インディアナ・ジョーンズ

ヘンリー・ウォルトン・“インディアナ”・ジョーンズ・ジュニア Henry Walton "Indiana" Jones, Jr.
ジョーンズ役やくのハリソン・フォード
初はつ登場とうじょう	レイダース/失うしなわれたアーク《聖せい櫃ひつ》
最後さいごの登場とうじょう	インディ・ジョーンズと運命うんめいのダイヤル
作者さくしゃ	ジョージ・ルーカス スティーヴン・スピルバーグ
演えんじ	映画えいが： ハリソン・フォード（36歳さい〜70歳さい） リヴァー・フェニックス（13歳さい） TVシリーズ： ニール・“ボーリー”・ボーレーン（赤あかん坊ぼう） ボウタラト（幼児ようじ） コリー・キャリアー（8歳さい〜10歳さい） ショーン・パトリック・フラナリー（16歳さい〜21歳さい） ジョージ・ホール（93歳さい）
声こえ	ゲーム： ダグ・リー（声こえ） デイヴィッド・エシュ（声こえ） ジョン・アームストロング（声こえ） 日本語にほんご吹替： 村井むらい國夫くにお（1985～現在げんざい、ソフト・劇場げきじょう公開こうかい版ばん、日本にほんテレビ版はん、東京とうきょうディズニーシー『インディ・ジョーンズ・アドベンチャー』など） その他たは（「日本語にほんご吹替」の項こうを参照さんしょう）
詳細しょうさい情報じょうほう
愛称あいしょう	インディアナ インディ アンリ・デファンス マンゴ・キド キャプテン・ダイナマイト スコージ・オブ・カイゼル ジョーンジー
職業しょくぎょう	考古こうこ学者がくしゃ 副ふく学部がくぶ長ちょう 大学だいがく教授きょうじゅ 兵士へいし スパイ
肩書かたがき	博士はかせ 大佐たいさ
家族かぞく	ヘンリー・ウォルトン・ジョーンズ・シニア（父親ちちおや、死亡しぼう） アンナ・メアリー・ジョーンズ（母親ははおや、死亡しぼう） スージー・ジョーンズ（妹いもうと、死亡しぼう）
配偶はいぐう者しゃ	ディアドリー・キャンベル・ジョーンズ（1926年ねん） マリオン・レイヴンウッド・ジョーンズ（1957年ねん〜現在げんざい）
子供こども	ヘンリー・ウォルトン・“マット”・ジョーンズ3世せい（息子むすこ、死亡しぼう） ソフィー・ジョーンズ（娘むすめ、マットの妹いもうと）
親戚しんせき	ピート（おじ） フレッド（おじ） グレイス・ジョーンズ（おば） フランク（いとこ） キャロライン（孫まご、ソフィーの子供こどもと思おもわれる） ヘンリー・ウォルトン・“スパイク”・ジョーンズ4世せい（孫まご、マットの子供こどもと思おもわれる） ルーシー（孫まご、ソフィーの子供こどもと思おもわれる） アニー・ジョーンズ（ひ孫まご、マットの孫まごと思おもわれる） ヘンリー・ウォルトン・“ヘンリー”・ジョーンズ5世せい（ひ孫まご、マットの孫まごと思おもわれる）
宗教しゅうきょう	キリスト教きりすときょう
国籍こくせき	アメリカ

ヘンリー・ウォルトン・“インディアナ”・ジョーンズ・ジュニア博士はかせ（Dr. Henry Walton "Indiana" Jones, Jr.）は『インディ・ジョーンズ』シリーズのタイトル・キャラクター・主人公しゅじんこうかつ架空かくうの人物じんぶつである。

概要がいよう

ジョージ・ルーカスとスティーヴン・スピルバーグが1930年代ねんだいのアクション・ヒーローへのオマージュとして創造そうぞうした。牛追うしおいムチ、フェドーラ帽ぼう、レザージャケットといった特徴とくちょう的てきな服装ふくそうがトレードマークである。ユーモアのセンスもあり、多おおくの古代こだい文明ぶんめいと言語げんごについて深ふかい知識ちしきを持もっている。ヘビ恐怖症きょうふしょうでもある。

