親おやであれば我わが子こには幸しあわせになって欲ほしいと願ねがうのは当あたり前まえのこと。しかし我わが子こが病やまいに侵おかされ、将来しょうらいは子供こどもを持もつことができないと宣告せんこくされたら親おやとしてできることは何なにだろうか。ある46歳さいの母親ははおやは、我わが子このためなら何なんでもするというその信念しんねん通どおり、25歳さいの娘むすめに代かわって代理だいり出産しゅっさんを決意けつい、無事ぶじに“孫まご”を出産しゅっさんしたことが英紙えいし『Daily Mail』で報ほうじられた。

オーストラリアのクイーンズランド州しゅうイプスウィッチに暮くらすアリス・ホーヘンホウスさん（25）が、白血病はっけつびょうと宣告せんこくされたのは4歳さいの時ときだった。抗こうがん剤ざい治療ちりょうを経へて8歳さいに寛解かんかいと告つげられるも、9歳さいに再発さいはつ。その時ときに弟おとうとのジェームズさん（20）からの骨髄こつづい液えきを移植いしょくしたことで、アリスさんは一命いちめいを取とり留とめた。

その後ご、病やまいを克服こくふくしたアリスさんだったが、医師いしに「抗こうがん剤ざい治療ちりょうにより子宮しきゅう組織そしきがダメージを受うけているために、将来しょうらいの妊娠にんしんは難むずかしい」と告つげられてしまう。それでも「子供こどもが欲ほしい」と望のぞむアリスさんは、23歳さいの時ときに奇跡きせき的てきに妊娠にんしん。ところが不運ふうんにも、妊娠にんしん15週しゅう目めに流産りゅうざんとなってしまった。医師いしから再度さいど「出産しゅっさんに至いたるまで子宮しきゅうの中なかで胎児たいじが完全かんぜんに育そだつことは困難こんなん」と宣告せんこくされた。

悲かなしみに沈しずむ娘むすめを見みた母親ははおやのテリーザさん（46）は、代理だいり出産しゅっさんを申もうし出でた。最初さいしょは自分じぶんの年齢ねんれいを考慮こうりょし、またアリスさん自身じしんも不ふ安気あんきな様子ようすだったが、子供こどもが欲ほしいという娘むすめの気持きもちを思おもうとテリーザさんの意思いしは変かわることはなかった。

早速さっそく、体外たいがい受精じゅせいし保存ほぞんしてあった受精卵じゅせいらんがテリーザさんの子宮しきゅうに移植いしょくされた。幸さいわいなことにテリーザさんはすぐに妊娠にんしんし、6月2日にちに無事ぶじ“孫まご”を出産しゅっさんしたのである。

「人生じんせいで一番いちばん素晴すばらしい経験けいけんだった」と語かたるテリーザさんは、最高さいこうの瞬間しゅんかんをアリスさんと息子むすこのジェームズさんとともに分わかち合あった。その感動かんどう的てきな出産しゅっさんの様子ようすは、プロの写真しゃしん家かセレーナ・ローラソンさんによって撮影さつえいされた。

幼おさない頃ころから病やまいと闘たたかってきた娘むすめを、そばでサポートして来きたテリーザさんだからこそ“娘むすめは幸しあわせになる価値かちがある”と信しんじていた。アリスさんにとっても「ママになりたい」という夢ゆめが自分じぶんの母親ははおやによって叶かなえられたという喜よろこびは大おおきく、親子おやこの絆きずながさらに深ふかまったようだ。

産うまれた孫まごはパーカー君くんと名付なづけられた。テリーザさんは娘むすめのために、また代理だいり出産しゅっさんをしても構かまわないと話はなしている。

ちなみに5人にんの実子じっしがいるテリーザさんは、過去かこに50人にんの里親さとおやになった経験けいけんもあるという。

出典しゅってん：http://www.dailymail.co.uk
（TechinsightJapan編集へんしゅう部ぶ　エリス鈴子すずこ）