今回こんかいの国庫こっこ補助ほじょ基準きじゅんに関かんする考かんがえ方かた

１．今回こんかい、新あらたに適応てきおうされる障害しょうがい者しゃホームヘルプ事業じぎょうの国庫こっこ補助ほじょ基準きじゅんは、市町村しちょうそんに対たいする補助ほじょ金きんの交付こうふ基準きじゅんであって、個々人ここじんの支給しきゅう量りょうの上限じょうげんを定さだめるものではない。

２．今回こんかいの国庫こっこ補助ほじょ基準きじゅんは、現在げんざいの平均へいきん的てきな利用りよう状じょう況きょうを踏ふまえて設定せっていするものであり、今後こんご、支援しえん費ひ制度せいど施行しこう後ごの利用りよう状じょう況きょう等とうを踏ふまえ、見直みなおすこととする。

３．国庫こっこ補助ほじょ基準きじゅんの設定せっていに当あたっては、現在げんざい提供ていきょうされているサービス水準すいじゅんが確保かくほされるよう、現状げんじょうからの円滑えんかつな移行いこうを図はかることとし、従前じゅうぜんの国庫こっこ補助ほじょ金きんを下回したまわる市町村しちょうそんについては、移行いこう時じにおいて、原則げんそくとして、従前じゅうぜん額がくを確保かくほするものとする。

４．検討けんとう会かいをできるだけ早はやい時期じきに設置せっちすることとし、支援しえん費ひ制度せいど下かにおけるホームヘルプサービスの利用りようや提供ていきょうの実態じったいを把握はあくした上うえで、在宅ざいたくサービスの望のぞましい地域ちいきケアモデル、サービス向上こうじょうのための取組とりくみ等とう、障害しょうがい者しゃに対たいする地域ちいき生活せいかつ支援しえんの在あり方かたについて精力せいりょく的てきな検討けんとうを行おこなうこととする。
　また、国庫こっこ補助ほじょ基準きじゅんについては、支援しえん費ひ制度せいど施行しこう後ごのホームヘルプサービスの利用りよう状じょう況きょう等とうを踏ふまえ、検討けんとう会かいにおいて、その見直みなおしの必要ひつよう性せいについて検討けんとうするものとする。
　なお、検討けんとう会かいの運営うんえい等とうについては、利用りよう者しゃの意向いこうに配慮はいりょし、利用りよう当事とうじ者しゃの参加さんかを求もとめるとともに、公正こうせいな運営うんえいが確保かくほされるよう、適切てきせつな委員いいん構成こうせいとする。

５．今後こんごとも、ホームヘルプサービスについては充実じゅうじつを図はかるとともに、そのために必要ひつような予算よさんの確保かくほにつき、最大限さいだいげん努力どりょくする。

国庫こっこ補助ほじょ基準きじゅんの概要がいよう（案あん）

１．基準きじゅんの正確せいかく

予算よさんの範囲はんい内ないで、市町村しちょうそんの公平こうへい・公正こうせいな執行しっこうを図はかるための基準きじゅん。従したがって、個々ここのサービスの「上限じょうげん」を定さだめるものではなく、また、市町村しちょうそんにおける至急しきゅう決定けっていを制約せいやくするものではない。

２．具体ぐたい的てき基準きじゅん

次つぎの基準きじゅんとする。

なお、この基準きじゅんは、市町村しちょうそんに補助ほじょ金きんを交付こうふするための算定さんてい基準きじゅんであり、市町村しちょうそんが、交付こうふされた補助ほじょ金きんの範囲はんい内ないで、市町村しちょうそんごとの障害しょうがい者しゃの特性とくせいに応おうじた運用うんようを行おこなうこと妨さまたげるものではない。

（１）一般いっぱんの障害しょうがい者しゃの場合ばあい

１月がつ当あたり　概おおむね　２５時じ間あいだ

（６９，３７０円えん）

（２）視覚しかく障害しょうがい者しゃ等とう特有とくゆうのニーズをもつ者ものの場合ばあい

１月がつ当あたり　概おおむね　５０時じ間あいだ

（１０７，６２０円えん）

（介護かいご保険ほけん給付きゅうふの対象たいしょう者しゃ　概おおむね　２５時じ間あいだ）

（３８，２５０円えん）

（３）全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃの場合ばあい

１月がつ当あたり　概おおむね１２５時じ間あいだ

（２１６，９４０円えん）

（介護かいご保険ほけん給付きゅうふの対象たいしょう者しゃ　概おおむね　３５時じ間あいだ）

（６０，７４０円えん）

３．経過けいか措置そち

　本ほん基準きじゅんへの円滑えんかつ移行いこうの観点かんてんから、「２．具体ぐたい的てき基準きじゅん」に関かかわらず、国庫こっこ補助ほじょ金きんを「基準きじゅん交付こうふ金きん」と「調整ちょうせい交付こうふ金きん」の２区分くぶんとする経過けいか措置そちを講こうずる。具体ぐたい的てきには、次つぎのとおり。

