重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごで新人しんじんヘルパーと熟練じゅくれんヘルパー２名めい体制たいせいが１２０時じ間あいだまで認みとめられる制度せいど改正かいせい（４月がつ１日にちから）

ほか、重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごと国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんの改正かいせいの新しん情報じょうほう

 

 

　

 

２月がつ５日にちの厚生こうせい労働省ろうどうしょうの障害しょうがいの報酬ほうしゅう改定かいてい検討けんとうチームで「報酬ほうしゅう改定かいていの概要がいよう（案あん）」の資料しりょうが厚労省こうろうしょうから出でています。

案あんとなってはいますが、財務省ざいむしょうとも協議きょうぎ済ずみの内容ないようのようで、これでほとんど確定かくていとなる内容ないようです。

 

２月がつ５日にち報酬ほうしゅう改定かいてい検討けんとうチーム厚労省こうろうしょう資料しりょう全体ぜんたい

http://www.kaigoseido.net/o/180205.pdf

重度じゅうど訪問ほうもんは２４ｐ

国庫こっこ負担ふたん基準きじゅん６５ｐ

最後さいごの方ほうに４月がつからの具体ぐたい的てきな報酬ほうしゅう一覧いちらんが掲載けいさいされています。

 

 

 

解説かいせつ

 

１　重度じゅうど訪問ほうもん介護かいご　一時いちじ入院にゅういん中ちゅうの利用りようについて

 

重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごの入院にゅういん中ちゅうの利用りようは自宅じたくと同おなじ単価たんかで確定かくていです。

入院にゅういんして９０日にちを超こえると２０％減額げんがくになります。

喀痰かくたん吸引きゅういんの１日にち１０００円えんの加算かさんは、病院びょういんでは介護かいごしない建前たてまえなので、入院にゅういん中ちゅうはつきません。

 

 

 

 

２　重度じゅうど訪問ほうもん介護かいご　新規しんき採用さいようヘルパーが熟練じゅくれんヘルパーと２名めい体制たいせいで入はいるとき、１２０時じ間あいだを上限じょうげんとする加算かさん制度せいどができました。

 

新規しんき採用さいようヘルパーが最さい重度じゅうど障害しょうがい者しゃの介護かいごサービスに入はいる時ときに、介護かいごに慣なれて１人にんで出来できるようになるまで熟練じゅくれんヘルパーと２名めいで入はいりますが、この２名めい体制たいせいに１２０時じ間あいだを上限じょうげんとする加算かさん制度せいどができました。２名めいで入はいる期間きかんは１７０％の単価たんかになります。（ベテランが従来じゅうらいの１００％とすると、新人しんじんは７０％の考かんがえ方かた。重度じゅうど訪問ほうもん区分くぶん６は１時じ間あいだ２０００円えん程度ていどの平均へいきん単価たんかのため、新人しんじん分ぶんで１４００円えんの単価たんかと考かんがえるとわかりやすい）

　区分くぶん６以上いじょうが対象たいしょうで、市町村しちょうそんが加算かさんの支給しきゅう決定けっていをつけた障害しょうがい者しゃが対象たいしょうになります。加算かさんなので、市町村しちょうそんに変更へんこう申請しんせいして受給じゅきゅう者しゃ証しょうに何なん時じ間あいだの加算かさんか（１２０時じ間あいだ満額まんがくとは限かぎらない）を記載きさいしてもらう方法ほうほうになると思おもわれます。（似にたような制度せいどで移動いどう加算かさんが有ありますが、これも、移動いどう加算かさんの時間じかんを増ふやすには変更へんこう申請しんせいが必要ひつようで、受給じゅきゅう者しゃ証しょうに移動いどう加算かさんの時間じかん数すうが記載きさいされます）。

　ただし、施設しせつや親元おやもとからの２４時じ間あいだ介護かいご利用りよう者しゃの自立じりつ時じなどには、最初さいしょの一いちヶ月かげつに３〜４名めいほどの新人しんじんを雇用こようして入いれていくこともあるため、同時どうじに３名めい程度ていどの同行どうこう訪問ほうもんも認みとめられる予定よていだそうです（月つき１２０時じ間あいだの支給しきゅう決定けってい者しゃでも１２０時じ間あいだが上限じょうげんではなく３倍ばいの３６０時じ間あいだもあり得える）。

 

算定さんてい上じょうは熟練じゅくれんヘルパーと新人しんじんヘルパーにそれぞれ８５％の単価たんかでの請求せいきゅう（合あわせて１７０％）の仕組しくみになります。

　なお、資料しりょうには「意思いし疎通そつうが困難こんなんな利用りよう者しゃ等とう」と有ありますが、厚労省こうろうしょうによると、意思いし疎通そつうが困難こんなんな障害しょうがい者しゃのみを対象たいしょうにしているわけではなく、あくまで意思いし疎通そつうは例示れいじです。独自どくじの介護かいご方法ほうほうや高度こうどな介護かいごが必要ひつようなどで介護かいご方法ほうほうを覚おぼえるのに時間じかんがかかる障害しょうがい者しゃなども対象たいしょうです。

