空の状態に注意
機材の性能よりも影響が大きいのが、大気の状態です。気流の乱れが大きい時は、惑星像は大きく揺れてなかなか鮮明な像を結びません。日本の上空には常にジェット気流が流れているので、決して良い環境とは言えません。また、上空の大気だけでなく、エアコンからの排気など生活からの影響もあります。
このシンチレーションの良否は、空の暗さとは全く関係ありません。空が明るくても、シンチレーションが良ければ素晴らしい惑星像を撮影できるので、環境を選べば自宅のベランダがベストポイントにもなりえます。
肉眼で見て星がきらきらと瞬いているのは、条件が悪い時です。ただし星がジトッとして瞬かない時でも、惑星の揺れが大きいこともあります。また、同じ夜でも、悪条件だったものが、短時間だけシーイングが良くなることもあります。
ベテランの惑星観測者によれば、晴れた日に毎日見ていれば、年に数回は大変条件が良い時があるとのことです。とにかく惑星が見えていたら、まずは撮ってみることをおすすめめします。
最近は、上空の大気の流れの状態をインターネットで調べることができるので、上空の様子をあらかじめ知ることもできます。ただし、どうしても局所的条件が重なり、良かったり悪かったりするので、まずは自分の目で確かめてみましょう。
空の状態による火星の画像の比較。同じ機材で撮影されたもの。