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【特集】七夕/伝統的七夕(2022年) - アストロアーツ

【特集】七夕/伝統的七夕(2022年)

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7がつ7にち七夕たなばた伝説でんせつではとしいち、おりひめぼしとひこほしあまがわわたってうことのできる、特別とくべつです。

短冊たんざくねがごといたら、そら見上みあげましょう。ほしながめることがすくないほうにとって、七夕たなばた機会きかいです。

2022ねん伝統でんとうてきななゆうきゅう七夕たなばた)は8がつ4にち。7月7にちとともに、とくにせい宇宙うちゅうおもいをせたいいちにちです。

おりひめぼし、ひこほしつけよう

せっかくの七夕たなばたですから、夜空よぞら見上みあげて、おりひめぼしとひこほしさがしてみましょう。

7がつ7にち前後ぜんこうの21ぎ、ひがしそら見上みあげると、いくつかほしつかります。

とくにあかるい2つのほしが「おりひめぼし織姫おりひめぼし織女しょくじょぼし)」と「ひこほし彦星ひこぼし牽牛けんぎゅうぼし)」です。きたりにあり、さきのぼってきてたかいところにえるあかるいほうほしがおりひめぼしです。

おりひめぼし西洋せいよう名前なまえうと「こと」の「ベガ」、ひこほしは「わし」の「アルタイル」です。さらに、おりひめぼしとひこほしのほかにもうひとあかるいほしが、ひだりほうにあります。「デネブ」とばれる「はくちょう」のほしです。

これら3つのほしほし々のなかでもとくにあかるい「1とうほし」で、3つをむすんでできるおおきな三角形さんかっけいが「なつだい三角さんかく」です。

7月7日21時ごろの、街中から見上げた東の空の様子

7がつ7にち21ごろの、まちちゅうから見上みあげたひがしそら様子ようす画像がぞうクリックで表示ひょうじ拡大かくだいステラナビゲータ星図せいず作成さくせい以下いかどう)。

ところで、7がつ7にちひろ地域ちいき梅雨つゆ最中さいちゅうですが、七夕たなばたほし七夕たなばたにしかえないわけではありません。7月7にちぎてからでもほぼおなじような星空ほしぞらることができますし、8がつにもなれば梅雨つゆけているはずです。七夕たなばたをきっかけとして、なつ星空ほしぞらたのしんでみてください。2022ねんは7がつ29にちと8がつ27にち新月しんげつで、この前後ぜんごのころには月明つきあかりの影響えいきょうちいさくなり、デネブからなつだい三角さんかくとおってベガとアルタイルのあいだながれる「あまがわ」がやすくなります。

7月7日21時ごろの、暗いところから見上げた東の空の様子

7がつ7にち21ごろの、くらいところから見上みあげたひがしそら様子ようす画像がぞうクリックで表示ひょうじ拡大かくだい

木星もくせい土星どせいえる

2022ねんの8がつごろからは土星どせいえます。南東なんとうあきややひくめですが、あかるいので肉眼にくがんでもすぐにつけられるでしょう。天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう使つかうとたまきえます。また、ひがしそらひくいところには木星もくせいえています。

なつ惑星わくせい観望かんぼうかい観察かんさつかい観測かんそくかい)やほしまつり、プラネタリウム投影とうえいなどのイベント情報じょうほうは、全国ぜんこくプラネタリウム&公開こうかい天文台てんもんだい情報じょうほうページ「パオナビ」検索けんさくしてみてください。
新型しんがたコロナウイルス感染かんせんしょう対策たいさくとして、事前じぜんもうみや人数にんずう制限せいげんなどの可能かのうせいがあります。くわしくは施設しせつやイベント主催しゅさいしゃなどにご確認かくにんのうえ、安全あんぜん注意ちゅういしてご参加さんかください。

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モバイルアプリを活用かつよう

星空ほしぞらナビ

無料むりょうモバイルアプリ星空ほしぞらナビ」は、スマートフォンをそらにかざすだけで、そのさきにある天体てんたいなどの情報じょうほうおしえてくれます。ナビゲーション機能きのう使つかえばベガやアルタイルの方向ほうこうまで星空ほしぞらナビが案内あんないします。

