重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごの運転うんてんの停車ていしゃ時じの介護かいごの加算かさん

移動いどう介護かいご緊急きんきゅう時じ支援しえん加算かさん【新設しんせつ】のまとめと解説かいせつ

報酬ほうしゅう改定かいていチームの資料しりょうより

報酬ほうしゅう告示こくじ

留意りゅうい事項じこう通知つうち

解説かいせつ

留意りゅうい事項じこうの（二に）の「例たとえば」以下いかは例示れいじの一ひとつであり、他ほかにも、排泄はいせつ、水分すいぶん補給ほきゅう、体温たいおん調節ちょうせつのための上着うわぎの脱ぬぎ着き、褥しとね瘡かさ防止ぼうしの座すわり位置いちの微ほろ調整ちょうせいなどなど、「常時じょうじ介護かいごを要ようする者ものの障害しょうがいの特性とくせいに起因きいんして生しょうじうる緊急きんきゅうの支援しえん」ならなんでもあり

支給しきゅう決定けっていは必要ひつようとしない加算かさんですので、２０２１年ねん4月つき１日にちから利用りようできます

Ｑ＆Ａきゅーあんどえー（事務じむ連絡れんらく）

解説かいせつ

　障害しょうがい者しゃの車くるまや、障害しょうがい者しゃが借かりて用意よういした車くるまならば、道路どうろ運送うんそう法ほうの規制きせい対象たいしょうではないので、何なんの許認可きょにんかも不要ふようで、この制度せいどを利用りようできます。

　一方いっぽうで、ヘルパーの車くるまや、ヘルパー事業じぎょう所しょの車くるまの場合ばあいは、道路どうろ運送うんそう法ほうの許可きょかがいります。（事実じじつ上じょう、こちらを行おこなう事業じぎょう所しょは無ないでしょう）

告示こくじ・通知つうち・Q&Aなど資料しりょう全体ぜんたいは
　 厚労省こうろうしょう「令れい和わ３年度ねんど障害しょうがい福祉ふくしサービス等とう報酬ほうしゅう改定かいていについて」ページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202214_00007.htm
にあります
 

２月がつのHP解説かいせつ記事きじより（再さい掲載けいさい）

厚労省こうろうしょうで報酬ほうしゅう改定かいてい検討けんとうチームが開催かいさいされ、2021年とし4月つきからの報酬ほうしゅう改定かいていの内容ないようが了承りょうしょうされました

資料しりょう全体ぜんたい

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16541.html

重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごでヘルパー運転うんてん可能かのうに（４月がつからの制度せいど改正かいせいで）

重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごについては、去年きょねんから要望ようぼうしていた、ヘルパーが障害しょうがい者しゃの車くるま等とうを運転うんてん中ちゅうに停車ていしゃして介護かいごを緊急きんきゅうで行おこなう場合ばあいの1日ひ2400円えんの加算かさんができることが確定かくていしました。

従来じゅうらいは、障害しょうがい者しゃの車くるまをヘルパーが運転うんてんする場合ばあい、運転うんてん時間じかんは重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごの制度せいどが使つかえなかったため、障害しょうがい者しゃが自費じひで人件じんけん費ひを支払しはらう必要ひつようがありました。今回こんかいの加算かさんができたことで、短時間たんじかんの運転うんてんならば、この自己じこ負担ふたんがなくなる事業じぎょう所しょがほとんどになるでしょう。

重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごの「移動いどう加算かさん」と今回こんかいの加算かさん「移動いどう介護かいご緊急きんきゅう時じ支援しえん加算かさん」を加くわえると、車くるまに往復おうふく1時半じはんから2時間じかんぐらい乗のって買かい物ものに行いくくらいであれば、（運転うんてん途中とちゅうで停車ていしゃして介護かいごを行おこなっていれば）、家いえにずっといる場合ばあいの重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごの介護かいご報酬ほうしゅうと同おなじ位いの報酬ほうしゅうになるため、全国ぜんこくのどこの事業じぎょう所しょでも、１日にち1時間じかん半はんから2時間じかん位いまでの短時間たんじかんの車くるまを使つかった運転うんてんつきの外出がいしゅつを利用りよう者しゃの（制度せいど外がいの）自己じこ負担ふたんなしで実施じっしできるようになるでしょう。（車くるまは障害しょうがい者しゃが用意よういすることが必須ひっす）

