障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうの審議しんぎについて ７月がつ８日にちにも厚生こうせい労働ろうどう委員いいん会かいで可決かけつ予定よてい

民主党みんしゅとう、修正しゅうせい協議きょうぎから離脱りだつ

　５月がつ１１日にちから障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうの衆議院しゅうぎいん厚生こうせい労働ろうどう委員いいん会かいでの実質じっしつ審議しんぎが始はじまり、５月がつ２０日にちから国会こっかいは郵政ゆうせい関連かんれんで一時いちじ厚生こうせい労働ろうどう委員いいん会かいはストップしましたが、数日すうじつで再開さいかいしました。しかし、委員いいん会かいでは、障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほう以外いがいの法案ほうあんを先さきに審議しんぎすることになり、その間あいだに自民党じみんとうと民主党みんしゅとうで修正しゅうせい協議きょうぎを行おこなうことになりました。
　５月がつ２２日にちに民主党みんしゅとうは修正しゅうせい協議きょうぎ打うち切きりを決きめました。民主党みんしゅとう内部ないぶでは、厚生こうせい労働ろうどう委員いいん会かいの所属しょぞく議員ぎいんは協議きょうぎの継続けいぞくの意見いけんでしたが、岡田おかだ党首とうしゅと古川ふるかわネクスト官房かんぼう副ふく長官ちょうかんらが打うち切きりを強つよく主張しゅちょうし、決定けっていしたということです。これに対たいしては、多おおくの障害しょうがい者しゃ団体だんたいや関係かんけい者しゃから、７月がつ３日にちの東京とうきょう都議会とぎかい選挙せんきょの対策たいさくとしてのパフォーマンスであるとの批判ひはんが起おこっています。障害しょうがい者しゃ団体だんたいと法案ほうあんの問題もんだい点てんについてやり取とりしていた厚生こうせい労働ろうどう委員いいん会かいの議員ぎいんの意見いけんを採用さいようせず、現場げんばと関係かんけいない党とう幹部かんぶが協議きょうぎ打うち切きりを決きめたということは、批判ひはんされて当然とうぜんです。

　現在げんざい、国会こっかいは与党よとうが過半数かはんすうですので、野党やとうとの修正しゅうせい協議きょうぎが行おこなわれないと、政府せいふ原案げんあん通どおりで可決かけつされます。これは最悪さいあくのシナリオです。民主党みんしゅとうは修正しゅうせい協議きょうぎに戻もどるべきです。 （詳くわしくは次じページもご覧らんください） 　

　今後こんごの審議しんぎ日程にっていですが、修正しゅうせい協議きょうぎ決裂けつれつのため、自立じりつ支援しえん法ほう審議しんぎはあと２回かいで終おわり、７月がつ８日にち採決さいけつ予定よていです。与党よとうが過半数かはんすうの状況じょうきょうなので、原案げんあん通どおり可決かけつされます。民主党みんしゅとうが協議きょうぎに戻もどるとなれば、また日程にっていが延のびます。また、郵政ゆうせい関係かんけいで日程にっていが変更へんこうになる可能かのう性せいもあります。

「障害しょうがい者しゃ８団体だんたいが１割わり負担ふたん受うけ入いれで合意ごうい」というニュースジャパンの誤報ごほうについて

６月がつ２４日にち・２５日にちのマスコミ２社しゃの報道ほうどうで事実じじつと違ちがう内容ないようがありました。当会とうかいは報道ほうどうされた「障害しょうがい者しゃ８団体だんたい」には入はいっておりませんが、不正確ふせいかくな報道ほうどうはよくないと思おもいますので、記者きしゃ会見かいけんの６５分ぶんの内容ないようをすべて公開こうかいします。（当会とうかいホームページに掲載けいさいしています）

２４日にち金曜きんようの夕方ゆうがた５：４５からの８団体だんたいの共同きょうどう記者きしゃ会見かいけんの録音ろくおん記録きろくです。 http://www.kaigoseido.net/kisyakaiken2005-06-24.wma
（ウインドウメディアプレーヤーファイル１２ＭＢ　６５分ふん）
（右みぎクリックして「対象たいしょうをファイルに保存ほぞん」を選えらべばダウンロードできます）

