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9-1. 被子植物の系統樹と分類
9-1. 被子植物 ひししょくぶつ の系統 けいとう 樹 じゅ と分類 ぶんるい
9-1-1. 分類 ぶんるい 系 けい
種 たね [species]は、(1)形態 けいたい や遺伝子 いでんし の特徴 とくちょう 、(2)交配 こうはい 可能 かのう 性 せい 、(3)起源 きげん の単一 たんいつ 性 せい などの基準 きじゅん によってまとめられる(と同時 どうじ に他 た の種 たね とは区別 くべつ される)個体 こたい の集 あつ まりを指 さ す。
被子植物 ひししょくぶつ の現生 げんなま 種 しゅ は、記載 きさい 種 しゅ 数 すう で25万 まん を超 こ え、未 み 記載 きさい 種 しゅ を合 ごう わると30~35万 まん と推定 すいてい されている。
現生 げんなま 種 しゅ [modern species]: 生 い きている個体 こたい が存在 そんざい する種 たね
絶滅 ぜつめつ 種 しゅ [extinct species]: 生 い きている個体 こたい が存在 そんざい しない種 たね
化石 かせき 種 しゅ [fossil species]: 絶滅 ぜつめつ 種 しゅ のうち、化石 かせき だけしか知 し られていない種 たね
記載 きさい 種 しゅ [described species]: 特徴 とくちょう や他 た の種 たね との区別 くべつ 点 てん が公表 こうひょう され、学名 がくめい がつけられている種 たね 。公表 こうひょう や命名 めいめい の形式 けいしき は国際 こくさい 命名 めいめい 規約 きやく [International Code of Nomenclature]で決 き められている。
1つの種 たね が複数 ふくすう の種 たね 内 ない 分類 ぶんるい 群 ぐん (亜種 あしゅ または変種 へんしゅ )に分 わ けられている場合 ばあい がある。亜種 あしゅ ・変種 へんしゅ は種 たね と同様 どうよう の基準 きじゅん でまとめられる(と同時 どうじ に区別 くべつ される)が、別々 べつべつ の種 たね とするほどではない個体 こたい の集 あつ まりを指 さ す。
種 たね ・亜種 あしゅ ・変種 へんしゅ は、
種 たね → 属 ぞく → 科 か → 目 め
変種 へんしゅ → 種 たね → 属 ぞく → 科 か → 目 め
亜種 あしゅ → 種 たね → 属 ぞく → 科 か → 目 め
変種 へんしゅ → 亜種 あしゅ → 種 たね → 属 ぞく → 科 か → 目 め
のように、階層 かいそう 的 てき に(入 い れ子 こ 状 じょう に)まとめられる。1は種 しゅ 内 ない 分類 ぶんるい 群 ぐん に分 わ けない場合 ばあい 、2と3は分 わ ける場合 ばあい (2と3のどちらかを決 き める基準 きじゅん はない)、4は二 に 重 じゅう に分 わ ける場合 ばあい で、必 かなら ず亜種 あしゅ が変種 へんしゅ の上位 じょうい に来 く る。
界 さかい 綱 つな 科 か 種 たね 変種 へんしゅ
界 さかい 綱 つな 科 か 種 たね 変種 へんしゅ
界 さかい 綱 つな 科 か 種 たね 変種 へんしゅ
ドメイン 門 もん 目 め 属 ぞく 亜種 あしゅ
界 さかい 綱 つな 科 か 種 たね 変種 へんしゅ
門 もん 目 め 属 ぞく 亜種 あしゅ
界 さかい 綱 つな 科 か 種 たね 変種 へんしゅ
ドメイン 門 もん 目 め 属 ぞく 亜種 あしゅ
界 さかい 綱 つな 科 か 種 たね 変種 へんしゅ
門 もん 目 め 属 ぞく 亜種 あしゅ
ドメイン 門 もん 目 め 属 ぞく 亜種 あしゅ
門 もん 目 め 属 ぞく 亜種 あしゅ
高次 こうじ 分類 ぶんるい 群 ぐん 種 たね 種 たね 内 ない 分類 ぶんるい 群 ぐん
これらの単位 たんい を総称 そうしょう して分類 ぶんるい 群 ぐん [taxon; 複 ふく taxa]といい、高次 こうじ 分類 ぶんるい 群 ぐん [higher taxon]・種 たね ・種 たね 内 ない 分類 ぶんるい 群 ぐん [infraspecific taxon]の3つに分 わ けられる
上 うえ では主 おも なものを示 しめ したが、さらに中 ちゅう 間 あいだ 的 てき な階層 かいそう が入 はい ることがある。例 たと えば、変種 へんしゅ [variety] → 亜種 あしゅ [subspecies 単複 たんぷく 同形 どうけい ] → 種 たね [species 単複 たんぷく 同形 どうけい ] → 節 ふし [section] → 亜 あ 属 ぞく [subgenus 複数 ふくすう 形 がた subgenera] → 属 ぞく [genus 複数 ふくすう 形 がた genera] → 連 れん [tribe] → 亜 あ 科 か [subfamily] → 科 か [family] → 亜 あ 目 め [suborder] → 目 め [order] → 亜 あ 綱 つな [subclass] → 綱 つな [class] → 門 もん [phyllum] → 界 さかい [kingdom] → ドメイン[domain]
ツユクサ目 め
ツ ユ ク サ科 か
ツユクサ属 ぞく
ツユクサ
マルバツユクサ
ムラサキツユクサ属 ぞく
ムラサキツユクサ
ノハカタカラクサ
イボクサ属 ぞく
イボクサ
ヤブミョウガ属 ぞく
ヤブミョウガ
ミ ズ ア オ イ科 か
ホテイアオイ属 ぞく
ホテイアオイ
上 うえ の内容 ないよう は、下 した のように表 あら わすこともできる
ツユクサ目 め
ツユクサ科 か
ツユクサ属 ぞく
ムラサキツユクサ属 ぞく
ムラサキツユクサ
ノハカタカラクサ
ムラサキゴテン
イボクサ属 ぞく
ヤブミョウガ属 ぞく
このように、種 たね を階層 かいそう 的 てき に整理 せいり したものを「分類 ぶんるい 系 けい 」(または、「分類 ぶんるい システム」「分類 ぶんるい 体系 たいけい 」)という。分類 ぶんるい 系 けい は、大 おお きく分 わ けて、2つの役割 やくわり を持 も っている。
生物 せいぶつ の多様 たよう 性 せい が含 ふく んでいる膨大 ぼうだい な情報 じょうほう を一 いち 冊 さつ の本 ほん にたとえると、分類 ぶんるい 系 けい はその目次 もくじ や索引 さくいん のような役割 やくわり をする
さまざまなデータから推定 すいてい された生物 せいぶつ の系統 けいとう 関係 かんけい を要約 ようやく して言葉 ことば にしたものであり、多様 たよう 性 せい を研究 けんきゅう するにあたっての枠組 わくぐ みを与 あた える
種 たね を属 ぞく に、あるいは属 ぞく を科 か にまとめる「グルーピング」の基準 きじゅん は、次 つぎ の2つだ。
形質 けいしつ 共有 きょうゆう 「はっきりとした共通 きょうつう 性 せい があるものどうしをまとめる」