ちかいうちにこる天文てんもん現象げんしょうだけでなく、最新さいしん天文てんもんニュースもスマホにとどきます。また、1年間ねんかん天文てんもん情報じょうほうをいつでもられるなどの特典とくてんられる有料ゆうりょうプランもあります。

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iステラ・スマートステラシリーズ

iOSよう「iステラ」「iステラ HD」、アンドロイドよう「スマートステラ」でも、なつだい三角さんかくかたまわりの星座せいざ名前なまえ土星どせい位置いちなどが簡単かんたんにわかります。

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スマートステラでのシミュレーション

スマートステラで伝統でんとうてきななゆう夜空よぞら表示ひょうじ星座せいざほし名前なまえがひとでわかる。画像がぞうクリックで表示ひょうじ拡大かくだい

新暦しんれきななゆう(7がつ7にち)と伝統でんとうてきななゆう(8がつ4にち

太陰たいいん太陽暦たいようれき太陽暦たいようれき

おりひめぼし織女しょくじょ)とひこほし牽牛けんぎゅう)がとしいちだけうことができるななゆうですが、7がつ7にちといえば日本にっぽん列島れっとうひろ地域ちいきでは梅雨つゆのまっただなかで、例年れいねんこの時季じきに2つのほしることはなかなかむずかしいものです。

ではなぜ、天候てんこうわるいこの時期じきに「ほしのおまつり」をするのでしょうか。

じつはこの問題もんだいは、明治めいじ改暦かいれき(かいれき、カレンダーのかたえること)に原因げんいんがあります。もともとの七夕たなばた太陰たいいん太陽暦たいようれき(※)の「なながつななにち」にいわっていたものです。ところが、明治めいじ6ねん(1873ねん)からは太陰たいいん太陽暦たいようれきではなく西洋せいようしき太陽暦たいようれき使つかうようになったため、七夕たなばたやく1かげつはや時期じきいわ行事ぎょうじとなってしまいました。

現在げんざいでも、「太陽暦たいようれきの7がつ7にち」ではなく「太陰たいいん太陽暦たいようれきなながつななにち相当そうとうする」や「月遅つきおくれ(太陽暦たいようれきの8がつ7にち)」に七夕たなばたまつりをおこなうケースがおおいようです。

太陰たいいん太陽暦たいようれき(たいいんたいようれき):太陽たいよう太陰暦たいいんれきとも。古来こらいより日本にっぽんではこよみ(カレンダー)をつくるにあたって、つき太陽たいよう両方りょうほううごきを計算けいさんれてきました。太陽たいようだけを基準きじゅんにする現在げんざい太陽暦たいようれき(グレゴリオれき)と区別くべつするために旧暦きゅうれきともばれます。太陰たいいん太陽暦たいようれきなん改良かいりょうされていて、明治めいじ改暦かいれき直前ちょくぜんには天保てんぽうれき(てんぼうれき)とばれるこよみ使つかわれていました。現在げんざいのカレンダーに「旧暦きゅうれき」として掲載けいさいされている日付ひづけは、かつての計算けいさんほうなどを参考さんこう算出さんしゅつしているものです。

新暦しんれきななゆう伝統でんとうてきななゆう星空ほしぞら

太陽暦たいようれきでの7がつ7にちは、まだひろ地域ちいき梅雨つゆけていません。また、たとえれているとしても、にちれた1、2あいだぐらいでは、おりひめぼしとひこほしはまだひがしそらにあります。やすいたかさではありますが、2つのほしがもっとたかのぼ時間じかんまでっているとすると、夜半やはんぎになってしまいます。

東京とうきょうでの21そらあらわした星図せいずで、中心ちゅうしんあたま真上まうええんのふちが地平線ちへいせん相当そうとうします。おりひめぼしひがし地平線ちへいせんからだいぶのぼっていますが、ひこほしはあまりたかくないことがわかるでしょう。

