教育きょういく漢字かんじ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

教育きょういく漢字かんじ(きょういくかんじ)は、義務ぎむ教育きょういくなら常用漢字じょうようかんじ2,136のうち、小学校しょうがっこう6年間ねんかんのうちに学習がくしゅうすることが文部もんぶ科学かがくしょうによってさだめられた1,026必修ひっしゅう漢字かんじ通称つうしょう文部もんぶ科学かがくしょうによる正式せいしき名称めいしょうではない。「学年がくねんべつ漢字かんじ配当はいとうひょう」により小学校しょうがっこう学年がくねんべつ学習がくしゅうする漢字かんじさだめられている。

なお、日本漢字能力検定協会にほんかんじのうりょくけんていきょうかいでは一貫いっかんして「学習がくしゅう漢字かんじ」とんでいる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

小学校しょうがっこう学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう付録ふろくにある「学年がくねんべつ漢字かんじ配当はいとうひょう」にある漢字かんじは、みについては当該とうがい学年がくねんで、きについてはつぎ学年がくねんまでにまなぶことになっている。

なお、1989ねんはんまでの学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうにおいては、配当はいとうひょうにある漢字かんじめ、かつ「大体だいたいの」漢字かんじけることを目標もくひょうとしていた。[よう出典しゅってん]

小中学生しょうちゅうがくせい作品さくひんなどでも、これを参考さんこうにして漢字かんじ制限せいげんがされることがある。

歴史れきし[編集へんしゅう]

学年がくねんべつ漢字かんじ配当はいとうひょう制定せいてい[編集へんしゅう]

教育きょういく漢字かんじは、当用漢字とうようかんじ別表べっぴょうとして1948ねん公布こうふされた「当用漢字とうようかんじ別表べっぴょう」が起源きげんであった。しかし、当用漢字とうようかんじ別表べっぴょうは「小学校しょうがっこうかよっているあいだなら漢字かんじ」としかさだめていなかったため、たとえば年度ねんどわりに転校てんこうして使用しようする教科書きょうかしょ会社かいしゃわると、小学校しょうがっこう卒業そつぎょうしてもならわない漢字かんじてきてしまうおそれがあった。

この問題もんだい解消かいしょうするため、1958ねん昭和しょうわ33ねん)10がつ文部省もんぶしょう告示こくじだい80ごうはじめて「学年がくねんべつ漢字かんじ配当はいとうひょう」がしめされた。

その1968ねん昭和しょうわ43ねん)(実施じっし1971ねん昭和しょうわ46年度ねんど))に備考びこう漢字かんじ備考びこうらん)をあらたにもうけ、115追加ついかされた。これが1977ねん昭和しょうわ52ねん)の改定かいてい実施じっし1980ねん昭和しょうわ55年度ねんど))で正式せいしきに「学年がくねんべつ漢字かんじ配当はいとうひょう」に昇格しょうかくし、同時どうじにそれまでの配当はいとう漢字かんじ対象たいしょう学年がくねん変更へんこう大幅おおはばおこなわれ、合計ごうけい996となった。

1989ねん追加ついか削除さくじょ[編集へんしゅう]

1989ねん平成へいせい元年がんねん)に再度さいど改定かいていされ[1]、1,006となった[1]小学生しょうがくせい学年がくねんすすむごとに漢字かんじ正答せいとうりつがるため、以降いこうやすことをけてきた[1]

実施じっし1992ねん平成へいせい4年度ねんど)。変更へんこうのあった漢字かんじ以下いかのとおり。ほかに60配当はいとう学年がくねん異動いどうがあった。

まめさらうめまつさくらえださつはこふえたばねむかしゆめ、飼、なみくれ、誕、げきそうもり追加ついかけい20

いち、歓、すすむけんしゃく、需、たたえぞく削除さくじょけい10

都道府県とどうふけんめいふくまれる漢字かんじ追加ついか[編集へんしゅう]

2010ねん平成へいせい22ねん)に都道府県とどうふけんがすべて常用漢字じょうようかんじとなった[1]都道府県とどうふけんめい位置いち小学しょうがく4年生ねんせい社会しゃかい時間じかんおしえるが[1]教科書きょうかしょでは教育きょういく漢字かんじふくまれていない都道府県とどうふけんめい漢字かんじには仮名がなルビ)をっていた[1]

2017ねん平成へいせい29ねん)には都道府県とどうふけんめいふくまれる以下いかの20編入へんにゅうされ、1,026となった[1]実施じっし2020ねんれい2年度ねんど[1]

いばらひめおかかた、岐、くまこう、埼、さきしげる鹿しかなわおきとち、奈、なしばん、阜[1]

漢字かんじふくまれる府県ふけんめいいばらぐすくけんあいひめけんせいおかけんおか山県やまがたぶくおかけんしんかたけん岐阜ぎふけんくま本県ほんけんこうかわけんけんたまけんながさきけんしげるけん鹿しか児島こじまけん沖縄おきなわけんぶくけんとちけんかみかわけんりょうけんやまなしけんだいばん

問題もんだいてん[編集へんしゅう]

[編集へんしゅう]

それまで熟語じゅくごとしてもちいられてきたかたりなかには、熟語じゅくご構成こうせいする漢字かんじに「教育きょういく漢字かんじふくまれる漢字かんじ」と「ふくまれない漢字かんじ」が混在こんざいするものが多数たすう存在そんざいする。これらの熟語じゅくごでは、ふくまれている部分ぶぶんだけを漢字かんじき、のこりを平仮名ひらがなく、いわゆるおこなわれることになる(れい環境かんきょう→かんさかい特徴とくちょうとくちょう、挑戦ちょうせん→ちょうせん)。

固有名詞こゆうめいしとの不一致ふいっち[編集へんしゅう]

中学ちゅうがく入試にゅうしでは小学校しょうがっこうではならわない漢字かんじまでもちいなければならない問題もんだい日本にっぽん政治せいじ人名じんめい地名ちめい時事じじ問題もんだいなど)も数多かずおお出題しゅつだいされる。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e f g h i 小学校しょうがっこう必修ひっしゅう漢字かんじ都道府県とどうふけんめい20追加ついか 20年度ねんどにも”. 朝日新聞あさひしんぶんデジタル. (2016ねん5がつ18にち). オリジナルの2016ねん5がつ18にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160518004607/http://www.asahi.com/articles/ASJ5K4VGYJ5KUTIL02Q.html 2016ねん6がつ18にち閲覧えつらん 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]