系統 けいとう 的 てき 近 きん 縁 えん 性 せい 「共通 きょうつう 祖先 そせん から分岐 ぶんき した年代 ねんだい が新 あたら しいものどうしをまとめる」
共通 きょうつう 祖先 そせん が持 も つ形質 けいしつ (特徴 とくちょう )は、その子孫 しそん へと受 う け継 つ がれていく。共通 きょうつう 祖先 そせん からの分岐 ぶんき が新 あたら しいほど、受 う け継 つ いだ特徴 とくちょう の多 おお くが子孫 しそん の共有 きょうゆう される。系統 けいとう の推定 すいてい は、このことを逆用 ぎゃくよう して行 おこ なう。だから、形質 けいしつ 共有 きょうゆう によるグルーピングと系統 けいとう 的 てき 近 きん 縁 えん 性 せい によるグルーピングとは、重 かさ なり合 あ う部分 ぶぶん が大 おお きい。
一方 いっぽう 、形質 けいしつ 共有 きょうゆう によるグルーピングと系統 けいとう 的 てき 近 きん 縁 えん 性 せい によるグルーピングが食 く い違 ちが うこともある。
似 に た環境 かんきょう に適応 てきおう することを通 つう じて、系統 けいとう が離 はな れたグループでよく似 に た形質 けいしつ が進化 しんか する場合 ばあい (収斂 しゅうれん 進化 しんか )
急速 きゅうそく な進化 しんか によって多 おお くの形質 けいしつ が変化 へんか し、系統 けいとう 的 てき に近 ちか いグループ間 あいだ の違 ちが いが大 おお きくなる
これらのことは、形質 けいしつ に基 もと づく系統 けいとう 推定 すいてい に間違 まちが いをもたらす要因 よういん にもなる。
単純 たんじゅん 化 か すると(実際 じっさい には、理論 りろん 的 てき にも実際 じっさい 的 てき にも、たいへん複雑 ふくざつ な経過 けいか をたどった)、歴史 れきし 的 てき には形質 けいしつ 共有 きょうゆう によるグルーピングが先行 せんこう し、しだいに系統的 けいとうてき 近 きん 縁 えん 性 せい によるグルーピングが併用 へいよう されるようになり、さらに、後者 こうしゃ が第 だい 一 いち の基準 きじゅん 、前者 ぜんしゃ は後者 こうしゃ と矛盾 むじゅん しない範囲 はんい で使 つか われるようになっていった。
グルーピングに使 つか われる形質 けいしつ データも、質 しつ ・量 りょう ともに変化 へんか する。肉眼 にくがん で容易 ようい に観察 かんさつ できる特徴 とくちょう から始 はじ まり、組織 そしき ・細胞 さいぼう の特徴 とくちょう や生化学 せいかがく 的 てき な特徴 とくちょう が加 くわ わり、後 あと で述 の べるように、1990年代 ねんだい 以降 いこう はDNAの塩基 えんき 配列 はいれつ が集中 しゅうちゅう 的 てき に使 つか われるようになった。どのような種類 しゅるい のデータであれ、植物 しょくぶつ の種類 しゅるい を増 ふ やし、欠 か けていたデータを埋 う める努力 どりょく が連綿 れんめん と続 つづ けられてきた。
グルーピングの基準 きじゅん が変 か わり、新 あら たなデータが使 つか われるようになると、分類 ぶんるい 系 けい も変 か わっていく。
被子植物 ひししょくぶつ 全体 ぜんたい を扱 あつか った分類 ぶんるい 系 けい も、古代 こだい からの「木 き 」「草 くさ 」の区別 くべつ と用途 ようと による分類 ぶんるい から、雄 お しべ・花 はな 柱 ばしら の数 かず によってグルーピングしたリンネ[Carl von Linné]の「性 せい の体系 たいけい 」[The Sexual System](c.1729~)など数々 かずかず の変遷 へんせん を経 へ て、DNAの塩基 えんき 配列 はいれつ に基 もと づく系統 けいとう 樹 じゅ をベースとした「APG分類 ぶんるい 系 けい 」[The APG system](1998, 2003, 2009)に至 いた っている。
Carl von Linné (1753). Species plantarum. (全文 ぜんぶん @Botanicus.org | 全文 ぜんぶん @Project Gutenberg )
Angiosperm Phylogeny Group (2009). An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG III.". Botanical Journal of the Linnean Society 161: 399–436. DOI:10.1111/j.1095-8339.2009.00996.x ――要旨 ようし | 全文 ぜんぶん (HTML) | 全文 ぜんぶん (PDF)
List of systems of plant taxonomy (Wikipedia, the free encyclopedia): Linné以降 いこう の植物 しょくぶつ 分類 ぶんるい 系 けい のリスト。ほとんどの分類 ぶんるい 系 けい は、詳細 しょうさい な内容 ないよう へのリンクがある
YListで使 つか われる分類 ぶんるい 体系 たいけい (米倉 よねくら 浩司 こうじ 氏 し ・梶田 かじた 忠 ただし 氏 し ): 参照 さんしょう されることが多 おお い「新 しん Engler分類 ぶんるい 系 けい 」・「Cronquist分類 ぶんるい 系 けい 」・「APG分類 ぶんるい 系 けい 」の和名 わみょう つき一覧 いちらん
9-1-2. 系統 けいとう 樹 じゅ と単 たん 系統 けいとう 群 ぐん
現在 げんざい では、系統 けいとう 樹 じゅ を元 もと にして分類 ぶんるい 系 けい がつくられる。また、特定 とくてい の特徴 とくちょう (例 たと えば、花 はな の色 いろ )の進化 しんか パターンを推定 すいてい する場合 ばあい 、地理 ちり 的 てき な分布 ぶんぷ の変遷 へんせん を分析 ぶんせき する場合 ばあい にも、系統 けいとう 樹 じゅ と特徴 とくちょう ・分布 ぶんぷ を重 かさ ね合 あ わせる。
下 した の図 ず は、説明 せつめい 用 よう の架空 かくう の系統 けいとう 樹 じゅ だ(左右 さゆう とも同 おな じ)。時間 じかん は左 ひだり から右 みぎ に流 なが れ、左端 ひだりはし が共通 きょうつう 祖先 そせん で、こちらを「系統 けいとう 樹 じゅ の基部 きぶ 」という。系統 けいとう 樹 じゅ 右 みぎ 端 はし のボックス1~16は系統 けいとう 樹 じゅ の末端 まったん で、分析 ぶんせき の対象 たいしょう となる個々 ここ の単位 たんい が来 く る。種 たね である場合 ばあい もあれば、属 ぞく や科 か 、目 め の場合 ばあい もあり、個体 こたい の場合 ばあい もある。この例 れい では1~16は種 しゅ として説明 せつめい する。