 

　なお、私わたし達たち障害しょうがい者しゃ団体だんたい側がわが数すう年来ねんらい要望ようぼうしていた方法ほうほうは、ＡＬＳや人工じんこう呼吸こきゅう器き利用りよう者しゃなどに入はいる場合ばあいには、新規しんき採用さいようヘルパー以外いがいのヘルパーでも、熟練じゅくれんヘルパーとの２名めい体制たいせいでの同行どうこう訪問ほうもんが必要ひつようとの要望ようぼう・説明せつめいでしたが、今回こんかいは新規しんき採用さいようヘルパーのみが採用さいようされました。

　また、期間きかんもＡＬＳの最さい重度じゅうどの場合ばあいは数ヶ月すうかげつの場合ばあいも実際じっさいありうると要望ようぼうしたのですが、一律いちりつに１２０時じ間あいだまでしか財務省ざいむしょうが認みとめなかったようです。そもそも介護かいご保険ほけんも障害しょうがいも新人しんじんの育成いくせいコストは通常つうじょうの介護かいご報酬ほうしゅうから事業じぎょう所しょが負担ふたんすべきものとの前提ぜんていが有あり、（重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごがほとんど人件じんけん費ひと同おなじような低ひくい単価たんかの特殊とくしゅな制度せいどだと言いえ）特例とくれいを認みとめさせるのには、骨ほねが折おれたようです。

　この加算かさんに支給しきゅう決定けっていを要ようすることにも、これ以上いじょうの出費しゅっぴを嫌いやがる一部いちぶの市町村しちょうそんでは、十分じゅうぶんな時間じかん数すうを認みとめないというケースも有ありえますので、支給しきゅう決定けっていを要ようさない（緊急きんきゅう時じ加算かさんや特別とくべつ地域ちいき加算かさんや特定とくてい事業じぎょう所しょ加算かさんのような）加算かさんの仕組しくみを要望ようぼうしていましたが、不ふ適正てきせいな利用りようをする事業じぎょう所しょの対策たいさくが難むずかしいということで、これも認みとめられませんでした。

 

重度じゅうど訪問ほうもんの利用りよう者しゃが１人にんだけのような小ちいさい団体だんたいの場合ばあいは、新人しんじんが週しゅう４回かい入はいる場合ばあいは３週間しゅうかん分ぶんとなります。週しゅう２回かい入はいる非常勤ひじょうきんを雇用こようした場合ばあいは、この倍ばいの６週間しゅうかんとなります。

　ここまでの時間じかん数すうが必要ひつようかどうかは、市町村しちょうそんが決きめますので、今いまからこの加算かさんの変更へんこう申請しんせいの用意よういをして、どれだけの時間じかんが必要ひつようか、市町村しちょうそんへの説明せつめいが必要ひつようです。

　一般いっぱんの市町村しちょうそんがこの新しん制度せいどについて知しるのは、国くにの主管しゅかん課長かちょう会議かいぎ（３月がつ１４日にち）資料しりょうを手てに入いれた都道府県とどうふけんが県内けんない市町村しちょうそん向むけに資料しりょうを再送さいそうまたは県内けんないの課長かちょう会議かいぎを行おこなったあとになります。（政令市せいれいしや中核ちゅうかく市しは国くにの会議かいぎに参加さんか）。そのため、この新しん制度せいどの加算かさんの申請しんせいの受付うけつけは４月がつ上旬じょうじゅんにならないと対応たいおうできないでしょう。急いそぎ必要ひつような障害しょうがい者しゃは、説明せつめい資料しりょうの準備じゅんびだけは先さきにしていてください。

 

 

新人しんじん同行どうこうの加算かさんについて全ぜんせき連れんが厚労省こうろうしょうに確認かくにんした内容ないようです

 

 Ｑ．120時間じかんの上限じょうげんは利用りよう者しゃ1人ひとごとか。

 　　それとも、1人ひとの利用りよう者しゃに別べつの新人しんじんヘルパーが入はいれば、

 　　ヘルパー1人ひと1人ひとそれぞれで120時間じかんを算定さんていできるのか。

 

　Ａ．ヘルパー1人ひと1人ひとについてそれぞれ120時間じかんを算定さんていできるようにするが、

　　　通年つうねんで常時じょうじ2人体じんたい制せいとすることなどは想定そうていしていないので、

　　　どこかに「原則げんそくとして年間ねんかん2〜3人ひと以内いない」などと規定きていする予定よてい。

 

