【7月がつ20日にち AFP】国際こくさい人権じんけん団体だんたいヒューマン・ライツ・ウオッチ（HRW）は19日にち、中部ちゅうぶアフリカのカメルーンで英語えいご圏けんの分離ぶんり独立どくりつをめぐる争あらそいが深刻しんこく化かして大勢おおぜいが死亡しぼうし、18万まん人にん以上いじょうが自宅じたくからの避難ひなんを余儀よぎなくされているとして、政府せいふと分離ぶんり独立どくりつ派はの双方そうほうを非難ひなんした。

　HRWがインタビューや資料しりょうに基もとづいてまとめた報告ほうこく書しょによると、分離ぶんり独立どくりつ派はは英語えいご圏けんの2州しゅうで民間みんかん人じんを拉致らち・殺害さつがいしたほか、子こどもの通学つうがくを妨害ぼうがいしているという。

　一方いっぽうで政府せいふ軍ぐんは、民間みんかん人じんの殺害さつがいやデモ隊たいに対たいする過剰かじょうな軍事ぐんじ力りょくの行使こうし、拷問ごうもん、複数ふくすうの村落そんらくでの焼やき討うちを行おこなったと報告ほうこく書しょは指摘してきしている。

　この紛争ふんそうにより、5月時点じてんで少すくなくとも16万まん人にんが自宅じたくからの避難ひなんを余儀よぎなくされ、そのうちの80％が森林しんりんに身みを潜ひそめているという。これ以外いがいにも2万まん人にんが隣国りんごくナイジェリアに避難ひなんした。

　HRWのアフリカ担当たんとう責任せきにん者しゃマウシ・セグン（Mausi Segun）氏しは、「カメルーンの人権じんけんをめぐる状況じょうきょうは危機きき的てきな水準すいじゅんに達たっしているが、さらに悪化あっかする恐おそれがある」と述のべた。

　紛争ふんそうは、分離ぶんり独立どくりつ派はがカメルーンで少数しょうすう派はの英語えいご話者わしゃの教育きょういくを受うける権利けんりと裁判さいばんを受うける権利けんりを求もとめたことに端はしを発はっする。セグン氏しは、危機ききの悪化あっかを防ふせぐための国際こくさい的てきな行動こうどうを呼よび掛かけた。

　カメルーン政府せいふはHRWに対たいし、2016年ねんに英語えいご圏けんの独立どくりつをめぐる争あらそいが勃発ぼっぱつして以降いこう、965人にんを逮捕たいほし、114人にんが裁判さいばんを受うけ、30人にんが無罪むざい放免ほうめんになったと認みとめた。103件けんが不ふ起訴きそとなり、数すう百ひゃく人にんが収監しゅうかんされているという。

　先週せんしゅうには、ベティアソモ・ジョゼフ（Beti Assomo Joseph）国防こくぼう担当たんとう相しょうがクンボ（Kumbo）近郊きんこうで待まち伏ぶせ攻撃こうげきを受うけて銃撃じゅうげき戦せんとなり、襲撃しゅうげきグループの数すう人にんが死亡しぼうしている。(c)AFP