系統 けいとう 樹 じゅ を式 しき で表 あらわ すこともある。下 した の系統 けいとう 樹 じゅ は、
(((1,2),3),(4,5,6)),((7,8),(9,(10,((11,12,13,14),(15,16)))))
となる。対応 たいおう する()で囲 かこ まれた部分 ぶぶん が単 たん 系統 けいとう 群 ぐん だ。
系統 けいとう 樹 じゅ では、分岐 ぶんき 点 てん を「節 ふし 」[node]、節 ふし と節 ふし とを結 むす ぶ線 せん を「枝 えだ 」[branch]という。節 ふし ではふたまたに分岐 ぶんき する(二 に 分岐 ぶんき )する場合 ばあい も、3つ以上 いじょう に分岐 ぶんき (多 た 分岐 ぶんき [polytomy])することもある。下 した の例 れい では、4・5・6の分岐 ぶんき と11~14の分岐 ぶんき が多 た 分岐 ぶんき だ。多 た 分岐 ぶんき は、実際 じっさい にたくさんの系統 けいとう に同時 どうじ に分 わ かれたことを示 しめ すとは限 かぎ らず、現時点 げんじてん のデータでは枝分 えだわ かれの順序 じゅんじょ が決定 けってい できないところだ。種 たね 4が先 さき に分 わ かれ、その後 ご で5と6が分 わ かれたのかも知 し れないし、5が先 さき に分 わ かれたのかも、6が先 さき だったのかも知 し れない。あるいは、本当 ほんとう にいっせいに3つに分 わ かれたのかも知 し れない。もっとも、大量 たいりょう のデータがあるにもかかわらず多 た 分岐 ぶんき で示 しめ されるようなところは、枝分 えだわ かれが短期間 たんきかん で繰 く り返 かえ された可能 かのう 性 せい が高 たか い。
1つの節 ふし から分 わ かれたものどうしを「姉妹 しまい 群 ぐん 」[sister group]という。例 たと えば、種 たね 1と種 たね 2は互 たが いに姉妹 しまい 群 ぐん だ。
1 A B C L
a
2 N
b
3
c 4 D
d 5
6
l
7 E K M
e
8
9 J
k
10 I
j 11 F H
12
i f
13
h 14
15 G N
g
16
単 たん 系統 けいとう 群 ぐん
系統 けいとう 樹 じゅ において、ある共通 きょうつう 祖先 そせん の子孫 しそん の全 すべ てが含 ふく まれる集 あつ まりを単 たん 系統 けいとう 群 ぐん [monophyletic group](あるいはクレード[clade])という。単 たん 系統 けいとう 群 ぐん は、共通 きょうつう 祖先 そせん にあたる系統 けいとう 樹 じゅ の枝 えだ を1ヶ所 かしょ 「切 き る」だけで、系統 けいとう 樹 じゅ から「取 と り出 だ す」ことができる。
例 たと えば、単 たん 系統 けいとう 群 ぐん Bは1・2・3の3種 しゅ を含 ふく み、bのあたりで枝 えだ を切断 せつだん することで、系統 けいとう 樹 じゅ から一体 いったい として分離 ぶんり できる。A・E・Gのような2種 しゅ のみを含 ふく む小 ちい さな単 たん 系統 けいとう 群 ぐん もあれば、1~16の全 すべ てを含 ふく む単 たん 系統 けいとう 群 ぐん Lもある。もちろん、単 たん 系統 けいとう 群 ぐん の中 なか に単 たん 系統 けいとう 群 ぐん があることもある。
単 たん 系統 けいとう 群 ぐん Bに見 み られ、周辺 しゅうへん の他 ほか の群 ぐん に見 み られない特徴 とくちょう は、系統 けいとう 樹 じゅ のbのあたりで進化 しんか し、その子孫 しそん に受 う け継 つ がれたと推定 すいてい することができる。娘 むすめ のような特徴 とくちょう を単 たん 系統 けいとう 群 ぐん Bの共有 きょうゆう 派生 はせい 形質 けいしつ [shared derived character]という。
この系統 けいとう 樹 じゅ には、12の単 たん 系統 けいとう 群 ぐん (A~L)がある。また、末端 まったん 単位 たんい (この場合 ばあい は1~16)も、単 たん 系統 けいとう 群 ぐん と見 み なして扱 あつか うので、それを含 ふく めると28の単 たん 系統 けいとう 群 ぐん ということになる。
多 た 系統 けいとう 群 ぐん と側 がわ 系統 けいとう 群 ぐん
右 みぎ の系統 けいとう 樹 じゅ で示 しめ すMとNは、どちらも単 たん 系統 けいとう 群 ぐん ではない。
Mは系統 けいとう 樹 じゅ 上 じょう ではひとまとまりになっているが、Mを構成 こうせい する7~10の共通 きょうつう 祖先 そせん はkで、kの子孫 しそん (単 たん 系統 けいとう 群 ぐん K)のうち単 たん 系統 けいとう 群 ぐん Hが含 ふく まれていないので、単 たん 系統 けいとう 群 ぐん ではない。つまり、Mは単 たん 系統 けいとう 群 ぐん Kから単 たん 系統 けいとう 群 ぐん Hを取 と り除 のぞ いたものだ。このように「単 たん 系統 けいとう 群 ぐん から1つか少数 しょうすう の単 たん 系統 けいとう 群 ぐん (あるいは末端 まったん 単位 たんい )を取 と り除 のぞ くことでできる単 たん 系統 けいとう 群 ぐん でないグループ」を側 がわ 系統 けいとう 群 ぐん [paraphyletic group](グレード[grade])と呼 よ ぶ。
Nは系統 けいとう 樹 じゅ 上 じょう の複数 ふくすう の場所 ばしょ に散 ち らばるグループで「多 た 系統 けいとう 群 ぐん 」[polyphyletic group]と呼 よ ばれる。研究 けんきゅう の結果 けっか 、以前 いぜん にまとめられていたグループが多 た 系統 けいとう 群 ぐん だと判明 はんめい した場合 ばあい は、複数 ふくすう に分割 ぶんかつ されることになる。
多 た 系統 けいとう 群 ぐん は「単 たん 系統 けいとう 群 ぐん から多数 たすう の単 たん 系統 けいとう 群 ぐん (あるいは末端 まったん 単位 たんい )を取 と り除 のぞ くことでできる単 たん 系統 けいとう 群 ぐん でないグループ」ということもできる。多 た 系統 けいとう 群 ぐん と側 がわ 系統 けいとう 群 ぐん の違 ちが いは量的 りょうてき なものなので明確 めいかく な境界 きょうかい はない。両者 りょうしゃ の区別 くべつ は、ある程度 ていど は感覚 かんかく 的 てき ・恣意 しい 的 てき になる。
系統 けいとう 樹 じゅ ベースの分類 ぶんるい 系 けい
種 たね 属 ぞく 科 か 目 め
1 P W L
2
3
4 Q
5
6
7 R X
8
9 S Y
10 T
11 U
12
13
14
15 V
16
系統 けいとう 樹 じゅ に基 もと づく分類 ぶんるい 系 けい では、属 ぞく ・科 か ・目 め などの分類 ぶんるい 群 ぐん [taxa]が単 たん 系統 けいとう 群 ぐん (クレード)となるように グルーピングされる。図 ず は、前 まえ の系統 けいとう 樹 じゅ から導 みちび かれる分類 ぶんるい 系 けい の例 れい だ。
