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『別冊宝島Real 同和利権の真相』への見解|部落解放同盟中央本部
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別冊べっさつ宝島たからじまReal 同和どうわ利権りけん真相しんそう』への見解けんかい

部落ぶらく解放かいほう同盟どうめい中央ちゅうおう本部ほんぶ

差別さべつキャンペーン退しりぞ部落ぶらく差別さべつ撤廃てっぱいめざす

宝島社たからじましゃ発行はっこうする『別冊べっさつ宝島たからじまReal』シリーズの『同和どうわ利権りけん真相しんそう』『同和どうわ利権りけん真相しんそう2』にたいする部落ぶらく解放かいほう同盟どうめい中央ちゅうおう本部ほんぶ見解けんかい(4がつ12にち)を掲載けいさいする。(だい見出みだしと中身なかみしは本誌ほんし編集へんしゅう

看過かんかできないエセ「ジャーナリズム」
スキャンダラスなこれまでのシリーズ
出版しゅっぱんぶつるための大衆たいしゅう迎合げいごうちる

にちども=「ぜんかいれん」の別働隊べつどうたい役割やくわり

反論はんろんするにあたいしない

 まず最初さいしょことわっておきたいが、全国ぜんこく水平すいへいしゃ創立そうりつ以来いらい80ねん以上いじょう歴史れきし伝統でんとう部落ぶらく解放かいほう同盟どうめいとして、『別冊べっさつ宝島たからじまReal』のようなエセ「ジャーナリズム」ともいわれる出版しゅっぱんぶつに、まじめに正面しょうめんって反論はんろんするつもりは毛頭もうとうない。
 『別冊べっさつ宝島たからじまReal』のこれまでのタイトルは、「『こまった』裁判官さいばんかん」「アイドルがいだ理由りゆう」「西本願寺にしほんがんじ『スキャンダル』の真相しんそう」「立花たちばなたかし嘘八百うそはっぴゃく』の研究けんきゅう」「モンダイの弁護士べんごし」「まれにるバカおんな」などなどである。出版しゅっぱんぶつるための、一方いっぽうてき大衆たいしゅう迎合げいごうてきなものである。これらのタイトルのなかでかれた組織そしきひとびとから反論はんろんなどがおこなわれた事実じじつはほとんどない。おそらくおおくの識者しきしゃげき反論はんろんするにあたいしないとかんがえているのであろう。事実じじつわたしたちもそのようにかんがえていた。

激励げきれいいかりの多数たすうこえ

しかし、おおくの市民しみん法曹ほうそう関係かんけいしゃ労働ろうどう組合くみあい宗教しゅうきょう団体だんたい経済けいざいかい地方自治体ちほうじちたいなどの団体だんたい、まじめに部落ぶらく問題もんだいにとりくんでいるほうがたから「あのような部落ぶらく解放かいほう同盟どうめいへのそしほこ中傷ちゅうしょうゆるしてよいのか」「部落ぶらく差別さべつ助長じょちょうし、おおくの市民しみんあやまった認識にんしきをもってしまうではないか」「おおくのてん事実じじつちがう」「あまりにも一方いっぽうてき不当ふとう一般いっぱんしているではないか」などなどの激励げきれいいかりの多数たすうこえせられた。
 これらのこえこたえるために、わたしたち部落ぶらく解放かいほう同盟どうめいとしても部落ぶらく差別さべつ撤廃てっぱいのとりくみが逆行ぎゃっこうしないよう、若干じゃっかん見解けんかい発表はっぴょうしなければならない、とかんがえるようになった。また、のタイトルの内容ないようちがって、部落ぶらく差別さべつ場合ばあい既存きそん差別さべつ意識いしきがあり、差別さべつてき情報じょうほうれやすい土壌どじょう存在そんざいしていることも「見解けんかい」を発表はっぴょうしなければならないとかんがえた一因いちいんである。

