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銀河英雄伝説 ON THE WEB - インタビュー 第10回 広中雅志 

銀河英雄伝説 ON THE WEB

Interview

だい10かい 広中ひろなか雅志まさし <キルヒアイス> 「2001ねん DVD制作せいさくインタビューより抜粋ばっすい

かぎりなくやさしくピュアなおとこ、キルヒアイスの一途いちずあい素直すなお表現ひょうげん

 野望やぼうたすべくたたかいをつづけるラインハルトとつね行動こうどうともにし、かげのようにしたが有能ゆうのう補佐ほさかん、キルヒアイス。ほんでんだい衝撃しょうげきげながらも、その作品さくひん全体ぜんたいつよ影響えいきょうあたつづけるキルヒアイスについて、かれえんじた広中ひろなか雅志まさしかたった。



――アンネローゼとキルヒアイスの関係かんけいについて、どのようにおもわれますか?

 キルヒアイスというのは、かぎりなくやさしくて、ピュアなおとこだとおもいます。ラインハルトとともあゆんでいくかれかたで、ささえになっているのは、間違まちがいなくラインハルトのおねえさんであるアンネローゼへのおもいなんですよね。ほんでんでは、恋愛れんあい感情かんじょうよりも、“あなたとの約束やくそくまもって、ラインハルトさまをおりします”という忠誠ちゅうせい気持きもちを重視じゅうしする方向ほうこうせいだったがします。からつくった外伝がいでんは、わかころはなしであるせいか、キルヒアイスがわり強烈きょうれつ自分じぶん気持きもちをひょうしていて……それこそモノローグではっきりっている場面ばめんもありますし(笑)。思春期ししゅんきなのかな?(笑) わかさという部分ぶぶん多少たしょうあお部分ぶぶんがあるのだとおもいます。
キルヒアイスをえんじたぼく希望きぼうとしては、んだのちでも、アンネローゼからね、かれ気持きもちにこたえるような言葉ことばをせめて……、もらえたらなあ、なんておもったりもします(笑)。本当ほんとうに、一途いちずあいですからねぇ……。

――印象いんしょうのこっているシーンは?

 もともとだい最後さいごぬことはかっていましたので(笑)、最終さいしゅうばなしとそのまえはなしだい25、26)は、なんともえずどきどきしながらやっていましたね。
には、不思議ふしぎなことに、ラインハルトと一緒いっしょにいないシーンを結構けっこうおぼえていたりするんです。同盟どうめい首都しゅと・ハイネセンにって、ヤン、ユリアンと言葉ことばわすシーンや、ラインハルトとキルヒアイスとアンネローゼと3にんでおちゃをしていて、ラインハルトが“ワインでもってるよ”といなくなって、アンネローゼと2人ふたりきりになる、すこしワクワクドキドキするシーン(笑)などですね。それだけキルヒアイスとラインハルトは一緒いっしょにいる時間じかんながいということなのでしょう、ぎゃくにラインハルトがいないシーンは印象いんしょうのこっていますね。

――キルヒアイスをえんじるにあたって、けたことはありますか?

 ぼくは、ひとりでやるナレーションけい仕事しごとほうおおく、アフレコの仕事しごとすくないので、最初さいしょすこ戸惑とまどいがありました。プロデューサーから「あまりアニメだということにこだわりすぎないでしい」というはなしをされたことをおぼえていますね。どちらかとえば、洋画ようがえやドラマをえんじているつもりで、過剰かじょうなデフォルメはせず、素直すなおにやってもらいたい、と……。
そうしてはじまりましたが、それからが、物凄ものすごながくて(笑)。だい最後さいごんでから、あいだ劇場げきじょうばん製作せいさくをはさんで外伝がいでんつくったのですが、劇場げきじょうばん外伝がいでんは、キルヒアイスのよりまえはなしなんです。わかころからつくっているわけですから、やはり、いちばんになったのは、じつ年齢ねんれいとのギャップですよね。逆行ぎゃっこうしているわけですから(笑)。外伝がいでんはいまえほんつて見直みなおしてみたのですが、こえわかいし、演技えんぎ自体じたい初々ういういしくてね……(笑)。ある程度ていどこえひくくなったりしているのは、これはもう仕方しかたがないことなので、なるべく、“キルヒアイス、なんだかとしとっちゃったな”なんておもわれないように、外伝がいでんではをつけていました。

――アフレコでのエピソードがありましたら、おしえてください。

 これだけの声優せいゆうさんがてらっしゃるんで、シリーズがはじまった当初とうしょはなるべくみなからみながらろくりたいというおもいがあったのですが、やはり途中とちゅうからどうしてもろくりになってしまって、ヘタするとストーリーの展開てんかいすらよくからないときもありました。ただ、ぼくは、えんじるうえでのスタンスがはっきりとまっていましたから、個別こべつ録音ろくおんをしても、それほどらぐことはなかったです。
 また、これだけの作品さくひん素敵すてきやくいただいたうえに、富山とみやまたかしさんや塩沢しおざわ兼人かねとさんという、いまはもういらっしゃらないほうたちと一緒いっしょ仕事しごとをすることができたことを、ぼくはとてもうれしくほこりにおもっています。

広中ひろなか雅志まさし プロフィール>

12月じゅうにがつ27にちまれ、東京とうきょう出身しゅっしんあおプロダクション所属しょぞく
世界せかいまるみえTVてれび特捜とくそう」(日本にほんテレビ)、「TVてれびタックル」(テレビ朝日てれびあさひ)などテレビ番組ばんぐみやCMのナレーション多数たすう出演しゅつえんしているおもなアニメーション作品さくひんは、TVてれびシリーズ「北斗ほくとこぶし2」(ロックやく 1987〜88ねん フジテレビ)、TVてれびシリーズ「ギャラクシーハイスクール」(ドイルやく 1990ねん NHK−BS2びーえすに)、OVA「ともえがゆく!」(氷室ひむろ上総かずさやく 1991ねん)、OVA「源氏げんじ」(弁慶べんけいやく 1992ねん)、OVA「やぶ妖のけん」(やみ主役しゅやく 1992ねん)、OVA「しん兵団へいだん」(真澄ますみ公彦きみひこやく 1993ねん)、TVてれびシリーズ「MONSTER」(クリストフやく 2004〜05ねん 日本にほんテレビ)などがある。