厚労省こうろうしょう医事いじ課か等とうとの２０２１年ねん５月がつ懇談こんだん報告ほうこく

 

まず解説かいせつ

今いままでの医療いりょう的てきケアの国くにの医師いし法ほうの解釈かいしゃく（いわゆるグレーゾーン）は、このページを御覧ごらんくださいhttp://www.kaigoseido.net/iryoukea/gurei-rekisi.htm

２０２１年ねん3月つき下旬げじゅんに医療いりょう的てきケアの必要ひつような通所つうしょ施設しせつ等とうで看護かんごの配置はいちのために加算かさんをする目的もくてきで、「厚労省こうろうしょう告示こくじ89号ごう：厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが定さだめる医療いりょう行為こういは、次つぎに掲かかげるものとする」ということで、次つぎの12項目こうもく（と吸引きゅういんと人工じんこう呼吸こきゅう器きによる呼吸こきゅう器き管理かんり）が挙あげられました。

 

�@気管きかん切開せっかいの管理かんり

�A鼻はな咽頭いんとうエアウェイの管理かんり

�B酸素さんそ療法りょうほう

�Cネブライザーの管理かんり

�D経けい管かん栄養えいよう（経けい鼻はな胃い管かん、胃い瘻、経けい鼻はな腸管ちょうかん、経けい胃い瘻腸管かん、腸ちょう瘻又は食道しょくどう瘻によるも のに限かぎる。）

�E中心ちゅうしん静脈じょうみゃくカテーテルの管理かんり

�F皮下ひか注射ちゅうしゃ

�G血糖けっとう測定そくてい

�H継続けいぞく的てきな透析とうせき

�I導しるべ尿にょう

�J排便はいべん管理かんり（消化しょうか管かんストーマの管理かんり又または摘便、洗あらい腸ちょう若もしくは浣腸かんちょう（医療いりょう行為こういに 該当がいとうしないものとして別べつに定さだめる場合ばあいを除のぞく。）の実施じっしに限かぎる。）

�K痙攣けいれん時じにおける座薬ざやく挿入そうにゅう、吸引きゅういん、酸素さんそ投与とうよ又または迷走めいそう神経しんけい刺激しげき装置そうちの作動さどう等とうの処置しょち

 

これらの多おおくが厚労省こうろうしょうとの話はなし合あいでグレーゾーン（医師いし法ほう第だい１７条じょうの医い行為こういに該当がいとうするかどうかは曖昧あいまいにしておいたもの）として、訪問ほうもん系けいサービスで行おこなってきた経緯けいいがあるので、今回こんかい急きゅうにこのような告示こくじが出だされたことに驚おどろきましたが、聞きいてみると、厚労省こうろうしょうの障害しょうがい児じの担当たんとう室しつが、在宅ざいたくヘルパーのグレーゾーン介護かいごの問題もんだいを失念しつねんして、告示こくじの題名だいめいを検討けんとうせずに、単純たんじゅんに「医療いりょう行為こうい」としてしまったようです。しかし、この告示こくじ（やこのあと医療いりょう的てきケア児童じどうの法制ほうせい化かに入はいる文書ぶんしょ）は、医師いし法ほうの医い行為こういの範囲はんいを決きめるものではなく、あくまでも介護かいご報酬ほうしゅうを加算かさんする医療いりょう的てきケア児童じどうの範囲はんいを定さだめる目的もくてきのものだそうです。

担当たんとう室長しつちょうは元もと医事いじ課かの職員しょくいんで、医事いじ課か（医師いし法ほうの解釈かいしゃく担当たんとう）の法令ほうれい担当たんとうとも綿密めんみつに打うち合あわせの上うえ、このような整理せいりになりました。（医事いじ課かの解釈かいしゃくは、従来じゅうらいから、医療いりょう的てきケアの加算かさん報酬ほうしゅうの対象たいしょう＝医師いし法ほうの医い行為こういではない）。

 