差別さべつ意識いしき迎合げいごう
情報じょうほうをわいきょく

一般いっぱんてきにデマが伝播でんぱしていく過程かていは、平準へいじゅんといって事柄ことがら一部分いちぶぶんだけを単純たんじゅんしてし、その部分ぶぶんをことさらに強調きょうちょうし、さらに社会しゃかいてき偏見へんけん差別さべつ意識いしき迎合げいごうするかたちで、情報じょうほうをわいきょくすることである。
 つまり、社会しゃかいてき偏見へんけん差別さべつ意識いしき存在そんざいしているもとでは、容易よういにデマや差別さべつてき情報じょうほう伝播でんぱしやすいのであり、部落ぶらく解放かいほう同盟どうめいにかかわる問題もんだいは、これまでの日本にっぽん共産党きょうさんとう=「ぜんかいれん」の差別さべつキャンペーンによって、そのような土壌どじょう部分ぶぶんてき形成けいせいされている。ちなみに最初さいしょされた『同和どうわ利権りけん真相しんそう』は、そのほとんどが日本にっぽん共産党きょうさんとう機関きかんである「しんぶん赤旗あかはた」とにちどもけいの「民主みんしゅ新報しんぽう」「○○みんほう」などの過去かこ記事きじ一挙いっきょ掲載けいさいしたものである。その意味いみで『別冊べっさつ宝島たからじまReal・同和どうわ利権りけん真相しんそう』は、にちども=「ぜんかいれん」のべつどうたい機関きかん役割やくわり部分ぶぶんてきになっているともいえる。また、『同和どうわ利権りけん真相しんそう2』の内容ないようにちども=「ぜんかいれん」の活動かつどう連動れんどうしたものである。

地道じみち活動かつどう反論はんろん

 わたしたち部落ぶらく解放かいほう同盟どうめいは、これまでにちども=「ぜんかいれん」による差別さべつキャンペーンにたいしてほとんど反論はんろんしてこなかった。なぜなら、デマでがためた差別さべつキャンペーンにたいして、地道じみち活動かつどう反論はんろんすることによって克服こくふくできるとかんがえたことと、日本にっぽん共産党きょうさんとうのような財政ざいせいりょく宣伝せんでんりょくがなかったからである。事実じじつにちども=「ぜんかいれん」の妨害ぼうがいをはね退しりぞけ、差別さべつキャンペーンがあっても部落ぶらく解放かいほう運動うんどう着実ちゃくじつ前進ぜんしんさせてきた。このような姿勢しせい今後こんご堅持けんじすることはいうまでもないが、エセ「ジャーナリズム」ともいうべき商業しょうぎょう雑誌ざっしに「人権じんけんマフィアする部落ぶらく解放かいほう同盟どうめい」とかれたことにかんしては、看過かんかすることができないとかんがえたからである。

ゆるせないレッテル

 米国べいこく宣伝せんでん分析ぶんせき研究所けんきゅうじょが、ナチス・ドイツなどの宣伝せんでん分析ぶんせきしてあきらかにした政治せいじ宣伝せんでんななつの原則げんそく」は、そのだい1に、「ネーム・コーリング」(・レッテルり)をあげ、攻撃こうげき対象たいしょう人物じんぶつ組織そしき制度せいどなどに、増悪ぞうあく恐怖きょうふ感情かんじょううったえるレッテルをるといった手法しゅほう紹介しょうかいしている。にちども=「ぜんかいれん」による「かいどう暴力ぼうりょく集団しゅうだん」というかたは、まさにこれにあてはまる。『同和どうわ利権りけん真相しんそう2』では、これが「人権じんけんマフィア」という表現ひょうげんになっただけである。
 どう原則げんそくだい6は、「いかさま」という手法しゅほうである。攻撃こうげき対象たいしょう不都合ふつごうなことがらを極大きょくだいし、攻撃こうげき対象たいしょう積極せっきょくめんをまったくいわないことであるとともに、自身じしん都合つごうのよいことがらを極大きょくだいし、自身じしん不都合ふつごう事柄ことがらをいっさいとりあげないことである。『同和どうわ利権りけん真相しんそう』は、これらナチス・ドイツがおこなった、この「政治せいじ宣伝せんでん原則げんそく」を忠実ちゅうじつ実行じっこうしている。