1981年ねんの『レイダース/失うしなわれたアーク《聖せい櫃ひつ》』に初はつ登場とうじょうし、1984年ねんの『インディ・ジョーンズ/魔ま宮みやの伝説でんせつ』、1989年ねんの『インディ・ジョーンズ/最後さいごの聖戦せいせん』、1992年ねん〜1996年ねんの『ヤング・インディ・ジョーンズ・クロニクルズ』、2008年ねんの『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国おうこく』、2023年ねんの『インディ・ジョーンズと運命うんめいのダイヤル』といった続編ぞくへんに登場とうじょうした。最もっとも有名ゆうめいな映画えいが・TVシリーズの他ほかにこのキャラクターは小説しょうせつ、コミック、TVゲームなどのメディアに登場とうじょうしている。また彼かれはディズニーランドと東京とうきょうディズニーシーにあるテーマパークアトラクション「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー」でも見みることができる。

ジョーンズはハリソン・フォードが演えんじたことでよく知しられ、他たにリヴァー・フェニックス（『最後さいごの聖戦せいせん』での少年しょうねん時代じだい）、TVシリーズ『ヤング・インディ・ジョーンズ・クロニクルズ』ではコリー・キャリアー、ショーン・パトリック・フラナリー、ジョージ・ホールらが演えんじた。ダグ・リーは2つのルーカスアーツのTVゲーム『インディ・ジョーンズ/アトランティスの運命うんめい』と Indiana Jones and the Infernal Machine で、デイヴィッド・エシュは Indiana Jones and the Emperor's Tomb で、ジョン・アームストロングは Indiana Jones and the Staff of Kings でそれぞれ声こえを務つとめた。

『レイダース/失うしなわれたアーク《聖せい櫃ひつ》』での初はつ登場とうじょう以来いらい、インディアナ・ジョーンズは世界せかい的てきスターになり、最もっとも尊敬そんけいされる映画えいがのキャラクターにもなった。2003年ねん、彼かれはアメリカン・フィルム・インスティチュートの「アメリカ映画えいが100年ねんのヒーローと悪役あくやくベスト100」で第だい2位いに選えらばれた。また、「エンパイア・マガジン」では6番目ばんめに偉大いだいな映画えいがのキャラクター、「エンターテイメント・ウィークリー」では大衆たいしゅう文化ぶんかにおいて最もっとも影響えいきょうの強つよいキャラクターの2位い、「プレミア・マガジン」では100人にんの偉大いだいな映画えいがキャラクターの7位いに選えらばれた。

登場とうじょう

劇場げきじょう版ばん 第だい1作さく

インディアナ・ジョーンズはニュージャージー州しゅうプリンストンで生うまれる。初はつ登場とうじょうは1981年ねんの『レイダース/失うしなわれたアーク《聖せい櫃ひつ》』で1936年ねんの設定せってい。このキャラクターはマーシャル大学だいがく（プロデューサーのフランク・マーシャルにちなんで）で働はたらき、1930年代ねんだいの冒険ぼうけん・アクションヒーローを彷彿ほうふつさせる。マーシャル大学だいがくはコネチカット州しゅうの架空かくうの大学だいがくであり彼かれは考古学こうこがくの教授きょうじゅである。第だい1作さく目めでは契約けいやくの箱はこ（聖せい櫃ひつも参照さんしょう）を探さがすナチスと、マリオン・レイヴンウッドとサラーの助たすけを得えて対決たいけつしている。ナチスはジョーンズの宿敵しゅくてきでフランス人じん考古こうこ学者がくしゃのルネ・ベロックと不気味ぶきみなゲシュタポのアーノルド・トートを利用りようした。

劇場げきじょう版ばん 第だい2作さく

1984年ねんには1作さく目めより過去かこの設定せってい（1935年ねん設定せってい）で『インディ・ジョーンズ/魔ま宮みやの伝説でんせつ』が作つくられている。前作ぜんさくよりもホラー指向しこうの作品さくひんで舞台ぶたいはほぼインドである。今回こんかいジョーンズは、タギー・カルトによってある村むらから奪うばわれたシャンカラ・ストーンを取とり戻もどす。彼かれは少年しょうねんショート・ラウンドとウィリー・スコットの助たすけを借かりた。

