場所柄、平日の日中はシニア層、週末の夜やサービスデーには仕事帰りのOLやサラリーマンの姿が目立つ。地下2階は東京メトロと直結しているため、そのままアクセス出来る利便性に優れているのも強みだ。外から来るのであれば、国際フォーラム側のエントランスにある上映作品の巨大な看板が目印。縦長の場内は後方がスタジアム形式となっており、観やすさに定評がある。旧作も上映するので、映写機はフィルムとデジタルの両方を完備している。チケットを先に購入しておけば、様々な専門店がある有楽町界隈…時間をつぶすのに不自由しない。「当館はロビーが狭く長い時間、滞在してもらうには不向きなので、有効に時間を過していただければ…と思います。ちなみにビッグカメラのポイントカードを提示すれば、一般1800円が1400円になるので是非、使ってください」またテアトルシネマグループの会員カード「TCGカード」が使えるので、映画好きの常連さんは、近隣の“ヒューマントラストシネマ有楽町”と器用に梯子されている。
運営を任されているユナイテッド・シネマは、現在、接客の向上に力を入れている。「笑顔で明るく…という当たり前の事って意外と出来ていないものです。そういったところでお客さんに満足度を感じていただき、来て良かったと思える劇場であり続けたい。帰り際にお客様から掛けられる、良かったよ〜という一言が、何よりも嬉しいです」と語る内山氏。「私の祖父が昔、田舎で映画館を経営していて、小さい頃から映画館でずっと過ごしていたんです。言ってみれば生活の中に映画館がありました。だから、いつかは映画館に関わる仕事をしたいと思っていました」意外な事に、あまり映画は観れないという内山氏。つまり映画というより映画館に興味があった…という事だ。「映画館の忙しい時も暇な時も見てきましたからね。お客様があまり入っていない時でも、上映終了後に満足そうに帰っていく姿を見ることが好きでした」その思いが自然と若いスタッフにも伝わり、接客に表れているのではないだろうか。(取材:2016年11月) |