告示こくじに書かかれた項目こうもくを医師いし法ほう１７条じょうの医い行為こうい（医師いしおよび医師いしから指示しじを受うけた看護かんご師ししかできない）と勘違かんちがいする自治体じちたいが出でてはいけないので、説明せつめいのQ&Aをすぐに出だしてもらうことになり、厚労省こうろうしょう障害しょうがい福祉ふくし課かは「令れい和わ3年度ねんど障害しょうがい福祉ふくしサービス等とう報酬ほうしゅう改定かいてい等とうに関かんするQ&A VOL.2 (令れい和わ3年とし4月つき8日ひ)」（P16）で

「同どう告示こくじは、従来じゅうらいより看護かんご職員しょくいん加配かはい加算かさん等とうの算定さんていの対象たいしょうとなってきた「医療いりょう的てきケア」について、障害しょうがい児じ通所つうしょ支援しえんにおける医療いりょう的てきケア児じに係かかる基本きほん報酬ほうしゅう等とうの算定さんてい対象たいしょうとする上じょうで、改あらためてお示しめししたものであるが、「医療いりょう行為こうい」の範囲はんいについて新あらたな解釈かいしゃくをお示しめしするものではない。」

https://www.mhlw.go.jp/content/000766855.pdf

と、グレーゾーンの存続そんぞくを意味いみするQ&Aを出だしてくれました。

 

この告示こくじが出だされた背景はいけいは、施設しせつ等とうに看護かんご師しの配置はいちを強化きょうかして医療いりょうケア利用りよう者しゃの受うけ入いれを強化きょうかするためで、�@療養りょうよう介護かいごの対象たいしょう者しゃ要件ようけん�A生活せいかつ介護かいごの常勤じょうきん看護かんご職員しょくいん等とう配置はいち加算かさん(�U)�B福祉ふくし型がた強化きょうか短期たんき入所にゅうしょの対象たいしょう者しゃ要件ようけんと医療いりょう的てきケア対応たいおう支援しえん加算かさん�C共生きょうせい型がた短期たんき入所にゅうしょの対象たいしょう者しゃ要件ようけんと医療いりょう的てきケア対応たいおう支援しえん加算かさん�D共同きょうどう生活せいかつ援助えんじょの医療いりょう的てきケア対応たいおう支援しえん加算かさん�E児童じどう発達はったつ支援しえんの看護かんご職員しょくいん加配かはい加算かさん(�T)(�U)�F放課後ほうかご等とうデイサービスの看護かんご職員しょくいん加配かはい加算かさん(�T)など施設しせつ等とうの介護かいご報酬ほうしゅうの加算かさんなどのために今回こんかいの告示こくじが出でたという流ながれです。

 

厚労省こうろうしょうとの懇談こんだん報告ほうこく

２０２１年ねん５月がつ２７日にちに、全ぜん脊連（主しゅ担当たんとう）、介護かいご保障ほしょう協議きょうぎ会かい、DPI、さくら会かいほか障害しょうがい者しゃ団体だんたい２５団体だんたいと厚労省こうろうしょう（医事いじ課か、障害しょうがい福祉ふくし課か訪問ほうもんサービス係がかり、障害しょうがい児じ・発達はったつ障害しょうがい者しゃ支援しえん室しつ）で改あらためて会合かいごうを持もち、グレーゾーンの範囲はんいに変更へんこうがないことの表明ひょうめいが医事いじ課かよりありました。

 

（事前じぜんに今いままでの２０年間ねんかんの話はなし合あい経過けいか　　http://www.kaigoseido.net/iryoukea/gurei-rekisi.htm　と、外出がいしゅつ時じの摘便や導しるべ尿にょう利用りよう者しゃや室内しつないでの頻繁ひんぱんな呼吸こきゅう管理かんり利用りよう者しゃなど今回こんかいの１２項目こうもくで困こまったことになる障害しょうがい者しゃの全国ぜんこくの５０以上いじょうの事例じれいを見みせて相談そうだんしてあった　）

 

厚労省こうろうしょう医事いじ課か

（医療いりょう的てきケア児じ支援しえん法案ほうあんや２０２１年ねん８９号ごう告示こくじに医療いりょう行為こういとして項目こうもくが表示ひょうじされることに関かんして医師いし法ほう１７条じょうの医い行為こういの範囲はんいが変かわるかどうかに対たいして）