劇場げきじょう版ばん 第だい3作さく

1989年ねんの3作さく目め、『インディ・ジョーンズ/最後さいごの聖戦せいせん』は1938年ねんに設定せっていされ、1作さく目めに登場とうじょうしたサラーやマーカス・ブロディが再さい登場とうじょうする。ジョーンズ教授きょうじゅ（このときはバーネット大学だいがくの教授きょうじゅ）はナチスがオカルト品ひんを集あつめていることを知しる。このときの彼かれらの目標もくひょうは聖ひじり杯はいだった。映画えいがは1912年ねんから始はじまり若わかき日ひの主人公しゅじんこうを描えがいている。特とくにヘビを恐おそれる理由りゆう、牛追うしおいムチを使つかう理由りゆう、あごの傷きずの理由りゆう、帽子ぼうしの入手にゅうしゅ先さきが描えがかれている。また映画えいがのラストではじめて“インディアナ”が本名ほんみょうでなく、犬いぬの名前なまえであると明あかされる。これはジョーンズと父親ちちおやの一種いっしゅのバディ映画えいがでもあり、コミカルな要素ようそになっている。このシリーズは当初とうしょ5部ぶ作さくの予定よていであったがルーカスが良よきプロット・エレメントを考かんがえ出だせず、18年ねんもの間あいだ続編ぞくへんは作つくられなかった。

劇場げきじょう版ばん 第だい4作さく

2008年ねんの4作さく目め、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国おうこく』は1957年ねんに設定せっていされ、インディアナ・ジョーンズの敵てきは新あらたにソ連それんに設定せっていされた。彼かれの元もと同僚どうりょうハロルド・オックスリーが宇宙うちゅう人じんのクリスタル・スカルを発見はっけんし、ソ連それんのエージェントがそれを利用りようしようとする話はなしである。彼かれはかつての恋人こいびとマリオン・レイヴンウッドとその息子むすこヘンリー・“マット”・ウィリアムズの助たすけを借かりる。そして途中とちゅうでマットが彼かれの息子むすこヘンリー・ジョーンズ3世せいであると明あかされる。このときはシャイア・ラブーフが主人公しゅじんこうを引ひき継つぐという噂うわさがあった。またこの映画えいがで彼かれが第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なかに戦略せんりゃく諜報ちょうほう局きょく（CIAの前身ぜんしん）で働はたらいていたことと、アメリカ陸軍りくぐんで大佐たいさの階級かいきゅうになっていたこと、ソ連それんでMI6のジョージ・マクヘイルとミッションを共ともにしていたことが明あかされた。

劇場げきじょう版ばん 第だい5作さく

2023年ねんの5作さく目め、『インディ・ジョーンズと運命うんめいのダイヤル』では、1969年ねんを舞台ぶたいに、世間せけんは月面げつめん着陸ちゃくりくした宇宙うちゅう飛行ひこう士しの帰還きかんのパレードで盛もり上あがっている。また、長年ながねん教鞭きょうべんを取とっていたインディだったが、考古学こうこがくを専攻せんこうしているはずの若わかい生徒せいとたちもまるで授業じゅぎょうに興味きょうみがなく、冷ひややかな態度たいどで授業じゅぎょうを受うける始末しまつで、そのまま定年ていねん退職たいしょくとなっている。退職たいしょく後ごに声こえをかけてきた旧友きゅうゆうであるバジル・ショウの娘むすめヘレナ・ショウが訪たずね、ユルゲン・フォラー率ひきいるナチスの残党ざんとうとの最後さいごの戦たたかいとアンティキティラの時計とけいを巡めぐる最後さいごの冒険ぼうけんがはじまる。

テレビ

「インディ・ジョーンズ/若わかき日ひの大だい冒険ぼうけん」を参照さんしょう

1992年ねんから1996年ねんまで、ジョージ・ルーカスがプロデュースした『ヤング・インディ・ジョーンズ・クロニクルズ』というテレビドラマが放送ほうそうされていた。主おもにティーンエイジャーと子供こども向むけに、インディアナ・ジョーンズと歴史れきし的てきに重大じゅうだいな出来事できごと・20世紀せいきの偉人いじんの関かかわりが描えがかれた。

物語ものがたりはジョージ・ホール演えんじる老人ろうじん（年齢ねんれい設定せっていは93歳さい〜94歳さい）となったインディアナ・ジョーンズが、回想かいそうする形かたちで若わかき日ひの冒険ぼうけんを誰だれかに話はなして聞きかせるというものである。エピソードのほとんどの部分ぶぶんは若わかき日ひのインディ（16歳さい〜21歳さい、ショーン・パトリック・フラナリーが演えんじる）か少年しょうねん期きのインディ（8歳さい〜10歳さい、コリー・キャリアーが演えんじる）の話はなしである。“ミステリー・オブ・ザ・ブルース”と題だいされた作品さくひんではホールではなくハリソン・フォードがインディアナ・ジョーンズを演えんじた。

