ヘルパーが行おこなう行為こういで、あきらかに医療いりょう行為こういではないものの例示れいじの通知つうち出でる

　ヘルパーのサービス内容ないようのうち、爪つめ切ぎりなど、医療いりょう行為こういとはいえない行為こういを、「医療いりょう行為こういとして行おこなわない」一部いちぶの悪質あくしつな事業じぎょう所しょや市町村しちょうそんがあります。悪質あくしつな医師いし会かいや看護かんご協会きょうかいなどもこれらの行為こういを医療いりょう行為こういであると主張しゅちょうして適切てきせつなサービス提供ていきょうを妨害ぼうがいしていました。利用りよう者しゃが迷惑めいわくをこうむっていることから、それらは医療いりょう行為こういではないという通知つうちが出でました。

医い政せい発はつ第だい 号ごう
平成へいせい１７ 年月日ねんがっぴ

各かく都道府県とどうふけん知事ちじ殿どの

厚生こうせい労働省ろうどうしょう医い政局せいきょく長ちょう

医師いし法ほう第だい１７ 条じょう及および保健ほけん師し助産じょさん師し看護かんご師し法ほう第だい３１ 条じょうの解釈かいしゃくについて（通知つうち）

　医師いし、看護かんご師し等とうの免許めんきょを有ゆうさない者ものによる医業いぎょうは、医師いし法ほう第だい１７ 条じょう、保健ほけん師し助産じょさん師し看護かんご師し法ほう第だい３１ 条じょうその他たの関係かんけい法規ほうきによって禁止きんしされている。ここにいう「医業いぎょう」とは、当該とうがい行為こういを行おこなうに当あたり、医師いしの医学いがく的てき判断はんだん及および技術ぎじゅつをもってするのでなければ人体じんたいに危害きがいを及およぼし、又または危害きがいを及およぼすおそれのある行為こうい（医い行為こうい）を、反復はんぷく継続けいぞくする意思いしをもって行おこなうことであると解かいしている。

　ある行為こういが医い行為こういであるか否ひかについては、個々ここの行為こういの態様たいように応おうじ個別こべつ具体ぐたい的てきに判断はんだんする必要ひつようがある。しかし、近年きんねんの疾病しっぺい構造こうぞうの変化へんか、国民こくみんの間あいだの医療いりょうに関かんする知識ちしきの向上こうじょう、医学いがく・医療いりょう機器ききの進歩しんぽ、医療いりょう・介護かいごサービスの提供ていきょうの在あり方かたの変化へんかなどを背景はいけいに、高齢こうれい者しゃ介護かいごや障害しょうがい者しゃ介護かいごの現場げんば等とうにおいて、医師いし、看護かんご師し等とうの免許めんきょを有ゆうさない者ものが業ぎょうとして行おこなうことを禁止きんしされている「医い行為こうい」の範囲はんいが不ふ必要ひつように拡大かくだい解釈かいしゃくされているとの声こえも聞きかれるところである。
　このため、医療いりょう機関きかん以外いがいの高齢こうれい者しゃ介護かいご・障害しょうがい者しゃ介護かいごの現場げんば等とうにおいて判断はんだんに疑義ぎぎが生しょうじることの多おおい行為こういであって原則げんそくとして医い行為こういではないと考かんがえられるものを別紙べっしの通とおり列挙れっきょしたので、医師いし、看護かんご師し等とうの医療いりょうに関かんする免許めんきょを有ゆうしない者ものが行おこなうことが適切てきせつか否ひか判断はんだんする際さいの参考さんこうとされたい。

（別紙べっし）

１ 水銀すいぎん体温計たいおんけい・電子でんし体温計たいおんけいにより腋わき下かで体温たいおんを計測けいそくすること、及および耳みみ式しき電子でんし体温計たいおんけいにより外耳がいじ道どうで体温たいおんを測定そくていすること

