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符号検定

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符号ふごう検定けんてい

 

 符号ふごう検定けんてい(ノンパラメトリックほう)
符号ふごう検定けんていではかくペアの符号ふごう(+or-)に注目ちゅうもくして検定けんていする。この+と-のかずには有意ゆういがあるといってよいかを調しらべる検定けんていである。

 

仮説かせつ設定せってい
仮説かせつ(H0):「2ぐんあいだがない」と仮定かていする。
対立たいりつ仮説かせつ(H1):「2ぐんあいだがある」と仮定かていする。

 

かくりつもとめる
2ぐんあいだがないならば、+と-の符号ふごうがでるかくりつ両方りょうほうともである。もし、2ぐんあいだがあるならば+と-の符号ふごうがでるかくりつはどちらかにかたよるはずである。

 

符号ふごう検定けんていでは と-の符号ふごうるので、かくペアのが0のペアはデータから除外じょがいする。また、符号ふごうかずすくないほう個数こすうをrとする

 

仮説かせつ成立せいりつするならrが出現しゅつげんするかくりつであり、こう分布ぶんぷしたがうことになる。この計算けいさんによってrがその以上いじょう極端きょくたんをとるかくりつもとめる。

 

データのかずnが5<n≦25ならば直接ちょくせつ計算けいさんしてかくりつもとめればよい。ただし、n>25であるならしたしきより平均へいきん標準ひょうじゅん偏差へんさして、そのzをだす。

 

 

 

zもとめたら標準ひょうじゅん正規せいき分布ぶんぷひょうからかくりつPをもとめる。

 

であるがr<n/2のときはr+0.5を、r>n/2のときはr-0.5とする。これは正規せいき分布ぶんぷ近似きんじをよりよくするためである。

 

判定はんてい
P≧αあるふぁのとき、仮説かせつ棄却ききゃくできない。
P<αあるふぁのとき、仮説かせつ棄却ききゃくする。有意ゆういあり。

 

………………………………………………………………………………………………………………

 

 例題れいだい(しょう標本ひょうほん)
料理りょうりAと料理りょうりBのどちらがおいしいかを13にんが5段階だんかい評価ひょうかしたとする。このとき、料理りょうりAと料理りょうりBのおいしさにがあるといってよいか。

 

料理りょうりA

料理りょうりB

符号ふごう

5

3

3

5

4

3

4

3

3

5

4

2

4

2

1

1

0

3

4

3

2

5

2

3

3

0

(ちゅう:このデータは便宜べんぎてきつくったもので、実際じっさいのデータではない)

 

仮説かせつ料理りょうりAと料理りょうりBのおいしさにがない。
対立たいりつ仮説かせつ料理りょうりAと料理りょうりBのおいしさにがある。

 

計算けいさん
+のかずかぞえると7、-のかずは3、が0のかずは2である。符号ふごうかずすくないほう個数こすうをrとするので、rは3となる。また、データすうnはが0のデータを除外じょがいするのでn=12-2=10
となる。

 

rがその以上いじょう極端きょくたんをとるかくりつもとめればいいので、この場合ばあいはr以下いかがでるかくりつ(r=3,2,1,0となるかくりつ)をもとめる。この場合ばあいであれば、「ある一方いっぽう料理りょうりほう美味おいしい」or「ある一方いっぽう料理りょうりほう不味まずい」とうときのかくりつもとめる。

 

なお、仮説かせつ成立せいりつしていると仮定かていしているので出現しゅつげんりつである。

 

 

 

  =0.171875

 

片側かたがわ検定けんていなら計算けいさんしたPと0.05を比較ひかくすればよいが、両側りょうがわ検定けんていなら計算けいさんしたP×2と0.05を比較ひかくする。

 

この場合ばあい両側りょうがわ検定けんていなのでP×2 = 0.34375 > 0.05となりがえ仮説かせつ棄却ききゃくできない。つまり、「料理りょうりAと料理りょうりBのおいしさにがある」とはえない。

 

なお、ほとんど場合ばあい両側りょうがわ検定けんていである。片側かたがわ検定けんていとなるのは、ある一方いっぽうくとんでしまうなどの片側かたがわにしかずれないことが明白めいはくなときである。

 

………………………………………………………………………………………………………………

 

 例題れいだい(だい標本ひょうほん)
テレビ番組ばんぐみ料理りょうりAと料理りょうりBのどちらがおいしいかを30にんが5段階だんかい評価ひょうかしたとする。このとき、料理りょうりAと料理りょうりBのおいしさにがあるといってよいか。

 

料理りょうりA

料理りょうりB

符号ふごう

5

3

3

5

4

3

4

3

3

5

4

2

4

2

1

1

0

3

4

2

2

5

2

3

3

0

2

4

3

3

0

5

2

4

3

2

5

3

2

5

3

4

3

1

3

2

2

0

3

2

2

4

3

1

5

4

2

4

3

5

3

4

5

4

(ちゅう:このデータは便宜べんぎてきつくったもので、実際じっさいのデータではない)

 

仮説かせつ料理りょうりAと料理りょうりBのおいしさにがない。
対立たいりつ仮説かせつ料理りょうりAと料理りょうりBのおいしさにがある。

 

計算けいさん
+のかずは16、-のかずは10、が0のかずは4である。符号ふごうかずすくないほう個数こすうをrとするので、rは10となる。また、データすうnはが0のデータを除外じょがいするのでn=30-4=26
となる。

 

平均へいきんはn/2 = 26/2 = 13 となり、標準ひょうじゅん偏差へんさ/2 = 5.09/2 = 2.545となる。このからz計算けいさんする。

 

 z = (r+0.5-ur)/σしぐまr = (10+0.5-13)/2.545 = -0.982

 

標準ひょうじゅん正規せいき分布ぶんぷひょうより、P = 0.3270>0.05 となる。P>0.05となるので仮説かせつ棄却ききゃくできない。よって、「料理りょうりAと料理りょうりBのおいしさにがある」とはいえない。

 

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