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん中なかには16歳さい〜17歳さいまでベルギー軍ぐんで兵隊へいたい・諜報ちょうほう活動かつどうし、フランス情報じょうほう局きょくでスパイとして働はたらいた。少年しょうねん時代じだいは1908年ねん〜1910年ねんまで父親ちちおやの世界せかい講演こうえんツアーについて世界中せかいじゅうを旅たびしたことになっている。

この作品さくひんは映画えいがに関かんする裏話うらばなしだけでなくキャラクターの新あらたな設定せっていを作つくった。インディアナ・ジョーンズは1899年ねん7月がつ1日にち生うまれでありミドルネームはウォルトン（ルーカスと同おなじ）、幼おさないころに死亡しぼうしたスージーという妹いもうとがいたこと、最終さいしゅう的てきには何人なんにんかの孫まごがいることなどである。父親ちちおやとの関係かんけいは『インディ・ジョーンズ/最後さいごの聖戦せいせん』で初はじめて描えがかれたが少年しょうねん時代じだいの関係かんけいも描えがかれた。インディはインディ・ジョーンズと運命うんめいのダイヤル（1969年ねん）から1990年代ねんだい初頭しょとうまでの間あいだに右目みぎめを失うしなう。最さい晩年ばんねんの“老ろうインディ”は右目みぎめに黒くろい眼帯がんたいをしている。

1999年ねん、ルーカスはエピソードの説明せつめいとジョージ・ホール演えんじる“老ろうインディ”の登場とうじょうシーンを削除さくじょしたVHSを発売はつばいした。そして時とき系列けいれつ順じゅんに編集へんしゅうして長編ちょうへんの物語ものがたりに仕上しあげた。編集へんしゅう版ばんのタイトルは『インディ・ジョーンズ/若わかき日ひの大だい冒険ぼうけん』とつけられた。

テーマパーク

インディアナ・ジョーンズは世界せかいのディズニーパークのアトラクションにも登場とうじょうする。 アナハイムのディズニーランド及および東京とうきょうディズニーシーには屋内おくないライド型がたアトラクション「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー」がある。それぞれ副題ふくだいとテーマは異ことなる（アナハイムは“禁断きんだんの瞳ひとみの魔ま宮みや”、東京とうきょうは“クリスタルスカルの魔ま宮みや”）が、遺跡いせきの中なかをジープ型がたのライドに乗のっていく点てんは共通きょうつうしている。

また「インディ・ジョーンズ・エピック・スタント・スペクタキュラー!」はウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのディズニー・ハリウッド・スタジオで1989年ねんに公開こうかいされたライブショーである。この25分間ふんかんのショーでは映画えいがで使つかわれる様々さまざまなスタントを行おこなっている。

ディズニーランド・パリには「インディ・ジョーンズと危難きなんの魔ま宮みや」というローラーコースターがある。遺跡いせきの中なかをトロッコ型がたのライドに乗のり込こみ走行そうこうする。途中とちゅうには360度ど宙返ちゅうがえりするループもある。

キャラクターの説明せつめいと形成けいせい

考古学こうこがく教授きょうじゅとして働はたらくとき、ヘンリー・ジョーンズ・ジュニアはツイード・スーツを着きる。『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国おうこく』ではインディがマルクス主義まるくすしゅぎの考古こうこ学者がくしゃヴィア・ゴードン・チャイルドから影響えいきょうを受うけたことが明あきらかになっている。だが皮肉ひにくなことにチャイルドはインディが得意とくいとするフィールドワークを嫌きらっていた。インディはまた“良よき考古こうこ学者がくしゃになるには、図書館としょかんから出でる事ことだ”と続つづける。このセリフは前作ぜんさくの“考古学こうこがく調査ちょうさの7割わりが図書館としょかんで行おこなわれる”と対照たいしょう的てきである。また、考古学こうこがく教授きょうじゅとしての授業じゅぎょうは生徒せいとが多数たすう参加さんかし人気にんきの様子ようすだが、たびたび遺跡いせき発掘はっくつに赴おもむいてしまうために手紙てがみや生徒せいとのテストの採点さいてん、面接めんせつなどが溜たまってしまい、久ひさしぶりに帰かえってくると生徒せいとたちが押おし掛かけるために嫌気いやけがさして職務しょくむから逃にげ出だすというシーンも『インディ・ジョーンズ/最後さいごの聖戦せいせん』にて見みられる。