人権じんけん実現じつげん悪影響あくえいきょうあたえるもの

写真しゃしん説明せつめいすら
重大じゅうだいあやま

 この「見解けんかい」では本文ほんぶん内容ないよう集約しゅうやくてきかれている「INTRODUCTION(イントロダクション)」(はじめに)「人権じんけんマフィアたちの″えん″」を中心ちゅうしんわたしたちの所見しょけんをのべる。
 たとえば、本書ほんしょでは写真しゃしん紹介しょうかいぶんすら重大じゅうだいあやまちが存在そんざいする。そんな雑誌ざっし部落ぶらく問題もんだいかた資格しかくはないとかんがえる。
 本書ほんしょの21ページに掲載けいさいされているうし陶器とうき置物おきもののような写真しゃしんがある。このような写真しゃしんが、なぜ突然とつぜん掲載けいさいされているのか理解りかいできないが、写真しゃしんのアングルからみても同和どうわ地区ちくにたいする偏見へんけんをあおるような意図いといている。その写真しゃしんには「芦原あしはらえき周辺しゅうへん同和どうわ住宅じゅうたく敷地しきちないで」と説明せつめいいているが、この住宅じゅうたく同和どうわ地区ちくないついわゆる「同和どうわ住宅じゅうたく」ではなく、一般いっぱん市営しえい住宅じゅうたくである。まともなマスメディアなら、このようないい加減かげんな「説明せつめいき」をすることはない。これらのことが部落ぶらく差別さべつ拡散かくさんにつながることが理解りかいできないのであろうか。

独善どくぜんてき姿勢しせい
一方いっぽうてき主張しゅちょう

 しかし、本書ほんしょの「INTRODUCTION」では、「基本きほんてき事実じじつが、長年ながねんにわたるマスメディアの弱腰よわごし姿勢しせいによって、封印ふういんされつづけてきたからである」「反面はんめん、この問題もんだいたいする『タブー意識いしき』のつよさが、マスメディアのあいだでは相変あいかわらずだと痛感つうかんさせられた」と、おおくのマスメディアを批判ひはんしている。自身じしん問題もんだいてん棚上たなあげし、おおくのマスメディアを標的ひょうてきにするのは、厚顔無恥こうがんむち以外いがいなにものでもない。にちども=「ぜんかいれん」の独善どくぜんてき姿勢しせいとまったく同一どういつである。おおくのまじめなマスメディアは、事実じじつ正確せいかく検証けんしょうしなければ報道ほうどうしない。あやまった事実じじつ報道ほうどうすることによって、おおくの市民しみん人権じんけんみにじることになるからである。そのような行為こういはマスコミファッショにつながる。おおくのマスメディアのげき報道ほうどう姿勢しせいを「弱腰よわごし姿勢しせい」「『タブー意識いしき』のつよさ」ととらえるほうに問題もんだいがあることはいうまでもない。
 かれらの主張しゅちょうからすると部落ぶらく解放かいほう同盟どうめい協力きょうりょくしてとりくみをすすめる多種たしゅ多様たようおおくの社会しゃかいてき団体だんたい識者しきしゃ市民しみんは「人権じんけんマフィア」の協力きょうりょくしゃということになる。
 かつて、部落ぶらく解放かいほう同盟どうめい中心ちゅうしんてき役割やくわりをはたして創立そうりつしたはん差別さべつ国際こくさい運動うんどう(IMADR)は、現在げんざい国際こくさい連合れんごうみとめる国連こくれんNGOにもなっている。国連こくれん経済けいざい社会しゃかい理事りじかいのもとにある国連こくれんNGO委員いいんかい審査しんさのときにも、にちども=「ぜんかいれん」は妨害ぼうがい活動かつどうをおこない、国際こくさい社会しゃかいからもおおくの批判ひはんびた。国連こくれんNGOにみとめられたのは、わたしたちの地道じみち国際こくさい活動かつどう国際こくさい社会しゃかい幅広はばひろ認知にんちされた結果けっかである。かれらの主張しゅちょうからすれば、国連こくれんも「人権じんけんマフィア」の協力きょうりょく団体だんたいということになってしまう。

