国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんの市町村しちょうそんでの計算けいさん方法ほうほう

　いまだに国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんの計算けいさん方法ほうほうを理解りかいしない市町村しちょうそんがあり、「個々人ここじんで国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんを超こえると全額ぜんがく市町村しちょうそん負担ふたんとなると勘違かんちがいしている」という話はなしをよく聞ききます。国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんは個々人ここじんの持もち物ものでも権利けんりでもありません。単たんに市町村しちょうそん全体ぜんたいで国庫こっこ負担ふたん額がくを決きめるための計算けいさん式しきで、数字すうじは平均へいきん利用りよう実績じっせきを元もとに作つくられたものです。平均へいきんを超こえる利用りよう者しゃもいれば下回したまわる利用りよう者しゃ（こちらの方ほうが多おおい）もいます。障害しょうがい者しゃ団体だんたいは、このページを理解りかいしていない市町村しちょうそんに見みせて、県けんを通とおして国くにに確認かくにんしてもらうようにしてください。

Ａ町まちの例れい　ヘルパー利用りよう者しゃ１３人にんの場合ばあい

　
　Ａ町まちの場合ばあい、利用りようしたヘルパー事業じぎょう費ひの合計ごうけい額がくより国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんの合計ごうけいが大おおきいため、ヘルパー事業じぎょう費ひの全額ぜんがくが国庫こっこ負担ふたんの対象たいしょうとなる（１９５万まん円えんの５０％が国くに負担ふたんとなる）。また、区分くぶん間あいだ流用りゅうようがなくなり、区分くぶんごとの別べつ計算けいさんに制度せいどが改正かいせいされたとしても、各かく区分くぶん内ないでヘルパー事業じぎょう費ひの合計ごうけいよりも国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんの合計ごうけいが大おおきいため、ヘルパー事業じぎょう費ひの全額ぜんがくが国庫こっこ負担ふたんの対象たいしょうとなる。
　Ａ町まちの場合ばあい、個々人ここじんごとで見みると、国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんを超こえている利用りよう者しゃ（下線かせん）が２名めいいるが、これらのサービスも全額ぜんがくが国庫こっこ負担ふたん対象たいしょうになる。

・国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんについて詳くわしくは、2006年ねん2･3月がつ合併がっぺい号ごうをご覧らんください。

■国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんの表ひょう（2006年ねん2-3月合併がっぺい号ごう16ｐ記事きじ）へリンク　

国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんで自治体じちたいの欠損けっそんが出でないようにする方法ほうほう

・国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんは財務省ざいむしょうの要求ようきゅうで仕方しかたなく導入どうにゅうしたものです。障害しょうがい者しゃ団体だんたいも地方自治体ちほうじちたいも国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんの廃止はいし（2002年度ねんど以前いぜんのように、ヘルパー事業じぎょう費ひの全額ぜんがくを国庫こっこ補助ほじょ対象たいしょうにすること）を目指めざしています。

・国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんは、1つの市町村しちょうそんにヘルパーを平均へいきんよりも多おおく使つかう人ひとも、平均へいきんよりも少すくなく使つかう人ひとも満遍まんべんなくいると、事業じぎょう費ひが国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんをオーバーすることがありません。
　市町村しちょうそんは、長時間ちょうじかんニーズの利用りよう者しゃにだけサービス提供ていきょうするのではなく、月つきに数時間すうじかんだけのヘルパー利用りようのニーズのある障害しょうがい者しゃにもヘルパー制度せいどを周知しゅうちして、広ひろく利用りようしてもらうことで、国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんオーバーすることはなくなります。

・例たとえば、ヘルパー制度せいどを使つかっていない障害しょうがい者しゃが、月つきに1回かい通院つういんするのに通院つういん介助かいじょを月つきに１時じ間あいだだけ使つかう場合ばあい、このような区分くぶん6の障害しょうがい者しゃが10人にんいれば、国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんが市町村しちょうそん全体ぜんたいで月つき18２万まん円えんアップします。
市町村しちょうそんで国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんぎりぎりまで事業じぎょう費ひが達たっしそうな場合ばあいは、短時間たんじかんしかニーズのない障害しょうがい者しゃにもヘルパー制度せいどの利用りようを市町村しちょうそんが積極せっきょく的てきに進すすめるなど、いろいろな対策たいさくがあります。
市しの全すべての障害しょうがい者しゃに、病気びょうきなどのときに使つかえるように、あらかじめ1人ひとり数すう時じ間あいだの支給しきゅう決定けっていを行おこなっておき、緊急きんきゅう時じにすぐにヘルパー制度せいど（短時間たんじかん）が使つかえるようにしている市町村しちょうそんもあります。
障害しょうがい者しゃ団体だんたいも、このような方法ほうほうを市町村しちょうそんに情報じょうほう提供ていきょうすることにより、事業じぎょう費ひが国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんをオーバーする市町村しちょうそんが出でないように注意ちゅういしてください。

　なお、小規模しょうきぼの市町村しちょうそんの事業じぎょう費ひが国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんオーバーして、国庫こっこ負担ふたんが欠損けっそんした場合ばあい、都道府県とどうふけんの地域ちいき生活せいかつ支援しえん事業じぎょうで、欠損けっそんの全額ぜんがくを補填ほてんする制度せいども行おこなうことが可能かのうです。ただし、予算よさん規模きぼがもともと小ちいさいので、東京とうきょう都との一部いちぶ自治体じちたいのような1自治体じちたいで数すう千せん万まん円えんを超こえるような欠損けっそんが出でても、補助ほじょは不可能ふかのうです。数かず十じゅう万まん円えんまでの補填ほてんが可能かのう性せいのあるラインです。いずれにしても、県けんにこの補填ほてんを実施じっしするように各かく県けんの障害しょうがい者しゃ団体だんたいが事前じぜんに県けんに交渉こうしょうをすることが必要ひつようです。