（１）基準きじゅん交付こうふ金きん

　「２．具体ぐたい的てき基準きじゅん」を基もとに算定さんていした額がく（基準きじゅん額がく）を交付こうふする。

　ただし、所要しょようの国庫こっこ補助ほじょ金額きんがく（見込みこみ額がく）が上記じょうきの額がくを下回したまわる場合ばあいには、当該とうがい所要しょよう額がく（見込みこみ額がく）とする。

（２）調整ちょうせい交付こうふ金きん

　基準きじゅん交付こうふ金きんの額がくが従前じゅうぜんの国庫こっこ補助ほじょ金きんを下回したまわる市町村しちょうそんに対たいし、原則げんそくとして、従前じゅうぜん額がくを確保かくほできるよう、交付こうふする。

４．基準きじゅんの見直みなおし

　本ほん基準きじゅんについては、支援しえん費ひ制度せいど施行しこう後ごの利用りよう状じょう況きょう等とうを踏ふまえ、見直みなおすものとする。

参考さんこう資料しりょう（厚生省こうせいしょうが２００３年ねん１月がつ２７日にちまでに１週間しゅうかんほどで都道府県とどうふけんを通とおして全国ぜんこく3186市町村しちょうそんの全数ぜんすう調査ちょうさをした結果けっか）

1. 事業じぎょう実施じっし状じょう況きょう（現げんにサービス利用りようのあった市町村しちょうそん）

• 上限じょうげん撤廃てっぱいについて前回ぜんかいまで文言もんごんとして明示めいじされていなかったが、ホームヘルプの支給しきゅう量りょうについては、現行げんこう通どおり上限じょうげんなく必要ひつように応おうじて支給しきゅうすることができることを改あらためて確認かくにんし、市町村しちょうそんに対たいしても誤解ごかいがないようにするために、第だい一いち番目ばんめの項目こうもくとして掲かかげられた。

○交付こうふ基準きじゅんについては、今回こんかい全国ぜんこくの利用りよう状じょう況きょうについて調査ちょうさし、確保かくほした予算よさんの額がくと勘案かんあんして、平均へいきん利用りよう状じょう況きょうを上回うわまわる水準すいじゅんとして“平均へいきん利用りよう時間じかんの約やく1.5倍ばい”に設定せっていされる。

平均へいきん利用りよう時間じかんよりもサービスが必要ひつような人ひとについても、今回こんかい平均へいきん利用りよう時間じかんの1.5倍ばいを交付こうふすることと平均へいきん以下いかの利用りよう者しゃが存在そんざいすることから、全体ぜんたいとしては現状げんじょうのサービスを確保かくほできる補助ほじょ金きん水準すいじゅんとなっている。

○「現在げんざい提供ていきょうされているサービス水準すいじゅんが確保かくほされるよう」の文言もんごんをいれることで、現在げんざいのサービス水準すいじゅんを下さげないことを改あらためて確認かくにんする。「現在げんざい提供ていきょうされているサービス水準すいじゅん」とは個人こじんのサービス水準すいじゅんだけを指さすのではなく、その市町村しちょうそんとしてのサービス水準すいじゅんを指さしている。

○移行いこう時じ措置そちとして、15年度ねんど予算よさんの約やく１割わり（約やく28億おく）を調整ちょうせい金きんとして別枠べつわくで確保かくほし、原則げんそくとして各かく市町村しちょうそんが前年度ぜんねんどの国庫こっこ補助ほじょ金きんを下回したまわらないよう上乗うわのせを行おこなうことになった。「原則げんそくとして」は国くにとして最大限さいだいげんの表現ひょうげんであり、従前じゅうぜんの額がくを確保かくほできるよう実施じっしするとされた。厚労省こうろうしょうは調整ちょうせい金きん28億おくの中なかで全すべての地域ちいきの上乗うわのせ分ぶんを確保かくほできると見みている。（東京とうきょう都とが７〜８億おく円えん足たりないという新聞しんぶん報道ほうどうがあったが、ホームヘルプ事業じぎょう費ひを一番いちばん多おおく使つかっているのが東京とうきょう都とであることを考かんがえると、28億おくという調整ちょうせい金きんは充分じゅうぶんな額がくであると考かんがえられる。）

○「従前じゅうぜんの額がく」とは現行げんこうのサービス時間じかん数すうと15年度ねんどからの支援しえん費ひ単価たんかを用もちいた額がくであり、14年度ねんど実績じっせき＋単価たんかアップ分ぶんも見込みこんだ額がくである。

○「移行いこう時じ」は単たんに15年度ねんどということではなく、今回こんかいの交付こうふ基準きじゅんをさらに見直みなおしする時点じてんまでを指さす。見直みなおしの際さいにさらに必要ひつようならば移行いこう時じの措置そちを講こうじる。サービスの基準きじゅんがあがっていけば、やがて移行いこう時じの措置そちは必要ひつようなくなる。サービスを交付こうふ基準きじゅんにあわせて引ひき下さげるのではなく、高たかい地域ちいきについては維持いじしながら、全体ぜんたいの底上そこあげを図はかっていくという考かんがえが示しめされた。