偏見へんけん扇動せんどうするのは
やめるべきだ

 「INTRODUCTION」(はつ版本はんぽん)では「解放かいほう同盟どうめいは、どうとくほう消滅しょうめつ以降いこう、『同和どうわ団体だんたい』から『人権じんけん団体だんたい』へと衣替ころもがえした。たとえば大阪おおさかでは、解放かいほう同盟どうめいによる同和どうわ事業じぎょう独占どくせん乱脈らんみゃく同和どうわ行政ぎょうせい元凶げんきょうになってきた『大阪おおさか同和どうわ促進そくしん協議きょうぎかい』(どう促)(まさしくは財団ざいだん法人ほうじん大阪おおさか同和どうわ事業じぎょう促進そくしん協議きょうぎかいである)が消滅しょうめつし、わって『大阪おおさか人権じんけん協会きょうかい』(人権じんけんきょう)が設立せつりつされた。人権じんけんきょうは、その内実ないじつればわかるように、どう促となんらわるところのない解放かいほう同盟どうめいのダミー団体だんたいである。その意味いみするところは、これまで『同和どうわ問題もんだい』のわくないおさまっていた解放かいほう同盟どうめい利権りけんあさりが、『人権じんけん問題もんだい全般ぜんぱんひろがりはじめたということだ」とかれている。
 明確めいかくにしておくが、部落ぶらく解放かいほう同盟どうめいは、過去かこにも現在げんざいにも部落ぶらく差別さべつ撤廃てっぱいをめざす団体だんたいであり、そのためにも、人権じんけん確立かくりつのために運動うんどう展開てんかいする団体だんたいである。その意味いみでもともと「人権じんけん団体だんたい」であり、衣替ころもがえしたわけでもなく、今後こんご部落ぶらく差別さべつ撤廃てっぱいをめざすいわゆる「同和どうわ団体だんたい」であることにわりはない。
 また、にちども=「ぜんかいれん」が使つかういつものフレーズである、「乱脈らんみゃく同和どうわ行政ぎょうせい」の元凶げんきょうになってきたという「どう促」は50ねん歴史れきしじて、「大阪おおさか人権じんけん協会きょうかい」になったが、「どう促」はかれらのいうような乱脈らんみゃく同和どうわ行政ぎょうせいもときょうとはまったくぎゃくであった。

