化でき、皆さんに届けられるんじゃないか、ということで力を入れることになった」という。
「3D立体視対応を発表したことに関してものすごい反響があった。また、ゲーム開発者からもかなりの反響があった。3D対応ゲームは6月に発売する『ブラビア』の発売に間に合わせるようにがんばっている。ゲームと3D立体視は相性がいい。実際に世の中で行なわれていること、たとえばスポーツゲームやレースゲームといったものは臨場感があって没入感も感じられる」という。
また、「既発売タイトルの3D化」に関しては、「結構簡単に作れてしまう。たとえば、実写映画の場合は撮影しなおさないとダメだが、CGなら右目用と左目用に再計算すれば3D立体視に対応できる。ゲームはどうかというと、映像をリアルタイムに作るので、早く3D立体視化できてしまう。今までに発売されているタイトルの9割ぐらいは3D立体視に対応させられる可能性があるが、すでに一部のタイトルでは3D立体視化しようという動きがあり、遠くない時期にリリースされるだろう」と語った。
今後に関しては、「ゲームの魅力は自分が体験したことがないものが体験できること。その体験が、3D立体視を使うことで、自分がそこに行ったかのような錯覚を覚えるぐらい強烈なものに変わる。ゲームにとって、3D立体視はものすごく重要なテクノロジだと思っているし、始まったばかりのテクノロジだが、これからどんどん進化する。そのうち、すごく自然な立体視を実現するゲームが出てくると思う」と展望を述べた。
さらに「PlayStation Move」を加えることで、自分の動作が3D空間で伝えられることと、3D立体視の組み合わせによって、「1つの空間の中に自分が入っていくような、究極的なゲームを志向していきたい」と抱負を語っていた。
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「PS3 の技術と未来を語るトークセッション」では、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントSVP 兼 ソフトウェアプラットフォーム開発部部長 兼 戦略企画部担当部長の豊禎治氏、TKOの木本武宏さんが登壇 |
■ 「アバター」と同じ機材で3D撮影……映画「バイオハザードⅣ アフターライフ」トークセッション
ポール・アンダーソン監督が来日してステージに登壇した「バイオハザードⅣ アフターライフ」トークセッションでは、予告編に加えて、製作中ながら最新映像が3D立体映像で上映された。
その後、メイキング映像を公開しながらアンダーソン監督による解説が行なわれた。撮影はすべて「アバター」と同じ3Dカメラにて行なわれ、撮影中もスタッフは3Dグラスをかけての映像チェックを行なっている様子などをうかがうことができた。
監督いわく「3D立体視は無声映画がトーキーになり、モノクロ映画がカラーになったときの衝撃と同じもの。今後は3Dで撮影していく」と3D撮影にほれ込んでいることを明かした。「バイオハザードⅣ アフターライフ」は日本では9月10日に公開を予定している。
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主演のミラ・ジョヴォビッチさんともども「バイオハザード」好きというポール・アンダーソン監督。映画1作目から再びの登板となった |