２ 自動じどう血圧けつあつ測定そくてい器きにより血圧けつあつを測定そくていすること

３ 新生児しんせいじ以外いがいの者ものであって入院にゅういん治療ちりょうの必要ひつようがないものに対たいして、動脈血どうみゃくけつ酸素さんそ飽和ほうわ度どを測定そくていするため、パルスオキシメータを装着そうちゃくすること

４ 軽微けいびな切きり傷きず、擦すり傷きず、やけど等とうについて、専門せんもん的てきな判断はんだんや技術ぎじゅつを必要ひつようとしない処置しょちをすること（汚物おぶつで汚よごれたガーゼの交換こうかんを含ふくむ。）

５ 患者かんじゃの状態じょうたいが以下いかの３ 条件じょうけんを満みたしていることが医師いし、歯科しか医師いし又または看護かんご職員しょくいんによって確認かくにんされた場合ばあいに、事前じぜんの本人ほんにん若もしくは家族かぞくの具体ぐたい的てきな依頼いらいに基もとづき、医師いしの処方しょほうを受うけ、あらかじめ薬袋みない等とうにより患者かんじゃごとに区分くぶんし授与じゅよされた医薬品いやくひんについて、医師いし又または歯科しか医師いしの処方しょほう、薬剤師やくざいしの服薬ふくやく指導しどうや看護かんご 職員しょくいんの指導しどう助言じょげんを遵守じゅんしゅした医薬品いやくひんの使用しようを介助かいじょすること。具体ぐたい的てきには、皮膚ひふへの軟膏なんこうの塗布とふ（褥しとね瘡かさの処置しょちを除のぞく。）、皮膚ひふへの湿布しっぷの貼付ちょうふ、点眼てんがん薬やくの点眼てんがん、一いち包つつみ化かされた内用ないよう薬やくの内服ないふく（舌した下か錠じょうの使用しようも含ふくむ）、肛門こうもんからの座薬ざやく挿入そうにゅう又または鼻腔びこう粘膜ねんまくへの薬剤やくざい噴霧ふんむを介助かいじょすること。

�@患者かんじゃが入院にゅういん・入所にゅうしょして治療ちりょうする必要ひつようがなく容態ようだいが安定あんていしていること
�A 副作用ふくさようの危険きけん性せいや投薬とうやく量りょうの調整ちょうせい等とうのため、医師いし又または看護かんご職員しょくいんによる連続れんぞく的てきな容態ようだいの経過けいか観察かんさつが必要ひつようである場合ばあいではないこと
�B 内用ないよう薬やくについては誤あやま嚥えんの可能かのう性せい、座薬ざやくについては肛門こうもんからの出血しゅっけつの可能かのう性せいなど、当該とうがい医薬品いやくひんの使用しようの方法ほうほうそのものについて専門せんもん的てきな配慮はいりょが必要ひつような場合ばあいではないこと

注ちゅう１ 上記じょうきに掲かかげる行為こういは、原則げんそくとして医い行為こういでないと考かんがえられるものであるが、病状びょうじょうが不安定ふあんていであり専門せんもん的てきな管理かんりが必要ひつような場合ばあいには、医い行為こういであるとされる場合ばあいもあり得える。また、上記じょうき１ から３ までに掲かかげる行為こういによって測定そくていされた数値すうちを基もとに投薬とうやくの要よう否ひなど医学いがく的てきな判断はんだんを行おこなうことは医い行為こういであり、事前じぜんに示しめされた数値すうちの範囲はんい外がいの異常いじょう値ちが測定そくていされた場合ばあいには医師いし、歯科しか医師いし又または看護かんご職員しょくいんに報告ほうこくするべきものである。