なお、ヘルパーの車くるまやヘルパー事業じぎょう所しょの車くるまだと白しろタクになるので利用りようできません。

障害しょうがい者しゃが持もっている車くるまや、障害しょうがい者しゃ自身じしんが借かりた車くるまなど、道路どうろ運送うんそう法ほうに違反いはんしない車くるまに限定げんていの話はなしです。これ通知つうち等とうで記載きさいするそうです。

厚労省こうろうしょう報酬ほうしゅう改定かいてい検討けんとうチーム資料しりょう

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000733748.pdf

23p抜粋ばっすい

なお、障害しょうがい者しゃが用意よういした車くるまであれば、ヘルパー運転うんてんでも白しろタクにならない解説かいせつについては下記かきの過去かこ記事きじを参照さんしょうください

（ヘルパーの車くるまやヘルパー事業じぎょう所しょの車くるまだと白しろタクになりますので、今回こんかいの制度せいどは使つかえません）

国土こくど交通省こうつうしょうの道路どうろ運送うんそう法ほうとの関係かんけいについての２００５年ねんの解説かいせつ記事きじ

http://www.kaigoseido.net/topics/05docu/dorouneihou.htm

その後ご出でた国土こくど交通省こうつうしょうの事務じむ連絡れんらく

http://www.kaigoseido.net/topics/05docu/dorouneihou.pdf

運動うんどうの経緯けいいの解説かいせつ

海外かいがいでは北欧ほくおうのパーソナルヘルパーなどが２４時じ間あいだの介護かいごサービスの中なかで運転うんてんも行おこなっており、運転うんてん中ちゅうは介護かいごサービス対象たいしょう外がいになるのは日本にっぽん独自どくじの事情じじょうでした。（そもそも、障害しょうがい者しゃが車くるまでも、学校がっこうでも、職場しょくばでも、パーソナルヘルパー制度せいどが使つかえます）

日本にっぽんでも、１９９９年ねんまでは明確めいかくに運転うんてんが介護かいごの対象たいしょう外がいというルールはなく、当時とうじはガイドヘルパーで運転うんてんを認みとめている地方ちほう都市としもありました。中なかには貸かし出だし用ようのリフトカーを市しが用意よういした地域ちいきもあります。

ところが、２０００年ねんに介護かいご保険ほけんが始はじまると、身体しんたい介護かいごで通院つういんが認みとめられ、タクシー会社かいしゃが運転うんてん手しゅに２級きゅう資格しかくを取とらせ、身体しんたい介護かいご（１時じ間あいだ４０００円えん）を使つかって老人ろうじんを運賃うんちん無料むりょうで通院つういんさせるということが起おきました。この利用りよう者しゃには歩あるけるくらいの軽度けいどの老人ろうじんも多おおかったため問題もんだいになりました。この結果けっか、厚労省こうろうしょう老健ろうけん局きょくは運転うんてん中ちゅうは介護かいごを行おこなってないので介護かいごサービスの対象たいしょうでないことを決きめ通知つうちします。

　これ以降いこう、障害しょうがい福祉ふくしの外出がいしゅつサービスでも、整合せいごう性せいを取とるために、運転うんてん中ちゅうは介護かいごサービスの対象たいしょう外がいとなってしまいました。このため、それ以降いこう、全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃは、自腹じばらで運転うんてん中ちゅうの給与きゅうよをヘルパーに払はらって車くるま移動いどうするしかなくなりました。２４時じ間あいだ介護かいごサービス利用りよう者しゃが運転うんてん中ちゅうだけ制度せいどが使つかえないということになったのです。地方ちほうでは、健常けんじょう者しゃは大人おとなになると誰だれもが運転うんてん免許めんきょをとって生活せいかつしています。店舗てんぽも、公共こうきょうの施設しせつなども、職場しょくばも、車くるまでアクセスする前提ぜんていで社会しゃかいが作つくられています。健常けんじょう者しゃならば、車くるまに乗のって出でかけるのは普通ふつうですが、障害しょうがい者しゃの場合ばあいはヘルパーに時給じきゅうを払はらって移動いどうしていました。

　　しかし、近年きんねん批准ひじゅんした障害しょうがい者しゃの権利けんり条約じょうやくでは、障害しょうがい者しゃに対たいして、健常けんじょう者しゃと同様どうようの生活せいかつができるような施策しさくを行おこなうことが国くにに求もとめられています。特とくに地方ちほうで全身ぜんしん性せい障害しょうがい者しゃが車くるまで移動いどうが可能かのうになるヘルパー制度せいど改正かいせいが長年ながねん求もとめられていました。