1つの系統 けいとう 樹 じゅ から導 みちび かれる分類 ぶんるい 系 けい は複数 ふくすう あり得 え る。例 たと えば、U属 ぞく とV属 ぞく をまとめて1つの属 ぞく にしても構 かま わない。どちらにするかは、U属 ぞく とV属 ぞく との形質 けいしつ の違 ちが い、過去 かこ の分類 ぶんるい との連続 れんぞく 性 せい などを考慮 こうりょ して決 き められることが多 おお い。
S属 ぞく ・T属 ぞく ・X科 か のように、下位 かい の群 ぐん を1つしか含 ふく まないこともある。
系統 けいとう 樹 じゅ の分岐 ぶんき パターンによっては、S属 ぞく ・T属 ぞく ・X科 か のような群 ぐん がおびただしい数 かず に上 のぼ ることがある。そのような場合 ばあい には、側 がわ 系統 けいとう 群 ぐん (グレード)という名前 なまえ をつけることがある。図 ず の例 れい では、種 たね 7~10をまとめて「○○グレード」と呼 よ ぶ場合 ばあい がある。
9-1-3. 被子植物 ひししょくぶつ 系統 けいとう 樹 じゅ の全体 ぜんたい 像 ぞう と3つのグループ
1980年代 ねんだい の終 お わりごろから、地球 ちきゅう 上 じょう のさまざまな生物 せいぶつ 群 ぐん の系統 けいとう 樹 じゅ を推定 すいてい する研究 けんきゅう は質 しつ ・量 りょう ともに大 おお きく進展 しんてん した。原動力 げんどうりょく としては、次 つぎ の4つが互 たが いに影響 えいきょう しながら同調 どうちょう するように向上 こうじょう したことが大 おお きい。
DNAの塩基 えんき 配列 はいれつ を解読 かいどく する技術 ぎじゅつ
系統 けいとう 樹 じゅ 推定 すいてい の理論 りろん ・手法 しゅほう ・ソフトウェア
コンピュータの計算 けいさん 速度 そくど
データベース化 か ・大 だい 規模 きぼ 共同 きょうどう 研究 けんきゅう
被子植物 ひししょくぶつ の系統 けいとう 関係 かんけい も、1980年代 ねんだい までは、さまざまな説 せつ があって植物 しょくぶつ 学者 がくしゃ の間 あいだ で意見 いけん が分 わ かれていたが、二 に 十 じゅう 世紀 せいき の終 お わりまでに、大 おお まかな全体 ぜんたい 像 ぞう に関 かん しては、多 おお くの研究 けんきゅう 者 しゃ が合意 ごうい するようになった。
Chase MW & al. (1993) Phylogenetics of seed plants: an analysis of nucleotide sequences from the plastid gene rbcL. Annals of the Missouri Botanical Garden 80: 528-580 42人 にん の共著 きょうちょ による被子植物 ひししょくぶつ の巨大 きょだい 系統 けいとう 樹 じゅ 。さまざまな意味 いみ において、以後 いご の研究 けんきゅう の先駆 さきが けとなった。
Soltis PS, Soltis DE, Chase MW (1999) Angiosperm phylogeny. inferred from multiple chloroplast genes as a tool for comparative biology. Nature 402: 402-404
Soltis DE & al. (2000) Angiosperm phylogeny inferred from 18s rdna, rbcl, and atpb sequences. Bot. J. Linn. Soc. 133: 381-461 3つの遺伝子 いでんし ―葉 は 緑 みどり 体 たい DNAのrbcL ・atpB 、核 かく DNAの18S rDNA―の塩基 えんき 配列 はいれつ からの被子植物 ひししょくぶつ の系統 けいとう 推定 すいてい 。Trees from D. Soltis et. al (2000) @Deep Time Project (Florida Museum of Natural History)では、系統 けいとう 樹 じゅ を閲覧 えつらん ・ダウンロードできる。
別 べつ ページ に、現時点 げんじてん で推定 すいてい されている被子植物 ひししょくぶつ の目 め レベルの系統 けいとう 関係 かんけい を表 あら わした系統 けいとう 樹 じゅ を示 しめ す。被子植物 ひししょくぶつ の系統 けいとう 関係 かんけい にかかわる膨大 ぼうだい な情報 じょうほう を集積 しゅうせき ・公開 こうかい しているAngiosperm Phylogeny Website (ミズーリ植物 しょくぶつ 園 えん )によるものだ。
Stevens, P.F. (2001 onwards). Angiosperm Phylogeny Website. http://www.mobot.org/MOBOT/research/APweb/
「骨組 ほねぐ み」だけを示 しめ したのが右 みぎ 図 ず で、左上 ひだりうえ 隅 すみ が被子植物 ひししょくぶつ の起源 きげん 、右 みぎ に向 む いた線 せん の端 はし には「モクレン目 め 」「ユリ目 め 」など、目 め レベルのグループがある。このような図 ず では、太 ふと い線 せん (枝 えだ [branch])のつながり方 かた によって、推定 すいてい された進化 しんか の経路 けいろ を表 あら わしている。
アムボレラ科 か 基 もと 部 ぶ 被 ひ 子 こ 植 うえ 物 もの 双 そう 子 こ 葉 は 類 るい
スイレン科 か など
シキミ科 か など
センリョウ科 か (Chl)
モクレン科 か など(Mag)
マツモ科 か (Cer)
真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい (EuD)
単 たん 子葉 しよう 類 るい (Mo)
DNAから推定 すいてい された現生 げんなま 被子植物 ひししょくぶつ の系統 けいとう 関係 かんけい の略図 りゃくず 。真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい が種 たね の3/4以上 いじょう を、単 たん 子葉 しよう 類 るい が2割 わり 以上 いじょう を含 ふく む。
右 みぎ 上 じょう の系統 けいとう 樹 じゅ を、単 たん 系統 けいとう 群 ぐん をひとまとめにすることで、さらに簡略 かんりゃく 化 か したものが左上 ひだりうえ の系統 けいとう 樹 じゅ だ。このように、被子植物 ひししょくぶつ は、2つの単 たん 系統 けいとう 群 ぐん (クレード)と1つの側 がわ 系統 けいとう 群 ぐん (グレード)、計 けい 3つに大 おお きく分 わ けられる。