新暦七夕、7月7日21時ごろの、空全体の様子

新暦しんれきななゆう、7がつ7にち21ごろの、そら全体ぜんたい様子ようす画像がぞうクリックで表示ひょうじ拡大かくだい

太陰たいいん太陽暦たいようれきなながつななにちは、新暦しんれきでは例年れいねん8がつ中旬ちゅうじゅんごろにたります。梅雨つゆもすっかりけていることがおおく、なつあつさがピークをむかえているころです。ただし、日本にっぽんこよみさだめる国立こくりつ天文台てんもんだいでは太陰たいいん太陽暦たいようれき計算けいさんをしていません。そのかわり「伝統でんとうてきななゆう」という言葉ことば使つかい、旧暦きゅうれきとはべつ方法ほうほう七夕たなばたもとめています。2022ねん伝統でんとうてきななゆうは8がつ4にちです。

8がつ4にちの21には、おりひめぼしあたま真上まうえちかくにあり、ひこほしたかのぼっていることがわかります。空気くうきんだところなら、おりひめぼしとひこほしあいだあまがわながれているのもえるかもしれません。深夜しんやになりつきしずむと、よりあまがわやすくなるでしょう。

伝統でんとうてきななゆうかた

じゅうよん節気せっきひとつ「処暑しょしょ」(8がつ23にちごろ)以前いぜんもっとちか新月しんげつを1にちなながついちにち)として7にちなながつななにち)、とさだめます。新月しんげつから7にちなので、つきかたちかなら上弦じょうげんちかくになります。2022ねん場合ばあい処暑しょしょは8がつ23にち直前ちょくぜん新月しんげつは7がつ29にちです。

とし伝統でんとうてきななゆう
2022ねん8がつ 4にち
2023ねん8がつ22にち
2024ねん8がつ10日とおか
2025ねん8がつ29にち
2026ねん8がつ19にち
とし伝統でんとうてきななゆう
2027ねん8がつ 8にち
2028ねん8がつ26にち
2029ねん8がつ16にち
2030ねん8がつ 5にち
2031ねん8がつ24にち

伝統的七夕、8月4日21時ごろの、空全体の様子

伝統でんとうてきななゆう、8がつ4にち21ごろの、そら全体ぜんたい様子ようす天頂てんちょう付近ふきんなつだい三角さんかくひろがる。上弦じょうげんごろの半月はんつき南西なんせいそらにあり、南東なんとうそらには土星どせいかがやいている。画像がぞうクリックで表示ひょうじ拡大かくだい

7月29日21時ごろの、空全体の様子

7がつ29にち旧暦きゅうれきなながついちにち)21ごろの、そら全体ぜんたい様子ようす新月しんげつなのでせいそらかわやすい。

織女しょくじょ牽牛けんぎゅう七夕たなばた伝説でんせつ

七夕たなばた伝説でんせつのおこりは中国ちゅうごくです。もともとは、中国ちゅうごく織女しょくじょ(しょくじょ)牽牛けんぎゅう(けんぎゅう)の伝説でんせつと、裁縫さいほう上達じょうたつねが乞巧奠きこうでん(きこうでん)の行事ぎょうじとがざりあってつたわったものといわれています。

織女しょくじょ牽牛けんぎゅう夫婦ふうふなのですが、仕事しごとをせずにあそんでばかりいたので、としに1にちのデート以外いがい仕事しごと仕事しごと毎日まいにち強制きょうせいされるという儒教じゅきょうてき思想しそう色濃いろこいおはなしむかし農民のうみんが「仕事しごと仕事しごと」の毎日まいにちあわれむためにつくったのが七夕たなばた伝説でんせつ最初さいしょなのではないかといわれていますが、中国ちゅうごくのちかんのころ(1~3世紀せいき)にはつくられていたようです。

日本にっぽんへは遣唐使けんとうしなどによってもたらされ、日本にっぽん従来じゅうらいからあった棚機津女たなばたつめ(たなばたつめ)の信仰しんこうとがざってできたとされています。もっとも、そのにも琉球りゅうきゅう地方ちほうには羽衣はごろも伝説でんせつなどとざったかたち七夕たなばた伝説でんせつ伝承でんしょうされており、正確せいかくにいつ日本にっぽんつたわったかはさだかでありません。