しかし、重要じゅうような遺物いぶつを発掘はっくつするときジョーンズ博士はかせは“インディアナ”になり、「スーパーヒーローではないヒーロー」になる。プロデューサーのフランク・マーシャルは「インディはあてにならないキャラクターだ。彼かれはミスをすると傷きずつく（中略ちゅうりゃく）彼かれはリアルなキャラクターで超ちょう能力のうりょくを持もっていない」と語かたっている。スピルバーグの伝記でんき作家さっかダグラス・ブロードによればインディは学校がっこうで教おしえる事ことから逃にげ出だすというすばらしいことをしたという。ハリソン・フォードは、インディアナがロマンティストで皮肉ひにく屋やであるため演えんじるのが楽たのしいと述のべた。インディは一匹狼いっぴきおおかみで冒険ぼうけんを求もとめる気高けだかいトレジャーハンター及およびハードボイルド探偵たんてい、さらには生身なまみのスーパーヒーローで愛国あいこく者しゃであると分析ぶんせきできる。

多おおくのスピルバーグ映画えいがと同おなじように、ジョーンズもまた一部いちぶ彼かれの自伝じでん的てき要素ようそを持もっている。インディアナは父親ちちおやヘンリー・ジョーンズとの緊張きんちょうした関係かんけいのため理想りそうの父親ちちおや像ぞうがなく、彼かれの内うちなる怒いかりはマリオン・レイヴンウッドとシカゴ大学だいがくの恩師おんしアブナー・レイヴンウッドとの関係かんけいを悪化あっかさせた。マーカス・ブロディはインディを導みちびく役割やくわりを持もつ。インディの不安ふあんは幼おさないころに母親ははおやを失うしなったことに由来ゆらいする。『インディ・ジョーンズ/魔ま宮みやの伝説でんせつ』ではウィリー・スコットとショート・ラウンドを守まもって一時いちじ的てきに父親ちちおやになる。彼かれがカーリーの魔術まじゅつに陥おちいった時ときにはショート・ラウンドが助たすけ出だした。その後ごインディアナは大勢おおぜいの子こどもを救出きゅうしゅつしている。

由来ゆらいとインスピレーション

インディアナ・ジョーンズはジョージ・ルーカスとスティーヴン・スピルバーグが少年しょうねん時代じだいに愛あいした昼ひる興行こうぎょうの連続れんぞく活劇かつげきとパルプ・マガジンがモデルになっている（例たとえばリパブリック・ピクチャーズの映画えいがやドック・サヴェジシリーズ）。サー・H・ライダー・ハガードの『ソロモン王おうの洞窟どうくつ』の主人公しゅじんこうアラン・クオーターメインは1885年ねん作品さくひんであるが、注目ちゅうもくすべきジョーンズの元もと型かたである。ルーカスとスピルバーグは映画えいが『スター・ウォーズ』第だい1作さく公開こうかい時じにハワイでこの計画けいかくについて話はなし合あった。スピルバーグはジェームズ・ボンド映画えいがのような娯楽ごらく作品さくひんを作つくりたいと考かんがえていた。

このキャラクターは当初とうしょ、“インディアナ・スミス”と名付なづけられていたが、1970年代ねんだいにルーカスが飼かっていたアラスカン・マラミュート（“インディアナ”）から名前なまえが付つけられた。スピルバーグも“スミス”は気きに入いっておらず、ルーカスの代案だいあん“ジョーンズ”に賛成さんせいした。

ルーカスはショーン・コネリーが演えんじた世界せかい的てきに有名ゆうめいな秘密ひみつ諜報ちょうほう員いんジェームズ・ボンドがジョーンズに大おおきなインスピレーションを与あたえたと発言はつげんしている。このことから『インディ・ジョーンズ/最後さいごの聖戦せいせん』の父親ちちおや役やくはコネリーになった。

衣装いしょうデザイナーデボラ・ナドールマン・ランディスは、インディの衣装いしょうがチャールトン・ヘストンが『インカ王国おうこくの秘宝ひほう』で演えんじたハリー・スティールを参考さんこうに決きめられたと述のべた（「私わたしは何なん度どもスタッフと一緒いっしょにこの映画えいがを見みた。そして私わたしはいつも、スタッフがこの映画えいがを参考さんこうにしなかったらおかしいと思おもっていた」）。

実在じつざいのモデル

多おおくの人物じんぶつがインディアナ・ジョーンズの創造そうぞうに影響えいきょうを与あたえたと言いわれている。しかしルーカスとスピルバーグが認みとめたわけではない。