・この記者きしゃ会見かいけんは民主党みんしゅとうに修正しゅうせい協議きょうぎに戻もどるように、その意見いけんを言いうためだけに８団体だんたいが行おこなったものです。

・記者きしゃ会見かいけんの場ばに集あつまった団体だんたいは８団体だんたいのうち６団体だんたいです。８団体だんたいの共同きょうどう文書ぶんしょは「与野党よやとうで修正しゅうせい協議きょうぎを再開さいかいしてほしい」という内容ないようです。１割わり負担ふたんのことには触ふれていません。

・記者きしゃのなかに「民主党みんしゅとうに修正しゅうせい協議きょうぎに戻もどることを求もとめるということは（イコール）１割わり負担ふたん容認ようにんですか」との趣旨しゅしを質問しつもんしている人ひとが多おおくいました。（この法案ほうあんの最大さいだいの問題もんだいは１割わり負担ふたんのことではありません。審査しんさ会かいや国庫こっこ補助ほじょ基準きじゅんの問題もんだいことで、これは重度じゅうど障害しょうがい者しゃの命いのちに関かかわります。生活せいかつ費ひの問題もんだいである「自己じこ負担ふたん問題もんだい」は命いのちに関かかわることはありません。日本にっぽんでは生活せいかつ保護ほご制度せいどがあるので、障害しょうがい者しゃが生活せいかつ費ひの問題もんだいで死しぬことはありません。当会とうかいの会員かいいんである全国ぜんこくの重度じゅうど障害しょうがい者しゃは介護かいご制度せいどの不足ふそくで毎年まいとし死しんでいるのです。）マスコミも政党せいとうもその多おおくはこの法案ほうあんの問題もんだい点てんを「１割わり負担ふたん」のことが重要じゅうようなこととしか考かんがえてないように見受みうけられます。多おおくの障害しょうがい者しゃも自己じこ負担ふたんの問題もんだいばかりをマスコミや政党せいとうに言いいすぎです。これが誤報ごほうの原因げんいんだと考かんがえられます。すでに７月がつ８日にちには与党よとう過半数かはんすうで厚生こうせい労働ろうどう委員いいん会かいで可決かけつの予定よていです。修正しゅうせい協議きょうぎを離脱りだつした民主党みんしゅとうに対たいして協議きょうぎにもどれと要望ようぼうするのは当然とうぜんです。現状げんじょうの法案ほうあんのいろいろな問題もんだい点てんを容認ようにんしていようが、してなかろうが、修正しゅうせい協議きょうぎがされないと、沢山たくさんの問題もんだいが少すこしも解決かいけつされない政府せいふ原案げんあんのままで可決かけつされてしまいます。（これに対たいして、与野党よやとう協議きょうぎが行おこなわれれば、少すこしは改善かいぜんされます。厚生こうせい労働省ろうどうしょうも水面すいめん下かで各かく政党せいとうにそれぞれの項目こうもくの問題もんだい点てんについての改善かいぜんできる範囲はんいの話はなしを提示ていじしている最中さいちゅうだったのです。これも、修正しゅうせい協議きょうぎが中止ちゅうしになったため、日ひの目めを見みないことになってしまいます）。

「修正しゅうせい協議きょうぎに戻もどれと言いうことは１割わり負担ふたんを容認ようにんしたんですね」・・・・・と考かんがえ、８団体だんたいで合意ごういなどしていない内容ないようを「合意ごういした」と事実じじつを変かえてニュースにするのは、おかしいことです。

なお、ＤＰＩ日本にっぽん会議かいぎはフジテレビと毎日新聞まいにちしんぶんに対たいし、抗議こうぎ文ぶんを送おくり、このような報道ほうどうをされた経緯けいいをホームページに掲載けいさいしています。

追加ついか解説かいせつとして下したに当会とうかいのホームページ掲示板けいじばんでのやり取とりを掲載けいさいしておきます。（投稿とうこう者しゃ名めいは仮名かめいにしてあります。）

[656] 自立じりつ支援しえん法ほう 投稿とうこう者しゃ：ａ 投稿とうこう日び：2005/06/25(Sat) 10:17

８団体だんたいのトップが条件じょうけん付づけで応益おうえき負担ふたんを飲のむ方向ほうこうで動うごいているという情報じょうほうが流ながれています。これは、事実じじつでしょうか？デマでしょうか？ご教示きょうしください。