江戸えど時代じだいには、書道しょどう学問がくもん上達じょうたつねが行事ぎょうじとなり、また、おりひめぼしとひこほしわせるため、たらいにみずって2つのほしうつし、わざとたらいをらして2つのほしがあたかもくっついたようにすることもおこなわれていたようです。

この物語ものがたりにまつわるおはなし様々さまざまなものがありますが、ここでは、現在げんざいひろかたられている織女しょくじょ牽牛けんぎゅう伝説でんせつ物語ものがたりふうにアレンジしておはなししましょう。

織女しょくじょ牽牛けんぎゅう七夕たなばた伝説でんせつ

(挿絵)

むかしむかし、天帝てんていという神様かみさま星空ほしぞら支配しはいしていたころ、そらかわ西にしきしに、織女しょくじょという天帝てんていむすめんでおりました。織女しょくじょ機織はたおり(はたおり)がたいへん上手じょうずで、彼女かのじょったぬのくもにしきばれ、いろうつくしく、丈夫じょうぶ着心地きごこちかるい、素晴すばらしいものでした。

一方いっぽうそらかわひがしきしには、うしいの青年せいねん牽牛けんぎゅうんでおりました。牽牛けんぎゅうは、毎日まいにちそらかわうしあらい、おいしいくさべさせたりと、よくうしのめんどうをみる、はたらものでした。

天帝てんていは、くるもくるはたらいてばかりいるむすめ心配しんぱいして、むすめ結婚けっこん相手あいてさがすことにしました。そして、そらかわこうぎし牽牛けんぎゅうをみつけると、二人ふたりわせ…

「おまえたちにんは、まじめによくはたらく。牽牛けんぎゅうよ、わしのむすめ織女しょくじょ夫婦ふうふ(めおと)にならぬか?」

牽牛けんぎゅう恐縮きょうしゅくした様子ようす

天帝てんていさまわたしのようなものには、ゆめのようなおはなしでございます。ありがたくおけします」

織女しょくじょも、はたらもの牽牛けんぎゅうをたいへんり、二人ふたりはめでたく夫婦ふうふとなりました。

(挿絵)

ところが、一緒いっしょらすようになると、二人ふたりあさからばんまでそらかわのほとりでおしゃべりばかりをしています。

これを天帝てんてい

「おまえたち、そろそろ仕事しごとはじめたらどうだ?」

といましめますが、織女しょくじょ牽牛けんぎゅう

「はい、明日あしたからやります」

こたえるばかりで、いつになっても仕事しごとはじめる様子ようすがありません。

織女しょくじょぬのらなくなってしまったため、機織はたおにはほこりがもり、天界てんかいにはいつになってもあたらしいぬのとどきません。また、牽牛けんぎゅう世話せわをしていたうしたちも、やせほそって、次々つぎつぎたおれてしまいました。

(天の川の写真)

そらかわはさんで右上みぎうえあかるいほしがおりひめぼし左下ひだりしたがひこほし写真しゃしん提供ていきょう藤井ふじいあさひ)。

ごうやした天帝てんていはとうとう、二人ふたりはなし、いちねんいち、7がつ7にちよるだけ、そらかわわたってうことをゆるしました。

いまでもにんは、7がつ7にちえるのをたのしみにして、そらかわりょうきしでまたたいているとのことです。

星座せいざほし物語ものがたりしたしもう

おりひめぼしのベガとひこほしのアルタイル、また、こととわしにまつわる物語ものがたりは、ほかにもたくさんあります。「スマホでたのしむ星座せいざ入門にゅうもんはギリシア神話しんわ中心ちゅうしん星座せいざ物語ものがたり紹介しょうかいするムックで、88星座せいざすべてについて由来ゆらい特徴とくちょう説明せつめいしています。

誌面しめんはKAGAYAのうつくしいイラストでいろどられ、さらに「星空ほしぞらナビ」と連動れんどうすることで、スマホですぐに夜空よぞら星座せいざにもアクセスできます。付属ふぞくのDVDには、こと神話しんわなど8つのプラネタリウム番組ばんぐみ収録しゅうろくしています。

「スマホで楽しむ星座入門」表紙