• ベロイト大学だいがくの教授きょうじゅであり古こ生物せいぶつ学者がくしゃのロイ・チャップマン・アンドリュース
• イタリアの考古こうこ学者がくしゃでありサーカスの芸人げいにんジョバンニ・ベルツォーニ（1778年ねん〜1823年ねん）
• イェール大学だいがくの教授きょうじゅであり歴史れきし家か・探検たんけん家かのハイラム・ビンガム3世せい。
  • 彼かれは失うしなわれた都市としマチュ・ピチュを発見はっけんし1948年ねんの『失うしなわれたインカの都市とし』はベストセラーになった。
• シカゴ大学だいがくの考古こうこ学者がくしゃロバート・ジョン・ブレードウッド
• シカゴ大学だいがくの考古こうこ学者がくしゃジェームズ・ヘンリー・ブレステッド
• イギリス人じん考古こうこ学者がくしゃパーシー・フォーセット
  • 彼かれはブラジル北部ほくぶの探索たんさくに多おおくの時間じかんを費ついやした。1925年ねんに失うしなわれた都市としZを探さがしにアマゾン盆地ぼんちに入はいって行方ゆくえ不明ふめいになった。彼かれは小説しょうせつ『インディ・ジョーンズ/第だい七ななの魔力まりょく』でジョーンズと会あう。
• イギリス人じん考古こうこ学者がくしゃで軍人ぐんじんのトーマス・エドワード・ロレンス
• ノースウェスタン大学だいがくの人類じんるい学者がくしゃで教授きょうじゅ・冒険ぼうけん家かのウィリアム・モンゴメリー・マクガヴェン
• フレデリック・アルバート・ミッチェル＝ヘッジズ
• ドイツ人じん考古こうこ学者がくしゃオットー・ラーン

衣装いしょう

スピルバーグとルーカスはシルエットを見みただけで誰だれだか分わかるようなコスチュームを求もとめた。そこでてっぺんが高たかく、つばの広ひろいフェドーラ帽子ぼうし（インディ・ジョーンズ・ハットも参照さんしょう）を選えらんだ。『レイダース』のドキュメンタリーで指摘してきされたようにフェドーラ帽ぼうは実用じつよう的てきな役割やくわりも果はたした。それは『インディ・ジョーンズ』シリーズが参考さんこうにしたかつての“B”級きゅう映画えいがと同おなじで、スタントマンを必要ひつようとする危険きけんなシーンでは代役だいやくの顔かおを隠かくしてくれるということである。

また、この帽子ぼうしはスタッフの間あいだではジョークのネタにもなった。撮影さつえい中ちゅうに帽子ぼうしが落おちればそのシーンは撮とり直なおしになる。『インディ・ジョーンズ/最後さいごの聖戦せいせん』のドキュメンタリーでは、ハリソン・フォードが冗談じょうだんで帽子ぼうしをホッチキスで頭あたまに固定こていする真似まねをしている。

