福岡ふくおか市内しないで2006年ねん8月がつ、幼児ようじ3人にんが死亡しぼうした飲酒いんしゅひき逃にげ事件じけんで、被告ひこくの弁護べんご側がわが「被害ひがい者しゃは居眠いねむり運転うんてんをしていた」との新説しんせつを展開てんかいしている。山口やまぐち県けん光ひかり市しの母子ぼし殺害さつがい事件じけんで弁護べんご側がわが、「殺害さつがい後ごに強姦ごうかんしたのは『死者ししゃを復活ふっかつさせる儀式ぎしき』」などと主張しゅちょうした問題もんだいがあっただけに、ネット上じょうでは「また弁護士べんごしによる詭弁きべんか」との声こえが出でて論議ろんぎになっている。
ひき逃にげ事件じけんでは、当時とうじ、福岡ふくおか市し職員しょくいんだった今林いまばやし大まさる（ふとし）被告ひこく（23）が2006年ねん8月がつ25日にち、飲酒いんしゅ運転うんてんのうえ、「海うみの中道ちゅうどう大橋おおはし」でRV車しゃに追突ついとつ、その結果けっかRV車しゃが博多湾はかたわんに転落てんらくして家族かぞく5人にんが死傷ししょうした。この事件じけんは、その対応たいおうが悪質あくしつだったため、大おおきな社会しゃかい問題もんだいになった。福岡ふくおか地裁ちさいで07年ねん6月がつ12日にちに始はじまった公判こうはんでは、検察けんさつ側がわは、「飲酒いんしゅの影響えいきょうで正常せいじょうな運転うんてんが困難こんなんだった」などと主張しゅちょう、その悪質あくしつ性せいを考かんがえて、ひき逃にげと合あわせて最高さいこう刑けいが懲役ちょうえき25年ねんになる危険きけん運転うんてん致死傷ちししょう罪ざいの適用てきようを求もとめている。
これに対たいし、今林いまばやし被告ひこくの弁護べんご側がわは、最高さいこうでも懲役ちょうえき7年ねん6月がつとなる業務ぎょうむ上じょう過失かしつ致死傷ちししょうが相当そうとうとしている。「飲酒いんしゅの影響えいきょうはなかった。わき見み運転うんてんをしていただけ」との理由りゆうからだ。そして、被害ひがい者しゃの大上おおがみ哲央てつお（あきお）さん（34）にも過失かしつがあると主張しゅちょう。大上おおがみさんが、「急きゅうブレーキをかけたため追突ついとつした」としていた。
ところが、10月2日にちにあった第だい8回かい公判こうはんでは、被告ひこくの弁護べんご側がわは一転いってんして主張しゅちょうを変更へんこうした。なんと、「被害ひがい者しゃの大上おおがみさんは、事故じこ時じに居眠いねむり運転うんてんをしていた」と意見いけん陳述ちんじゅつしたのだ。各紙かくしの報道ほうどうによると、その根拠こんきょとして、弁護べんご側がわは、被害ひがい者しゃの車くるまが異常いじょうに低速ていそくだったこと、転落てんらくするまでの約やく40メートルの間あいだにブレーキなど回避かいひ措置そちを取とらなかったこと、衝突しょうとつ直後ちょくごに大上おおがみさんがぐったりしていたこと、などを挙あげている。こうした点てんは、目撃もくげき者しゃの証言しょうげんから明あきらかになったという。検察けんさつ側がわは、「運転うんてん時じ、眠ねむかったことはない」という大上おおがみさんの調書ちょうしょを朗読ろうどくした。
弁護べんご側がわはなぜ、主張しゅちょうを変かえたのだろうか。10月3日にち付づけ読売新聞よみうりしんぶんによると、弁護べんご側がわは、「公判こうはんで居眠いねむりの事実じじつが明あきらかになった」として方針ほうしんを変更へんこうしたのだという。公判こうはんでは、大上おおがみさんは、「急きゅうブレーキは踏ふんでいない」と証言しょうげんしている。J-CASTニュースでは、さらに確認かくにんしようと、主任しゅにん弁護人べんごにんの春山はるやま九州きゅうしゅう男おとこ（くすお）弁護士べんごしに取材しゅざいしようとしたが、応対おうたいした事務じむ員いんによると「個別こべつの取材しゅざいはお断ことわりしています」とのことだった。
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