社会しゃかい貢献こうけんする
大阪おおさか人権じんけん協会きょうかい

 01ねんがつ大阪おおさか同和どうわ対策たいさく審議しんぎかいから提出ていしゅつされた「大阪おおさかにおける今後こんご同和どうわ行政ぎょうせいのありかたについて」の答申とうしんでは、「どう促は、同和どうわ事業じぎょう実施じっしさいし、当事とうじしゃ住民じゅうみん参加さんか方途ほうととして、同和どうわ地区ちく実態じったい同和どうわ地区ちく出身しゅっしんしゃ実情じつじょう的確てきかく把握はあくし、必要ひつよう調整ちょうせいおこなうなど、同和どうわ行政ぎょうせい円滑えんかつかつ効果こうかてき推進すいしん寄与きよしてきた」と明記めいきされている。この審議しんぎかいには各党かくとう大阪おおさか会議かいぎかい学者がくしゃ府民ふみん代表だいひょうをはじめ日本にっぽん共産党きょうさんとうや「ぜんかいれん」の代表だいひょう委員いいんとして参画さんかくしているのである。いったいなにを根拠こんきょに「乱脈らんみゃく同和どうわ行政ぎょうせい元凶げんきょう」といっているのだろうか、そしゆずる中傷ちゅうしょうもここまで乱脈らんみゃくになれば、あいたくちがふさがらない。
 「どう促」がそのような団体だんたいでないことは明白めいはくであるが、(財団ざいだん法人ほうじん大阪おおさか人権じんけん協会きょうかいにたいしても「人権じんけんきょうは、その内実ないじつればわかるように、どう促となんらわるところのない解放かいほう同盟どうめいのダミー団体だんたいである」とまでいっている。事実じじつをみれば明白めいはくであるが、「どう促」の役員やくいん構成こうせい大阪おおさか人権じんけん協会きょうかい役員やくいん構成こうせいおおきくことなる。いったいどこをみれば、このようなそしゆずる中傷ちゅうしょうができるのであろうか。「どう促」も大阪おおさか人権じんけん協会きょうかいも「解放かいほう同盟どうめいのダミー団体だんたい」などではなく、名実めいじつともに独立どくりつした人権じんけん団体だんたいである。つけくわえるまでもないが、大阪おおさか人権じんけん協会きょうかいげん会長かいちょう日本にっぽん弁護士べんごし連合れんごうかいもと会長かいちょうであったなかぼう公平こうへい弁護士べんごしであり、「どう促」の初代しょだい会長かいちょうのち日弁連にちべんれん会長かいちょうつとめた和島わしま岩吉いわきち弁護士べんごしであった。かれらのべんりるなら、日弁連にちべんれんも「人権じんけんマフィア」の一員いちいんということになるのだろうか。
 かれらの矛盾むじゅんしているてんは、人権じんけんきょうを「解放かいほう同盟どうめいのダミー団体だんたい」といいながら「INTRODUCTION」(はつ版本はんぽん)で「また、もっと深刻しんこくなのは、人権じんけん重要じゅうよう人物じんぶつが、この人権じんけんきょうまれていることだろう。たとえば、人権じんけんきょう委員いいん就任しゅうにんしたのは、人権じんけん弁護士べんごしとしてらし、横山よこやまノック・セクハラ事件じけんを『権力けんりょく犯罪はんざい』とまで指弾しだんした、原告げんこくがわ弁護べんご団長だんちょうである」とのべている。正確せいかくには「人権じんけんきょう委員いいん」ではなく「役員やくいん」であるが、本来ほんらいそのような人権じんけん女性じょせい弁護士べんごし役員やくいんになっていることをかんがえれば、素晴すばらしい人権じんけん団体だんたいということにならないのだろうか。そろそろ偏見へんけんいちめんてき視点してんから脱却だっきゃくしないと人権じんけん実現じつげん悪影響あくえいきょうあたえることを強調きょうちょうしておきたい。

市民しみんはもう
きしている

 さらに、ひきつづいて「INTRODUCTION」で「解放かいほう同盟どうめいが『同和どうわとい邁』のみならず『人権じんけん問題もんだい』のすべてを牛耳ぎゅうじるまでの権力けんりょくれようとしているのは間違まちがいない」とかれている。「人権じんけん問題もんだいのすべての権力けんりょく」とはなんであるのかが理解りかいしにくいが、わたしたち部落ぶらく解放かいほう同盟どうめいにたいするにちども=「ぜんかいれん」が扇動せんどうしているようなステレオタイプてき見方みかたは、一部いちぶ日本にっぽん共産党きょうさんとう支持しじしゃには賛同さんどうされても、おおくの市民しみんはもうきしている。
 わたしたちは、たしかに「人権じんけん時代じだいをリードする部落ぶらく解放かいほう運動うんどう」や「社会しゃかい貢献こうけんする部落ぶらく解放かいほう運動うんどう」を推進すいしんしようとかんがえ、現実げんじつにもそのような方針ほうしん運動うんどう展開てんかいしている。わたしたちが人権じんけん問題もんだい全般ぜんぱん貢献こうけんしようとすることが、なぜ「『人権じんけん問題もんだい』のすべてを牛耳ぎゅうじるまでの権力けんりょくれようとしている」という表現ひょうげんになるのか理解りかいできないだけではなく、いかりすらかんじる。