映画えいがの衣装いしょうに関かんする話はなしは以下いかの通とおり。

• 最初さいしょの3作品さくひんでは、フェドーラ帽ぼうはイングランドのハーバード・ジョンソン・ハットの物ものが使つかわれた。それは“ポエット”と呼よばれていた帽子ぼうしだった。『クリスタル・スカル』の帽子ぼうしはミシシッピ州しゅうコロンバスのアドベンチャービルト・ハット・カンパニーのスティーヴ・デルクとマーク・キッターが作つくった。
• レザージャケットは“タイプ440”と“A-2 ジャケット”のハイブリッドのように見みえる、創作そうさくされたオリジナルであり『レイダース/失うしなわれたアーク《聖せい櫃ひつ》』と『インディ・ジョーンズ/最後さいごの聖戦せいせん』ではレザー・コンセンショナーズ（現在げんざいはウエステッド・レザー）が製作せいさくした。『インディ・ジョーンズ/魔ま宮みやの伝説でんせつ』のジャケットはロンドンのバーマンズ＆ネイサンズが『レイダース/失うしなわれたアーク《聖せい櫃ひつ》』の物ものを基もとに作つくった。『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国おうこく』ではアメリカ、カリフォルニアのトニー・ノワックが製作せいさくした。ウエステッド・レザーを始はじめとして、現在げんざいでは映画えいがのファンが様々さまざまなインディタイプのジャケットを製作せいさくしており、一般いっぱんに購入こうにゅうが可能かのうである。
• バッグはマーク7イギリス軍ぐんガスマスク用ようバッグで、通常つうじょうはジャケットの下したに掛かけている。『クリスタル・スカル』ではジャケットの上うえからバッグを掛かけていた。
• 鞭むちは2.4m〜3.0mのブルウィップと呼よばれるカンガルーレザーで編あまれた鞭むちで、最初さいしょの3作品さくひんで使用しようされたのはデイヴィッド・モーガンによって製作せいさくされた450シリーズであり、現在げんざいでも一般いっぱんに購入こうにゅうが可能かのうである。ただしモーガンの鞭むちは年代ねんだいと共ともに形状けいじょうが変化へんかしており（より頑丈がんじょうに、太ふとく重おもくなっている）、現在げんざいの形状けいじょうは劇場げきじょう公開こうかい時じとはかなり異ことなる。『クリスタル・スカル』では3名めいのウィップメーカーに製作せいさくが依頼いらいされた。テリー・ジャッカ、ジョー・ストレイン、モーガンである（長ながさが違ちがうムチはシーンやスタントによって使つかい分わけられていた）。テリージャッカが製作せいさくした鞭むちは前まえ3作さくで使用しようされたモーガンの鞭むちとは構造こうぞうが大おおきく異ことなる。「よりバリエーションのある鞭むち捌さばき」ができるようにハンドル根本こんぽんが硬かたく補強ほきょうされ、オーストラリアスタイルに近ちかい形状けいじょうである。一方いっぽうで4作品さくひんで共通きょうつうしている鞭むちの構造こうぞうは、コア、2ベリー（4本ほん編あみ、8本ほん編あみ）、2ボルスター、オーバーレイ、と6層そうで編あみ込こまれていること。そしてオーバーレイは12本ほん編あみである。
• ピストルはたいてい第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん時どきのものでウェブリー・ガヴァメント（『最後さいごの聖戦せいせん』と『クリスタル・スカル』）やスミス&ウェッソンM1917リボルバーハンド・エジェクター・セカンド・モデル・リボルバー（『レイダース』）、コルト・オフィシャルポリス（『魔ま宮みやの伝説でんせつ』。冒頭ぼうとうでウィリーが車外しゃがいに落おとして紛失ふんしつするが、落おちるシーンのアップのみM1917に変化へんかする）を使用しようした。またナガンM1895（『若わかき日ひの大だい冒険ぼうけん』）や9ミリブローニング・ハイパワー（『レイダース』）も使用しようした。銃じゅうは普段ふだんは軍用ぐんようホルスターに収おさめられている。
• 靴くつはオールデン製せいである。モデル405は映画えいが制作せいさく前まえからフォードのお気きに入いりだった。それらは今いまでも“インディ・ブーツ”という愛称あいしょうで親したしまれ、販売はんばいされている（映画えいがよりも茶色ちゃいろい＜レンガ色しょく＞色いろであるが）。

『インディ・ジョーンズ/最後さいごの聖戦せいせん』で使用しようされたフェドーラ帽ぼうとレザージャケットはワシントンDCのスミソニアン博物館はくぶつかんに収おさめられている。映画えいがの衣装いしょう・小道具こどうぐの収集しゅうしゅうは一部いちぶのシリーズ・ファンの趣味しゅみにもなっている。20世紀せいきフォックスが2008年ねんに2000人にんの映画えいがファンを対象たいしょうに行おこなった調査ちょうさでは、ブルウィップは3番目ばんめに人気にんきな映画えいがの武器ぶきだった。

キャスティング

もともとスピルバーグはハリソン・フォードを望のぞんでいたがルーカスは『アメリカン・グラフィティ』と『スター・ウォーズ』と『スター・ウォーズ 帝国ていこくの逆襲ぎゃくしゅう』で彼かれを起用きようしていたため反対はんたいした。フォードを“ベビー・デ・ニーロ”と呼よばせたくなかったためである（事実じじつ、監督かんとく仲間なかまのマーティン・スコセッシはたびたびロバート・デ・ニーロを起用きようした）。配役はいやくが決定けっていするまでの間あいだ、ルーカスとスピルバーグは多おおくのオーディションを行おこなった。そして多少たしょう有名ゆうめいだったトム・セレックがインディアナ・ジョーンズに決定けっていした。程ほどなくして映画えいがのプリプロダクションが始はじまる。しかしCBSは『私立しりつ探偵たんていマグナム』でのセレックとの契約けいやく解消かいしょうを拒否きょひし、彼かれはインディ役やくを断ことわらざるを得えなかった。CBSは『レイダース』が『私立しりつ探偵たんていマグナム』と同時どうじ撮影さつえいになることを快こころよく思おもわなかったのである。2作品さくひんはほぼ同時どうじに制作せいさくを始はじめていた。しかしセレックは『私立しりつ探偵たんていマグナム』のインタビューで、撮影さつえいは『レイダース』終了しゅうりょう後ごに始はじまったことを明あかした。

