ポスター報告ほうこく 22

草山くさやま 太郎たろう (くさやま たろう)
追手門学院大学おうてもんがくいんだいがく

#報告ほうこく題目だいもく

障害しょうがいしゃへの性的せいてき支援しえんかんがえる
: 障害しょうがいしゃ同士どうしのカップルへの「介助かいじょ実践じっせんをとおして

#報告ほうこくキーワード

障害しょうがいしゃ / 性的せいてき支援しえん / 介助かいじょ

#報告ほうこく要旨ようし

1. 目的もくてき
 ほん報告ほうこく目的もくてきは、障害しょうがいしゃへの性的せいてき支援しえん提供ていきょうする特定とくてい営利えいり活動かつどう法人ほうじんノアール(以降いこう「ノアール」)の活動かつどう焦点しょうてんて、その設立せつりつ以降いこう活動かつどう概観がいかんしたうえで、昨年さくねんからんでいる障害しょうがいしゃ同士どうしのカップル(以降いこう障害しょうがいしゃカップル」)にたいする「介助かいじょ」という実践じっせんについてあきらかにすることをとおして、これからの障害しょうがいしゃへの性的せいてき支援しえんのありかたについてかんがえることである。

2. 背景はいけい
 「障害しょうがいしゃせいというよりも、障害しょうがいしゃせい具現ぐげんされたセクシュアリティそのもの」をうという問題もんだい意識いしきによってまれた倉本くらもと智明ともあき編著へんちょ『セクシュアリティの障害しょうがいがく』(明石書店あかししょてん)が2005ねん発行はっこうされ、12ねんった。その前年ぜんねん、2004ねんには河合かわい香織かおり『セックスボランティア』(新潮社しんちょうしゃ)が出版しゅっぱんされていたこともあってか、その障害しょうがいしゃのセクシュアリティというテーマはさまざまなところでげられ、「議論ぎろん」がなされてきた。また、NHK教育きょういくテレビで放映ほうえいされている「障害しょうがいしゃのための情報じょうほうバラエティー」『バリバラ』をはじめとするメディアにおいても、「話題わだい」として障害しょうがいしゃせいげられている。
 では、障害しょうがいしゃへの性的せいてき支援しえんの「実践じっせん」についてはどうなっているのであろうか。
 障害しょうがいしゃへの性的せいてき支援しえん提供ていきょうしている代表だいひょうてき団体だんたいは、一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんホワイトハンズ(以降いこう「ホワイトハンズ」)とノアールであろう。
 2011ねん社団しゃだん法人ほうじんされたホワイトハンズは、2008ねんに「射精しゃせい介助かいじょ」というサービスの提供ていきょう開始かいしした。それと並行へいこうして、「「さわがいしゃせい基礎きそ研修けんしゅう」や「バリアフリーのヌードデッサンかい」である「ららあーと」を開催かいさいしている。また、2014ねん~2016ねんにかけては「障害しょうがいしゃせいかんする問題もんだい社会しゃかい発信はっしんする啓蒙けいもう」として「なませいのバリアフリーフォーラム」を実施じっししている。これらの活動かつどうは、ホームページによって紹介しょうかいされている。ホワイトハンズの代表だいひょうである坂爪さかつめしんわれは、2012ねんに『セックス・ヘルパーの尋常じんじょうならざる情熱じょうねつ』(小学館しょうがくかん)、2016ねんには『セックスと障害しょうがいしゃ』(イースト・プレス)とう出版しゅっぱんしている。このように、積極せっきょくてき活動かつどう展開てんかいし、情報じょうほう発信はっしんしているホワイトハンズの理念りねん実践じっせんについては、2011ねん報告ほうこくしゃ論文ろんぶん障害しょうがいしゃせいへのサポートについてかんがえる─ホワイトハンズの理念りねんとサービスの検討けんとうをとおして─」において批判ひはんてき検討けんとうくわえている。
 2004ねん設立せつりつされたノアールは、ホームページやFacebookをとおして障害しょうがいしゃのセクシュアリティにかんするさまざまな情報じょうほう提供ていきょう積極せっきょくてきっている。ノアール設立せつりつまえの2001ねんに『たった5㎝のハードル だれかたらなかった障害しょうがいしゃのセックス』(ワニブックス)を出版しゅっぱんしたノアールの理事りじ長熊ながくましの慶彦よしひこは、2012ねん玉垣たまがきつとむと『障害しょうがいしゃせい活動かつどう』(さんりん書店しょてん)を上梓じょうししている。マスターベーション介助かいじょ自助じじょ製作せいさくから風俗ふうぞくてんかんする情報じょうほう提供ていきょうとう多岐たきにわたる活動かつどう展開てんかいしているノアールであるが、活動かつどう実際じっさいとうまだられていないてんがある。また、これまでの活動かつどう検討けんとうする作業さぎょうもまだおこなわれていない。
 そのノアールが、昨年さくねんからんでいる活動かつどう障害しょうがいしゃカップルへの「介助かいじょ」である。報告ほうこくしゃは2017ねん4がつ26にち東京とうきょう大学だいがく開催かいさいされた「「障害しょうがいしゃのリアルにせまる」東大とうだいゼミ 障害しょうがいしゃ×せい1」においてくましのから、「介助かいじょ実践じっせん報告ほうこくいて関心かんしんち、調査ちょうさ開始かいしした。

3. 方法ほうほう
 まず、ノアールの設立せつりつから活動かつどう実際じっさいについて、ホームページとう資料しりょうおよびくましのへのききと調査ちょうさによってあきらかにする。
 つぎに、「介助かいじょ」について、ノアールに性的せいてき支援しえん依頼いらいおこない「介助かいじょ」の提供ていきょうけた障害しょうがいしゃカップル、その障害しょうがいしゃカップルから性的せいてき支援しえん依頼いらいけたくましの、「介助かいじょ」の計画けいかく参画さんかくして実際じっさい提供ていきょうおこなったノアールのスタッフにききと調査ちょうさ実施じっしする。

4. 結果けっか
 結果けっかおよび考察こうさつについては学会がっかい当日とうじつ報告ほうこくする。

倫理りんりてき配慮はいりょ
 ほん研究けんきゅうならびに研究けんきゅうのために実施じっしした調査ちょうさは「日本にっぽん社会しゃかい学会がっかい倫理りんり綱領こうりょう」(http://www.gakkai.ne.jp/jss/about/ethicalcodes.php)および「日本にっぽん社会しゃかい学会がっかい倫理りんり綱領こうりょうにもとづく研究けんきゅう指針ししん」(http://www.gakkai.ne.jp/jss/about/shishin.pdf)を遵守じゅんしゅしておこなうものである。

文献ぶんけん
倉本くらもと智明ともあきへん『セクシュアリティの障害しょうがいがく明石書店あかししょてん、2006ねん
草山くさやま太郎たろう障害しょうがいしゃせいへのサポートについてかんがえる─ホワイトハンズの理念りねんとサービスの
 検討けんとうをとおして─」追手門学院大学おうてもんがくいんだいがく社会学部しゃかいがくぶ紀要きようだい5ごう、1-21、2011ねん
 ( http://www.arsvi.com/2010/1103kt.pdf )
特定とくてい営利えいり活動かつどう法人ほうじんノアール ホームページ http://www.npo-noir.com/?page_id=132
 (2017ねん7がつ28にち閲覧えつらん
一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんホワイトハンズ ホームページ http://www.whitehands.jp/menu.html
 (2017ねん7がつ28にち閲覧えつらん