[657] Re:[656] 自立じりつ支援しえん法ほう 投稿とうこう者しゃ：事務じむ局きょく 投稿とうこう日び：2005/06/25(Sat) 10:42

結論けつろんから言いうと、間違まちがいです。

昨日きのう、６月がつ２４日にち金曜日きんようび、障害しょうがい者しゃ８団体だんたいは１５時じから緊急きんきゅうに集あつまり、民主党みんしゅとうが修正しゅうせい協議きょうぎを打うち切きったことに対たいし、「与野党よやとうで協議きょうぎを再開さいかいしてほしい」と記者きしゃ会見かいけんすることに急遽きゅうきょ決きまり、その１点てんだけで合意ごういし、共同きょうどうで１７：４５より厚生省こうせいしょう記者きしゃクラブで記者きしゃ会見かいけんしました。

国会こっかいは与党よとう過半数かはんすうですから、民主党みんしゅとうが与野党よやとう協議きょうぎを打うち切きると、政府せいふ原案げんあんのまま一切いっさい修正しゅうせいなしで７月がつ８日にちにも可決かけつされてしまいます。

それは困こまるので「修正しゅうせい協議きょうぎに戻もどってほしい」という１点てんだけの記者きしゃ会見かいけんだったのですが、声明せいめいを読よみ上あげたあと、記者きしゃからの質問しつもん時間じかんで、１時間じかん以上いじょうも質問しつもんが続つづき、「民主党みんしゅとうに協議きょうぎにもどれということは、応益おうえき負担ふたんに賛成さんせいなのですか」「取材しゅざいした地方ちほうの当事とうじ者しゃは一致いっちして応益おうえき負担ふたん反対はんたいといっていますが、幹部かんぶが意見いけんが違ちがうように聞きこえるのはなぜか」等とうの応益おうえき負担ふたんの質問しつもんばかりが出でていました。 これには、各かく団体だんたいがばらばらに答こたえていましたが、答こたえていない団体だんたいもあります。

金曜日きんようび２４時じごろのフジテレビニュースジャパンで 「障害しょうがい者しゃ８団体だんたいが１割わり負担ふたんを飲のむことを合意ごうい」と流ながれました。

８団体だんたいでこんな合意ごういはしてませんし、記者きしゃに正確せいかくに伝つたわっていないのだと思おもいます。

[660] 失望しつぼうしました 投稿とうこう者しゃ：ｂ 投稿とうこう日び：2005/06/25(Sat) 20:15

昨日きのうの会見かいけん正直しょうじき失望しつぼうです。　あれだけ反対はんたいしてた負担ふたんのことどうして受うけ入いれたのですか。廃案はいあんを目指めざすという選択肢せんたくしはなかったのですか?　８団体だんたいの皆みなさんはきちんと説明せつめいすべきだと思おもうんですが

[661] Re:[660] 失望しつぼうしました 投稿とうこう者しゃ：事務じむ局きょく 投稿とうこう日び：2005/06/25(Sat) 22:39

「８団体だんたいが１割わり負担ふたん受うけ入いれで合意ごうい」というニュースが２４日にち２４時じごろフジ系けいニュースジャパンで流ながれました。しかし、記者きしゃ会見かいけんの全部ぜんぶの録音ろくおん記録きろくを聞ききましたが、そのような事実じじつはありません。誤報ごほうです。

　記者きしゃ会見かいけんは民主党みんしゅとうが与野党よやとう協議きょうぎに戻もどるように声明せいめいを出だすことを求もとめてその１点てんだけを８団体だんたいで合意ごういして行いったものです。
　記者きしゃ会見かいけんで８団体だんたい側がわがそのことを説明せつめい後ご、１時間じかん以上いじょう記者きしゃからの質問しつもんが続つづきましたが、会見かいけんと直接ちょくせつ関係かんけいない話はなしの、１割わり負担ふたんの話題わだいばかり話はなしたのは記者きしゃの側がわです。それに対たいして、それぞれの団体だんたいがてんでばらばらに各かく団体だんたいの意見いけんを言いっただけです。（記者きしゃ会見かいけんに出席しゅっせきしていない団体だんたいもあります）。