単 たん 子葉 しよう 植物 しょくぶつ (単 たん 子葉 しよう 類 るい ) [monocotyledons; 略 りゃく してmonocots]("Mo"の枠 わく で示 しめ す)
以前 いぜん からの「単 たん 子葉 しよう 類 るい 」と一致 いっち する単 たん 系統 けいとう 群 ぐん で、現生 げんなま 種 しゅ の数 かず で言 い うと被子植物 ひししょくぶつ の約 やく 2割 わり になる。「子葉 しよう が1枚 まい 、子葉 しよう の基部 きぶ が胚 はい の他 ほか の部分 ぶぶん を包 つつ み込 こ むさやとなる」という他 た の被子植物 ひししょくぶつ に見 み られない特徴 とくちょう を持 も つ。
真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 植物 しょくぶつ (真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい ) [eudicots]("EuD"で示 しめ す)
現生 げんなま 種 しゅ の数 かず で言 い うと約 やく 3/4を占 し める単 たん 系統 けいとう 群 ぐん 。「花粉 かふん 粒 つぶ が三 さん 溝 みぞ 粒 つぶ 、あるいは三 さん 溝 みぞ 粒 つぶ から進化 しんか してできたタイプの花粉 かふん 粒 つぶ (三 さん 孔 あな 粒 つぶ ・三溝 さみぞ 孔 あな 粒 つぶ ・多孔 たこう 粒 つぶ ・多 た 溝 みぞ 孔 あな 粒 つぶ など)を持 も つ」という特徴 とくちょう を共有 きょうゆう する。
基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ [basal angiosperms]または原始 げんし 的 てき 被子植物 ひししょくぶつ [primitive angiosperms]=被子植物 ひししょくぶつ から真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい ・単 たん 子葉 しよう 類 るい を除 のぞ いた側 がわ 系統 けいとう 群 ぐん ("Mo""EuD"を除 のぞ いた部分 ぶぶん )
現生 げんなま 種 しゅ の数 かず %ていど。
原始 げんし 的 てき 被子植物 ひししょくぶつ の単 たん 溝 みぞ 粒 つぶ ―コブシ(モクレン科 か )
単 たん 子葉 しよう 類 るい の単 たん 溝 みぞ 粒 つぶ ―アマリリス(ヒガンバナ科 か )
真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい の三 さん 溝 みぞ 粒 つぶ ―シナレンギョウ(モクセイ科 か )の三 さん 溝 みぞ 粒 つぶ 。横 よこ から見 み たところと、極 きょく 側 がわ から見 み たところ。
双 そう 子葉 しよう 植物 しょくぶつ でも子葉 しよう が一 いち 枚 まい しかない種類 しゅるい があるが、基部 きぶ はさやにならないし、また、同 おな じグループに子葉 しよう が2枚 まい あるものがいるので、単 たん 子葉 しよう 類 るい とは別個 べっこ に子葉 しよう 1枚 まい という特徴 とくちょう が進化 しんか したものと推定 すいてい されている。
いわゆる「双 そう 子葉 しよう 植物 しょくぶつ 」[dicotyledons; 略 りゃく して dicots]は、真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい と基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ の総称 そうしょう で、被子植物 ひししょくぶつ から単 たん 子葉 しよう 植物 しょくぶつ を除 のぞ いた側 がわ 系統 けいとう 群 ぐん だ。
系統 けいとう 樹 じゅ から「3つのグループ」に分 わ けることが必然 ひつぜん 的 てき に導 みちび かれるわけではない。3つの点 てん が加味 かみ されている。
古 ふる くから重視 じゅうし されてきた「双 そう 子葉 しよう 植物 しょくぶつ ・単 たん 子葉 しよう 植物 しょくぶつ 」の区別 くべつ を(部分 ぶぶん 的 てき に)継承 けいしょう する
子葉 しよう ・花粉 かふん の形質 けいしつ の反映 はんえい
安定 あんてい 性 せい : 単 たん 子葉 しよう 類 るい と真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい は、Chase (1993)以来 いらい の系統 けいとう 樹 じゅ で一貫 いっかん して単 たん 系統 けいとう 性 せい が支持 しじ されてきた。
基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ は、比較的 ひかくてき 大 おお きな単 たん 系統 けいとう 群 ぐん のモクレン群 ぐん [Magnoliids]("Mag"で示 しめ す)、マツモ科 か ("Cer")、センリョウ科 か ("Chl")、そして、最初 さいしょ 期 き に分岐 ぶんき した3つの枝 えだ をまとめた「ANITAグレード」("ANITA")、の4つに分 わ けられる。
マツモ科 か ("Cer"で示 しめ す)とセンリョウ科 か ("Chl")は、研究 けんきゅう によって系統 けいとう 樹 じゅ 上 じょう の位置 いち が大 おお きく違 ちが う(他 た から分岐 ぶんき した後 のち に大 おお きなDNA配列 はいれつ の変化 へんか が起 お こったことによると考 かんが えられている)。マツモ科 か が真正 しんせい 双 そう 子葉 しよう 類 るい に入 はい っていない、また、センリョウ科 か がモクレン群 ぐん に入 はい っていないのは、このためだ。
真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい のうち、とりわけ大 おお きな単 たん 系統 けいとう 群 ぐん を「コア真正 しんせい 双 そう 子葉 しよう 類 るい 」[Core Eudicots]("CoEuD")、さらに、そのなかにある2つの大 おお きな単 たん 系統 けいとう 群 ぐん を「バラ群 ぐん 」[Rosids]("Ro")、「キク群 ぐん 」[Asterids]("As")と呼 よ ぶ。また、コア真正 しんせい 双 そう 子葉 しよう 類 るい をのぞく真正 しんせい 双 そう 子葉 しよう 類 るい ("EuD-CoEuD")を「基部 きぶ 真正 しんせい 双 そう 子葉 しよう 類 るい 」[Basal Eudicots]と呼 よ ぶ。
これらのグループに含 ふく まれる主 おも な科 か は、被子植物 ひししょくぶつ 全体 ぜんたい の系統 けいとう 樹 じゅ を参照 さんしょう 。
グループ名 めい
上 うえ の系統 けいとう 樹 じゅ における記号 きごう
単 たん 系統 けいとう か?