注ちゅう２ 上記じょうきに掲かかげる行為こういは原則げんそくとして医い行為こういではないが、業ごうとして行おこなう場合ばあいには実施じっし者しゃに対たいして一定いっていの研修けんしゅうや訓練くんれんが行おこなわれることが望のぞましいことは当然とうぜんであり、介護かいごサービス等とうの場ばで就労しゅうろうする者ものの研修けんしゅうの必要ひつよう性せいを否定ひていするものではない。また、介護かいごサービスの管理かんり者しゃ等とうは、事業じぎょう遂行すいこう上じょう、安全あんぜんにこれらの行為こういが行おこなわれるよう監督かんとくすることが求もとめられる。

注ちゅう３ 今回こんかいの整理せいりはあくまでも医師いし法ほう、保健ほけん師し助産じょさん師し看護かんご師し法ほう等とうの解釈かいしゃくに関かんするものであり、事故じこが起おきた場合ばあいの刑法けいほう、民法みんぽう等とうの法律ほうりつの規定きていによる刑事けいじ上じょう・民事みんじ上じょうの責任せきにんは別途べっと判断はんだんされるべきものである。

注ちゅう４ 上記じょうきに掲かかげる行為こういについて看護かんご職員しょくいんによる実施じっし計画けいかくが立たてられている場合ばあいは、具体ぐたい的てきな手技しゅぎや方法ほうほうをその計画けいかくに基もとづいて行おこなうとともに、その結果けっかについて報告ほうこく、相談そうだんすることにより密接みっせつな連携れんけいを図はかるべきである。上記じょうき５ に掲かかげる医薬品いやくひんの使用しようの介助かいじょが福祉ふくし施設しせつ等とうにおいて行おこなわれる場合ばあいには、看護かんご職員しょくいん によって実施じっしされることが望のぞましく、また、その配置はいちがある場合ばあいには、その指導しどうの下したで実施じっしされるべきである。

注ちゅう５ 以下いかに掲かかげる行為こういも、医師いし法ほう第だい１７ 条じょう及および保健ほけん師し助産じょさん師し看護かんご師し法ほう第だい３１条じょうの規制きせいの対象たいしょうとする必要ひつようがないものであると考かんがえられるので、念ねんのため申もうし添そえる。

�@爪つめの手入ていれ、爪つまそのものに異常いじょうがなく、爪つめの周囲しゅういの皮膚ひふにも化膿かのうや炎症えんしょうがない場合ばあいに、その爪つめを爪つめ切ぎりで切きること及および爪つまヤスリでやすりがけすること

�A歯はブラシや綿棒めんぼう又または巻まき綿めん子こなどを用もちいて、歯は、口腔こうくう粘膜ねんまく、舌したに付着ふちゃくしている汚よごれを取とり除のぞき、清潔せいけつにすること

�B耳みみ垢あかを除去じょきょすること（耳みみ垢あか塞ふさが栓せんの除去じょきょを除のぞく）

�Cストマ装具そうぐのパウチにたまった排泄はいせつ物ぶつを捨すてること。（肌はだに接着せっちゃくしたパウチの取とり替かえを除のぞく。）

�D 自己じこ導しるべ尿にょうを補助ほじょするため、カテーテルの準備じゅんび、体位たいいの保持ほじなどを行おこなうこと

�E市販しはんのディスポーザブルグリセリン浣腸かんちょう器き（※）を用もちいて浣腸かんちょうすること
※挿入そうにゅう部ぶの長ながさが５ から６ センチメートル程度ていど以内いない、グリセリン濃度のうど５０ ％、成人せいじん用ようの場合ばあいで４０ グラム程度ていど以下いか、６ 歳さいから１２ 歳さい未満みまんの小児しょうに用ようの場合ばあいで２０ グラム程度ていど以下いか、１ 歳さいから６ 歳さい未満みまんの幼児ようじ用ようの場合ばあいで１０ グラム程度ていど以下いかの容量ようりょうのもの

　

　

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（通知つうちは以上いじょう)

さらに詳くわしい通知つうちが追加ついかで出でています 令れい和わ4年ねん 12 月がつ1日にち通知つうち PDFリンク