　それを、「８団体だんたいが１割わり負担ふたんに容認ようにんの合意ごうい」といった誤報ごほうを流ながした社しゃが２社しゃあります。（２社しゃ目めは最初さいしょの社しゃの報道ほうどうに影響えいきょうされて見出みだしをつけるデスクが間違まちがった可能かのう性せいがあります。記事きじ自体じたいはそれほど悪わるくありませんが、見出みだしが「８団体だんたいが容認ようにん」となっています）。
記者きしゃ会見かいけんの録音ろくおん記録きろくがありますので、聞きいていただくことが可能かのうです。

[662] 自立じりつ支援しえん法案ほうあんの状況じょうきょう 投稿とうこう者しゃ：事務じむ局きょく 投稿とうこう日び：2005/06/25(Sat) 22:53

国会こっかい状況じょうきょうをご案内あんないします

　現在げんざい自民党じみんとうと公明党こうめいとうが国会こっかいの過半数かはんすうです。
　このため、自立じりつ支援しえん法案ほうあんは７月がつ８日にちには与党よとう過半数かはんすうで委員いいん会かいで可決かけつの予定よていです。
　民主党みんしゅとうが自民党じみんとうと修正しゅうせい協議きょうぎを行おこなっていましたが、修正しゅうせい協議きょうぎから離脱りだつしました。
　このため、法案ほうあんは何なんの修正しゅうせいもされないまま、政府せいふ原案げんあんのまま与党よとう過半数かはんすうで可決かけつされそうです。
　現在げんざい、さまざまな障害しょうがい者しゃ団体だんたいは、民主党みんしゅとうに対たいし、修正しゅうせい協議きょうぎに戻もどるように言いっています。

現在げんざいの状況じょうきょうは、与党よとう過半数かはんすうですので、廃案はいあんはありません。 あとは、
１　民主みんしゅが自民じみんとの修正しゅうせい協議きょうぎに戻もどり、修正しゅうせいされて可決かけつか、
２　修正しゅうせい協議きょうぎが行おこなわれないまま、修正しゅうせいされずに原案げんあん通どおりで可決かけつ
の２ふたつしかありません。

いろいろな団体だんたいががんばって与党よとう野党やとうに働はたらきかけを行おこないましたが、現在げんざいの状況じょうきょうはこのような状況じょうきょうです。

複数ふくすうの障害しょうがい者しゃ全国ぜんこく団体だんたいの資料しりょうより自立じりつ支援しえん法ほうの問題もんだい点てん・論点ろんてんを紹介しょうかいします

１　審査しんさ会かい
　審査しんさ会かいは要よう介護かいご区分くぶんの２次じ判定はんていと、長時間ちょうじかんヘルパー利用りよう者しゃの時間じかん数すうの査定さていを行おこなう２ふたつの仕事しごとを持もっているが、前者ぜんしゃだけにとどめるべきである。
　審査しんさ会かいの委員いいんは市町村しちょうそんが任命にんめいするので、サービス水準すいじゅんの低ひくい市町村しちょうそんや支出ししゅつを減へらしたい市町村しちょうそんはその考かんがえにあった委員いいんを選えらぶ。突然とつぜん家族かぞくの介護かいごが得えられなくなった重度じゅうど障害しょうがい者しゃが出でても、当初とうしょの予算よさん計画けいかくの範囲はんいでヘルパー時間じかん数すうを決きめるようになる（市町村しちょうそんが委員いいん選定せんてい時じにそう説明せつめいするので）。審査しんさ会かいで決きまったことは市長しちょうでも覆くつがえせない。これが制度せいどを伸のばさないい訳いわけに使つかわれ、ヘルパー制度せいどの水準すいじゅんの低ひくい市町村しちょうそんで、制度せいど改善かいぜんがされないまま固定こてい化かすることになる。
　日本にっぽんの障害しょうがい者しゃ福祉ふくしは各かく市町村しちょうそんで緊急きんきゅうの命いのちに関かかわる障害しょうがい者しゃが出でるたびに補正ほせい予算よさんを組くんで制度せいど改善かいぜんしてきたから現在げんざいの姿すがたになっている。補正ほせい予算よさんを組くめないようになる傾向けいこうの強つよい外部がいぶの審査しんさ会かいは大おおきな問題もんだい。命いのちに関かかわる障害しょうがい者しゃの現場げんばを見みている市町村しちょうそんが従来じゅうらいどおり責任せきにんを持もって決定けっていすべきである。
　また、業務ぎょうむを２次じ判定はんていだけにとどめたとしても、障害しょうがい者しゃの地域ちいき生活せいかつに詳くわしい、障害しょうがい者しゃの委員いいんを入いれるよう義務付ぎむづけるべきである。