原始 げんし 的 てき 被子植物 ひししょくぶつ (基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ )
全体 ぜんたい -Mo-EuD (ANITA+Mag+Cer+Chl)
N
ANITAグレード
ANITA
N
モクレン群 ぐん
Mag
Y
マツモ科 か
Cer
Y
センリョウ科 か
Chl
Y
単 たん 子葉 しよう 類 るい
Mo
Y
真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい
EuD
Y
基部 きぶ 真正 しんせい 双 そう 子葉 しよう 類 るい
EuD-CoEuD
N
コア真正 しんせい 双 そう 子葉 しよう 類 るい
CoEuD
Y
基部 きぶ コア真正 しんせい 双 そう 子葉 しよう 類 るい
CoEuD-Ro-As
N
バラ群 ぐん
Ro
Y
キク群 ぐん
As
Y
9-1-4. 基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ ・真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい ・単 たん 子葉 しよう 類 るい の比較 ひかく
上 うえ : 真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい の花 はな 左 ひだり : 単 たん 子葉 しよう 類 るい の花 はな 下 した : 基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ の花 はな
真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい ・単 たん 子葉 しよう 類 るい ・基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ の主 おも な特徴 とくちょう を比 くら べると、下 した の表 ひょう のようになる。ただし、どの特徴 とくちょう にも必 かなら ずと言 い っていいほど例外 れいがい があり、中 なか には区別 くべつ 点 てん と言 い っていいか迷 まよ うものもある。基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ は、単 たん 子葉 しよう 類 るい の特徴 とくちょう と真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい の特徴 とくちょう を合 あ わせ持 も つ傾向 けいこう がある。
各 かく 群 ぐん に比較的 ひかくてき 多 おお い特徴 とくちょう
真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい 基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ 単 たん 子葉 しよう 類 るい
子葉 しよう 2枚 まい 1枚 まい ・基部 きぶ が胚 はい の他 た 部分 ぶぶん を包 つつ み込 こ む
葉脈 ようみゃく 網目 あみめ 状 じょう (網状 もうじょう 脈 みゃく )平行 へいこう 線 せん 状 じょう (平行 へいこう 脈 みゃく )
形成 けいせい 層 そう ・二 に 次 じ 成長 せいちょう あり なし
茎 くき の維管束 たば 筒 つつ 状 じょう 断面 だんめん に散在 さんざい
根 ね 系 けい 主 しゅ 根 ね ―側 がわ 根 ね 系 けい (例外 れいがい 多 た )ひげ根 ね 系 けい
花 はな 4-5数 すう 性 せい 3数 すう 性 せい
花 はな 被 ひ 花 はな びらと萼 がく 片 へん (例外 れいがい 多 た )外花 とばな 被 ひ 片 へん と内花 うちはな 被 ひ 片 へん
花粉 かふん 粒 つぶ 三 さん 溝 みぞ 粒 つぶ または その派生 はせい 型 がた 単 たん 溝 みぞ 粒 つぶ またはその派生 はせい 型 がた
Angiosperm Phylogeny Website: Largest Families (2012/07/20現在 げんざい 、ただし2007年 ねん ごろから値 ね は更新 こうしん されていない)によると、被子植物 ひししょくぶつ は443科 か 13208属 ぞく に含 ふく まれる261750種 しゅ からなり(裸子植物 らししょくぶつ は14科 か 82属 ぞく 947種 しゅ )、種 たね 数 すう の順 じゅん に被子植物 ひししょくぶつ の科 か を並 なら べると、上位 じょうい は次 つぎ のようになる。
順位 じゅんい 新 しん 分類 ぶんるい 旧 きゅう 分類 ぶんるい 科 か 属 ぞく の数 かず 種 たね の数 かず 作物 さくもつ の例 れい
1 真 ま 双 そう 双 そう 合 ごう キク科 か Asteraceae 1620 22750 ヒマワリ・レタス
2 単 たん 子 こ ラン科 か Orchidaceae 880 21950 バニラ
3 真 ま 双 そう 双 そう 離 はなれ マメ科 か Fabaceae 730 19400 ダイズ・エンドウ・ソラマメ
4 単 たん 子 こ イネ科 か Poaceae 668 10025 イネ・コムギ・トウモロコシ
5 真 ま 双 そう 双 そう 合 ごう アカネ科 か Rubiaceae 600+ 10000+ コーヒー
6 真 ま 双 そう 双 そう 合 ごう シソ科 か Lamiaceae 236 7175 エゴマ・ハッカ
7 真 ま 双 そう 双 そう 離 はなれ トウダイグサ科 か Euphorbiaceae 218 5735 トウゴマ・キャッサバ
8 真 ま 双 そう 双 そう 離 はなれ ノボタン科 か Melastomataceae 188 5005
9 真 ま 双 そう 双 そう 離 はなれ フトモモ科 か Myrtaceae 131 4625 フトモモ
10 真 ま 双 そう 双 そう 合 ごう キョウチクトウ科 か Apocynaceae 415 4555
11 単 たん 子 こ カヤツリグサ科 か Cyperaceae 98 4350 パピルス
12 真 ま 双 そう 双 そう 離 はなれ アオイ科 か Malvaceae 243 4225 オクラ
13 単 たん 子 こ サトイモ科 か Araceae 106 4025 タロイモ
14 真 ま 双 そう 双 そう 合 ごう ツツジ科 か Ericaceae 126 3995 ブルーベリー
15 真 ま 双 そう 双 そう 合 ごう イワタバコ科 か Gesneriaceae 147 3870
16 真 ま 双 そう 双 そう 離 はなれ セリ科 か Apiaceae 434 3780 ニンジン・パセリ・セロリ
17 真 ま 双 そう 双 そう 離 はなれ アブラナ科 か Brassicaceae 338 3710 ナタネ・ダイコン・キャベツ
18 基部 きぶ 双 そう 離 はなれ コショウ科 か Piperaceae 5 3600 コショウ
19 真 ま 双 そう 双 そう 合 ごう キツネノマゴ科 か Acanthaceae 229 3500
20 真 ま 双 そう 双 そう 離 はなれ バラ科 か Rosaceae 95 2830 リンゴ・サクランボ・アーモンド
21 真 ま 双 そう 双 そう 合 ごう ムラサキ科 か Boraginaceae 148 2740
22 真 ま 双 そう 双 そう 離 はなれ イラクサ科 か Urticaceae 54 2625 ラミー/カラムシ(苧麻 からむし )
23 真 ま 双 そう 双 そう 離 はなれ キンポウゲ科 か Ranunculaceae 62 2525
24 基部 きぶ 双 そう 離 はなれ クスノキ科 か Lauraceae 50 2500 アボカド
25 真 ま 双 そう 双 そう 合 ごう ナス科 か Solanaceae 102 2460 ジャガイモ・トマト・トウガラシ