 

 

 

３　国庫こっこ負担ふたん基準きじゅん　国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんのかさ上あげ

 

　小しょう〜中規模ちゅうきぼ市町村しちょうそんへの国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんのかさ上あげの仕組しくみが入はいりました。

残念ざんねんながら「小規模しょうきぼ市町村しちょうそんは費用ひようの全額ぜんがくを国庫こっこ負担ふたん基準きじゅん対象たいしょうにする」という目標もくひょうは実現じつげんできませんでしたが、支給しきゅう決定けってい者しゃ６００人にん以下いかで重度じゅうど訪問ほうもん利用りよう者しゃ２０％以上いじょうなら、国庫こっこ負担ふたん基準きじゅん２倍ばい（＝１００％のかさ上あげ）など、支給しきゅう決定けってい人数にんずう（少すくないほど、かさ上あげが高たかい）や重度じゅうど訪問ほうもん利用りよう率りつ（高たかいほど、かさ上あげが高たかい）で５％〜１００％のかさ上あげを段階だんかい的てきに行おこなう仕組しくみができました。

　

　たとえば、ヘルパー利用りよう者しゃ４人にんの小ちいさな町村ちょうそんで４５歳さいのＡＬＳ（１５％加算かさん対象たいしょう者しゃ）の２４時じ間あいだ介護かいご利用りよう者しゃが出でたような場合ばあい、月つき１１４万まん円えんの国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんとなります。介護かいご保険ほけん対象たいしょうではない３５歳さいの場合ばあいは１６８万まん円えんの国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんとなります。

　秋田あきた県けん北部ほくぶの白神しらかみ山地さんちのある過疎かその八はち峰みね町まちでＡＬＳ２４時じ間あいだ介護かいご希望きぼう者しゃが２人ふたりもいて、国庫こっこ負担ふたん金きんが足たりないことから役場やくば職員しょくいんも必要ひつよう性せいを認みとめながらも財務ざいむの許可きょかが出でず制度せいどが伸のびず、長年ながねんここをモデルに全国ぜんこく団体だんたいと現地げんちメンバーで国くにに要望ようぼうを続つづけていました。残念ざんねんながら１０年ねん以上いじょう要望ようぼうを続つづけていた八はち峰みね町まちのＡＬＳのNさんは亡なくなってしまいました。ALS協会きょうかいの秋田あきた県けん支部しぶ長ちょうを勤つとめて自薦じせん登録とうろくで２４時じ間あいだに近ちかい介護かいご体制たいせいを実践じっせんし、県内けんないに広ひろめた一人ひとりです。

　中規模ちゅうきぼな市町村しちょうそんでは年間ねんかん支給しきゅう決定けってい者しゃ数すう４２００人にん（月つき３５０人にん平均へいきん）未満みまんの場合ばあいから、かさ上あげがあります。重度じゅうど訪問ほうもん介護かいご利用りよう者しゃの割合わりあいに応おうじてかさ上あげ率りつが上あがります。ボーダーラインの市町村しちょうそんに利用りよう者しゃがいる団体だんたいは市町村しちょうそんに問とい合あわせて情報じょうほうを送おくってあげてください。たとえば、居宅きょたく介護かいご利用りよう者しゃでも週しゅう１回かいは重度じゅうど訪問ほうもんに切きり替かえて長時間ちょうじかん利用りようにして外出がいしゅつなどができます（日ひが変かわれば重度じゅうど訪問ほうもんと居宅きょたくの同時どうじ支給しきゅうは可能かのう。通知つうちになってないので、市町村しちょうそんが厚労省こうろうしょうに問とい合あわせ確認かくにん必要ひつよう）。

 

 

3-2　特別とくべつ地域ちいき加算かさんの地域ちいきの国庫こっこ負担ふたん基準きじゅんを１５％アップ

　　青森あおもりや北見きたみなど特別とくべつ地域ちいき加算かさん１５％の対象たいしょう地ちですが、これら地域ちいきは国庫こっこ負担ふたんも１５％上あがることになりました。

 

3-3　介護かいご保険ほけん対象たいしょう者しゃの国庫こっこ負担ふたん基準きじゅん

　　重度じゅうど訪問ほうもんと居宅きょたくの差額さがくを介護かいご保険ほけん対象たいしょう者しゃの基準きじゅん額がくにすることに変かえたため、たとえば人工じんこう呼吸こきゅう器き利用りよう者しゃなど１５％加算かさん対象たいしょう者しゃ（月つき８４万まん円えん）なら介護かいご保険ほけん対象たいしょうでも月つき５７万まん円えん台だいになりました。