　厚労省こうろうしょうの障害しょうがい福祉ふくし課かでは長年ながねん、障害しょうがい者しゃ団体だんたいからの要望ようぼうを受うけ、検討けんとうをしてきましたが、運転うんてん中ちゅうは介護かいごしていないとする２０００年ねんにできたルールが壁かべになって解決かいけつしませんでした。そんな中なか、運転うんてん中ちゅうに停車ていしゃして吸引きゅういんや体位たいい交換こうかんや排泄はいせつ介助かいじょなどを行おこなっているその短時間たんじかんを評価ひょうかする加算かさんを設もうけるアイディア案あんが出でました。その際さい、介護かいご保険ほけんの身体しんたい介護かいごと同おなじ単価たんかの通院つういん等とう介護かいごなど他たの移動いどう介護かいご制度せいどは単価たんかが高たかいため、それらまで同おなじような加算かさんをつけるわけには行いかないため、障害しょうがい者しゃ団体だんたいと相談そうだんしつつ単価たんかの低ひくい重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごと単価たんかの高たかい通院つういん等とう介護かいごなどの単価たんかの差さの範囲はんい内ないで、重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごに加算かさんする前提ぜんていで、制度せいど案あんができあがりました。

（通院つういん等とう介護かいご（身体しんたい介護かいごを伴ともなう）や同行どうこう援護えんごや行動こうどう援護えんごなどは１時じ間あいだ４０００円えん程度ていどと高たかい単価たんかのため、障害しょうがい者しゃの車くるまをヘルパーが運転うんてん中ちゅうは無料むりょうでサービスをしても、ヘルパーの人件じんけん費ひをまかなえます。サービスの５割わり程度ていどを運転うんてんに当あてても、重度じゅうど訪問ほうもんに比くらべて高たかい単価たんかです。このため、まずは重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごのみの加算かさんとして、今回こんかいの制度せいどが出来上できあがりました）

ヘルパーに運転うんてんしてもらうには障害しょうがい者しゃ側がわで準備じゅんびを

ヘルパーに運転うんてんをしてもらうことが初はじめての障害しょうがい者しゃも今後こんご増ふえると思おもわれますが、運転うんてんは間違まちがえれば事故じこを起おこし、被害ひがい者しゃが亡なくなると裁判さいばんで莫大ばくだいなお金かねを支払しはらう必要ひつようが出でます。運転うんてんを頼たのむ前まえに、障害しょうがい者しゃ側がわでしっかりと勉強べんきょうが必要ひつようです。

例たとえば、目的もくてき地ちまでどのような道みちを通とおるか、危険きけんな道みちはないか、いつでも路肩ろかたに停車ていしゃをできる広ひろい道みちか、普通ふつうは何分なにぶんでつくか、渋滞じゅうたい時じはどうか、安全あんぜんに行いくには何なん時じに出発しゅっぱつ準備じゅんびを初はじめて何なん時じに出でるのか、こういったことを障害しょうがい者しゃ自身じしんがネットを見みて調しらべて置おくことです。つねに３０分ふん以上いじょうの余裕よゆうを持もってつくようにする、遅おくれても急いそがさせないなど、急いそいで事故じこを起おこさないようにする責任せきにんがあります。ヘルパーの運転うんてんの能力のうりょくも把握はあくが必要ひつようです。障害しょうがい者しゃの車くるまを運転うんてんするので、なれてない車くるまのため、安全あんぜんな道路どうろで練習れんしゅうも必要ひつようです。任意にんい保険ほけんは、家族かぞく以外いがいの運転うんてんができるように変更へんこうが必要ひつようです。事故じこ時じは、運転うんてん手しゅの責任せきにんではなく運転うんてんを命めいじた障害しょうがい者しゃ自身じしんの責任せきにんです。相手方あいてがたにお詫わび等とうが必要ひつようです。ＣＩＬ等とうでは、講座こうざの自立じりつ生活せいかつプログラムの中なかでこれらを障害しょうがい者しゃが学まなんだ上じょうで無ないとヘルパー運転うんてんを利用りようできない障害しょうがい者しゃ団体だんたいもあります。