子こどもの頃ころは草くさ野球やきゅうなどはやっていました。クラブに入はいって本格ほんかく的てきに取とり組くんだのは、1960年ねんに東京とうきょう大学だいがくに進学しんがくしてヨット部ぶに入はいったのが最初さいしょです。ちょうどローマオリンピックが開催かいさいされた年としで、大学だいがくの先輩せんぱいが3人にんほどセーリング競技きょうぎに出場しゅつじょうしたので、1年ねんの夏休なつやすみにその先輩せんぱいたちと一緒いっしょに合宿がっしゅくをしたことを覚おぼえています。

大学だいがくで体育たいいく実技じつぎの授業じゅぎょうがあり、いくつかの競技きょうぎの中なかからサッカーを選えらびました。実じつはその時ときの担当たんとうが、竹腰たけこし重しげる丸まる先生せんせい（元もとサッカー日本にっぽん代表だいひょう、日本にっぽん代表だいひょう監督かんとく）だったんです。また、大学だいがくのグラウンドで時々ときどきリーグ戦せんが行おこなわれていて、ある試合しあいで「ずいぶんスピーディーな選手せんしゅがいるな」と思おもいながら見みていたら、実じつはそれが杉山すぎやま隆一りゅういち選手せんしゅ（元もとサッカー日本にっぽん代表だいひょう）でした。

1976年ねんにキリンが本社ほんしゃを原宿はらじゅくに移転いてんし、線路せんろを挟はさんで向むかい合あう位置いちにあった岸きし記念きねん体育たいいく会館かいかんにJFAさんのオフィスが入はいっていました。当時とうじの小西こにし秀次しゅうじ社長しゃちょうが近隣きんりんにあいさつ回まわりをし、その時ときにJFAさんにも伺うかがったそうです。小西こにし社長しゃちょう自身じしんはサッカーにあまり関心かんしんがなかったようですが、秘書ひしょ役やくの久保田くぼた秀一ひでかずさんが大学だいがくでサッカーをしていた方ほうで、小西こにし社長しゃちょうから「サッカーはどういったスポーツなんだ？」と聞きかれて「世界せかい的てきに人気にんきのスポーツです。オリンピックは有名ゆうめいですが、もっとすごいワールドカップという大会たいかいがあります」と答こたえたそうです。その後ご、JFAさんからサポートの依頼いらいがあり、協賛きょうさんすることになったと聞きいています。

キリングループがサッカーをサポートするようになってから、私わたし自身じしんもサッカーにより強つよい関心かんしんを持もつようになりました。今いまでは大だいファンです。

実際じっさいにスタジアムで観戦かんせんした2002年ねんのFIFAワールドカップのドイツ対たいブラジルの決勝けっしょう戦せんです。ブラジルが勝かった後のち、ドイツのGKオリバー・カーン選手せんしゅがゴールポストにもたれかかり、しばらく動うごかなかったのが印象いんしょう的てきでした。また、2006年ねんのドイツ大会たいかいも記憶きおくに残のこっています。日本にっぽんとブラジルの試合しあいも強烈きょうれつでしたが、ヨーロッパの人々ひとびとのサッカーに対たいする関心かんしんの高たかさ、ワールドカップの試合しあいに一喜一憂いっきいちゆうしている様子ようす、行いくところ全すべてがサッカーで満みたされている様子ようすを見みて、サッカーは本当ほんとうに世界せかい最大さいだいのスポーツなんだと実感じっかんしました。

サッカーはルールも非常ひじょうにシンプルですし、ボールが1個いっこあればどこでもできるという非常ひじょうに優すぐれた特性とくせいを持もっているスポーツです。取とり組くみやすく、なおかつ奥おくが深ふかい。大衆たいしゅう性せいも高たかい。見みる側がわも非常ひじょうにエキサイティングな場面ばめんに遭遇そうぐうできるということで、サッカーの可能かのう性せいはますます広ひろがっていくのではないかと思おもいます。

サッカーは世界せかいで最もっとも多おおくの人ひとが楽たのしんでいるスポーツです。一方いっぽうで、障さわがい者しゃサッカーや女子じょしサッカーなど、まだまだ広ひろがっていく可能かのう性せいがあります。国くにや民族みんぞくの壁かべを越こえて誰だれもが楽たのしめる素晴すばらしいスポーツだと思おもいます。私わたし自身じしんは、日本にっぽんサッカー後援こうえん会かいはサッカーの普及ふきゅうに少すこしでも役やくに立たちたいという思おもいで地道じみちな活動かつどうを続つづけています。会員かいいんの皆みなさんだけでなく、その周辺しゅうへんの人ひとたちにもサッカーの良よさを広ひろめていく努力どりょくをしていきたいと考かんがえています。

日本にっぽんという国くにの長ながい歴史れきしを考かんがえると、100年ねんというのは大正たいしょう時代じだいからの話はなしになるので、それほど古ふるくはないと思おもいます。ですが、これだけサッカーが広ひろまり、みんなに愛あいされるスポーツとなり、多おおくの人ひとが関心かんしんを持もつようになったのは、この100年間ねんかんの成果せいかだと思おもいます。これを一ひとつの節目ふしめとして、サッカーの世界せかいでさらに大おおきく羽はばたいていってほしいと思おもっています。

JFAはサッカーのすそ野のを広ひろげ、人々ひとびとの関心かんしんを高たかめる努力どりょくを続つづけられています。サッカーの本当ほんとうの良よさを多おおくの人ひとに伝つたえ、それを世界せかいの人ひとたちと共有きょうゆうすることを一層いっそう、進すすめていかなければいけないですし、JFAにはその中心ちゅうしん的てきな役割やくわりを担になってほしいと思おもっています。