２　国庫こっこ補助ほじょ基準きじゅん
　厚労省こうろうしょうの原案げんあんでは、障害しょうがい程度ていど区分くぶん（国庫こっこ補助ほじょ基準きじゅん）を身体しんたい状況じょうきょうを元もとに８〜９区分くぶんに分わけ、それぞれの区分くぶんの中なかで「その区分くぶんの人数にんずう×基準きじゅん額がく」を国庫こっこ補助ほじょ基準きじゅんの上限じょうげんとするとされている。（それ以上いじょうは市町村しちょうそんの１００％持もち出だしになる）。
　ヘルパー制度せいど利用りよう者しゃは家族かぞくと同居どうきょの場合ばあいはきわめて少すこししかサービスを得えられていない実態じったいがあり、たとえば２４時じ間あいだ介護かいごが必要ひつようでも毎日まいにち２〜３時じ間あいだ程度ていどしかヘルパーを使つかえないことがほとんどである。一方いっぽう、１人ひとり暮くらしの場合ばあいは２４時じ間あいだ介護かいごが必要ひつようならば、１２〜１６時じ間あいだのヘルパー制度せいどを受うけている場合ばあいがある（それでも足たりないので自費じひやボランティア確保かくほなど相当そうとうの苦労くろうを強しいられる）。しかし、障害しょうがい程度ていど区分くぶんは障害しょうがいの程度ていどだけを判定はんていし、１人ひとり暮くらしかどうかなどは無視むしされる。最さい重度じゅうどの場合ばあい、全国ぜんこくの利用りよう者しゃのほとんどは家族かぞくと同居どうきょのため、区分くぶんごとの国庫こっこ補助ほじょの平均へいきん金額きんがくは家族かぞくと同居どうきょの利用りよう者しゃの制度せいど利用りよう実態じったいに近ちかい額がくとなる。このため、小規模しょうきぼ市町村しちょうそんでは、１区分くぶんに数すう人にんしかいないこともあり、その中なかで１人にんでも家族かぞくの入院にゅういんなどで１人にん暮くらしの状態じょうたいになると、たちまち、国庫こっこ補助ほじょが不足ふそくし、最低限さいていげんの命いのちに関かかわるサービスが受うけられなくなる。都市とし部ぶでも、施設しせつから在宅ざいたくへの移行いこうが活発かっぱつな地域ちいきでは、１人ひとり暮くらしが増ふえると、国庫こっこ補助ほじょが不足ふそくしサービスが切きり下さげられることになる。１人ひとり暮くらしの重度じゅうど障害しょうがい者しゃの場合ばあいは引ひっ越こして専門せんもん病院びょういんの近ちかくや支援しえん組織そしきの近ちかくなど、１箇所かしょに集あつまる傾向けいこうがあり、現状げんじょうの案あんでは問題もんだいが起おきる。
　これを防止ぼうしするためには、１人ひとり暮くらしの場合ばあいは別べつ基準きじゅんを設もうけ、複数ふくすう区分くぶんで流用りゅうようできる現在げんざいの方式ほうしきに戻もどすべきである。