上位 じょうい は真正 しんせい 双 そう 子葉 しよう 類 るい と単 たん 子葉 しよう 類 るい が占 し め、基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ はコショウ科 か (18位 い )とクスノキ科 か (24位 い )のみだ。また、主要 しゅよう な作物 さくもつ のほとんどは真正 しんせい 双 そう 子葉 しよう 類 るい と単 たん 子葉 しよう 類 るい の特定 とくてい の科 か に由来 ゆらい する。
基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ は、モクレンの仲間 なかま ・クスノキ・タブノキ・シキミ・カンアオイ・センリョウ・スイレン・ドクダミなど、なじみ深 ふか い植物 しょくぶつ を含 ふく んでいるけれど、全部 ぜんぶ 合 あ わせても被子植物 ひししょくぶつ の現生 げんなま 種 しゅ のほんのわずかを占 し めるに過 す ぎない。
基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ に含 ふく まれるグループ(上 うえ で示 しめ した系統 けいとう 樹 じゅ の枝 えだ )は、種 たね 数 すう の点 てん ではそれほど大 おお きいグループではない。しかし、その一 ひと つ一 ひと つが、真正 しんしょう 双 そう 子葉 しよう 類 るい や単 たん 子葉 しよう 類 るい 以上 いじょう に古 ふる くから独立 どくりつ した系統 けいとう として今 いま に至 いた っている。だから、被子植物 ひししょくぶつ の原始 げんし の姿 すがた (被子植物 ひししょくぶつ 全体 ぜんたい の祖先 そせん がどのようなかたちをしていて、どのように生 い きていたか)を推定 すいてい する場合 ばあい には、基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ に含 ふく まれるグループのそれぞれが真正 しんせい 双 そう 子葉 しよう 類 るい 全体 ぜんたい や単 たん 子葉 しよう 類 るい 全体 ぜんたい と対等 たいとう な重 おも みを持 も つ。だから、基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ に共通 きょうつう する特徴 とくちょう は、被子植物 ひししょくぶつ の初期 しょき から受 う け継 つ がれた特徴 とくちょう である可能 かのう 性 せい が高 たか い。
花 はな を例 れい にとると、基部 きぶ 被子植物 ひししょくぶつ の多 おお くは、次 つぎ のような特徴 とくちょう を持 も つ。
虫 むし 媒 なかだち で、甲虫 かぶとむし ・ハエ類 るい ・アザミウマなどによって送 おく 粉 こな する
花 はな びらと萼 がく 片 へん の区別 くべつ が明確 めいかく でない
花 はな 被 ひ 片 へん ・雄 お しべの数 かず は3の倍数 ばいすう (三 さん 数 すう 性 せい )
雌 めす 性 せい 先 さき 熟 じゅく
モクレン属 ぞく (モクレン科 か )の園芸 えんげい 種 しゅ の花 はな 。小 ちい さな甲虫 かぶとむし が雄 お しべを食 く い荒 あ らしている。
シキミ(マツブサ科 か )の花 はな 。左 ひだり は咲 さ き始 はじ めの雌 めす 性 せい 期 き 、左下 ひだりした と下 した は雄 ゆう 性 せい 期 き 。
風 ふう 媒 なかだち や、ハチやチョウ・ガによる送 おく 粉 こな は、より遅 おそ く進化 しんか した特徴 とくちょう だということになる。花 はな の化石 かせき で見 み ても、風 ふう 媒 なかだち やハチやチョウ・ガによる送 おく 粉 こな に適 てき したものは、そうでないものに比 くら べ新 あたら しく現 あらわ れたと考 かんが えられている。また、昆虫 こんちゅう の化石 かせき からも、ハチやチョウ・ガの化石 かせき は、甲虫 かぶとむし などより新 あたら しく現 あらわ れたと考 かんが えられている。
1990年代 ねんだい 以降 いこう 、系統 けいとう 推定 すいてい の進展 しんてん に加 くわ えて、植物 しょくぶつ 化石 かせき の研究 けんきゅう もかつてないほど新 しん 発見 はっけん が相次 あいつ ぎ、被子植物 ひししょくぶつ の初期 しょき 進化 しんか のようすは、急速 きゅうそく に解明 かいめい が進 すす んでいる。
9-1-5. 古 ふる い分類 ぶんるい 系 けい
図鑑 ずかん や植物 しょくぶつ 関係 かんけい の書籍 しょせき の多 おお く、また、小学校 しょうがっこう から大学 だいがく にいたるまでの理科 りか や生物 せいぶつ で採用 さいよう しているのは、ドイツの植物 しょくぶつ 学者 がくしゃ エングラーによる分類 ぶんるい 系 けい の細部 さいぶ を変更 へんこう した「エングラー分類 ぶんるい 系 けい (エングラー・システム)」または「新 しん エングラー分類 ぶんるい 系 けい 」と呼 よ ばれる分類 ぶんるい 系 けい だ。この分類 ぶんるい 系 けい では、被子植物 ひししょくぶつ を双 そう 子葉 しよう 植物 しょくぶつ と単 たん 子葉 しよう 植物 しょくぶつ に二分 にぶん し、双 そう 子葉 しよう 植物 しょくぶつ を離 はなれ 弁 べん 花 はな 類 るい と合弁 ごうべん 花 はな 類 るい に二分 にぶん する。図鑑 ずかん 類 るい では、(あくまで便宜 べんぎ 的 てき な区分 くぶん として)さらに「木 き 」と「草 くさ 」を分 わ けてあることも多 おお い。
「木 き 」と「草 くさ 」の区別 くべつ は、古 ふる くから日常 にちじょう 生活 せいかつ の中 なか に定着 ていちゃく していた。西洋 せいよう でも東洋 とうよう でも最 もっと も上位 じょうい の分類 ぶんるい 基準 きじゅん として使 つか われていた。木 き と草 くさ の違 ちが いは系統 けいとう と一致 いっち しない場合 ばあい が多 おお く、両方 りょうほう を含 ふく むグループはバラ科 か ・マメ科 か をはじめ、大変 たいへん 多 おお い。つまり、木 き →草 くさ ・草 くさ →木 き の進化 しんか は被子植物 ひししょくぶつ の中 なか で何 なん 回 かい も繰 く り返 かえ し起 お こっている。
被子植物 ひししょくぶつ 門 もん Angiospermae
双 そう 子葉 しよう 植物 しょくぶつ 綱 つな Dicotyledoneae
古 こ 生花 せいか 被 ひ 植物 しょくぶつ 亜 あ 綱 つな Archichlamydeae (離 はなれ 弁 べん 花 はな 類 るい に相当 そうとう )
合弁 ごうべん 花 はな 植物 しょくぶつ 亜 あ 綱 つな Sympetalae
単 たん 子葉 しよう 植物 しょくぶつ 綱 つな Monocotyledoneae
木本 もくほん 草本 そうほん
双 そう 子葉 しよう 植物 しょくぶつ 離 はなれ 弁 べん 花 はな 類 るい クスノキ・シイ・サクラなど ユキノシタ・エンドウなど
合弁 ごうべん 花 はな 類 るい ツツジ・スイカズラなど キュウリ・ナス・ヒマワリなど
単 たん 子葉 しよう 類 るい タケ・ヤシなど イネ・ユリなど
図鑑 ずかん や植物 しょくぶつ 関係 かんけい の書籍 しょせき は、目 め や科 か のレベルの分類 ぶんるい もエングラー分類 ぶんるい 系 けい にしたがっているものが大 だい 多数 たすう を占 し める。
双 そう 子葉 しよう 植物 しょくぶつ と単 たん 子葉 しよう 植物 しょくぶつ