「イタリア刑法けいほう」まで
もちだして

 きわめつけは「イタリア刑法けいほうだいよんいちななじょうがいう『マフィアがた結社けっしゃ』になりつつある運動うんどう団体だんたい」「その本性ほんしょうは、まさに″人権じんけんマフィア″とぶしかないものだ」というくだりである。さき政治せいじ宣伝せんでんななつの原則げんそく」のひとつである「ネーム・コーリング」を紹介しょうかいしたが、「マフィアがた結社けっしゃ」や「人権じんけんマフィア」というレッテルりは、「ネーム・コーリング」以外いがいのなにものでもない。かつてヒトラーが攻撃こうげき対象たいしょう組織そしき人物じんぶつなどがいかに極悪ごくあくであるかを印象いんしょうづけるためにもちいた手法しゅほうそのものである。「マフィア」という言葉ことばがもつおおくのひとびとの印象いんしょう最大限さいだいげん利用りようし、あやまった印象いんしょうける以外いがいのなにものでもない。おおくの善良ぜんりょう市民しみんは「イタリア刑法けいほうだいよんいちななじょう」などよしもない。それをわざわざもちだして権威けんいけていることもおおきな問題もんだいである。
 いわゆる暴力団ぼうりょくだんのマフィアとは「①秘密ひみつ組織そしき②テロ政治せいじ経済けいざい支配しはい」のみっつをすといわれているが、わたしたち部落ぶらく解放かいほう同盟どうめいのどこにそのように定義ていぎする根拠こんきょがあるのかしめしていただきたい。

正当せいとう評価ひょうかあやまらせる意図いとてき記述きじゅつ

メディア・リテラシー
視点してんでも問題もんだい

 ところで、本書ほんしょはメディア・リテラシーの視点してんからも看過かんかできない。
 メディア・リテラシーとは、メディアが構成こうせいする映像えいぞう文字もじの「世界せかい」を批判ひはんてき理解りかいすることであり、メディアを使つかって正確せいかく情報じょうほう発信はっしんしていく能力のうりょくのことである。
 現実げんじつ正確せいかく理解りかいするためには、なににもましてメディア・リテラシーが重要じゅうようであるが、差別さべつ撤廃てっぱい人権じんけん確立かくりつかんがえていくときにも現実げんじつ正確せいかくとらえ、まさしく情報じょうほう発信はっしんしていくことが、きわめて重要じゅうようなのである。
 たとえば、日日ひびのニュース報道ほうどうも、その媒体ばいたいがもつ特性とくせいによって、とりあげる内容ないようおおきくことなる。新聞しんぶん週刊しゅうかん雑誌ざっし、テレビ、ラジオ、インターネットのサイトなどでおな内容ないようをとりあげても視点してんくちおおきくちがい、おなじニュースにれても、媒体ばいたいによってひとびとのとらかたかんかたがまるでちが場合ばあいもある。メディア企業きぎょうかんがかた記者きしゃ能力のうりょくかんがかた興味きょうみ国家こっか体制たいせい読者どくしゃそう経営けいえい状態じょうたい外部がいぶ機関きかんとの関係かんけいなどのさまざまな要素ようそによって報道ほうどう放送ほうそう内容ないよう影響えいきょうける。
 おな事件じけんっても取材しゅざいさきをどこにするのか、コメントのどの部分ぶぶんをどのようにるのかによって、視聴しちょうしゃ読者どくしゃ印象いんしょうはかなりちがう。