３　移動いどう介護かいご
　移動いどう介護かいごが廃止はいしされ、現在げんざい使つかっているヘルパー事業じぎょう所しょは使つかえなくなる。かわりに市町村しちょうそんが実施じっしするガイドヘルパー事業じぎょうができる。市町村しちょうそんから社会しゃかい福祉ふくし協議きょうぎ会かいなど市町村しちょうそんと関係かんけいの深ふかい団体だんたいに委託いたくされることもある。ヘルパー報酬ほうしゅうは市町村しちょうそんの自由じゆうに変かわるので、多おおくの市町村しちょうそんは、（主婦しゅふのパートなどしか働はたらけない）最低さいてい賃金ちんぎんに近ちかい給与きゅうよ設定せっていにする可能かのう性せいがある。
　このため、きわめて重度じゅうどの障害しょうがい者しゃの外出がいしゅつ介護かいごになれた今いままでのヘルパー事業じぎょう所しょのヘルパーは来こなくなるため、外出がいしゅつできない障害しょうがい者しゃが出でる。土日どにちや夜間やかんの外出がいしゅつはヘルパー不足ふそくで依頼いらいできなくなる可能かのう性せいがある。市町村しちょうそんによっては外出がいしゅつ利用りよう回数かいすうや行いき先さきに（市内しない限定げんていや官公庁かんこうちょうのみなど）制限せいげんを設もうけるところもあると思おもわれる（支援しえん費ひ制度せいど前まえはそうだったため）。
　また、ガイドヘルパー制度せいどは地域ちいき生活せいかつ支援しえん事業じぎょうの１メニューになるため当初とうしょ裁量さいりょう的てき経費けいひで始はじまり、数すう年ねん後ごには三位一体さんみいったい改革かいかくで一般いっぱん財源ざいげん化かされると予想よそうされている。そうなると、道路どうろなどに予算よさんを使つかう割合わりあいの強つよい市町村しちょうそんでは、財源ざいげんが福祉ふくし以外いがいにまわされて、外出がいしゅつが認みとめられる時とき間あいだ数すうなどがますます縮小しゅくしょうされてしまう。

　現在げんざいの日常にちじょう生活せいかつ支援しえん利用りよう者しゃは日常にちじょう生活せいかつ支援しえんで外出がいしゅつもできるようになるので、厚生省こうせいしょうはこれをもって全ぜん身性みじょう障害しょうがい者しゃへの対策たいさくは済すんでいるといっている。しかし、日常にちじょう生活せいかつ支援しえんは長時間ちょうじかん連続れんぞく利用りようを想定そうていした低ひくい単価たんか（身体しんたい介護かいごの２.５分ぶんの１）のヘルパー制度せいどであるので、一部いちぶの大都市だいとし部ぶで１人にん暮くらししている長時間ちょうじかんヘルパー利用りよう者しゃなどしか対象たいしょう者しゃがいない状態じょうたい。全国ぜんこくのほとんどの全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃは日常にちじょう生活せいかつ支援しえんは使つかってはおらず、「身体しんたい介護かいごと移動いどう介護かいご」を組くみ合あわせて使つかっている。こうした人ひとたちが外出がいしゅつできなくなる恐おそれがある。

　移動いどう介護かいごは法律ほうりつの「居宅きょたく介護かいご」か「重度じゅうど訪問ほうもん介護かいご」の中なかに残のこすべきである（法ほう改正かいせい不要ふよう。政せい省令しょうれいで規定きてい可能かのう）

障害しょうがい程度ていど区分くぶんごとの国庫こっこ補助ほじょ（障害しょうがい者しゃ団体だんたい案あん）

・区分くぶん１と６は同おなじＡＤＬ、区分くぶん２と７は同おなじＡＤＬ、区分くぶん３と８は同おなじＡＤＬ、区分くぶん４と９は同おなじＡＤＬ、区分くぶん５と１０は同おなじＡＤＬ。
・単位たんいは国庫こっこ補助ほじょ上限じょうげんの月つきヘルパー時間じかん数すう。この時間じかんが提供ていきょうされるわけではなく、市町村しちょうそんが個々人ここじんに応おうじて決きめるサービス量りょうと上記じょうき基準きじゅんのどちらか少すくない方ほうに対たいして国くには２分ぶんの１の補助ほじょを行おこなう。つまり、上記じょうきの基準きじゅんを超こえて市町村しちょうそんがサービスを行おこなうと、その越こえた部分ぶぶんには国庫こっこ補助ほじょが行おこなわれない。
（解説かいせつ）１人にん暮くらしの重度じゅうどの障害しょうがい者しゃは極きわめて少すくないため、ほとんどの市町村しちょうそんでは、区分くぶん８・９・１０などの重度じゅうどの１人ひとり暮くらしの区分くぶんは０人にんか１人ひとりとなる。このため、想定そうていできる最もっとも長時間ちょうじかんの介護かいごが必要ひつような事例じれいに対応たいおうできるように国庫こっこ補助ほじょ上限じょうげん時間じかん数すうを設定せっていする必要ひつようがある。
　また、利用りよう者しゃが１人にんしかいない離島りとうでも最さい重度じゅうどの１人ひとり暮くらしの利用りよう者しゃを守まもるためには、１人ひとり暮くらしの区分くぶんの国庫こっこ補助ほじょ上限じょうげん基準きじゅんを十分じゅうぶんあげておくことで対応たいおう可能かのう。繰くり返かえすが、この時間じかん数すうが全額ぜんがく補助ほじょされるわけではない。市町村しちょうそんが決きめた事業じぎょう費ひの２分ぶんの１が国庫こっこ補助ほじょされるが、この国庫こっこ補助ほじょ基準きじゅんを超こえると補助ほじょされないという意味いみである。
　１人ひとり暮くらし以外いがいで長時間ちょうじかん介護かいごが必要ひつような場合ばあいがあるので、区分くぶん間あいだの流用りゅうようが現在げんざいの方式ほうしきと同様どうように認みとめられる必要ひつようがある。