スピルバーグが改あらためてフォードを提案ていあんしルーカスも承諾しょうだくする。フォードは撮影さつえい開始かいしの3週間しゅうかん目めに役やくが決定けっていした。

影響えいきょう

様々さまざまな冒険ぼうけんの物語ものがたりでインディアナ・ジョーンズへのオマージュや彼かれからの影響えいきょうがみられる。

• ララ・クロフト
  • 『トゥームレイダー』シリーズの女性じょせい冒険ぼうけん家か。もともと男性だんせいの予定よていだったが途中とちゅうで変更へんこうされた。変更へんこうの理由りゆうとしてインディアナ・ジョーンズに似にすぎていたことが挙あげられる。
  • 『インディ・ジョーンズ』を配給はいきゅうしたパラマウント映画えいがは後のちにゲーム『トゥームレイダー』の映画えいがを2つ制作せいさくしている。
• 『プリンス・オブ・ペルシャ』のプロデューサー・ベン・マッテスは“ハリソン・フォードがやってきたものを参考さんこうにした（「インディアナ・ジョーンズとハン・ソロだ」）と述のべている。
• TVゲームシリーズ『アンチャーテッド』はインディアナ・ジョーンズから大おおきな影響えいきょうを受うけている。
  • メインキャラクターのネイサン・ドレイクはインディアナ・ジョーンズと外見がいけんでも内面ないめんでもいくつか共通きょうつう点てんを持もっている。またTVCMにはハリソン・フォードが出演しゅつえんした。

他たのメディア

ゲーム

• フォートナイト - チャプター3シーズン3のバトルパスクエストでアンロックすることで入手にゅうしゅ可能かのうキャラクターとして登場とうじょう。

日本語にほんご吹替

• 村井むらい國夫くにお（1985～現在げんざい、ソフト・劇場げきじょう公開こうかい版ばん、日本にほんテレビ版はん、東京とうきょうディズニーシー『インディ・ジョーンズ・アドベンチャー』、ツムラインパルス 『アメリカがそこにある!!!』、パチスロ『CRFインディ・ジョーンズ』、インプレッサ「SUBARU×金曜きんようロードショー」コラボCMなど）
• 玄田げんだ哲章てっしょう（『最後さいごの聖戦せいせん』フジテレビ版はん）
• 磯部いそべ勉つとむ（『魔ま宮みやの伝説でんせつ』『最後さいごの聖戦せいせん』テレビ朝日てれびあさひ版はん）
• 内田うちだ直哉なおや（『クリスタル・スカルの王国おうこく』までの一部いちぶ媒体ばいたい）
• 山口やまぐち健けん（『最後さいごの聖戦せいせん』ソフト版ばん1、少年しょうねん時代じだい）
• 鳥海とりうみ勝美かつみ（『最後さいごの聖戦せいせん』日本にほんテレビ版ばん、少年しょうねん時代じだい）
• 草尾くさお毅あつし（『最後さいごの聖戦せいせん』フジテレビ版ばん、少年しょうねん時代じだい）
• 岩永いわなが哲哉てつや（『最後さいごの聖戦せいせん』テレビ朝日てれびあさひ版ばん、少年しょうねん時代じだい）
• 加か藤木ふじき賢志けんじ（『最後さいごの聖戦せいせん』ソフト版ばん2、少年しょうねん時代じだい）
• 宮本みやもと充たかし（『若わかき日ひの大だい冒険ぼうけん』青年せいねん期き）
• 田中たなか真弓まゆみ（『若わかき日ひの大だい冒険ぼうけん』少年しょうねん期き）
• 浦野うらの裕介ゆうすけ（『若わかき日ひの大だい冒険ぼうけん』少年しょうねん期き、「ジャッカルの呪のろい」のみ）
• 北村きたむら和夫かずお（『若わかき日ひの大だい冒険ぼうけん』老年ろうねん期き）
• 藤ふじ真秀まほ（『大おおいなる円えん環たまき』）

外部がいぶリンク

• IndianaJones.com – インディアナ・ジョーンズ公式こうしきサイト
• Indiana Jones - インターネット・ムービー・データベース（英語えいご）
• The Indiana Jones Wiki – 『インディ・ジョーンズ』のWiki（英語えいご）