双 そう 子葉 しよう 植物 しょくぶつ (双 そう 子葉 しよう 類 るい )と単 たん 子葉 しよう 植物 しょくぶつ (単 たん 子葉 しよう 類 るい )の区別 くべつ は、イギリスの生物 せいぶつ 学者 がくしゃ ジョン・レイの著作 ちょさく ―『植物 しょくぶつ 分類 ぶんるい 法 ほう 新 しん 論 ろん 』(1682)など―によって導入 どうにゅう され、広 ひろ く使 つか われるようになった。たびたび出 で てきたように、双 そう 子葉 しよう 植物 しょくぶつ と単 たん 子葉 しよう 類 るい には、さまざまな形態 けいたい 上 じょう の違 ちが いがある。これは、単 たん 子葉 しよう 類 るい が起源 きげん において大 おお きな形態 けいたい の進化 しんか が起 お こったことを示 しめ している。すでに述 の べたように、系統 けいとう 樹 じゅ 上 じょう では単 たん 子葉 しよう 類 るい が単 たん 系統 けいとう 群 ぐん となるのに対 たい して、双 そう 子葉 しよう 類 るい は「被子植物 ひししょくぶつ から単 たん 子葉 しよう 類 るい を取 と った残 のこ り」としか定義 ていぎ できず、新 あたら しい分類 ぶんるい では複数 ふくすう のグループに分割 ぶんかつ されている。
合弁 ごうべん と離 はなれ 弁 べん
双 そう 子葉 しよう 植物 しょくぶつ を合弁 ごうべん 花 はな 類 るい と離 はなれ 弁 べん 花 はな 類 るい に区分 くぶん することは、トゥルヌフォール『植物 しょくぶつ 学 がく の基礎 きそ 』(1694)から分類 ぶんるい に取 と り入 い れられるようになった。
離 はなれ 弁 べん 花 はな (左 ひだり )と合弁 ごうべん 花 はな (右 みぎ )の模 も 式 しき 図 ず
合弁 ごうべん 花 はな ―花 はな びらが基部 きぶ でつながりあっている花 はな (だから、花 はな びらを引 ひ っ張 ぱ るとまとめて取 と れる; ツツジ・オオイヌノフグリなど)
離 はなれ 弁 べん 花 はな ―花 はな びらが互 たが いに離 はな れている花 はな (だから、花 はな びらは一 いち 枚 まい ずつ取 と れる; サクラなど)。花 はな びらを持 も たない花 はな は離 はなれ 弁 べん 花 はな に含 ふく める約束事 やくそくごと になっている。
合弁 ごうべん は、花 はな の発生 はっせい の初期 しょき 段階 だんかい に、花 はな びらの原 はら 基 はじめ と原 はら 基 はじめ の間 あいだ が成長 せいちょう することで形成 けいせい されると考 かんが えられている。
エングラー分類 ぶんるい 系 けい の科 か では、ツツジ科 か ・ツバキ科 か のように合弁 ごうべん 花 はな と離 はなれ 弁 べん 花 はな の両方 りょうほう を含 ふく むものがある。しかし、そういうときに1つの科 か を合弁 ごうべん 花 はな 類 るい と離 はなれ 弁 べん 花 はな 類 るい の両方 りょうほう に分 わ けるようなことはしない。ツツジ科 か は合弁 ごうべん 花 はな 類 るい 、ツバキ科 か は離 はなれ 弁 べん 花 はな 類 るい に入 い れられている。だから、合弁 ごうべん 花 はな を持 も つ≠合弁 ごうべん 花 はな 類 るい 、離 はなれ 弁 べん 花 はな を持 も つ≠離 はなれ 弁 べん 花 はな 類 るい に注意 ちゅうい しなくてはいけない。
また、このことは、離 はなれ 弁 べん →合弁 ごうべん ・合弁 ごうべん →離 はなれ 弁 べん の進化 しんか は(おそらく送受 そうじゅ 粉 こ の様式 ようしき に対応 たいおう して)何 なん 回 かい も繰 く り返 かえ し起 お こったことを示 しめ している。双 そう 子葉 しよう 植物 しょくぶつ を合弁 ごうべん 花 はな を持 も つグループ(合弁 ごうべん 花 はな 類 るい )と離 はなれ 弁 べん 花 はな を持 も つグループ(離 はなれ 弁 べん 花 はな 類 るい )に分 わ けることは、進化 しんか の歴史 れきし とのずれが大 おお きい。
単 たん 子葉 しよう 植物 しょくぶつ でも合弁 ごうべん 花 はな と離 はなれ 弁 べん 花 はな は区別 くべつ できるが、合弁 ごうべん 花 はな 類 るい と離 はなれ 弁 べん 花 はな 類 るい に分類 ぶんるい することはしない。
カラミザクラ(バラ科 か )。花 はな びらは、ばらばらに、一 いち 枚 まい ずつ「散 ち る」。
ヤブツバキ(ツバキ科 か )の花 はな 。花 はな びらどうし、雄 お しべどうし、そして花 はな びらと雄 お しべはつながりあっていて、丸 まる ごとぽとりと落 お ちる合弁 ごうべん 花 はな 。
サカキ(ツバキ科 か |モッコク科 か ): 離 はなれ 弁 べん 花 はな 。ツバキ科 か は、合弁 ごうべん 花 はな を持 も つものも含 ふく め便宜 べんぎ 的 てき に離 はなれ 弁 べん 花 はな 類 るい に入 い れられている。
サツキ園芸 えんげい 品 ひん (ツツジ科 か ): 合弁 ごうべん 花 はな 。
ホツツジ(ツツジ科 か ): 離 はなれ 弁 べん 花 はな 。ツツジ科 か は、離 はなれ 弁 べん 花 はな を持 も つものも含 ふく めて合弁 ごうべん 花 はな 類 るい に分類 ぶんるい される。
ツツジの園芸 えんげい 品種 ひんしゅ では離 はなれ 弁 べん 花 はな も持 も つものがあり、「采 さい 咲 ざ き」と呼 よ ばれる。このことは、離 はなれ 弁 べん ←→合弁 ごうべん の移行 いこう が比較的 ひかくてき 単純 たんじゅん な遺伝 いでん 的 てき 変化 へんか でもたらされることを示 しめ すのかも知 し れない。
古 ふる い分類 ぶんるい 系 けい の意義 いぎ
図鑑 ずかん や教育 きょういく で、研究 けんきゅう の進展 しんてん と合 あ わない「古 ふる い分類 ぶんるい 」が使 つか われているのは、さまざまなメリットがあるためだ。それらは、裏返 うらがえ すと、新 あたら しい分類 ぶんるい 系 けい のデメリットということになる。
古 ふる い分類 ぶんるい 基準 きじゅん の方 ほう が、少数 しょうすう の容易 ようい に判断 はんだん できる特徴 とくちょう に基 もと づいているため、実際 じっさい に種類 しゅるい を調 しら べるときに便利 べんり だし、教 おし えやすい。
新 あたら しい分類 ぶんるい は、新 あたら しいがゆえに、研究 けんきゅう の進展 しんてん とともにさらに改訂 かいてい される運命 うんめい にある。新 あたら しい分類 ぶんるい を反映 はんえい するためには、図鑑 ずかん 類 るい はひんぱんに種類 しゅるい の並 なら び方 かた を変 か えた改訂 かいてい 版 ばん が必要 ひつよう となる。使 つか う方 ほう も、慣 な れた並 なら び方 かた を捨 す てて再 ふたた び覚 おぼ え直 なお さなくてはならなくなる。
「単 たん 子葉 しよう 」「双 そう 子葉 しよう 離 はなれ 弁 べん 」「双 そう 子葉 しよう 合弁 ごうべん 」と分 わ けると、被子植物 ひししょくぶつ は、わりとバランス良 よ く3分割 ぶんかつ される。例 たと えば、種 たね 数 すう 上位 じょうい の10科 か は単 たん 子葉 しよう 2科 か ・離 はなれ 弁 べん 4科 か ・合弁 ごうべん 4科 か に分 わ かれる。
だから、現在 げんざい 考 かんが えられている植物 しょくぶつ の系統 けいとう とは一致 いっち しない(従 したが って、進化 しんか のパターンや背景 はいけい を分析 ぶんせき するときには、使 つか えない)ことは頭 あたま に入 い れたうえで、単 たん 子葉 しよう と双 そう 子葉 しよう 、離 はなれ 弁 べん と合弁 ごうべん のような古 ふる い分類 ぶんるい も知 し っている必要 ひつよう がある。
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