（６月がつ上旬じょうじゅん時点じてんでの情報じょうほう）

民主党みんしゅとうの修正しゅうせい協議きょうぎ文章ぶんしょう出来上できあがる

　６月がつ上旬じょうじゅんに民主党みんしゅとうが記者きしゃ会見かいけんして与党よとうとの修正しゅうせい協議きょうぎを求もとめる事項じこうを発表はっぴょうしました。この内容ないように入はいらなかったことは、今後こんご、一切いっさい話題わだいにもされなくなります。３０年ねんの運動うんどうをくつがえす、最さい重要じゅうようの審査しんさ会かいの問題もんだいは、各かく団体だんたいが何なん度ども要望ようぼうしたことが入はいっていません。（本人ほんにんの意見いけん聴取ちょうしゅを義務付ぎむづける・・・としか書かかれていません）。
　一方いっぽう、自己じこ負担ふたんは「所得しょとく保障ほしょうがされるまで定率ていりつ負担ふたんは凍結とうけつ」などと、絶対ぜったい与党よとうがのめないような内容ないようが入はいっています。
　単たんに「通とおりそうのないものは入いれられなかった」というようなものではないようです。 アンバランスな、この審査しんさ会かいの扱あつかいについては、最さい重度じゅうどの障害しょうがい者しゃの団体だんたいから批判ひはんがあがっています。制度せいどの低ひくい地域ちいきの１人ひとり暮くらしの全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃの命いのちに関かかわる問題もんだいです。

[毎日新聞まいにちしんぶん　2005年ねん5月がつ24日にち]

不正ふせい受給じゅきゅう： 無む資格しかくヘルパー派遣はけんで、支援しえん費ひを受給じゅきゅう−−名古屋なごやの介護かいご事業じぎょう者しゃ

　知的ちてき障害しょうがい児じらの移動いどう介護かいご事業じぎょうなどを行おこなう、名古屋なごや市し西にし区く江向えむかえ町まちの居宅きょたく介護かいご事業じぎょう会社かいしゃ「ハウス」（山下やました正ただし枝えだ社長しゃちょう）が、実際じっさいは無む資格しかくのヘルパーを派遣はけんしていたのに有ゆう資格しかく者しゃを派遣はけんしたかのように装よそおって、同市どうしから障害しょうがい者しゃ支援しえん費ひを不正ふせいに受給じゅきゅうしていたことが２４日にち分わかった。不正ふせい受給じゅきゅう額がくは、約やく１年間ねんかんで数すう千せん万まん円えんに上のぼるとみられる。同市どうしは返還へんかんを求もとめ、事業じぎょう者しゃ指定していの取とり消けしも検討けんとうしている。
　同市どうしによると、同社どうしゃは０４年ねん２月がつに事業じぎょう者しゃ指定していを受うけた。主おもに、知的ちてき障害しょうがい児じの外出がいしゅつに付つき添そう移動いどう介護かいご事業じぎょうをしているという。不正ふせいは事業じぎょう開始かいし直後ちょくごから始はじまり、市しに支援しえん費ひを請求せいきゅうする際さい、申請しんせい書しょに、無む資格しかくの職員しょくいんを派遣はけんしたのにもかかわらず、ヘルパー有ゆう資格しかく者しゃを派遣はけんしたように記入きにゅうして不正ふせいを繰くり返かえしていた。
　市しから指摘してきを受うけた同社どうしゃは「需要じゅようが多おおく、ヘルパー有ゆう資格しかく者しゃだけでは間まに合あわなかった」と不正ふせいを認みとめているという。
　障害しょうがい者しゃ支援しえん費ひ制度せいどは、０３年度ねんどにスタート。障害しょうがい者しゃの希望きぼうや程度ていどに応おうじて、受うけるサービス内容ないようを市しが決定けってい。障害しょうがい者しゃは業者ぎょうしゃと契約けいやくを結むすび、業者ぎょうしゃが提供ていきょうした内容ないように応おうじた支援しえん費ひを、市しが業者ぎょうしゃに支払しはらう。