意図いとてきいちめんてき記述きじゅつ

 おおくの記者きしゃ制作せいさくしゃ現実げんじつ正確せいかくつたえようと真摯しんし努力どりょくしている。それでも事実じじつつたえるためには、事実じじつりとらなくてはならない。そのときに記者きしゃ制作せいさくしゃ意図いととはべつに、主観しゅかん価値かち判断はんだんはいりこまざるをない。また、主観しゅかんなくして事実じじつりとることはできない。そのことをふまえたうえでメディアをくことが大切たいせつなのである。
 情報じょうほう進展しんてんは、メディアの影響えいきょうがますますおおきくなる時代じだいであり、わたしたちの価値かちかん形成けいせいかんがかた世論せろん形成けいせい圧倒的あっとうてき影響えいきょうをもつ。その意味いみで『同和どうわ利権りけん真相しんそう』『同和どうわ利権りけん真相しんそう2』のように意図いとてきいちめんてき記述きじゅつをすることはおおきな問題もんだいをもち、正当せいとう評価ひょうかあやまらせる。
 わたしたちが現実げんじつ把捉はそくする場合ばあい社会しゃかいすうおおくのメディアをとおした情報じょうほうから分析ぶんせきすることになる。しかしその情報じょうほうおおくのフィルターをかぶってわたしたちのまえにあらわれる。情報じょうほう分析ぶんせきするわたしたちのあたま教条きょうじょう偏見へんけんというわくをもっていることがあるが、情報じょうほうそのものもすうおおくのいろまっている。とくに政治せいじ政治せいじ宣伝せんでんにかかわる情報じょうほう顕著けんちょであり、社会しゃかいてき差別さべつ集団しゅうだんかんする情報じょうほう偏見へんけん差別さべつてきフィルターをかぶっていることがおおい。『同和どうわ利権りけん真相しんそう』『同和どうわ利権りけん真相しんそう2』はそのさいたるものであるともいえる。

不当ふとう一般いっぱん」を
おこなう差別さべつ宣伝せんでん

 わたしたちは、わたしたちが推進すいしんする部落ぶらく解放かいほう運動うんどう完全かんぜん無欠むけつであるとはかんがえていない。おおくの組織そしき市民しみんるようにあやまちはあやまちとしてみとめ、としてみとめ、謙虚けんきょ反省はんせいしてきた。そして、真摯しんし謝罪しゃざいもし、厳正げんせい処分しょぶんもしてきた。この姿勢しせい過去かこ現在げんざい未来みらいでも不変ふへんである。しかし、個個ここ部落ぶらく出身しゅっしんしゃあやまちを、部落ぶらく解放かいほう同盟どうめい部落ぶらく出身しゅっしんしゃ全体ぜんたい問題もんだいとすりかえる、「不当ふとう一般いっぱん」をおこなう差別さべつ宣伝せんでん行為こういかんしては差別さべつ撤廃てっぱい視点してん断固だんことして退しりぞけるものである。
 わたしたちもおおくの市民しみんおなじように、民主みんしゅ主義しゅぎ実現じつげんするために「表現ひょうげん自由じゆう」は憲法けんぽう保障ほしょうされた、きわめて重要じゅうようなものと認識にんしきし、ほかの自由じゆうとともに「表現ひょうげん自由じゆう」をまもるために、今後こんご部落ぶらく解放かいほう運動うんどうつうじて努力どりょくかさねていく決意けついである。しかし、わたしたちが、差別さべつなく自由じゆうらせる社会しゃかいにするためにも、「表現ひょうげん自由じゆうはあっても、差別さべつする自由じゆうはない」との観点かんてんで、ねばづよ差別さべつ撤廃てっぱいのとりくみを推進すいしんすることにわりはないことも、あきらかにしておきたい。

関係かんけいしゃしんから感謝かんしゃ

 おそらく、かれらの表現ひょうげん本書ほんしょ批判ひはんするとしたら、「同和どうわ問題もんだいいものにして一体いったい同和どうわ利権りけん真相しんそう』『同和どうわ利権りけん真相しんそう2』でいくらの利権りけんたのであろうか」ということになるのであろうか。わたしたちはそのような批判ひはんはおこなわない。
 最後さいごに、おおくの心配しんぱいしていただいたみなさまにしんから感謝かんしゃし、今後こんごとも部落ぶらく解放かいほう運動うんどうへのご協力きょうりょくをおねがいし、わたしたちの見解けんかいとするものである。

 

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