これまでの解釈かいしゃくをなにか変更へんこうを加くわえるものではない。個別こべつの行為こういを見みて判断はんだんされることになるという部分ぶぶんについては、変かわりません。それをグレーゾーンと表現ひょうげんするのであればこれまでどおりです。

解説かいせつすると、個々ここの行為こういが医い行為こういなのかどうかはグラデーションになっていて、医い行為こういに当あたるものと当あたらないものと、個別こべつに見みていかないといけない。

喀痰かくたん誘引ゆういんついては、あれは医い行為こういなんだけれど必要ひつよう性せい緊急きんきゅう性せいが高たかいので違法いほう性せいが阻却されるという考かんがえ方かたをお示しめししてきた（2003〜）ものを法制ほうせい化かした（2012〜）ものです。

違法いほう性せい阻却の考かんがえ方かたについても、個別こべつ具体ぐたい的てきに状況じょうきょうに当あてはめなければ、判断はんだんできないもの。そういった二に重じゅうの意味いみにつても、個別こべつにつぶさに見みないことには判断はんだんできないものである。これは昔むかしも今いまも変かわらない。

そういう意味いみでは、現場げんばで行おこなわれている行為こういがグレーだという形かたちで行おこなわれてきたのであれば、それをなにか変更へんこうするものではない。

 

このようにしっかりと表明ひょうめいがありました。

 

（グレーゾーン介護かいごを理由りゆうに重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごなどを支給しきゅう決定けっていしない自治体じちたいがあることについて）

また、障害しょうがい福祉ふくし課かからも、「（２０１０年ねん話はなし合あいで）当時とうじの土生はぶ課長かちょうから、そういう自治体じちたいに対たいしては厚労省こうろうしょうから指導しどうしていきたいという回答かいとうがあった。そこも基本きほん的てきには同おなじですので、個別こべつにご相談そうだんいただければ、自治体じちたいの方ほうには状況じょうきょうを聞きいて、取とり扱あつかいについて、国くにとして整理せいりした形かたちで、指導しどうしていきたい。そこも変更へんこうなしです。」との表明ひょうめいがありました。

 

 

自治体じちたいなどがグレーゾーン行為こういを医師いし法ほう違反いはんだと障害しょうがい者しゃに言いって来くることに対たいしては、医師いし法ほうの解釈かいしゃくは、自治じち事務じむじゃないので、自治体じちたいに解釈かいしゃく権限けんげんはない。厚労省こうろうしょう医事いじ課かだけが解釈かいしゃくする権限けんげんを持もっている。まずはこのことを自治体じちたいに伝つたえて話はなしてみてほしい、それでもだめなら問とい合あわせを。とのことでした。

 

このほか、医事いじ課かからの解説かいせつで「医者いしゃからも『診療しんりょう報酬ほうしゅうのメニューに載のっていたら、その行為こういは医い行為こういじゃないのか』といった勘違かんちがいの質問しつもんが来くることはあるが、診療しんりょう報酬ほうしゅうのメニューに載のっているからと言いって、その全すべてが医い行為こういではない」との解説かいせつもありました。

 

 

 

また、今後こんご人事じんじ異動いどうの際さいにも、今回こんかいの話はなしはきちんと引ひき継ついでいくと厚労省こうろうしょうから表明ひょうめいがありました。

 

参加さんか者しゃ　医い政局せいきょく医事いじ課か　課長かちょう補佐ほさ　　（看護かんご課か・歯科しか保健ほけん課か併任へいにん）　法律ほうりつの担当たんとう

　　　　　障害しょうがい福祉ふくし課か　課長かちょう補佐ほさ　　（訪問ほうもんサービス係がかりの担当たんとう補佐ほさ）　

　　　　　障害しょうがい福祉ふくし課か障害しょうがい児じ・発達はったつ障害しょうがい者しゃ支援しえん室しつ　室長しつちょう　（今回こんかいの告示こくじを出だした部署ぶしょ。）