過疎かそ地域ちいきで1人ひとり暮くらししたい最さい重度じゅうどの全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃ募集ぼしゅう

　施設しせつや家族かぞくのもとから出でて、自立じりつ生活せいかつを始はじめませんか？

　多おおくの市町村しちょうそんでは、1人ひとり暮くらしの長時間ちょうじかん要よう介護かいごの全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃがいないため、ヘルパー制度せいども伸のびていません。これを解決かいけつするためにバックアッププロジェクトを行おこないます。１人ひとり暮くらしの重度じゅうどの全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃの住すんでいる都道府県とどうふけんでは1日にち１６時じ間あいだや２４時じ間あいだ介護かいごの必要ひつような障害しょうがい者しゃがヘルパーや他人たにん介助かいじょ者しゃを確保かくほして1人ひとり暮くらしをしています。このような障害しょうがい者しゃがいる地域ちいきではヘルパー制度せいどが伸のび、１日にち１６時じ間あいだや２４時じ間あいだの制度せいどができているところがたくさんあります。そのような市町村しちょうそんでは、ヘルパー制度せいどの上限じょうげんという考かんがえ方かたがなくなり、「その障害しょうがい者しゃが自立じりつして地域ちいきで生活せいかつするためにどのようなサービスが必要ひつようか考かんがえて支給しきゅう決定けっていする」という考かんがえ方かたに変かわっていきますので、１人ひとり暮くらしの障害しょうがい者しゃだけではなくそれ以外いがいの障害しょうがい者しゃもヘルパー制度せいどを必要ひつような水準すいじゅんまで受うけやすくなっていきます。
　当会とうかいでは、４７都道府県とどうふけんのどこに住すんでいても、同おなじようなサービスが受うけられるように制度せいど改善かいぜんの交渉こうしょうの方法ほうほうの支援しえんや、「最初さいしょの１人ひとり」の自立じりつ支援しえんを技術ぎじゅつ的てき、財政ざいせい的てきに（介護かいご料りょう）サポートしています。　現在げんざい、長時間ちょうじかんのヘルパー制度せいどのない（主おもに過疎かそ地ちの）市町村しちょうそんにお住すまいで１人にん暮くらしをしたい全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃを募集ぼしゅうします。１日にち１６〜２４時じ間あいだの介護かいごが必要ひつような方ほうを想定そうていしていますが、それ以外いがいの方ほうもお問とい合あわせください。
　自立じりつのあと、一定いってい期間きかんの介助かいじょ者しゃの費用ひようのサポートをいたします。
　制度せいど交渉こうしょうしてヘルパー制度せいどを延のばすバックアップをします。
　アパートを借かりる方法ほうほうなども研修けんしゅうでサポートいたします（毎日まいにち介助かいじょがつく場合ばあいはきちんと方法ほうほうを学まねべば簡単かんたんに借かりることが可能かのう）。住宅じゅうたく改造かいぞう制度せいどもあり、生活せいかつできるように改造かいぞうも可能かのうです。
　研修けんしゅう参加さんかの交通こうつう費ひや介助かいじょ費用ひようは助成じょせいいたします。
　自立じりつ生活せいかつをするためのノウハウを持もつための講座こうざ（ＩＬＰ）を受講じゅこうしていただきます。
　なお、複数ふくすう募集ぼしゅうがある場合ばあいは、当会とうかいほかが進すすめている、公益こうえき的てきな障害しょうがい福祉ふくし活動かつどうに参加さんかしていただける方ほうを優先ゆうせんいたします。