株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション(社長:大坪 愛雄)は、米ボーイング社の次世代主力旅客機「787」の電力変換システムに搭載されるリチウムイオン電池をフランスのタレス社から受注しました。リチウムイオン電池技術が民間航空機用で採用されるのは世界で初めてであり、弊社はタレス社と数百億円規模の長期供給契約を交わしました。
タレス社はボーイング787向けに最も安全で信頼性の高いパワーシステムの開発を目指しており、ジーエス・ユアサ
グループが開発したリチウムイオン電池のメンテナンスフリー性と長寿命が航空会社にとって運行コストの軽減と安全性の向上につながる技術であるとして高く評価し、長期供給契約の締結に至りました。
今回契約したリチウムイオン電池は補助動力ユニットの始動と非常時のバックアップ用途に使用され、機内の電力供給に大変重要な役割を果たします。契約の第1段階として、弊社は2005年に試作品を、2007年から量産品を納入いたします。
【リチウムイオン電池の特長】
1.高エネルギー密度
従来から民間航空機に使用されているニカド電池に比べ、エネルギー密度が2倍あるため、
同じ寸法であれば2倍の電力を供給することができる。
<リチウムイオン電池とニカド電池との比較>
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ニカド電池
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リチウムイオン電池 |
単セル電圧(V) |
1.2 |
3.6 |
質量エネルギー密度(Wh/kg) |
20〜25 |
70 |
体積エネルギー密度(Wh/l) |
30〜40 |
100 |
2.75分間で90%充電が可能
3.管理装置を搭載し、二重の安全性を保証
4.角形密閉(メンテナンスフリー)構造
航空機の通常の使用環境よりもはるかに厳しい環境にも耐える設計となっている。
<ご参考:タレス社について>
防衛・航空・セキュリティービジネスを提供する世界でも有数のエレクトロニクスシステムグループ。グループ従業員は全世界で61,500人、2004年の売上高は1兆3000億円。
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